JP3152256B2 - ガラス板の徐冷方法 - Google Patents

ガラス板の徐冷方法

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JP3152256B2 JP17027392A JP17027392A JP3152256B2 JP 3152256 B2 JP3152256 B2 JP 3152256B2 JP 17027392 A JP17027392 A JP 17027392A JP 17027392 A JP17027392 A JP 17027392A JP 3152256 B2 JP3152256 B2 JP 3152256B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス板の徐冷方法に
関し、特に電子機器に用いられるガラス板を徐冷するの
に好適な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器産業の発達に伴い各種電
子機器、とりわけ液晶やエレクトロルミネセンス、プラ
ズマディスプレイといった表示装置あるいはイメージセ
ンサ等の基板ガラスとして、厚さ0.03〜1.5mm
のガラス板が多量に用いられるようになってきている。
【0003】これらの用途に用いられる基板ガラスは、
その上に薄膜電気回路を形成するため、成膜熱処理、パ
ターニング等の処理を受ける。これらの処理は、基板ガ
ラスを高温下に曝す場合があり、そのため基板ガラスに
は、熱的寸法安定性の良いことが要求される。
【0004】例えばTN(Twisted Nemat
ic)及びSTN(Super Twisted Ne
matic)モードの液晶ディスプレイにおける透明導
電膜回路、a−SiTFT(Amorphous−Si
Thin Film Transistor)、p−
SiTFT(Poly−Si Thin FilmTr
ansistor)やその他の各種金属膜や絶縁膜など
の組合せによって形成された液晶ディスプレイの薄膜電
気回路やエレクトロルミネッセンスの薄膜電気回路、プ
ラズマディスプレイの薄膜電気回路及びイメージセンサ
の薄膜電気回路等の製造工程において、基板ガラスが高
温度の熱処理を受けると、ガラスの寸法が変化して所定
寸法を維持できなくなったり、更には回路パターンが所
定の設計よりずれたりする虞れがある。この回路パター
ンのずれは、電気的な性能を維持できなくなるという致
命的な不良の原因となり、用途によっては、100mm
当たり1μm程度の寸法変化も許されないことがある。
【0005】またこのような用途の基板ガラスには、反
りが少なく、ガラス表面の平坦性が良いことも要求され
る。すなわち基板ガラスの平坦性が悪いと露光距離が設
計どおりにならなくなったり、液晶の二枚の基板ガラス
の間隔に差が生じて表示性能を損なうという本質的な問
題から、自動化された製造工程での機械的操作に適合し
ないという付随的な問題まで様々な問題を引き起こし、
用途によっては、基板ガラス全面に亙って数μm〜数十
μmの平坦性が要求される。
【0006】しかしながら公知の工業的な成形法によっ
て製造されたガラス板は、良好な熱的寸法安定性や平坦
性を有しておらず、そのためにガラス板を成形した後、
これを平坦性に優れた耐熱材料からなる下基板に載置し
た状態で、徐冷炉に入れ、歪点付近から軟化点付近の温
度まで加熱し、一定時間保持してから徐冷するという熱
処理を施す方法が一般に採られている。
【0007】徐冷炉は、発熱体が設けられた耐火物から
なる内壁を備え、これによって内部が所定の温度、すな
わち歪点付近から軟化点付近の温度に設定されるように
なっている。
【0008】尚、歪点とは、ガラスの粘度が1014.5
イズの温度、軟化点は、ガラスの粘度が107.6 ポイズ
の温度であり、通常、電子機器の基板ガラスとして使用
される無アルカリガラスの場合、歪点は、約630〜7
50℃、軟化点は、約840〜950℃である。またこ
の用途に使用される硼珪酸ガラスの場合、歪点は、約5
00〜550℃、軟化点は、約750〜800℃であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の徐冷方法による
と、ガラス板の熱的寸法安定性があらかじめ飽和値近く
まで進行するため、熱的寸法安定性が改善されると共
に、ガラス板の表面が軟化変形することによって平坦性
が改善される。
【0010】しかしながら従来の徐冷炉は、上記したよ
うに内壁を発熱体が設けられた耐火物から形成している
ものの、熱処理を繰り返し、あるいは連続的に行うと、
耐火物が疲労によって劣化するため、劣化した部分が炉
内に落下してガラス板を傷付けたり、汚したりする虞れ
がある。
【0011】また内壁に取り付けられている発熱体も使
用している間に、徐々に酸化して微粉が発生し、この微
粉が炉内でガラス板と接触すると、その表面に焼き付い
て汚れの原因となる。
【0012】電子機器に用いられる基板ガラスの場合、
表面の傷や汚れは、外観的に透明性が損なわれるといっ
た問題のみならず、基板上に施される薄膜電気回路が設
計どおりに形成されなくなるため、所望の電気特性が得
られなかったり、断線したりするといった致命的な不良
を引き起こす。特に微細な薄膜電気回路の場合には、わ
ずか数μmの大きさの汚れでさえも問題となる。
【0013】また汚れの場合は、ガラス板の表面を研磨
することによって除去することが可能であるが、研磨コ
ストがガラス板の価格を大幅に上昇させるため好ましく
ない。
【0014】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、ガラス板を徐冷する際、内壁から微
粉等が発生し、表面に傷や汚れが付くのを防止すること
が可能なガラス板の徐冷方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のガラス板の徐冷
方法は、平坦性の良い耐熱性ガラスセラミック板の上
に、熱的寸法安定性及び/又は平坦性の悪いガラス板を
載置した後、発熱体が設けられた内壁の内側に、熱線を
透過する耐熱性ガラスセラミック板からなる防塵壁が形
成されてなる徐冷炉に入れて熱処理することを特徴とす
る。
【0016】また本発明においては、徐冷炉が、ガラス
板を搬送する搬送コンベアーを備え、ガラス板が入って
から出るまでの間に徐冷されるような温度分布を有する
ことを特徴とする。
【0017】本発明で使用する耐熱性ガラスセラミック
板としては、30〜380℃の温度範囲において、−2
0〜20×10-7/℃の熱膨張係数を有するものが適し
ており、より具体的には、重量百分率で、SiO2
5〜70%、Al23 20〜35%、Li2 O 3
〜5%、TiO2 1〜3%、ZrO2 1〜4%、P
25 1〜5%、Na2 O 0〜4%、K2 O 0〜
4%の組成を有し、内部にβ−石英固溶体結晶、あるい
はβ−スポジューメン結晶のいずれかを析出したガラス
セラミックが適しており、特に防塵壁を構成する耐熱性
ガラスセラミック板としては、上記の組成を有し、β−
石英固溶体結晶を析出してなり、熱線が透過する透明材
料を用いる必要がある。
【0018】
【作用】本発明の方法によると、ガラス板を平坦性に優
れた耐熱性ガラスセラミック板に載置した状態で徐冷す
るため、ガラス板の熱的寸法安定性があらかじめ飽和値
近くまで進行し、熱的寸法安定性が改善されると共に、
ガラス板の表面が軟化変形することによって平坦性が改
善される。
【0019】また本発明において使用される徐冷炉内に
形成される防塵壁は、熱線を透過する耐熱性ガラスセラ
ミック板で構成されるため、発熱体からの熱線が効率良
くガラス板に照射され、しかも熱処理を繰り返し、ある
いは連続的に行っても、防塵壁が錆付いたり、疲労して
劣化することがなく、さらに内壁から生じる微粉等が炉
内に入らないような密閉構造にすることが可能となる。
【0020】さらに本発明において、ガラス板を搬送す
る搬送コンベヤーを備え、ガラス板が入ってから出るま
での間に徐冷されるような温度分布の徐冷炉を使用する
と、ガラス板を連続的に徐冷することができるため、高
い生産性が得られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明のガラス板の徐冷方法を実施例
に基づいて詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明において使用する徐冷炉1
0の説明図である。
【0023】図中、徐冷炉10の内壁11は、所定の厚
みの耐火物の所定箇所に複数のニクロム系発熱体12が
取り付けられた構造を有しており、その内側には、多数
の透明耐熱性ガラスセラミック板からなる防塵壁13が
形成されている。防塵壁13は、耐熱鋼からなる骨材
(図示せず)によって密閉構造となるように取り付けら
れ、また内壁11の外側には、所定の厚みの鉄板からな
る外壁14が形成されている。
【0024】徐冷炉10の内部には、耐熱鋼からなる搬
送コンベヤー15が備えられており、駆動ローラー16
が回転することによって、徐冷炉10の長さ方向に所定
の速度で移動するようになっている。
【0025】防塵壁13を構成する透明耐熱性ガラスセ
ラミック板としては、日本電気硝子(株)製のネオセラ
ムN−0が使用され、徐冷炉10の内部は、複数の温度
域に熱仕切りされ、所定の温度分布となるように設定さ
れている。
【0026】次に上記のような徐冷炉10を用いてガラ
ス板を徐冷する方法の一例を説明する。
【0027】まず歪点が700℃、軟化点が900℃で
あり、熱的寸法安定性及び平坦性が悪く、350×45
0×1mmの寸法を有するガラス板を準備した。
【0028】次にこのガラス板を500×500×3m
mの寸法を有する透明耐熱性ガラスセラミック板(ネオ
セラムN−0)の上に載置してから、最高温度が730
℃になるように設定された徐冷炉10内を移動する搬送
コンベヤー15の上に載置し、所定の速度で徐冷炉10
内部を移動させてから取り出し、水で洗浄した後、乾燥
させた。
【0029】こうして徐冷したガラス板の平坦性を調べ
たところ、反りが50μm以内の良好な平坦性を有して
おり、またこれに500℃、3時間の熱処理を施して
も、100mm当たり1μm以内の変化しかなく、良好
な熱的寸法安定性を有していることが確認された。
【0030】またこのガラス板に30000ルクスのハ
ロゲン光を照射して目視で観察したところ、その表面に
は、問題となるように汚れがないことも確認された。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明のガラス板の徐冷方
法によると、ガラス板の表面に汚れを付着させることな
く徐冷でき、ガラス板の平坦性や熱的寸法安定性を良く
することが可能であり、そのため表面を研磨する必要が
ない。しかもガラス板を搬送コンベヤーに載せて移動さ
せるようにすると、効率良く生産することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するために用いる徐冷炉の
説明図である。
【符号の説明】
10 徐冷炉 11 内壁 12 発熱体 13 防塵壁 15 搬送コンベヤー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平坦性の良い耐熱性ガラスセラミック板
    の上に、熱的寸法安定性及び/又は平坦性の悪いガラス
    板を載置した後、発熱体が設けられた内壁の内側に、熱
    線を透過する耐熱性ガラスセラミック板からなる防塵壁
    が形成されてなる徐冷炉に入れて熱処理することを特徴
    とするガラス板の徐冷方法。
  2. 【請求項2】 徐冷炉が、ガラス物品を搬送する搬送コ
    ンベヤーを備え、ガラス物品が入ってから出るまでの間
    に徐冷されるような温度分布を有することを特徴とする
    請求項1のガラス板の徐冷方法。
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