JP3155177B2 - 液晶表示素子用基板の配向処理装置及びラビング布並びに液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子用基板の配向処理装置及びラビング布並びに液晶表示素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子用基
板に形成された液晶の配向方向を制御する配向膜を一方
向へラビングして配向処理を行う配向処理装置、及びラ
ビング布、並びにこれらにより配向処理が施された液晶
表示素子用基板を用いて作製される液晶表示素子の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示素子においては、白黒の
コントラストに対する要求が強く、コントラストを如何
に大きく取るかが重要課題であった。しかしながら、近
年、液晶表示素子はマルチメディア機器に搭載され始め
ると、CD−ROM(CompactDisc Read Only Memory)
等によるパソコン(パーソナルコンピュータ)ソフトの
高画質化に伴い、中間調での表示の均一性が問題視さ
れ、如何にムラの無い中間調表示を行うかが重要課題と
なってきている。
【0003】このような中間調表示に大きな影響を与え
るものとして、液晶の配向ムラがあり、配向ムラの要因
の一つとしては、配向膜を配向処理する際の処理ムラが
ある。以下、従来から行われている配向処理について説
明する。
【0004】ガラス基板の上に透明電極が形成され、さ
らに透明電極を覆うように配向膜が塗布された液晶表示
素子用基板の配向処理工程には、配向処理装置としての
ラビング装置が用いられる。ラビング装置には、図9に
示すように、回転ローラ30aの外周面に無数のパイル
Pが植設されたラビング布31を巻着してなるラビング
ローラ30が備えられており、このラビングローラ30
に液晶表示素子用基板を近接して配し、該ローラ30を
回転させて配向膜の表面を一方向にラビング(こする)
するようになっている。これにより、液晶分子の配向方
向がラビング方向に規制される。そして、一般には、こ
のような配向膜を一方向にラビングする処理を配向処理
と称している。
【0005】上記のラビング布31は、縦横に編まれた
地糸に、数十本のフィラメントを束にして形成したパイ
ル素材を編み込み、各パイルPの植毛長さが均一になる
ようにカットされることで形成されており、液晶表示素
子用基板へのフィラメントの当たりが密なものとなって
いる。そして、図にも示すように、通常は、矩形のラビ
ング布31が回転ローラ30aの外周面に平行な状態で
貼り付けられる。
【0006】一方、回転ローラへのラビング布の巻き付
け方を示す先行技術として、実開平2−33030号公
報、特開昭54−40652号公報がある。前者の実開
平2−33030号公報には、図10に示すように、ラ
ビング布33を帯状に形成し、それを回転ローラ32a
の外周面に、パイルPが植設されていない切れ目が回転
ローラ32aの回転軸線に対して傾斜するよう螺旋状等
に巻き付けることが開示されている。これは、前述の図
9に示すようなラビングローラ30の構成では、ラビン
グ布31の両端接合部に、1〜2mmのパイルPが存在
しない部分ができてしまい、そのようなラビングローラ
30を用いて配向処理を行うと、ラビングローラ30の
回転に伴い前記両端接合部のパイルPの無い部分では配
向処理されず、ラビングローラ30の1回転につき連続
した一筋の配向処理がなされていない空白の領域が生じ
てしまうといった問題に鑑み成されたものである。
【0007】また、後者の特開昭54−40652号公
報には、綿布、研磨布等のラビング布を回転ローラの外
周面にスポンジなどのクッション材を介して巻き付ける
場合に、ラビング布の継ぎ目を回転ローラの回転軸方向
に傾けて巻き付けられるようにラビング布を菱形に形成
して巻き付けることが開示されている。これは、ラビン
グ布が矩形であると、ラビング布の継ぎ目が回転ローラ
の回転軸方向と平行になるため、回転して配向膜をこす
るときに一直線上の傷が残り易いといった問題を解決す
べく成されたものであり、継ぎ目による傷を斜め方向に
分散させることで解決を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
図9に示すラビングローラ30の構成では、ラビング布
31のパイルPの植設位置に起因してパイルPの配向膜
への当たり強度が不均一になり、その結果、該ラビング
ローラ30を備えたラビング装置で配向処理を施した液
晶表示素子用基板を用いて作製した液晶表示素子では、
点灯状態においてラビング方向に沿った細く長いズジ状
のムラ、いわゆる延伸ムラが発生し、中間調表示を行う
と表示ムラとなり、表示品位が低いといった問題点を有
している。
【0009】つまり、本発明の説明図である図4を参照
して理由を説明すると、縦横に編まれた地糸に、数十本
のフィラメントFを束にしてなるパイル素材を編み込
み、このパイル素材をカットすることにより形成したラ
ビング布では、一つのパイルPを構成する数十本のフィ
ラメントFは円錐状に開いたものとなる。そのため、各
フィラメントFの長さが同一であると、パイルPの外殻
部は、パイルPの中心部に比べて、外殻部のフィラメン
トFの見かけ上の長さL2 と中心部のフィラメントFの
長さL1 との差L1 −L2 の分当たりが弱くなる。
【0010】したがって、ラビング布原反から、地糸に
平行に回転ローラ30aの外周面とほぼ同一サイズとな
るよう矩形に打ち抜いたラビング布31を、回転ローラ
30aの外周面に平行に巻着した上記のようなラビング
ローラ30では、パイルPがラビングローラ30に対し
て縦横に整列しており、配向処理を行うと、配向膜上に
パイルPの中心部が当たる部分が等間隔に直線的にでき
てしまう。その結果、配向膜の表面に、パイルPの中心
部と外殻部との当たりの強弱によるムラが発生し、これ
が原因で、液晶表示素子を作製した場合、点灯状態にお
いて、図11(a)(b)(c)に示すような延伸ムラが観
察されることになる。
【0011】そして、特に、配向状態により表示品位が
大きく左右されるスーパーツイストネマティック(ST
N(Super Twisted Nematic))型液晶表示素子において
は、昨今の表示品位の向上に伴い、高画質表示を実現し
ようと特性を上げた場合、延伸ムラによる中間調表示の
不均一性が目立ち易くなり、製造歩留りを落とすなど深
刻な問題となっている。
【0012】尚、前述の実開平2−33030号公報、
特開昭54−40652号公報には、回転ローラにラビ
ング布を斜めに巻き付けることは開示されているが、ラ
ビング布におけるパイルの並設方向とラビングローラの
回転方向との関連については何ら記載されておらず、単
に斜めに巻き付けただけの構成であるので、到底上記の
課題を解決し得るものではない。
【0013】一方、特開平2−22624号公報には、
液晶表示素子用基板の移動方向の垂直方向に対してラビ
ングローラの回転軸方向を±1°〜45°の範囲で傾け
てラビングすることにより、ラビング布の毛先のワレに
よる直線上のムラを防止することが開示されている。し
かしながら、この場合、図12(a)に示すように、ラ
ビングローラ34の回転方向と液晶表示素子用基板35
の移動方向とが異なるため配向膜の表面は曲線上にラビ
ングされることとなり、液晶のツイスト角に微妙なバラ
ツキを生じるといった不具合を有している。尚、同図
(b)に示すように、ラビングローラ34の回転方向と
液晶表示素子用基板35の移動方向とが同じ場合は、移
動方向に沿って真っ直ぐにラビングされ、液晶のツイス
ト角に影響を及ぼすことはない。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1の液晶表示素子用基板の配向処
置装置は、回転ローラの外周面にラビング布を巻着して
なるラビングローラを回転させ、ラビング布のパイル
で、液晶表示素子用基板の表面に形成された配向膜を一
方向へラビングして配向処理を行う液晶表示素子用基板
の配向処理装置において、上記ラビング布が、直交する
2方向に周期性を有する間隔で植設されたパイルの一並
設方向をラビングローラの回転方向に対して傾斜させて
巻着されているとともに、ラビングローラの回転方向に
対する、上記一並設方向の傾斜角度が、0.5°以上5
°以下の範囲であることを特徴としている。
【0015】
【0016】請求項1の構成によれば、ラビングローラ
における、巻着されたラビング布のパイルの一並設方向
は、ラビングローラの回転方向に対して傾斜しているの
で、配向膜をラビングする際、ラビングローラの回転に
伴ってラビングローラの回転軸方向のパイルの毛根部は
ずれることとなる。したがって、パイルの一並設方向が
ラビングローラの回転方向と平行となっている従来のラ
ビングローラの場合、配向膜上にパイルの中心部が当た
る部分が等間隔に直線的にできてしまい、パイルの植設
間隔に応じた処理ムラが発生していたが、これにより、
パイルの中心部があたる部位は回転軸方向に分散される
ので、配向膜表面における単位面積あたりのラビング強
度を均一化し、より均一にラビングすることが可能とな
る。そしてこの場合、ラビングローラの回転方向と液晶
表示素子用基板の移動方向とを異ならせる必要もないの
で、液晶のツイスト角にバラツキが生じる虞れもない。
【0017】上記のようなラビングローラは、例えば、
ラビング布原反から地糸に対して予め斜めに打ち抜いた
ラビング布を用い、それを回転ローラに平行に巻着する
こと、又は、地糸に対して平行に打ち抜いたラビング布
を、回転ローラに斜めに巻着することで構成できる。
【0018】そして、上記一並設方向の傾斜角度として
は、0.5°以上5°以下の範囲であることが望まし
い。つまり、0.5°よりも小さい角度は、ラビング布
をラビング布原反から打ち抜く際の打ち抜き精度、及び
回転ローラへ巻着する際の巻き付け精度の上から実用的
でないためである。また、傾斜角度が5°より大きい角
度は、パイルの一並設方向を回転方向に対して斜めに傾
斜させることにより生まれる、回転軸方向のパイルの毛
根部のずれ量が大きくなり、配向膜上の同一直線上にパ
イルの中心部、つまりパイルの毛根部が来ないように傾
斜角度を設定することが難しくなるためと、傾斜角度の
僅かなずれによってパイルの毛根部が配向膜上の同一直
線上に並ぶ確率が高くなるためである。
【0019】本発明の請求項記載の液晶表示素子用基
板の配向処理装置は、請求項1記載の構成において、上
記ラビングローラが、その回転軸が液晶表示素子用基板
の移動方向と垂直を成すように固定される一方、液晶表
示素子用基板が、該基板の移動方向より規定角度回転さ
れた状態で、基板搬送手段にて上記ラビングローラの下
を移動されることを特徴としている。
【0020】ラビングローラの回転方向と液晶表示素子
用基板の移動方向とが同一である装置では、特に直線上
のスジの処理ムラが発生し易いため、このような装置に
おいて、請求項1の構成を採り入れることで、処理ムラ
の発生は効果的に抑制されることとなり、特に有効であ
る。
【0021】本発明の請求項記載の液晶表示素子用基
板の配向処理装置は、請求項1又は2記載の構成におい
て、上記液晶表示素子用基板の移動方向と同一方向の1
mm長の直線上の配向膜にラビング布のパイルの中心部
が接触する回数が20回未満となるように、上記一並設
方向の傾斜角度、ラビング布におけるパイルの植設間
隔、ラビングローラの周速度、及び液晶表示素子用基板
の移動速度が設定されていることを特徴としている。
【0022】本願出願人は、数多くの実験を行った結
果、延伸ムラは、液晶表示素子用基板の移動方向と同一
方向の1mm長の直線上の配向膜にラビング布のパイル
の中心部が20回以上当たると若干発生し、20回未満
の場合は全く発生しないことを見い出した。したがっ
て、これによれば、接触回数が20回未満となるよう
に、一並設方向の傾斜角度、ラビング布におけるパイル
の植設間隔、ラビングローラの周速度、及び液晶表示素
子用基板の移動速度が設定されているので、延伸ムラの
発生が確実に防止される。
【0023】本発明の請求項記載のラビング布は、直
交する2方向に周期性を有する間隔で、かつ、回転ロー
ラの外周面に巻き付けられてラビングローラを構成する
ときにパイルの一並設方向がラビングローラの回転方向
に対して傾きを持つように、パイルが植設されている
ともに、パイルの一並設方向がラビングローラの回転方
向に対して0.5以上5°以下の範囲の傾きを持つよう
に、パイルが植設されていることを特徴としている。
【0024】これによれば、予め、回転ローラの外周面
に巻き付けられてラビングローラを構成するときにパイ
ルの一並設方向がラビングローラの回転方向に対して傾
きを持つようにパイルが植設されているので、このラビ
ング布を用いることで、ラビング布を斜めに巻着したり
することなく、従来と同様に回転ローラの外周面に真っ
直ぐ平行に巻着するだけで、上記請求項1の配向処理装
置を実現できる。そしてこの場合、平行に巻着するだけ
で所望の傾斜角度が容易に実現され、斜めに巻き付けて
角度を出す構成に比べて、角度をより正確に出すことが
できる。
【0025】
【0026】また、予め、回転ローラの外周面に巻き付
けられてラビングローラを構成するときにパイルの一並
設方向がラビングローラの回転方向に対して0.5°以
上5°以下の範囲の傾きを持つように、パイルが植設さ
れているので、このラビング布を用いることで、ラビン
グ布を斜めに巻着したりすることなく、従来と同様に回
転ローラの外周面に真っ直ぐ平行に巻着するだけで、上
請求項1の配向処理装置を実現できる。特に請求項1
の装置のように、傾斜角度が0.5°以上5°以下の範
囲といった小さな角度では、巻着時のズレにより角度設
定が不正確になり易いが、これによれば平行に巻着する
だけで容易に傾斜角度を出すことができ、斜めに巻き付
けて角度を出す構成に比べて、格段に請求項1の装置を
実現し易い。
【0027】本発明の請求項記載の液晶表示素子の製
造方法は、少なくとも一方が、上記の請求項1から3の
いずれかに記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置、
又は上記の請求項4に記載のラビング布を用いて配向処
理された液晶表示素子用基板からなる一対の基板を相対
向させ、これら基板間に液晶を封入することを特徴とし
ている。
【0028】上記の液晶表示素子用基板の配向処理装
置、或いは上記のラビング布を用いて作製される液晶表
示素子用基板は、延伸ムラを生じないよう配向処理が施
されているので、該液晶表示素子用基板を用いて作製さ
れた液晶表示素子は、延伸ムラのない、中間調表示にお
いても優れた表示品位を有するものとなる。
【0029】本発明の請求項記載の液晶表示素子の製
造方法は、請求項の構成において、スーパーツイスト
ネマティック型液晶表示素子であることを特徴としてい
る。
【0030】STN型液晶表示素子は配向状態の影響を
大きく受け易いため、STN型液晶表示素子において請
求項の構成の液晶表示素子の製造方法の構成を採用す
ることで、延伸ムラのない中間調表示においても優れた
表示品位を有するものとなり、特に、有効である。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚ここでは、本発明の配向処理装置を位相差板方式
STN型液晶表示素子の製造工程に採用した場合を例示
する。
【0032】本実施の形態に係る配向処理装置であるラ
ビング装置は、図2に示すように、矢印Aにて示す方向
に回転駆動されるラビングローラ1と、このラビングロ
ーラ1の下方側に、ラビングローラ1の外周面と対向し
て配された可動ステージ(基板搬送手段)3とを備えて
いる。
【0033】可動ステージ3は、載置された液晶表示素
子用基板4を矢印Bにて示す方向に水平移動させるもの
であり、このとき、液晶表示素子用基板4は、図1
(a)に示すように、矢印B方向に対して所定の角度回
転された状態で載置される。また、上記の液晶表示素子
用基板4とは、透明電極6が形成されたガラス等からな
る透明基板5の表面に配向膜7が塗布された構成を有す
るものである。
【0034】ラビングローラ1は、可動ステージ3の移
動方向に対してその回転軸方向が直角を成す位置に固定
されており、ローラ本体部となる回転ローラ1aの外周
面に、無数のパイルPを植設したラビング布2が巻着さ
れた構成を有している。
【0035】上記のラビング布2は、例えば図3に示す
ように、直交するX・Y方向に編まれた地糸8に数十本
のフィラメントを束にしてなるパイルPが、周期性を有
する間隔で織り込まれており、植設された各パイルP
は、長さを等しくカットされている。また、図4に示す
ように、パイルPを構成する各フィラメントFは、パイ
ルPの毛根部から毛先側にかけて円錐状に広がってい
る。
【0036】そして、上記ラビングローラ1では、図1
(a)に示すように、巻着されたラビング布2における
パイルPの一並設方向が、ラビングローラ1の回転方向
(回転軸方向と直交する)に対して角度(傾斜角度)φ
傾斜している。尚、図1(a)、及びその他の図面にお
いて、ラビング布を平面的に見たものについては、パイ
ルPの毛根部のみを●にて示す。
【0037】このようなラビングローラ1は、図5に示
すように、ラビング布原反9から回転ローラ1aの外周
面のサイズに合わせてラビング布2を打ち抜くときに、
回転ローラ1aに巻着した際にパイルPの一並設方向が
角度φ傾斜するように斜めに打ち抜き、それを回転ロー
ラ1aの外周面にローラ端面とラビング布2の切り出し
端とを平行にして巻き付けることで作製されている。こ
の方法は、従来と同じようにラビング布2の切り出し端
が回転ローラ1aのローラ端面と平行となるように巻き
付けるだけで、正確な傾斜角度を簡単に実現できるとい
った利点を備えている。
【0038】尚、その他、従来と同じようにラビング布
原反から地糸と平行に矩形にラビング布を打ち抜き、回
転ローラに巻着する際に、パイルの一並設方向が角度φ
傾斜するように僅かに傾けて巻き付けることでもラビン
グローラ1と同じ作用を成すラビングローラを作製でき
る。この方法は従来からあるラビング布を用いることが
できるので、上記ラビングローラ1を従来からある部材
を用いて簡単に実現できるといった利点を備えている。
【0039】そして、上記の角度φとしては、以下に示
す理由から、0.5°以上かつ5°以下の範囲であるこ
とが好ましい。つまり、本装置のように、予め斜めに打
ち抜いたラビング布2を巻着する場合も、普通に打ち抜
いたラビング布を巻着する場合も、φが、0.5°より
も小さい角度では、ラビング布をラビング布原反から打
ち抜く際の打ち抜き精度、及び回転ローラへ巻着する際
の巻き付け精度上の問題があり、実用的でないためであ
る。また、φが5°より大きい角度では、パイルPの一
並設方向を回転方向に対して斜めに傾斜させることによ
り生まれる、回転軸方向のパイルPの毛根部のずれ量が
大きくなり、配向膜7上の同一直線上にパイルPの中心
部、つまりパイルPの毛根部が多く来ないように傾斜角
度を設定することが難しくなるためと、傾斜角度の僅か
なずれによってパイルPの毛根部が配向膜上の同一直線
上に多く並ぶ確率が高くなるためである。
【0040】そして特に、パイルPの植設間隔が数十〜
数百μmオーダのラビング布においては、角度φを1°
以下の範囲にすることで、配向膜7の単位面積あたりの
パイルPの中心部の当たりをより緻密にすることができ
る。
【0041】上記の構成を有するラビング装置を用い
て、液晶表示素子用基板4の配向膜7をラビングして配
向処理を行う際は、可動ステージ3の上に液晶表示素子
用基板4を配向膜7側を上面に向けて斜めに載置して固
定し、ラビングローラ1を回転駆動させながら、可動ス
テージ3を移動させ、液晶表示素子用基板4をラビング
ローラ1の下方を通過させる。これにより、ラビングロ
ーラ1の外周面に設けられている無数のパイルPにて、
液晶表示素子用基板4の表面に形成されている配向膜7
が一方向へラビングされることとなる。
【0042】ところで、上述したように、ラビング布2
のパイルPは、毛根部から先端側にかけて円錐状に開い
ているので、パイルPが配向膜7をラビングする際に
は、毛根部の位置するパイルPの中心部と、外殻部とで
は当たり強度に差が発生することとなる。つまり、図4
を用いて説明すると、パイルPを構成する各フィラメン
トFの長さをL1 、外殻部に位置するフィラメントFの
開き角度をθとすると、中心部におけるフィラメントF
の長さがL1 であるのに対して、外殻部におけるフィラ
メントFの見かけ上の長さL2 は、 L2 =L1 cosθ となり、パイルPの配向膜7への当たりの強さには、パ
イルPの中心部と外殻部とで、L1 −L2 分だけ差が生
じることとなる。
【0043】したがって、ラビング布2を回転ローラ1
aにパイルPの一並設方向とその回転方向とを平行にし
て巻着すると、ラビングローラが回転しても、回転軸方
向におけるパイルPの毛根部がずれないので、配向膜7
上には、パイルPの中心部があたる部分がパイルPの並
設間隔に応じて等間隔に直線的にできてしまい、当たり
強度の差によるラビングムラが発生し、ひいては、液晶
表示素子として完成された際に延伸ムラを招来すること
となる。
【0044】これに対し、本ラビング装置のラビングロ
ーラ1では、上述したように、パイルPの一並設方向
は、ラビングローラ1の回転方向に対して角度φ傾斜し
ているので、図6に示すように、X方向のパイルPの植
設間隔がX1 ・X2 、Y方向のパイルPの植設間隔がY
1 とすると、ラビングローラ1が、その外周面上の距離
にしてX1 cosφ、X2 cosφ回転するごとに、ラ
ビングローラ1の回転軸方向のパイルPの毛根部が、X
1 sinφ、X2 sinφずつずれることとなる。
【0045】したがって、図1(b)の配向処理の概念
図にも示すように、配向膜7の表面を当たり強度による
ムラなく、均一にラビングすることが可能となる。その
結果、本ラビング装置を用いて配向処理を行った液晶表
示素子用基板4を2枚貼り合わせ、基板間に液晶を注入
して作製したSTN型液晶表示素子では、延伸ムラが効
果的に抑制され、中間調表示においても良好な表示品位
を有するものとなる。
【0046】
【実施例】続いて、上記実施の形態における実施例を、
前述の実施の形態の説明で用いた図1、図3、図4、図
6、及び図7に基づいて説明する。
【0047】〔実施例1〕本発明の一実施例を前述の実
施の形態の説明で用いた図1、図3、図4に基づいて説
明すれば、以下の通りである。本実施例に係るラビング
装置では、図1(a)に示す、ラビングローラ1のラビ
ング布2の素材として、旭化成工業株式会社製「YA−
18−R」を用いた。YA−18−RのパイルPは、4
0本のフィラメントを束にしてなり、各パイルPの植設
間隔は、図3に示すように、X方向に414μmと20
7μm、Y方向に374μmである。また、パイルPを
構成する各フィラメントの長さL1 は1600μmであ
り、各フィラメントFは、図4に示すように、毛根部か
ら毛先側にかけて、約500μmの幅L3 をもって円錐
状に広がっている。このため、各パイルPが液晶表示素
子用基板4の配向膜7に当たるとき、パイルPの毛根部
におけるフィラメントFの長さL1 が1600μmであ
るのに対して、パイルPの外殻部におけるフィラメント
Fの見かけ上の長さL2 は、 L2 =L1 cosθ≒1580μm (θ=sin-1(L3 /L1 )≒8.9°) であり、パイルPの配向膜7への当たりの強さには、パ
イルPの中央部と外殻部とで、L1 とL2 の差である2
0μm分だけ差が生じるものとなっている。
【0048】本実施例では、上記のYA−18−Rのラ
ビング布原反から、回転ローラ1aの外周の形状に合わ
せて、かつ、回転ローラ1aに巻着された際にパイルP
の一並設方向であるX方向が、1°(=φ)傾いた状態
となるように打ち抜くことで、ラビング布2を形成し
た。そして、これを回転ローラ1aの外周面に平行に巻
着してラビングローラ1を構成した。
【0049】したがって、ラビングローラ1は、図1
(a)に示すように、パイルPにおけるX方向がラビン
グローラ1の回転方向に対して1°(=φ)傾いた状態
となっている。
【0050】上記構成を有するラビング装置を用いて、
以下のラビング条件にて液晶表示素子用基板4に形成さ
れている配向膜7の配向処理を行った。この場合の処理
の概念図を図1(b)に示す。
【0051】〈ラビング条件〉 ラビングローラの回転数:800rpm ラビングローラの径:150mmΦ 基板移動速度:80mm/sec (このようなラビング条件下では、液晶表示素子用基板
4が1mm移動する間に、ラビングローラ1の外周面上
の一点は、回転方向に78.5mm移動することとな
る。) その後、配向処理を施した液晶表示素子用基板4を2枚
貼り合わせ、基板間に液晶を注入してSTN型液晶表示
素子を作製し、延伸ムラが発生するかどうかを調べた。
延伸ムラは観察されなかった。
【0052】〔実施例2〕本発明の他の実施例を図1、
図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0053】本実施例に係るラビング装置を、図1
(a)に示す。前記の実施例1のラビング装置において
は、ラビングローラ1におけるパイルPの一並設方向で
あるX方向が、ラビングローラ1の回転方向に対して1
°(=φ)傾いた状態となっていたのに対して、本ラビ
ング装置のラビングローラ1では、5°(=φ)傾いた
状態となっており、この点のみが異なる。
【0054】このようなラビングローラ1は、図5に示
すYA−18−Rのラビング布原反9から、回転ローラ
1aの外周の形状に合わせて、かつ、回転ローラ1aに
巻着された際にパイルPの一並設方向であるX方向が、
5°(=φ)傾いた状態となるように打ち抜くことでラ
ビング布2を形成し、これを回転ローラ1aの外周面に
平行に巻着して作製した。
【0055】上記構成を有するラビング装置を用いて、
実施例1と同じラビング条件にて、液晶表示素子用基板
4に形成されている配向膜7の配向処理を行った。この
場合の処理の概念図を図1(b)に示す。
【0056】その後、配向処理を施した液晶表示素子用
基板4を2枚貼り合わせ、基板間に液晶を注入してST
N型液晶表示素子を作製し、延伸ムラが発生するかどう
かを調べた。延伸ムラは観察されなかった。
【0057】〔実施例3〕本発明の他の実施例を図7、
図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施
例に係るラビング装置を、図7(a)に示す。前記の実
施例1のラビング装置においては、ラビングローラ1に
おけるパイルPの一並設方向であるX方向が、ラビング
ローラ1の回転方向に対して1°(=φ)傾いた状態と
なっていたのに対して、本ラビング装置のラビングロー
ラ1’では、30°(=φ)傾いた状態となっており、
この点のみが異なる。
【0058】このようなラビングローラ1’は、図5に
示すYA−18−Rのラビング布原反9から、回転ロー
ラ1aの外周の形状に合わせて、かつ、回転ローラ1a
に巻着された際にパイルPの一並設方向であるX方向
が、30°(=φ)傾いた状態となるように打ち抜くこ
とでラビング布2’を形成し、これを回転ローラ1aの
外周面に平行に巻着して作製した。
【0059】上記構成を有するラビング装置を用いて、
実施例1と同じラビング条件にて、液晶表示素子用基板
4に形成されている配向膜7の配向処理を行った。この
場合の処理の概念図を図7(b)に示す。
【0060】その後、配向処理を施した液晶表示素子用
基板4を2枚貼り合わせ、基板間に液晶を注入してST
N型液晶表示素子を作製し、延伸ムラが発生するかどう
かを調べた。その結果、延伸ムラは観察されたが、その
量としては、従来の配向処理装置を用いて配向処理を施
した液晶表示素子のものに比べて減少していた。
【0061】〔比較例1〕本発明の比較例を図8、図5
に基づいて説明すれば、以下の通りである。比較例のラ
ビング装置を、図8(a)に示す。前記の実施例1のラ
ビング装置においては、ラビングローラ1におけるパイ
ルPの一並設方向であるX方向が、ラビングローラ1の
回転方向に対して1°(=φ)傾いた状態となっていた
のに対して、本ラビング装置のラビングローラ10で
は、傾きのない(0°=φ)の状態となっており、この
点のみが異なる。
【0062】このようなラビングローラ10は、図5に
示すYA−18−Rのラビング布原反9から、回転ロー
ラ1aの外周の形状に合わせて、かつ、地糸8(図3参
照)に平行に打ち抜くことでラビング布12を形成し、
これを回転ローラ1aの外周面に平行に巻着して作製し
た。
【0063】上記構成を有するラビング装置を用いて、
実施例1と同じラビング条件にて、液晶表示素子用基板
4に形成されている配向膜7の配向処理を行った。この
場合の処理の概念図を図8(b)に示す。
【0064】その後、配向処理を施した液晶表示素子用
基板4を2枚貼り合わせ、基板間に液晶を注入してST
N型液晶表示素子を作製し、延伸ムラが発生するかどう
かを調べた。その結果、多くの延伸ムラが観察された。
【0065】ここで最後に、上記の〔実施例1〕〔実施
例2〕〔実施例3〕及び〔比較例1〕についての考察を
述べる。
【0066】先ず、比較例1について述べる。比較例1
のラビング装置では、配向処理の際、パイルPの毛根部
は、ラビングローラ10が回転しても、ラビングローラ
10の回転軸方向にずれることはなく、パイルPの中心
部は、414μm、207μmの間隔で配向膜7上の同
一直線上に接触することとなる。その結果、パイルPの
当たり強度のバラツキによる、延伸ムラが観察されたわ
けである。
【0067】これに対し、実施例1のラビング装置で
は、配向処理の際、回転軸方向のパイルPの毛根部の位
置は、ラビングローラ1がその外周面上の距離にして4
13.9(=414cos1°)μm、207.0(=
207cos1°)μm回転するたびに、ラビングロー
ラ1の回転軸方向に7.2(=414sin1°)μ
m、3.6(=207sin1°)μmずれることとな
る。そして、このずれは配向膜7上では、液晶表示素子
用基板4が5.3μm、2.6μm移動するごとに、パ
イルPの中心部の当たる部位が7.2μm、3.6μm
ずれることとなり、緻密な配向が実現できる。その結
果、液晶表示素子として完成された際の延伸ムラを防止
することが可能となったわけである。
【0068】次に、実施例2の装置であるが、この装置
では、配向処理の際、回転軸方向のパイルPの毛根部の
位置は、ラビングローラ1がその外周面上の距離にして
412.4(=414cos5°)μm、206.2
(=207cos5°)μm回転するたびに、ラビング
ローラ1の回転軸方向に36.1(=414sin5
°)μm、18.0(=207sin5°)μmずれる
こととなる。そして、このずれは配向膜7上では、液晶
表示素子用基板4が5.3μm、2.6μm移動するご
とに、パイルPの中心部の当たる部位が36.1μm、
18.0μmずれることとなる。その結果、液晶表示素
子として完成された際の延伸ムラを防止することが可能
となったわけである。
【0069】次に、実施例3であるが、この装置では、
ラビングの際、回転軸方向のパイルPの毛根部の位置
は、ラビングローラ1’がその外周面上の距離にして3
58.5(=414cos30°)μm、179.3
(=207cos30°)μm回転するたびに、ラビン
グローラ1’の回転軸方向に207.0(=414si
n30°)μm、103.5(=207sin30°)
μmずれることとなる。そして、このずれは配向膜7上
では、液晶表示素子用基板4が4.6μm、2.3μm
移動するごとに、パイルPの中心部の当たる部位が20
7.0μm、103.5μmずれることとなる。
【0070】しかしながら、このようなずれ量は、図7
(b)の概念図にも示すように、近接するパイルPの毛
根部が配向膜7上の同一直線上の近接した位置をラビン
グするようになる。
【0071】つまり、YA−18−Rからなるラビング
布2’の場合、それにおけるパイルPの植設間隔から、 tanφ=374/(207+414) φ=31.06° とした場合、図6においてP1 にて示すパイルとP2
て示すパイルとが配向膜7の同一直線上をこすることと
なる。
【0072】この場合のパイルP1 ・P2 間のピッチを
Zとすると、 Z=((207+414)2 +3742 1/2 =724.9μm となる。
【0073】したがって、傾斜角度φが31.06°に
近い本実施例の装置のラビングローラ1’(φ=30
°)では、ラビングローラ1’がその外周面上の距離に
おいて717.1μm回転するごとに同一直線上の近接
した位置をラビングするようになり、液晶表示素子とし
て完成された際に、前記の実施例1・2では観察されな
かった延伸ムラが観察されたわけである。
【0074】さらに、表1に、上記の〔実施例1〕〔実
施例2〕〔実施例3〕及び〔比較例1〕のラビング装置
における、液晶表示素子用基板4の移動方向と同一方向
の1mm長の直線上の配向膜7にラビング布のパイルP
の中心部が接触する回数と、延伸ムラの発生の有無を調
べた結果を示す。
【0075】
【表1】
【0076】このような結果を基に、本願出願人は、上
記した実施例以外にも、数々の本発明に係る配向処理装
置を作製して、液晶表示素子用基板の移動方向と同一方
向の1mm長の直線上の配向膜にラビング布のパイルの
中心部が接触する回数と、延伸ムラの発生状態を追求し
た。
【0077】その結果、接触回数が20回以上となる
と、若干ではあるが延伸ムラが発生し、20回未満であ
る場合は全く発生しないことを見い出した。
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1の液晶
表示素子用基板の配向処置装置は、上記ラビング布が、
直交する2方向に周期性を有する間隔で植設されたパイ
ルの一並設方向をラビングローラの回転方向に対して傾
斜させて巻着されているとともに、ラビングローラの回
転方向に対する、上記一並設方向の傾斜角度が、0.5
°以上5°以下の範囲である構成である。
【0079】これにより、パイルの植設位置に起因する
処理ムラを防止して、配向膜表面をより均一に緻密にラ
ビングすることが可能となる。しかもこの場合、ラビン
グローラの回転方向と液晶表示素子用基板の移動方向と
を異ならせる必要もないので、液晶のツイスト角にバラ
ツキが生じる虞れもない。この結果、本配向処理装置で
配向処理を施した液晶表示素子用基板を用いて作製した
液晶表示装置は、延伸ムラが抑制され、中間調表示にお
いても優れた表示品位が得られるという効果を奏する。
【0080】
【0081】また、ラビングローラの回転方向に対す
る、上記一並設方向の傾斜角度が、0.5°以上5°以
下の範囲であるので、パイルの植設位置に起因する処理
ムラを防止できるといった効果を、より効果的に実現す
ることが可能となる。
【0082】本発明の請求項記載の液晶表示素子用基
板の配向処理装置は、請求項1記載の構成において、上
記ラビングローラが、その回転軸が液晶表示素子用基板
の移動方向と垂直を成すように固定される一方、液晶表
示素子用基板が、該基板の移動方向より規定角度回転さ
れた状態で、基板搬送手段にて上記ラビングローラの下
を移動される構成である。
【0083】ラビングローラの回転方向と液晶表示素子
用基板の移動方向とが同一である装置においては、直線
上のスジの処理ムラが発生し易かったが、これにより、
直線上のスジの処理ムラが発生し難くなり、特に効果的
である。
【0084】本発明の請求項記載の液晶表示素子用基
板の配向処理装置は、請求項1又は2記載の構成におい
て、上記液晶表示素子用基板の移動方向と同一方向の1
mm長の直線上の配向膜にラビング布のパイルの中心部
が接触する回数が20回未満となるように、上記一並設
方向の傾斜角度、ラビング布におけるパイルの植設間
隔、ラビングローラの周速度、及び液晶表示素子用基板
の移動速度が設定されている構成である。
【0085】これにより、延伸ムラの発生が確実に防止
される。この結果、本配向処理装置で配向処理を施した
液晶表示素子用基板を用いて作製した液晶表示装置は、
延伸ムラのない、中間調表示においても優れた表示品位
が得られるという効果を奏する。
【0086】本発明の請求項記載のラビング布は、直
交する2方向に周期性を有する間隔で、かつ、回転ロー
ラの外周面に巻き付けられてラビングローラを構成する
ときにパイルの一並設方向がラビングローラの回転方向
に対して傾きを持つように、パイルが植設されている
ともに、パイルの一並設方向がラビングローラの回転方
向に対して0.5以上5°以下の範囲の傾きを持つよう
に、パイルが植設されている構成である。
【0087】これにより、ラビング布を斜めに巻着した
りすることなく従来と同様に回転ローラの外周面に真っ
直ぐ平行に巻着するだけで、上記請求項の配向処理装
置を実現できるという効果を奏する。加えて、正確な傾
斜角度を簡単に得ることができるという効果も奏する。
【0088】
【0089】
【0090】本発明の請求項記載の液晶表示素子の製
造方法は、少なくとも一方が、上記の請求項1から3の
いずれかに記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置、
又は上記の請求項に記載のラビング布を用いて配向処
理された液晶表示素子用基板からなる一対の基板を相対
向させ、これら基板間に液晶を封入する構成である。
【0091】上記の液晶表示素子用基板の配向処理装
置、或いは上記のラビング布を用いて作製される液晶表
示素子用基板は、延伸ムラを生じないよう配向処理が施
されているので、該液晶表示素子用基板を用いて作製さ
れた液晶表示素子は、延伸ムラのない、中間調表示にお
いても優れた表示品位を有するものとなる。
【0092】本発明の請求項記載の液晶表示素子の製
造方法は、請求項の構成において、スーパーツイスト
ネマティック型液晶表示素子である構成である。
【0093】STN型液晶表示素子は配向状態の影響を
大きく受け易く、延伸ムラによる影響を受け易かった
が、これにより、延伸ムラのない中間調表示においても
優れた表示品位を有するものとなり、特に、有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の一形態、及び実施例の配向
処理装置を示す説明図である。
【図2】配向処理時の配向膜表面のラビング方法を示す
説明図である。
【図3】ラビング布の地糸とパイルの植毛状態を示す説
明図である。
【図4】ラビング布に植設された一本のパイルの状態を
示す説明図である。
【図5】ラビング布原反からラビング布の打ち抜き方を
示す説明図である。
【図6】ラビングローラの回転方向に対して、パイルの
一並設方向が角度φ傾いている場合の、パイルの毛根部
のずれ方を示す説明図である。
【図7】本発明に係る他の実施例の配向処理装置を示す
説明図である。
【図8】比較例の配向処理装置を示す説明図である。
【図9】従来の配向処理装置におけるラビングローラを
示す説明図である。
【図10】従来の配向処理装置におけるラビングローラ
を示す説明図である。
【図11】延伸ムラの発生した液晶表示素子の表示状態
を示す説明図である。
【図12】ラビングローラの回転方向と液晶表示素子用
基板の移動方向との関係の違いによる、配向膜表面の処
理状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ラビングローラ 1’ ラビングローラ 1a 回転ローラ 2 ラビング布 2’ ラビング布 3 可動ステージ(基板搬送手段) 4 液晶表示素子用基板 7 配向膜 P パイル F フィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 500 G02F 1/133 500

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転ローラの外周面にラビング布を巻着し
    てなるラビングローラを回転させ、ラビング布のパイル
    で、液晶表示素子用基板の表面に形成された配向膜を一
    方向へラビングして配向処理を行う液晶表示素子用基板
    の配向処理装置において、 上記ラビング布が、直交する2方向に周期性を有する間
    隔で植設されたパイルの一並設方向をラビングローラの
    回転方向に対して傾斜させて巻着されているとともに、 ラビングローラの回転方向に対する、上記一並設方向の
    傾斜角度が、0.5°以上5°以下の範囲であることを
    特徴とする 液晶表示素子用基板の配向処理装置。
  2. 【請求項2】上記ラビングローラが、その回転軸が液晶
    表示素子用基板の移動方向と垂直を成すように固定され
    る一方、液晶表示素子用基板が、該基板の移動方向より
    規定角度回転された状態で、基板搬送手段にて上記ラビ
    ングローラの下を移動されることを特徴とする請求項1
    記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置。
  3. 【請求項3】上記液晶表示素子用基板の移動方向と同一
    方向の1mm長の直線上の配向膜にラビング布のパイル
    の中心部が接触する回数が20回未満となるように、上
    記一並設方向の傾斜角度、ラビング布におけるパイルの
    植設間隔、ラビングローラの周速度、及び液晶表示素子
    用基板の移動速度が設定されていることを特徴とする
    求項1又は2記載の液晶表示素子用基板の配向処理装
    置。
  4. 【請求項4】直交する2方向に周期性を有する間隔で、
    かつ、回転ローラの外周面に巻き付けられてラビングロ
    ーラを構成するときにパイルの一並設方向がラビングロ
    ーラの回転方向に対して傾きを持つように、パイルが植
    設されているとともに、 パイルの一並設方向がラビングローラの回転方向に対し
    て0.5°以上5°以下の範囲の傾きを持つように、パ
    イルが植設されていることを特徴とするラビング布。
  5. 【請求項5】少なくとも一方が、上記の請求項1から3
    のいずれかに記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置
    又は上記の請求項4に記載のラビング布を用いて配向処
    理された液晶表示素子用基板からなる一対の基板を相対
    向させ、これら基板間に液晶を封入することを特徴とす
    る液晶表示素子の製造方法。
  6. 【請求項6】スーパーツイストネマティック型液晶表示
    素子であることを特徴とする請求項5記載の液晶表示素
    子の製造方法。
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