JP2000130181A - バランサ機構を備えた3気筒エンジン - Google Patents

バランサ機構を備えた3気筒エンジン

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JP2000130181A
JP2000130181A JP30462098A JP30462098A JP2000130181A JP 2000130181 A JP2000130181 A JP 2000130181A JP 30462098 A JP30462098 A JP 30462098A JP 30462098 A JP30462098 A JP 30462098A JP 2000130181 A JP2000130181 A JP 2000130181A
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crankshaft
weight
reciprocating
crank
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JP30462098A
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Yuichi Murata
裕一 村田
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Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • F02B75/18Multi-cylinder engines
    • F02B2075/1804Number of cylinders
    • F02B2075/1812Number of cylinders three

Landscapes

  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 3気筒エンジンの往復部のバランスを取る第
2カウンタウェイトをクランクシャフトの端部に配設さ
れるクランクプーリとフライホイールとに設けることに
より,3気筒エンジンの軽量化を図る。 【解決手段】 ピストン系から成るエンジン1の往復部
のバランスを取るため,クランクシャフト2の両端に配
設されたクランクプーリ11とフライホイール13とに
それぞれ第2カウンタウェイト12,14が設けられて
いる。クランクシャフト2の回転に伴って,第2カウン
タウェイト12,14が第2気筒(#2)の位置の周り
で一定のモーメントをクランクシャフト2に生じさせる
場合,第2気筒(#2)からの距離Lp,Lfが長い
分,第2カウンタウェイト12,14が軽量化され,そ
の結果,3気筒エンジン1の軽量化を図ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,エンジンの往復
部のバランスと回転部のバランスとを取るためのバラン
サ機構を備えた3気筒エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来,直列3気筒エンジンは,クランク
シャフトの各クランクアームがクランクシャフトの回転
軸線の回りには120度の位相をもって,且つクランク
シャフトの軸線方向には等しいシリンダピッチで配置さ
れている。ピストンやピストンピンのようなピストン系
の往復運動をする部分(往復部)の総和に相当する質量
(往復質量)によって,3気筒エンジンにはピストンの
摺動方向に一次慣性力が生じる。この一次慣性力は,ク
ランクシャフトに対して不釣り合いな一次慣性偶力を生
じせ,クランクシャフト,及びクランクシャフトを取り
付けたエンジン自体の振動が大きくなる。
【0003】こうした従来の3気筒エンジンにおいて一
次慣性偶力に起因したクランクシャフトの振動の防止対
策として,クランクシャフトに対してバランサシャフト
を併設したものがある。図5は,バランサシャフトを配
設した従来のバランサ装置を備えた3気筒エンジン30
の概念図である。図5において,3気筒エンジン30
は,クランクシャフト2の各気筒(#1〜#3)に対応
したクランクアーム3がクランクシャフト2の回転軸線
の回りには120度の位相をもって配置されている。ク
ランクシャフト2は,図示しないエンジンのクランクケ
ースに軸受9,10を介して及び複数のジャーナル部
(図示せず)において回転自在に支持されている。図5
に示す3気筒エンジン30は,第2気筒(#2)が上死
点に位置している状態にある。コンロッド(連結棒)5
は,一方の端部(大端部)においてクランクアーム3に
設けられたクランクピン4に対して軸受を介して回動自
在に嵌合し,一方の端部(小端部)においてピストンに
設けられたピストンピン6と回動可能に嵌合することに
より,クランクアーム3とピストンとを連結している。
また,第1気筒(#1)と第2気筒(#2)とはクラン
クシャフト2の軸線方向に距離L1 だけ離間しており,
第3気筒(#3)と第2気筒(#2)とはクランクシャ
フト2の軸線方向に距離L3 だけ離間している。好まし
くは,距離L1 と距離L3 とは等しいピッチLとされ
る。
【0004】3気筒エンジン30においては,クランク
シャフト2にカウンタウェイト33,34が取り付けら
れ,クランクシャフト2に平行に配設したバランサシャ
フト20にバランサウェイト21が取り付けられてい
る。即ち,第1気筒(#1)〜第3気筒(#3)の各気
筒においては,回転部を構成するクランク系のクランク
アーム3,クランクピン4,コンロッド5の大端部等の
回転部の重量Waの100%重量に相当する重量Waか
ら成るカウンタウェイト33を,また,第1気筒(#
1)と第3気筒(#3)とにおいては,更に,往復運動
部を構成するピストン系のピストン(図示せず),ピス
トンピン6及びコンロッド5の小端部等の往復運動部重
量Wbの50%重量(Wb×1/2)の重量を有するカ
ウンタウェイト34を,それぞれクランクピン4に対し
て対角した位置,即ち,180度反対方向に設けること
により,クランクシャフト2の回転運動におけるバラン
スと往復運動のバランスとを取っている。なお,重量
は,すべてクランクアーム3の回転半径位置に配置した
場合に換算して用いられている。こうしたバランスを取
るために,回転運動をするクランク系にはみそすり運動
が避けられないが,クランクシャフト2に平行に且つク
ランクシャフト2の回転方向とは反対方向に回転するよ
うに配設したバランサシャフト20に,第1気筒と第3
気筒に相当する位置において,それぞれバランサウェイ
ト21を取り付けることにより,かかるみそすり運動を
打ち消している。
【0005】上記のように構成された3気筒エンジンで
は,クランクシャフト2の第2気筒のカウンタウェイト
33が重量Waであり,第1気筒及び第3気筒のカウン
タウェイト33,34が回転運動部重量Wa+往復運動
部重量Wb×1/2である。したがって,カウンタウェ
イトの総計は,3Wa+Wbとなり,クランクシャフト
2の重量が大幅に上昇する。その結果,エンジン全体の
重量が増加し,エンジンの製造コストの上昇や,かかる
エンジンが車両の動力源として適用された場合の燃費の
上昇をもたらすという問題点がある。
【0006】また,直列3気筒エンジンにおいて発生す
る一次慣性隅力をカウンタウェイトとバランサシャフト
に設けるバランサウェイトとの設置位置及び重量を特定
することによって消滅させて,クランクカウンタウェイ
ト重量を軽減してエンジン全体の重量を低減させるもの
の一例が,特開平4−249637号公報に開示されて
いる。この公報に開示のバランサ装置においては,回転
運動部の100%重量のカウンタウェイトをクランクピ
ンに対して180度の方向に設けると共に,往復運動部
に対応するカウンタウェイトを,第1気筒のクランクピ
ンより回転方向に角度θ=150〜180度,第2気筒
のクランクピンより180度,第1気筒のクランクピン
より−θの位置に定め,更にバランサシャフトのバラン
サウェイトの位置を,第1気筒が上死点にあるときのシ
リンダ中心線を基準としてバランサ回転方向とは反対方
向に,第1気筒側で360°−θ,第2シリンダ側で−
60°,第3気筒側で240°−θの位置に設けてい
る。総重量は,往復運動部重量Wbに対して,2.26
6Wbにまで減少している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】3気筒エンジンにおい
ては,ピストン系の往復部のバランスを取るためにクラ
ンクシャフトに配設されるカウンタウェイトを,第1気
筒と第3気筒に対応するクランクアーム等のクランクシ
ャフトに付加するのではなく,第2気筒から最も離れた
クランクシャフトの最外端に設けられ且つクランクシャ
フトと一体に回転するフライホイール及びクランクプー
リに対角位置に設定することにより,クランクシャフト
に対して作用するモーメントの大きさを従来のものと同
等のものに確保しつつ,クランクシャフトに付加される
重量をより一層軽減しつつ往復部のバランスを取る点で
課題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
課題を解決することであり,クランクシャフトの重量を
増加させることなく往復部のバランスを取り,エンジン
の振動と重量の増加とを防止するバランサ機構を備えた
3気筒エンジンを提供することである。
【0009】この発明は,直列に配置された第1,第2
及び第3の気筒,前記各気筒内を往復運動するピストン
を含む往復部,前記各往復部に対応して互いに120度
の位相差を持って配置されたクランクアームを有するク
ランクシャフトを含み且つ前記往復部の往復運動との間
で互いに変換される回転運動を生じる回転部,前記クラ
ンクシャフトの一方の端部に取り付けられたクランクプ
ーリ,前記クランクシャフトの他方の端部に取り付けら
れたフライホイール,前記回転部のバランスを取るため
前記第1気筒及び前記第3気筒に対応して前記クランク
シャフトに設けられた第1カウンタウェイト,及び前記
往復部のバランスを取るため前記クランクプーリ及び前
記フライホイールのそれぞれに設けられた第2カウンタ
ウェイトから成る,バランサ機構を備えた3気筒エンジ
ンに関する。
【0010】このバランサ機構を備えた3気筒エンジン
によれば,エンジンが作動してピストンを含む往復部が
気筒内を往復動し,それに応じてクランクシャフトを含
む回転部が回転する。第1気筒及び第3気筒に対応して
クランクシャフトに設けられた第1カウンタウェイト
は,回転部のバランスを取る。また,クランクシャフト
の両端部に配設されているクランクプーリ及び前フライ
ホイールのそれぞれに設けられた第2カウンタウェイト
が,往復部のバランスを取る。第2気筒から第2カウン
タウェイトまでの距離は,クランクシャフトについて考
えられる最も遠い距離であるので,クランクシャフトに
及ぼすモーメントとしての同じバランス作用を得るため
に必要な第2カウンタウェイトの重量は,最小限のもの
となる。
【0011】このバランサ機構を備えた3気筒エンジン
において,前記第1カウンタウェイトは,前記第1気筒
及び前記第3気筒における前記回転部の重量の(√3)
/2倍の重量を持ち且つ前記第1気筒及び前記第3気筒
に対応する前記各クランクピンの対角位置より30度回
転して互いに180度対向する位置にそれぞれ設けられ
ている。第1カウンタウェイトの重量とクランクシャフ
トにおける配置とを上記のように選択することにより,
3気筒エンジンの3つの回転部のバランスをとることが
可能となる。
【0012】このバランサ機構を備えた3気筒エンジン
において,前記第2カウンタウェイトは,前記第1気筒
及び前記第3気筒における前記往復部の重量の50%に
相当する重量を前記第1気筒及び前記第3気筒の前記ク
ランクピンの対角位置においたときに前記第2気筒周り
に生じる慣性偶力と同じ大きさの慣性偶力を生じさせる
重量を有する。第2カウンタウェイトの重量とクランク
シャフトにおける配置とを上記のように選択することに
より,3気筒エンジンの3つの往復部のバランスをとる
ことが可能となる。
【0013】このバランサ機構を備えた3気筒エンジン
において,前記クランクシャフトに平行にバランスシャ
フトが配設されており,前記バランスシャフトには前記
第2カウンタウェイトを設けたことによって前記クラン
クシャフトに生じる前記慣性偶力を打ち消すバランスウ
ェイトが設けられている。
【0014】このバランサ機構を備えた3気筒エンジン
において,前記往復部は,前記ピストン,該ピストンに
設けられたピストンピン,及び前記ピストンピンと前記
クランクアームに形成されたクランクピンとを連結する
コンロッドの前記ピストンピンと回動自在に嵌合する小
端部から構成されており,前記回転部は,前記クランク
アーム,前記クランクピン,及び前記コンロッドの前記
クランクピンと嵌合する大端部から構成されている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照しつつ,こ
の発明によるバランサ機構を備えた3気筒エンジンの実
施例を説明する。図1はこの発明によるバランサ機構を
備えた3気筒エンジンの一実施例の模式図,図2は図1
に示すバランサ機構を備えた3気筒エンジンの第1気筒
における回転部の合力及び往復部のバランス用カウンタ
ウェイトがクランクシャフトに生じさせる慣性偶力の説
明図,図3は図1に示すバランサ機構を備えた3気筒エ
ンジンの第3気筒における回転部の合力及び往復部のバ
ランス用カウンタウェイトがクランクシャフトに生じさ
せる慣性偶力の説明図,図4は図1に示すバランサ機構
を備えた3気筒エンジンの回転部のバランスを説明する
模式図である。
【0016】図1において,この発明によるバランサ機
構を備えた3気筒エンジン1は,従来の3気筒エンジン
と同様に,クランクシャフト2の各気筒(#1〜#3)
に対応したクランクアーム3がクランクシャフト2の回
転軸線の回りには120度の位相をもって配置されてい
る。クランクシャフト2,クランクアーム3,クランク
ピン4,コンロッド5,ピストンピン6,軸受9,1
0,及び各気筒(#1〜#3)の位置関係等の構造は,
図5を参照して説明した従来の3気筒エンジンと同様で
あり,且つ同等の要素及び部位には同じ符号を付してあ
るので,再度の詳細な説明を省略する。
【0017】第1気筒(#1)に対応してクランクシャ
フト2に設けられるカウンタウェイト7の重量Wc1
エンジンの各気筒に対応した回転部(クランクアーム,
クランクピン,コンロッドの小端部等)の重量Wr1
100%×(√3)/2であり,カウンタウェイト7の
設置位置は,クランクピン4の180度対向した位置か
らクランクシャフト2の回転方向に30度シフトした位
置までである。また,第3気筒(#3)に対応してクラ
ンクシャフト2に設けられるカウンタウェイト8の重量
Wc3 は回転部の重量Wr3 の100%×(√3)/2
であり,カウンタウェイト8の設置位置は第3気筒(#
3)に対応したクランクピン4の180度対向した位置
からクランクシャフト2の回転方向と逆の方向に30度
シフトした位置に設定されている。カウンタウェイト7
とカウンタウェイト8とは,この発明における第1カウ
ンタウェイトに相当しており,クランクシャフト2の周
りにおいて180度対向した位置にある。第2気筒(#
2)に対応した第1カウンタウェイトは,設けられてい
ない。
【0018】図1の3気筒エンジン1において,エンジ
ン1が運転されてクランクシャフト2が回転する場合,
第1気筒(#1)において,回転部に作用する遠心力F
1〔∝Wr1 〕とカウンタウェイト7に作用する遠心
力Fc1 〔∝Wr1 ×(√3)/2〕との合力Fa
1 は,図2の模式図に示すように,その大きさが重量
(1/2)Wr1 のものに対して作用する遠心力と同じ
になる。また,この合力の方向は,第2気筒(#2)に
おける重量Wr2 を有する回転部に作用する遠心力の方
向と180度の位相差を有している。同様に,第3気筒
(#3)において,回転部に作用する遠心力Fr3 〔∝
Wr3 〕とカウンタウェイト8に作用する遠心力Fc3
〔∝Wr3 ×(√3)/2〕との合力Fa3 は,重量
(1/2)Wr3のものに作用する遠心力と同じにな
る。また,この合力の方向も,第2気筒(#2)におけ
る重量Wr2 を有する回転部に作用する遠心力の方向と
180度の位相差を有している。各気筒(#1〜#3)
のそれぞれの回転部の重量Wr1 〜Wr3 は通常等しく
設定されているから,図4に示すように,合力Fa1
合力Fa3 との和が力Fa2 に等しくなり,各気筒(#
1〜#3)における回転部のバランスが釣り合うことに
なる。
【0019】従来では図5に示すように,第1気筒及び
第3気筒のピストン系の往復部(ピストン,ピストンピ
ン6,及びコンロッドの小端部等)の重量Wp1 ,Wp
3 の半分の重量のカウンタウェイト34を,第1気筒及
び第3気筒の各クランクアーム3においてクランク系の
回転部の重量Wr1 ,Wr3 の対角位置に配置していた
が,この発明では,かかるピストン系の往復部に対抗す
るカウンタウェイト12,14は,第2気筒(#2)回
りに生じさせる偶力モーメントと同じ偶力モーメントを
生じさせるように,クランクプーリ11とフライホイー
ル13とにおいて,クランク系の回転部の重量Wr1
Wr3 の対角位置から30度シフトした位置に付加され
ている。
【0020】クランクシャフト2の軸受9よりクランク
ケースの外側に突出している端部には,エンジン1の冷
却ファンやウォータポンプ等のエンジン補機を駆動する
ためのクランクプーリ11が取り付けられている。クラ
ンクプーリ11には,第2気筒(#2)のカウンタウェ
イト7と同位相の位置に,次の式(1)で表される重量
Wppのカウンタウェイト12が配置されている。 Wpp=(1/2)Wp1 ×(L1 /Lp)×(√3)/2 ・・式(1) ただし,Lpは,第2気筒のクランクアーム3の中心位
置からクランクプーリ11の中心位置までの距離であ
る。
【0021】クランクシャフト2の軸受10よりクラン
クケースの外側に突出している端部には,エンジン1の
燃焼サイクルに伴う回転変動や回転むらを少なくするた
め,大きな慣性回転を有するフライホイール13が取り
付けられている。フライホイール13には,第3気筒
(#3)のカウンタウェイト8と同位相の位置に,次の
式(2)で表される重量Wpfのカウンタウェイト14
が配置されている。 Wpf=(1/2)Wp3 ×(L3 /Lf)×(√3)/2 ・・式(2) ただし,Lfは,第2気筒のクランクアーム3の中心位
置からフライホイール13の中心位置までの距離であ
る。カウンタウェイト12及びカウンタウェイト14
は,この発明における第2カウンタウェイトに相当す
る。
【0022】クランクプーリ11及びフライホイール1
3に設けられる,式(1)又は式(2)で表される重量
Wpp又はWpfのカウンタウェイト12,14は,プ
ーリ又はホイールに偏心した位置に付加的に設けること
により得ることができる。カウンタウェイト12,14
がクランクシャフト2に対して,第2気筒(#2)の中
心において生じさせる偶力は,それぞれ式(3),式
(4)となる。 Wpp×腕の長さ(Lp) ∝(1/2)Wp1 ×L1 ×(√3)/2 ・・式(3) Wpf×腕の長さ(Lf) ∝(1/2)Wp3 ×L3 ×(√3)/2 ・・式(4)
【0023】式(3)及び式(4)が示すモーメント
は,第1気筒又は第3気筒における往復部の重量W
1 ,Wp3 のそれぞれ(1/2)×(√3)/2倍の
カウンタウェイトが第1気筒又は第3気筒における回転
部の重量Wc1 ,Wc3 が配置されている位相と同じ位
相に配設されたとしたときに,クランクシャフト2の回
転に伴ってクランクシャフト2に生じるモーメントと同
じ大きさである。このモーメントは,図2及び図3に示
すように,往復部の重量Wp1 ,Wp3 の(1/2)の
重量を有する対往復部用のカウンタウェイトがもたらす
モーメントを,クランクシャフト2の回転軸線とカウン
タウェイト7,8の中心とを含む平面A内に投影したと
きの成分に他ならない。なお,図1において,バランサ
シャフト20は,往復部のバランスを取るために生じた
上記のモーメント,即ち,慣性偶力を打ち消すために設
けられているものであり,図5と同様のものであるの
で,再度の説明を省略する。
【0024】以上のように,第1気筒(#1)及び第3
気筒(#3)に設けるべき,往復部のバランス用の第2
カウンタウェイト12,14は,第2気筒(#2)から
可能な限り離間した,クランクプーリ11やフライホイ
ール13に設けられる。そのため,第2気筒(#2)か
らの距離が大きくなることに応じて,第2カウンタウェ
イト12,14の質量自体を軽量化しても,同じ往復部
のバランス効果が得られる。更に,クランクプーリ11
やフライホイール13は,クランクアーム3に比して,
半径方向に大きなものであるため,遠心力を大きく取る
ことができるので,第2カウンタウェイト12,14の
質量を一層軽量化し,クランクシャフトの重量,延いて
は3気筒エンジンの重量を一層軽減化して,燃費や振動
の抑制を図ることができる。第2カウンタウェイト1
2,14がクランクシャフト2に生じさせる慣性偶力
は,従来のものと同程度であるので,バランサシャフト
20及びバランサウェイト21の構造に変更はない。
【0025】
【発明の効果】この発明によるバランサ機構を備えた3
気筒エンジンは,上記のように構成されており,第1気
筒及び第3気筒に設けるべき往復部の第2カウンタウェ
イトを,第2気筒から最も離間したクランクプーリやフ
ライホイールに設けることにより,その距離が長くなる
ことに応じて,質量自体を軽量化しても同じバランス効
果が得られるので,クランクシャフトの重量を増加させ
ることなく往復部のバランスを取り,エンジンの振動と
重量の増加とを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるバランサ機構を備えた3気筒エ
ンジンの模式図である。
【図2】図1に示すバランサ機構を備えた3気筒エンジ
ンの第1気筒における回転部の合力及び往復部のバラン
ス用カウンタウェイトによってクランクシャフトに生じ
る慣性偶力の説明図である。
【図3】図1に示すバランサ機構を備えた3気筒エンジ
ンの第3気筒における回転部の合力及び往復部のバラン
ス用カウンタウェイトによってクランクシャフトに生じ
る慣性偶力の説明図である。
【図4】図1に示すエンジンの回転部のバランスを説明
する模式図である。
【図5】バランサシャフトを配設した従来のバランサ機
構を備えた3気筒エンジンの概念図である。
【符号の説明】
1 3気筒エンジン 2 クランクシャフト 3 クランクアーム 4 クランクピン 5 コンロッド 6 ピストンピン 7,8 第1カウンタウェイト 11 クランクプーリ 12 第2カウンタウェイト 13 フライホイール 14 第2カウンタウェイト 20 バランサシャフト 21 バランサウェイト #1〜#3 第1気筒〜第3気筒 Wr1 〜Wr3 回転部の重量 Fr1 〜Fr3 回転部に作用する遠心力 Wc1 ,Wc3 第1カウンタウェイトの重量 Fc1 ,Fc3 第1カウンタウェイトに作用する遠心
力 Wpp クランクプーリに配設される第2カウ
ンタウェイトの重量 Wpf フライホイールに配設される第2カウ
ンタウェイトの重量 L1 ,L3 第2気筒からの第1気筒又は第3気筒
の距離 Lp 第2気筒からのクランクプーリの距離 Lf 第2気筒からのフライホイールの距離

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列に配置された第1,第2及び第3の
    気筒,前記各気筒内を往復運動するピストンを含む往復
    部,前記各往復部に対応して互いに120度の位相差を
    持って配置されたクランクアームを有するクランクシャ
    フトを含み且つ前記往復部の往復運動との間で互いに変
    換される回転運動を生じる回転部,前記クランクシャフ
    トの一方の端部に取り付けられたクランクプーリ,前記
    クランクシャフトの他方の端部に取り付けられたフライ
    ホイール,前記回転部のバランスを取るため前記第1気
    筒及び前記第3気筒に対応して前記クランクシャフトに
    設けられた第1カウンタウェイト,及び前記往復部のバ
    ランスを取るため前記クランクプーリ及び前記フライホ
    イールのそれぞれに設けられた第2カウンタウェイトか
    ら成る,バランサ機構を備えた3気筒エンジン。
  2. 【請求項2】 前記第1カウンタウェイトは,前記第1
    気筒及び前記第3気筒における前記回転部の重量の(√
    3)/2倍の重量を持ち且つ前記第1気筒及び前記第3
    気筒に対応する前記各クランクピンの対角位置より30
    度回転して互いに180度対向する位置にそれぞれ設け
    られていることから成る請求項1に記載のバランサ機構
    を備えた3気筒エンジン。
  3. 【請求項3】 前記第2カウンタウェイトは,前記第1
    気筒及び前記第3気筒における前記往復部の重量の50
    %に相当する重量を前記第1気筒及び前記第3気筒の前
    記クランクピンの対角位置においたときに前記第2気筒
    周りに生じる慣性偶力と同じ大きさの慣性偶力を生じさ
    せる重量を有することから成る請求項1又は2に記載の
    バランサ機構を備えた3気筒エンジン。
  4. 【請求項4】 前記クランクシャフトに平行にバランス
    シャフトが配設されており,前記バランスシャフトには
    前記第2カウンタウェイトを設けたことによって前記ク
    ランクシャフトに生じる前記慣性偶力を打ち消すバラン
    スウェイトが設けられていることから成る請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のバランサ機構を備えた3気筒エ
    ンジン。
  5. 【請求項5】 前記往復部は,前記ピストン,該ピスト
    ンに設けられたピストンピン,及び前記ピストンピンと
    前記クランクアームに形成されたクランクピンとを連結
    するコンロッドの前記ピストンピンと回動自在に嵌合す
    る小端部から構成されており,前記回転部は,前記クラ
    ンクアーム,前記クランクピン,及び前記コンロッドの
    前記クランクピンと嵌合する大端部から構成されている
    ことから成る請求項1〜4のいずれか1項に記載のバラ
    ンサ機構を備えた3気筒エンジン。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014125208A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Hyundai Motor Company Co Ltd 振動低減エンジンマウンティング構造
WO2019150150A1 (ja) * 2018-02-01 2019-08-08 日産自動車株式会社 3気筒可変圧縮比内燃機関及び3気筒可変圧縮比内燃機関の設計方法
CN111664161A (zh) * 2020-06-22 2020-09-15 河南柴油机重工有限责任公司 一种v型20缸柴油机新型曲轴轴系布置结构
JP2020165456A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 ダイハツ工業株式会社 多気筒内燃機関

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