JP3152656B2 - 医学的健康状態の固相診断法 - Google Patents

医学的健康状態の固相診断法

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JP3152656B2 JP50490890A JP50490890A JP3152656B2 JP 3152656 B2 JP3152656 B2 JP 3152656B2 JP 50490890 A JP50490890 A JP 50490890A JP 50490890 A JP50490890 A JP 50490890A JP 3152656 B2 JP3152656 B2 JP 3152656B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、特定DNAの同定による医学的健康状態の固
相診断法に関する。
目的とするDNA分子は細胞溶解物や他の原材料中に極
めて微量にしか存在しない場合が往々にしてあり、かか
るDNAを選択的に増幅させるためにポリメラーゼチェー
ンリアクション(PCR)法が開発されている。この方法
では、目的とするDNAの既知の配列に特異的で、コード
鎖の5′末端もしくはその近くでハイブリダイズするも
のと非コード鎖の5′末端もしくはその近くでハイブリ
ダイズするものとの1対の重合用プライマーを選択し
て、それぞれのプライマーがポリメラーゼ存在下で目的
DNA鋳型の全長にわたって伸びるDNA配列が生成するよう
にする。生じたDNAを次に鎖分離に付す(通常は約90℃
の温度で融解して行なう)と、新たに生じた一本鎖DNA
配列が(通常は温度をアニーリングに適した範囲まで低
下させた後)混合物中に存在する過剰のプライマーとハ
イブリダイズするので、ポリメラーゼ存在下でDNA鎖が
さらに合成される。このときは2つのプライマーの端と
端にはさまれた部分だけ伸長する。ポリメラーゼは鎖の
分離段階で用いる高温に耐え得るもの好ましいが、最
近、これに適した好熱性ポリメラーゼ、即ちTaqが入手
可能になった。DNA合成に必要な2種類のプライマーと
ヌクレオチドが媒質中に過剰に存在し続けるようにする
と、単に上記の個々の段階に最適な温度の間で温度を上
下させるだけで、鎖を合成し、分離し、プライマーにア
ニーリングし、さらに新しい鎖を合成するという反復循
環過程を行なうことが可能となる。このように、最初の
目的DNAを指数関数的に増幅させることができ、比較的
短時間で濃度を百万倍も増加させることができる。
しかし、この方法は、プライマーが他のDNA配列にも
ある割合で非特異的に結合するために必ずしも十分な選
択性を有するわけではなく、目的DNA以外にも他のDNAを
増幅する結果となる。プライマーの非特異的結合によっ
てDNA試料の様々な部分が無作為に増幅されると、目的D
NAから得られる信号に対してバックグラウンドとしての
ノイズが増加する結果となる。本発明者の実験によれ
ば、多くの場合、バックグラウンドノイズのレベルが増
大するとこの方法の有用性が著しく損なわれることがあ
る。
分子のクローニングに関して、第1のプライマー対に
取り込まれた第2のプライマー対を用いることによって
かかるプライマーの非特異結合に関する問題が解決でき
ると示唆されている。4つの別々の開始反応が起こるよ
うにすると非特異的増幅をかなり減少させることができ
る(ムリス(Mullis,K.B.)及びファローナ(Faloona,
F.A.)著メトッズ・イン・エンザイモロジー(Methods
in Enzymology)(1987)155巻335〜350頁、リンスニッ
ク(Wrischnik,L.A.)他のニュークレイック・アシッズ
・リサーチ(Nuc.Acids Res.)(1987)15巻529〜542
頁、及び米国特許第4683195号及び4683202号を参照)。
エンゲルク(Engelke,D.R.)他は、最初のプライマーの
どちらかに取り込まれた1種類の新しいプライマーだけ
が目的DNAのより大きくかつより着実な増幅を導くと示
唆している(プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミィ・オブ・サイエンシズ・ユー・エス・エ
ー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)(1988)85巻544〜548
頁)。上記ムリスとフォローナ及び他の著者らの研究結
果は主として分子クローニングと配列決定に関するもの
である。この分野の研究者の中には、増幅されたDNAが
プライマーに対応した末端を有すること、並びにプライ
マーが目的DNAには存在しないような制限酵素部位を1
カ所以上組み込み得ることを十分に理解している者もい
る。いったん増幅させると、付着端を与えるような適当
な1種類もしくは複数の制限酵素で増幅DNAの末端を切
断することができる。かかる付着端は次に適当なクロー
ニング用ベクター中に目的DNAを導入するのに使用でき
る。
増幅された目的DNAの検出に関しては、ムリス他の米
国特許第4683195号に記載されている。従来のサザンブ
ロット法では増幅DNAを検出するのに標識プローブが用
いられている。この方法は非常に感度の高い効果的な方
法であるが、非常に時間がかかり(特に放射性標識を使
用した場合)、高度の熟練を必要とし、かつバックグラ
ウンドノイズの原因となる非特異的相互作用を受けやす
い。
特定DNAの同定による医学的健康状態の診断法として
は、上記以外にも、DNA多型に基づく方法がある。DNA多
型に基づく2つの主な方法は、制限断片長多型「RELP」
並びにミニサテライト多型である。両方法共にPCR法と
組合わせて用いることができる。両方法共に制限酵素消
化にたよっており、これを電気泳動法及び1つもしくは
それ以上のプローブと組合わせていわゆる「遺伝学的指
紋」を作成するが、遺伝学的指紋を読み取るには電気泳
動法の熟練技術者(特に他の電気泳動ゲルとの比較を要
する場合)を必要とする。
従来技術の中で、特定DNAの同定によって医学的健康
状態を診断する単純かつ迅速な方法で、しかも通常のPC
R法及び電気泳動ゲルの関与する方法の双方に存在する
非特異的結合という欠点のない方法を与えるものはなか
った。
二段階PCR増幅法と増幅された目的DNAの固相単離法と
を組合わせることによって、本発明者らは、初期濃度が
非常に低い場合であっても格段に減少したバックグラウ
ンドノイズの下で、従って従来の診断法よりも格段に正
確に、しかもサザンブロット法のような時間のかかる検
出段階を行なわずに、目的DNAを同定することができる
ことを見出だした。
ロー(Lo,Y.M.D.)他は、ビオチン標識された増幅目
的DNAを得るためにビオチニル化dUTPを用いてPCR法を行
なうことを記載している(Nucleic Acids Research第16
巻8719頁(1988))。ただし、固定化のためにビオチニ
ル基を用いることを示唆する記載はなく、しかもこの方
法においては、末端ビオチン基だけが存在するのではな
くて、すべてのウリジン残基にビオチン基が存在する。
モレキュラー・ダイアグノスティックス(Molecular
Diagnostics)社の欧州特許第192168号には、選択性を
高めるために、固定化手段を保有するプローブと検出手
段を保有するプローブとの、二重ハイブリダイゼーショ
ン(目的DNAとの)プローブを使用することが記載され
ている。しかし、かかるプローブをPCR増幅法における
プライマーとして使用することを示唆する記載はない。
しかし、かかる系においては、固体担体に固定化でき
るか或いは標識となり得るようなプライマーは、DNA以
外のものと結合した目的DNAに特異的なDNA配列を含んで
なる場合がほとんどで、かかるDNA以外のものを化学的
手段によって別個に結合させなければならない。
本発明は特にある方法を与えるが、この方法によれ
ば、PCR増幅の最終段階で用いられるプライマーは、ど
んな目的DNAの増幅にも使用できる標準もしくは汎用DNA
配列に連結した非DNA部分を含み得る。これは、第2段
階のPCRプライマーの少なくとも1つを、目的DNAとはハ
イブリダイズしないDNA配列を含んでなる「ハンドル」
の付いたものにすることによって達成されるが、このハ
ンドルは不活性担体又は標識と結合した汎用DNA配列に
特異的であるので、後者を種々のアッセイに用いること
ができ、しかも特定の目的DNA配列のために特別に合成
する必要がない。ハンドルを有する1種もしくはそれ以
上のプライマーはある特定の目的DNAに対応するように
合成する必要があるが、不活性担体標識を結合するため
の化学的方法をわざわざ用いなくとも標準DNA合成系で
合成を完了させることができる。特に有用なことは、標
準結合リガンドもしくはプローブに予め結合させておい
た放射性同位体を用いることができることで、しかもそ
れによって放射性物質の局所での化学的取扱い操作を必
要とせずにすむことである。
この技術は固定化増幅核酸検出(DIANA)法と呼ぶこ
とができる。
本発明においては、特定DNAの同定による医学的健康
状態の診断方法にして、検体中のDNAを、目的DNAに特異
的な第1プライマー対を用いたポリメラーゼ・チェーン
・リアクション(PCR)法による第1段階の増幅に付
し、このようにして生じた増幅DNAを、第2プライマー
対を用いたPCR法によってさらに増幅し(ここで該第2
プライマー対の一方又は両方は、上記第1プライマー対
のいずれとも異なり、目的DNAの上記第1プライマー対
とのハイブリダイゼーション部位間の1カ所以上の配列
に特異的なものであって、該第2プライマー対の一つは
固体担体上に固定化されているか或いは後で固体担体に
結合させるための手段を与えられており、かつ第2プラ
イマーのもう一方は標識を保有しているか或いは後で標
識に結合させるための手段を与えられている)、かかる
増幅後に上記増幅DNAを保有する固体担体を分離して、
それに結合した標識を検出する(ここで上記後で結合さ
せるための手段の一方もしくは両方は、当該プライマー
によって保有される遠位DNA配列にして目的DNAとはハイ
ブリダイズしないが固体担体又は標識のいずれかに結合
した結合パートナーに対して選択的親和性を有するよう
な遠位DNA配列を含んでなる)ことを特徴とする方法が
供せられる。
適当なポリメラーゼであればどんなものを用いてもよ
いが、Taqポリメラーゼのような好熱性酵素を用いるの
が好ましく、こうすると、各サイクル毎に例えばクレノ
ウフラグメントのようなポリメラーゼをわざわざ添加し
なくても上述の温度サイクルを繰返すことができる。
目的DNAは、検体中のmRNAから合成されたcDNAであっ
てもよく、本発明の方法はある特徴的なmRNAに基づいた
診断にも適用できる。かかる予備合成は逆転写酵素を用
いる予備処理によって行なうことができるが、好適には
その後のPCR段階で用いられる緩衝液及び塩基と同じ系
の中で行なう。PCR法は鎖を分離させるために加熱処理
を要するので、逆転写酵素が1回目のPCRサイクルで不
活性化してしまう。mRNAが目的とする核酸であれば、最
初の検体、例えば血清検体を、すべてのmRNAをその末端
ポリA配列を介して回収するために、固定化ポリdTオリ
ゴヌクレオチドで処理するのが有利であろう。国際特許
出願PCT/EP89/00304号に記載されているように、上記オ
リゴヌクレオチドを次にcDNA合成用プライマーとして作
用させることができる。
本発明の一つの具体的態様においては、上記のように
最初の2段階の増幅を行なった後もPCR操作を継続し、
遠位DNA配列もしくは「ハンドル」を有する少なくとも
1つのプライマーを、該ハンドルとハイブリダイズする
ような第3段階プライマーで置換もしくは補充して、さ
らに増幅させたときに第3段階プライマーが増幅された
目的DNAに取り込まれるようにする。かかる第3段階プ
ライマーは、固体担体に結合しているかもしくは固体担
体と結合する手段を保有しているか、又は標識を保有も
しくは標識と結合する手段を保有しているのが有利であ
る。上述の通り、この第3段階プライマーは、目的DNA
とは無関係にどんなアッセイにおいても同じまま使用で
きるような標準DNAであるのが有利である。第2段階プ
ライマー対が共に「ハンドル」を保有していてもよく、
PCR増幅の前記第3段階において、かかるプライマーの
一方をそのハンドル部分とハイブリダイズしかつ固体担
体(又は固体担体と結合する手段)に結合しているよう
なプライマーで置き換え、もう一方をそのハンドルとハ
イブリダイズしかつ標識(又は標識と結合する手段)に
結合しているような別のプライマーで置き換えてもよ
い。
標識は、32P、14C又は3Hのような放射性原子で、上記
第2のプライマー対の1つに導入すればよい。当然なが
ら、第2段階のPCRの最後の重合段階で放射性ヌクレオ
シドを導入して、第2プライマーに標識を加えることも
可能である。また、標識は、プライマーと直接結合して
いるか又は例えばプライマーに結合した抗体によって間
接的に結合しているような従来の酵素又は蛍光物質であ
ってもよい。
固体担体又は標識との結合手段は、ビオチン/アビジ
ンもしくはストレプトアビジンなどの親和性結合基、又
は例えばカルボキシル基又は固体担体もしくは標識上の
CNBr活性化ヒドロキシル基と相互作用をするアミノ基も
しくは末端ヌクレオシドでよい。あるいは、DNAハンド
ルは、タンパク質に直接親和性結合をすることができる
ものであってもよい。
特異的なDNA配列に結合する多数のタンパク質が公知
であり、しばしばオペロンのスイッチのオン・オフのよ
うな遺伝的過程に関与する。このようなタンパク質の1
つに、lacオペロン(lacOP)と反応して転写を阻害する
lacリプレッサー、lac Iがある。したがって、本発明の
方法においてプライマーの1つに結合したハンドルがDN
A配列lacOPである場合、固体担体又は標識は、タンパク
質lac Iを介して結合させることができる。lac Iのよう
なDNA結合タンパクと別の分子に容易に結合する更なる
タンパクとの融合タンパクを考案することは、特に好都
合である。このような更なるタンパクの1つは、IgGと
その重鎖を介して容易に反応するタンパク質Aである。
したがって、粒子状の固体担体は、IgGでコーティング
し、それにより上述の融合タンパクに結合させることが
できる。同様に、特異的モノクローナル抗体はタンパク
質Aに結合させ、酵素標識のような広い範囲の物質に選
択的に結合させるように用いることができる。
DNAとDNA結合タンパクとの間の相互作用を用いる概念
は、このような親和性結合が非常に穏和な条件下で破壊
することができるという容易さのため、PCR技術を越え
て広い応用範囲を有する。したがって、例えば、lac I
およびlacOPの結合は、乳糖もしくはより好ましくはイ
ソプロピルチオガラクトシド(IPTG)と室温で反応させ
ることにより容易に破壊することができるのに対し、タ
ンパク質Aおよびある種のIgGの結合は、例えば、pHを
3.0に下げることにより容易に破壊することができる。
一般に、第2段階のプライマーの一方がアビジン又は
ストレプトアビジンを介して固体担体に結合するための
ビオチン基を有することが、こうして得られる非常に強
い結合の点から見て、好ましい。この場合、もう一方の
第2段階のプライマーは、lac Iのような特異的タンパ
クに結合することができるDNAハンドルを有するのが好
ましい。
目的DNAに対する本方法の特異性は、ハンドルを有す
る1つ又はそれ以上のプライマーを導入する前に、予備
的なPCR増幅工程を行うことによって、大幅に増大す
る。このような予備的なPCR増幅により、目的DNAの濃度
は他のDNAに比較して大きく増加し、上述のように目的D
NAの異なる配列に対して特異的な少なくとも1つのプラ
イマーを用いてさらに増幅させると、「バックグラウン
ドノイズ」に対して目的DNAによるシグナルが有意に強
化される。上記のように、より高い特異性を達成するた
めのこの「嵌込(nested)」PCRプライマーの概念は、
目的DNAのクローニングに関する従来技術において記載
されている(Mullis,K.B.and Faloona,F.A.,Methods in
Enzymology(1987)155,pp.335−350)が、1つ以上の
プライマーが標識上の固体担体に結合している、又はそ
のような結合を可能にするDNA「ハンドル」に結合して
いるという系に適用されたことはなかった。
本発明の増幅系は、特定のDNAの存在を特徴とする病
的状態の診断、特に鎌状赤血球貧血症、嚢胞性線維症又
はα及びβサラセミア、又はヘルペス、肝炎もしくはHI
Vのようなウイルスによる潜在感染の診断に特に有利で
ある。本発明の方法はまた、感染生物の試料を得るのが
困難な可能性のある場合、又はプラスモジウム・ファル
シパルム(P.falciparum)およびクラミジア(Chlamydi
a)種の場合のように単離された生物をその後の特徴付
けのためにインビトロで生育させるのが困難な場合に、
細菌および菌類感染のセロタイプを特定し又は特徴付け
するためにも、有利に使用することができる。感染生物
の試料を容易に得られる場合であっても、一晩培養する
ことに比較したPCR技術の早さにより、本発明の方法
は、従来の微生物学的技術よりも好ましいものであり得
る。
本発明の方法は、固定化後の続くプロセッシング工程
にも役立つものである。したがって、2段階のPCRで得
られる二本鎖DNAが不溶性担体にその5′末端で強く結
合するような手段を末端に有する目的DNAとlac Iのよう
なタンパク質を介して標識にその3′末端で結合するよ
うなDNAハンドルとを含んでなる場合には、増幅された
目的DNAは標識によって容易に検出でき(例えば酵素着
色反応で)、次いで鎖分離に付すと導入した担体上に固
定化された一本鎖DNAが残る。このようにして固定化さ
れたDNAをさらに操作することができる。例えば、3′
末端の標識プライマーを用いて、標識された2本目の鎖
の合成を行なうことができ、そこで鎖分離すると標識一
本鎖DNAが溶液中に遊離される。同様に、適当な変異導
入用プライマーを用いてインビトロ変異導入を行なうこ
とができる。
本発明の特に好ましい具体的態様においては、固定化
一本鎖DNAは、例えば国際特許出願WO89/09282号に記載
されているように、例えばサンガー(Sanger)他の方法
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1977)74巻5462〜5467頁)
を用いて、配列決定に付すことができる。また、最初の
検出段階を省略し、PCR増幅段階で最終的に得られた固
定化一本鎖DNAについて配列決定することもできる。ど
ちらの場合にも、一本鎖DNAの3′末端に汎用ハンドル
を与えることによって汎用配列決定プライマーの使用が
可能になり、また、嵌込プライマー(nasted primer)
技術を用いることによって該方法の特異性が増大して非
特異的結合に起因するバックグラウンド「ノイズ」が低
下する。
PCR増幅法では、極めて少量の目的DNAを同定すること
ができ、従って異常を診断することもできるが、増幅が
実際にどの程度起こっているのかは正確には分からない
ので、検体中に存在する目的DNAの量に関して定量的な
情報を得ることは困難である。DNAの一方の末端を固定
化しもう一方の末端を標識すると、PCRの各サイクルの
後もしくは合間に、増幅されたDNAからの信号を読み取
ることが可能になり、それによって各段階の増幅度につ
いてのデーターを得ることができる。最初の1もしくは
2サイクル後は信号が微弱で同定できないこともあるか
もしれないが、各PCRサイクルにおける信号をプロット
して初期段階まで外挿すれば目的DNAの初期の量を得る
ことができる。かかる方法においては媒質から固定化DN
Aを取り出す必要あがるが、その間に信号を読み取っ
て、その後再び導入すればよい。固定化用プライマー
は、全てのPCR操作が担体上で行われるように最初から
担体に結合させておくのが好ましい。この目的に特に好
適な担体を与えるものとして磁性ビーズがある。標識
は、固定化された標識量を迅速に読み取ることができる
ように放射性核種が有利である。上述の通り、標識結合
用の汎用ハンドルを用いることによって汎用放射性標識
を用いることが可能になる。
固体担体は、例えばDNAと結合するように活性化され
たポリスチレン製(アルマー(Almer,K.)の博士論文、
王立工業大学(Royal Institute of Technology)、ス
ウェーデン国ストックホルム(1988))の微量滴定ウェ
ルもしくは計量棒(例えばプラスチック片)などの形態
も取り得る。例えばアガロース、セルロース、アルギン
酸、テフロン又はポリスチレンなどでできた粒子、繊維
並びにキャピラリーが特に好適である。
本発明のPCR操作は、従来のPCR緩衝液系中で行なう。
外側プライマー対を用いて第1段階の増幅を行なった後
に、第2段階のPCR用の新たなプライマー(対)と共に
さらにPCR緩衝液を添加して、増幅生成物及び残存プラ
イマー分子を希釈するのが有利である。一般に、希釈率
は好適には大きい、例えば約100:1となるような、20:1
から200の範囲内にある。なお、例えば1:1のように低い
希釈率でも有効ではあるが選択性が低くなる。
PCR緩衝液は通常6.8乃至7.2のpH範囲にあり、トリス
/塩酸(Tris/HCl)が適した緩衝液の一つである。鎖分
離は好ましくは90乃至95℃の範囲の温度で行ない、プラ
イマーのアニーリングは45乃至55℃で、DNA合成は65乃
至75℃で行なうのが好ましい。
特に好適には、固体担体は磁性粒子を含んでなる。好
ましい磁性粒子はダイナル社(Dynal AS、ノルウエー、
オスロ)製の超常磁性ビーズである。第2プライマー対
の一方を磁性ビーズに固定化し得るが、この粒子は第2
段階のPCR増幅時に既にプライマーに結合していても或
いはその後で添加してビオチニル化増幅目的のDNAと反
応させてもよい。
磁性粒子を用いた場合の幾つかの利点は極めて顕著で
ある。磁性粒子を、目的核酸を含んだ混合物(例えば細
胞抽出液)に加えると、攪拌した後に容器の片側に磁気
的に引き寄せることができる。しかる後に液体を不必要
な成分と共に取り除くことができ、RNAの結合した磁性
粒子を洗浄用溶液中に再分散させることができる。洗浄
段階を間断なく何度も繰り返すことができる。目的核酸
を得る全過程を15分未満で行なうことができる。
さらに有利な点は簡便さにあり、粒子を時々磁気的に
集合させて、粒子上の物質又は上清中の物質のいずれか
に結合した標識をアッセイすることによって、ハイブリ
ダイゼーションもしくは磁性粒子を用いて行なういかな
る過程をも連続的にモニターできる。
粒子の分離に磁気的な凝集を用いる方法は、核酸やタ
ンパク質を分断してしまう可能性のある剪断力を発生す
るような遠心分離などの従来の分離法よりは格段に穏や
かな方法である。
好ましい粒子は単分散型でしかも超常磁性のものであ
り、かかる両特性は粒子の関与する反応の反応速度に大
きく貢献する。種々の反応において、粒子に担持された
プローブが溶液中に遊離状態で存在する場合と実質上同
じ速さで反応することは本発明の驚くべき特徴である。
従って、例えば、細胞溶解物からのmRNAの全単離過程
が、アフィニティーカラムを用いると2時間もかかるの
に対して、磁性ビーズを用いると約15分以内で達成でき
る。ほぼ同じ大きさの粒子からなる単分散粒子を用いる
と、反応速度及びその他のパラメーターが著しく均一に
なる。超常磁性粒子(常磁性を維持するのに必要とされ
るドメインサイズよりも小さい強磁性体亜粒子を含む粒
子である)を用いると、反応の間の粒子の磁気的凝集も
しくは集合を避けることができるので、この場合も均一
かつ迅速な反応速度が確保できる。従って、かかる粒子
は磁場を与えることによって表面上に均一な速さで容易
に集合させることができ、また後段での処理のために容
易に再分散させることができる(例えば物理的攪拌によ
って)。このような挙動の均一性並びに反応の迅速性は
自動化に特に適しており、工業的生産及び/又は反復過
程に必要とされる数多くの核酸操作に不可欠な要件であ
る。最も重要なことは、反応及び分離が適当な機械で完
全かつ確実に行なえることであり、このとき介在する人
手は最低限度ですむ。
本発明で用いる磁性粒子として好ましいものは、欧州
特許第83901406.5号(シンテフ(Sintef))の記載に従
って製造した単分散型超常磁性ビーズである。かかるビ
ーズにおいては、鉄が非常に均一に分布していて磁場に
対して非常に均一な応答をするが、かかる性質は、すべ
てのビーズが同じ速さで移動するために、再現性のある
手順、特に自動化された手順を設計する上で重要であ
る。さらに、ある量の鉄を再現性をもって個々の粒子に
組み込むことができるので、この量を粒子の比重が後述
の範囲内に収まるような比較的低いレベルに調節するこ
とができる。これより幾分均一性の劣る製品の場合、小
さい粒子が余りに少量の鉄しか含んでいないため磁石を
当ててもブラウン力に抗することができなかったり、或
いは大きな粒子がその比重によって不本意にも沈降して
しまうかのいずれかであった。若干の自動化された系に
おいては、溶液通過時に反応領域内に粒子をとどめてお
くために磁場を用いており、このような系で用いる磁性
粒子には均一な磁気的特性と流動的特性が不可欠であ
る。
本明細書中で用いる「単分散」という用語は、直径の
標準偏差が5%未満であるような粒度分布を包含した意
味で用いる。
比重1.1乃至1.8のビーズの使用が好ましいが、最も好
ましいものは比重1.2乃至1.5のものである。本発明で用
いる単分散型ビーズの比重は、上述の通り、特に均一
で、均一かつ予測可能な速度論的性質が得られる。
好適には、上記単分散型粒子は、直径1ミクロン以
上、好ましくは2ミクロン以上であって、好ましくは10
ミクロン以下、最も好ましくは6ミクロン以下(例えば
3ミクロン)の球状ビーズである。粒子が小さいほどゆ
っくりと沈降するので、沈降時間が反応時間よりも長く
なる場合もあり、この場合物理的撹拌を必要とせずに済
む。しかし、格段に直径の小さい微細粒子を含んだ平均
直径0.1乃至1.5ミクロンのビーズは磁化に対する応答に
信頼性の欠ける挙動が見られる。
上記粒子へのプローブの結合は直接的な化学結合だけ
でなく、ストレプトアビジン/ビオチン複合体などによ
る親和性結合であってもよい。
プローブとの結合用に、磁性粒子は水酸基、カルボキ
シル基、アルデヒド基又はアミノ基などの官能基を保有
していてもよい。これらの官能基は、一般に、かかる官
能基のいずれかを保有するポリマーの表面コーティング
を与えるような処理を未被覆単分散型超常磁性ビーズに
施すことによって与えることができ、例えば、水酸基を
与えるにはポリグリコールとポリウレタン、又はセルロ
ース誘導体で、カルボキシル基を与えるにはアクリル酸
もしくはメタクリル酸の重合体又は共重合体で、アミノ
基を与えるにはアミノアルキル化ポリマーで処理する。
かかる表面の被覆導入法は米国特許第4654267号明細書
に記載されている。
本発明で用いる好ましい被覆粒子は、米国特許第4336
173号、同第4459378号及び同第4654267号明細書に記載
されたビーズの修飾によって調製し得る。例えばスチレ
ン−ジビニルベンゼンでできた直径3.15μmのマクロ網
状多孔質ポリマー粒子をHNO3で処理すると細孔表面に−
NO2基が導入される。次に、この粒子をFe2+の水溶液に
分散させる。Fe2+が−NO2基によって酸化されて、細孔
内部で不溶性のオキシ−ヒドロキシ化合物が沈殿する。
加熱すると、鉄は磁性鉄酸化物の微細粒子として上記多
孔質粒子全体に存在するようになる。NO2基はFe2+との
反応で還元されてNH2基となる。
細孔を満たし、かつ表面に所望の官能基を導入するた
めに、種々のモノマーを細孔内部及び表面で重合させ
る。好ましい種類の粒子においては、表面は−(CH2CH2
O)8-10結合を介してポリマー主鎖に連結した−OH基を
保有する。その他の好ましいビーズにおいてはメタクリ
ル酸の重合によって得られる−COOH基を保有する。
従って、例えばビーズに最初からNH2基が存在してい
れば、それを米国特許第4654267号明細書の記載に従っ
てジエポキシドと反応させ、続いてメタクリル酸と反応
させると末端ビニル基が得られる。メタクリル酸との溶
液共重合によって、後述のR452ビーズのような末端カル
ボキシル基を有するポリマーコーティングが得られる。
同様に、上述のジエポキシドとの反応生成物をジアミン
と反応させることによってR240、R442及びR469ビーズで
みられるようなアミノ基が導入することができ、アミノ
グリセロールのようなヒドロキシルアミンとの反応によ
ってM450及びL255ビーズでみられるような水酸基が導入
される。
ダイナル社(ノルウェー、オスロ)から入手可能なダ
イナビーズ(Dynabeads)M450(直径4.5ミクロン)は単
量体エポキシドでコートされており、エポキシ基と水酸
基の混合体を生ずる。しかし、水と接触させるとエポキ
シ基は水酸基に変化する。
ダイナビーズM280(直径2.8ミクロン)は水酸基を有
するポリスチレンビーズであるが、水酸基はp−トルエ
ンスルホニルクロライドとの反応でトシルオキシ基へ変
化させてある。
本発明者らは、上記のような官能基を有するコーティ
ングを使用すると、DNA及び/又はRNAの非特異的結合が
極めて少なく、特にカルボキシル化ビーズを使用した場
合に顕著であることを発見した。
プライマーはカルボキシル基を介して磁性粒子に結合
させることができ、まずDNAの5′末端にアミノ基を与
えておけば、カルボジイミドカップリング剤を使用する
ことによって上記カルボキシル基とのアミド結合を生じ
させることができる。DNAの5′末端での結合は、5′
−アミノDNAと反応するようにCNBrで活性化した水酸基
保有磁性粒子を用いても達成できる。
プライマーDNAの3′側の結合は化学合成によっても
達成できる。前述の通り、単分散粒子は非常に均一な特
性を有するので、ジーン・アセンブラー(Gene Assembl
er,ファルマシア社(Pharmacia AS)製)のような自動
合成装置中での合成に特に適した一定の反応速度を与え
る。磁性粒子は最初に水酸基又は保護された水酸基を与
えておく必要がある。ダイナル社製のダイナビーズM280
はこの目的に十分に適合している。しかし、必要であれ
ば、カルボキシル基のようなその他の表面官能基を、水
酸基保有リンカー、或いは3′−結合ヌクレオチドとの
結合に用いることができる。
5′末端での結合は、5′−アミノ−オリゴヌクレオ
チドをトシル活性化磁性粒子にカップリングさせること
によって達成できる。後者はダイナビーズM280(ダイナ
ル社製)のような水酸化磁性粒子をトシル化することに
よって調製し得る。トシル基の置換によって磁性ビーズ
に直接結合した5′アミノ基が残る。
プローブは単にmRNAの単離に用いられるだけである
が、プローブの3′末端を磁性粒子に結合させてもよ
い。かかる結合は、DNAの3′−リン酸基と該粒子のア
ミノ基との間のホスホルアミデート結合によって都合よ
く行なうことができる。
ビオチンで標識されたヌクレオチドは市販されている
ので、DNAフラグメントの3′末端をDNAポリメラーゼで
容易にラベルすることができる。これらは、例えば水酸
基を介して磁性粒子に結合したアビジンや又はストレプ
トアビジンに簡便に結合させ得る。立体的障害を最小限
に抑えるために、1個以上のε−アミノカプロン酸部分
のようなスペーサーアームによってビオチン標識をヌク
レオチドに結合させてもよい。例えば、二本鎖プラスミ
ドを制限酵素部位で切断して末端をビオチン化ヌクレオ
チドで埋めると、各々の鎖の3′末端にビオチンを与え
ることができる。該線状化プラスミドを次に別の制限酵
素で切断すれば、二本鎖DNAの一部分が切り取られてス
トレプトアビジン被覆ビーズに結合し得る。ビオチン化
されていない鎖を除去すれば、ビーズに結合したビオチ
ン結合オリゴヌクレオチドが残る。
一般に、ビーズの官能化とその後段のプローブの結合
は、好適には個々の磁性粒子が103〜106のプローブ(1
〜100pmol/mg)を保有するようにする。磁性粒子が均一
な粒度を有していれば、プローブが該粒子と反応する際
のプローブ密度の均一性を担保する上で有利である。プ
ローブの密度の均一は、かかるプローブを用いる様々な
プロセスにおいて全てのプローブが実質的に同じ挙動を
取るようにするのに重要である。
粒子表面の極めて近傍(例えば7塩基以内の場所)で
酸素活性がみられることは、単分散型超常磁性粒子の特
筆すべき特徴の一つである。ビーズがカルボキシル化ダ
イナビーズである場合、ビーズの微細表面は極めて不規
則で非常に大きな表面積を与えるので、ビーズ表面付近
でのハイブリダイゼーション及び酵素活性に対する立体
障害が低下する。その一方で、かかるカルボキシル化ビ
ーズへの非特異的結合は増加しない。
本発明は、本発明を実施するためのキットをも包含す
る。かかるキットは通常少なくとも以下の構成部分: (a)微量滴定用ウェルもしくはかかるウェルが整列し
たもの、計量棒又はビーズ、より好ましくは磁性ビーズ
などの固体担体にして、(i)増幅された目的DNAに結
合させるための手段、(ii)プライマーに結合させるた
めの手段又は(iii)プライマー、を保有する担体、 (b)(i)増幅された目的DNAに結合させるための手
段、(ii)プライマーに結合させるための手段又は(ii
i)プライマー、を保有する標識、 (c)外側プライマー対及びDNAハンドルを有する1種
以上の内側プライマー、ただしこれらは上記の(a)の
担体又は(b)の標識と結合していない、 (d)ポリメラーゼ、好ましくは熱安定性であるポリメ
ラーゼ、例えばTaqポリメラーゼ、 (e)PCR反応用の緩衝液、及び (f)固定化DNAを保有する担体を洗浄するための洗浄
用緩衝液 を含んでなる。
酵素標識を使用する場合、上記キットは好適には酵素
の基質及び検出系の他の成分を含む。
担体が計量棒である場合、何種類かの異なる目的DNA
分子と相互作用し得る複数のゾーンをかかる計量棒に与
えて、幾つかの病態の同時診断を実施できるようにする
こともできる。従って、かかるゾーンは目的とするDNA
にそれぞれ特異的なプライマーを保有する。
本発明を以下の実施例及び図面によって説明するが、
これらは本発明を限定するものではない。
図1は、例1で使用したオリゴヌクレオチドRIT1から
RIT7までを示したものである。
図2は、例2で使用した追加オリゴヌクレオチドRIT8
からRIT11までを示したものである。
図3は、例1(a)での、目的DNAの配列中へのビオ
チン及び標識の導入を図解したものである。
図4は、例1(a)の結果を示したもので、PCRサイ
クルに対して相対的標識活性をプロットしたものであ
る。
図5は、例1(b)での、目的DNAの配列中へのビオ
チン及び標識の導入を図解したものである。
図6は、例1(b)の結果を示したもので、PCRサイ
クルに対して相対的標識活性をプロットしたものであ
る。
図7は、例1(c)での、目的DNAの配列中へのビオ
チン及び標識の導入を図解したものである。
図8は、例1(c)の結果を示したもので、PCRサイ
クルに対して相対的標識活性をプロットしたものであ
る。
図9は、例2の結果を示したもので、PCRサイクルに
対して相対的標識活性をプロットしたものである。
図10は、DNAフラグメントの精製並びに検出におけるD
NA結合性融合タンパク質の使用を図解したものである。
図11は、lac I遺伝子への変異導入を図解したもので
ある。
図12は、例3(b)のlacオペレーター配列を有するD
NAフラグメントの固定化及び溶離によって得られた試料
のSDS−PAGEゲルを示したものである。
図13は、例3においてスタフィロコッカス・オーレウ
ス(S.aureus)に対して使用した幾つかのオリゴヌクレ
オチドを示したものである。図2のRIT11と同様に、ハ
ンドルプライマーRIT12はlacオペレーター配列を含んで
おり、RIT6はビオチン5′末端を有している。
図14は、PCR法で増幅したDNA及びスタフィロコッカス
のタンパク質A遺伝子に対する特異的オリゴヌクレオチ
ドを用いてスタフィロコッカス・オーレウスの検出を行
なった例3(c)の結果を示したものである。
図15は、PCR法で増幅したDNA及びストレプトコッカス
のタンパク質G遺伝子に対する特異的オリゴヌクレオチ
ドを用いてストレプトコッカスG148の検出を行なった例
3(c)の結果を示したものである。
図16は、例4でプラスモジウム・ファルシパルム(P.
falciparum)のPf155遺伝子の検出に使用したオリゴヌ
クレオチドプライマーをファバローロ(Favaloro)他
(18)の記載したアニーリング部位と共に示したもので
ある。
図17は、例4のプラスモジウム・ファルシパルムの検
出結果を示したものである。顕微鏡観察により決定した
1検体当りの寄生虫数を示す。活性は1分間当りの450n
mにおける色変化によって決定した。
図18は、固定化増幅核酸の比色検出とそれに続く直接
固相配列決定に関するDIANA法のおおまかな概念を図解
したものである。
検出には、lac I−lacZ融合タンパク質を使用し、固
体担体として磁性ビーズを用いた。
図19は、目的とするクラミジア・トラコマティス(C.
trachomatis)のCrP遺伝子の配列、並びに検出用プライ
マー(RIT23−26)と配列決定用プライマー(RIT43)の
配列を示したものである。臨床検体(図22)のゲノムを
配列決定することによって決定した変異を示す。番号
は、Clark他(20)の記載したヌクレオチドを引用し
た。プライマーRIT24とRIT26の配列が図示した配列と相
補的であることに留意されたい。RIT43は、第2段階の
増幅で導入したlacオペレーター配列(TTAACACTCGCCTAT
TGTTAA−5′)とハイブリダイズする。
図20は、増幅フラグメントがビーズに結合すること並
びに内側及び外側フラグメントの大きさを明らかにした
アガロースゲルを示したものである。レーン1とレーン
2は第2段階の増幅によって得られたものであり、レー
ン3とレーン4は外側フラグメントから得られたもので
ある。レーン1とレーン3は結合させていないものであ
り、レーン2とレーン4はビーズ結合後の上清である。
マーカーはPst Iで消化したλ DNAである。各フラグメ
ントの長さが予想された大きさ(それぞれ267塩基対と4
21塩基対)であることに留意されたい。
図21は、臨床クラミジア検体についてDIANAアッセイ
を行なった結果を示したものである。一般的な細胞培養
法(35)で行なった臨床アッセイの結果は(+/−)で
示してある。DIANAの活性は「材料及び方法」の項に記
載したように定義される。検体8は、培養クラミジア・
トラコマティスの陽性対照検体であり、検体9はPCR反
応に対する陰性対照検体(このチューブには鋳型DNAを
加えていない)である。
図22は、陽性クラミジア検体の一つ(図21,番1号)
のDNA配列を決定した結果を示したものである。この配
列決定は、汎用蛍光標識プライマーRIT43を用いて図18
に示した方法で行なった。解析は、ALF自動レーザー蛍
光シークエンサー(ファルマシア社、スウェーデン)を
該製造業者の説明通りに用いて行なった。
材料及び方法 菌株及びプラスミド 大腸菌(E.coli)B101株(1)及びJM103株(2)を
宿主菌として用いた。使用したプラスミドベクターは、
pSI.1(3)、pEMBL9(4)、pDMI.1(5)、pNSEQ1
(6)、pEZZT308(7)、及びpSKS104(8)である。M
13K07(9)を変異導入時のヘルパーファージとして使
用した。実施例においてスタフィロコッカス・オーレウ
ス(Staphylococcus aureus)SA113(10)、ストレプト
コッカス(Streptococcus)G148(11)及びバチルス・
サチリス(Bacillus subtilis)168(12)を使用した。
これらの菌体は、37℃で一晩TBAB、プレート(ディフコ
社(Difco、米国)製)上で単一コロニーとして増殖さ
せた。
クラミジア・トラコマティス(C.trachomatis)バイ
オバール(biovar)L2株は、イェヴレ(Gavle)病院
(スウェーデン)のナルペ(Gnarpe,H)氏から提供され
たものである。臨床検体は男性の尿道から綿棒で得たも
ので(カロリンスカ(Karolinska)病院、スウェーデン
国ストックホルム)、4℃のPCR緩衝液(後述の「PCR増
幅」の項を参照)中に保存したものである。患者血液か
ら得たプラスモジウム・ファルシパルム(P.falciparu
m)寄生体は、ツォルク(Zolg)他の記載(13)に従っ
て調製し、顕微鏡観察はギムザ血液塗沫染色法(14)に
従って行なった。菌株及びプラスミドは、王立工業大学
(スウェーデン国ストックホルム)の生化学科に寄託さ
れている。
オリゴヌクレオチドの合成 スタフィロコッカスのタンパク質A遺伝子又はストレ
プトコッカスのタンパク質G遺伝子(図1、図2又は図
13参照)と相補的な12種類のオリゴヌクレオチドプライ
マー(RIT1〜RIT12)は、自動DNA合成機(ジーン・アセ
ンブラー、ファルマシア社製)を製造業者の説明書通り
に使用して、ホスホルアミダイト(phosphoramidite)
法で合成した。上記プライマーの中の2種類(RIT1及び
RIT6)は5′末端にアミノ基を加えて合成し、該アミノ
基は製造業者(ファルマシア社)の説明書通り後段でビ
オチン誘導体(15)を導入するために用いた。RIT2、RI
T7、RIT11及びRIT12は、「モレキュラー・クローニン
グ:ア・ラボラトリー・マニュアル(Molecular Clonin
g:A Laboratory Manual)」(16)に記載されている通
り、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(ファルマシア社製)
を使用して、[γ−32P]−ATP(米国のデュポン(DuPo
nt)社製)で標識した。
クラミジア・トラコマティス(20)に相補的な4種類
のオリゴヌクレオチドプライマー(RIT23〜RIT26)、プ
ラスモジウム・ファルシパルム(21)に相補的な4種類
のプライマー(RIT33〜RIT36)、及び汎用配列決定用プ
ライマー(RIT43)は、上述の通り合成した。2種類の
プライマー(RIT24とRIT43)は、5′末端にアミノ基を
加えて合成し、該アミノ基は製造業者の説明書通り後段
でビオチン(クローンテック(Clonetech)社製)及び
蛍光基(ファルマシア社製)を導入するために用いた。
RIT25とRIT43はファルマシア社製のFPLC pepRPC 5/5カ
ラムを使用して精製した。
DNAの構築 制限酵素、T4DNAリガーゼ及びクレノウ DNAポリメラ
ーゼは、供給元(ファルマシア社、ニュー・イングラン
ド・バイオラボズ(New England Biolabs)社及びベー
リンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)社)の
推奨条件下で使用した。DNAの取扱いは、文献(16)に
記載されている通りに行なった。
タンパク質及び酵素のアッセイ 細胞抽出液は超音波処理(18)によって得た。融合タ
ンパク質lac I−SPAは、IgGファースト・フロー・セフ
ァロース(Fast Flow Sepharose,ファルマシア社製)を
用いて製造業者の推奨条件下でIgGアフィニティークロ
マトグラフィによって精製し、0.3M酢酸(pH3.3)で溶
離した。フラクションを回収して凍結乾燥した後、3.5
%スタッキングゲルと13%分離ゲルを使用したSDS−PAG
E分析をレメリ(Laemelli)(19)の方法に従って行な
った。ゲルはクーマシーブルーで染色した。
機能的lacZ遺伝子を含有する組換え体は、文献に記載
された通り(16)、X−gal(5−ブロモ−4−クロロ
−3−インドリル−β−D−ガラクトシド)プレート上
に植えてアッセイした。β−ガラクトシダーゼは、ONPG
(o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシド)を供給
元の推奨通りに用いた比色法でアッセイした。アルカリ
ホスファターゼは、0.1Mグリシンと1mM MgCl2からなる
緩衝液(pH10.4)中15.2mMのp−ニトロフェニルリン酸
(シグマ社(Sigma)製)を基質として用いて、37℃で
アッセイした。ストレプトアビジン−アルカリホスファ
ターゼ結合物はベーリンガー・マンハイム社から得た。
PCR増幅 インビトロ増幅はテクネ・プログラマブル・ドリブロ
ックPHC−1(Techne Progmmable Dri−block PHC−1,
テクネ(Techne)社、英国)上で行なった。汎用PCR溶
液は、パラフィン油層下に、67mM Tris−HCl(pH8.
8)、16.6mM(NH42SO4、6.7mM MgCl2、10mM β−メル
カプトエタノール及び170μg/ml BSAを含有する溶液中
に溶解したプライマー各1mM及びdATP,dCTP,dGTP,dTTP各
200μMであった。TBABプレートから単一コロニーを滅
菌パスツールピペットで採取し、PCR溶液10μ(NaOH
でpH10に調整)の入った0.5μ微量遠心チューブ(ケ
ミラ(Kemila)社製、スウェーデン)に加えた。このチ
ューブを温度ブロックに移して95℃で5分間加熱して菌
体を溶解した後、室温に冷却した。次いで、この溶液
に、67mM Tris−HCl(pH7)、16.6mM(NH42SO4、6.7m
M MgCl2、10mM β−メルカプトエタノール、170μg/ml
BSA及び1ユニットのTaq I DNAポリメラーゼ(ストラー
タジーン(Stratagene)社、米国)を含有する溶液を等
量添加してpHを8.8に調整した。以下のプログラムから
なる温度サイクルを開始した。即ち、92℃で1分間の鋳
型の変性、50℃で2分間のプライマーのアニーリング及
び72℃で1分間のプライマーの伸長である。サイクルを
5回繰返すごとに、5μの溶液を磁性ビーズ結合用の
新しいチューブに移した。
磁性ビーズへの結合 共有結合したストレプトアビジンを含む磁性ビーズは
ダイナル社(ノルウェー、オスロ)から得た。PCR法を
用いてインビトロ増幅した後の溶液5μを、158μg
の磁性ビーズと共に10mM Tris−HCl(pH7.5)及び1mM E
DTA 10μを含む溶液に添加した。この溶液を室温で30
分間インキュベートし、次いで35μの5M NaCl、続い
て10mM Tris−HCl,1mM EDTA(pH7.5)で繰り返し洗浄し
て未結合DNAを除去した。この手順を行なう間、ネオジ
ム−鉄−ホウ素常磁性磁石(ダイナル社)を使用してチ
ューブ中にビーズを保持した。最後の洗浄前に、ビーズ
を新しいチューブに移して、放射性標識のバックグラウ
ンド結合を取り除いた。
放射性標識の検出 磁性ビーズを含むチューブをシンチレーション用バイ
アルに移して、放射線をシンチレーション・アナライザ
ー(Scintillation Analyzer,Tri−car 1500、パッカー
ド社(Packard)製)で検出した。
例1 (a)単一プライマー対を使用する固相PCR法 オリゴヌクレオチドRIT1とRIT2(図1)を使用して、
図3に図解した実験を行なった。PIT1は5′末端がビオ
チン化されており、RIT2は5′末端が32Pでラベルされ
ている。スタフィロコッカス由来のタンパク質A遺伝子
に対して特異的な上記プライマーを使用して、種々の細
菌の菌体を用いた3組の実験を行なった。まずタンパク
質A遺伝子を有するスタフィロコッカス・オウレウスの
菌体、並びにこの遺伝子を欠いた2種類の対照菌体、即
ちバチルス・サチリズとストレプトコッカスがある。PC
R及びその後の磁性ビーズへの固定化を35サイクル行な
った結果を図4に示す。図に示されている通り、PCR反
応の間に標識の取り込みが増大した。しかしながら、対
照試料(バチルス・サチルス及びストレプトコッカスG1
48)に対しての高いバックグラウンドも得られた。
この例は、インビトロで増幅したDNAフラグメントに
標識を導入するのにPCRをプライマー対と共に使用でき
ることを示している。しかしながら、DNA又は他の染色
体DNAがランダムに伸長してしまうために、特異性はほ
とんどもしくは全く得られない。
(b)2つの嵌込プライマー対を用いる固相嵌込PCR法 本発明に従って特定DNA配列の増幅を行なった。二重
ポリメラーゼチェーンリアクション(D−PCR)と名付
けた概念を図5に図解する。検出すべき菌体の配列に特
異的なプライマー対を、インビトロ増幅の第1段階に使
用する。温度サイクルを適当な回数(例えば5乃至30サ
イクル)繰返した後、試料を例えば1:1で稀釈して、新
しいプライマー対を添加する。これらのプライマーは第
1段階で増幅されたDNAフラグメントの内側の部分に対
して相補的である。第2プライマー対は、その5′末端
に親和性ハンドル(ビオチンなど)もしくは標識(同位
体など)のいずれかを有している。PCRサイクルを追加
して行なった後、増幅物を固体担体に結合させて標識を
検出する。この概念の裏にある根本原理は、第1段階の
PCR反応の間に、第2段階のPCR反応のための特異的鋳型
が多量に得られるということである。こうすると、例1
(a)でみられるような、ビオチンと標識を含有するDN
Aフラグメントの非特異的増幅が低下する。
この概念がスタフィロコッカス・オーレウスの特異的
検出に適用できるか否かを検討するために、オリゴヌク
レオチドRIT3とRIT4(図1参照)を用いて第1段階のPC
R反応を行なった。ただし、低濃度のプライマーを用い
(各プライマー0.2mMずつ)、温度サイクルを25回しか
行なわなかった。25サイクルの後、ヌクレオチドを含有
する緩衝溶液で混合物を1:1に稀釈し、さらに1ユニッ
トのTaqポリメラーゼを、1mMのオリゴヌクレオチドRIT1
及びRIT2(5′末端にそれぞれビオチンと32Pを有す
る)と共に添加した、種々の回数でサイクルを行なった
後、5μのPCR混合物を取り出して、ストレプトアビ
ジン担持磁性ビーズに結合させた。
種々のサイクルにおいて標識ビーズを検出した結果を
図6に示す。対照菌体(バチルス・サチルスとストレプ
トコッカスG148)に対するバックグラウンドとしての標
識度は低く、一方、特異的菌体(スタフィロコッカス・
オーレウス)に対する標識度は高かった。
この例は、高レベルの標識をPCR増幅物に導入できる
こと、並びに本明細書中に記載した固相技術を用いて検
出できることを示している。嵌込(nested)プライマー
を使用することによって、バックグラウンドの標識度を
減少させることができる。
(c)ハンドル配列プライマーを用いる固相嵌込PCR法 汎用プライマー対を用いて、固体担体と標識とをイン
ビトロ増幅物に導入する新しい手法を図7に示す。1
(b)に記載した二重PCR法を用いて、DNA領域の特定部
分の配列を増幅する。第2プライマー対は、各々の5′
末端に、分析すべきDNAとは相補的でないある特定のハ
ンドル配列を含んでいる。このようにして、第2段階の
PCRで増幅された物質は2種類の異なるハンドル配列が
その末端領域に導入される(図7参照)。それぞれビオ
チン又は標識を含む汎用プライマー対を用いる第3段階
のPCRをその後で行なう。そうすると、増幅物はビオチ
ン化されかつ標識される。固体担体に結合させた後、結
合標識量を検出する。
この概念を検討するために、スタフィロコッカス・オ
ーレウス、バチルス・サチルス及びストレプトコッカス
G148の菌体をそれぞれ別個に用い、図1に示したオリゴ
ヌクレオチドを用いてインビトロ増幅を行なった。1
(b)に記載した通り、第1段階のPCRにRIT3とRIT4を
使用した。25サイクル後、混合物をヌクレオチド含有緩
衝溶液で1:1に稀釈し、さらに1ユニットのTaqポリメラ
ーゼを、1mMのオリゴヌクレオチドRIT1、RIT2、RIT6
(5′末端にビオチンを有する)及びRIT2(5′末端に
32Pを有する)と共に添加した。種々の回数でサイクル
を行なった後、5μのPCR混合物を取り出して、上述
した通りストレプトアビジン含有磁性ビーズに結合させ
た。
異なるサイクルにおいて標識ビーズを検出した結果を
図8に示す。対照菌体(バチルス・サチルスとストレプ
トコッカスG148)に対するバックグラウンド標識度は比
較的低く、一方15サイクル後の特異的菌体(スタフィロ
コッカス・オーレウス)に対する標識度は高かった。
この例は、汎用ビオチン及び標識プライマーを用いる
ことによって、高レベルの標識を特異的にPCR増幅物に
導入できることを示している。上記プライマーは検出し
たDNAと相同なものではないが、バックグラウンドを低
レベルに抑えることができた。
例2 ハンドル法によるスタフィロコッカスとストレプトコッ
カスの固相D−PCR検出 ストレプトコッカスのタンパク質A遺伝子(図1)又
はスタフィロコッカスのタンパク質G遺伝子(図2)の
いずれかに特異的なオリゴヌクレオチドを使用して、ハ
ンドル法を用いる特定DNAのD−PCR検出をさらに試験し
た。スタフィロコッカス・オーレウスSA113、バチルス
・サチルス168又はストレプトコッカスG148のいずれか
の菌体を二組のオリゴヌクレオチドで分析した。
第2段階のPCRがRIT5、RIT6(ビオチンを有する)とR
IT2(32Pで末端標識)の3種類のオリゴヌクレオチドし
か含んでいなかったことを除いては、例1に記載した通
り、スタフィロコッカス遺伝子の検出を行なった。スト
レプトコッカス遺伝子の検出は、第1段階のPCR(25サ
イクル)に対してはプライマーRIT8及びRIT9を使用し、
第2段階のPCRに対してはRIT10、RIT6(ビオチンを有す
る)とRIT11(32Pで末端標識)を使用して、上記手順と
同じ手順で行なった。第2段階のPCRを15サイクルで終
えて、増幅物を例1記載のストレプトアビジン被覆磁性
粒子に結合させた。
検定結果を図9に示す。スタフィロコッカス・オーレ
ウス特異性オリゴヌクレオチド(黒塗りの棒)とストレ
プトコッカス特異性オリゴヌクレオチド(斜線棒)との
2組のオリゴヌクレオチドを使用しても、それぞれの対
照菌体に対しては比較的低いバックグラウンド標識が得
られる。2組のプライマーに対して、特異的菌体を分析
するとかなりの量の標識がインビトロ増幅物に導入され
ている。この例は、上記概念が、どちらの検定にも同一
の汎用ビオチン化ハンドルプライマーを用いて、2種類
の異なる細菌の検出に使用できることを示している。
例3 この例は、図10に図解した通り、DNAフラグメントの
精製並びにPCR増幅フラグメントの検出にDNA結合性タン
パク質を使用することに関する。
(a)DNA結合性融合タンパク質の構築と解析 DNA結合性リプレッサー分子をコードするスタフィロ
コッカスタンパク質A(SPA)遺伝子と大腸菌lac I遺伝
子を含んでなる融合遺伝子を構築した。lac I遺伝子の
端の終止コドンにインビトロで変異を導入することがで
きるように(こうして解読枠をつくる)、該遺伝子をま
ずpEMBL9にクローン化した。ドナープラスミドpSI.1をP
st IとBamH Iとで消化して、1080塩基対のlac I遺伝子
を含む1361塩基対のフラグメントを得た。このフラグメ
ントを単離して、pEMBL9のmp9リンカー中の同じ部位間
に挿入した。
形質転換後、大腸菌JM103をアンピリシン、X−gal及
びIPTGからなるプレート上に植え、白色コロニーを単離
した。一本鎖DNAを感染させしかもf1ファージ由来の複
製起点を保有するpEMBL系ベクターでパッケージングす
るためにパッケージング欠失ヘルパーファージM13K07を
使用して、上記コロニーの一つから得たプラスミドDNA
でJM103を形質転換して、一本鎖プラスミドDNA pEMBL/l
ac Iを得た。合成オリゴヌクレオチド(5′−ATTCCCGG
GATCCTCTGCCCGCTTTCCAG−3′)を使用して、上記一本
鎖鋳型上での不適性プライマー伸長反応を行なった。プ
ライマー伸長反応に関する条件は、カーター(Carter)
の記載した条件(17)と基本的に同一であった。伸長反
応で得たDNAを使用して大腸菌JM103を形質転換した。変
異プラスミドpEMBL/lac I STOPは、アンピシリン、X−
gal及びIPTGを含む寒天プレート上の青色コロニーで選
択した。図11にこのインビトロ変異導入法を図解した。
星印で示すヌクレオチドは変異導入時に欠失するもので
ある。
EcoR VとXmaで、プラスミドpEMBL/lac I STOPから終
止コドンをもたない変異lac I遺伝子の3′末端を切り
出して291塩基対のフラグメントを得た。単離したフラ
グメントを、同じ制限酵素で消化しておいたpDMI.1に連
結した。pDMI.1プラスミドは3つの主要構成要素、即
ち、lacリプレッサーを過剰に生産するlac Iq遺伝子、
カナマイシン耐性を与えるネオマイシンホスホトランス
フェラーゼ遺伝子、及びp15Aレプリコンからなる。得ら
れた構築プラスミドpDMI.1 STOPは変異lac Iをコードし
ている。pNSEQ1ベクターから、タンパク質Aの一部分を
コードするフラグメントをBamH1で切り出して単離し
た。このフラグメントを、プラスミドpDMI.1 STOPプラ
スミド中のlac I遺伝子の3′末端にあるユニークなBam
H1部位に挿入した。この新規プラスミドpRIT34は1926塩
基対のlac I−SPA融合遺伝子をコードする。
プラスミドpRIT34を保有する大腸菌HB101株を、酵母
エキス(7g/)とカナマイシン(50mg/)を添加した
トリプシン消化大豆ブロス(30g/)(ディフコ(Difc
o)社、米国)を含むバッフル付きエーレンマイヤーフ
ラスコ中で一晩増殖させた。超音波処理した菌体から、
マトリックス結合IgG上でのアフィニティークロマトグ
ラフィーによって、分子量70.6kDA(アミノ酸配列から
推定)の融合タンパク質を精製した。アフィニティー法
で精製したタンパク質を溶離して凍結乾燥した後、SDS
−PAGEで分析した。産生水準は培養液1当り約20mgで
あった。アフィニティー法で精製したタンパク質のほぼ
90%が完全な長さを有していた。
この例は、組換え宿主中でlac I−SPA融合タンパク質
を生産できること、並びに該融合タンパク質をIgGが共
有結合した固体担体上で固定化及び精製できることを示
している。
(b)DNAフラグメントの精製 プラスミドpEZZT308 DNAをHgiA I及びNot Iで消化し
て、85塩基対、497塩基対、676塩基対、1161塩基対及び
1183塩基対の異なる長さのフラグメントを得た。676塩
基対のフラグメントがlacオペレーター配列を含んでき
た。消化したDNAを濃度140ng/μに稀釈した後3等分
した。pRIT34を保有するHB101溶解物をIgG−セファロー
スと室温で1時間混合した。該溶解物中に存在するlac
I−SPA融合タンパク質はそのSPA部分を通してIgG−セフ
ァロース上に固定化された。0.1M Tris、0.15M NaCl及
び0.1% BSAから成る洗浄用緩衝液(pH7.4)で十分に洗
浄して過剰の融合タンパク質を除去した後、100μの
固定化lac I−SPA融合タンパク質をプラスミドpEZZT308
の消化DNA 100μと室温で混合した。上清を分析した
ところ、676塩基対のフラグメントがゲルに選択的に結
合した(図12、レーン3)。
繰り返し洗浄した後、1mMのIPTGと共に室温で45分間
インキュベートしたところ、上記フラグメントが溶離し
た(図12、レーン4)。図12(レーン1及びレーン2)
に示すように、溶解物を含まないIgG−セファロース
(レーン1)又はpDMI.1保有HB101の溶解物と混合したI
gG−セファロース(レーン2)を使用した陰性対照試料
では、カラムへのDNAの特異的結合はほとんどもしくは
全く起こらなかった。レーンMはマーカーDNAを示す。
このことは、タンパク質A−IgG複合体を介して固体
担体に固定化した後も、上記融合タンパク質のDNA結合
性部分が機能性を有していることを示している。これ
は、図10に概略を図解した手順で、フラグメントをカラ
ムに固定化し、IPTG溶液で溶離できることを示してい
る。
(c)PCR増幅DNAフラグメントの検出 PCR法を用いることによって、僅か1個の鋳型DNAから
複数の目的DNAのコピーを生じさせることが可能になっ
た。本発明者らは、上記の通り、スタフィロコッカス・
オーレウス及びストレプトコッカスG148のゲノムの特定
DNAとハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドを設計
し、バチルス・サチルスなどを対照としてそれらの種特
異性を示した。2組の嵌込プライマーを使用する二重PC
R法は、上述の通り、非特異的DNAフラグメントの増幅を
減少させるのに使用できる。以下に、フランキングプラ
イマーを用いた25サイクルの第1段階増幅と、それに続
く固定化及び検出用嵌込ハンドルプライマーを用いた15
サイクルの増幅について説明する。ハンドルプライマー
は、5′末端にビオチンを有するRIT6、及びlacオペレ
ーター配列を有するRIT11とRIT12であった。用いたこれ
らのプライマーを図2及び図13に示す。PCR増幅は例2
と同様に行なった。
使用手順を図10Bに図解する。lac I−SPA融合タンパ
ク質のIgG−セファロースへの固定化を、洗浄用緩衝液
が0.1M Tris、0.15M NaCl、0.1%ツイーン20(Tween 2
0)、1mM MgCl2及び0.1mM ZnCl2からなっていたことを
除いては例3(b)と同様に行なった。上記固定化融合
タンパク質を担持したIgG−セファロース100μを、増
幅PCR混合物(洗浄用緩衝液で500μまで稀釈)20μ
と室温で60分間混合した。増幅DNAは、ハンドルのlacオ
ペレーター配列とlac I−SPA融合タンパク質のlac I部
分との相互作用にとって上記セファロースに結合する。
次いで、セファロースビーズを1.5mlの洗浄用緩衝液で
3回洗浄した。結合増幅DNAの検出は上記混合物に100μ
のストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ結合
体を添加し、30分間静置することによって行なった。図
10Bに示すように、ストレプトアビジン−アルカリホス
ファターゼは5′ビオチンを介して増幅DNAに結合す
る。1.5mlの緩衝液で3回洗浄して過剰の結合体を除去
した。次に500μのアルカリ性緩衝液を添加し、温度
を37℃に調節し、次いで500μの基質を添加した。酵
素反応を40μの0.5M NaOHで停止し、活性を分光光度
計を用いて(405nmにおける1秒当りの吸光度変化で)
測定した。
図14及び図15は、スタフィロコッカス・オーレウスに
対する特異的オリゴヌクレオチド(図14)又はストレプ
トコッカスG148に対する特異的オリゴヌクレオチド(図
15)を使用した結果を示している。どちらのオリゴヌク
レオチドに対しても、バックグラウンドレベルを遥かに
越える大きな吸光度変化が得られた。このことは、固定
化された融合タンパク質がlacオペレーター含有DNAフラ
グメントの回収に使用できること、結合したDNA分子を
簡単な呈色反応によって検出できること、並びに同じ固
定化融合タンパク質の呈色反応を異なる増幅DNAフラグ
メントの検出に使用できることを示している。
例4 この例は、臨床上極めて重要な感染体についても検出
できることを示しており、DIANA法を用いて臨床血液検
体中のプラスモジウム・ファルシパルムDNAの存在を決
定した。
図16に示す5種類のオリゴヌクレオチドを使用して、
図10に図解した2段階PCR法を行なった。プラスモジウ
ム・ファルシパルム特異性プライマーはPf155/RESA遺伝
子中のエクソンIIの5′末端にハイブリダイズする(2
1)。この遺伝子は寄生体抗原をコードしており、未来
のマラリアワクチン候補と考えられている(22,23)。P
f155/RESA遺伝子は、これまで僅か2株の寄生体におい
てしか特徴付けられていない(21)。この遺伝子の5′
領域を選択したのは、僅かに変化しているかもしれない
が種々の株の間で比較的保存されていると考えられてい
るからである。上記特徴付けのなされた2株において、
第1プライマー対は428塩基対のフラグメントを生じ、
第2プライマー対は398塩基対のフラグメントを生ず
る。
アフリカのガンビアの患者から得た14検体について、
例3と同様に二段階PCR増幅法を行なった、得られた物
質をlac I含有セファロース(例3)で捕捉し、ストレ
プトアビジン−アルカリホスファターゼ結合体で検出し
た。この検定結果を図17に示す。ここで、検定感度を調
べるために寄生度の低い患者からの検体をも含んでいた
ことに留意されたい。顕微鏡下で陽性であった検体は、
検体を僅か1μしか用いなかったDIANA法においても
すべて陽性であった。10寄生体ゲノムが、バックグラウ
ンドよりもかなり大きくはっきりと識別できる信号によ
って、再現性をもって検出できた。
例5 この例では、陽性検体の直接的な固相配列決定ができ
るように設計したポリメラーゼチェーンリアクション
(PCR)法で増幅した特定ゲノムDNAフラグメントの高速
比色検出系を説明する。増幅物は、ビオチン−ストレプ
トアビジン系を用いて磁性ビーズに固定化する。lacオ
ペレーター配列は、嵌込プライマー法の第2段階におい
て増幅物に導入される。この21塩基対の配列を大腸菌la
cリプレッサーとβ−ガラクトシダーゼとからなる融合
タンパク質と共に汎用比色検出に使用する。その後、陽
性試料をアルカリ処理すると、直接的なゲノム配列決定
に適した一本鎖鋳型DNAを得ることができる。固定化さ
れた増幅核酸を検出するこの方法(DIANA)は、自動化
又は半自動化された臨床検査に十分に適合している。本
方法が臨床検体中のクラミジア・トラコマティスのゲノ
ムDNAの検出並びに配列決定に利用できることを以下に
示す。
(a)基本概念 磁性ビーズを固相として用いた特異的インビトロ増幅
物の検出及び配列決定法を図18に示す。第1段階は、目
的DNA配列に特異的なオリゴヌクレオチドによる標準的P
CRである。多くのサイクル、即ち25〜35サイクルを行な
って、第2PCR段階で使用することのできる多数の鋳型分
子を得る。目的DNAを含まない検体に対しては、上述の
通り、無作為DNAの非特異的増幅が起こるであろう。第1
PCR段階で得られた物質を稀釈した後、内側プライマー
と共に第2PCR段階に使用する。この内側プライマーは、
第1段階で増幅されたDNAフラグメント内の配列に対し
て特異的である。該プライマーの一つはビオチン化され
ており、もう一方は21個のヌクレオチドからなるlacオ
ペレーター「ハンドル」を含んでいる。従って、きちん
と増幅すると、該フラグメント中にビオチンとlacオペ
レーターの導入された特異的DNAを生じる。第2段階のP
CR反応は第1段階よりも少ない15サイクルで行なう。従
って、非特異的DNAを含む試料に対しては、ビオチンとl
acオペレーターとを含むフラグメントは極めて低い収量
でしか得られない(図18)。
しかる後、ビオチン化された物質を、ビオチンとスト
レプトアビジンとの間の相互作用を利用して、ストレプ
トアビジンとカップリングした磁性ビーズに捕捉する。
こうして、ビオチン化されていないフラグメントを容易
に取り除くことができる。lacリプレッサー(lac I)と
β−ガラクトシダーゼ(lacZ)とからなる組換え融合タ
ンパク質をビーズに加え、β−ガラクトシダーゼ酵素に
対して特異的な発色性基質を添加することによって、結
合した酵素結合体を検出する。
この比色法で陽性と認められた検体は、直接アルカリ
で処理して、結合した融合タンパク質を除去し、かつビ
ーズに固定化された二本鎖DNAを融解させることができ
る。ビオチン−ストレプトアビジン複合体はこの処理に
耐えるので、かかる一段階溶離法を用いると、配列決定
に適した一本鎖鋳型が得られる。従って、別の鋳型を調
製しなくても、固相DNA配列決定用のプロトコル(24)
を続けることができる。最終的にはホルムアミドを用い
て伸長物質をビーズから溶離させ、配列決定用のゲルに
上層する。この固相法は、沈殿、遠心分離、脱塩を必要
とせず、再現性をもって配列情報を得ることのできるよ
うな汚染のない鋳型(24)を与える。
(b)合成プライマーの設計 クラミジア・トラコマティスは、真核細胞宿主内での
偏性寄生生活環によって特徴付けられるグラム陰性細菌
である。臨床学的、生物学的かつ分子論的な特徴に基づ
いて、ヒトから単離されたクラミジア・トラコマティス
は、2種類の生物学的変異株(バイオバル(biovar))
と15種類の血清型変異株(セロバル(serovar))に分
類される(25,26)。血清型変異株L1、L2及びL3は、リ
ンパ系組織に関わる比較的侵襲性の高いクラミジア性疾
病に関連しており、臨床上重要である(27)。
クラミジア・トラコマティスの血清型変異株L1及びL2
から若干の遺伝子が単離され、特徴付けられている。そ
の中には血清型変異株L1(28)及びL2(29)由来の外膜
主要タンパク質(major outer membrane protein,MOMP
と略す)並びに血清型変異株L1由来の外膜システイン富
有タンパク質(outer membrane cysteine rich protei
n,CrPと略す)(20)が含まれる。図18に示す通り、CrP
遺伝子配列を目的DNAとして使用し、クラミジア・トラ
コマティスをモデル系としてDIANA検査法を行なった。
システイン富有(Cr)タンパク質はクラミジアの基体小
体のエンベロープ(elementary body envelope)の構造
上の完全性(integrity)を保つのに必要であると示唆
されており(30)、クラミジア・トラコマティスのペプ
チドグリカンが見掛け上存在しないとすると(31)Crタ
ンパク質は特に重要である。従って、この遺伝子は侵襲
性クラミジアにとって最も必須なものと思われ、臨床検
体中のクラミジアDNAを検出するための標的として使用
できる可能性が高い。
クラミジア・トラコマティス血清型変異株L12のCrPコ
ード領域の中央部分に対して特異的な4種類のオリゴヌ
クレオチドプライマーを合成した。この4種類のプライ
マーの配列を図19に示すが、CrP遺伝子中の目的DNAの位
置も同時に示した。2つの外側プライマーはそれぞれか
ら421塩基対とハイブリダイズし、内側プライマーは267
塩基対離れている。内側プライマーの一方(RIT25)に
はビオチンが共有結合しており、もう一方の内側プライ
マー(RIT26)の5′末端には大腸菌lacオペレーター配
列(詳細については「材料及び方法」を参照)に対応す
る21塩基対のハンドルが付いている。
PCR増幅物の磁性ビーズ上への固定化 クラミジアのCrPコード領域を増幅するように設計し
たプライマーの有効性を検討するために、クラミジア・
トラコマティス血清型変異株L2の培養液を用いて標準的
なアガロース検査法を行なった。菌体をPCR緩衝液中で
直接溶解し、外側プライマー(RIT23及びRIT24、図19)
を用いてCrP遺伝子を25サイクル増幅した。得られた物
質を100倍に稀釈した後、内側プライマー(RIT25及びRI
T26、図19)を用いて第2PCR段階を15サイクル行なっ
た。用いたPCR乾燥液は、20mM TAPS(pH9.3)、8mM MgC
l2、及び0.2%トリトンX(Triton X)を含有してい
た。PCR緩衝液(10μ)で満たしたPCRチューブに臨床
綿棒を入れて該チューブの壁にこすりつけた。続いて、
菌体を溶解するためにチューブを99℃に5分間加熱し、
しかる後に氷中で冷却した。この溶融混合物に、0.2mM
dNTP、0.2mMの各プライマー及び1.0ユニットのTaqポリ
メラーゼ(ベーリンガー・マンハイム社、スウェーデ
ン)を含有するPCR緩衝液90μを添加した。このPCRに
おける1回の温度サイクルは、95℃の鋳型の変性0.5分
間、58℃でのプライマーのアニーリング1分間、及び72
℃でのプライマーの伸長1分間であった。
第1段階のPCRで得られた物質と第2段階のPCRで得ら
れた物質をそれぞれストレプトアビジン含有磁性ビーズ
と混合し、その上清をアガロースゲル電気泳動法によっ
て分析した。
ストレプトアビジンがカップリングした磁性ビーズ、
即ちダイナビーズM280−ストレプトアビジン(31)はダ
イナル社(ノルウェー)から入手した。ネオジム−鉄−
ホウ素永久磁石(ダイナル社、ノルウェー)を使用し
て、洗浄工程の際にビーズを沈降させた。該ビーズ300
μgを85μのPCR混合物と混合して、室温で20分間イ
ンキュベートした。このビーズは、上述の通り、TST緩
衝液で十分に洗浄した。
その結果(図20)、第1段階のPCRで予想通りの大き
さ(421塩基対)の特異的バンド(レーン3)が得られ
たが、これは磁性ビーズとは結合しない(レーン4)。
これに対して、第2段階のPCR(レーン1)で得られた
大きさの小さい(267塩基対)物質は磁性ビーズに効率
よく捕捉される(レーン2)。達成された固定化収率は
95%以上で、固体担体上にDNAを捕捉する上でのビオチ
ン−ストレプトアビジン系の有効性を実証している。
(c)lac I−lacZ融合タンパク質の精製 lac IとlacZの融合遺伝子を有する大腸菌XAc/Δ14株
(33)は、lac Iリプレッサー活性とβ−ガラクトシダ
ーゼ活性を同時に有する融合タンパク質をコードする。
この大腸菌株を、酵母エキス(7g/)を添加したトリ
プシン消化大豆ブロス(30g/)(ディフコ社、米国)
を含むバッフル付きエーレンマイヤーフラスコ内で37℃
で一晩増殖させた。0.1% BSA、0.1mM ZnCl2、0.1mM Mg
Cl2及び10mM β−メルカプトエタノールを添加したTST
緩衝液(0.1mM Tris−HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.1
%ツイーン)中で超音波処理して細胞抽出液を得た(3
4)。融合タンパク質は硫安塩析法で精製し、25%〜45
%飽和の硫安画分を使用した。次いで、ヘパリン−セフ
ァロースカラム(ファルマシア社、スウェーデン)にア
フィニティー結合させた。融合タンパク質は、0.25M KC
l及び15%グリセロール緩衝液中で溶離させた。
(d)臨床検体中のクラミジアの比色DIANA 図18に図解したDIANA法の概念について、ヒト泌尿系
由来の幾つかの臨床検体を使用して検討した。同一検体
について、標準的な細胞培養検査法(35)を並行して行
なった。クラミジア・トラコマティス血清型変異株L2の
培養液(図21)をこの検査における陽性対照検体として
使用した。
9検体を例5(b)と同様に増幅し、得られた物質を
ダイナビーズM280−ストレプトアビジン上に固定化し
た。
lacリプレッサー酵素結合体(例5(c))からなる
組換え融合タンパク質を加えた。
DNAの固定化されたビーズを、脱塩した融合タンパク
質(lac I−lacZ、光学密度=0.2)200μ及び超音波
処理したニシン精液DNA 200μと共に、エッペンドル
フチューブ内で30分間混合した。このビーズをTST緩衝
液で洗浄した。基質のo−ニトロフェニル−β−D−ガ
ラクトシド(ONPG)を添加し、室温で吸光度変化を測定
した。1分間に405nmにおける吸光度が1単位変化した
ときの酵素活性を1ユニットとして定義した。
図21に示す結果は、DIANA検査と従来の細胞培養検査
法との間に良好な相関関係が成り立つことを実証してい
る。陰性検体に対する吸光度は極めて低く、二段階PCR
法で得られるバックグラウンドレベルが低いことが確認
できる。
(e)陽性検体の固相DNA配列決定 DIANA検査(図21)で得られた陽性検体すべてについ
て、図18に図解した固相法を用いて直列配列決定した。
結合DNAフラグメントの一方の鎖と酵素結合体とをアル
カリで同時に溶離させ、残る固定化DNA鎖をゲノム配列
決定用の鋳型として使用した。lacオペレーター配列に
対応する蛍光プライマーを使用した。
室温で10分間、0.15M NaOHで鎖を融解することによっ
てDNAの配列決定を行なった。ビーズを50μのTE緩衝
液(0.1M Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA)で3回洗浄
した。プライマーをアニールするために、10mM Tris−H
Cl(pH7.5)、100mM NaCl、10mM MgCl2及び0.1mg/ml BS
Aを含む緩衝液を2pmolのRIT43プライマーと共に混合し
て全量を17μとした。アニーリング混合物を65℃で加
熱し、室温に冷却した。しかる後、この混合物に、1μ
のM1D溶液(ファルマシア社)と3ユニットのT7 DNA
ポリメラーゼ(ファルマシア社)を添加して全量を20μ
とした。上記溶液4.5μに、ファルマシア社製のヌ
クレオチド混合物(A,C,G及びT)2.5μを混合し、37
℃で10分間インキュベートした。H2Oでビーズを洗浄
し、3μの脱イオン化ホルムアミドと共に85℃でイン
キュベートしてDNA鎖を変性させた。生じた一本鎖4μ
を、A.L.F.配列決定装置(ファルマシア・エル・エー
・ビー(Pharmacia LKB AB)社、スウェーデン)上の7
%ポリアクリルアミドゲルにのせた。
陽性検体すべてについて明瞭な塩基配列が得られた
が、検体の一つについて(図21のNo.1)得た結果を図22
に示す。
引用文献及び引用事項 1.Boyer,H.W.,Roulland−Dussoix,D(1969)J.Mol.Bio
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cal Bulletin第39巻181−186頁

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定DNAの同定方法にして、検体中のDNA
    を、目的DNAに特異的な第1プライマー対を用いたポリ
    メラーゼ・チェーン・リアクション(PCR)法による第
    1段階の増幅に付し、このようにして生じた増幅DNA
    を、第2プライマー対を用いたPCR法によってさらに増
    幅し(ここで該第2プライマー対の一方又は両方は、上
    記第1プライマー対のいずれとも異なり、目的DNAの上
    記第1プライマー対とのハイブリダイゼーション部位間
    の1カ所以上の配列に特異的なものであって、該第2プ
    ライマー対の一つは磁性粒子を含む固体担体上に固定化
    されているか或いは後で上記固体担体に結合させるため
    の手段を与えられており、かつ第2プライマー対のもう
    一方は標識を保有しているか或いは後で標識に結合させ
    るための手段を与えられている)、かかる増幅後に上記
    増幅DNAを保有する固体担体を分離して、それに結合し
    た標識を検出する(ここで上記後で結合させるための手
    段の一方もしくは両方は、当該プライマーによって保有
    される遠位DNA配列にして目的DNAとはハイブリダイズし
    ないが上記固体担体又は標識のいずれかに結合した結合
    パートナーに対して選択的親和性を有するような遠位DN
    A配列を含んでなる)ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、前記固体担
    体が単分散型超常磁性粒子を含んでなることを特徴とす
    る方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の方法におい
    て、前記プライマー又は増幅DNAが、ビオチン/アビジ
    ン又はビオチン/ストレプトアビジン結合によって前記
    固体担体に結合していることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載
    の方法において、前記プライマー又は増幅DNAが、前記
    標識を保有するDNA結合タンパク質と該DNAとの結合によ
    って該標識に結合していることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の方法において、前記DNA結
    合タンパク質がlac Iであって、それが結合する前記DNA
    がlacオペロンであることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の方法において、前記lac I
    タンパク質が、酵素標識と融合していることを特徴とす
    る方法。
  7. 【請求項7】特定DNAの同定方法にして、検体中のDNA
    を、目的DNAに特異的な第1プライマー対を用いたポリ
    メラーゼ・チェーン・リアクション(PCR)法による第
    1段階の増幅に付し、このようにして生じた増幅DNA
    を、第2プライマー対を用いたPCR法によってさらに増
    幅し(ここで該第2プライマー対の一方又は両方は、上
    記第1プライマー対のいずれとも異なり、目的DNAの上
    記第1プライマー対とのハイブリダイゼーション部位間
    の1カ所以上の配列に特異的なものであって、該第2プ
    ライマー対の一つはビオチン/アビジン又はビオチン/
    ストレプトアビジン結合によって固体担体上に固定化さ
    れているか或いはビオチン、アビジン又はストレプトア
    ビジンのいずれかである後で上記固体担体に結合させる
    ための手段を与えられており、かつ第2プライマー対の
    もう一方は標識を保有するlac Iタンパク質に結合する
    ことができるlacオペロン配列を含む後で標識に結合さ
    せるための手段を与えられている)、かかる増幅後に上
    記増幅DNAを保有する固体担体を分離して、それに結合
    した標識を検出する(ここで上記後で結合させるための
    手段の一方もしくは両方は、当該プライマーによって保
    有される遠位DNA配列にして目的DNAとはハイブリダイズ
    しないが上記固体担体又は標識のいずれかに結合した結
    合パートナーに対して選択的親和性を有するような遠位
    DNA配列を含んでなる)ことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の方法において、前記固体担
    体が磁性粒子を含んでなることを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載の方法において、前記固体担
    体が単分散型超常磁性粒子を含んでなることを特徴とす
    る方法。
  10. 【請求項10】請求項7記載の方法において、前記固体
    担体が、微量滴定用ウェル、計量棒、非磁性粒子、繊維
    又はキャピラリーであることを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】請求項7乃至請求項10のいずれか1項記
    載の方法において、前記プライマーが前記固体担体に結
    合させるための手段としてビオチンを備えていることを
    特徴とする方法。
  12. 【請求項12】請求項7乃至請求項11のいずれか1項記
    載の方法において、前記lac Iタンパク質が、酵素標識
    と融合していることを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】請求項1乃至請求項12のいずれか1項記
    載の方法において、前記遠位DNA配列の結合パートナー
    が、該遠位DNA配列と相補的な第3段階DNAプライマーで
    あって、これを1回以上のPCRサイクル後のPCR反応に添
    加して、固体担体又は標識に結合した第3段階プライマ
    ーを増幅した目的DNAに取り込ませることを特徴とする
    方法。
  14. 【請求項14】請求項1乃至請求項13のいずれか1項記
    載の方法において、前記固体担体上に固定化した二本鎖
    増幅目的DNAを一本鎖型に変換して配列決定に付するこ
    とを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】請求項14記載の方法において、前記遠位
    DNA配列がlacオペロンであって増幅した目的DNAがlacオ
    ペロンを3′末端で取り込むようなものであり、増幅DN
    Aの検出を、酵素標識に融合したlac Iを添加して、汚染
    物質を除去した後、該酵素に信号を発生せしめることに
    よって行い、上記検出の後、二本鎖固定化DNAを鎖分離
    に付して生じた固定化一本鎖DNAを配列決定に付すこと
    を特徴とする方法。
  16. 【請求項16】請求項1記載の方法を実施するためのキ
    ットにして、少なくとも以下の構成成分: (a)磁性ビーズを含む固体担体にして、(i)増幅さ
    れた目的DNAに結合させるための手段、(ii)プライマ
    ーに結合させるための手段又は(iii)プライマー、を
    保有する担体、 (b)(i)増幅された目的DNAに結合させるための手
    段、(ii)プライマーに結合させるための手段又は(ii
    i)プライマー、を保有する標識、 (c)外側プライマー対及びDNAハンドルを備えた1種
    以上の内側プライマーにして、上記の(a)の担体又は
    (b)の標識に結合していないもの、 (d)ポリメラーゼ、 (e)PCR反応用の緩衝液、及び (f)固定化DNA保有担体を洗浄するための洗浄用緩衝
    液 を含んでなるキット。
  17. 【請求項17】請求項7記載の方法を実施するためのキ
    ットにして、少なくとも以下の構成成分: (a)(i)増幅された目的DNAに結合させるための手
    段、(ii)プライマーに結合させるための手段又は(ii
    i)プライマー、を保有する固体担体にして、上記手段
    がアビジン、ストレプトアビジン又はビオチンを含むか
    或いは上記プライマーがビオチン/アビジン又はビオチ
    ン/ストレプトアビジン結合によって結合されている担
    体、 (b)(i)増幅された目的DNAに結合させるための手
    段、(ii)プライマーに結合させるための手段又は(ii
    i)プライマー、を保有する標識にして、上記手段がlac
    Iタンパク質を含むか或いは上記プライマーがプライマ
    ー中のlacオペロン配列と上記標識によって保有されるl
    ac Iタンパク質との間の結合によって上記標識に結合さ
    れている標識、 (c)外側プライマー対及びDNAハンドルを備えた1種
    以上の内側プライマーにして、上記の(a)の担体又は
    (b)の標識に結合していないもの、 (d)ポリメラーゼ、 (e)PCR反応用の緩衝液、及び (f)固定化DNA保有担体を洗浄するための洗浄用緩衝
    液 を含んでなるキット。
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