JP3156254B2 - 3気筒エンジンのバランサ装置 - Google Patents

3気筒エンジンのバランサ装置

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JP3156254B2
JP3156254B2 JP40959490A JP40959490A JP3156254B2 JP 3156254 B2 JP3156254 B2 JP 3156254B2 JP 40959490 A JP40959490 A JP 40959490A JP 40959490 A JP40959490 A JP 40959490A JP 3156254 B2 JP3156254 B2 JP 3156254B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は3気筒エンジンのバラ
ンサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】直列3気筒エンジンは、クランクシャフ
トの各クランクアームが120度の位相をもって等間隔
に配置されるが、ピストン、ピストンピン、コンロッド
小端部分等の質量の和に相当するピストン系の往復運動
部重量によりピストンの摺動方向に生じる一次慣性力に
よって不釣合な一次慣性偶力が発生する。
【0003】この一次慣性偶力を消去するため、従来の
直列3気筒エンジンのバランサ装置では、図5および図
6に模式的に示すように、クランクシャフト1にNo.
1〜No.3シリンダ#1〜#3に対応するクランクア
ームを120度の位相を持たせてシリンダピッチLで等
間隔に配置し、各シリンダ#1〜#3のクランク系(ク
ランクアーム2、クランクピン3、コンロッド大端部分
等)の回転部分の質量(回転運動部重量)Wrに相当す
る質量Wrおよびピストン系(ピストン、ピストンピ
ン、コンロッド小端部分等)の往復部分の質量(往復運
動部重量)Wpの1/2に相当する質量0.5Wpをク
ランクカウンタウェイトAとして設けてクランクシャフ
ト1と反対方向に回転する合成慣性力を各シリンダ#1
〜#3に残し、クランクシャフト系にNo.1シリンダ
#1とNo.3シリンダ#3に発生する残存合成慣性力
の分力によって慣性偶力を生じさせるようになってい
る。直列3気筒エンジンでは、また、クランクシャフト
1と平行で反対方向に等回転するようにバランサシャフ
ト4を設け、このバランサシャフト4上には、No.1
シリンダ#1とNo.3シリンダ#3に相当する位置
に、往復運動部重量Wpの約70%のバランサウェイト
Eを図5および図6に示す角度で取付け、このバランサ
ウェイトEでクランクシャフト系に生じる慣性偶力を打
消すようにしたものがある(特公昭54−2333号公
報参照)。なお、ウェイト重量は全てクランク半径上で
考えるものとする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の直列3気筒
エンジンの技術では、回転運動部重量(Wr)の100
%のウェイトと往復運動部重量(Wp)の50%のウェ
イトのクランクカウンタウェイトAとバランサシャフト
4に往復運動部重量(Wp)の70%のバランサウェイ
トEとを前記のような関係に配置するので、クランクシ
ャフト1の重量、バランサシャフトの重量が共に著しく
増加し、エンジン全体の重量の増大を招き、コストアッ
プにつながるという問題があった。
【0005】この発明は、上述した事情を考慮してなさ
れたもので、より小さいウェイトの重量によって直列3
気筒エンジンにおいて生じる一次慣性偶力を消滅させる
ことができ、かつエンジン全体の重量軽減をはかること
ができる3気筒エンジンのバランサ装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明では、No.1〜No.3シリンダのクラ
ンクアームが120゜の位相をもって配置された3気筒
エンジンにおいて、クランクシャフトに対し1対1で反
対方向に回転するバランサシャフトを有し、クランク系
の回転運動部重量の100%重量のクランクカウンタウ
ェイトをクランクピンに対し180゜方向に設けると共
にピストン系の往復運動重量分のクランクカウンタウェ
イトをNo.1シリンダのクランクピンより回転方向に
角度θ(150°<θ<180゜)の位置、No.2シ
リンダのクランクピンより180゜の位置、No.3シ
リンダのクランクピンより(360゜−θ)の位置にそ
れぞれ設けてこれらの発生する遠心力が釣合うように重
量を定め、バランサシャフトのバランサウェイトの位置
をNo.1シリンダが上死点にあるときシリンダ中心線
を基準としてバランサ回転方向とは反対方向にNo.1
シリンダ側で(360゜−θ)、No.2シリンダ側で
−60゜、No.3シリンダ側で(240゜−θ)の各
位置にそれぞれ設けたことを特徴とする。
【0007】
【作用】直列3気筒エンジンにおいて発生する一次慣性
偶力をクランクカウンタウェイトとバランサシャフトに
設けるバランサウェイトとの設置位置および重量を上記
の構成としたことによって従来と同等の性能を持ちなが
らクランクカウンタウェイト重量が著しく軽減され、エ
ンジン全体の重量を大幅に低減することができる。
【0008】
【実施例】以下、この発明に係る3気筒エンジンのバラ
ンサ装置の一実施例について添付図面を参照して説明す
る。
【0009】この発明は雪上車等に搭載される直列3気
筒エンジンに適用されるもので、図1はこの直列3気筒
エンジン10のクランクピン11a,11b,11cと
それぞれのウェイトの配置関係をクランクシャフト12
の軸方向から見た状態を示しており、図2は、図1を斜
視図化した模式図を示している。
【0010】図1および図2において、#1〜#3は直
列3気筒エンジン10のNo.1シリンダからNo.3
シリンダをそれぞれ示しており、各シリンダ#1〜#3
は、No.2シリンダ#2を基準としてシリンダピッチ
Lの等間隔に、かつ各シリンダ#1〜#3のクランクア
ーム13a,13b,13cが120゜の等しい位相を
持って配置される。
【0011】3気筒エンジン10のクランクシャフト1
2には、各シリンダ#1〜#3に対応してクランクカウ
ンタウェイトB,Dが例えばクランク半径位置に取付け
られる。クランクカウンタウェイトB,Dは、クランク
系の回転運動部重量Wrに相当するウェイトaと、ピス
トン系の往復運動部重量Wpを考慮したウェイトb,c
とからなり、各ウェイトaは、各シリンダ#1〜#3の
クランクピン11a,11b,11cに対し180゜の
位置に、クランク系の回転運動部重量Wrの100%が
それぞれ設けられる。このバランサ装置は、クランクカ
ウンタウェイトB,Dのうち、クランク系の回転運動部
重量Wrを、各シリンダ#1〜#3のクランクピン11
a〜11cから180゜の回転位置に取り付けることを
原則として、ピストン系の往復運動部重量Wpの何%を
どの位置につけるかを、クランクバランス最適化プログ
ラム等を用いて算出したものである。
【0012】一方、クランクカウンタウェイトBにおけ
るピストン系の往復運動部重量Wp分のウェイトbは、
No.1シリンダ#1に対しては、クランクピン11a
からクランクシャフト12の回転方向に角度θの位置
に、No.3シリンダ#3に対しては、クランクピン1
1cから(360゜−θ)回転した角度位置にそれぞれ
設けるのが望ましい。
【0013】この場合において、角度θは、 150゜<θ<180゜の関係にあり、ウェイトbの重
量Wは、 W=0.35×Wp〜0.5×Wp(Wp=往復運動部重量) の関係にある。
【0014】実際のウェイトbの重量Wは、図3に表わ
されるように、エンジン運転中に発生する偶力の大きさ
を考慮すると、ウェイトbの重量をピストン系の往復運
動部重量Wpの45%とした時、エンジン偶力は最小値
をとり、その前後で対称のグラフとなるので、ウェイト
重量は45%が望ましい。しかし、実用上、より軽量な
エンジンを考える場合には、35%〜45%の間で設定
するのが好ましい。
【0015】また、No.2シリンダ#2に対するウェ
イトCは、クランクピン11bより180゜の位置に設
け、その重量は 2×Wp×sin(θ−150゜) とする。
【0016】なお、クランクカウンタウェイトB,Dは
実際にはクランク系回転運動部重量Wrに相当するウェ
イトaとピストン系往復運動部重量Wpを考慮したウェ
イトbまたはc分が結合され、一体化した状態で、ウェ
イトaとウェイトbまたはcとの重量比を考慮して配置
される。
【0017】ところで、クランクシャフト12にはバラ
ンサシャフト16が並設されている。バランサシャフト
16はクランクシャフト12とは等回転で逆方向に回転
するようになっており、このバランサシャフト16上に
各シリンダ#1〜#3の位置に対応させてバランサウェ
イトB′,D′を設ける。各バランサウェイトB′,
D′をシリンダピッチLに置くとすれば、クランクシャ
フトウェイトb,cと同重量のものを、シリンダ中心線
を基準に、No.1シリンダ#1側は(360゜−
θ)、No.2シリンダ#2側は−60゜、No.シリ
ンダ#3側は(240゜−θ)の位置に取付ける。
【0018】なお、バランサシャフト16はクランクシ
ャフト12と平行であればどの位置に設置してもよく、
またバランサウェイトB′(重量W)は偶力を発生
させることが目的であるから、No.1シリンダ#1お
よびNo.3シリンダ#3側のバランサウェイトB′は
×Lを満足すればよい。No.2シリンダ#2の
バランサウェイトD′については、No.1、No.3
シリンダ側のバランサウェイトB′の遠心力の合力を打
ち消すためであるから、その重量は 2×W×sin(θ−150゜) である。
【0019】図4は、θ=165゜としたときの具体的
な3気筒エンジンのバランサ装置の実施例で、クランク
カウンタウェイトBの往復運動部重量Wpを考慮した重
量はNo.1、No.3シリンダ#1,#3を0.45
×Wp、No.2シリンダ#2を2×(0.45×W
p)×sin15゜=0.233×Wpとしている。
【0020】一方、バランサシャフト上のバランサウェ
イトは、シリンダ中心線に対しバランサ回転方向には反
対方向にNo.1シリンダ側が195゜、No.3シリ
ンダ側が45゜、No.2シリンダ側が−60゜で、そ
の重量はクランクカウンタウェイトを同じく0.45×
Wp、0.5×Wp、0.233×Wpである。このと
き付加するウェイトの総重量は (0.45×Wp×2+0.2329×Wp)×2=2.266×Wp であり、図1に示した従来技術では 0.5×WP×3+0.705×Wp=2.91×Wp であったのに較べ約22%の付加重量の軽減がはかれ、
大巾な軽量化が達成される。
【0021】
【発明の効果】以上に述べたようにこの発明に係る3気
筒エンジンのバランサ装置は、クランクシャフトのウェ
イト重量の増加を最小化しつつ、エンジン振動低減効果
をより一層向上させることができ、クランクジャーナル
を小径化できるために、クランクシャフトの軽量化、メ
カロスの低減を図ることができる。3気筒エンジンにお
ける一次慣性偶力を打ち消すためのウェイトの重量を著
しく軽減することができるので、エンジン全体の重量を
大巾に低減することができてコストダウンを図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る3気筒エンジンのバランサ装置
の一実施例を示す模式図。
【図2】図1を斜視図化した模式図。
【図3】エンジン偶力とクランクカウンタ重量との関係
を示す図。
【図4】この発明の3気筒エンジンのバランサ装置の具
体的な適用例を示す模式図。
【図5】従来の3気筒エンジンのバランサ装置を示す模
式図。
【図6】図5を斜視図化した模式図。
【符号の説明】
10 直列3気筒エンジン 11a,11b,11c クランクピン 12 クランクシャフト 13a,13b,13c クランクアーム 16 カウンタシャフト B,D クランクカウンタウェイト a 回転運動部重量に100%対応するウェイト b,c 往復運動部重量分のウェイト B′,D′ カウンタウェイト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 No.1〜No.3シリンダのクランク
    アームが120゜の位相をもって配置された3気筒エン
    ジンにおいて、クランクシャフトに対し1対1で反対方
    向に回転するバランサシャフトを有し、クランク系の回
    転運動部重量の100%重量のクランクカウンタウェイ
    トをクランクピンに対し180゜方向に設けると共にピ
    ストン系の往復運動重量分のクランクカウンタウェイト
    をNo.1シリンダのクランクピンより回転方向に角度
    θ(150°<θ<180゜)の位置、No.2シリン
    ダのクランクピンより180゜の位置、No.3シリン
    ダのクランクピンより(360゜−θ)の位置にそれぞ
    れ設けてこれらの発生する遠心力が釣合うように重量を
    定め、バランサシャフトのバランサウェイトの位置をN
    o.1シリンダが上死点にあるときシリンダ中心線を基
    準としてバランサ回転方向とは反対方向にNo.1シリ
    ンダ側で(360゜−θ)、No.2シリンダ側で−6
    0゜、No.3シリンダ側で(240゜−θ)の各位置
    にそれぞれ設けたことを特徴とする3気筒エンジンのバ
    ランサ装置。
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DE102011078356A1 (de) * 2011-06-29 2013-01-03 Ford Global Technologies, Llc Mehrzylinder-Reihen-Brennkraftmaschine für ein Kraftfahrzeug, sowieVerfahren zum Betreiben derselben

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