本考案においては、底面部と、内側スリーブ状部を有する内箱部で、内側スリーブ状部の内側側面部の一部が分離部として他の部分と切目線を介して分離可能な内箱部と、内箱部を覆う外箱部で、内側スリーブ状部を構成する各内側側面部に対応して外側側面部を有する外側スリーブ状部と、蓋部とを有し、分離部が設けられた内側側面部に対応した外側側面部には、切目線により形成された片部が分離部と接着されている外箱部と、を有する包装箱において、包装箱に収納された商品がその陳列場所において陳列されていることをその商品の陳列場所(例えば、お店)を訪れた者に強く知らせることができるものを提供するという目的を以下のようにして実現した。
本考案に基づく包装箱Aは、図1〜図7等に示すように構成され、図1、図3、図4、図14等に示すように、内箱部A1と、外箱部A2とを有していて、それぞれが1枚のシート状のブランク(具体的には、紙(段ボール、厚紙等)製のシート状のブランク)により形成されている。
内箱部A1は、全体に上部が開口した容器状を呈し、図3、図5等に示すように、スリーブ状部(内側スリーブ状部)5と、底面部50とを有している。スリーブ状部5は、組立て状態では、底面部50の周囲から立設して形成され、正面部(内側正面部)10と、側面部(内側側面部)20と、側面部(内側側面部)30と、背面部(内側背面部)40と、糊代部42とを有していて、その展開状態は、図5に示すように形成されている。
ここで、正面部10は、内箱部A1の正面の基部を形成する本体部(内側正面部本体部)12と、本体部12から折れ線N1とミシン目を有する切目線M2とを介して形成された接続片部14と、接続片部14から折れ線を介して連設されるとともに、本体部12とはミシン目を有する切目線M1を介して形成された突出揺動表示部16とを有している。
ここで、本体部12は、その下辺と下辺の両側から立設した側辺とは直線状に形成され、一対の側辺は下辺と直角をなしている。また、本体部12の上辺は、接続片部14と突出揺動表示部16の下辺の形状に応じて凹凸に形成されている。すなわち、本体部12の正面視右側においては、三角形状の切欠部が形成され、さらに、該三角形状の切欠部の正面視左側には円弧状の切欠部が形成されている。すなわち、本体部12の上辺は、正面視の右端からは、側面部20の上辺の直線状の傾斜辺から連続して形成された傾斜辺12aが設けられ、該傾斜辺12aから該傾斜辺12aよりも急な角度で下方に傾斜する傾斜辺(該傾斜辺は、折れ線N1と一致している)と、該折れ線N1の下端から斜め上方に傾斜する傾斜辺(該傾斜辺は、切目線切目線M2と一致している)と、該切目線M2の上端(正面視左端)から連設され、円弧状を呈する円弧状辺(該円弧状辺は、切目線M1と一致している)と、該切目線M1の正面視左端から連設され、水平状の片部12bとから構成されている。折れ線N1と一致する傾斜辺と切目線M2と一致する傾斜辺とで、三角形状の切欠部が形成され、円弧状辺により円弧状の切欠部が形成される。
また、接続片部14は、本体部12から直線状の折れ線(第1折れ線)N1と直線状の切目線M2(厳密には、切目線M2から辺部M2aの部分を除いた切目線M2b(第1切目線))とを介して形成され、略三角形状(三角形状としてもよい)を呈している。つまり、略三角形状の二辺は、折れ線N1と切目線M2bにより略V字状に形成され、他の辺部は、突出揺動表示部16との間の水平方向の境界線(折れ線N2)により形成されている。折れ線N1の水平方向に対する角度α12は、切目線M2bの水平方向に対する角度α11よりも大きく形成され折れ線N1は、略垂直方向に形成されている。
また、突出揺動表示部16は、接続片部14から折れ線N2(第2折れ線)を介して連設されるとともに、本体部12とは切目線M2の一部(辺部M2aの部分)と切目線M1を介して形成されていて、略円形の本体部16aと、略三角形状の基端部16bとを有している。この切目線M2の一部(辺部M2aの部分)と切目線M1とが、第2切目線に当たる。
すなわち、本体部16aは、円形の板状を呈し、本体部12とは切目線M1と切目線M2の一部(辺部M2aの部分)を介して連設されている。
また、基端部16bは、本体部16aの斜め下方位置に連設され、折れ線(第2折れ線)N2と、折れ線N2と鋭角をなす直線状の辺部M3と、本体部16aの円弧とに囲まれた略三角形状を呈している。なお、この基端部16bの本体部16aとの接続位置における両側には、互いに平行な短い辺部M2a、M4が形成され、各辺部M2a(M4)と本体部16aの円弧とにより小さな切欠部が形成されている。なお、辺部M2aは、切目線M2の一部をなしている。
正面部10は上記のように形成されていて、その上辺は、辺部12bと、本体部16aの円弧状の辺部と、辺部M4と、辺部M3と、辺部12aにより構成されている。
また、側面部20は、正面部10の正面視における右側の端部から折れ線を介して連設され(つまり、本体部12と折れ線を介して連設されている)、方形状における上側の一部を切り欠いた形状を呈し、その上端の縁部は、凹凸形状に形成され、背面側の端部においては、背面部40の上端の縁部の高さと同じに形成されている。この側面部20は、本体部22と、分離部24とを有している。
ここで、側面部20の上端の領域の一部に切込みK4とミシン目状の切目線K2とからなる境界線で区画することにより分離部24が形成されている。本体部22は、側面部20における分離部24を除いた領域となる。
すなわち、切目線K2は、横方向(略水平方向)に略円弧状に形成され、切込みK4は、切目線K2の背面側の端部から垂直方向(つまり、水平方向(側面部20の下辺の方向)に直角の方向)に直線状に形成されている。つまり、分離部24は、側面部20の上端の領域の一部、すなわち、正面部側の端部から背面部側の端部にまでの上端の縁部に接する領域に形成され、本体部22と切目線K2を介して分離可能に形成されている。
分離部24は、正面側と上面側と背面側が直線状に形成され、下面側が円弧状に形成されるとともに、背面側の上端に略直角三角形状の切欠部が形成されていて、全体に略方形状の下端に円弧状の切欠部が形成された形状となっている。分離部24の上辺は水平方向に形成され、正面側と背面側の辺部は垂直方向に形成されている。つまり、分離部24の下辺は切目線K2により形成され、分離部24の背面側の辺部は切込みK4により形成されている。
分離部24の形状は、外箱部A2の側面の片部126を外側に回動させることにより、分離部24を本体部22から分離し、その後、外箱部A2を上方に引き上げる際に支障とならないように形成されている。つまり、分離された分離部24が本体部22に対して上方に移動する際に支障とならないように、分離部24は、側面部20の上端の領域の一部、すなわち、側面部20の正面側の端部から背面側の端部までの上端の縁部に接する領域の一部に設けられ、切目線K2や切込みK4は水平方向(側面部20の下辺の方向)に対して90度以下に形成されている。例えば、図7に示すように、切目線K2の水平方向に対する角度α1、α2は90度以下に形成され(特に、α2はマイナスの角度である)、また、切込みK4の水平方向に対する角度α3も90度以下に形成されている。仮に、切込みK4の角度が90度よりも大きくなってしまうと、分離部24を本体部22に対して上方に移動させる際に、本体部22が支障となってしまうが、本実施例の場合にはそのようなおそれがない。
本体部22は、側面部20における分離部24以外の部分であり、全体に略L字状を呈し、その屈曲部の内側に分離部24が形成されているといえる。
この分離部24の形成位置は、外箱部A2の片部126の裏側の領域であり、分離部24は片部126の裏側に接着され、片部126を外側に回動させることにより、分離部24も片部126の裏側に接着したまま切目線K2が破断されて、分離部24が本体部22から分離するように形成されている。分離部24は、片部126よりも小さく形成されていて、分離部24の外形が片部126の外形よりもはみだすことがない。なお、分離部24と本体部22との境界をなす切目線K2と切込みK4は、上記切目線となる。
また、側面部30は、正面部10の正面視における左側の端部から折れ線を介して連設され、方形状における上側の一部を切り欠いた形状を呈し、その上端の縁部は、凹凸形状に形成され、背面側の端部においては、背面部40の上端の縁部の高さと同じに形成されている。この側面部30は、本体部32と、分離部34とを有している。この側面部30の構成は、側面部20と前後方向に垂直な仮想的な平面である中心面を介して対称に形成されていて、本体部32は本体部22と対称(展開状態では線対称)に形成され、分離部34は分離部24と対称(展開状態では線対称)に形成されていることから詳しい説明を省略する。
なお、側面部30の上端の領域の一部に切込みK8とミシン目状の切目線K6とからなる境界線で区画することにより分離部34が形成される。
また、分離部34の形成位置は、外箱部A2の片部136の裏側の領域であり、分離部34は片部136の裏側に接着され、片部136を外側に回動させることにより、分離部34も片部136の裏側に接着したまま切目線K6が破断されて、分離部34が本体部32から分離するように形成されている。なお、分離部34と本体部32との境界をなす切目線K6と切込みK8は、上記切目線となる。
また、背面部40は、側面部20の右側面視における右端から折れ線を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。この背面部40の横幅は、正面部の横幅と同一に形成され、背面部40の縦幅は、側面部20、30の縦幅(最大縦幅)と同一に形成されている。
また、糊代部42は、側面部30の左側面視における左端から折れ線を介して連設され、縦方向に細長の帯状台形形状を呈している。この糊代部42は、図3に示すように、その外側の面が背面部40の内側の面に接着されている。
また、底面部50は、第1片部60と、第2片部70と、第3片部80と、第4片部90とを有し、包装箱Aの組立て状態においては、図4に示すように、略方形状を呈している。
ここで、第1片部60は、正面部10の下端から折れ線を介して連設され、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状に形成され、その上面の一部が内箱部A1の内底面の一部を形成している。この第1片部60は、底面部50の組立て状態においては、第4片部90と点対称に形成されている。
また、第2片部70は、側面部20の下端から折れ線を介して連設され、略長方形状に形成され、第2片部70の上面の一部が内箱部A1の内底面の一部を形成している。また、第2片部70の角部(側面部20と背面部40の境界位置の角部)からは第2片部70の側面部20との境界をなす辺部に対して斜めに所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)折れ線70−1(この折れ線70−1は、上面側が山折れ線となっている)が形成され、内箱部A1を折り畳む際に、容易に折り畳むことができるようになっている。第2片部70は、折れ線70−1を介して本体部72と先端部74とに区画される。本体部72の先端の先端部74側には、他方の本体部82と互いに係止するように切欠部72aが形成されている。先端部74の上面は、第4片部90の下面に接着されている。
また、第3片部80は、側面部30の下端から折れ線を介して連設され、底面部50の組立て状態においては、第2片部70と点対称に形成されている。すなわち、第3片部80は、側面部30の下端から折れ線を介して連設され、略長方形状に形成され、第3片部80の上面の一部が内箱部A1の内底面の一部を形成している。また、第3片部80の角部(側面部30と正面部10の境界位置の角部)からは第3片部80の側面部30との境界をなす辺部に対して斜めに所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)折れ線80−1(この折れ線80−1は、上面側が山折れ線となっている)が形成され、内箱部A1を折り畳む際に、容易に折り畳むことができるようになっている。第3片部80は、折れ線80−1を介して本体部82と先端部84とに区画される。本体部82の先端の先端部84側には、他方の本体部72と互いに係止するように切欠部82aが形成されている。先端部84の上面は、第1片部60の下面に接着されている。
また、第4片部90は、背面部40の下端から折れ線を介して連設され、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状に形成され、その上面の一部が内箱部A1の内底面の一部を形成している。
内箱部A1を箱状に組み立てた状態では、正面部10と背面部40とが互いに平行になり、側面部20と側面部30とが互いに平行になり、底面部50を構成する各部材は、正面部10、側面部20、30、背面部40に対して略直角(直角でもよい)となる。また、スリーブ状部5を構成する各部材(正面部10、側面部20、30、背面部40)における隣接する部材は互いに直角となっている。また、内箱部A1は、平板状に折り畳むことができ、正面部10と側面部30との角度を小さくし、背面部40と側面部20との角度を小さくさせるとともに、第2片部70の本体部72を上方に回動させてが側面部20に対して略平行にし、第3片部80の本体部82を上方に回動させてが側面部30に対して略平行にすることにより、図10に示すように、内箱部A1が全体に平板状に折り畳むことができる。また、内箱部A1を折り畳んだ状態では、底面部50を構成する各部は、スリーブ状部5内にスリーブ状部5を構成する正面部10、側面部20、30、背面部40に対して略平行な状態となる。
また、正面部10における突出揺動表示部16を本体部12の正面側に垂らした状態で揺動させることができる。詳しくは後述する。
次に、外箱部A2は、内箱部A1を覆う箱体であり、図1〜図4、図8等に示すように、スリーブ状部(外側スリーブ状部)105と、上面部160、170、180、190とを有していて、その展開状態は、図8に示すように形成されている。
ここで、スリーブ状部105は、組み立てた状態では、四角形状の筒状を呈し、正面部(外側正面部)110と、側面部(外側側面部)120と、側面部(外側側面部)130と、背面部(外側背面部)140とを有している。
ここで、正面部110は、方形状(長方形状)の板状を呈している。この正面部110の横幅は、内箱部A1を外箱部A2内に収納することができるように、正面部10の横幅よりも若干大きく形成されている。
また、側面部120は、正面部110の正面視における右側の端部から折れ線K12を介して連設され、方形状を呈し、切込み122と切込み124a、124bが形成されている。
ここで、切込み122は、略コ字状を呈し、横方向(側面部120の下辺と略平行な方向)に形成された直線状の第1切込み122aと、第1切込み122aの端部(右側面視における左側の端部)から下側に向けて縦方向(側面部120の下辺と略直角な方向)に形成された直線状の第2切込み122bと、第2切込み122bの下端から横方向で第1切込み122aに対して平行に形成された直線状の第3切込み122cにより、全体に略コ字状に形成されている。つまり、第2切込み122bは、第1切込み122aと第3切込み122cに対して直角に形成されている。また、第1切込み122aの長さと第3切込み122cの長さは同一に形成されている。この第1切込み122aと第3切込み122c間の幅は、内箱部A1の分離部24の縦方向の幅よりも大きく形成され、また、第1切込み122aや第3切込み122cの長さは、分離部24の横方向の幅よりも大きく形成されている。以上のように、切込み122と、第1切込み122a及び第3切込み122cの第2切込み122b側とは反対側の端部間を結ぶ仮想状の直線により囲まれた領域が、片部126となる。
また、第2切込み122bの上端から下端に向けての途中位置には、第1切込み122aや第3切込み122cが設けられている側とは反対側に、横方向に互いに平行な切込み124a、124bが形成されている。つまり、切込み124aと切込み124bは、互いに平行に形成され、第1切込み122aや第3切込み122cと平行に形成されている。また、切込み124aは、第1切込み122aよりも下側に形成され、切込み124bは、第3切込み122cよりも上側に形成されている。以上のように、切込み124aと、切込み124bと、第2切込み122bと、切込み124a及び切込み124bの第2切込み122b側とは反対側の端部間を結ぶ仮想状の直線によりにより囲まれた領域が、片部128となる。この側面部120の横幅は、内箱部A1を外箱部A2内に収納することができるように、側面部20の横幅よりも若干大きく形成されている。
なお、正面部110と側面部120の境界位置には、所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)直線状の折れ線K12が互いに平行に2本形成されている。また、側面部120と正面部110の間の位置における下側には、縦長の切欠部K14が形成されている。
また、側面部130は、正面部110の正面視における左側の端部から折れ線K16を介して連設され、方形状を呈し、切込み132と切込み134a、134bが形成されている。
この側面部130の構成は、側面部120と前後方向に垂直な仮想的な平面である中心面を介して対称に形成されていて、切込み132は、切込み122と対称に形成され、横方向に形成された第1切込み132aと、第1切込み132aの端部(左側面視における右側の端部)から下側に向けて縦方向に形成された第2切込み132bと、第2切込み132bの下端から横方向で第1切込み132aに対して平行に形成された第3切込み132cにより、全体に略逆コ字状に形成されている。また、第2切込み132bの上端から下端に向けての途中位置には、第1切込み132aや第3切込み132cが設けられている側とは反対側に、横方向に互いに平行な切込み134a、134bが形成されている。そして、切込み132と、第1切込み132a及び第3切込み132cの第2切込み132b側とは反対側の端部間を結ぶ仮想状の直線により囲まれた領域が、片部136となり、また、切込み134aと、切込み134bと、第2切込み132bと、切込み134a及び切込み134bの第2切込み132b側とは反対側の端部間を結ぶ仮想状の直線によりにより囲まれた領域が、片部138となる。切込み132の詳しい構成は、切込み122と対称である以外は同一の構成であるので、詳しい説明を省略し、また、切込み134a、134bの詳しい構成は、切込み124a、124bと対称である以外は同一の構成であるので、詳しい説明を省略する。なお、切込み122や切込み132は、ミシン目を有する切目線により形成してもよい。
なお、正面部110と側面部130の境界位置には、所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)直線状の折れ線K16が形成されている。また、側面部130と正面部110の間の位置における下側には、縦長の切欠部K18が形成されている。
また、背面部140は、側面部120の右側面視における右端から折れ線K20を介して連設され、方形状を呈している。この背面部140の横幅は、内箱部A1を外箱部A2内に収納することができるように、背面部40の横幅よりも若干大きく形成されている。
なお、側面部120と背面部140の境界位置には、所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)直線状の折れ線K20が形成されている。
また、糊代部142は、背面部140の背面視における右端から折れ線(所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)直線状の2本の互いに平行な折れ線K22)を介して連設され、縦方向に細長の帯状台形形状を呈している。この糊代部142は、図2に示すように、その内側の面が側面部130の外側の面に接着されている。
また、正面部110と側面部120、130と背面部140の縦幅は同一に形成されていて、内箱部A1の縦幅と同一又は若干大きく形成されている。
また、上面部160は、正面部110の上端から折れ線を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。また、上面部170は、側面部120の上端から折れ線を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。この上面部170と上面部160との間には隙間が形成されている。また、上面部180は、側面部130の上端から折れ線を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。この上面部180と上面部160との間には隙間が形成されている。また、上面部190は、背面部140の上端から折れ線を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。これら4つの上面部160〜190は、外箱部A2の上面を開閉するものであり、特に、上面部170と上面部180を閉状態とすることにより外箱部A2の上面が塞がれる。つまり、上面部160〜190は、蓋部を構成する。なお、上面部160〜190は、予め上方に立設した状態になっていて、外箱部A2の上方が開口した状態になっている。なお、外箱部A2の展開状態においては、図8に示すように、上面部160〜190における隣接した上面部においては、隙間K24、K26、K28が形成されている。なお、蓋部としての上面部160〜190はスリーブ状部105の上端の各辺から連設されているが、少なくとも1つの上面部から連設されていればよい。
外箱部A2を箱状に組み立てた状態では、正面部110と背面部140とが互いに平行になり、側面部120と側面部130とが互いに平行になる。また、スリーブ状部105を構成する各部材(正面部110、側面部120、130、背面部140)における隣接する部材は互いに直角となっている。
次に、内箱部A1と外箱部A2とは、分離部24、34の箇所で互いに接着されている。つまり、分離部24の外側の面と側面部120の内側の面とが接着剤その他の接着手段により接着されるとともに、分離部34の外側の面と側面部130の内側の面とが接着剤その他の接着手段により接着されることにより、包装箱Aが全体に一体に形成される。つまり、分離部24の外側の面の全部又は一部の領域と側面部120の内側の面の間には接着剤層(図示せず)が設けられていて、同様に、分離部34の外側の面の全部又は一部の領域と側面部130の内側の面の間には接着剤層(図示せず)が設けられている。これにより、外箱部A2のスリーブ状部105は、内箱部A1におけるスリーブ状部5の外側の面に沿って設けられ、例えば、正面部10の外側の面に沿って正面部110が設けられ、側面部20の外側の面に沿って側面部120が設けられ、側面部30の外側の面に沿って側面部130が設けられ、背面部40の外側の面に沿って背面部140が設けられている。該接着剤層の接着力は、外箱部A2の片部126を外側に回動させた際に、同時に分離部24の下側の切目線K2が破れて、分離部24が内箱部A1から分離し、回動させた片部126に接着した状態で片部126に従動するように設定されていて、同様に、外箱部A2の片部136を外側に回動させた際に、同時に分離部34の下側の切目線K6が破れて、分離部34が内箱部A1から分離し、回動させた片部136に接着した状態で片部136に従動するように設定されている。
また、内箱部A1と外箱部A2とが接着された状態では、内箱部A1の下端と外箱部A2の下端とが同じ高さになるように形成されている。なお、内箱部A1と外箱部A2とは、分離部24、34の箇所以外は互いに接着されていない。以上のように、内箱部A1は外箱部A2の内側に収納した状態となっていて、内箱部A1の底面部50以外は外箱部A2に被覆された状態となっている。つまり、外箱部A2の下端の高さ方向の位置は、内箱部A1の下端の高さ方向の位置と略同一であり、上面部160〜190を封止した状態では内箱部A1においては底面部50のみが露出している。
なお、上記構成の包装箱Aは、内箱部A1が上記のように折り畳むことができ、また、外箱部A2がスリーブ状部105を有し、全体に略スリーブ状を呈しているので、包装箱Aの状態においても平板状に折り畳むことができ、正面部110を側面部130に対して略平行になるようにし、かつ、側面部120を背面部140に対して略平行になるようにすることにより、図9に示すように平板状に折り畳むことができる。
上記構成の包装箱Aの使用状態について説明する。なお、突出揺動表示部16の正面側の面には、予め包装箱Aに収納する商品の広告を印刷等により表示しておく。つまり、シート状のブランクを形成する際に、予め広告を印刷しておく。突出揺動表示部16の外側の面に表示するので、内箱部A1の外側の他の部分を印刷を施す場合には、該印刷の際に突出揺動表示部16にも印刷すればよい。
まず、包装箱Aを使用しない状況では、上記のように包装箱Aは平板状に折り畳むことができるので、折り畳んで保管しておく。
そして、包装箱Aを使用する際に、包装箱Aを組み立てる。すなわち、外箱部A2における正面部110と背面部140とが互いに平行になり、側面部120と側面部130とが互いに平行になるようにするとともに、内箱部A1における正面部10と背面部40とが互いに平行になり、側面部20と側面部30とが互いに平行になるようにし、底面部50がスリーブ状部5、105に直角になるようにすることにより包装箱Aが立体状に組み立てられる。
そして、図11に示すように、包装箱Aの上方から複数の被収納物(商品)Gを内箱部A1内に収納する。図11は、箱形状の商品である例を示しているが、他の形状の被収納物であってもよい。なお、上面部160〜190は、予め上方に立設した状態になっていて、外箱部A2の上方が開口した状態になっているので、被収納物Gはそのまま包装箱Aの上方から収納すればよい。その後、上面部160〜190を閉状態にして、接着テープTを外箱部A2の正面部110から上面を経て背面部140側にまで接着させることにより、上面部160〜190を封止する。
以上のようにして、被収納物Gを包装箱Aに包装したら、被収納物Gを収納した包装箱Aを被収納物Gを陳列する場所に搬送する。
その後、被収納物Gを陳列する場合には、外箱部A2を内箱部A1から分離する。すなわち、図13に示すように、外箱部A2の側面部120の片部128を内側に押し込むことにより片部126の先端に指を引っかけることができるようにした後に、片部126を外側に回動させる。つまり、横方向に形成された第1切込み122aと第3切込み122cの第2切込み122bが設けられている側とは反対側の端部間を結ぶ直線状の折れ線(側面部120の下辺に対して垂直方向の直線)が回動軸となって片部126が水平方向に回動する。
同様に、外箱部A2の側面部130の片部138を内側に押し込むことにより片部136の先端に指を引っかけることができるようにした後に、片部136を外側に回動させる。つまり、横方向に形成された第1切込み132aと第3切込み132cの第2切込み132bが設けられている側とは反対側の端部間を結ぶ直線状の折れ線(側面部130の下辺に対して垂直方向の直線)が回動軸となって片部136が水平方向に回動する。なお、片部126、136が回動する際の回動軸となる折れ線の箇所には、罫線を形成しておかなくても片部126、136を回動させることにより自然と折れ線が形成されるが、予め該折れ線の箇所に罫線を形成しておいてもよい。
すると、外箱部A2の片部126を外側に回動させた際に、同時に分離部24の下側の切目線K2が破れて、分離部24が内箱部A1から分離し、回動させた片部126に接着した状態で片部126に従動する。同様に、外箱部A2の片部136を外側に回動させた際に、同時に分離部34の下側の切目線K6が破れて、分離部34が内箱部A1から分離し、回動させた片部136に接着した状態で片部136に従動する。
そして、図14に示すように、外箱部A2を上方に引き上げることにより、被収納物Gを収納した状態で、かつ、分離部24、34が分離した状態の内箱部A1が残るので、その後、突出揺動表示部16を組み立てる。
すなわち、正面部10における切目線M1と切目線M2とを破断して、折れ線N2を正面視において山折りするとともに折れ線N1を正面視において谷折りする。すると、図15に示すように、接続片部14が本体部12に対して正面側に突出した状態となり、突出揺動表示部16は、接続片部14の上端に支持された状態となり、突出揺動表示部16の広告が施された面は、上方を向いた状態となる。突出揺動表示部16が接続片部14に支持され、さらに、接続片部14が本体部12に支持された状態となるので、折れ線N1と折れ線N2の弾性により、突出揺動表示部16に軽く力が加わることにより、突出揺動表示部16が揺動することになる。
すなわち、折れ線N1(本体部12と接続片部14間の折れ線)は略上下方向(垂直方向)を向いており、折れ線N2(接続片部14と突出揺動表示部16間の折れ線)は、略前後方向を向いているので、突出揺動表示部16は、接続片部14に対して折れ線N2を中心に上下方向に回動し、さらに、接続片部14は、本体部12に対して折れ線N1を中心に左右方向に回動するので、突出揺動表示部16自体は、本体部12に対して上下方向に回動するとともに、左右方向にも回動することになるので、単に一方向に回動する場合に比べて複雑に揺動し、顧客の注意を強く引くことができ、包装箱に収納された商品がその陳列場所において陳列されていることをその商品の陳列場所(例えば、お店)を訪れた者に強く知らせることができる。また、折れ線N1と折れ線N2によりいわば2つの回動軸が設けられるので、突出揺動表示部16に小さな力を加えるのみで突出揺動表示部16が揺動することになる。
なお、突出揺動表示部16を揺動させる方法としては、突出揺動表示部16が正面側に突出しているので顧客に容易に触れさせることができるので、顧客が触れることにより揺動させてもよいし、エアコン等の送風を突出揺動表示部16に当てることにより揺動させてもよい。
本実施例の包装箱Aによれば、図1、図2、図11に示すように、上方が開口した包装箱Aに対して上方から被収納物である商品を収納して、上面部160〜190を閉じて1つの接着テープTにより封止するのみであるので、容易に被収納物(商品)の梱包作業を行うことができる。
また、本実施例の包装箱Aによれば、、外箱部A2の側面部120、130の片部128、138を内側に押し込むことにより片部126、136の先端に指を引っかけることができるようにした後に、片部126、136を外側に回動させて、分離部24、34を内箱部A1から分離して外箱部A2を上方に引き上げるのみで陳列することができるので、陳列作業を容易に行なうことができる。
また、特に、本実施例の包装箱Aにおいては、内箱部A1に商品を陳列する際に、突出揺動表示部16を正面側に突出させることができるので、突出揺動表示部16に広告を表示しておくことにより広告された商品がその陳列場所に陳列されていることをその商品の陳列場所(例えば、お店)を訪れた者(顧客)に強く知らせることができる。つまり、突出揺動表示部16をPOP広告として機能させることができる。特に、上記のように、突出揺動表示部16はわずかな力で揺動し、その揺動の態様も複雑であるので、突出揺動表示部16の存在を強く顧客に印象付けることができ、商品の存在を強く知らせることができる。また、突出揺動表示部16は正面側に突出して設けられるため、商品を収納した状態の内箱部A1を棚に置いた状態では、棚に載置される物の脱落を防止したり、値札を設置するためのプライスレールの位置から正面側に超えて突出揺動表示部16を配置できるので、突出揺動表示部16を顧客に気づきやすくして販促効果を高めることができる。
また、特に、本実施例の包装箱Aにおいては、片部126、136が外箱部A2の側面部120、130の下端位置よりも上側に設けられ、特に、片部126、136は、スリーブ状部105の下端の縁部に対して垂直方向の回動軸を中心に水平方向に回動するので、商品が収納された収納物を持ち上げて搬送する際に、誤って片部126、136を回動させてしまうことがない。つまり、仮に、分離部と接着した片部で、回動させるための片部をスリーブ状部105の下端から上方に伸びる平行な切込みにより形成した場合には、包装箱Aを持ち上げる際に該片部の位置を手に持って持ち上げると、誤って 該片部を回動させてしまい、内箱部A1と外箱部A2とを分離させてしまうおそれがあるが、本実施例の包装箱Aの外箱部A2における片部126、136は上記のように構成されているので、そのようなおそれがない。
なお、上記の説明において、接続片部14は正面部10における正面視右側に設けられ、突出揺動表示部16における基端部16bは、本体部16aの正面視右下に形成されているとして説明したが、正面部10の構成が左右対称に形成されていてもよい。
また、上記の説明においては、接続片部14と突出揺動表示部16は上記の構成であるとして説明したが、接続片部14が、本体部12の上辺から、正面視において谷折りとなる折れ線N1と、折れ線N1から連設されたミシン目を有する切目線M2bとを介して連設され、突出揺動表示部16が、接続片部14から、折れ線N1の切目線M2bとの接続側とは反対側の端部から形成され正面視山折りとなる折れ線N2を介して連設されるとともに、本体部12の上辺から、切目線M2bから連設された切目線であってミシン目を有する切目線を介して連設された構成であればよい。
また、上記の説明において、外箱部A2においては、スリーブ状部105を構成する正面部110と側面部120の境界位置に切欠部K14が設けられ、正面部110と側面部130の境界位置に切欠部K18が設けられているとして説明したが、同様の構成の切欠部を側面部120と背面部140の境界位置や側面部130と背面部140の境界位置に設けるようにしてもよい。なお、少なくとも、外箱部A2におけるスリーブ状部105を構成する各部(正面部110と、側面部120、130と、背面部140)の境界位置における少なくとも2つの境界位置に切欠部を設ければ、少なくともスリーブ状部105を構成する各部のうちの3つの下端において外側と内側間を移動する余裕ができるので、外箱部A2を内箱部A1に対して容易に引き上げることができる。また、スリーブ状部105を構成する各部の境界位置の切欠部は、切込みであってもよい。
なお、上記の説明においては、内箱部A1や外箱部A2が4つの側面部を有するもの、つまり、平面視が四角形の形状のものとして説明したが、平面視が他の多角形のものでもよい。例えば、内箱部や外箱部における側面部が6つや8つのものでもよく、このように側面部の数が偶数の場合には、内箱部における2つの分離部は相対する側面部に設ける。例えば、平面視が六角形の場合には、互いに平行な側面部に2つの分離部を設ける。また、側面部の数が奇数の場合には、一方の分離部が設けられた側面部と平行な対向する側面部がある場合には、その側面部に他の分離部を設け、平行な側面部がない場合には、一方の分離部が設けられた側面部と最も平行に近い(つまり、該側面部となす角度が最も小さい)側面部に他の分離部を設ければよい。