JP3153792U - 耐熱性調理用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性の繊維で形成された不織布を用い、圧力ナベ用の調理用シートとして使用可能で、かつ灰汁についても十分に吸着除去することができる調理用シートを提供する。【解決手段】繊度が2〜30dtexで、繊維長が2〜10mm、融点が135℃以上の、ポリオレフィン系繊維および/またはポリエステル系複合繊維からなる熱接着性合成繊維を用いて、エアレイド法により製造された不織布からなり、目付けが20〜100g/m2、厚さが0.3〜3mmである耐熱性調理用シート。【選択図】図1
Description
本考案は、煮物の調理時に使用する灰汁取りシート、さらに詳しくは、調理の際に、煮汁の表面に浮上してくる灰汁や油分などを吸着する耐熱性調理用シートに関するものである。
煮物やスープのように、材料をだし汁や水で煮込む料理では、煮汁の上面に灰汁が浮き、これが材料の味、舌ざわり、外観などを著しく阻害している。また、調理中に灰汁と同時に生じる過剰な油についても、食味上や健康上から敬遠される傾向にある。
これらを解決するため、従来からいろいろな発明がなされている。例えば、特許文献1(実開平1−59551号公報)、特許文献2(実開平4−77835号公報)、特許文献3(実開平7−27434号公報)では、ポリプロピレンなどの親油性繊維を円板状にし、これを調理時に使用することによって余分な油を吸い取る灰汁取りシートが発明されている。また、特許文献4(特開平8−24149号公報)では、灰汁取りシートの構造をバルキー構造にし、出てきた灰汁を、その不織布シートの中に吸着するような発明がなされている。
実際、これらの発明に記載されたシートを用いて調理した場合、玉杓子などを用いて頻繁に灰汁や油を取る手間を省くことができた。
実際、これらの発明に記載されたシートを用いて調理した場合、玉杓子などを用いて頻繁に灰汁や油を取る手間を省くことができた。
しかしながら、これらの発明では、灰汁というより、主に、油分を吸着除去することに主眼が置かれていた。このため、親水性成分の多い灰汁については、有効に除去されなかった。また、従来の灰汁取りを主眼とする調理用シートは、灰汁の発生量が多い場合には、必ずしも十分な性能を有しているとは言えないものであった。
一方、近年、圧力ナベを用いて調理することが多く、この場合、圧力ナベ内の温度は、ほぼ130℃くらいまで到達することがある。このため、通常の調理用シートでは、圧力ナベ内の温度が繊維の融点以上となり、使用中の調理用シートの繊維間の結合が解れたり、シートが変形するなどして、灰汁取りが充分なされないなどの問題点が生起している。
本考案は、圧力ナベでも使用可能で、灰汁についても十分に吸着除去することができる耐熱性調理用シートを提供することを目的とするものである。
本考案は、繊度が2〜30dtexで、繊維長が2〜10mm、融点が135℃以上の、ポリオレフィン系繊維および/またはポリエステル系複合繊維からなる熱接着性合成繊維を用いて、エアレイド法により製造された不織布からなり、目付けが20〜100g/m2、厚さが0.3〜3mmであることを特徴とする、耐熱性調理用シートに関する。
本考案の耐熱性調理用シートは、エアレイド法により製造された不織布で形成されているから、繊維が不織布の流れ方向、幅方向および厚み方向へランダムに3次元配向され、灰汁のスムースな侵入と、侵入後の灰汁が繊維へ絡み付き易くなる。その結果、灰汁捕捉量が増加する。
その上、本考案の耐熱性調理用シートは、繊度2〜30dtexの太い繊維を用いているから、繊維間の空隙が適度に広がり、浮上性凝固物質である灰汁の侵入が容易になるとともに、調理用シートを調理容器(鍋など)から引き上げるときに灰汁の脱落量を抑制することができる。
また、本考案の耐熱性調理用シートは、2〜10mmの短い繊維を用いているから、繊維末端数が増加し、凝固物質である灰汁を絡め取る作用が飛躍的に増加する。
さらに、本考案の耐熱性調理用シートは、当該シートを構成する熱接着性合成繊維の融点が135℃以上のため、用いられる不織布の耐熱性が高く、圧力ナベ用に用いても、繊維間の結合が解れることながく、シートの形状も変形しないため、灰汁や油取り効果が十分に発揮できる。
さらに、本考案の調理用シートは、目付けが20〜100g/m2で、厚さが0.3〜3mmであるから、適度の剛性および柔軟性を有し、取り扱い性に優れているばかりでなく、煮沸でめくれたりすることもなく、灰汁や油取り効果が十分に発揮できる。
その上、本考案の耐熱性調理用シートは、繊度2〜30dtexの太い繊維を用いているから、繊維間の空隙が適度に広がり、浮上性凝固物質である灰汁の侵入が容易になるとともに、調理用シートを調理容器(鍋など)から引き上げるときに灰汁の脱落量を抑制することができる。
また、本考案の耐熱性調理用シートは、2〜10mmの短い繊維を用いているから、繊維末端数が増加し、凝固物質である灰汁を絡め取る作用が飛躍的に増加する。
さらに、本考案の耐熱性調理用シートは、当該シートを構成する熱接着性合成繊維の融点が135℃以上のため、用いられる不織布の耐熱性が高く、圧力ナベ用に用いても、繊維間の結合が解れることながく、シートの形状も変形しないため、灰汁や油取り効果が十分に発揮できる。
さらに、本考案の調理用シートは、目付けが20〜100g/m2で、厚さが0.3〜3mmであるから、適度の剛性および柔軟性を有し、取り扱い性に優れているばかりでなく、煮沸でめくれたりすることもなく、灰汁や油取り効果が十分に発揮できる。
以下、本考案の実施の形態を図面を用いて説明する。なお、この実施の形態では、1層構造の調理用シートを例にする。
図1において、符号10は、本考案の調理用シートであり、所定の直径を有する円板形に形成されている。この調理用シート10は、繊度が2〜30dtexで、繊維長が2〜10mmのポリオレフィン系繊維11を用いてエアレイド法により製造された不織布12で形成されており、目付けが20〜100g/m2、厚さが0.3〜3mmである。
なお、本考案の調理用シート10は、灰汁捕捉量を50g/m2以上有している。
また、後記するように、ポリオレフィン系繊維11は、これに限定されるものではなく、ポリエステル系複合繊維であってもよい。
なお、本考案の調理用シート10は、灰汁捕捉量を50g/m2以上有している。
また、後記するように、ポリオレフィン系繊維11は、これに限定されるものではなく、ポリエステル系複合繊維であってもよい。
このように、単糸繊度が2〜30dtexの太い繊維を使用することによって繊維間の空隙が広がり、浮上性凝固物質である灰汁の侵入を容易にすることができる。繊度が2dtex未満では、繊維間の空隙が狭まり、浮上性凝固物質である灰汁の侵入が不十分である。一方、繊度が30dtexを超えると、逆に、繊維間の空隙が広過ぎて調理用シートを調理容器(鍋など)から引き上げる時に灰汁の脱落量が増大する。単糸繊度は、好ましくは2〜20dtexである。
単糸繊度が2〜30dtexの範囲であれば、繊度違いの異層複合構造であっても良い。その際、2〜30dtexの繊維は、少なくとも30重量%以上含有させることが望ましい。太い繊維の不織布シートは、剛直性が増し、鍋に入れたり、あるいは、引き上げる時に折れたり、シワになったりするトラブルも無く、取り扱い易いというメリットもある。上記含有量は、さらに好ましくは70〜100重量%である。
繊維長としては、上記のように、2〜10mmが好ましい。このような短い繊維で構成することにより繊維末端数が増加する。繊維末端には、凝固物質である灰汁を絡め取る作用がある。これは、丁度、棒状の箸を使用すると、ある程度、灰汁を絡め取ることが可能であるが、輪やループ状になったものでは灰汁を絡め取ることが困難であるのと同様の理屈であり、誰しも容易に理解できる事柄である。
繊維長が2mmより短い場合は、不織布を作製するのが困難となるばかりか、不織布からの繊維の離脱および脱落の可能性が生じ、実用性に欠ける。一方、繊維長が10mmを超える場合は、繊維末端数が減ることから繊維末端による灰汁絡め取り効果が十分に発揮され難い。繊維長は、好ましくは3〜7mmである。
本考案の調理用シートに用いられる熱接着性合成繊維は、融点が135℃以上の、ポリオレフィン系繊維および/またはポリエステル系複合繊維である。
このうち、ポリオレフィン系繊維の素材としては、結晶性ポリプロピレン(PP)(融点 約165℃)、ポリメチルペンテン(融点 約230℃)、低融点PP/PP(低融点PPを芯成分、PPを鞘成分とする芯鞘型複合繊維)などが挙げられる。
このうち、ポリオレフィン系繊維の素材としては、結晶性ポリプロピレン(PP)(融点 約165℃)、ポリメチルペンテン(融点 約230℃)、低融点PP/PP(低融点PPを芯成分、PPを鞘成分とする芯鞘型複合繊維)などが挙げられる。
また、ポリエステル系複合繊維としては、低融点成分を鞘成分とし、高融点成分を芯成分とする芯鞘型、一方が低融点、他方が高融点成分であるサイドバイサイド型の熱接着性複合繊維が好適である。これらの複合繊維の両方の成分の組み合わせとしては、PP(ポリプロピレン)/PET、低融点共重合ポリエステル/PETなどが挙げられる。ここで、上記低融点共重合ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを基本骨格として、イソフタル酸、5−金属スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族多価アルコールなどとの変性共重合が挙げられる。
ポリオレフィン系繊維、あるいは、上記ポリエステル系複合繊維における低融点成分である熱接着成分の融点(ここで言う融点は、融点もしくは軟化点を意味し、以下融点と表す)は、135℃以上、好ましくは135〜160℃である必要がある。さらに好ましくは135〜155℃である。135℃未満の場合、繊維間に膠着が発生し易く、製造時に繊維の開繊性が不十分となる可能性が大となり好ましくない。また、圧力ナベを用いた灰汁取りでは、用いられる調理用シートにおける繊維間の接着が解れたり、シートが変形したりする恐れがある。一方、160℃を超えると、エアレイド不織布製造工程における熱処理温度を高くする必要が生じ、生産性が落ち、実用的でないばかりか、後述するエアレイド繊維層との熱圧一体化における接着効果も期待できなくなる恐れがある。
なお、本考案に用いられる上記のポリオレフィン系繊維やポリエステル系複合繊維は、捲縮していても、していなくてもよく、またストランドチョップであってもよい。捲縮している場合、ジグザグ型の二次元捲縮繊維およびスパイラル型やオーム型などの三次元(立体)捲縮繊維の何れも使用できる。
また、上記熱接着性合成繊維(融点が135℃以上の、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系複合繊維)中には、これ以外の繊維、例えばPET繊維、PBT繊維、ナイロン6繊維、ナイロン6,6繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、合成パルプ(例えば、三井化学(株)製SWPのような、PPを素材とするフィブリル状繊維)、などの他の単一構造体のホモタイプの合成繊維を、本考案の趣旨、効果を阻害しない範囲で混合しておいても良い。この場合、他の合成繊維の比率は20重量%以下に留めるのが好ましい。20重量%を超えると、繊維構造体の強力やヒートシール性に影響が出るばかりか、熱接着性のない繊維は実使用中に脱落し易くなる。
ところで、繊維を立体的な構造に配置することが灰汁のスムースな侵入と、進入後の灰汁が繊維へ絡み付く作用に必要であり、それには、エアレイド法で製造した不織布が好適である。エアレイド法による不織布の製法は、繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した繊維を、下部に設置された金属またはプラスチックのネットに落とし、ネット下部で空気をサクションしながら、繊維のみをネット上に集積する。このように製造された不織布は、不織布の流れ方向、幅方向および厚み方向へ繊維をランダムに3次元配向させることが可能である。その上、エアレイド法であれば、上記のような太くて短い繊維を好適に使用できる。
他の不織布、例えば、スパンボンドは、連続繊維で構成されているので、繊維末端が無い。また、カード機でウエブ形成する乾式不織布(スパンレース不織布やウオータージェット不織布も含む)の場合は、繊維長が短くてもせいぜい30mm程度であり、かつ、太い繊維を使用するには、例えば、70〜100mm程度の長い繊維でなければカード工程性が維持できない。湿式不織布の場合は、ペーパーライクな構造となるので、本考案の狙いには、全くそぐわない。しかも、エアレイド法で製造した不織布は、均一性が良好なので、性能のバラツキも少なくなる。
その上、繊維交絡点を互いに結合させ、不織布シートとして一体化するには、加熱して繊維どうしを融着させるのが効率的である。このような熱融着繊維としては、ポリオレフィン系以外にポリエステル系複合繊維でもよいが、撥水性と親油性とのバランスの点でポリオレフィン系繊維がさらに好適である。つまり、有機物である灰汁や、調理材料から発生する油分と親和性を有し、かつ、水には馴染み難い方が好ましい。
このような熱融着性合成繊維のウエブを、鞘あるいは繊維外周部のポリマーの融点以上、好ましくは、融点プラス10℃以上の温度で加熱処理することにより繊維間がしっかり融着され、繊維の脱落現象が皆無となる。
なお、灰汁捕捉量50g/m2は、換算すると、直径20cmの円形シート(面積0.03m2)では、灰汁捕捉量が1.5gとなる。一般に、灰汁の生成量は、水に肉を投入してから煮沸する場合は、1.6〜1.7重量%、沸騰水に投入する場合は、0.35〜0.43重量%と言われており、平均1重量%と考えることが妥当である。つまり、1.5gの灰汁量は、150gの肉を煮たときに生ずる灰汁量に相当する。直径20cm程度の鍋で調理する場合、肉300g程度が鍋に収納可能な限界と考えるのは妥当なところである。
従って、50g/m2以上の灰汁捕捉能力を有することが、肉300gから生ずる灰汁の少なくとも50%以上を吸収するために必要であると言える。
ここで、灰汁捕捉量W(g/m2)は、次式より算出する。
W=(W2−W1)×100/3 ・・・・・ (1)
ここで、
W1:使用前の直径20cmの円形調理用シート(面積0.03m2)の重量(g)
W2:直径20cm、深さ8.5cmの鍋に、水500cc、獣脂(牛)20g、赤身の牛肉180gを入れ、その上に直径20cmの調理用シート(面積0.03m2)を乗せ、その状態で10分間煮込んだ後、調理シートを取り出し、風乾後の調理用シートの重量(g)である。Wは、さらに好ましくは60〜200g/m2、特に好ましくは60〜100g/m2である。
W=(W2−W1)×100/3 ・・・・・ (1)
ここで、
W1:使用前の直径20cmの円形調理用シート(面積0.03m2)の重量(g)
W2:直径20cm、深さ8.5cmの鍋に、水500cc、獣脂(牛)20g、赤身の牛肉180gを入れ、その上に直径20cmの調理用シート(面積0.03m2)を乗せ、その状態で10分間煮込んだ後、調理シートを取り出し、風乾後の調理用シートの重量(g)である。Wは、さらに好ましくは60〜200g/m2、特に好ましくは60〜100g/m2である。
目付けとしては、20〜100g/m2が好ましい。目付けが20g/m2未満の低目付けの場合は、シートとしての剛性が低く、煮沸でめくれたり、取り扱い性に欠ける。また、灰汁を取る繊維量が少なければ、効果が少ない。これとは逆に、目付けが100g/m2を超える高目付けの場合は、柔軟性を失い、煮物表面に沿い難く、灰汁や油取り効果が十分に発揮し難くなる。目付は、さらに好ましくは30〜60g/m2である。
厚さとしては、0.3〜3mmが好ましい。厚さが0.3mm未満の場合は、シートとしての剛性が低くて加熱・煮沸でめくれたり、取り扱い性に欠ける。また、灰汁を取る繊維量が少なければ、効果が少ない。これとは逆に、厚さが3mmを超える場合は、柔軟性を失い、煮物表面に沿い難く、灰汁や油取り効果が十分に発揮し難くなる。厚さは、さらに好ましく0.7〜1.7mmである。
この調理用シート10は、所望により孔やスリット(例:中心に十文字)を施しても良い。不織布12は、2層構造でも、3層以上の多層構造でもよい。
上記のように、本考案の調理用シート10は、エアレイド法により製造された不織布で形成されているから、繊維11が不織布の流れ方向、幅方向および厚み方向へランダムに3次元配向され、灰汁のスムースな侵入と、侵入後の灰汁が繊維へ絡み付き易くなり、灰汁捕捉量が増加する。
その上、本考案の調理用シート10は、繊度2〜30dtexの太い繊維を用いているから、繊維11間の空隙が適度に広がり、浮上性凝固物質である灰汁の侵入が容易になるとともに、調理用シートを調理容器(鍋など)から引き上げる時に灰汁の脱落量を抑制することができる。
さらに、本考案の調理用シート10は、2〜10mmの短い繊維を用いているから、繊維末端数が増加し、凝固物質である灰汁を絡め取る作用が飛躍的に増加する。
さらに、本考案の調理用シートは、構成する繊維の融点が135℃以上であるから、圧力ナベの調理に適用しても、シートの繊維間結合が解れたり、シート自体が変形することもない。
また、本考案の調理用シート10は、目付けが20〜100g/m2で、厚さが0.3〜3mmであるから、適度の剛性および柔軟性を有し、取り扱い性に優れているばかりでなく、煮沸でめくれたりすることもなく、灰汁や油取り効果が十分に発揮できる。
以下、実施例を挙げて、本考案をさらに具体的に説明する。
実施例1〜3、比較例1〜2
直径24.7cm、深さ24.4cmのステンレス・アルミ製の圧力鍋に水400ccと、獣脂(牛)20g、赤身の牛肉180gとを入れ、さらに、この上に表1に示す調理用シート(直径20cm)を乗せた。この状態で10分間煮込んだあと、調理シートを取り出し、風乾して灰汁固形分の付着量を計測後、上記の(1)式により算出した。このときの、圧力ナベ内の温度は、約128℃であった。
ここで、表1における取り扱い性は、実際に調理に使用した時の取り扱い易さを評価し、結果を○,△,×で表示した。
○:シートを乗せる時にきれいに拡げられ、調理中の煮込み沸騰でよじれ、片寄り、丸まりなどがなく、取り出しもスムースであった。
△:きれいに拡げられたが、調理中によじれ、片寄り、丸まりが発生し、灰汁の絡め取りが不十分であった。
×:拡げにくく、よじれ、片寄り、丸まりも発生し、取り扱いが難しかった。
実施例1〜3、比較例1〜2
直径24.7cm、深さ24.4cmのステンレス・アルミ製の圧力鍋に水400ccと、獣脂(牛)20g、赤身の牛肉180gとを入れ、さらに、この上に表1に示す調理用シート(直径20cm)を乗せた。この状態で10分間煮込んだあと、調理シートを取り出し、風乾して灰汁固形分の付着量を計測後、上記の(1)式により算出した。このときの、圧力ナベ内の温度は、約128℃であった。
ここで、表1における取り扱い性は、実際に調理に使用した時の取り扱い易さを評価し、結果を○,△,×で表示した。
○:シートを乗せる時にきれいに拡げられ、調理中の煮込み沸騰でよじれ、片寄り、丸まりなどがなく、取り出しもスムースであった。
△:きれいに拡げられたが、調理中によじれ、片寄り、丸まりが発生し、灰汁の絡め取りが不十分であった。
×:拡げにくく、よじれ、片寄り、丸まりも発生し、取り扱いが難しかった。
ここで、低融点PP/PPは、低融点PP(融点=135℃)が鞘、PP(融点=165℃)が芯の芯鞘型複合繊維(宇部日東社製、Cタイプ)、共重合PET/PETは、共重合PET(融点=150℃)が鞘、PET(融点=260℃)が芯の芯鞘型複合繊維(帝人ファイバー社製、B5タイプ)、PE/PPはポリエチレン(融点=130℃)が鞘、PP(融点=165℃)が芯の芯鞘型複合繊維(宇部日東社製、Cタイプ)である。さらに、PP(融点=165℃)は、繊維(ESファイバー社製、RPタイプ)である。
表1から、本考案である実施例1〜3は、従来例である比較例1〜2に比べて灰汁捕捉量が1.8倍以上あるうえ、用いられる繊維の融点が135℃以上であるために、圧力ナベ中の高温においても、接着繊維間が解されたりせず、シートの変形もなく、取り扱い性に優れている。
本考案の耐熱性調理用シートは、圧力ナベ用に用いられる灰汁取り用の調理用シートのほか、通常のナベ類の調理用シートとしても有用である。
10 調理用シート
11 繊維
12 不織布
11 繊維
12 不織布
Claims (3)
- 繊度が2〜30dtexで、繊維長が2〜10mm、融点が135℃以上の、ポリオレフィン系繊維および/またはポリエステル系複合繊維からなる熱接着性合成繊維を用いて、エアレイド法により製造された不織布からなり、目付けが20〜100g/m2、厚さが0.3〜3mmであることを特徴とする、耐熱性調理用シート。
- 灰汁捕捉量が50g/m2以上である請求項1記載の耐熱性調理用シート。
- 不織布が、少なくとも1層構造のシートからなる請求項1または2記載の耐熱性調理用シート。
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