JP3156694B2 - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

走査電子顕微鏡

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JP3156694B2
JP3156694B2 JP05660999A JP5660999A JP3156694B2 JP 3156694 B2 JP3156694 B2 JP 3156694B2 JP 05660999 A JP05660999 A JP 05660999A JP 5660999 A JP5660999 A JP 5660999A JP 3156694 B2 JP3156694 B2 JP 3156694B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の利用分野】本発明は走査電子顕微鏡に係り、特
に像表示部に表示されたウエーハ上の微細パターン幅,
ピッチ等の寸法等を測定するのに好適な手段を備えた走
査電子顕微鏡に関するものである。 【0002】 【発明の背景】従来のウエーハの寸法測長等に用いられ
る走査電子顕微鏡においては、実開昭61−24606 号公報
に記載してあるように、S/N比の良好な信号およびパ
ターンのエッジラフネスを平均化した信号を用いて寸法
を測長する際に、指定位置の周辺の信号を平均化するこ
とを行っていた。なお、平均化とは、寸法測長方向と垂
直方向の上下の信号を加算平均することである。 【0003】しかし、その平均化する領域がどの範囲で
あるかを表示していなかった。そのため、オペレータ
は、その領域がどの範囲であるかを確認するためには、
指定領域を計算し、物差等を画面に当てて確認するとい
う方法をとっていた。そのため、オペレータに余計な負
担をかけたり、スループットの点で問題があった。 【0004】図5は従来の自動測長におけるCRT表示
例を示した図である。 【0005】従来の自動測長においては、カーソル発生
器に電子計算機より命令が送られ、まず、図5(a)に示
すように、CRT上にパターン21とカーソル22が表
示される。このカーソル22は、外部操作(例えば、ト
ラックボールの操作)により動きを制御することによ
り、測長位置に移動可能であり、加算器を用いてCRT
上にオーバレイして表示できる。 【0006】次に、図5(b)に示すように、図5
(a)の指定測長位置であるカーソル22を中心にし
て、測長寸法方向と垂直方向であるi方向に前もって設
定されている加算本数n,各ラインとラインの間隔sに
基づいて加算平均する。すなわち、i方向に間隔s毎に
加算し、現在の加算本数がn番目であるとすると、m画
素目の値は、(n−1)本までの加算値 【0007】〔ただし、A(i,m)は、m画素目のi
方向への値〕とn本目のA(n,m)とを加算して平均
する。この過程を測長指定位置の全画素について行い、
このようにして得られた信号を用いて、自動測長処理を
電子計算機を用いて行う。ただし、実現方法として、こ
こでは画像メモリに一度取り込んだ信号についての加算
平均について述べたが、これをハード的な方法で実現し
ても問題はない。 【0008】その結果は、図5(c)に示すように、測
長位置およびエッジ判定位置にそれぞれカーソル23,
24,25を表示するとともに、カーソル24,25の
間隔1に基づいて測長値を電子計算機により自動的に算
出する。 【0009】このように、測長位置に示すカーソル22
のみの表示であるので、平均する領域、あるいは、平均
した領域が明確でない。そのため、上記したように、オ
ペレータがどの領域を平均しているかを計算して、物指
等で確認するという作業が入り、オペレータに余計な負
担をかけていた。 【0010】これに対し、特開昭59−210312号公報の記
載には、この平均した領域を特定するために、その2本
のカーソルを画面上に表示する技術が開示されている。
しかしながら、半導体デバイス上に形成される種々の形
状や大きさのパターンの測長に適用するのに十分なもの
ではなかった。 【0011】本発明は、種々の形状や大きさのパターン
に対する測長の精度と正確さを向上するのに好適な測長
機能を備えた走査電子顕微鏡の提供を目的とするもので
ある。 【0012】 【発明の概要】本発明は、上記目的を達成するために、
試料上を電子ビームで走査し、前記試料で発生した信号
により表示装置に試料像の表示を行う測長機能を備えた
走査電子顕微鏡において、指定領域内の走査線を加算平
均しその結果に基づいて寸法測長を行う手段と、前記指
定領域とそれ以外の領域を示す2本の境界線を前記試料
像上に表示する手段と、前記指定領域内の各走査線間の
間隔を調節する手段と、当該手段の調節に伴って前記2
本の境界線間の間隔が調節され、当該境界線内の走査線
を加算平均した結果に基づいて寸法測定を行うことを特
徴とする測長機能を備えた走査電子顕微鏡を提供する。 【0013】このような構成によれば、試料の形状や大
きさを試料像で確認しつつ、平均する領域の設定を行う
ことができる。 【0014】ラインパターンのエッジにばらつきがある
ような場合、或る程度広い領域内の必要十分な走査線数
に基づいて測長を行うことで、処理効率を低下させるこ
となく測長のばらつきを平均化することができ、パター
ンの測長精度を向上させることができる。 【0015】また局所的に設けられたパターンや、或る
特定部分に特徴のあるパターンの側長を行う場合、平均
化する領域をその特徴個所に限定する必要があるが、そ
の限定された領域の中でも、最大限に平均化する領域を
確保し、走査をその部分で繰り返すことによる信号の重
畳を行った方が、パターンの測長の正確さをより向上さ
せることができる。 【0016】本発明の構成によれば、試料像でパターン
の状況を確認しつつ、平均化領域を任意に設定すること
ができるので、測長精度を向上することが可能になる。 【0017】 【発明の実施例】以下本発明を図1に示した実施例およ
び図2〜図4を用いて詳細に説明する。図1は本発明の
走査電子顕微鏡の一実施例を示す構成図である。図1に
おいて、電子源1から放射された電子ビーム2は、収束
レンズ3,対物レンズ5によって細かく収束され、試料
6上に焦点が合わされる。また、電子ビーム2は、電子
計算機13からの制御命令により偏向発生器9からの信
号にしたがって動作する偏向コイル4によって2次元的
に偏向され、試料6上を走査する。このとき、試料6か
ら発生した2次電子7等の信号は、検出器8によって検
出され、A/D変換された後画像メモリ10に記憶され
ると同時に、D/A変換されてCRT14に輝度変調信
号として像表示が行われる。ところで、本発明において
は、走査電子顕微鏡による自動測長におけるCRT表示
を示した図2の(a)に示すように、平均する領域の上
端と下端のアドレスは、加算本数nと間隔sの測長中心
位置Pを用いて、 上端アドレス=P−(n×s)/2 …(1) 下端アドレス=P+(n×s)/2 …(2) と算出できるので、各々のアドレスに対応するところに
カーソル発生器12によりカーソル16,17を表示さ
れるようにした。なお、11は加算器である。 【0018】これらのカーソル16,17は、外部操
作、一例としてトラックボール15と接続し、トラック
ボール15を動かすことで発生するパルス数をカウント
し、それに基づいて、これらのカーソル16,17を上
下に一定の幅(m×s;nは加算本数、sは間隔)で移
動させる。自動測長後には、図2(b)に示すように、
平均化した領域を示すカーソル18,19をCRT14
に表示する。 【0019】また、平均する領域は、あらかじめ加算本
数と間隔をオペレータが設定することができ、それに対
応して、CRT14に表示される領域の幅も変更でき
る。 【0020】上記した本発明の実施例によれば、容易に
平均化する領域あるいは平均化した領域を確認すること
ができる。 【0021】ところで、パターン全体の平均的寸法を測
長したいときは、本発明の応用例の説明図である図3の
(a)に示すように、平均化する領域をカーソル20,
21の間のように広くするように加算本数と間隔を設定
し、局所的寸法を測長したいときには、図3(b)に示
すように、平均化する領域をカーソル20,21の間の
ように狭くするように加算本数と間隔を設定すればよ
い。そのため、オペレータは用途に応じて平均化する領
域を変更する際に、容易にCRT14上で確認しながら
作業でき、オペレータの負担を低減することができる。 【0022】さらに、本発明の他の応用例の説明図であ
る図4の(a)に示すように形状の場合には、図4
(a)に示すように平均化する領域を広くとると、適切
な測長値を得ることができないので、図4(b)に示す
ように、適切な平均化する領域に設定し直すことが必要
であるが、このような場合にも有効な表示法といえる。 【0023】ただし、カーソルの数,種類(例えば、点
数,実線等でもよい)は、実施例に示したものに限定す
る必要はない。 【0024】以上説明したように、本発明によれば、パ
ターンの形状や大きさ、或るいはパターンエッジの状況
を試料像で確認でき、且つこの試料像に基づいて走査線
を平均する領域の設定が可能になり、さらに設定後の設
定領域と試料像とを比較することができるので、測長精
度の向上を容易に実現し得る測長機能を備えた走査電子
顕微鏡を提供することが可能になる。また、ラインパタ
ーン等のエッジの粗さに起因する測定のばらつきを平均
化することによる精度向上と、パターンの或る限られた
個所の測長を行う際の正確さ向上の両立を実現すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の走査電子顕微鏡の一実施例を示す構成
図。 【図2】図1の走査電子顕微鏡による自動測長における
CRT表示を示した図。 【図3】本発明の応用例の説明図。 【図4】本発明の応用例の説明図。 【図5】従来の走査電子顕微鏡による自動測長における
CRT表示を示した図。 【符号の説明】 1…電子源、2…電子ビーム、3…収束レンズ、4…偏
向コイル、5…対物レンズ、6…試料、7…2次電子、
8…検出器、9…偏向発生器、10…画像メモリ、11
…加算器、12…カーソル発生器、13…電子計算機、
14…CRT、15…トラックボール、16,17…カ
ーソル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 15/00 - 15/08 H01J 37/22 502

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.試料上を電子ビームで走査し、前記試料で発生した
    信号により表示装置に試料像の表示を行う測長機能を備
    えた走査電子顕微鏡において、指定領域内の走査線を加
    算平均しその結果に基づいて寸法測長を行う手段と、前
    記指定領域とそれ以外の領域を示す2本の境界線を前記
    試料像上に表示する手段と、前記指定領域内の各走査線
    間の間隔を調節する手段と、当該手段の調節に伴って前
    記2本の境界線間の間隔が調節され、当該境界線内の走
    査線を加算平均した結果に基づいて寸法測定を行うこと
    を特徴とする測長機能を備えた走査電子顕微鏡。2. 請求項1において、 前記指定領域内の走査線の本数を設定する手段を更に備
    えたことを特徴とする走査電子顕微鏡。
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