JP3228482B2 - 分散安定剤および水性分散液 - Google Patents
分散安定剤および水性分散液Info
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Description
レン−ビニルアルコール共重合体の水性分散液に関する
ものである。
にエチレン−酢酸ビニル共重合体をけん化したエチレン
−ビニルアルコール共重合体(EVOHと略記する)
は、酸素等のガスバリアー性や耐油・耐薬品性に優れて
いるため、包装材料素材や、プラスチック成形物、金属
表面、紙、木材等の保護被覆用材料として注目されてい
る。
が必要とされる食品包装用のフィルム、シート、積層
物、中空容器等においては高度のガスバリア−性が要求
されている。また軟質塩化ビニルからなる塩ビ壁紙、塩
ビレザー、シート等では可塑剤のブリードを防止する被
覆材が要求されている。そこでガスバリア−性、保香
性、および耐油・耐薬品性に優れたEVOHを内層、外
層あるいは中間層に設けることによってこれらの要求性
能を高度に満たすことが広く実施されている。
は、溶融押出あるいは射出成形による方法やEVOHフ
ィルムをラミネートする方法等が広く実施されている。
一方、EVOHの溶液や水性分散液を塗布し、乾燥する
方法が提案されている。この方法は、比較的膜厚の薄い
皮膜が形成できること、中空容器等の複雑な形状のもの
にも容易に皮膜が形成できることなどから注目される。
方法では基本的に高い濃度の溶液が高粘度のために使用
困難なこと、溶剤がジメチルスルホキシド等の有機溶剤
や多量のアルコールと水の混合溶剤のため、皮膜形成過
程において有機溶剤の揮散による作業環境の悪化および
有機溶剤の回収のための装置が必要になるなど、経済的
にも不利なこと等の問題がある。これに対し、EVOH
の水性分散液を塗布する方法は、溶剤が水系で上記の作
業環境や経済性の点から有利と考えられ期待される。
VOHを通常の界面活性剤あるいは通常の高分子保護コ
ロイド、例えばポリエチレンオキシド、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニ
ルアルコール等の共存下で乳化分散させたものが特開昭
54−101844、特開昭56−61430等で提案
されている。しかしながら、本発明者らの検討による
と、これら公知の方法で得られたEVOHの水性分散液
は、分散安定性が不十分で塗布用として実用が困難であ
る。
リル酸や無水マレイン酸などのカルボン酸基含有モノマ
ーをエチレンおよび酢酸ビニルと三元共重合し、けん化
して得た、いわゆるランダムに共重合されたカルボキシ
ルアニオン基含有のEVOH自体を通常の界面活性剤を
分散安定剤として分散させることが示されている。
ルボキシルアニオン変性EVOH自体を分散する場合
は、イオン性基がEVOH全体にランダムに含有されて
いるため、分散安定性を十分に達成するには多量に共重
合する必要があり、そうするとEVOHの結晶性が低下
して構造の乱れが大となり、形成皮膜のバリアー性が低
くなるなどの欠点がある。
な従来技術の欠点を解消するために創案されたものであ
り、分散質特にEVOHの分散安定性に優れた分散安定
剤、それを用いた形成皮膜のバリア−性に優れたEVO
H系水性分散液、特にEVOH系水性乳化分散液を提供
することを目的とする。
分に対しポリエーテル成分がブロック状あるいはグラフ
ト状に結合されたEVOH系ブロックあるいはグラフト
共重合体からなる分散安定剤を提供することによって達
成される。
性分散液が貯蔵あるいは使用時の安定性において著しく
改善され、分散安定性に優れることにある。本発明の第
2の特長は、分散安定性が優れ、貯蔵あるいは使用時の
粒子の凝集による粒子径の顕著な増大がほとんどないた
め、造膜性が良好でより薄い均質な皮膜が塗布でき、乾
燥した皮膜がバリアー性に優れることにある。
〜70モル%、けん化度80モル%以上のエチレン−ビ
ニルエステル共重合体けん化物成分(A)がポリエーテ
ル成分(B)とブロック状あるいはグラフト状に結合さ
れたエチレン−ビニルアルコール系ブロックあるいはグ
ラフト共重合体(以下ポリエーテル変性EVOHと略記
し、後ろにブロック体あるいはグラフト体をつけて区分
する)を包含するもので、その製造方法等に制限はな
い。
分(A)の組成はエチレン含量が10〜70モル%、け
ん化度80モル%(本発明で言うけん化度はビニルエス
テル単位のけん化度を示す)以上である必要がある。エ
チレン含量の好適な範囲は12モル%以上、さらに好ま
しくは15モル%以上、さらには20モル%以上であ
る。また上限については好適には65モル%以下、さら
に好適には60モル%以下である。また好ましいけん化
度は90モル%以上、さらには95モル%以上である。
分散質のEVOHのエチレン含量およびけん化度につい
ては後述するが、それと近いものが粒子分散安定化効果
の点で望ましい。より好ましくはほぼ同一のエチレン含
量およびけん化度が望ましい。重合度は特に制限はない
が分散安定化効果の点から20以上が望ましい。なお重
合度は通常のEVOHと同様に粘度法で測定されるもの
である。
(B)は、詳細は後述するが、オキシエチレン単位、オ
キシプロピレン単位、オキシテトラメチレン単位等のオ
キシアルキレン単位を主体として構成されるものが挙げ
られるが、特にオキシエチレン単位を主体とするものが
水性乳化分散安定化効果の点から好適である。ポリエー
テルの分子中には、例えばポリメチレン単位、アミド
基、ウレタン基、エステル基あるいはフェニル基等が含
有されていてもよい。
安定化効果のある範囲内で適宜選択されるが、分散安定
化効果の点から、EVOH成分(A)100重量部に対
して1〜100重量部が望ましい。さらに好ましくは3
〜80重量部、最適には5〜50重量部である。1重量
部未満では分散安定化効果が小さく、100重量部を越
えるものは形成皮膜のガスバリアー性が低下して好まし
くない。
限はないが、その例を示すと以下のとおりである。
体 (i)末端にチオール基を有するポリエーテルの存在下
にエチレンとビニルエステルとをラジカル共重合するこ
とにより、ポリエーテルとエチレン−ビニルエステル共
重合体とのブロック共重合体を得、次いでビニルエステ
ル単位をけん化してビニルアルコ−ル単位に変換しポリ
エーテルとEVOHとがイオウ原子(S)を介して結合
したブロック共重合体を得ることができる。
は、チオ酢酸のごときチオカルボン酸と末端に二重結合
を有するポリエーテルとをベンゾイルパーオキシド等の
過酸化物の存在下に付加反応させることにより、末端に
チオエステル基を有するポリエーテルを合成し、次いで
その末端チオエステル基を水酸化ナトリウム等で分解し
てチオール基に変換して得られる。
酸の存在下にエチレンとビニルエステルとをラジカル共
重合し、次いでけん化して得られる末端にチオール基を
有するEVOHの共存下に末端に二重結合を有するポリ
エーテルをラジカル重合することにより、ポリエーテル
とEVOHとがイオウ原子を介して結合したブロック共
重合体を得ることができる。
体 (a)末端に二重結合を有するポリエーテル、エチレン
およびビニルエステルを共重合、次いでけん化すること
により、EVOHにポリエーテルがグラフトされたポリ
エーテル変性EVOHグラフト体が得られる。
射線あるいは紫外線照射法による方法や過酸化物を共存
させる方法等により、重合性の二重結合を有するポリエ
ーテルをラジカル重合してEVOHにポリエーテルがグ
ラフトされたポリエーテル変性EVOHグラフト体が得
られる。
テルとは以下に例示されるものである。但し、下記一般
式においてR1は水素またはメチル基、R2、R3、R5は
水素または炭素数1〜10のアルキル基、R4は水素、
炭素数1〜10のアルキル基、アルキルエステル基(ア
ルキル基中の炭素数1〜10)、アルキルアミド基(ア
ルキル基中の炭素数1〜10)等、Xは炭素数1〜10
のアルキレン基、置換アルキレン基(アルキレン基中の
炭素数1〜10)、フェニレン基(フェニレン基中の炭
素数1〜10)、置換フェニレン基(フェニレン基中の
炭素数1〜10)、nは1〜100の整数、またmは0
または1から20の整数をそれぞれ示す。
EVOHを製造できるが、ブロックあるいはグラフトタ
イプのポリエーテル変性EVOHの生成効率(ブロック
あるいはグラフト効率)は理論的には100%ではな
く、各々のホモポリマーであるポリエーテルとEVOH
が副生する。その効率は高いほうが好ましいが、副生す
るホモポリマーを厳密に分別することは通常困難なこと
が多く、またEVOHは分散質として利用可能であり、
ポリエーテルホモポリマーもあまり多量でなければ、必
ずしもそれらホモポリマーを除去することは必要でな
く、ホモポリマーが含まれたものをそのまま分散させる
ことができる。
VOHは、その製造時に副生するポリエーテルとEVO
Hのホモポリマーをも包含したブロックあるいはグラフ
ト反応生成物全体を包含するものであって、本発明でい
うポリエーテル成分のブロック量あるいはグラフト量は
EVOH成分の重量に対するホモポリマーをも包含した
見かけのブロック成分あるいはグラフト成分の重量をい
うものである。しかしながら、ポリエーテルホモポリマ
ーの含量は少ないほうが好ましく、必要に応じて除去す
ることは差し支えない。
EVOHは、エチレンと酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、三フッ化酢酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル、特に酢酸ビ
ニルと共重合、けん化することにより得られるエチレン
−ビニルアルコ−ル共重合体で、エチレン含量が15〜
65モル%、けん化度が90モル%以上のものである必
要がある。エチレン含量が15モル%未満では水性分散
液の安定性が不良となり、また65モル%を越えるもの
はガスバリア−性が不良となり不適当である。水性分散
液の安定性とガスバリア−性の点からはエチレン含量は
20〜55モル%が好ましい。またけん化度は90モル
%未満になるとガスバリア−性が不十分になるので90
モル%以上のものを使用する必要がある。けん化度は高
い方がガスバリア−性が高く、望ましくは95モル%以
上、さらには97モル%以上が好ましい。
選択されるが、極端に低いものは形成皮膜の強度が低く
好ましくないので通常400以上好ましくは700以上
のものが使用される。重合度の高いものほど水性分散液
として塗布使用することは有利であり、通常5000程
度のものまで使用できる。ここで分散質の重合度は水/
フェノール系混合溶剤(重量比15/85)中、30℃
で測定した固有粘度より求められる。また必要に応じて
エチレンおよびビニルエステル以外の共重合可能なモノ
マーを5モル%以下共重合していてもよい。
Hの使用量はポリエーテル成分の種類、含有量等を勘案
して適宜選択されるが、分散質のEVOH100重量部
に対し2〜200重量部、好ましくは3〜100重量
部、さらに好ましくは5〜50重量部が望ましい。量が
少ないと分散安定性が不良となり、多すぎると形成皮膜
のガスバリア−性が不十分になることがあり不適当であ
る。
して分散質であるEVOHを分散させる方法に制限はな
く、公知の方法が使用可能である。例えば分散質である
EVOHの溶液を分散安定剤であるポリエーテル変性E
VOHの共存下にEVOHの非溶剤である水と攪拌下に
接触させてEVOH粒子を3μm以下、好ましくは2μ
m以下、最適には1μm以下の微粒子として析出させ、
次いで溶剤を除去することにより水性分散液を得ること
ができる。なおここで微粒子の径は数平均粒子径であ
る。
使用用途等により適宜決められるが、高濃度でしかも安
定な分散液の得られることが本発明の特徴である。固形
分濃度としては10重量%以上、さらに好ましくは15
重量%以上、最適には20重量%以上である。固形分濃
度の上限には特に制限はないが、あまり高濃度になりす
ぎると水性分散液の放置安定性がやや不良になる場合が
あるので、通常60重量%以下が好ましく、さらに好ま
しくは50重量%以下、最適には40重量%以下であ
る。
エチルアルコ−ル、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール等の2価アルコール、グリセリン等の3
価アルコール、フェノール、クレゾール等のフェノール
類、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン等のアミ
ン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン等、あるいはこれらの含水物等が
単独あるいは2種以上混合されて使用できる。特に好ま
しい溶剤は水−アルコール系の混合溶剤、例えば水−メ
チルアルコール、水−ノルマルプロピルアルコール、水
−イソプロピルアルコール等である。
分散質であるEVOHの溶液中、あるいは非溶剤の水
中、あるいはその両方に共存させることができるが、好
ましくはEVOHの溶液中に共存させることが望まし
い。
は透析法等の適宜な方法で除去することができる。除去
の程度は高いことが望ましいが、経済性との兼合いで小
割合の有機溶剤を残存させてもよい。
低温にすると不溶になる溶剤に分散質のEVOHおよび
分散安定剤のポリエーテル変性EVOHを加熱溶解した
後、その溶液を冷却することにより、微粒子として析出
分散させる方法も採用できる。しかる後その溶剤を水と
置換することにより水性分散液とすることができる。高
温で溶解し低温では析出する溶剤としては、先に示した
溶剤のうちアルコ−ル類の単独あるいは水との混合溶剤
等が使用できる。
エーテル変性EVOHを共存させた分散質のEVOHの
溶液を非溶剤と接触させるかあるいは冷却することによ
り析出分散させた粒子を濾別し、その粒子をポリエーテ
ル変性EVOHの共存下に水中に分散させる方法も可能
である。
しては、分散質のEVOHと分散安定剤のポリエーテル
変性EVOHを、これらの共通溶剤、例えば水−アルコ
−ルの混合溶剤に攪拌下、温度50〜75℃で溶解して
溶液とし、次いで冷却(温度−10〜30℃)し、EV
OH粒子を析出して分散化(エマルジョン化)し、次に
減圧下(温度10〜30℃、圧力10〜150mmH
g)にアルコ−ルを除去し、さらに水を所望量除去する
ことによって、所望の固形分濃度の水性分散液を得る方
法があげられる。
目的で水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリ
ウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどのアルカリ
金属化合物、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、酢酸
カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウムなどのア
ルカリ土類金属化合物、その他の電解質を0.01〜
0.5重量%(対ポリマ−)配合してもよい。配合は、
分散質のEVOHを微粒子化する前でも後でもよい。
たガスバリア−性の皮膜を形成する塗布材料として有用
であるが、その優れた力学的性能や化学的性能を生かし
て、他の用途例えば粉霧乾燥して微粒子粉末にしたり、
また塗料や接着剤のバインダーやビヒクルなど広範囲に
利用できる。
発明の目的を妨げない範囲で通常の界面活性剤や保護コ
ロイドを添加することは可能である。また他の樹脂の水
性分散液、光あるいは熱等に対する安定剤、顔料、滑
剤、防黴剤あるいは造膜助剤などを添加することもでき
る。また本発明の分散安定剤は前記したEVOHの分散
安定剤として最適であるが、その他の有機材料(樹脂)
や無機材料の分散安定剤としても使用することができ
る。
蔵あるいは使用時の安定性に優れた高固形分濃度の水性
分散液が得られ、かつ水性であるため環境の汚染等の問
題もない利点があり、塗布乾燥により優れたガスバリア
−性、保香性および耐油・耐薬品性を示す薄い皮膜を形
成できる有用な塗布剤として各種基材表面に塗布でき
る。ここで基材としてはとくに熱可塑性樹脂{ポリオレ
フィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルア
ルコ−ル、酢酸ビニル樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重
合体など)など}からなる各種成形品(フィルム、シー
ト、カップ、ボトルなど)が好適なものとしてあげら
れ、また繊維集合体(紙、不織布、織布、ファイブラス
ケーシングなど)、無機物(セメントなど)、金属、ポ
リ塩化ビニル樹脂製壁紙、写真印画紙などもあげられ
る。
する方法としては、キャスティングヘッドからの吐出、
ロールコート、ドクターロールコート、ドクターナイフ
コート、カーテンフローコート、スプレー、浸漬、刷毛
塗りなど任意の手段が例示される。このように塗布され
た基材を乾燥・熱処理する方法としては乾熱処理法、た
とえば赤外線照射法、熱風乾燥法などが例示される。こ
れらの赤外線照射、熱風乾燥などはそれぞれ単独で使用
してもよいし、また併用することもできる。また乾燥・
熱処理の温度は30〜180℃であることが好ましく、
下限値については50℃以上が好ましく、最適には80
℃以上である。また乾燥・熱処理の時間は5秒〜10分
が好ましく、さらに好適には1〜5分である。乾燥・熱
処理中は条件、たとえば温度を増減させること、たとえ
ば最初は低温で処理し、徐々に温度を上昇させることな
どは自由である。このような乾燥・熱処理を施すことに
よりガスバリア−性の優れた皮膜が基材表面に形成され
る。
処理したあとの皮膜の厚さは0.5〜15μmであるこ
とが好ましく、さらに好適には1〜10μm、最適には
2〜6μmである。
するが、実施例のみに限定されるものではない。また実
施例中の部は特に指定しないかぎり、重量部を示す。溶
剤組成も重量比で示す。
有する分子量1500のポリオキシエチレンアリルエー
テル(日本油脂(株)製ユニオックスPKA−500
5)とチオ酢酸とを過酸化ベンゾイルの存在下に付加反
応させ、次いで水酸化ナトリウムでチオエステル基を分
解して末端にチオール基を有するポリエーテルを得、こ
れを連鎖移動剤としてエチレンと酢酸ビニルとを共重
合、次にけん化することにより、エチレン含量32モル
%、けん化度99.6モル%、重合度750のEVOH
成分(A)100重量部に対し、その末端にポリエーテ
ル成分(B)31重量部がイオウ原子を介してブロック
状に結合されたポリエーテル変性EVOHブロック体を
得た。
を10%含有する水/メチルアルコール=50/50の
混合溶剤溶液50部を、エチレン含量32モル%、けん
化度99.5モル%、重合度1000の通常のEVOH
50部とメチルアルコール200部および水200部に
添加混合し70℃で加熱溶解した。
ろ、粒子が析出し安定な分散液が得られた。平均粒子径
は0.4μmであった。次いでこの分散液を攪拌下に2
0℃で減圧蒸発させメチルアルコールを留去した。メチ
ルアルコール留去過程でも粒子の凝集はほとんどみられ
ず安定で、平均粒子径が0.4μm、固形分濃度26%
の水性乳化分散液を得た。また放置安定性も良好で、4
0℃で10日の放置試験でも凝集はほとんど認められな
かった。
リプロピレンフィルム(膜厚20μm)のプライマー処
理面に塗布して110℃、5分間乾燥・熱処理し、該フ
ィルム(EVOH層厚み3μm)の酸素バリア−性を2
0℃、0%RHの条件で測定したところ、酸素透過量
が、2.5cc/m2・day・atmで、食品包装材
として良好なバリアー性を示した(以下、酸素透過量の
測定条件および単位は同一である)。
いで通常のEVOHのみで分散した場合(比較例1)、
また上記ポリエーテル変性EVOHに代えて、通常のノ
ニオン界面活性剤のノニルフェニルエーテルのエチレン
オキシド付可物(比較例2)、アニオン界面活性剤のド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(比較例3)、あ
るいは高分子保護コロイドとしてけん化度80モル%、
重合度600の部分けん化ポリビニルアルコール(比較
例4)を分散安定剤として使用し、それ以外は実施例1
と同じ条件で分散を試みたが、いずれの場合も加熱溶解
した溶液を攪拌下に冷却し粒子が析出する段階で凝集
し、安定な分散液は得られなかった。
OHが、分散質である通常のEVOHの分散安定化に格
別の効果を有し、安定な水性乳化分散液が得られること
がわかる。
有する分子量750のオキシエチレン単位とオキシプロ
ピレン単位とをモル比75:25の割合で含有するアリ
ルエーテル(日本油脂(株)製ユニセーフPKA−50
11)、エチレンおよび酢酸ビニルを共重合、次いでけ
ん化することにより、エチレン含量38モル%、けん化
度99.5モル%、重合度900のEVOH成分(A)
100重量部に対し、ポリエーテル成分(B)20重量
部がグラフト状に結合されたポリエーテル変性EVOH
グラフト体を得た。
を10%含有する水/エチルアルコール=50/50の
混合溶剤溶液50部を、エチレン含量38モル%、けん
化度99.6モル%、重合度1100の通常のEVOH
24部とエチルアルコール100部および水100部に
添加混合し70℃で加熱溶解した。
ころ、粒子が析出し安定な分散液が得られた。平均粒子
径は0.7μmであった。次いでこの分散液を攪拌下に
15℃で減圧蒸発させエチルアルコールを留去した。エ
チルアルコール留去過程でも粒子の凝集はほとんどみら
れず安定で、平均粒子径が0.7μm、固形分濃度22
%の水性乳化分散液を得た。また放置安定性も良好で、
40℃で10日の放置試験でも凝集はほとんど認められ
なかった。実施例1と同様にして塗布、乾燥・熱処理し
たフィルム(EVOH層厚み3μm)の酸素透過量は
3.5で良好なバリア−性を示した。
化度99.1モル%、重合度1120のEVOH成分
(A)100重量部に対し、その末端に分子量450の
ポリオキシエチレンアリルエーテル(日本油脂(株)製
ユニオックスPKA−5003)をチオール化したポリ
エーテル成分(B)45重量部がイオウ原子を介してブ
ロック状に結合されたポリエーテル変性EVOHブロッ
ク体を得た。
を5%含有する水/メチルアルコール=60/40の混
合溶剤溶液100部を、エチレン含量26モル%、けん
化度99.8モル%、重合度1050の通常のEVOH
35部とメチルアルコール100部および水100部に
添加混合し65℃で加熱溶解した。
ろ、粒子が析出し安定な分散液が得られた。平均粒子径
は0.6μmであった。次いでこの分散液を攪拌下に2
0℃で減圧蒸発させメチルアルコールを留去した。メチ
ルアルコール留去過程でも粒子の凝集はほとんどみられ
ず安定で、平均粒子径が0.6μm、固形分濃度23%
の水性乳化分散液を得た。また放置安定性も良好で、4
0℃で10日の放置試験でも凝集はほとんど認められな
かった。実施例1と同様にして塗布、乾燥・熱処理した
フィルム(EVOH層厚み3μm)の酸素透過量は2.
9で良好なバリア−性を示した。
にエチレンと酢酸ビニルとをラジカル共重合し、次いで
けん化して得られた末端にチオール基を有するEVOH
の共存下に、末端に二重結合を有する分子量400のポ
リオキシエチレンアリルエーテル(日本油脂(株)製ユ
ニオックスPKA−5007)をラジカル重合すること
により、エチレン含量44モル%、けん化度99.7モ
ル%、重合度670のEVOH成分(A)100重量部
に対し、ポリエーテル成分(B)16重量部がイオウ原
子を介してブロック状に結合されたポリエーテル変性E
VOHブロック体を得た。
を10%含有する水/イソプロピルアルコール=30/
70の混合溶剤溶液50部を、エチレン含量42モル
%、けん化度99.5モル%、重合度1220の通常の
EVOH22部とイソプロピルアルコール100部およ
び水100部に添加混合し70℃で加熱溶解した。
蒸発させイソプロピルアルコールを留去し、固形分濃度
21%の水性乳化分散液を得た。この水性分散液の平均
粒子径は0.8μmで減圧蒸発過程での粒子の肥大化も
ほとんどなく、安定な水性分散液が得られた。実施例1
と同様にして塗布、乾燥・熱処理したフィルム(EVO
H層厚み3μm)の酸素透過量は3.0で良好なバリア
−性を示した。
有する分子量1500のポリオキシエチレンアリルエー
テル(日本油脂(株)製ユニセーフPKA−501
0)、エチレンおよびピバリン酸ビニルを共重合、次い
でけん化することにより、エチレン含量29モル%、け
ん化度99.4モル%、重合度800のEVOH成分
(A)100重量部に対し、ポリエーテル成分(B)2
3重量部がグラフト状に結合されたポリエーテル変性E
VOHグラフト体を得た。
を10%含有する水/メチルアルコール=50/50の
混合溶剤溶液50部を、エチレン含量29モル%、けん
化度99.4モル%、重合度1300の通常のEVOH
50部とメチルアルコール200部および水200部に
添加混合し70℃で加熱溶解した。
ろ、粒子が析出し安定な分散液が得られた。平均粒子径
は0.5μmであった。次いでこの分散液を攪拌下に2
0℃で減圧蒸発させメチルアルコールを留去した。メチ
ルアルコール留去過程でも粒子の凝集はほとんどみられ
ず安定で、平均粒子径が0.5μm、固形分濃度23%
の水性乳化分散液を得た。また放置安定性も良好で、4
0℃で10日の放置試験でも凝集はほとんど認められな
かった。実施例1と同様にして塗布、乾燥・熱処理した
フィルム(EVOH層厚み3μm)の酸素透過量は2.
8で良好なバリア−性を示した。
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部を水/メチルア
ルコール=50/50の混合溶剤500部に添加混合
し、70℃で溶解した。この溶液中に高速攪拌機を浸漬
し5000rpmで攪拌しながらエチレン含量35モル
%、けん化度99.7モル%、重合度1000の通常の
EVOHを水/メチルアルコール=50/50の混合溶
剤に溶解した濃度10%の溶液5000部を滴下したと
ころ粒子が析出し安定な分散液を得た。平均粒子径は
0.9μmであった。
蒸発させメチルアルコールを留去し、固形分濃度20%
の水性乳化分散液を得た。この水性分散液の平均粒子径
は0.9μmで減圧蒸発過程での粒子の肥大化もほとん
どなく、安定な水性分散液が得られた。実施例1と同様
にして塗布、乾燥・熱処理したフィルム(EVOH層厚
み3μm)の酸素透過量は4.3で良好なバリア−性を
示した。
ーテル変性EVOHからなる分散安定剤を使用すること
により、貯蔵あるいは使用時の安定性に優れた高固形分
濃度の水性分散液、とくに水性乳化分散液が得られ、か
つ水性であるため環境の汚染等の問題もない利点があ
り、塗布乾燥により優れたガスバリアー性、保香性およ
び耐油・耐薬品性を示す薄い皮膜を形成できる有用な塗
布剤として利用できる、工業的価値の高いものである。
Claims (6)
- 【請求項1】 エチレン含量10〜70モル%、けん化
度80モル%以上のエチレン−ビニルエステル共重合体
けん化物成分(A)とポリエーテル成分(B)がブロッ
ク状あるいはグラフト状に結合された共重合体からなる
分散安定剤。 - 【請求項2】 請求項1記載の分散安定剤を使用した、
エチレン含量15〜65モル%、けん化度90モル%以
上のエチレン−ビニルアルコール共重合体を分散質とす
る水性分散液を基材に塗布してなる積層体。 - 【請求項3】 エチレン含量15〜65モル%、けん化
度90モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合
体の溶液を請求項1記載の分散安定剤の共存下に水と接
触させ、次いで溶剤を除去することを特徴とする水性分
散液の製造法。 - 【請求項4】 エチレン含量15〜65モル%、けん化
度90モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合
体と請求項1記載の分散安定剤を高温では溶解するが低
温にすると不溶になる溶剤に加熱溶解した後、その溶液
を冷却し、次いで溶剤を水と置換することを特徴とする
水性分散液の製造法。 - 【請求項5】 請求項1記載の分散安定剤が共存するエ
チレン含量15〜65モル%、けん化度90モル%以上
のエチレン−ビニルアルコール共重合体の溶液を非溶剤
と接触させるか、又は冷却することにより析出させた粒
子を水中に分散させることを特徴とする水性分散液の製
造法。 - 【請求項6】 請求項1記載の分散安定剤が共存するエ
チレン含量15〜65モル%、けん化度90モル%以上
のエチレン−ビニルアルコール共重合体の水−アルコー
ル混合溶液を冷却して、析出させ、次いでアルコールを
除去し、必要に応じて水を除去することを特徴とする水
性分散液の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19611192A JP3228482B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 分散安定剤および水性分散液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19611192A JP3228482B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 分散安定剤および水性分散液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0616747A JPH0616747A (ja) | 1994-01-25 |
JP3228482B2 true JP3228482B2 (ja) | 2001-11-12 |
Family
ID=16352425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19611192A Expired - Lifetime JP3228482B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 分散安定剤および水性分散液 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3228482B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005223107A (ja) * | 2004-02-05 | 2005-08-18 | Hitachi Ltd | 電界効果型トランジスタ及びその製造方法 |
JP2011202052A (ja) * | 2010-03-26 | 2011-10-13 | Kuraray Co Ltd | 変性エチレン−ビニルアルコール共重合体およびそれを含有する組成物 |
JP7548586B2 (ja) * | 2019-08-05 | 2024-09-10 | 国立大学法人 筑波大学 | 短鎖脂肪酸エステルを担持する親水-疎水性共重合体 |
-
1992
- 1992-06-29 JP JP19611192A patent/JP3228482B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0616747A (ja) | 1994-01-25 |
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