JP3154785B2 - エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物粉末及びその用途 - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物粉末及びその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特殊な製造方法により
得られたエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物(以
下、EVOHと略記する)粉末及びその用途に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般にEVOHを原料にして、製造され
るフイルムは優れた透明性と光沢を持ち、かつ耐薬品
性、ガスバリヤー性等にも優れていることが知られてお
り、特にガスバリヤー性は他の樹脂フイルムに比較して
抜群であり、食品包装材料としても大変有用である。
【0003】該EVOHの利用方法としては、EVOH
を溶融成形して、ボトルやフイルム等の成形物とする場
合と、他の樹脂で製造した成形物にEVOHの液をコー
トして該成形物の物性を改善する方法等が実施されてい
る。これらの中ではそれぞれその目的、用途に応じて使
用態様には一長一短があるが、コート法の場合は複雑な
形状の成形物にもEVOH被膜を容易に形成させること
が出来、又膜厚の薄い被膜も形成出来るので経済的にも
有利である等のメリットがある。ところがEVOHを溶
液として利用するときは、EVOHの濃度の増加ととも
に溶液粘度が著しく上昇するため塗工性に問題が生じ、
そのため希薄溶液を使用せざるを得ないのが実情であ
る。
【0004】この解決策として、EVOHの分散液をコ
ート液として利用する試みがなされている。かかる分散
液の製造方法としては、EVOHの水−有機溶媒の均一
溶液を冷却して、粒子を析出させ、次いで析出分散液中
の有機溶媒を除去する方法やEVOHの粉末を直接水媒
体に分散させる方法が知られている。前者の方法は、安
定な分散液が得られるというメリットはあるものの、保
存や運搬等において水を取り扱わなければならず、大変
不便である。
【0005】これに対して、後者の方法は上記のような
不便さもなく市場流通上非常に有用である。そして、本
来工業的に製造されたEVOHは粉末状である。しか
し、これを直接水に分散させたのでは安定性に欠けるた
め再分散可能な粉末を調整することが必要となる。従来
のEVOHの粉末化については、EVOHを溶剤に溶解
し、アセトン等のEVOHの貪溶媒との混合又は温度低
下等により析出した樹脂粒子を乾燥させる方法(特開平
2−8230号公報)が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等が上記の公報に開示されている技術を詳細に検討し
た結果、以下の問題点が判明した。上記方法で得られた
EVOH粉末(粒子)は、水を介さずに使用する溶融成
形、粉体塗料等の用途には適しているが、該粉末を水に
分散させたEVOH水分散液の用途としては問題が多
い。即ち、該分散液は高濃度における粘度は比較的低い
ものの放置安定性及び生成被膜の透明性や酸素バリヤー
性が従来のEVOH溶液のそれよりも劣るという欠点を
有している。
【0007】本発明は上記の欠点を解決すべくなされた
もので、その目的とするところは水分散状態でEVOH
濃度が高い領域においても低粘度でしかも放置安定性に
すぐれ、かつ透明性や酸素バリヤー性の良好な被膜を与
えることが出来るEVOHの粉末及びその水性分散液を
提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、EVOH粉末の製
造工程中にアセトン等のEVOHの貪溶媒を出発原料の
EVOH溶液に添加するのではなく、EVOH溶液から
一旦EVOH粒子を析出させた後の工程において貪溶媒
を添加することによって、低粘度でかつ放置安定性に優
れ、塗工容易で均質な被膜の形成可能なEVOH分散液
が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】即ち、上記の目的は、 (1)エチレン含有量20〜60モル%、ケン化度90
モル%以上のエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物
を炭素数1〜4のアルコールと水の混合溶媒に加熱溶解
させて、該ケン化物濃度が1重量%以上20重量%未満
の溶液を得る工程 (2)得られた溶液を冷却して該ケン化物を析出させる
工程 (3)析出させた該ケン化物を含む溶液に脂肪族ケトン
を撹拌下で添加して安定な分散液を得る工程 (4)上記分散液を乾燥してEVOHの含有量を50重
量%以上にする工程 から製造されることにより達成される。以下に本発明を
詳細に説明する。
【0010】本発明で用いられるEVOHは、エチレ
ン、酢酸ビニル成分の他に共重合性単量体、例えばプロ
ピレン、ブチレン、アクリル酸、メタアクリル酸、アク
リル酸エステル、メタアクリル酸エステル、無水マレイ
ン酸、アクリル酸アミドなどの第三成分との三元共重合
体をも使用しうるものであって、その量としては10モ
ル%以下が好ましい。
【0011】EVOH中のエチレンの含有量は20〜6
0モル%であることが必須であり、その含有量が20モ
ル%未満では、本発明の水性分散液より生成させる被膜
の耐水性が低下するため高湿度下でのガスバリヤー性も
低下する。又60モル%を越えると前記被膜の酸素バリ
ヤー性が低下する。好ましいエチレンの含有量は25〜
55モル%である。EVOHのケン化度についても90
モル%以上であることが必須であり、ケン化度が90モ
ル%未満では、該被膜の酸素バリヤー性が不足し、本発
明の用途には適さない。好ましいケン化度の範囲は96
モル%以上である。以下、順次工程順に説明する。
【0012】工程(1) 本発明で用いられるアルコールとしては炭素数が1〜4
のものであり、メチルアルコール、エチルアルコール、
n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、
n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、t−
ブチルアルコールなどの1種又は2種以上の混合アルコ
ールが挙げられるが、工業的には、価格及び除去性の点
からメチルアルコール、iso−プロピルアルコールが好
ましい。水とアルコールの混合割合は、特に限定されな
いが、重量比で水/アルコール=9/1〜1/9が好ま
しく、更に好ましくは水/アルコール=7/3〜3/7
である。この混合割合範囲外では、EVOHの溶解度が
低下するため、均質なEVOH溶液の調整が困難となっ
て良好な品質の分散液が得られない。
【0013】溶解温度の好ましい範囲は50〜120℃
の範囲である。水−アルコール混合溶媒に対するEVO
Hの量は、温度50〜120℃に於ける溶解度まで加え
ることが出来る。この時のEVOH濃度は1重量%以上
20重量%未満でこれは水−アルコール混合溶媒に対す
る溶解度及び溶液の安定性を考慮したもので、好ましく
は1〜15重量%である。EVOH溶液の製造は公知の
手順に従って行われる。即ち、上記の水−アルコール混
合溶媒にEVOHを混合し、50〜120℃の加熱下で
タービン型、リボン型等の撹拌翼を具備した撹拌機を用
いて回転数200〜1000rpmの条件で混合撹拌を行
いEVOHの溶液をつくる。
【0014】工程(2) 工程(1)で得られたEVOH溶液を冷却し、EVOH
微粒子を析出させて分散液をつくる。即ち、工程(1)
におけるEVOH溶液の温度(EVOHの臨界溶解温度
以上)をEVOHの臨界溶解温度以下に下げることによ
り、温度差による溶解度の差を利用して、EVOH微粒
子を析出させるのである。本工程の冷却温度はEVOH
微粒子の析出効果を考慮して、通常は40℃以下とする
ことが好ましい。
【0015】その後必要に応じて、上記EVOH分散液
中の溶媒を除去し、EVOH分散液を濃縮する。この場
合の濃縮方法は周知の方法でよく遠心分離法、(凝集)
濾過法、減圧法、加熱法等が挙げられるが、遠心分離法
が短時間で効率良く濃縮することができ、最も好まし
い。この濃縮後のEVOH濃度は20重量%以上が好ま
しく、20重量%未満では、工程(4)でのアルコール
除去に時間を要する。更に、好ましい範囲は20〜35
重量%である。
【0016】工程(3) 工程(2)で得られたEVOH分散液に脂肪族ケトンを
添加して該分散液中のEVOH微粒子の分散安定性を図
る。即ち、脂肪族ケトンは、凝集防止剤として残留し、
これによりEVOH微粒子の水−アルコール膨潤を防
ぎ、分散性の安定したEVOHの分散液を製造すること
を可能とする。本工程に用いる脂肪族ケトンとしてはア
セトンやメチルエチルケトン等が好適に用いられる。そ
の使用量はEVOH100重量部に対して100〜20
00重量部が好ましく、更に好ましくは250〜150
0重量部である。該脂肪族ケトンの添加量が上記範囲よ
り多くなると工程(4)での溶剤除去に時間を要し、逆
に少ないとEVOH分散液の安定性が悪くなる。又、上
記脂肪族ケトンの添加方法としてはEVOH分散液に撹
拌下で添加すればよく、任意の撹拌機が用いられる。
【0017】工程(4) 上記EVOH分散液から脂肪族ケトン、アルコール及び
水等の溶媒を除去し、EVOHの含有量を50重量%以
上としEVOHの粉末を得る。即ち、EVOH分散液を
撹拌しながら減圧下(30〜100mmHg)又は/及び
加熱下(40〜80℃)で、該分散液中の脂肪族ケト
ン、アルコール及び水の全量又は一部を除去して上記の
EVOHの粉末を得るのである。
【0018】こうして、本発明のEVOH粉末が得られ
るのである。該粉体は貯蔵安定性に優れ、ゲル化、ブロ
ッキング等を起こさず長期間保存することができる。更
にかかる粉体はそれはそのまま加熱溶融状態にして成形
あるいはコーティング等の用途に供することが出来る
が、該粉末は水に分散させることにより、良好なEVO
H水性分散液を得ることが出来る。つまり、該粉末は撹
拌下の水中に均一分散させることができる。いわゆる再
分散型のEVOH粉末である。更に詳しくは上記粉末に
水及び必要に応じて界面活性剤、保護コロイド剤あるい
は被膜生成時の膠着を防止するためのブロッキング防止
剤や造膜助剤等を添加し、高速ミキサー、ホモジナイザ
ー等の強制高速撹拌機を用いた公知の方法にて、EVO
H粉末を乳化分散させる。
【0019】界面活性剤としては通常のアニオン系及び
ノニオン系の界面活性剤が用いられ具体的にはアニオン
系としては、ビニルスルフォン酸ソーダ、ドデシルベン
ゼンスルフォン酸ソーダ、ラウリルスルフォン酸ソーダ
などであり、ノニオン系としてはポリオキシエチレン系
のポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエ
チレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノオレートやポリオキシプロピレン系及び
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体系
のもの等がある。界面活性剤の使用量としては、乳化分
散可能であり、且つEVOH分散液の形成被膜の特性を
損なわない量として、EVOH100重量部に対して
0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0020】又、保護コロイド剤としてはポリビニルア
ルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアルコール誘導体、変性ポリビニルアルコール、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、
ポリアクリル酸アミド、ポリビニルピロリドンなどが挙
げられる。使用量としては、界面活性剤と同様の理由で
EVOH100重量部に対して0.1〜10重量部の範
囲が好ましい。界面活性剤及び保護コロイド剤は1〜2
0重量%の水溶液として添加した方が好ましい。
【0021】更にブロッキング防止剤としてはシリカや
タルク等の無機粉体が挙げられ、又、造膜助剤としては
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ン等の多価アルコールが挙げられる。その使用量はEV
OH100重量部に対して無機粉体は0.01〜10重
量部、造膜助剤は5〜100重量部の範囲の中から適宜
選ばれる。これらの界面活性剤、保護コロイド剤、ブロ
ッキング防止剤等は必ずしも粉末を水に再分散する時に
使用するばかりでなく、本発明の製造工程(2)や工程
(3)の段階で任意添加しておくことも可能である。
【0022】こうして、本発明のEVOH粉末を用いた
EVOH水性分散液が得られるのである。該分散液はE
VOH濃度が10〜40重量%の水性分散液として製品
化される。かくして、得られた水性分散液はEVOH濃
度が10〜40重量%と高濃度であってもブルックフィ
ールド粘度は5〜1000(cps/20℃)と低粘度で
あり、極めて塗工性に優れている。又該分散液を長期に
亙って保存したり、運搬したりしても、増粘、ゲル化、
凝析等のトラブルはなく、非常に安定である。
【0023】かかる分散液を用いてフイルム、シート、
チューブ、パイプ、ボトル等の成型物にコートするに当
たってはグラビヤ、メイヤーバー、リバースロール、デ
ィップ、スプレー等の公知の方法が採用される。この時
のコート膜厚は1〜10μ程度が実用的である。本発明
の分散液をコートしたフイルム、シート、チューブ、パ
イプ、ポトル等は食品、電機部品、機械部品等の包装
用、あるいは暖房用パイプ用、壁紙用等の各種用途とし
て有用である。
【0024】
【作 用】本発明ではEVOHの水−アルコール溶液
からEVOH粉末を製造するに当たりEVOH溶液から
粒子を析出した後の工程においてアセトン等の貪溶媒を
添加して粉末化することにより、均一なEVOH粒子の
粉末が得られ、更には該粉末を水に分散したEVOH水
性分散液状態においては、高濃度においても低粘度で安
定性に優れ、かつ塗工容易で均質な被膜形成の可能なE
VOHの水性分散液を得ることが出来る。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を意味する。 実施例1工程(1) エチレン含有量38モル%、ケン化度99.5モル%の
EVOH(日本合成化学工業社製『ソアノール K38
35』)10部にiso−プロピルアルコール60部及び
水30部を加えて、タービン型の攪拌翼の攪拌機で回転
数500rpm、80℃の加熱状態で約2時間混合攪拌を
行い濃度10%のEVOHの水−アルコール溶液をつく
った。
【0026】工程(2) 工程(1)のEVOH溶液を5℃の定温器の中で24時
間静置させておき、EVOHの微粒子を析出させて微粒
子分散液を得た。該分散液を室温に戻した後、遠心分離
機に移し、回転数7000rpmで30分間遠心分離処理
を行った後、上澄液を取り除き25%のEVOH濃縮液
40部を得た。工程(3) 次に該濃縮液にアセトンを50部添加して約15分間工
程(1)と同様の撹拌機で混合撹拌し安定なEVOH分
散液を得た。
【0027】工程(4) 工程(3)で得たEVOH分散液をエバポレーターに移
し、60℃に加熱しながら、徐々に減圧していき30mm
Hgで約2時間該分散液中の溶媒を乾燥除去してEVO
H含有量が70%ととした。揮発分30%、平均粒径1
μのEVOH粉末を得た。得られたEVOH粉末の再分
散液を評価するために、次の様な試験を行った。水69
部に工程(4)で得られたEVOH粉末30部を撹拌下
に徐々に分散させ、更には界面活性剤(ラウリル硫酸ソ
ーダ)を1部添加して充分に強制撹拌し、21%のEV
OH水性分散液を得た。
【0028】実施例2〜4 表1に示すEVOHの水−アルコール溶液を用いて実施
例1と同様の工程により表1のEVOH粉末及び表2の
EVOH水性分散液を得た。但し、実施例2では脂肪族
ケトンとしてアセトンに替えてメチルエチルケトンを用
い、実施例2においてはブロッキング防止剤(タルク)
を0.2部、実施例4においては造膜助剤(プロピレン
グリコール)を5部、それぞれ添加した。又実施例3の
工程(2)では、減圧・加熱(30mmHg,40℃)に
て濃縮を行った。
【0029】比較例1 実施例1の工程(4)において、EVOH含有量40%
のEVOH粉末を得た後、25%のEVOH水分散液を
作製した。 比較例2 実施例2において、アセトンの添加を工程(1)で行っ
た工程(3)で無添加以外は実施例2と同様の操作を行
った。
【0030】比較例3 実施例4について工程(3)を省略した以外は実施例4
と同様の操作を行った。上記実施例及び比較例で得られ
たEVOH分散液及び該分散液よりメイヤーバーコート
法により得られたEVOH被膜(4〜6μ厚)の物性を
表2に示す。尚、被膜の乾燥条件は120℃×5分であ
った。
【0031】
【表1】
【0032】註)Et;エチレン、MeOH;メタノー
ル、i−PrOH;iso−プロピルアルコール、n−P
rOH;n−プロピルアルコール、実施例3のEVO
H;日本合成化学工業社製『ソアノール D290
8』、実施例4のEVOH;日本合成化学工業社製『ソ
アノール A4412』
【0033】
【表2】表2
【0034】註)*1;B型粘度計にて測定 *2;得られたEVOH水性分散液100mlを100ml
のメスシリンダーに移し、室温で60分間静置後に分離
透明液の量を測定した。別にEVOH水性分散液(10
0gを200mlのビーカーに入れる)を室温で24hr放
置後、60rpm×5分で撹拌させたときの再分散性を調
べた。
【0035】次の基準に基づいて安定性を評価した。
【0036】表2に示した物性の如く本発明のEVOH
粉末より得られたEVOH水性分散液は、高濃度におい
ても低粘度であり、かつ放置安定性も良好で更には、製
膜後の透明性及び酸素バリヤー性にも優れている。
【0037】
【効 果】EVOHの水−アルコール混合溶液を冷却
してEVOH微粒子を析出せしめた後、濃縮し、その後
乾燥して製造される本発明のEVOH粉末は、高濃度に
おいても低粘度でかつ放置安定性に優れたEVOH水性
分散液を提供することができ、又該分散液は各種フイル
ムや成型物への塗工性が良好である。又、該水性分散液
は造膜性にも優れており、得られた被膜は酸素バリヤー
性にも優れ、透明性良好なものでかつ、無臭、無害であ
るため、例えば、食品関係の容器、包装等にも有用であ
る。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)エチレン含有量20〜60モル
    %、ケン化度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル系
    共重合体ケン化物を炭素数1〜4のアルコールと水の混
    合溶媒に加熱溶解させて、該ケン化物濃度が1重量%以
    上20重量%未満の溶液を得る工程 (2)得られた溶液を冷却して該ケン化物を析出させる
    工程 (3)析出させた該ケン化物を含む溶液に脂肪族ケトン
    を撹拌下で添加して安定な分散液を得る工程 (4)上記分散液を乾燥してエチレン−酢酸ビニル系共
    重合体ケン化物の含有量を50重量%以上にする工程の
    結合から製造されることを特徴とするエチレン−酢酸ビ
    ニル系共重合体ケン化物粉末
  2. 【請求項2】 工程(2)の冷却温度が40℃以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載のエチレン−酢酸ビニ
    ル系共重合体ケン化物粉末
  3. 【請求項3】 工程(1)の水とアルコールの混合割合
    が水/アルコール=9/1〜1/9(重量比)であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル系
    共重合体ケン化物粉末
  4. 【請求項4】 工程(4)で減圧下及び/又は加熱下で
    乾燥することを特徴とする請求項1記載のエチレン−酢
    酸ビニル系共重合体ケン化物粉末
  5. 【請求項5】 請求項1の該粉末を水に分散させたこと
    を特徴とするエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物
    分散液
  6. 【請求項6】 エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化
    物の濃度が10〜40重量%であることを特徴とする請
    求項5記載のエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物
    分散液
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