JP3424844B2 - エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物の水性分散液及びその用途 - Google Patents
エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物の水性分散液及びその用途Info
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Description
系共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する。)の
水性分散液及びその積層体に関するものである。
るフィルムは、優れた透明性と光沢を持ち、かつ耐油
性、耐薬品性、そしてガスバリヤー性にも優れているこ
とが知られている。特に、ガスバリヤー性は他の樹脂フ
ィルムに比較して抜群であり、酸素透過性が極めて小さ
いことより、食品包装材料として大変有用である。
を溶融成型してボトルやフィルム等の成型物とする場合
と、他の樹脂で製造した成型物にEVOHの液をコーテ
ィングして該成型物の物性を改善する方法等が実施され
ている。これらの中ではそれぞれその目的、用途に応じ
て使用態様に一長一短があるが、コーティング法の場合
は複雑な形状の成型物にもEVOH被膜を容易に形成さ
せることができ、又膜厚の薄い被膜も形成できるので、
経済的にも有利である。
混合溶剤に溶解させたEVOH溶液やEVOHを水に分
散させたEVOH水性分散液が使われている。ところ
が、EVOH溶液は、EVOHの濃度の増加とともに溶
液粘度が著しく上昇するため塗工性に問題が生じ、その
ため希薄溶液を使用せざるを得ないのが実情である。
ング液として利用する場合には上記の心配はなく塗工性
に優れている。しかしながら、EVOHの分散液を得る
ことは必ずしも容易ではなく種々の工夫が必要で、例え
ば、EVOHに水とアルコールを添加し加熱溶解した
後、界面活性剤を配合してアルコールを除去する方法
(特開昭54−78748号公報)、EVOHに水、ア
ルコール及び界面活性剤を添加し加熱溶解した後、強制
高速撹拌下でアルコールを除去する方法(特開昭54−
101844号公報)及びEVOHに親水性溶剤と界面
活性剤を添加し、加熱溶解した液を析出剤中に乳化分散
させ、その後pH5.5以下で分散物を凝集せしめ、更
に濾過し残分を中和し再分散させる方法(特開昭56−
61430号公報)が知られている。
れている事項を詳細に検討したところ、特開昭54−7
8748号公報では、分散液の濃度を上げた場合高粘度
となり、その後の加工性、塗工性及び均一な成膜性等が
悪くなり、高濃度化が難しいといった欠点がある。特開
昭54−101844号公報では、前記同様高濃度化に
伴う高粘度化、エマルジョンの放置安定性不良及び成膜
後の透明性不良等の問題点があり、又特開昭56−61
430号公報でも、前記同様の高濃度化に伴う高粘度化
に加えて分散液製造工程の複雑化等の問題点がある。
に、EVOHの分散液の製造工程中において、EVOH
の水−アルコール混合溶媒を冷却してEVOH微粒子を
析出せしめた後、遠心分離法により樹脂分の濃縮を行う
方法を提案した(特開平5−179001号公報)。
5−179001号公報による方法では、確かにEVO
H濃度が高い領域においても低粘度で、しかも放置安定
性等に優れたEVOH分散液が得られたが、長時間にお
ける充分な放置安定性、又低温での造膜性、更には良好
な被膜を与えるための透明性等がまだまだ不充分であり
改良の余地が残されている。
されたもので、その目的とするところは長時間での放置
安定性や低温造膜性に優れ、かつ透明性や酸素バリヤー
性の良好な被膜を与えることができるEVOHの分散液
を提供するところにある。
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、エチレン含有量が
60モル%以下で、ケン化度が90モル%以上、かつ融
点(Tm)が下式を満足するエチレン−酢酸ビニル系共
重合体ケン化物を用いたエチレン−酢酸ビニル系共重合
体ケン化物の水性分散液が、前記の目的を達成し得ると
いう事実を見出し、本発明を完成した。 −209−1.46Et+3.31Sv<Tm<−10
9−1.46Et+3.31Sv Tm:示差走査型熱量計による融点(℃) Et:エチレン含有量(モル%) Sv:ケン化度(モル%)
記規定のEVOHを用いることが最大の特徴であり、か
かるEVOHの水性分散液により放置安定性、透明性等
の本発明の効果が得られるものである。かかるEVOH
以外では本発明の効果は得られない。以下、本発明につ
いて具体的に説明する。
量が60モル%以下、好ましくは20〜60モル%、更
に好ましくは25〜55モル%、酢酸ビニル成分のケン
化度90モル%以上、好ましくは95モル%以上でなけ
ればならない。エチレン含有量が20モル%未満では高
湿時のガスバリヤー性が低下し、一方60モル%を越え
ると充分なガスバリヤー性が得られず、又、ケン化度が
90モル%未満ではガスバリヤー性や耐湿性が低下す
る。
査型熱量計(DSC)で測定されるピーク温度より求め
た融点(Tm)が、エチレン含有量(Etモル%)及び
ケン化度(Svモル%)で規定される下式を満足する範
囲のEVOHを用いることが最大の特徴である。 −209−1.46Et+3.31Sv<Tm<−10
9−1.46Et+3.31Sv
素等のガスバリヤー性が低下し、逆に大きくなると分散
液の安定性が悪くなり、室温下で固化したり、又造膜性
が不充分なため透明性が低下したり、ガスバリヤー性が
し、本発明の目的を達し得ない。即ち、該EVOHのT
m値が上記の範囲に限り、かかるEVOHの水性分散液
の放置安定性、透明性等に優れた本発明の効果が得られ
るのである。かかるEVOH以外では本発明の効果は得
られない。
般に市販されていない。即ち、従来のEVOHでは、い
かなるエチレン含有量やケン化度のものであっても、そ
の融点は本発明の融点よりも高くなっており、かかる融
点の高いEVOHの使用では、本発明の効果は得られな
い。又、該EVOHは、更に少量のプロピレン、イソブ
テン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン
等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又はその塩・部
分アルキルエステル・完全アルキルエステル・ニトリル
・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又はその塩等のコ
モノマーを共重合体成分として含んでいても差し支えな
い。
法としては、EVOHの重合時やケン化時に重合度をコ
ントロールしたり、ケン化度分布を考慮したりすればよ
いが、実用的には通常の工業的製造法により得られるE
VOHを過酸化物等で処理することが有利である。
度が90モル%以上で融点(Tm)が前式の−109−
1.46Et+3.31Svより算出される値よりも高
い融点をもつもの(一例を挙げれば、エチレン含有量が
38モル%、ケン化度が99.6モル%の場合、上式の
値は164.5℃となり、それより高い例えば融点が1
73℃のもの)を水と低級アルコール(例えば、エチル
アルコール、メチルアルコール、iso−プロピルアル
コール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコー
ル等)の混合溶媒(水/アルコール=9/1〜1/9
(重量比))あるいはジメチルスルホキシド(DMS
O)、N,N−ジメチルホルムアマイド(DMF)等の
溶剤に溶解させる。該EVOHの濃度は、1〜50重量
%が適当である。該溶液に過酸化水素(通常は35重量
%水溶液)をEVOHに対してEVOH/過酸化水素水
(35重量%水溶液)=1/0.03〜1/3(重量
比)になるように添加し、撹拌下で40〜90℃、1〜
50時間、好ましくは1〜20時間処理する。又、場合
によっては、反応速度を調整するため金属触媒(CuC
l 2、CuSO4、MoO3、FeSO4、TiCl4、S
eO2等)を溶液当たり1〜5000ppm、好ましく
は10〜3000ppm程度添加することが好ましい。
又、この時の水、アルコール溶剤、EVOH、過酸化水
素の添加順序は上記の順序に限定されるものではない。
勿論、上記配合物を一括に仕込むことも可能である。処
理の終了時点は、スタート時の溶液の粘度が初期粘度の
1割程度以下となった点を1つの目安とする。
くはカタラーゼ等の酵素を添加して残存過酸化水素を分
解除去される。尚、残存過酸化水素の除去方法は上記方
法に限るものではなく、本発明の効果を阻害しない限り
公知の除去方法が採用され得る。該溶液より流動層乾燥
機、気流乾燥機、凍結乾燥機等による公知の方法により
水、アルコールあるいはDMSO、DMF等の溶媒を除
去して、目的とするEVOHを得るのである。尚、後の
水性分散液製造法の種類によっては水、アルコール等の
溶媒を除去せずに、EVOH溶液のまま水性分散液の製
造工程に供することも可能である。
るのであるが、本発明においては、分散液の製造方法に
関しては限定されることなく、特開昭54−78748
号公報、特開昭54−101844号公報、特開昭56
−61430号公報、特開平5−179001号公報等
の従来公知の方法が適宜採用されるが、微粒子が得られ
る点、及び濃縮操作の容易性の点等から、遠心分離処理
法を用いた特開平5−179001号公報による方法が
特に好ましい。
〜4のアルコールと水の混合溶媒に加熱溶解させる工
程、(2)得られた溶液を冷却して該EVOHを析出さ
せる工程、(3)析出させたEVOHを含む分散液を遠
心分離法により濃縮させる工程、(4)得られた濃縮液
に脂肪族ケトン及び分散安定剤を添加し安定な分散液を
得る工程、(5)得られた分散液から脂肪族ケトン及び
アルコールを除去する工程、からなるEVOHの水性分
散液の製造方法が本発明の効果を顕著に示す。より具体
的に製造方法を示せば以下の通りである。
あり、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、iso−ブチルアルコール、t−ブチ
ルアルコール等の1種又は2種以上の混合アルコールが
挙げられるが、工業的には、価格及び除去性の点からメ
チルアルコール、iso−プロピルアルコールが好まし
い。
れないが、重量比で水/アルコール=9/1〜1/9が
好ましく、更に好ましくは水/アルコール=7/3〜3
/7である。この混合割合範囲外では、EVOHの溶解
度が低下するため、均質なEVOH溶液の調整が困難と
なって良好な品質の分散液が得られない。溶解温度の好
ましい範囲は50〜120℃の範囲である。水−アルコ
ール混合溶媒に対するEVOHの量は、温度50〜12
0℃における溶解度まで加えることができる。この時の
EVOH濃度は1重量%以上20重量%未満でこれは水
−アルコール混合溶媒に対する溶解度及び溶液の安定性
を考慮したもので、好ましくは1〜15重量%である。
行われる。即ち、上記の水−アルコール混合溶媒にEV
OHを混合し、50〜120℃の加熱下でタービン型、
リボン型等の撹拌翼を具備した撹拌機を用いて回転数1
0〜1000rpmの条件で混合撹拌を行いEVOHの
溶液をつくる。
微粒子を析出させて分散液をつくる。即ち、工程(1)
におけるEVOH溶液の温度(EVOHの臨界溶解温度
以上)をEVOHの臨界溶解温度以下に下げることによ
り、温度差による溶解度の差を利用して、EVOH微粒
子を析出させるのである。本工程の冷却温度はEVOH
微粒子の析出効果を考慮して、通常は40℃以下とする
ことが好ましい。
の差により2つの液相、あるいは液相と固相を分離する
方法であり、通常の遠心分離機を用いる方法である。即
ち工程(2)の冷却によりEVOH微粒子が析出した分
散液をスクリューデカンター型、あるいは円筒型等の遠
心沈降分離機で固−液分離を行い上澄液を取り除きEV
OH濃縮液を得るのである。
上が必須で、20重量%未満では、工程(5)でのアル
コール除去に時間を要する上、安定性も低下する。又上
限については、特に限定されないが本工程における遠心
分離法による濃縮では40重量%程度が限界である。好
ましい範囲は20〜35重量%である。
分散安定剤を添加して該濃縮液中のEVOH微粒子の分
散安定化を図る。即ち、脂肪族ケトンは、凝集防止剤と
して残留し、これによりEVOH微粒子のアルコール膨
潤を防ぎ、分散安定剤は界面活性及び保護コロイド性の
付与に有効であり、該微粒子の二次凝集やブロッキング
(ゲル化)を防ぎ、分散性の安定したEVOHの分散液
を製造することを可能とする。
トンやメチルエチルケトン等が好適に用いられる。その
使用量はEVOH100部に対して100〜2000部
が好ましく、更に好ましくは250〜1500部であ
る。該脂肪族ケトンの添加量が上記範囲より多くなると
工程(5)での溶剤除去に時間を要し、逆に少ないとE
VOH分散液の安定性が悪くなる。
ノニオン系の界面活性剤が用いられ、具体的にはアニオ
ン系としては、ビニルスルフォン酸ソーダ、ドデシルベ
ンゼンスルフォン酸ソーダ、ラウリルスルフォン酸ソー
ダ等であり、ノニオン系としては、ポリオキシエチレン
系のポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノオレートやポリオキシプロピレン系及
びポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体
系のもの等がある。界面活性剤の使用量としては、乳化
分散可能であり、かつEVOH分散液の形成被膜の特性
を損なわない量として、EVOH100部に対して0.
1〜10部の範囲が好ましい。
用することも有利であり、ポリビニルアルコール、部分
ケン化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘
導体、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロー
ス誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸
アミド、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。使用量
としては、界面活性剤と同様の理由でEVOH100部
に対して0.1〜10部の範囲が好ましい。界面活性剤
及び保護コロイド剤は1〜20重量%の水溶液として添
加した方が好ましい。
加方法としてはEVOH濃縮液に撹拌下で添加すればよ
く、任意の撹拌機が用いられる。添加する順序は特に限
定されないが最初に脂肪族ケトンを添加し、後に分散安
定剤を添加した方が効率良く、分散液ができる。かかる
工程においてはかなり多量の脂肪族ケトンや分散安定剤
用溶媒の水が系添加されるため、EVOH分散液の濃縮
液の濃度が一旦低下してしまうが、工程(3)も本工程
も最終的に安定な水分散液を得るためには必須である。
成させた時の膠着を防止するためにブロッキング防止剤
を加えたり、造膜助剤等を添加しておくことも可能であ
る。この際のブロッキング防止剤としてはシリカやタル
ク等の無機粉体が挙げられ、又造膜助剤としてはエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の
多価アルコールが挙げられる。その使用量はEVOH1
00部に対して無機粉体は0.01〜10部、造膜助剤
は5〜100部の範囲の中から適宜選ばれる。
の溶剤を除去し、媒体の主成分を水としてEVOH濃度
が5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の水性
分散液を得る。即ち、EVOH分散液を撹拌しながら減
圧下(30〜100mmHg)又は/及び加熱下(40
〜80℃)で、該分散液中の脂肪族ケトン及びアルコー
ルの全量又は一部を除去して水性媒体中のアルコール含
有量を5重量%以下にする。又、脂肪族ケトンは全量除
去することが望ましいが、少量残存しても本発明の効果
を損なうことはない。
られるが、それはそのまま製品化することも、又適量水
を添加して濃度調整を行うことも可能である。いずれに
しても最終製品としては、水性分散液中の固形分(EV
OH)の濃度が5〜50重量%、好ましくは10〜40
重量%の水性分散液が製造できるのである。該水性分散
液は固形分濃度が5〜50重量%と高濃度であってもブ
ルックフィールド粘度は5〜5000(cps/20
℃)と低粘度であり、極めて塗工性に優れている。又、
該水性分散液を長期にわたって保存したり、運搬したり
しても、増粘、ゲル化、凝析等のトラブルはなく、非常
に安定である。該水性分散液は低温造膜性に優れ、80
℃程度の低温においても良好な塗膜を形成し、かつ該塗
膜はガスバリヤー性、透明性にも優れたものである。
にコーティングすることができ、該水性分散液を基材に
コーティングする場合、水性分散液中の固形分濃度は特
に制限はないが、各種基材への塗工性や放置安定性等を
考慮すれば、10〜40重量%程度が望ましい。
としては特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ナ
イロン等の各種プラスチックの延伸あるいは未延伸フィ
ルム、シート、中空容器あるいは紙、セロファン、セル
ロース、セルローズアセテート、天然ゴム、合成ゴム、
金属等が挙げられる。かかる基材の膜厚は10〜100
0μ程度が適当である。
は、マイヤーバー、グラビヤ及びリバースロール方式等
のローラーコーティング法、スプレーコーティング法、
ディップコーティング法その他任意の公知方法が適用で
きる。かくして透明な塗膜が形成されるわけであるが、
その膜厚は0.1〜100μ、好ましくは0.5〜10
μが実用的である。0.1μ以下では充分なガスバリヤ
ー性が発揮し難く、一方100μ以上ではその膜厚のコ
ントロールに困難を生じる。又、必要に応じて該塗膜上
に更に塩化ビニリデン樹脂コート、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体コート等によって防湿層を形成させること
も勿論可能である。
の接着性にも優れ、アンカーコート無しで塗工すること
は勿論可能であるが、より以上の接着性向上を目的とし
てポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレンイミン等
のアンカーコート剤を併用しても良い。
層体は食品、飲料、薬品、医薬、電機部品、機械部品等
の包装用あるいは容器用、又暖房用パイプ用、壁紙用等
の各種用途として有用である。
らなる水性分散液が塗工性に加えて、長時間での放置安
定性や低温造膜性、透明性に優れており、更に各種基材
と積層して積層体として利用することができる。
する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。 実施例1 水22部、アルコール35部の混合溶媒にEVOH(エ
チレン含有量30モル%、ケン化度99.5モル%、融
点187℃)30部を加え70〜80℃にて約2時間撹
拌し、透明な溶液を調製した。次に、該溶液に過酸化水
素水(35%水溶液)13部及び硫酸鉄・7水和物50
ppmを添加し、80℃で約4時間撹拌下で反応させた
後、40℃に冷却し、更にカタラーゼを3000ppm
になるように添加し、残存過酸化水素を除去して30%
のEVOH溶液を得た。該EVOH溶液を100℃、9
0分の条件で乾燥させて固形のEVOHを得た。該EV
OH溶液中のEVOHのエチレン含有量は30モル%、
ケン化度99.5モル%であり、融点TmをDSCで測
定したところ148℃であった。このTm値は本願規定
の77℃<Tm<177℃を満足するものであった。
ては、次の(1)〜(5)の工程に従い行った。工程(1) 上記EVOH10部にiso−プロピルアルコール45
部及び水45部を加えて、タービン型の撹拌翼の撹拌機
で回転数500rpm、80℃の加熱状態で約2時間混
合撹拌を行い濃度10%のEVOHの水−アルコール溶
液を作った。工程(2) 工程(1)のEVOH溶液を5℃の定温器の中で24時
間静置させておき、EVOHの微粒子を析出させて微粒
子分散液を得た。
7000rpmで30分間遠心分離処理を行った後、上
澄液を取り除き25%のEVOH濃縮液40部を得た。工程(4) 次に該濃縮液にアセトンを50部添加して約5分間工程
(1)と同様の撹拌機で混合撹拌した。その後界面活性
剤(ラウリル酸ソーダ)0.5部及び保護コロイド剤
(重合度500、ケン化度88モル%の部分ケン化ポリ
ビニルアルコール)0.2部を添加し、更に20分間混
合撹拌を行って安定なEVOH分散液を得た。 尚、界
面活性剤と保護コロイド剤は各々5%の水溶液として用
いた。
し、60℃に加熱しながら、徐々に減圧していき30m
mHgで約2時間該分散液中の溶剤除去を行った。その
後水を添加して濃度調整を行い濃度20%のEVOH水
性分散液を得た。該水性分散液中のiso−プロピルア
ルコールの含有量は水性媒体中の3%であり、アセトン
含有量は0であった。
ン(厚さ20μ)に、かかるEVOH水性分散液をバー
コーターによりコーティングし、100℃で分間乾燥を
行い、EVOHの膜厚が3μの積層体を得た。かくして
得られたEVOH水性分散液及びその積層体について下
記の諸物性を測定した。
OH水性分散液の20℃下での粘度を測定した。 (放置安定性)得られたEVOH水性分散液100ml
を100mlのメスシリンダーに移し、20℃下で24
時間後に分離透明液の量を測定した。別にEVOH水性
分散液(100gを200mlのビーカーに入れる)2
0℃下で1週間後、60rpm×5分で撹拌させたとき
の再分散性を調べた。次の基準に基づいて安定性を評価
した。
ポリプロピレン(厚さ20μ)に得られたEVOH分散
液を厚さ3μとなるようにコーティングし、3分間乾燥
した時に、透明塗膜が得られる最低温度を測定し、低温
造膜性を評価した。
(厚さ20μ)にEVOH水性分散液を厚さ3μでコー
ティングしたときの酸素透過度を20℃、65%RHで
測定した(cc/m2・atm・24hr)。 (透明性)ヘイズメーターによるヘイズ値で評価した。
に表1に示されるTm値をもつ本発明のEVOHを得
た。尚、実施例4では硫酸鉄・7水和物の代わりに塩化
第二銅を使用した。次に、実施例1に準じてEVOHの
水性分散液を得(実施例2では濃度30%の水性分散液
を得た)、更にその積層体を得た。これらEVOH水性
分散液及びその積層体について実施例1と同様の測定を
行った。
99.5モル%、融点187℃、実施例1と同様に77
℃<Tm<177℃となり、該融点は本願の規定外であ
る)30部を水35部、アルコール35部に加え、実施
例1と同様に行いEVOHの水性分散液及びその積層体
を得た。これらEVOH水性分散液及びその積層体につ
いて実施例1と同様の測定を行った。
い、金属触媒を使用しなかった以外は同様に行い、表1
に示すTm値のEVOHを得た。かかるTm値はいずれ
も本願規定の範囲外である。更に、該EVOHをそれぞ
れ実施例1と同様に水性分散液を調製し(実施例3では
濃度30%の水性分散液を得た)、又その積層体を作製
した。これらEVOH水性分散液及びその積層体につい
て実施例1と同様の測定を行った。
%、ケン化度99.5モル%、融点187℃)30部、
過酸化水素水(35%水溶液)35部、硫酸鉄・7水和
物3000ppm、反応時間10時間とした以外は同様
に行い、Tm値65℃のEVOHを得た。かかるTm値
は本願規定の77℃<Tm<177℃の範囲外である。
更に、該EVOHを実施例1と同様に水性分散液を調製
し、又その積層体を作製した。これらEVOH水性分散
液及びその積層体について実施例1と同様の測定を行っ
た。実施例、比較例のそれぞれの測定結果を表2に示
す。
OHからなる水性分散液であり、塗工性に加えて、長時
間での放置安定性や低温造膜性に優れており、得られた
被膜は酸素バリヤー性にも優れ、透明性の良好なもの
で、更に各種基材と積層して積層体として、例えば食品
関係の包装、容器等に利用することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 エチレン含有量が60モル%以下で、ケ
ン化度が90モル%以上、かつ融点(Tm)が下式を満
足するエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物を用い
ることを特徴とするエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケ
ン化物の水性分散液。 −209−1.46Et+3.31Sv<Tm<−10
9−1.46Et+3.31Sv Tm:示差走査型熱量計による融点(℃) Et:エチレン含有量(モル%) Sv:ケン化度(モル%) - 【請求項2】 分散液中の固形分の濃度が5〜50重量
%であることを特徴とする請求項1記載のエチレン−酢
酸ビニル系共重合体ケン化物の水性分散液。 - 【請求項3】 上記エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケ
ン化物の水性分散液を基材にコーティングしてなること
を特徴とする積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28761193A JP3424844B2 (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物の水性分散液及びその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28761193A JP3424844B2 (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物の水性分散液及びその用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07118471A JPH07118471A (ja) | 1995-05-09 |
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