JP3153915B2 - カラー陰極線管 - Google Patents
カラー陰極線管Info
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- JP3153915B2 JP3153915B2 JP19807591A JP19807591A JP3153915B2 JP 3153915 B2 JP3153915 B2 JP 3153915B2 JP 19807591 A JP19807591 A JP 19807591A JP 19807591 A JP19807591 A JP 19807591A JP 3153915 B2 JP3153915 B2 JP 3153915B2
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Description
【産業上の利用分野】本発明は、カラー陰極線管、特に
トリニトロン(登録商標)型のカラー陰極線管に係わ
る。
トリニトロン(登録商標)型のカラー陰極線管に係わ
る。
【0001】
【従来の技術】カラーテレビジョン受像管等のカラー陰
極線管においては、図13に示すように、陰極線管管体
1のパネル1Pの内面に形成されたカラー蛍光面2に対
向して色選別手段3が配置される。
極線管においては、図13に示すように、陰極線管管体
1のパネル1Pの内面に形成されたカラー蛍光面2に対
向して色選別手段3が配置される。
【0002】トリニトロン(登録商標)型カラー陰極線
管においては、カラー蛍光面2が図14にそのパターン
図を示すように、例えば垂直方向に延びるストライプ状
の赤、緑及び青の発光蛍光体R、G及びBがそれぞれス
トライプ状のカーボン塗膜より成るガードバンドGBを
介して塗り分けられて成る。
管においては、カラー蛍光面2が図14にそのパターン
図を示すように、例えば垂直方向に延びるストライプ状
の赤、緑及び青の発光蛍光体R、G及びBがそれぞれス
トライプ状のカーボン塗膜より成るガードバンドGBを
介して塗り分けられて成る。
【0003】一方、色選別手段3は、アパーチャグリル
と呼称される構成を採る。これは、図13に示すよう
に、例えば断面L字状の水平方向に延びる相対向する枠
辺4A及び4Bと、これら枠辺4A及び4Bの両端部間
に差し渡って設けられたコ字状腕部4C及び4Dより成
るフレーム4を有して成る。そして、このフレーム4の
枠辺4A及び4Bの前方端面間に、枠辺4A及び4B間
に沿って延びる、つまり例えば垂直方向に延びる多数の
電子ビーム透過スリット5が図15に示すように並置配
列形成された例えば鉄薄板より成る遮蔽体6が、枠辺4
A及び4Bの前方端面に溶接された腕部4C及び4Dに
よって与えられた所要の張力をもって架張される。
と呼称される構成を採る。これは、図13に示すよう
に、例えば断面L字状の水平方向に延びる相対向する枠
辺4A及び4Bと、これら枠辺4A及び4Bの両端部間
に差し渡って設けられたコ字状腕部4C及び4Dより成
るフレーム4を有して成る。そして、このフレーム4の
枠辺4A及び4Bの前方端面間に、枠辺4A及び4B間
に沿って延びる、つまり例えば垂直方向に延びる多数の
電子ビーム透過スリット5が図15に示すように並置配
列形成された例えば鉄薄板より成る遮蔽体6が、枠辺4
A及び4Bの前方端面に溶接された腕部4C及び4Dに
よって与えられた所要の張力をもって架張される。
【0004】そして、管体1のネック部1n内に配され
た電子銃7から発射された赤、緑及び青に対応する3本
の電子ビームが、色選別手段3のスリット5に異なる角
度をもって入射することによって、カラー蛍光面2の対
応する各色赤、緑及び青の蛍光体R、G及びB上にラン
ディングするようになされ、この電子ビームの衝撃によ
って各色の蛍光体R、G及びBからの発光を得てカラー
再生像が得られるようになされている。
た電子銃7から発射された赤、緑及び青に対応する3本
の電子ビームが、色選別手段3のスリット5に異なる角
度をもって入射することによって、カラー蛍光面2の対
応する各色赤、緑及び青の蛍光体R、G及びB上にラン
ディングするようになされ、この電子ビームの衝撃によ
って各色の蛍光体R、G及びBからの発光を得てカラー
再生像が得られるようになされている。
【0005】このようなトリニトロン(登録商標)型カ
ラー陰極線管を始めとして、通常一般のカラー陰極線管
においては、色選別手段としてのいわゆるシャドウマス
クによって電子ビームが所定の色の蛍光体上にランディ
ングするように、つまり、各色の選別がなされているの
で、電子ビームが、その水平垂直偏向中心から蛍光面2
に向かう途上で、地磁気等の外部からの磁界によってそ
の軌道が変化すると、色選別手段への入射角が変動する
ことによってミスランディングが生じ、色ずれなど色純
度の低下を来す。
ラー陰極線管を始めとして、通常一般のカラー陰極線管
においては、色選別手段としてのいわゆるシャドウマス
クによって電子ビームが所定の色の蛍光体上にランディ
ングするように、つまり、各色の選別がなされているの
で、電子ビームが、その水平垂直偏向中心から蛍光面2
に向かう途上で、地磁気等の外部からの磁界によってそ
の軌道が変化すると、色選別手段への入射角が変動する
ことによってミスランディングが生じ、色ずれなど色純
度の低下を来す。
【0006】そこでカラー陰極線管においては、陰極線
管管体のファンネル部の外周に外部磁気シールド(以下
OMSという)を設け、更にファンネル部内に色選別手
段からその後方に延びるように取付けられた内部磁気シ
ールド(以下IMSという)とを設け、かつ管外に消磁
コイル(図示せず)を設けて、これらOMS及びIMS
により消磁することによって電子ビームの軌道上での地
磁気等の外部からの磁界の影響を遮断する方法が採られ
る。
管管体のファンネル部の外周に外部磁気シールド(以下
OMSという)を設け、更にファンネル部内に色選別手
段からその後方に延びるように取付けられた内部磁気シ
ールド(以下IMSという)とを設け、かつ管外に消磁
コイル(図示せず)を設けて、これらOMS及びIMS
により消磁することによって電子ビームの軌道上での地
磁気等の外部からの磁界の影響を遮断する方法が採られ
る。
【0007】ところが昨今、カラー陰極線管のより大画
面化が進んでおり、この状況下にあって、OMSを設け
ることは、全体の大型化、大重量化が免れないばかりで
なく、電子ビーム軌道に対する外部磁界の遮蔽効果が電
子ビーム軌道近くに設けられるIMSに比して劣るなど
の問題がある。
面化が進んでおり、この状況下にあって、OMSを設け
ることは、全体の大型化、大重量化が免れないばかりで
なく、電子ビーム軌道に対する外部磁界の遮蔽効果が電
子ビーム軌道近くに設けられるIMSに比して劣るなど
の問題がある。
【0008】しかしながら反面IMSは、消磁電力が増
大する。
大する。
【0009】また、通常一般のシャドウマスク型カラー
陰極線管では、前方に膨出する球面上の金属薄板に円孔
状の電子ビーム透過孔が穿設されたシャドウマスクが色
選別手段として用いられ、これにIMSが取りつけられ
るが、陰極線管の動作時のこのシャドウマスクへの電子
ビームの衝撃面積はアパーチャグリルの場合に比し、可
成り大きいことからその温度上昇は著しいものであり、
これに伴うIMSの熱膨張も大で、これに伴う変形の、
シャドウマスクへの影響、つまり電子ビームの蛍光面上
へのミスランディングの問題が生じる。
陰極線管では、前方に膨出する球面上の金属薄板に円孔
状の電子ビーム透過孔が穿設されたシャドウマスクが色
選別手段として用いられ、これにIMSが取りつけられ
るが、陰極線管の動作時のこのシャドウマスクへの電子
ビームの衝撃面積はアパーチャグリルの場合に比し、可
成り大きいことからその温度上昇は著しいものであり、
これに伴うIMSの熱膨張も大で、これに伴う変形の、
シャドウマスクへの影響、つまり電子ビームの蛍光面上
へのミスランディングの問題が生じる。
【0010】このシャドウマスク型のカラー陰極線管に
おいて、IMSを用い、かつ上述した諸問題に対処した
陰極線管としては、例えば実公昭55−27957号に
開示されているように、シャドウマスクにこれから後方
側、即ち電子銃7の配置部側に向かって小径とされた切
頭角錐状の磁性金属板より成るIMSが設けられ、その
水平方向に延びる長辺側壁板及び垂直方向に延びる短辺
側壁板に、複数の開口をIMSの表面積の40〜50%
の範囲で穿設する構造のものが提案されている。
おいて、IMSを用い、かつ上述した諸問題に対処した
陰極線管としては、例えば実公昭55−27957号に
開示されているように、シャドウマスクにこれから後方
側、即ち電子銃7の配置部側に向かって小径とされた切
頭角錐状の磁性金属板より成るIMSが設けられ、その
水平方向に延びる長辺側壁板及び垂直方向に延びる短辺
側壁板に、複数の開口をIMSの表面積の40〜50%
の範囲で穿設する構造のものが提案されている。
【0011】また、特開昭54−25157号や、特公
昭63−67307号に開示のIMSにおいても、シャ
ドウマスク型陰極線管において、IMSの上述した側壁
に穿設する開孔の位置、面積等の検討がなされている。
昭63−67307号に開示のIMSにおいても、シャ
ドウマスク型陰極線管において、IMSの上述した側壁
に穿設する開孔の位置、面積等の検討がなされている。
【0012】しかしながら、上述したトリニトロン(登
録商標)型のカラー陰極線管においては、上述したシャ
ドウマスク型陰極線管におけるIMSとは異なる性状を
示し、すでに提案されているIMSによっては合理的な
磁気シールドがなされず、OMSを排除した構成を採る
ことができない。従って、25インチ以上の例えば34
インチ型カラー陰極線管においては、OMS型構成を採
ることが余儀なくされていて、これによって、重量の問
題、大型化の問題、コスト高の問題を生じている。
録商標)型のカラー陰極線管においては、上述したシャ
ドウマスク型陰極線管におけるIMSとは異なる性状を
示し、すでに提案されているIMSによっては合理的な
磁気シールドがなされず、OMSを排除した構成を採る
ことができない。従って、25インチ以上の例えば34
インチ型カラー陰極線管においては、OMS型構成を採
ることが余儀なくされていて、これによって、重量の問
題、大型化の問題、コスト高の問題を生じている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に色選別
手段が、一方向、具体的には垂直方向に延びる電子ビー
ム透過スリットが配列されて成るいわゆるアパーチャグ
リルを有して成るトリニトロン(登録商標)型のカラー
陰極線管において、OMSを用いることなく、IMSの
みによって確実に地磁気等の外部磁界による電子ビーム
の不安定な影響を回避して、電子ビームのカラー蛍光面
上でのランディング位置のずれを低減化して、これによ
る色純度の低下を回避することができるようにする。
手段が、一方向、具体的には垂直方向に延びる電子ビー
ム透過スリットが配列されて成るいわゆるアパーチャグ
リルを有して成るトリニトロン(登録商標)型のカラー
陰極線管において、OMSを用いることなく、IMSの
みによって確実に地磁気等の外部磁界による電子ビーム
の不安定な影響を回避して、電子ビームのカラー蛍光面
上でのランディング位置のずれを低減化して、これによ
る色純度の低下を回避することができるようにする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1、図2及
び図3に、それぞれ本発明によるトリニトロン(登録商
標)型カラー陰極線管の一例の前方部の平面ストライ
プ、背面図及び側面図を示すように、管体1のパネル1
P内面に形成されたカラー蛍光面2に対向して、このカ
ラー蛍光面2の各色の蛍光体領域上に各色に対応する電
子ビームを選別して到達させる色選別手段3が設けら
れ、この色選別手段3が、陰極線管の有効画面の長辺方
向に延びて相対向する枠辺4A及び4Bと、これら枠辺
の両端部間に差し渡って設けられこの有効画面の短辺方
向に延びる対の腕部とより成るフレーム4に、その枠辺
4A及び4B間に、上記短辺方向に沿って延びる多数の
電子ビーム透過スリット5が並置配列された遮蔽体6が
架張された構成によるカラー陰極線管構成とする。
び図3に、それぞれ本発明によるトリニトロン(登録商
標)型カラー陰極線管の一例の前方部の平面ストライ
プ、背面図及び側面図を示すように、管体1のパネル1
P内面に形成されたカラー蛍光面2に対向して、このカ
ラー蛍光面2の各色の蛍光体領域上に各色に対応する電
子ビームを選別して到達させる色選別手段3が設けら
れ、この色選別手段3が、陰極線管の有効画面の長辺方
向に延びて相対向する枠辺4A及び4Bと、これら枠辺
の両端部間に差し渡って設けられこの有効画面の短辺方
向に延びる対の腕部とより成るフレーム4に、その枠辺
4A及び4B間に、上記短辺方向に沿って延びる多数の
電子ビーム透過スリット5が並置配列された遮蔽体6が
架張された構成によるカラー陰極線管構成とする。
【0015】そして、その色選別手段3に、この色選別
手段3からカラー蛍光面2と対向する側とは反対側に延
びる、電子ビームの通路を囲む内部磁気シールド体(I
MS)11を設ける。
手段3からカラー蛍光面2と対向する側とは反対側に延
びる、電子ビームの通路を囲む内部磁気シールド体(I
MS)11を設ける。
【0016】このIMS11は、色選別手段3の枠辺4
A及び4B方向に沿って延びる相対向する対の長辺側壁
11A及び11Bと腕部4C及び4D方向に沿って延び
る相対向する対の短辺側壁11C及び11Dとを有し、
これら長辺側壁11A及び11Bと、短辺側壁11C及
び11Dとによって蛍光面2とは反対側に頂部を有する
長方形の切頭角錐状体を形成して成る。
A及び4B方向に沿って延びる相対向する対の長辺側壁
11A及び11Bと腕部4C及び4D方向に沿って延び
る相対向する対の短辺側壁11C及び11Dとを有し、
これら長辺側壁11A及び11Bと、短辺側壁11C及
び11Dとによって蛍光面2とは反対側に頂部を有する
長方形の切頭角錐状体を形成して成る。
【0017】IMS11の形状及び寸法は、電子ビーム
の偏向中心Pから有効画面のコーナーに向かう電子ビー
ム軌道bから10〜15mmの間隔を有し、かつこの電
子ビーム軌道長の60〜80%程度を覆うように選定す
る。
の偏向中心Pから有効画面のコーナーに向かう電子ビー
ム軌道bから10〜15mmの間隔を有し、かつこの電
子ビーム軌道長の60〜80%程度を覆うように選定す
る。
【0018】そして、対の長辺側壁11A及び11Bに
のみ総計4〜8個の長方形開口12を、各長辺側壁11
A及び11Bの奥行き方向に沿って穿設する。これら長
方形開口12は、両長辺側壁の全面積の10〜20%の
面積に選定する。
のみ総計4〜8個の長方形開口12を、各長辺側壁11
A及び11Bの奥行き方向に沿って穿設する。これら長
方形開口12は、両長辺側壁の全面積の10〜20%の
面積に選定する。
【0019】また、長辺側壁11A及び11Bは、対の
腕部4C及び4Dの互いに対向する内側面4C1から内
側面4D1に至る領域に差し渡って配置される長さに選
定する。
腕部4C及び4Dの互いに対向する内側面4C1から内
側面4D1に至る領域に差し渡って配置される長さに選
定する。
【0020】更に、このIMS11は、残留磁束密度B
rが8キロガウス以上の磁性材によって構成する。
rが8キロガウス以上の磁性材によって構成する。
【0021】
【作用】上述の本発明構成によれば、OMSを設けるこ
となく、確実に外部磁界の電子ビーム軌道に対する影響
を低減化でき、蛍光面へのランディングのずれを効果的
に小さくできる。このことについては、後述の本発明の
実施例の説明で詳細に説明する。
となく、確実に外部磁界の電子ビーム軌道に対する影響
を低減化でき、蛍光面へのランディングのずれを効果的
に小さくできる。このことについては、後述の本発明の
実施例の説明で詳細に説明する。
【0022】
【実施例】本発明によるカラー陰極線管の一例を説明す
る。
る。
【0023】本発明は、図1に示すように、トリニトロ
ン型カラー陰極線管(TR管)構成を採る。
ン型カラー陰極線管(TR管)構成を採る。
【0024】このカラー陰極線管は、陰極線管の管体1
の、例えば正面からみて水平方向(X方向)に長辺を有
し、垂直方向(Y方向)に短辺を有し、長辺方向が円形
に前方に膨出円筒面状のパネル1Pの内面に形成された
カラー蛍光面2に対向して色選別手段3が設けられてい
る。
の、例えば正面からみて水平方向(X方向)に長辺を有
し、垂直方向(Y方向)に短辺を有し、長辺方向が円形
に前方に膨出円筒面状のパネル1Pの内面に形成された
カラー蛍光面2に対向して色選別手段3が設けられてい
る。
【0025】色選別手段3は、蛍光面2による有効画面
の短辺方向(Y方向)に沿って延びる多数の電子ビーム
透過スリット5が、並置配列された遮蔽体6を有して成
る。
の短辺方向(Y方向)に沿って延びる多数の電子ビーム
透過スリット5が、並置配列された遮蔽体6を有して成
る。
【0026】この遮蔽体6は、フレーム4に支持され
る。フレーム4は、上述の有効画面の長辺方向に沿いパ
ネル1P即ち蛍光面2の円筒面の円弧に沿って弯曲する
例えば断面L字状をなす鋼材より成る枠辺4A及び4B
と、これら枠辺4A及び4Bの各両端の後面、即ち蛍光
面2と対向する側とは反対側の面に後方に向って突出す
るようにコ字状に屈曲する例えば鋼材より成る腕部4C
及び4Dが、溶接されて成る。
る。フレーム4は、上述の有効画面の長辺方向に沿いパ
ネル1P即ち蛍光面2の円筒面の円弧に沿って弯曲する
例えば断面L字状をなす鋼材より成る枠辺4A及び4B
と、これら枠辺4A及び4Bの各両端の後面、即ち蛍光
面2と対向する側とは反対側の面に後方に向って突出す
るようにコ字状に屈曲する例えば鋼材より成る腕部4C
及び4Dが、溶接されて成る。
【0027】そして、このフレーム4の枠辺4A及び4
Bの円弧状の前方端面に差し渡って遮蔽体6が架張され
る。
Bの円弧状の前方端面に差し渡って遮蔽体6が架張され
る。
【0028】遮蔽体6は、例えばフォトリソグラフィに
よる選択的エッチングによってスリット5を形成した鉄
薄板によって形成され、その上下両端部が枠辺4A及び
4Bの前方端面に溶接されて架張される。一方、カラー
蛍光面2は図14及び図15で説明したように、スリッ
ト5の延長方向に沿って延びるストライプ状の赤、緑及
び青の蛍光体領域R,G及びBがそれぞれ例えばカーボ
ン層より成るガードバンドGBを介して配列されて成
る。
よる選択的エッチングによってスリット5を形成した鉄
薄板によって形成され、その上下両端部が枠辺4A及び
4Bの前方端面に溶接されて架張される。一方、カラー
蛍光面2は図14及び図15で説明したように、スリッ
ト5の延長方向に沿って延びるストライプ状の赤、緑及
び青の蛍光体領域R,G及びBがそれぞれ例えばカーボ
ン層より成るガードバンドGBを介して配列されて成
る。
【0029】色選別手段3は、フレーム4の外側面に取
付けられた板ばね(図示せず)がパネル1Pの内周面に
取付けられた支持ピン(図示せず)に係合されてパネル
1P内の所定位置に取付けられる。
付けられた板ばね(図示せず)がパネル1Pの内周面に
取付けられた支持ピン(図示せず)に係合されてパネル
1P内の所定位置に取付けられる。
【0030】そして、この色選別手段3のフレーム4
に、IMS11が取着される。
に、IMS11が取着される。
【0031】IMS11は、それぞれフレーム4の枠辺
4A及び4Bに沿う方向に配置され互いに対向する長辺
側壁11A及び11Bと、それぞれ腕部4C及び4Dに
沿う方向に延び互いに対向する短辺側壁11C及び11
Dとを有して成り、これら側壁11A〜11Dによって
電子ビームの水平及び垂直走査の偏向中心Pから蛍光面
2に向う電子ビーム軌道を囲み、偏向中心P側を頂部と
する長方形の切頭角錐状体を構成する。
4A及び4Bに沿う方向に配置され互いに対向する長辺
側壁11A及び11Bと、それぞれ腕部4C及び4Dに
沿う方向に延び互いに対向する短辺側壁11C及び11
Dとを有して成り、これら側壁11A〜11Dによって
電子ビームの水平及び垂直走査の偏向中心Pから蛍光面
2に向う電子ビーム軌道を囲み、偏向中心P側を頂部と
する長方形の切頭角錐状体を構成する。
【0032】長辺側壁11A及び11Bには軸心Z方向
に沿って前方に延びそれぞれ枠辺4A及び4Bの互いに
対向する側とは反対側、即ち枠辺11Aの上面及び枠辺
11Bの下面に衝合するフランジ部11AF及び11B
Fが設けられる。この長辺側壁部の前方部のX方向の長
さlは、フレーム4の腕部4C及び4Dの互いに対向す
る内側面4C1及び4C2の、一方に、近接する位置か
ら他方の内側面に近接する位置までの長さとする。
に沿って前方に延びそれぞれ枠辺4A及び4Bの互いに
対向する側とは反対側、即ち枠辺11Aの上面及び枠辺
11Bの下面に衝合するフランジ部11AF及び11B
Fが設けられる。この長辺側壁部の前方部のX方向の長
さlは、フレーム4の腕部4C及び4Dの互いに対向す
る内側面4C1及び4C2の、一方に、近接する位置か
ら他方の内側面に近接する位置までの長さとする。
【0033】また、短辺側壁11C及び11Dには、フ
レーム4の腕部4C及び4Dの後面に衝合するフランジ
部11CF及び11DFを有して成る。
レーム4の腕部4C及び4Dの後面に衝合するフランジ
部11CF及び11DFを有して成る。
【0034】IMS11の寸法、形状は、電子ビームの
水平・垂直偏向中心Pから蛍光面2の有効画面のコーナ
ーに向う電子ビームの軌道bからの各側壁11A〜11
D間の距離aが、10〜15mm、好ましくは10〜1
3mmとなるように選定し、かつこの電子ビームの軌道
長の60〜80%を覆う奥行に選定する。
水平・垂直偏向中心Pから蛍光面2の有効画面のコーナ
ーに向う電子ビームの軌道bからの各側壁11A〜11
D間の距離aが、10〜15mm、好ましくは10〜1
3mmとなるように選定し、かつこの電子ビームの軌道
長の60〜80%を覆う奥行に選定する。
【0035】そして、IMS11の長辺側壁11A及び
11Bにのみ、その奥行き方向即ちIMSの軸心Zに沿
う方向に長軸方向を有する長方形の開口12を穿設す
る。
11Bにのみ、その奥行き方向即ちIMSの軸心Zに沿
う方向に長軸方向を有する長方形の開口12を穿設す
る。
【0036】これら開口12は、総計4個〜8個例えば
図示のように各長辺側壁11A及び11Bに2個づつ、
計4個設ける。これら開口12は、軸心Zとこれと交叉
するY方向とを含む面、及び軸心Zとこれと交叉するX
方向とを含む面に対し対称となる配置関係に選定され
る。
図示のように各長辺側壁11A及び11Bに2個づつ、
計4個設ける。これら開口12は、軸心Zとこれと交叉
するY方向とを含む面、及び軸心Zとこれと交叉するX
方向とを含む面に対し対称となる配置関係に選定され
る。
【0037】これら開口12は、その面積の総和が側壁
11A及び11Bの総面積の10〜20%とする。
11A及び11Bの総面積の10〜20%とする。
【0038】また、短辺側壁11C及び11Dには、後
方端の中央部に、所要の深さrD 例えば短辺側壁の奥行
長rの0.7〜0.9位の深さrD を有するV字状切欠
11VC及び11VDを形成する。
方端の中央部に、所要の深さrD 例えば短辺側壁の奥行
長rの0.7〜0.9位の深さrD を有するV字状切欠
11VC及び11VDを形成する。
【0039】更に、上述の構成による1MS11は、残
留磁束密度Brが7KG(キロガウス)以上の鋼板例え
ばSIS−HT,SIS−CR(いずれも(株)東洋鋼
鈑製商品名)によって構成する。これらSIS−HT及
びSIS−CRの磁気的特性は下記表1に示す通りであ
る。
留磁束密度Brが7KG(キロガウス)以上の鋼板例え
ばSIS−HT,SIS−CR(いずれも(株)東洋鋼
鈑製商品名)によって構成する。これらSIS−HT及
びSIS−CRの磁気的特性は下記表1に示す通りであ
る。
【0040】
【表1】 ここにBmは最大磁束密度、Brは残留磁束密度、Hc
は保持力、μmは初期透磁率である。
は保持力、μmは初期透磁率である。
【0041】そして、IMSを構成する強磁性板の厚さ
は、Br≧8KGとするとき0.3mm以上とする。
は、Br≧8KGとするとき0.3mm以上とする。
【0042】上述した構成によるIMS11を有する陰
極線管によれば、OMSを設けることなく良好な消磁
と、電子ビームに対する地磁気等の外部磁界のシールド
効果を得ることでランディングのずれを改善することが
できた。
極線管によれば、OMSを設けることなく良好な消磁
と、電子ビームに対する地磁気等の外部磁界のシールド
効果を得ることでランディングのずれを改善することが
できた。
【0043】今、図15に示すように、ストライプ状蛍
光体R,G,Bの各幅WPSを147μm、ストライプ状
ガードバンドの幅WGBを160μmとして蛍光体ピッチ
を約920μmとし、スリット5を通って到来する電子
ビームの幅即ち輝線幅WT を240μmとする場合のラ
ンディングのずれを測定した。
光体R,G,Bの各幅WPSを147μm、ストライプ状
ガードバンドの幅WGBを160μmとして蛍光体ピッチ
を約920μmとし、スリット5を通って到来する電子
ビームの幅即ち輝線幅WT を240μmとする場合のラ
ンディングのずれを測定した。
【0044】尚、カラー陰極線管においては、本来輝線
幅WT は、蛍光体幅WPSと一致していて電子ビームのラ
ンディングのずれ量がないことが最も理想的であるが、
実際には地磁気、温度変化等の要因で、電子ビームのず
れが生じる。そこで、通常輝線幅WT は、蛍光体幅WPS
より大きくして電子ビームのランディングに多少のずれ
が生じても蛍光体のストライプ幅WPSを全幅に渡って電
子ビーム衝撃できるようにしている。ところが、余り輝
線幅を大きくしても、電子ビームのランディングが大幅
にずれた場合に、ガードバンドGBを越えて隣り合う他
の色の蛍光体上にランディングすることになるので輝線
幅WT は概ね蛍光体のストライプ幅WPSの1.6〜2.
0倍としている。
幅WT は、蛍光体幅WPSと一致していて電子ビームのラ
ンディングのずれ量がないことが最も理想的であるが、
実際には地磁気、温度変化等の要因で、電子ビームのず
れが生じる。そこで、通常輝線幅WT は、蛍光体幅WPS
より大きくして電子ビームのランディングに多少のずれ
が生じても蛍光体のストライプ幅WPSを全幅に渡って電
子ビーム衝撃できるようにしている。ところが、余り輝
線幅を大きくしても、電子ビームのランディングが大幅
にずれた場合に、ガードバンドGBを越えて隣り合う他
の色の蛍光体上にランディングすることになるので輝線
幅WT は概ね蛍光体のストライプ幅WPSの1.6〜2.
0倍としている。
【0045】この輝線幅WT と蛍光体幅WPSの関係から
電子ビームのランディングがずれても幅WPS全てを電子
ビームが衝撃する限界は、電子ビームが(W T −W PS )
/2だけずれたときである。一般にこの(W T −W PS )
/2はビーム欠けアロワンスと呼ばれ、この(W T −W
PS )/2寸法と電子ビームのずれ量との比が100%以
下が望ましいことになる。以下図5〜図10における測
定結果の縦軸のKは、ビーム欠けアロワンス比で、K={2×電子ビームのずれ量/(W T −W PS )}×1
00(%) をとったものである。尚、地磁気の条件は水平方向成分
を0.3G、垂直成分を0.35Gとした。
電子ビームのランディングがずれても幅WPS全てを電子
ビームが衝撃する限界は、電子ビームが(W T −W PS )
/2だけずれたときである。一般にこの(W T −W PS )
/2はビーム欠けアロワンスと呼ばれ、この(W T −W
PS )/2寸法と電子ビームのずれ量との比が100%以
下が望ましいことになる。以下図5〜図10における測
定結果の縦軸のKは、ビーム欠けアロワンス比で、K={2×電子ビームのずれ量/(W T −W PS )}×1
00(%) をとったものである。尚、地磁気の条件は水平方向成分
を0.3G、垂直成分を0.35Gとした。
【0046】先ず、上述の構成において、電子ビームの
偏向中心Pから、蛍光面2の有効画面のコーナー部に向
う電子ビーム軌道bとIMS11の内面との距離aを変
えてKを測定すると、図5に示す結果が得られた。これ
によって、本発明において距離aを10〜15mm、好
ましくは10〜13mmとすることがずれを小さくでき
ることが分かる。この場合、上述したように、K≦10
0%であることが望ましいが実際には現状でのKを考え
るとき百十数%以下であれば、改善がみられたことにな
る。
偏向中心Pから、蛍光面2の有効画面のコーナー部に向
う電子ビーム軌道bとIMS11の内面との距離aを変
えてKを測定すると、図5に示す結果が得られた。これ
によって、本発明において距離aを10〜15mm、好
ましくは10〜13mmとすることがずれを小さくでき
ることが分かる。この場合、上述したように、K≦10
0%であることが望ましいが実際には現状でのKを考え
るとき百十数%以下であれば、改善がみられたことにな
る。
【0047】そして、今、この距離aを一定にした状態
で、上述のコーナー部に向う電子ビームの軌道長を覆う
電子ビーム遮蔽率、具体的には、図2における電子ビー
ムの軌道長dと、これを覆う長さcとの比c/dと上述
の比Kとの関係の測定結果を図6に示した。これによれ
ば、66%の遮蔽率で最も小さなずれを示すことになる
が、上述したようにKが100%を多少越えても、つま
り実際には、本発明での遮蔽率60〜80%での、K≦
102は、充分なずれ防止がはかられているものであ
る。そして、この遮蔽率は、磁気シールド効果を上げる
ことからみると、大なる程外部磁界の影響を低減できる
と考えられるが、実際には管体1のファンネル部の基部
側外周には電子ビームの水平・垂直偏向ヨークが配置さ
れていることから、IMSの奥行が余り長くなるとこの
偏向ヨークの磁界と干渉することになって電子ビームへ
の悪影響が生じて来るものであり、このことから遮蔽率
は80%以下に選定する。
で、上述のコーナー部に向う電子ビームの軌道長を覆う
電子ビーム遮蔽率、具体的には、図2における電子ビー
ムの軌道長dと、これを覆う長さcとの比c/dと上述
の比Kとの関係の測定結果を図6に示した。これによれ
ば、66%の遮蔽率で最も小さなずれを示すことになる
が、上述したようにKが100%を多少越えても、つま
り実際には、本発明での遮蔽率60〜80%での、K≦
102は、充分なずれ防止がはかられているものであ
る。そして、この遮蔽率は、磁気シールド効果を上げる
ことからみると、大なる程外部磁界の影響を低減できる
と考えられるが、実際には管体1のファンネル部の基部
側外周には電子ビームの水平・垂直偏向ヨークが配置さ
れていることから、IMSの奥行が余り長くなるとこの
偏向ヨークの磁界と干渉することになって電子ビームへ
の悪影響が生じて来るものであり、このことから遮蔽率
は80%以下に選定する。
【0048】更に、本発明においては、IMS11の長
辺側壁に長方形の縦長の開口12を穿設するものである
が、先ず開口12の形状を選定して、同一位置に同数
(全各4個)でのKを測定したところ図7に示す結果が
得られ、本発明による縦長長方形による場合、最もビー
ムのずれを小さく出来ることがわかる。
辺側壁に長方形の縦長の開口12を穿設するものである
が、先ず開口12の形状を選定して、同一位置に同数
(全各4個)でのKを測定したところ図7に示す結果が
得られ、本発明による縦長長方形による場合、最もビー
ムのずれを小さく出来ることがわかる。
【0049】そして、縦長長方形開口12の個数とKと
の関係をみると、図8に示すようになり、4〜8個で、
K<100%が得られるものの4個の方がより好ましい
ことがわかる。この傾向は次のように説明できるもので
ある。
の関係をみると、図8に示すようになり、4〜8個で、
K<100%が得られるものの4個の方がより好ましい
ことがわかる。この傾向は次のように説明できるもので
ある。
【0050】即ち図示しないが管体1のファンネル部外
周に設けた消磁コイルをもってIMS11及び色選別手
段3の消磁を行うものであるが、トリニトロン型カラー
陰極線管(以下TR管と略称する)における色選別手段
3では、その遮蔽体6は、垂直Y方向に延びるスリット
5が配列形成されていることから水平X方向に関する磁
気抵抗がY方向に比し格段に大きくなっているために、
消磁に際して流れる磁束の方向は、垂直Y方向に限定さ
れる。そこで消磁コイルから発生させる磁束を遮蔽体6
に、より多く流すようにするには開口12は、縦横比が
最も大となる長方形が最適である。
周に設けた消磁コイルをもってIMS11及び色選別手
段3の消磁を行うものであるが、トリニトロン型カラー
陰極線管(以下TR管と略称する)における色選別手段
3では、その遮蔽体6は、垂直Y方向に延びるスリット
5が配列形成されていることから水平X方向に関する磁
気抵抗がY方向に比し格段に大きくなっているために、
消磁に際して流れる磁束の方向は、垂直Y方向に限定さ
れる。そこで消磁コイルから発生させる磁束を遮蔽体6
に、より多く流すようにするには開口12は、縦横比が
最も大となる長方形が最適である。
【0051】因みに、実公昭55−27957号に提案
されているIMSにおいては、開口を長辺及び短辺の全
側壁に設けるもので、この場合色選別手段がシャドウマ
スク型、即ち円孔の電子ビーム透孔が形成された構成を
採るものであって、同公報の効果は、消磁電力の低減化
とシャドウマスクの熱発散効果であり、本発明の電子ビ
ームのずれの防止という目的とは異る。更に付言する
に、特公昭63−67307号に開示のIMSに比して
も、開口形状及び面積の特定等において、本発明は異る
構成を採っているものである。
されているIMSにおいては、開口を長辺及び短辺の全
側壁に設けるもので、この場合色選別手段がシャドウマ
スク型、即ち円孔の電子ビーム透孔が形成された構成を
採るものであって、同公報の効果は、消磁電力の低減化
とシャドウマスクの熱発散効果であり、本発明の電子ビ
ームのずれの防止という目的とは異る。更に付言する
に、特公昭63−67307号に開示のIMSに比して
も、開口形状及び面積の特定等において、本発明は異る
構成を採っているものである。
【0052】即ち、本発明においては、縦長長方形開口
12を形成することに特定するものであり、この開口1
2をIMSの軸心Zとこれを通るX軸及びY軸に対し、
共に対称となるように配置することによって、更に、8
個より4個の方が良いのは消磁コイルからの磁束の通過
経路は、コーナー部とY軸方向の両端部に2分するのが
良いのであって、その数を増加させて中間部に通過経路
を作ろうとしても、コーナー部や、Y軸端部に到達する
磁束量を減らすに過ぎず、コーナー部が最も電子ビーム
のランディングずれが起き易いことから鑑みても、むし
ろその効果は小さくなる。
12を形成することに特定するものであり、この開口1
2をIMSの軸心Zとこれを通るX軸及びY軸に対し、
共に対称となるように配置することによって、更に、8
個より4個の方が良いのは消磁コイルからの磁束の通過
経路は、コーナー部とY軸方向の両端部に2分するのが
良いのであって、その数を増加させて中間部に通過経路
を作ろうとしても、コーナー部や、Y軸端部に到達する
磁束量を減らすに過ぎず、コーナー部が最も電子ビーム
のランディングずれが起き易いことから鑑みても、むし
ろその効果は小さくなる。
【0053】一方、この開口12の総面積と、Kとの関
係について測定したものが図9であり、これによれば長
辺側壁の総面積の10〜24%でK≦82%というすぐ
れた値を示す。これについても実公昭55−27957
号で示されている40〜50%という値とは著しく相違
する。これは、TR管とシャドウマスク型陰極線管(以
下SM管と略称する)とは異る性状を示すことが如実に
現れているものであり、その1つとしては、TR管は、
その構造上、前述したように、SM管にみられるマスク
の熱膨張によるその膨出が強められるいわゆるドーミン
グ効果による電子ビームのずれの影響を受けにくいこと
から、IMS内部の放射熱を発散させる必要がないこ
と、他の1つとしては、SM管では、X方向の端部から
も消磁コイルからの磁束が流れ込む構造になっているこ
とから長辺側壁のみならず短辺側壁にも開口を穿設し
て、この磁束をX方向及びY方向に均等に振り分けるこ
との考慮の下に、開口面積を中間部で大、X方向及びY
方向端部、コーナー部に適当量の磁束量を振り分けるこ
とになる。ところがTR管では、上述したように、遮蔽
体6における磁束の流れる方向が規制されることから、
この考慮が無意味であることが挙げられる。
係について測定したものが図9であり、これによれば長
辺側壁の総面積の10〜24%でK≦82%というすぐ
れた値を示す。これについても実公昭55−27957
号で示されている40〜50%という値とは著しく相違
する。これは、TR管とシャドウマスク型陰極線管(以
下SM管と略称する)とは異る性状を示すことが如実に
現れているものであり、その1つとしては、TR管は、
その構造上、前述したように、SM管にみられるマスク
の熱膨張によるその膨出が強められるいわゆるドーミン
グ効果による電子ビームのずれの影響を受けにくいこと
から、IMS内部の放射熱を発散させる必要がないこ
と、他の1つとしては、SM管では、X方向の端部から
も消磁コイルからの磁束が流れ込む構造になっているこ
とから長辺側壁のみならず短辺側壁にも開口を穿設し
て、この磁束をX方向及びY方向に均等に振り分けるこ
との考慮の下に、開口面積を中間部で大、X方向及びY
方向端部、コーナー部に適当量の磁束量を振り分けるこ
とになる。ところがTR管では、上述したように、遮蔽
体6における磁束の流れる方向が規制されることから、
この考慮が無意味であることが挙げられる。
【0054】また、開口の穿設位置に関しては、開口間
隔が近づけば近づく程、TR管では、Y端の端部で電子
ビームのずれが大となり、コーナー部でのずれが減少す
ることから、実際にはこれらを勘案した選定がなされ
る。これは、TR管の遮蔽体6は、前述したように磁束
通路の方向が規制されるが、同時にこれが所要の張力を
もって枠辺4A及び4B間に架張されるものであること
から、SMに比しその厚さは1/2以下程度に薄く形成
されていることから、IMSから遮蔽体6に消磁のため
の磁束がどの程度流れるかが問題であり、開口が各側壁
での中央寄りであれば、Y端部に流れ込む磁束量が減る
ことに因る。
隔が近づけば近づく程、TR管では、Y端の端部で電子
ビームのずれが大となり、コーナー部でのずれが減少す
ることから、実際にはこれらを勘案した選定がなされ
る。これは、TR管の遮蔽体6は、前述したように磁束
通路の方向が規制されるが、同時にこれが所要の張力を
もって枠辺4A及び4B間に架張されるものであること
から、SMに比しその厚さは1/2以下程度に薄く形成
されていることから、IMSから遮蔽体6に消磁のため
の磁束がどの程度流れるかが問題であり、開口が各側壁
での中央寄りであれば、Y端部に流れ込む磁束量が減る
ことに因る。
【0055】また、図2に符号lで示す長辺側壁11A
及び11Bの長さlは、フレーム4が鉄材、即ち磁性体
より成ることから腕部4C及び4Dも磁気シールド効果
を呈することから、腕部4C及び4Dの内壁面4C1 及
び4C2 にそれぞれ近接する位置まで側壁11A及び1
1Bを延長させた形状、寸法とする。
及び11Bの長さlは、フレーム4が鉄材、即ち磁性体
より成ることから腕部4C及び4Dも磁気シールド効果
を呈することから、腕部4C及び4Dの内壁面4C1 及
び4C2 にそれぞれ近接する位置まで側壁11A及び1
1Bを延長させた形状、寸法とする。
【0056】更に、IMS11の構成材料は、Br≧
7.0KGとするものであるが、一般に磁気シールド材
としては、透磁率μが高いことが、その磁気シールド効
果を得る上で重要なこととされているものであり、実際
に従来IMS11として用いる鋼材の例えばOCA−H
T((株)東洋鋼板製、商品名)は、その磁気特性を表
2に示すように、前述のSIS−HT,SIS−CRに
比しその透磁率μは高い値を示している。
7.0KGとするものであるが、一般に磁気シールド材
としては、透磁率μが高いことが、その磁気シールド効
果を得る上で重要なこととされているものであり、実際
に従来IMS11として用いる鋼材の例えばOCA−H
T((株)東洋鋼板製、商品名)は、その磁気特性を表
2に示すように、前述のSIS−HT,SIS−CRに
比しその透磁率μは高い値を示している。
【0057】
【表2】 尚、これらSIS−HT,SIS−CR,OCA−HT
の組成は、Feを主体とし、電解Cr酸処理がなされた
ものであり、下記表3の添加物を有して成り、例えばそ
の焼鈍条件が異るものである。
の組成は、Feを主体とし、電解Cr酸処理がなされた
ものであり、下記表3の添加物を有して成り、例えばそ
の焼鈍条件が異るものである。
【0058】
【表3】 ところがこの高い透磁率μmを有するOCA−HT鋼材
による場合に比し、前述した本発明で用いたBr≧7K
Gの鋼材を用いるときは、その透磁率μmはOCA−H
Tに比し小さいにも拘わらずそのK値を30%削減でき
た。図10は、そのBrとK値との関係を測定した結果
を示す。
による場合に比し、前述した本発明で用いたBr≧7K
Gの鋼材を用いるときは、その透磁率μmはOCA−H
Tに比し小さいにも拘わらずそのK値を30%削減でき
た。図10は、そのBrとK値との関係を測定した結果
を示す。
【0059】この現象について考案するに、図11は、
強磁性体B−H磁化曲線を示すもので、BrはH=0と
したときの磁束B上の交点であるが、これが図12に示
す消磁に当ってのB−Hループの終値Breと密接な関
係をもっている。
強磁性体B−H磁化曲線を示すもので、BrはH=0と
したときの磁束B上の交点であるが、これが図12に示
す消磁に当ってのB−Hループの終値Breと密接な関
係をもっている。
【0060】即ち、図12で示すように、交流磁界を掛
けてこれを減衰させていく消磁磁界を掛けるとヒステリ
スループは徐々に小さくなり、外部磁場のバイアス値H
eに比例した終値Breにとどまる。このヒステリシス
ループの減衰においては、1周ごとに相似形を描きなが
ら減衰して行くのでH=HeとしたときのBreとBr
oとは比例するはずである。このことから図11におけ
る残留磁束密度Brが大きいほど、消磁後の残留磁束は
大となり、外部磁場のキャンセル量は大となるものであ
り、これによって電子ビームのずれ量は小さくなる。
けてこれを減衰させていく消磁磁界を掛けるとヒステリ
スループは徐々に小さくなり、外部磁場のバイアス値H
eに比例した終値Breにとどまる。このヒステリシス
ループの減衰においては、1周ごとに相似形を描きなが
ら減衰して行くのでH=HeとしたときのBreとBr
oとは比例するはずである。このことから図11におけ
る残留磁束密度Brが大きいほど、消磁後の残留磁束は
大となり、外部磁場のキャンセル量は大となるものであ
り、これによって電子ビームのずれ量は小さくなる。
【0061】
【0062】上述したところから明らかなように、本発
明によれば効果的にK値の低減化、即ち電子ビームのラ
ンディングずれを改善できる。
明によれば効果的にK値の低減化、即ち電子ビームのラ
ンディングずれを改善できる。
【0063】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、OMS
を配置することなく、TR管においてIMSのみによっ
て磁気シールド効果、消磁効果を高めることができて、
電子ビームランディングずれを改善できる。したがって
このOMSの省略によって、特に大型管において、軽量
化、全体の小型化製造の簡易化がはかられ、更に従来の
OMSを設ける場合に比し消磁システムのみを考慮する
と44%程度のコストの低減化を行うことができる。更
にIMSにおける消磁効果の改善から信頼性の向上と共
に消磁コイルの小型化、消磁電力の低減化がはかられる
など多くの利点を有するものである。
を配置することなく、TR管においてIMSのみによっ
て磁気シールド効果、消磁効果を高めることができて、
電子ビームランディングずれを改善できる。したがって
このOMSの省略によって、特に大型管において、軽量
化、全体の小型化製造の簡易化がはかられ、更に従来の
OMSを設ける場合に比し消磁システムのみを考慮する
と44%程度のコストの低減化を行うことができる。更
にIMSにおける消磁効果の改善から信頼性の向上と共
に消磁コイルの小型化、消磁電力の低減化がはかられる
など多くの利点を有するものである。
【図1】本発明によるカラー陰極線管の一例の要部の背
部からみた斜視図である。
部からみた斜視図である。
【図2】本発明によるカラー陰極線管の一例の平面図で
ある。
ある。
【図3】本発明によるカラー陰極線管の一例の側面図で
ある。
ある。
【図4】本発明によるカラー陰極線管の一例の背面図で
ある。
ある。
【図5】K−距離aの測定曲線図である。
【図6】K−電子ビーム遮蔽率の測定曲線図である。
【図7】開口形状とKの関係の測定表である。
【図8】K−開口数の測定曲線図である。
【図9】K−開口面積の測定曲線図である。
【図10】K−Brの測定曲線図である。
【図11】強磁性体のB−H曲線図である。
【図12】消磁時のB−H曲線図である。
【図13】従来のカラー陰極線管の要部の背部からの斜
視図である。
視図である。
【図14】カラー蛍光面のパターン図である。
【図15】カラー蛍光面と色選別手段との関係を示す断
面図である。
面図である。
【符号の説明】 1 管体 1P パネル 2 カラー蛍光面 3 色選別手段 4 フレーム 4A 枠辺 4B 枠辺 4C 腕部 4D 腕部 11 内部磁気シールド体(IMS) 11A 長辺側壁 11B 長辺側壁 11C 短辺側壁 11D 短辺側壁 12 開口
フロントページの続き (72)発明者 ▲くわ▼山 清保 愛知県稲沢市大矢町茨島30番地 ソニー 稲沢株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−280329(JP,A) 特開 昭54−25157(JP,A) 実開 昭60−39555(JP,U) 実開 昭63−134446(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/02
Claims (1)
- 【請求項1】 管体のパネル内面に形成されたカラー蛍
光面に対向して、該カラー蛍光面の各色の蛍光体領域上
に各色に対応する電子ビームを選別して到達させる色選
別手段が設けられ、該色選別手段が、陰極線管の有効画
面の長辺方向に延びて相対向する枠辺と、これら枠辺の
両端部間に差し渡って設けられ上記有効画面の短辺方向
に延びる対の腕部とより成るフレームにその上記対の枠
辺間に上記短辺方向に沿って延びる多数の電子ビーム透
過スリットが並置配列された遮蔽体が架張された構成に
よるカラー陰極線管において、 上記色選別手段に、該色選別手段から上記カラー蛍光面
と対向する側とは反対側に延びる、電子ビームの通路を
囲む内部磁気シールド体が設けられ、 該内部磁気シールド体は、上記色選別手段の上記枠辺方
向に沿って延びる相対向する対の長辺側壁と上記腕部方
向に沿って延びる相対向する対の短辺側壁とを有し、該
長辺側壁及び短辺側壁によって上記蛍光面とは反対側に
頂部を有する長方形の切頭角錐状とされ、 上記内部磁気シールド体の形状及び寸法は、電子ビーム
の偏向中心から上記有効画面のコーナーに向かう電子ビ
ームの軌道から10〜15mmの間隔を有し、かつ該電
子ビーム軌道長の60〜80%程度を覆うように選定さ
れ、 上記対の長辺側壁にのみ総計4〜8個の長方形開口を、
該各長辺側壁の奥行き方向に沿って穿設し、これら長方
形開口は、両長辺側壁の全面積の10〜20%の面積に
選定され、 上記長辺側壁は、上記対の腕部の互いに対向する内側面
から内側面に至る領域に差し渡って配され、 上記内部磁気シールド体は、残留磁束密度Brが8キロ
ガウス以上の磁性材によって構成されて成ることを特徴
とするカラー陰極線管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19807591A JP3153915B2 (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | カラー陰極線管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19807591A JP3153915B2 (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | カラー陰極線管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0541177A JPH0541177A (ja) | 1993-02-19 |
JP3153915B2 true JP3153915B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=16385104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19807591A Expired - Fee Related JP3153915B2 (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | カラー陰極線管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10125248A (ja) | 1996-10-18 | 1998-05-15 | Hitachi Ltd | 内部磁気シールドを有するカラー陰極線管 |
KR100625557B1 (ko) | 1999-08-11 | 2006-09-20 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 자기실드용 강판 및 그의 제조방법 |
-
1991
- 1991-08-07 JP JP19807591A patent/JP3153915B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0541177A (ja) | 1993-02-19 |
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