JP2001196015A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JP2001196015A
JP2001196015A JP2000001756A JP2000001756A JP2001196015A JP 2001196015 A JP2001196015 A JP 2001196015A JP 2000001756 A JP2000001756 A JP 2000001756A JP 2000001756 A JP2000001756 A JP 2000001756A JP 2001196015 A JP2001196015 A JP 2001196015A
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cathode ray
shield
electron guns
electron
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JP2000001756A
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Mitsuo Hashimoto
光生 橋本
Satoru Saito
了 齋藤
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地磁気ドリフトによる画質劣化を防止するこ
とにより、良好な画像が得られる陰極線管を提供する。 【解決手段】 複数の電子銃を有し、この電子銃の数に
対応して複数の内部シールド部材21R,21Lを有す
る内部シールド手段20を具備して成る陰極線管を構成
する。また、複数の電子銃を有し、陰極線管体の外側
に、磁束がこの陰極線管体を通るように消磁コイルが配
置されて成る陰極線管を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の電子銃を有
して成る複電子銃式の陰極線管に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来の電子銃が1本(単電子銃)の陰極
線管では、地磁気ドリフトによる画質劣化を解決するた
めに、地磁気シールドと呼ばれる、陰極線管の内部又は
外部で地磁気の遮蔽及び反磁場形成を目的に電子ビーム
を4面で囲うように組み上げられた薄板の鉄板を用いて
いる。
【0003】また、従来の単電子銃の陰極線管では、さ
らに消磁コイルを用いて減衰磁界を形成し、地磁気シー
ルドの消磁と反磁場形成のための着磁を促している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、奥行
きの短縮化を図りつつ大画面化を図る等の目的から、複
数の電子銃を有する陰極線管即ち複電子銃方式の陰極線
管が提案されている。
【0005】このような複電子銃方式の陰極線管では、
蛍光面上で電子線を合わせて画像を形成する場合もあ
り、地磁気ドリフトは従来の単電子銃の陰極線管以上に
深刻な問題となる。
【0006】しかしながら、複電子銃方式の陰極線管で
は、電子線の軌道が交差したりする等複雑になってお
り、さらに偏向方向が従来と異なる場合には、単電子銃
用の地磁気シールドの構成や単電子銃用の消磁コイルの
構成をそのまま流用することができない。そのため、複
電子銃方式陰極線管における新たな構成の地磁気シール
ド及び消磁コイルが望まれている。
【0007】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、地磁気ドリフトによる画質劣化を防止すること
により、良好な画像が得られる陰極線管を提供するもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管は、複
数の電子銃を有し、この電子銃の数に対応して複数の内
部シールド部材を有する内部シールド手段を具備して成
るものである。
【0009】上述の本発明の構成によれば、電子銃の数
に対応して複数の内部シールド部材を有して内部シール
ド手段が構成されているので、各電子銃から出射される
電子ビームに対してそれぞれ内部シールド部材によりシ
ールド作用を及ぼして、地磁気ドリフトを低減すること
ができる。
【0010】本発明の陰極線管は、複数の電子銃を有
し、陰極線管体の外側に、磁束がこの陰極線管体を通る
ように消磁コイルが配置されて成るものである。
【0011】上述の本発明の構成によれば、消磁コイル
により磁束が陰極線管体を通るように配置されたことに
より、この陰極線管体を通った磁束により消磁を行うこ
とができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、複数の電子銃を有し、
電子銃の数に対応して複数の内部シールド部材を有する
内部シールド手段を具備して成る陰極線管である。
【0013】また本発明は、上記陰極線管において、各
内部シールド部材には、蛍光面の蛍光体のストライプの
方向と平行な方向の側壁に切り込みを有する構成とす
る。
【0014】また本発明は、上記陰極線管において、各
内部シールド部材には、蛍光面の側に向かう延長部を有
する構成とする。
【0015】本発明は、複数の電子銃を有し、陰極線管
体の外側に磁束が陰極線管体を通るように消磁コイルが
配置されて成る陰極線管である。
【0016】また本発明は、上記陰極線管において、消
磁コイルは、複数の電子銃のうち2つ以上の電子銃を囲
むように配置された構成とする。
【0017】図1は、本発明を適用する陰極線管の一形
態の概略断面図を示す。この陰極線管1は、内側に蛍光
面4が形成されたパネル部2aと、このパネル部2aに
一体化されたファンネル部2bと、2本の細長い形状の
ネック部2cとを有して成る陰極線管体2を有して成
る。そして、この陰極線管体2の2本のネック部2cに
それぞれ電子銃3R,3Lが内蔵されて、2本の電子銃
を有する複電子銃方式の陰極線管1を構成している。陰
極線管体2のパネル部2aとファンネル部2bとネック
部2cとにより全体的に2つの漏斗状の外観が形成され
ている。
【0018】蛍光面4には、図示しないが蛍光体から成
る例えば横縞状のパターンが形成されている。パネル部
2aの内部には、蛍光面4に対向するように色選別機構
5が設けられている。色選別機構5は、蛍光面4との距
離が一定となるように支持されてパネル部2aの内面に
取り付けられている。
【0019】ここで、図1の陰極線管1の色選別機構5
の概略構成図(斜視図)を図2に示す。蛍光面4の蛍光
体のパターンに対応して横縞状に多数形成され電子銃3
R,3Lから放出された電子ビームEBR ,EBL が通
過する電子ビーム通過穴6と、この電子ビーム通過穴6
間に弦状もしくはテープ状の構造をしたグリッド素体7
とを有して色選別電極薄板8が形成されている。また、
一対の相対向する支持部材9Aとこの支持部材の両端部
間に差し渡された弾性付与部材9Bとから枠状のフレー
ム9が構成され、このフレーム9の支持部材9Aに、色
選別電極薄板8が所定の張力をもって架張された様態で
溶接等により接合されている。この図2に示す色選別機
構5は、いわゆるアパーチャグリルと称されるものであ
る。
【0020】尚、図1は水平面で切断した断面図であ
り、陰極線管1の画面及び蛍光面4は水平方向が長い横
長形状とされている。色選別機構5では、これに対応し
て、電子ビーム通過穴6及びグリッド素体7が水平方向
Xに形成されて、横長形状の色選別電極薄板8が構成さ
れている。
【0021】電子銃3R,3Lは、図示しないが、それ
ぞれ赤、緑、青用の3本のカソード(陰極)の前部に複
数の電極を配列して、各電極においてカソードから放出
される電子ビームEBR ,EBL の制御や加速等を行う
ようになっている。電子銃3R,3Lから放射された各
色用の電子ビームは、コンバージェンスヨーク10R,
10Lにより集中され、偏向ヨーク11R,11Lによ
り偏向され、それぞれ色選別機構5の電子ビーム通過穴
6を通過して蛍光面4の対応する色の蛍光体に照射され
る。
【0022】右側に配置された電子銃3Rからの電子ビ
ームEBR によって、画面の約右半分を描画すると共
に、左側に配置された電子銃3Lからの電子ビームEB
L によって、画面の約左半分を描画し、これによって形
成される左右の分割画面の端部を部分的に重ねて繋ぎ合
わせることにより、全体として単一の画面を形成して画
面表示を行うようになっている。従って、全体として形
成された画面の中央部分が、左右の分割画面がオーバー
ラップする(重複する)領域OLとなる。重複領域OL
における蛍光面4には、各電子ビームEBR ,EBL
重複して照射されることになる。
【0023】次に、本発明の一実施の形態として、内部
シールド手段となる内部磁気シールド(地磁気シール
ド)の概略構成図(斜視図)を図3に示す。
【0024】この内部磁気シールド(地磁気シールド)
20は、図1に示した2本の電子銃3R,3Lに対応し
て、それぞれ開口部23を有する2つの内部シールド部
材21R,21Lから成る。各内部シールド部材21
R,21Lは、略鉛直方向の側壁22a,22cと略水
平方向の側壁22b,22dとから構成されている。
【0025】そして、この内部磁気シールド20は、図
2に示した色選別機構5の弾性付与部材9Bの色選別電
極薄板8とは反対側に取り付けられる。
【0026】また、本実施の形態では、略水平方向の側
壁22b,22dに、二等辺三角形状(V字状)の切り
欠き24が形成され、各側壁22b,22dの中央部が
最も切り込まれるように形成されている。そして、この
ような切り欠き24を設けたことにより、切り欠き24
がない場合よりも磁気抵抗を大きくすることができる。
【0027】また、このように略水平方向即ち蛍光面4
の蛍光体ストライプの方向に平行な側壁22b,22d
に切り欠き24を設けた方が、略鉛直方向即ち蛍光面4
の蛍光体ストライプの方向に垂直な側壁22a,22c
に切り欠きを設けた場合よりも、地磁気ドリフト量を低
減することができる。
【0028】尚、略垂直方向の側壁22a,22cに、
図示しないが例えば長方形の孔を形成して、さらに地磁
気ドリフトを調整するように構成してもよい。
【0029】上述の本実施の形態の内部磁気シールド2
0によれば、電子銃3R,3Lの数と同じ数の内部シー
ルド部材21R,21Lを用いることにより、地磁気ド
リフトの改善を行うことができる。これにより、地磁気
ドリフトに起因した画質の劣化を防止する効果が得られ
る。従って、大画面化を図っても、良好な画像を得るこ
とができる。
【0030】次に、本発明の他の実施の形態として、内
部磁気シールドの概略構成図(斜視図)を図4に示す。
この内部磁気シールド30は、図3の内部磁気シールド
20の外側に、それぞれ延長部25,26を形成して成
る。延長部25は、蛍光面4の蛍光体ストライプの方向
(X方向)に平行な外枠に対して設けられており、一
方、延長部26は、蛍光面4の蛍光体ストライプの方向
に垂直な(Y方向の)外枠に対して設けられている。
【0031】尚、この他図示しないが、色選別機構5の
弾性付与部材9Bに取り付けるための取り付け部が設け
られる。
【0032】図2に示した構成の色選別機構5に、この
図4の内部磁気シールド30を取り付けた状態を図5に
示す。図5Aは、上方から見た平面図を示し、図5B
は、側方から見た平面図(側面図)を示す。延長部25
は、弾性付与部材9Bの下に潜り込むように延長され、
色選別電極薄板8付近まで延長されている。また、弾性
付与部材9Bを避けるように途中で傾斜が変わるように
屈曲している。延長部26は、支持部材9Aの外側を覆
うように延長され、同様に色選別電極薄板8付近まで延
長されている。また、途中で傾斜が変わるように屈曲し
ていて、支持部材9Aに沿うようになっている。
【0033】本実施の形態の内部磁気シールド30によ
れば、延長部25,26を設けたことにより、色選別電
極薄板8付近まで遮蔽されて磁気シールドされるため、
さらに地磁気ドリフトの改善を図ることができる。
【0034】ここで、上述の各実施の形態の内部磁気シ
ールド20及び30のシールド効果を示すために、図1
及び図2に示した構成の2本の電子銃を有する陰極線管
1において、内部シールド手段の構成を次のように変え
て比較を行った。 (1)内部シールド手段を設けない場合 (2)図9に示すように、内部シールド部材71が1つ
形成された内部磁気シールド70を設けた場合(この内
部磁気シールド70は、内部シールド部材71の側壁7
2a,72b,72c,72dのうち略水平方向の側壁
72b,72dに切り欠き74を有し、また広い開口部
73を1つ有している。) (3)図3に示した内部シールド部材が2つの内部磁気
シールド20を設けた場合 (4)図4に示した延長部25,26を形成した内部磁
気シールド30を設けた場合
【0035】それぞれの構成の内部シールド手段を有す
る陰極線管として、36インチ型のテレビジョン受像機
を作製し、回転台に載置して水平方向に回転させた。こ
のときの地磁気ドリフトによる変化量の最大値を、画面
コーナー部及び画面中央部について求めた。結果を表1
に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1より、1つの内部シールド部材71が
形成された内部磁気シールド70では、地磁気ドリフト
の改善効果が小さく、特に画面中央では内部シールド手
段を設けない場合に対してほとんど改善されないことが
わかる。そして、内部シールド手段として、電子銃3
R,3Lの数に対応して複数の内部シールド部材21
R,21Lを設けたことにより、地磁気ドリフトを改善
できることがわかる。また、延長部25,26を設けた
ことにより、さらに地磁気ドリフトを改善できることが
わかる。
【0038】この結果からわかるように、複電子銃方式
の陰極線管における地磁気ドリフトは、その電子銃の数
に等しい複数の内部シールド部材からなる内部シールド
手段で抑制することができる。
【0039】次に、本発明の陰極線管において、消磁コ
イルの形状を工夫することにより地磁気ドリフトを改善
した実施の形態を説明する。
【0040】図6は、本発明の別の実施の形態として、
図1に示した陰極線管1に消磁コイルを巻いた状態を示
す。図6Aは上方から見た平面図を示し、図6Bは電子
銃の側から見た模式的な平面図を示す。尚、図6A及び
図6Bでは、多数電線が巻かれて成る消磁コイルを1本
の太い線によって示している。また、図6Bでは説明に
必要な部品のみ示している。
【0041】この消磁コイル40は、2本の電子銃3
R,3Lを有する陰極線管体2に対して、多数の電線が
巻回されて成る2つのコイル40R,40Lによって構
成されている。そして、2つのコイル40R及び40L
には、それぞれ互いに例えば時計回りと反時計回りとい
うように向きが反対の電流を流すことにより、例えば図
6Bに矢印で示すように、一方のコイル(40R)の開
口部から磁束41が陰極線管体2内に入り、陰極線管体
2内を通って、他方のコイル(40L)の開口部を経て
磁束41が陰極線管体2から出るようになる。この磁束
41の向きは、水平方向即ち蛍光面4の蛍光体ストライ
プと平行な方向になっている。
【0042】この電流としては、例えば次第に振幅が減
衰する交流が用いられる。これにより、磁束41の向き
が左右に変化しながら磁束41の密度が小さくなってい
く。
【0043】そして、例えば数秒程度で電流が0になる
ようにする。これにより、陰極線管1を動作させた数秒
間の間電流が流れて消磁が行われる。
【0044】2つのコイル40R,40Lは、それぞれ
電子銃3R,3Lを囲うように形成されている。また、
図6Aに示すように、2つのネック部2cの間の谷間か
ら、パネル部2aの側面のいわゆるガードバンド(保護
用のバンド)が巻き付けられる位置にかけて巻回されて
いる。そして、2つのコイル40R,40Lは、2つの
ネック部2cの間の谷間において互いに近接するように
配置されている。
【0045】本実施の形態においては、消磁コイル40
を上述のように構成したことにより、2つのコイル40
R,40Lによる消磁面積を大きくとることができ、陰
極線管体2内に十分な密度の磁束を通して、消磁を行う
ことができる。これにより、地磁気ドリフトを低減する
ことができる。
【0046】尚、図7に示すように、図6の消磁コイル
40の2つのコイル40R,40Lを8の字状につない
だ構成の消磁コイル50においても、同様の効果を得る
ことができる。この8の字状の消磁コイル50では、8
の字状であるために、2つの電子銃3R,3Lを囲った
部分を流れる電流が自然に互いに反対の向きになるた
め、図6Bに示したと同様に磁束41が陰極線管体2に
対して出入りするようになる。
【0047】尚、図6の2つのコイル40R,40L
を、それぞれくっつけて巻くようにしても構わない。図
7の8の字状に巻いた場合においても、2つの部分を重
ねるようにしても構わない。
【0048】そして、さらに前述の地磁気シールド20
又は30と上述の消磁コイル40又は50とを共に備え
て陰極線管1を構成することにより、消磁コイル40又
は50により所定の減衰磁界を形成し、地磁気シールド
20又は30の消磁と反磁場形成のための着磁を促し
て、その結果より効果的に地磁気ドリフトを低減するこ
とができる。
【0049】ここで、2つの電子銃3R,3Lを有する
陰極線管1における、消磁コイルの形状と地磁気ドリフ
ト量の関係について検討を行った。図10に検討を行っ
た消磁コイルの形状を示す。
【0050】図10Aに示す構成(A型)は、電子銃3
R,3Lより外側に2つのコイル81R,81Lを設け
て、蛍光面4の蛍光体ストライプの方向と平行な水平方
向に磁束が透過するようにした場合である。図10Bに
示す構成(B型)は、A型の形状のまま中央部にコイル
82R,82Lを伸ばして開口部の面積を増やした場合
である。図10Cに示す構成(C型)は、図6Bに示し
た形状の消磁コイル40(40R,40L)の場合であ
る。図10Dに示す構成(D型)は、通常の単電子銃式
の陰極線管で使用されているように、上下に2つのコイ
ル83,84を設けた形状である。この場合、磁束が通
る方向は上下方向であり、蛍光面4の蛍光体ストライプ
の方向とは垂直な方向になる。
【0051】これら図10A〜図10Dに示した各構成
に対して、地磁気ドリフト量の比較を行った。尚、陰極
線管1の内部には図4に示した内部磁気シールド30を
設け、地磁気ドリフト量の測定方法は表1の場合と同様
にして行った。
【0052】その結果、A型の地磁気ドリフト量を10
0%とした場合、B型は87%、C型は81%、D型は
111%であった。この比率が小さいほどドリフト量が
小さい。
【0053】この比率の数値の比較から、地磁気ドリフ
トが最も改善されるのはC型であることがわかる。そし
て、磁束の向きが蛍光面4の蛍光体ストライプの方向と
は垂直な方向になるD型や消磁面積の狭いA型も効果は
小さい。
【0054】この結果のように、蛍光面4の蛍光体スト
ライプの方向が水平方向になり、電子ビームの走査方向
が従来と異なる複電子銃方式の陰極線管2においては、
消磁コイルの磁束の向きを水平方向に合わせ、さらに消
磁面積を最大化し、磁束の透過のしかたを単純化するこ
とによって、地磁気ドリフトが大きく改善される。
【0055】上述の各実施の形態では、2本の電子銃3
R,3Lを有する陰極線管1に本発明を適用した場合で
あったが、その他例えば3本以上の電子銃を有する陰極
線管においても、本発明を適用することができる。
【0056】例えば2×3のマトリクス状に6本の電子
銃3を有する陰極線管に対しては、電子銃3に合わせて
2×3のマトリクス状に内部シールド部材を配置して成
る地磁気シールドを設ける。また、消磁コイルは、2×
3のマトリクス状に配置された6本の電子銃3に対し
て、消磁面積ができる限り大きくなり、かつ磁束が陰極
線管体2内に入って出ていくように形成すればよい。
【0057】この場合の消磁コイルの構成としては、例
えば図8A及び図8Bに示すような消磁コイル61(6
1R,61L)又は62(8の字状)が考えられる。い
ずれも、磁束の向きが水平方向となり、コイルが2本の
電子銃3を囲うようにして消磁面積が大きくなるように
している。また、このように消磁コイルの形状を単純化
すると、消磁コイルのコストが下がり生産性が向上する
という利点を有する。
【0058】3本以上の電子銃を有する陰極線管におい
ても、消磁コイルは消磁面積ができるだけ大きくなり、
磁束の向きが蛍光体のストライプの方向に平行となるよ
うに構成すれば効果的に地磁気ドリフトを低減すること
ができる。
【0059】また、色選別機構は上述したアパーチャグ
リルに限定されるものではなく、スリット状やスポット
状の電子ビーム通過穴を有するものであってもよい。そ
の場合も、上述したように磁束の向きが蛍光体のストラ
イプの方向に平行となるように消磁コイルを構成するこ
とが望ましい。
【0060】本発明は、上述の実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他
様々な構成が取り得る。
【0061】
【発明の効果】上述の本発明によれば、内部シールド手
段を電子銃の数に対応した複数の内部シールド部材を有
して構成することにより、各電子銃から出射される電子
ビームに対してそれぞれ効果的にシールド機能を発揮さ
せることができ、地磁気ドリフトの低減を図ることがで
きる。
【0062】蛍光面の蛍光体のストライプの方向と平行
な方向の側壁に切れ込みを有する構成としたときには、
磁気抵抗を大きくすることができ、これにより地磁気ド
リフトがさらに改善される。また、各内部シールド部材
に蛍光面の側に向かう延長部を有する構成としたときに
は、地磁気ドリフトが一層改善される。
【0063】また、本発明によれば、消磁コイルにより
磁束が陰極線管体を通るように配置されたことにより、
この陰極線管体を通った磁束により消磁を行って、これ
により地磁気ドリフトを改善することができる。従って
本発明により、地磁気ドリフトによる画質の劣化を防止
して、良好な画像が得られる陰極線管とすることができ
る。
【0064】また、消磁コイルが2つ以上の電子銃を囲
むように配置されたときには、地磁気ドリフトがさらに
改善される。このとき、例えば消磁面積を最大化するこ
とにより、効果的に地磁気ドリフトが改善される。ま
た、例えば消磁コイルの形状を単純化することにより、
電子銃の数が複数になっても、消磁コイルのコストを下
げて陰極線管の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する陰極線管の一形態の概略断面
図である。
【図2】図1の陰極線管の色選別機構の概略構成図(斜
視図)である。
【図3】本発明の一実施の形態の内部磁気シールド(地
磁気シールド)の概略構成図(斜視図)である。
【図4】本発明の他の実施の形態の内部磁気シールド
(地磁気シールド)の概略構成図(斜視図)である。
【図5】A、B 図4の内部磁気シールドを図2の色選
別機構に取り付けた状態を示す図である。
【図6】A、B 本発明の別の実施の形態として、消磁
コイルを図1の陰極線管に巻いた状態を示す図である。
【図7】8の字状にした消磁コイルを図1の陰極線管に
巻いた状態を示す図である。
【図8】A、B 2×3のマトリクス状に電子銃を配置
した陰極線管における消磁コイルの一構成を示す図であ
る。
【図9】内部シールド部材を1つ有する内部磁気シール
ドの概略構成図(斜視図)である。
【図10】A〜D 図1の陰極線管に巻いた消磁コイル
の各種形状を示す図である。
【符号の説明】
1 陰極線管、2 陰極線管体、2a パネル部、2b
ファンネル部、2cネック部、3、3R,3L 電子
銃、4 蛍光面、5 色選別機構、6 電子ビーム通過
穴、7 グリッド素体、8 色選別電極薄板、9 フレ
ーム、9A 支持部材、9B 弾性付与部材、10R,
10L コンバージェンスヨーク、11R,11L 偏
向ヨーク、20,30 内部磁気シールド(地磁気シー
ルド)、21R,21L 内部シールド部材、23 開
口部、24 切り欠き、25,26 延長部、EBR
EBL 電子ビーム
フロントページの続き Fターム(参考) 5C031 CC09 5C060 AA00 BA02 BA07 BB01 BC01 BD03 BD05 BE02 BE07 CA07 CM03 CM09 CN02 CN04 CN05 CP02 CP05 JA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子銃を有し、 上記電子銃の数に対応して複数の内部シールド部材を有
    する内部シールド手段を具備して成ることを特徴とする
    陰極線管。
  2. 【請求項2】 各上記内部シールド部材には、蛍光面の
    蛍光体のストライプの方向と平行な方向の側壁に切れ込
    みを有することを特徴とする請求項1に記載の陰極線
    管。
  3. 【請求項3】 各上記内部シールド部材には、蛍光面の
    側に向かう延長部を有することを特徴とする請求項1に
    記載の陰極線管。
  4. 【請求項4】 複数の電子銃を有し、 陰極線管体の外側に、磁束が該陰極線管体を通るように
    消磁コイルが配置されて成ることを特徴とする陰極線
    管。
  5. 【請求項5】 上記消磁コイルは、上記複数の電子銃の
    うち、2つ以上の電子銃を囲むように配置されたことを
    特徴とする請求項4に記載の陰極線管。
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