JP3150527B2 - プリント配線板の改造支援装置 - Google Patents

プリント配線板の改造支援装置

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JP3150527B2 JP06577194A JP6577194A JP3150527B2 JP 3150527 B2 JP3150527 B2 JP 3150527B2 JP 06577194 A JP06577194 A JP 06577194A JP 6577194 A JP6577194 A JP 6577194A JP 3150527 B2 JP3150527 B2 JP 3150527B2
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    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/0005Apparatus or processes for manufacturing printed circuits for designing circuits by computer

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板の改造
を支援する装置に関する。電子機器及びシステムでは、
より一層の小型・軽量化及び高性能化が要求されてい
る。このような要求を満たすためには、機器及びシステ
ムを組み立てていくための実装技術において高密度実装
を実現する必要がある。
【0002】このために、プリント配線板においても、
高密度実装化が追求されており、配線密度や部品実装密
度のさらなる向上が進んでいる。これに伴い、プリント
配線配線板の多層化や該配線板上への電子部品の表面実
装が盛んになりつつある。また、通信機器やコンピュー
タなどの分野においては、高速化の要求が強い。特に、
次世代のISDN(Integrated Services Digital Netw
ork )であるB−ISDN(Broad band ISDN)で
使用されるATM(Asynchroonous Transfer Mode)交換
機のインタフェース部などは、150MHz、2.4G
MHzなどの高速動作が要求されるため、TTLレベル
のゲートでは限界がありECLレベルのゲートの採用が
必要となってくる。ECLレベルのゲートは、消費電力
が高いという欠点があったが、アクティブ・プルダウン
(APD)回路技術の実用化により大幅に消費電力を低
減できるようになってきている。
【0003】このため、これからのプリント配線板の実
装においては、ECLレベルで入出力を行うICやLS
Iの実装に対する配慮が重要になってきている。
【0004】
【従来の技術】プリント配線板(プリント板)の設計
は、現在ではほとんどCAD(ComputerAided Design)
を利用して自動化されているが、上述したように入出力
がECLレベルのICやLSI(以後、便宜上、ECL
入出力ICやECL入出力LSIと記述する)や表面実
装型のSMD(表面実装部品:Surface-Mounted Devic
e)の実装が進行する中で、既設計のプリント配線板の一
部をこれらECL入出力IC,LSIやSMDの実装に
置き換える改造作業が多くなりつつある。
【0005】従来、このようなプリント配線板の改造設
計は、図24のフローチャートに示すような手順で行わ
れていた。尚、実装データベース(実装DB)20に
は、初版パターンデータ21aと初版の回路データ(0
1回路データ)21bが既に格納されているものとす
る。初版パターンデータ21aは、部品情報、配線パタ
ーン情報(ラインデータ、ビアデータ、ランドデータ
等)、ネット情報等から成る。
【0006】まず、ワークステーション上等で回路図エ
ディタ等を用いて第2版の回路図の設計・入力を行い、
回路インタフェース(回路I/F)ファイル10を作成
する(S1)。該回路I/Fファイル10には、プリン
ト配線板に搭載される部品情報(部品名、実装位置名、
部品仕様等)や各ネットを表現する接続情報等から成る
回路情報が格納される。
【0007】続いて、上記回路I/Fファイル10から
上記回路情報(部品情報、ネット接続情報)を読み出
し、実装DB20内の01回路データ21bの内容を参
照して、部品情報にまだ未定となっていた搭載位置(搭
載座標)及び搭載面の情報を追加して、これを第2版の
回路データ(02回路データ)22bとして実装DB2
0に格納する(S2)。
【0008】次に、ECエディタ(改造エディタ)40
を用いて、この時点では未定となっている新規追加部品
(実装位置名、搭載位置、搭載面)の情報を、02回路
データ22bに追加・入力する(S3)。
【0009】この後、ワークステーション上等で自動改
造ツールを実行させ、図14のフローチャートにその詳
細な手順を示す自動改造処理S4を実行し、布線情報や
配線パターンの切断情報等から成る01版改造データ2
3を作成する。
【0010】図25のフローチャートに示す該自動改造
処理手順においては、まず、実装データベース20から
01版回路データ21bと02版回路データ22bの内
容を読み出して両者を比較し、差分データ(削除ピン、
追加ピン等)を抽出、これを差分ファイル30に格納す
る。
【0011】これにより、例えば、図26(a) に示すよ
うな01版回路情報21bと02版回路情報22bとか
ら、図26(b) に示すような差分データが抽出される。
すなわち、削除ピンとしてR10−01が、追加ピンと
してR20−01が抽出される。
【0012】次に、差分ファイル30に差分データが抽
出・格納されているか調べ(S22)、該差分データが
有れば、まず削除ピンの情報を基に過剰接続すなわち削
除すべき接続(配線)があるか逐次調べる(S23)。
そして、該過剰接続が有る場合には、その接続配線を切
断して該過剰接続ピン(削除ピン)を切り離す切断処理
を行う(S24)。この処理を、全ての過剰接続に対し
て行う。
【0013】上記切断処理(S24)が全て終了する
と、次に上記差分データを基に、接続が不足しているピ
ンすなわち未接続の追加ピンが有るか調べ(S25)、
有れば該追加ピンを新系列(新ネット)に追加して布線
により当該ピンと接続する第1の布線接続処理を行う
(S26)。
【0014】該第1の布線接続処理S26が全て終了す
ると、次に、上記新系列の接続が正しくなっているか、
すなわち接続されていないピンがあるか調べ(S2
7)、未接続となっているピンが有ればそれを当該ピン
と布線で接続する第2の布線接続処理を行う(S2
8)。
【0015】尚、この第2の布線接続処理28は、例え
ば、旧回路におけるA→B→C(A,B,Cはピンの名
称)のような接続を、新回路においてA→Cの接続に変
更する場合等に対応して行われる。
【0016】すなわち、この場合、ピンBが削除ピンと
なるので、上記ステップS24の第1の切断処理によっ
てピンAとピンCの間は未接続の状態となる。また、ピ
ンA,Cは旧回路において使用されていたピンなので、
上記ステップS26における布線接続の対象とはならな
い。このため、このような場合、上記ステップS28の
処理でピンA,C間を布線接続する。
【0017】以上のような自動改造処理手順によって、
前記図26(a) の旧回路データに対応した図27(a) に
示すプリント配線板のパターンは、前記図15(b) に示
す差分データを基に図27(b) に示すようなパターンに
変更される。すなわち、R10−01とI30−01の
2つのピン間を接続していたパターンがC1の位置で切
断され、新たにR20−01とI10−01の2つのピ
ンの間が布線61により接続される。そして、これらの
布線・切断情報が01版改造ファイル23に格納され
る。
【0018】このような、自動改造処理は、現在はTT
L系のネットのみをサポートしており、ECL系のネッ
トについてはサポートしていない。このため、後述する
ように、ECL系のネットについては上記自動改造後の
結果が正しくなっているかどうかを人手により検査し、
該検査結果に従ってさらに改造を行う必要があった。
【0019】再び、図24のフローチャートに戻って説
明を行うと、上記TTL系の基準に従った自動改造処理
S3終了後、該改造結果について01回路データ21
b、初版パターンデータ21a、及び01改造データ2
3を参照してTTL系設計ルールに従ってチェックを行
い(S5,S6)、エラーが見つかればEC(Engineer
ing Chenge) エディタ40を用いて01改造データの修
正を行う(S7)。この修正では、配線パターンの切断
や、布線の入力・削除等を行う。
【0020】そして、ECエディタ(改造エディタ)4
0による修正によりTTL系設計ルールでエラーが皆無
になった場合には、次は人手により下記の〜の作業
を行う。
【0021】 ECL系改造処理 救済布線処理 布線ルート処理 SMD引き出しビアの仮想ピン化処理 〜迄の処理結果チェック処理 そして、該〜の人手作業が終了すると、該〜の
作業により得られた改造用の製造情報を紙面55に出力
し、これをプリント配線板組み立て工場に発送する。
【0022】一方、TTL系のネット等については、ワ
ークステーション上で改造用製造データ作成ツールを実
行させ、02回路データ22b、初版パターンデータ2
1a、及び01改造データ23を参照して、工場側で実
際にプリント配線板を改造するために必要となる布線デ
ータ51及び切断データ52を作成・出力する(S
8)。この後、それらのデータ51,52をプリント配
線板の組み立て工場に発送する(S7)。これにより、
該布線データ51及び切断データ52と紙面55の情報
を用いて該工場において実際のプリント配線板の改造作
業が行われる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、現在
のプリント配線板の改造設計の支援システムは、ICや
LSIのECL化、SMDの搭載の増加、高密度実装化
という回路設計の変更に対応しきれていないために、上
記〜の作業を人手により行っている。
【0024】次に、上記〜を人手作業により行って
いることに伴う問題点を説明する。ECL系改造処理 ECL系(ECL実装系)では、高い周波数の信号を伝
播させるので、インピーダンスの違いによる信号の反射
が問題となってくる。このため、ICやLSI間の配線
は、いもづる式にシリアル配線し、その配線の終端は終
端抵抗を付けてインピーダンス整合をとる。すなわち、
TTL系(TTL実装系)のように配線の分岐が自由で
はなく、必ず終端抵抗を付けてインピーダンス整合をと
る必要があるので、ECL系の改造は予め定められた配
線接続順に従って行わねばならない。これに対し、現状
では、ECL系の改造についてもTTL系の自動改造処
理を行うため、前記図27(b) に示すようにECL系の
接続順が守られていない改造がなされる。
【0025】同図において、I10−01はECLレベ
ルの出力ピンであり、I20−01及びI30−01は
ECLレベルの入力ピンである。また、R10−01は
抵抗(終端抵抗)である。ECL系では、出力−入力−
入力−終端抵抗の順に配線接続する必要があるため、該
接続順に従って図27(b) に示す配線を人手により修正
を行い、図27(c) に示すように変更する。すなわち、
R20−01(終端抵抗)とI10−01(ECL入力
ピン)との間の布線61を取り消し、代わりにR0−0
1とI30−01(ECL入力ピン)との間に布線63
を張り、I10−01(ECL出力)−I20−01
(ECL入力)−I30−01(ECL入力)→R20
−01(終端抵抗)の順に接続する。
【0026】このように、自動改造後にECL系のネッ
トについてマニュアル作業により修正を行った場合、人
手によるため信頼性が低くその作業時間も自動改造に比
較してはるかに長くなり効率が悪い。また、該マニュア
ル作業においてECL系以外の部分についても、ECL
系の改造を行うと、TTL系との改造と比べて過剰な切
断や布線が発生してしまうため、改造用製造データの信
頼性が低くなる。
【0027】一方、ECL系の改造を全て人手により行
うと、その工数及び作業時間は膨大なものとなる。ま
た、該マニュアル改造後のチェックについても目視(人
手)により行うため改造用製造データの信頼度は非常に
低下する。救済布線処理 高密度実装になると、配線をより高密度化するために、
配線パターンの細線化が進み、LSIやICのピン間に
通す配線数も増加する。これに伴って、配線パターン間
の間隔が極めて狭くなるため、ある配線パターンを切断
する場合、それに隣接している配線パターンも切断され
る可能性がある。したがって、自動改造において、上記
のような隣接配線パターンにも影響を及ぼすような切断
が行われた場合、該隣接配線パターンに対して布線(救
済布線)を発生させる必要があるが、現在の自動改造ツ
ールはこのような機能をサポートしていない。
【0028】このため、現状では、自動改造後に全ての
配線パターンの切断箇所を人手によりチェックし、切断
の影響を被って切断されてしまう可能性がある配線区間
については、人手により救済布線を追加している。
【0029】例えば、図28に示すようなプリント配線
板において、R10−01とI30−01の間の配線パ
ターン71を切断(C1)した場合、それに近接するA
−B間の配線パターン73も切断されてしまう可能性が
ある場合、A−B間に救済布線を追加する。
【0030】また、このようにして発生した救済布線の
情報を実装データベース20に改造データ23として登
録できなかったために、その管理が大変であると共に次
回の自動改造処理が複雑となりその処理時間が増大する
という問題もあった。
【0031】また、多層配線となっている場合、切断箇
所は表面の配線パターンとは限らず、内層の配線パター
ンの場合もあり得る。この場合には、該内層のみならず
それよりも上層の配線パターンについても間隙距離をチ
ェックして救済布線の追加を行わねばならない。すなわ
ち、配線パターンの切断は表面層からドリルにより行う
ため内層の配線パターンを切断する場合には、それより
も上層の対向する箇所も切断される。このため、同一層
の配線パターンだけでなく、上位層(表面側の層)の配
線パターンについても考慮する必要があるが、このチェ
ックを人手でやると膨大な時間がかかってしまい、信頼
性も低い。布線ルート処理 従来、布線は一般にジャンパー線と呼ばれるものにより
行われており、ランドに対する布線は、通常、直径が0.
26mmの絶縁物が被覆されているジャンパー用を用いてい
る。すなわち、従来は、電子部品を搭載するランドが大
きく、かつランド間の距離か広いため、該ジャンパー線
を用いた布線接続が可能であった。また、この場合、工
場での布線接続作業も人手により行うため、布線接続さ
れる2点間のみを工場に指示するだけでよかった。しか
しながら、端子間ピッチが非常に狭いSMD端子が搭載
されるランドに布線は、直径が0.12mmの絶縁物で被覆さ
れている細線のジャンパー線を使用する必要がある。こ
の細線ジャンパー線により布線を張る際には、該ジャン
パー線をプリント配線板上に密着させて接続するため、
人手による作業は不可能となり、該布線を張る作業は自
動布線機により行われるようになってきている。
【0032】現在の自動布線機は、布線の端点だけを指
定しただけでは効率的にルートを決定できないため、設
計者側で布線ルートを正しく指定する必要がある。しか
しながら、現在の自動改造ツールは、この布線ルート情
報の生成まではサポートしていない。すなわち従来のジ
ャンパー線用の情報しか生成しない。
【0033】このため、自動改造により、図29に示す
ようにR20−01とI30−01間に布線が張られた
とする。この場合、実装データベース220内の初版パ
ターンデータ21aや改造データ23を参照して不図示
のツールが出力する切断図や布線表を参照しながら、E
Cエディタ(改造エディタ)40を用いて図中破線で示
す布線ルート83を作成する必要がある。この場合、自
動改造後に、切断図上に布線表を参照して布線ルートの
必要な区間を書き込む作業を手作業により行う必要があ
り、さらに、その区間を表示させる作業を設計者自身が
行わねばならないため、時間がかかり効率的でなかっ
た。また、このようにして入力した布線ルートの情報
を、実装データベース20内の改造データの中に当該布
線データと対応付けて格納することができなかったた
め、該布線ルート情報は上記布線ルート情報を書き込ん
だ切断図により紙ベースで人手により管理しなければな
らなかった。このため、新たな管理作業が増え非効率で
あると共に、その管理も手間がかかるものであった。SMD引き出しビアの仮想ピン化処理 SMDでは、端子間のピッチが非常に狭くなる。また、
SMDをプリント配線板に搭載する際には、その端子を
プリント配線板の表面上に形成されたランド(フットプ
リント)にハンダ付けする。このように、SMDの場
合、端子とランドが直接ハンダ付けされるため、ランド
に直接布線を半田鏝で接続すると、SMD端子に過大な
熱ストレスが加わりSMDの品質が悪化する恐れがあ
る。
【0034】このように、初版設計時におけるSMD端
子に対する半田処理は、SMDの品質、換言すればプリ
ント配線板そのものの品質の低下を招く恐れがある。ま
た、改造時においてSMD端子に対して布線を張ること
は、その品質の低下をさらに助長することになる。
【0035】このため、SMDの場合には、IMD(ピ
ン挿入型部品:Insert-Mounted Device)のようにピンに
直接、布線を接続させず、初版のパターン設計において
SMD端子を1本の引き出しによりビア(Via)と接続す
るようなパターンを形成するようにしている。この場
合、ビアに複数の布線を張ることも可能となるため、事
実上、SMD端子に複数の布線を張るという利点もあ
る。このように、SMD端子とその引き出しビアとを一
体化して、該ビアにSMD端子としての機能を持たせる
ことを“SMD端子からの引き出しビアの仮想ピン化”
と呼んでいる。
【0036】しかしながら、現在の自動改造ツールはこ
のような“SMD端子からの引き出しビアの仮想ピン
化”に対応していないため、SMD端子A−X及びSM
D端子B−Y間の配線を、それぞれSMD端子A−C,
SMD端子B−Dの配線に改造する自動改造を行うと例
えば図30(a) に示すようにSMD端子Aとその引き出
しビアV1及びSMD端子Bとその引き出しビアV2間
を、それぞれC1,C2の位置で切断し、SMD端子
A,BとスルーホールのランドC,D間に直接布線9
1,93を張ってしまう。したがって、この自動改造後
の結果を、人手により図30(b) に示すように修正する
作業が必要となる。すなわち、この場合には、A−C及
びB−D間の布線91,93を取り消す。
【0037】V1−C及びV2−D間の布線95,97
を新たに追加する。A−V1及びB−V2間の切断C
1,C2を取り消す。V1−X及びV2−Y間の切断C
11,C22を新たに追加する。という作業を人手によ
り行う必要がある。しかしながら、このような作業を人
手により行うことは大変であり時間もかかる。
【0038】また、自動改造によりSMD端子Aとその
引き出しビアV1間及びSMD端子Bとその引き出しビ
アV2間の配線98,99が切断されてしまうため、最
初の配線パターン設計時に改造に備えて引き出し線9
8,99とビアV1,V2をせっかく配置しておいて
も、これらが有効に使用されない。そして、人手により
再び上記引き出し線98,99の切断C1,C2を取り
消さなければならないので非常に非効率である。
【0039】本発明の目的は、ECL系等のような特殊
な系のネットについても自動改造を行えるようにするこ
とである。さらに、パターン切断時に必要となる救済布
線を自動的に発生できるようにすることである。また、
さらに、布線ルートの入力を効率良く行えるようにする
ことである。また、さらに、SMD端子への布線接続が
極力少なくなるような自動改造を可能にすることであ
る。
【0040】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図である。同図に示すプリント配線板の改造支援装置は
以下の手段を有する。
【0041】ネット判定情報記憶手段101は、ネット
の新回路データから、そのネットが端子間の接続順が限
定される特殊系のネットであるか否かを判定するために
必要となる情報を格納している。
【0042】接続情報記憶手段102は、該特殊系のネ
ットにおける端子の接続順を定義している情報が格納さ
れている。ネット判定手段103は、ネットの新回路デ
ータを入力して、該新回路データと上記ネット判定情報
記憶手段101内に格納されているネット判定情報とを
基に、上記ネットが上記特殊系のネットであるか否かを
判定する。
【0043】改造データ作成手段104は、該ネット判
定手段103によって特殊系のネットであると判定され
たネットについて、その旧回路と新回路のデータとか
ら、例えば、削除端子と追加端子を抽出し、上記ネット
の新回路の全ての端子をプリント配線板上で上記接続情
報記憶手段102に格納されている当該接続順情報に従
って接続するために必要となる配線改造データを作成す
る。
【0044】前記特殊系のネットは、例えば、ECLレ
ベルでの信号が入出力されるECL系のネットである。
このようなECL系ネットを対象とする場合、例えば、
ECL系の配線条件が定義されている配線条件情報記憶
手段105をさらに有し、前記改造データ生成手段10
4は、該配線条件情報記憶手段105に格納されている
配線条件に従って改造データを作成するような構成とし
てもよい。
【0045】このような構成において、例えば前記配線
条件としてアンテナの制限長を設定し、前記改造データ
作成手段104は、配線パターンの切断処理により該制
限長以上のアンテナ部分が発生したときには、該アンテ
ナを切断すべき旨のデータを作成するようにしてもよ
い。
【0046】また、さらに、前記配線情報として、ペア
布線の発生が必要となる布線の長さを設定し、前記改造
データ作成手段104は、新たに発生させた布線の長さ
が該ペア布線長以上となった場合、該布線に対してペア
となる布線をアースランド間に発生させるデータを作成
するようにしてもよい。そして、この場合、前記配線条
件として、さらに前記ペア布線を張るべきアースランド
の検索範囲を定め、前記改造データ作成手段104は、
上記アースランドとして前記布線の各端点から該検索範
囲内の布線接続可能なアースランドを優先的に選択する
ようにしてもよい。
【0047】また、さらに、前記配線条件として、主幹
からの分岐長の制限値を設定し、改造データ作成手段1
04は、前記当該接続順情報に加え、上記分岐制限長も
考慮して端子の接続を決定するようにしてもよい。
【0048】次に、図2は他の発明の原理説明図であ
る。同図に示すプリント配線板の改造支援装置は以下の
手段を有する。ネット判定情報記憶手段106は、ネッ
トの新回路データから、そのネットが端子間の接続順が
限定されるECL系等のような特殊系のネットであるか
否かを判定するために必要となる情報を格納している。
【0049】配線条件情報記憶手段107は、上記特殊
な系の配線条件を記憶している。ネット判定手段108
は、ネットの新回路データを入力して、該新回路データ
と上記ネット判定情報記憶手段106内に格納されてい
るネット判定情報とを基に、上記ネットが上記特殊系の
ネットであるか否かを判定する。
【0050】改造データ作成手段109は、該ネット判
定手段108によって特殊系のネットであると判定され
たネットについて、その新回路データを基に配線条件情
報記憶手段107に格納されている配線条件に従って改
造データを作成する。
【0051】
【作用】まず、図1にその構成を示す発明の作用を説明
する。この発明においては、ネット判定手段103がネ
ットの新回路データが入力されると、例えばその出力端
子の部品仕様情報等を基にネット判定情報記憶手段10
1を検索し、該出力端子が例えばECLレベル等のよう
な端子の接続順が規制される出力レベルの信号を出力す
る端子であるか調べる。そして、そのような端子であっ
た場合、上記ネットが特殊な系であると判定する。
【0052】改造データ作成手段104は、上記のよう
にして特殊系のネットであると判定されたネットについ
て、その旧版の回路データ(旧回路データ)と最新版の
回路データ(新回路データ)を入力する。そして、これ
ら両者のデータの論理差分をとるなどして新回路に改造
する際に削除すべき端子(ピン)と追加すべき端子(ピ
ン)を抽出する。そして、該削除端子の接続を切断した
後、新回路においても使用される旧回路で用いられてい
た端子と上記追加端子とを、プリント配線板上で接続情
報記憶手段102に格納されている当該接続順情報に従
って接続し、これらの処理によって得られた改造データ
(切断データ、布線データ)を作成する。
【0053】このようにして、従来は人手により行って
いた端子の接続順が定められている特殊な系のネットの
改造データを自動的に作成することが可能になる。ま
た、ECL系のネットを改造する際必要となる、アンテ
ナの制限長、ペア布線の発生が必要となる布線の長さ、
さらには、該ペア布線を張るアースランドの検索範囲な
どの配線条件情報が格納されている配線条件情報記憶手
段105が設けられた際には、改造データ作成手段10
4は、アンテナ部分を切断するための切断データやペア
布線を張るための布線データも上記改造データの一部と
して作成する。
【0054】これにより、ECL系ネットを品質の良い
回路が得られるように自動的に改造することができる。
次に、図2にその構成を示す発明の作用を説明する。
【0055】この発明においては、ネット判定手段10
6が、前記ネット判定手段103と同様にして、ネット
判定情報記憶手段107内に格納されている情報を参照
して、入力されるネットが特殊な系であるか否か判定す
る。
【0056】そして、改造データ作成手段109が、該
特殊系のネットについては、例えばその新回路データの
出力端子が属するテクノロジーで規定されている配線条
件を、配線条件情報記憶手段107から読み出し、該特
殊系ネットの配線接続が上記配線条件を満足するように
変更されるための改造データ(切断データ、布線デー
タ)を作成する。
【0057】これにより、例えば、回路接続情報は新・
旧回路データで変更されないが、ネットに適用されるテ
クノロジーすなわち配線条件等のみが変更される場合に
ついても、自動改造がなされる。勿論、テクノロジーの
みならず回路接続情報の変更も伴うネットについても、
当該配線条件に従って自動改造が行われる。
【0058】また、配線条件情報格納手段105に、E
CL系のネットにおいて主幹からの分岐接続を許容する
ための配線条件として、該分岐長の制限値が格納された
場合、改造データ作成手段104は、新テクノロジーで
は分岐長エラーとなる区間を検出し、該エラーが解消さ
れるような改造データを作成する。
【0059】これにより、ECL系ネットの配線条件に
係わる自動改造を広範囲に行えるようになる。
【0060】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の実施例
を説明する。図3及び図4は、プリント配線板を改造す
る場合における本実施例の自動改造ツールの処理手順を
説明するフローチャートである。
【0061】本実施例で使用する実装データベース20
0は、回路図データが各版毎に格納されている回路図デ
ータファイル201bと、初版の回路のプリント配線板
上でのパターンの配置等に関するデータが格納されてい
る初版パターンデータファイル201a、及び改造デー
タベース203から成っている。
【0062】本実施例の改造データベース203は、切
断情報ファイル203c、布線情報ファイル203j、
及び布線ルート情報ファイル203rから成っている。
布線情報ファイル203jには、プリント配線板に張る
全ての布線についての情報が、一般布線と救済布線と区
別可能なように格納されている。尚、“一般布線”は通
常の配線用の布線であり、“救済布線”は他の配線が切
断されるときに切断されてしまう可能性のある配線をそ
の断線から救済するために張られる布線である。
【0063】また、布線ルート情報ファイル203r
は、自動布線機が効率的にプリント配線板に密着した布
線パターンを張る作業を行うために必要な布線ルート情
報が格納されている。
【0064】本実施例の自動改造ツールは、まず、改造
実行時パラメータファイル221、部品端子テクノロジ
ーファイル222、テクノロジーファイル223、EC
L接続順定義ファイル224、及び救済布線階層基準パ
ラメータファイル225の各種ファイルを入力する(S
51)。
【0065】図3に示す上記各ファイルの内容について
説明する。改造実行時パラメータファイル221には、
自動改造実行ツールの実行条件を規定する各種パラメー
タが格納されている。同図に示されたSMD引き出し切
断パラメータは、SMDにおいて引き出しビアを仮想ピ
ン化するか否かを指定するものであり、「OK」となっ
ている場合には仮想ピン化処理を実行する。また、間隙
値パラメータは、後述する通常切断処理及び救済布線発
生処理で使用される間隙値を指定するものである。
【0066】さらに、ECL差分無し実行モードフラグ
は、ECL系のネットについて論理差分の得られなかっ
た新ネットについてもECL系の配線条件に従った改造
を行うECL差分無し実行モードを設定するためのフラ
グであり、図3に示すように「NG」に設定されていれ
ば該実行モードは設定されない。すなわち、この場合に
はECL系のネットについてはTTL系ネットと同様に
論理差分の有ったネットについてのみ自動改造を行う。
一方、上記ECL差分無し実行モードフラグが「OK」
に設定されれば、ECL差分無し実行モードが設定さ
れ、論理差分の有無にかかわらずECL系の新ネット全
てについて自動改造を実行する。
【0067】部品端子テクノロジーファイル222に
は、各部品の端子(ピン)について(部品仕様、ピン番
号、テクノロジー名、TTL/ECL区分)等から成る
情報が格納されている。テクノロジー名は、TTL系ま
たはECL系のネットをプリント配線板に実装する際の
設計ルールに付けられた名称であり、後述するテクノロ
ジーファイル223の索引キーとなっている。
【0068】テクノロジーファイル223は、各テクノ
ロジー毎の実装設計ルールを格納しているファイルであ
り、ECL系ネットの改造処理に用いられる設計ルール
としては(アンテナ長、ペア発生長、アースランド長、
分岐長)の4種類の配線条件が格納されている。
【0069】上述したように、ECL系のネットでは、
いもづる式に各端子を接続するが、予め定められた分岐
長の制限内に収まっていれば分岐も許される。このた
め、ECL系のネットには主幹以外に分岐がある場合も
ある。尚、ECL系のネットにおいて主幹は以下のよう
に定義する。
【0070】主幹は、始点ランドと終点ランドとの間の
区間であり、該始点ランドと終点ランド及び主幹経路
は、それらが1個または複数有るかに応じて次のように
決定される。以下の例はECLネットがOn −Cn −I
n (nは自然数)で表わされる場合の例である。尚、O
n ,In はそれぞれ出力端子、入力端子である。 (a) 図5(a) に示すように、始点ランドと終点ランド
が共に1個である場合には、それらのランドを始点ラン
ド、終点ランドとする。そして始点ランドO1と終点ラ
ンドI1の区間を主幹経路とする。 (b) 図6(b) に示すように、始点ランドが複数、終点
ランドが1個存在する場合には、終点ランドまでの線長
が一番長い区間の始点ランドを主幹の始点ランドとす
る。したがって、同図(b) の場合、始点ランドはO2と
なり、主幹経路はO2−C1−C2−I1となる。ま
た、逆に終点ランドの方が複数存在する場合も同様にし
て、始点ランドとの間の線長が一番長い区間の終点ラン
ドを主幹の終点ランドとする。 (c) 図5(c) に示すように、始点ランドと終点ランド
が共に複数存在する場合には、線長が一番長い区間とな
る始点ランドと終点ランドの組み合わせを求め、これら
のランドを主幹の始点ランド、終点ランドとする。した
がって、同図(c)の場合、主幹経路はO2−C1−I1
−I4となる。
【0071】また、アンテナは、以下のようにして定義
される。該アンテナは、ECL系ネットを改造する際等
に発生する。例えば、図6に示すように、主幹がO−
R、分岐がB3−I1,B2−I2となっているO−I
1−I2−R接続のECL系ネットに対し、B1−B3
間の切断CT1及びB3−B2間の切断CT2を行い、
さらにO−IX間とIX−I2間に布線を張り、新たに
O−IX−I2−R接続のECL系ネットを生成したと
する。この場合、新ネットの主幹は、O−IX−I2−
B2−Rとなり、アンテナは図中太線で示した下記の4
区間となる。
【0072】 C1−B1−Z1 B2−CT2 C2−Z2 C3−C4 すなわち、主幹に属しておらず、かつ主幹に接続されて
いる区間(配線パターン)がアンテナとする。このよう
なアンテナは、その長さが所定以上になるとノイズの発
生源となり回路に悪影響を及ぼすので切断する必要があ
る。この切断が必要となる所定長がテクノロジーファイ
ル223に設定されるアンテナ長である。
【0073】また、ECL系ネットの改造により、新た
に布線を張った場合、その布線の長さが所定長(これを
ペア発生長と呼ぶ)以上となるとノイズの発生源となる
ので、該布線とペアになる布線(ペア布線)を発生する
必要がある。この場合、ペア布線は、ディジタル系のア
ースランド間に張る。また、該アースランドの検索は、
布線が張られたランドから半径Rの円の範囲内で行う。
この半径Rをアースランド長と呼ぶ。これらペア発生長
とアースランド長もテクノロジーファイル223に設定
される。
【0074】また、さらに、テクノロジーファイル22
3には、上述した主幹への分岐接続の長さを制限する分
岐長も設定されている。すなわち、同図において分岐長
は5.08mmと設定されており、5.08mm以上の分岐接続はエ
ラーとみなす。
【0075】このように、テクノロジーファイル223
には、ECL系の各テクノロジー名毎のアンテナ長、ペ
ア発生長、アースランド長、及び分岐長が設定される。
ECL接続順定義ファイル224は、ECL系ネットを
配線接続する際に守るべき接続順の定義情報が格納され
ているファイルである。
【0076】図3に示すファイル224には、該接続順
の定義として、 1.出力−入出力−入力−終端抵抗 2.終端抵抗−出力−入出力−入力−終端抵抗 の2つが設定されている。
【0077】救済布線階層基準パラメータファイル22
5は、配線パターンを切断する際に救済布線を発生する
必要があるか否かを判断するための基準値が設定されて
いるファイルである。図3に示すファイル225は、5
層配線のプリント配線板の例であり、この場合、上記5
層のいずれにおいても配線パターンの切断があり得る。
該切断には通常ドリルが用いられるが、表面層以外の層
の配線パターンを切断する場合には、表面層から順に当
該層まで穴があけられていくことになる。このため、当
該層では必要最小限の穴が開けられたとしても、対向す
る位置の上層部にはより大きな穴が開けられることにな
る。
【0078】本実施例では、切断位置を中心とする半径
(間隙値半径)Rの円を想定し、該円内を間隙領域と定
義する。そして、該間隙領域内にある本来切断すべきで
はない配線パターンについて救済布線を発生する。そし
て、この場合、ドリルにより穿設される全ての層につい
て間隙領域を求める。該間隙領域の半径は、当該切断層
の間隙値半径Rに該当する係数をかけた値とする。すな
わち、隣接する層の該係数値を「1.1」とし、これか
ら一層づつ離れるに従って係数値を「0.1」づつ増加
していく。したがって、当該切断層から表面層側にn層
隔たった位置にある層の係数値は「1.0+0.1n」
とする。このようにして求められる「1.1」,「1.
2」,「1.3」,「1.4」の値の係数値が、図3に
示すように救済布線層基準パラメータファイル25に設
定されている。尚、上記各係数値の左側に付された
「1」〜「5」の数字は、当該切断層から何層隔たって
いるかを示すものであり、この場合「1」が当該切断層
(したがって、この場合、係数値は「1.0」となる)
に対応している。また「2」以降が当該切断層以外の表
面層側の配線層に対応している。
【0079】再び、図3及び図4のフローチャートの説
明に戻る。上記ステップS51で各種ファイルの入力を
行った後、実装データベース200から最新版の回路デ
ータ(新回路データ)とそれより1つ前の版の回路デー
タ(旧回路データ)を読み出し、両回路データの間の論
理差分を抽出する(S52)。
【0080】次に、該論理差分が抽出された新回路デー
タのネットについて、その出力ピンの部品仕様とピン番
号をキーとして部品端子テクノロジーファイル222を
参照して該ネットをTTL系またはECL系に区分けす
る。このとき、論理差分抽出データの中に当該テクノロ
ジー名を加えると共に、新回路データとリンクをとるた
めに当該ネット番号も設定して、これを差分ファイル2
10に格納する。この場合、TTL系ネットについて
は、差分が有った論理差分抽出データについてのみ、E
CL系については差分の有無にかかわらず全ネットの論
理差分抽出データを格納する(S53)。
【0081】続いて、差分ファイル210の内容を主メ
モリ上に設けられた差分内部テーブルへロードする(S
54)。そして、全ネットについて、以下のステップS
55〜S57の処理を、その論理差分抽出データを参照
しながら行う。
【0082】すなわち、ネット番号順にネットの論理差
分抽出データを読み出し、該論理差分抽出データに差分
情報(追加ピンや削除ピン等の情報)が含まれているか
否か判別する(S55)。そして、該差分情報が有るネ
ットについては、まずそのネットの新テクノロジー名
を、その論理差分抽出データから読み出し、該新テクノ
ロジー名をキーとして部品端子テクノロジーファイル2
22を検索し、該ネットがTTL系またはECL系のい
ずれであるか判別する(S57)。
【0083】一方、上記ステップS55で差分情報が無
かった場合には、改造実行時パラメータファイル221
のECL差分無し実行モードフラグを参照して、該フラ
グが「NG」または「OK」のいずれに設定されている
か調べる(S56)。そして、該フラグが「OK」に設
定されている、すなわち、ECL差分無し実行モードと
なっていれば(S56,YES)、上記ステップS57
の判別処理に移行する。一方、該フラグが「NG」に設
定されいる、すなわち、ECL差分無し実行モードとな
っていなければ、上記差分内部テーブルから次のネット
の論理差分抽出データを読み出す処理に移る。
【0084】そして、ステップS57で該ネットがTT
L系であると判明すれば(S57,NO)、その論理差
分抽出データを参照して過剰接続がある否か判別する
(S58)。そして、過剰接続があれば(S58,YE
S)、過剰ピンすなわち削除対象のピンの中にSMDの
ピン(端子)が有るか否か、初版パターンデータの部品
情報を参照しながら調べる(S59)。
【0085】そして、該削除ピンの中にSMD端子があ
れば(S59,YES)、該SMD端子に接続されてい
る引き出しビアを仮想的に該SMD端子として取り扱う
仮想ピン化を行って、該SMD端子とその引き出しビア
を接続しているパターンを切断する代わりに、該仮想ピ
ンと接続されたパターンを切断するSMD引き出し切断
処理を行う(S60)。この処理については、後述詳し
く説明する。
【0086】続いて、SMD端子以外の削除ピンについ
て従来と同様の通常の切断処理を行う(S61)。上記
ステップS59で削除ピンの中にSMD端子が無いと判
明した場合には(S59,NO)、直ちにステップS6
1に移行し、該削除ピンに対し該通常の切断処理を行
う。
【0087】このように、本実施例の自動改造において
は、TTL系のネットの中に削除ピンとしてSMD端子
が有る場合には、後述するように該SMD端子に対して
有効な引き出しビアの仮想ピン化による配線パターンの
切断を行う。
【0088】上述のようにして過剰接続に対処した配線
パターンの切断処理を終了した後、または上記ステップ
S58で過剰接続が無かった場合には(S58,N
O)、次に、論理差分抽出データを参照して不足接続す
なわち配線が不足しているピンがあるか否か判別する
(S62)。そして、不足接続があれば(S62,YE
S)、配線が不足しているピンすなわち追加ピンがSM
Dの端子であるか否か判別する(S63)。そして、S
MD端子であれば(S63,YES)、該SMD端子に
接続されている引き出しビアを上記切断処理のときと同
様に仮想ピンとして取り扱い、該仮想ピンから布線を発
生して配線を行うSMD引き出しVIA処理を行う(S
64)。この処理については、後述詳しく説明する。
【0089】この後、SMD端子以外の不足ピンについ
て従来と同様に通常の布線接続処理を行う(S65)。
また、上記ステップS63で不足ピンの中にSMD端子
が無いと分かれば(S63,NO)、直ちにこのステッ
プS65に移行し、該不足ピンに対する布線接続処理を
行う。
【0090】このように、本実施例においては、追加ピ
ンがSMD端子であった場合には、その引き出しビアを
仮想ピン化し、後述するようにSMD端子に対して有効
な布線接続を行う。
【0091】このようにして、追加ピンに対する布線接
続が終了した後、または上記ステップS62で不足接続
が無いと判明した場合には(S62,NO)、新ネット
の接続が正しくなされているか、すなわち未接続の部分
がないか判別する(S66)。そして、未接続の部分が
あった場合には(S66,NO)、それらの箇所を布線
により接線する(S67)。
【0092】続いて、他のパターンの切断の影響を受け
て切断されてしまう、本来、切断されるべきではない隣
接パターンがあるか調べ、そのような隣接パターンに対
しては救済布線を発生する(S82)。この隣接パター
ンの切断チェックは、改造実行時パラメータファイル2
21に設定されている間隙値と、救済布線階層基準パラ
メータファイル225に設定されている係数値を基に行
う。そして、救済布線の発生が必要な区間については、
改造データベース203の布線情報ファイル203j内
の該区間に関する布線データに救済マークを立てる。
尚、この救済布線発生処理S82の詳細は後述詳しく説
明する。
【0093】次に、端子間ピッチが所定距離(例えば
0.5ミリ)未満のSMDの端子が搭載されているラン
ドに接続されている布線がないか調べ、該布線に対して
は改造データベース203の布線情報ファイル203j
内の当該布線データにルート要マークを立てる(S8
3)。このような布線は、自動布線機によりプリント配
線板上に密着して張られる。そして、この場合の布線ル
ートは設計者が改造エディタを利用て会話形式で決定す
る。これらの一連の処理については、後述詳しく説明す
る。
【0094】尚、上記ステップS66で、新ネットの接
続が正しくなされていれば(S66,YES)、直ちに
上記ステップS82,83の処理を行う。また、前記ス
テップS57で新ネットがECL系であると判別すると
(S57,YES)、次に、該ネットの論理差分抽出デ
ータ内に設定されているネット番号を基に、該ネットの
新回路データを改造データベース203の回路情報ファ
イル2106から読み出す。そして、該新回路データで
定義されている接続順を、ECL接続順定義ファイル2
24内に定義されているECL接続順と比較し、新ネッ
トがECL接続順に従っているか否か判別する(S6
8)。
【0095】この場合、新ネットがECL系であるにも
かかわらず、ECL接続定義順に合っていないときには
(S68,NO)、該新ネットをTTL系とみなし、こ
のネットに対し前述したステップS58〜S67及びS
82,83の処理を行う。尚、この場合、例えば警告メ
ッセージをディスプレイやプリンタにより出力する。
【0096】一方、上記ステップS68で新ネットがE
CL接続順となっていれば(S68,YES)、まず、
前述したTTL系の新ネットと同様に、過剰接続に対す
るステップS69〜S72の処理を行う。該ステップS
69〜S72の一連の処理SAは、前述したTTL系新
ネットでのステップS58〜S61の一連の処理と同様
の処理であり、詳しい説明は省略する。このように、E
CL系の新ネットに対しても、削除ピンとしてSMD端
子が存在すれば、その引き出しビアを仮想ピンとみなし
て、該SMD端子とその引き出しビアを接続しているパ
ターンを切断する代わりに該仮想ピンに接続されている
配線パターンを切断する。
【0097】次に、上記切断処理後の旧版の接続パター
ンを調べ、ECL接続順と適合していない区間を切断す
る(S73)。次に、前述したTTL系ネットのときと
同様に、不足ピンがSMD端子であったときに対するS
MD引き出しビア処理を行う(S74〜S76)。この
ステップS74〜S76の一連の処理SBは、前述した
ステップS62〜S64の一連の処理と同一である。S
MD端子の引き出しビアを仮想ピン化して、該引き出し
ビアに対する布線接続を行った後、その他の追加ピンに
対してECL接続順に合った布線を張る(S77)。
【0098】この後、または上記ステップS74で追加
ピンが無いと判別したときは(S74,NO)、テクノ
ロジーファイル223に設定されている分岐長なども考
慮して現時点で新ネットがECL接続を満足しているか
調べ(S78)、まだ満足していなければ(S78,N
O)、新ネットの全ての接続がECL接続順及び上記分
岐長を満足するものとなるように、布線の発生や配線パ
ターンの切断を行う(S79)。
【0099】次に、論理差分抽出データの設定されてい
るテクノロジー名をキーにして、該テクノロジー名のテ
クノロジー情報(アンテナ長、ペア発生長、アースラン
ド長)をテクノロジーファイル223から読み出す。そ
して、前述したようにして、ノイズ発生源となるアンテ
ナ部分を切断するECLアンテナ長切断処理(S8
0)、及びノイズを低減するためのECLペア布線発生
処理を行う(S81)。尚、上記ステップS78で新ネ
ットが既にECL接続を満足したものとなっているとき
には、直ちにこれらのELCアンテナ長切断処理S80
及びECLペア布線発生処理S81を行う。
【0100】次に、前述したTTL系の新ネットと同様
に、前述したステップS82の救済布線発生処理とステ
ップS83の布線ルートの発生必要有無チェック処理を
行う。
【0101】以上説明した、ステップS57〜S83の
処理を、前記差分内部テーブルに格納されている改造が
なされた全てのネットに対して行う。上記のフローチャ
ートでは、ECL系のネットについては、論理差分が無
いネットについても自動改造を行っているが、これは該
論理差分が全くないすなわち新・旧回路データの端子接
続情報が全く同じであっても、新ネットがECL系であ
った場合、改造が必要となるときがあるからである。こ
れは、例えば、下記の、のような場合である。
TTL系からECL系に変更になった場合。これは、例
えば、新ネットの出力端子の系区分が部品端子テクノロ
ジーファイル222においてECL系からTTL系に変
更された場合などが該当する。この場合には、ECL系
での自動改造を施す必要がある。 系は、ECL系の
まま変わらないが、出力端子のテクノロジーが変更にな
った場合。これは、例えば、新ネットの出力端子のテク
ノロジー名が部品端子テクノロジーファイル222にお
いて別のテクノロジー名に変更された場合などが該当す
る。この場合には、アンテナ長、ペア発生長、アースラ
ンド長、及び分岐長の値が変化するので、ステップS7
9のECLアンテナ長切断処理S79及びステップS8
0のECLペア布線発生処理を再度行う必要がある。
【0102】次に、上記フローチャートで説明したEC
L系ネットへの改造処理について、具体例を取り上げて
より詳細に説明する。 1.ECL系ネットの差分抽出処理(ステップS51〜
S53の処理) 図7において、旧回路データ410及び新回路データ4
20は、TTL系からECL系に改造するある1ネット
の旧回路、新回路における接続情報を定義したものであ
り、接続順にピン情報が入力されている。該ピン情報
は、(部品名、部品仕様、ピン番号、属性)の各情報よ
り成る。属性には、O(出力)、I(入力)、C(入出
力)、R(終端抵抗)がある。上記両回路データ41
0,420の論理差分を抽出することにより、両回路に
は論理差分があることが分かるので、差分抽出データ4
30を作成する。
【0103】すなわち、旧回路ではI10−01(出
力)、I20−01(入力)、I30−01(入出
力)、I40−01(入力)、R10−01(終端抵
抗)の順に接続されていたが、新回路では、I50−0
1(出力)、I20−01(入力)、I30−01(入
出力)、I40−01(入力)、R20−01(終端抵
抗)の順に接続されるように変更されている。これによ
り、両接続情報の差分を抽出することにより、I10−
01(出力)とR10−01(終端抵抗)が削除、I5
0−01(出力)とR20−01(終端抵抗)が追加
で、残りのピンは変更なしであることが分かる。
【0104】旧回路データ410、新回路データ420
は、(部品名、部品仕様、ピン番号、属性)の各情報を
含んでおり、新回路データ420の出力ピン(出力端
子)I50−01の部品仕様S11−ピン番号01をキ
ーとして部品端子テクノロジーファイル222を参照す
ることにより、当該レコードのECL区分情報とテクノ
ロジー名情報とから、新ネットがECL系でそのテクノ
ロジー名がE1であることが分かる。これにより、新ネ
ットの差分抽出データ430には、新テクノロジー情報
として「E1」を設定する。このテクノロジー名「E
1」は、テクノロジーファイル223を参照して、EC
Lアンテナ長切断処理やECLペア布線発生処理で使用
する(アンテナ長、ペア発生長、アースランド長)のデ
ータを読み出す際のキーとして用いられる。また、差分
抽出データ430には、上記削除ピンまたは追加ピン以
外に変更のなかったピンについても、(部品名、ピン番
号、属性、変更マーク)の各情報を設定する。変更マー
クは当該ピンが削除、追加、または無変更のいずれであ
るかを示すマークであり、削除ピンに対しては「D」
が、追加ピンに対しては「A」が、変更のなかったピン
については「=」が設定される。
【0105】ECL系ネットであることが判明した新回
路データ420において、そのピン接続がECL系の接
続定義に従っているか否かは、ECL接続順定義ファイ
ル224を参照することにより判断する。この場合に
は、該ファイル224内において1番目に定義されてい
る「出力−入出力−入力−終端抵抗」の接続順となっい
ることが分かる。 2.ECL系ネットの自動改造処理(ステップS69〜
S81の処理) 次に、上記図7に示すECL系ネットの差分抽出データ
430に基づいて、プリント配線板の配線パターンを自
動改造する方法を図8及び図9を参照しながら説明す
る。尚、図8及び図9において〜のピン位置は、差
分抽出データ430内の〜の各ピンのプリント配線
板上の搭載位置を示している。また、E1,E2,E3
はアースランドであり、破線は配線基本格子である。
【0106】旧回路データ410に従って、旧版のプリ
ント配線板のパターンが図8(a) に示すように−−
−−の接続になっていたとする。差分抽出データ
430に従えば、ピン,は削除ピンであるので、図
9(b) に示すように−間、及び−間の配線を、
それぞれC1,C2で切断する。
【0107】次に、該切断後のパターンを調べると、
I20−01(入力)−I30−01(入出力)−
I40−01(入力)の接続順になっている。しかしな
がら、ECL接続順定義ファイル224(図3参照)に
従えば、入出力−入力−入力の順に接続されるべきであ
るため、図9(c) に示すように、−間及び−間
も、それぞれC3,C4の箇所で切断する。
【0108】次に、差分抽出データ430に設定されて
いる追加ピンI50−01(出力)、R20−01
(終端抵抗)に対して布線を発生させる。この場合に
も、ECL接続順定義ファイル224で定義されている
ECL接続順に従う。これより、出力ピンのI50−
01は入出力ピンのI30−01へ、終端抵抗R2
0−01は入力ピンのI40−01へ、それぞれ布線
J1,J2を張る。
【0109】続いて、上記図9(d) に示すピンの削除及
び追加処理後のネットがECL接続を満足しているかチ
ェックする。この場合、満足していないので、I50
−01(出力)−I30−01(入出力)−I20
−01(入力)−I40−01(入力)−R20−
01(終端抵抗)というECL接続順に従ったネットと
なるように、図9(e) に示すように−間及び−
間を接続する布線J3,J4を発生させる。
【0110】この後に、ECL基準のペア布線発生チェ
ックを行う。すなわち、テクノロジーファイル223
(図3参照)を参照して、テクノロジー名E1のペア発
生長基準値が12700 mmであることを知る。そして、この
場合、布線J1が12700 mm以上であるので、図9(f) に
示すように該布線J1に対するペア布線(アース布線)
J5を発生する。このとき、該布線J5は、アースラン
ドE1−E2間に張るが、該アースランドE1,E2の
選定は、テクノロジーファイル223に設定されている
テクノロジー名E1のアースランド長2450mmを基に行
う。すなわち、布線J1が張られたピン、から上記
アースランド長2540mmの範囲内、すなわちピン,を
中心とする半径2540mmの円内にアースランドが存在する
か検索し、該当するアースランドE1,E2を見つけ
る。
【0111】次に、論理差分が得られないECL系ネッ
トの自動改造処理の具体例を図10乃至図13を参照し
ながら説明する。 TTL系テクノロジーからECL系テクノロジーへ
とテクノロジーが変更されるネットの例 初版パターン設計時において、あるネットの回路データ
440が図10(a) に示すような内容であったとする。
すなわち、このネットの出力端子I10(SS1)−0
1は、同図(b) に示すように、初版パターン設計時の部
品端子テクノロジーファイル222においてテクノロジ
ー名がT1のTTL系の出力端子と定義されており、こ
のネットはTTL系である。したがって、この場合、端
子の接続順は規制されず、例えば、同図(c) に示すよう
に配線されたとする。
【0112】次に、改造設計時の際、上記ネットの回路
データは上記図10(a) に示すままで変更がなされなか
ったものの、部品端子テクノロジーファイル222の内
容が図10(b) に示す内容から図11(a) に示す内容に
変更されたとする。すなわち、この場合においては、上
記出力端子I10(SS1)−01のテクノロジー名が
E1に変更されており、該出力端子I10(SS1)−
01はTTL系からECL系の出力端子に変更されてい
る。したがって、図10(c) に示す配線ではECL系の
接続順定義を満足していない。このため、図11(b) に
示すような自動改造を行う。すなわち、I10−01と
I20−01間のパターン451と終端抵抗R10−0
1とを接続しているパターン452を切断すると共に、
新たにI20−01(入力)とI30−01(入力)間
を布線453により接続する。これにより、出力−入力
−入力−終端抵抗のECL系の接続順に改造される。 旧版時にもECL系であったが、出力端子のテクノ
ロジー名が変更された場合 あるネットの初版パターン設計時の回路データ440が
図12(a) に示す内容であったとする。すなわち、初版
時において、このネットの出力端子I10(SS1)−
01は、同図(b) に示す部品端子テクノロジーファイル
222においてECL系のテクノロジー名E0の出力端
子と定義されている。よって、このネットは、初版パタ
ーン設計時において、例えば、同図(d) に示すように配
線接続される。すなわち、入力端子I30−01は、主
幹の一経路となっているI10−01(入力)とI20
−01(入力)の両入力端子間を接続しているパターン
とパターン462により分岐接続される。このとき、パ
ターン462の長さ、すなわち分岐長は 5000mm となっ
ており、同図(c) に示すテクノロジー名E0の分岐長50
80mmよりは短くなっている。すなわち、分岐長の制限値
は満足している。
【0113】次に、改造設計時において、上記ネットの
回路データ440が図12(a) に示す内容のまま変更さ
れず、部品端子テクノロジーファイル222の内容が図
12(b) に示す内容から図12(a) に示す内容に変更さ
れたとする。すなわち、出力端子I10(SS1)−0
1のテクノロジー名がE0からE1に変更されたとす
る。
【0114】この場合には、テクノロジー名E0の配線
条件に従って接続されている旧ネットを、テクノロジー
名E1の配線条件を満足するように改造する必要があ
る。これにより、分岐となっているパターン462の長
さ(=5000mm)が、テクノロジー名E1における分岐長
2040mmを越えており、分岐エラーとなっていることを検
出する。このため、図12(b) に示すように、I10−
01と分岐パターン462とを接続している区間(パタ
ーン)461を切断し、I10−01とI30−01と
の間に布線(一般布線)463を発生させる。これによ
り、I10−01(出力)─I30−01(入力)─I
20−01(入力)─R10−01(終端抵抗)という
主幹経路のみから成るネットが形成される。すなわち、
この場合において、パターン462は分岐ではなく主幹
の一経路となり、上記分岐エラーは解消される。
【0115】尚、上記例では分岐エラーのみが発生した
場合の自動改造についてのみ述べたが、アンテナ長エラ
ーやペア発生長エラーなどが発生した場合には、それら
のエラーを解消するための当該改造処理を実行する。 3.救済布線発生処理(ステップS81の処理) 改造データベース203の切断情報ファイル203Cに
格納されている全ての新規切断位置情報に基づき、全て
の新規切断位置について隣接パターンとの間隙をチェッ
クし、該間隙値が規定値より短ければ間隙エラーとす
る。そして、間隙エラーのときは、隣接パターンが切断
されたと仮定し、該切断区間に対し救済パターンを発生
する。この場合、プリント配線板が多層配線であった場
合には、切断位置と同一層の配線パターンのみでなく、
該切断によって穿孔される全ての層の配線パターンにつ
いても間隙チェックを行う。
【0116】次に、この処理の一具体例を図14を参照
しながら説明する。同図において、〜はピンまたは
ビア等を示す。また、実線で示された配線パターン30
1〜304は表面層に形成されているもの、破線で示さ
れた配線パターン311,312は中間層に形成されて
いるものである。
【0117】まず、同図(a) に示すように、旧版におい
ては、表面層には−,−,−間に、それぞ
れ配線パターン301,302,304が、また−
間の配線パターン302に分岐する形で該−間と
とを接続する配線パターン303が形成されている。ま
た、中間層には−,−間にそれぞれ配線パター
ン311,312が形成されている。
【0118】旧版の回路において、このような状態にあ
るときに、新版の回路において中間層における−間
の配線パターン312をC1の位置で切断する場合、該
中間層における間隙値は、改造実行時パラメータファイ
ル221に設定されている間隙値R0をそのまま使用す
るが、表面層で用いる間隙値R1は、該表面層が中間層
に対して何層上に位置するかによって変化する。すなわ
ち、救済布線階層基準パラメータファイル225内に設
定されている当該係数値を上記改造実行時パラメータフ
ァイル221に設定されている間隙値R0に積算して、
当該間隙値R1を得る必要がある。
【0119】すなわち、 表面層の間隙値R1=当該救済布線階層係数×間隙値R0 となる。
【0120】例えば、表面層が中間層よりも1層上にあ
る場合には、図3に示す救済布線基準パラメータファイ
ル225から当該係数値として「1.1 」を得る。2層上
の場合は「1.2 」である。
【0121】図14(b) に、同図(a) の切断位置C1の
近傍を拡大して示す。同図(b) に示すように、中間層の
間隙チェック領域401は、切断位置C1を中心とする
半径R0の円内、表面層の間隙チェック領域402は、
切断位置C1を中心とする半径R1の円内となる。尚、
同図(b) においては両領域401,402は楕円のよう
に示されているが実際には円である。
【0122】この場合の間隙チェックでは、表面層の配
線パターン303と304が表面層の間隙チェック領域
401内に含まれていると判定され、それらの配線パタ
ーン303,304が間隙エラーとなる。このため、
と及びとの区間の配線パターン303,304が
切断されるものと仮定して、それらの区間に対してそれ
ぞれ救済布線J1,J2を発生する。これに伴い、図1
5に示すように、改造データベース203の布線情報フ
ァイル203jに−及び−の各区間に対する布
線情報を設定し、この布線を通常の改造布線と区別する
ために該布線情報に救済布線マーク(救済MK)「Q」
を立てる。
【0123】このように、本実施例においては、切断に
よる救済布線の必要の有無を、該当する全ての配線層に
ついて自動的にチェックする。そして、救済布線が必要
な区間については、救済布線を発生し、この情報を改造
データベース203の布線情報ファイル203j内に格
納する。また、このとき、救済布線の布線情報には救済
布線である旨を示す救済布線マーク「Q」を立てる。こ
のように、改造データベース203に布線情報として、
通常の布線と救済布線とを区別できるようにして格納す
るため、次回の自動改造を効率良く高速に処理すること
ができる。すなわち、例えば、救済布線が張られている
ネットの切断処理が必要となった場合、切断ネットの物
理接続状態を抽出するときに、救済布線は物理接続に取
り込まない(布線データに不図示の削除マークを付与す
る)で、救済布線のはられていた区間を優先的に切断処
理することで、効率的に切断処理ができ、救済布線発生
の抑止ができる。一方、従来のように、一般布線/救済
布線の区別が無い場合には救済布線を一般布線としか認
識できないため、物理接続状態を抽出する時に救済布線
についても表現されるため、該ネットに於ける切断処理
は、救済布線の削除(切断処理)と、切断ネットの配線
パターンの切断処理を行う必要がある。すなわち、2回
の切断処理が必要となり、非効率である。また、救済布
線のはられているSMD端子にさらに新たな追加ピンを
接続する必要が生じた場合でも、布線発生するネットの
物理接続を抽出する際に、救済布線は物理接続に取り込
まない(布線データに不図示の削除マークを付与する)
ので、追加ピンに対する布線発生処理では、張られる布
線の数が通常1本に制限されているSMD端子の搭載ラ
ンドへの布線接続を極力抑止できる。また、布線情報に
は切断区間を示すデータ(FROM,TO)も含まれて
いるため、救済布線が張られる区間を一情報で知ること
ができる。また、これにより、例えば改造エディタなど
を用いて改造データベース203から救済布線マーク
「Q」が立っている布線情報を読み出して、救済布線の
張られる区間を画面表示することも容易に可能となる。
【0124】次に、上述したように、改造データベース
203の布線情報ファイル203jに布線データを一般
布線と救済布線に分けて登録することにより得られる効
果の一例を図16乃至図19を参照しながら説明する。
【0125】まず、自動改造が効率良く高速に行える一
例を説明する。例えば、図16(a) に示すように、1回
目の改造処理でA−B間の配線パターン466がC1の
位置で切断され、隣接するV1−V2間のパターンに救
済布線467を発生したものとする。尚、図16におい
て、C,DはSMD端子、V1,V2はそれらの引き出
しビアとする。また、A,Bはランドとする。
【0126】続いて、その後の改造処理においてC−D
間を切断する必要が生じたとする。この場合、上記1回
目の改造処理で上記救済布線467の布線データを救済
布線マーク「Q」により救済布線と認識可能な形式で登
録した場合と、一般布線と同様な形式により救済布線と
認識できないような形式で登録した場合とでは、以下に
説明するように上記C−D間の切断処理の工程は異なっ
たものとなる。 a.救済布線467を救済布線と認識できる場合 救済布線は論理的には切断していないネットに発生
される。したがって、救済布線467は物理接続とは認
識せず、図16(b) に示すようにC−D間は初版パター
ン時と同様にC−V1−V2−Dという物理接続がなさ
れているものとみなす。 このため、図16(c) に示
すようにC−D間の切断のために引き出しビアV1−V
2間のパターン468を切断する。すなわち、該パター
ン468の切断データを改造データベース203の切断
情報ファイル203cに登録する。これにより、一回の
切断処理で、C−D間の切断処理が終了する。 b.救済布線467を救済布線と認識できない場合 この場合、救済布線467を一般布線と認識するた
め、C−D間の物理接続の状態を、図18(d) に示すよ
うにC−V1−V2−Dの初版パターンに加え、V1−
V2間に布線467が張られていると認識する。 こ
のため、まず、V1−V2間の布線467を切断する。
すなわち、改造データベース203の布線情報ファイル
203jに登録されている布線(実際には救済布線)4
67の布線データに削除マークを立てる。これにより、
C−D間の物理接続状態は図18(e) に示すように、C
−V1−V2−Dの初版設計時の状態になったとみなさ
れる。 続いて、C,DがSMD端子であるため、図
18(f) に示すように引き出しビアV1−V2間のパタ
ーン468を切断する。すなわち、改造データベース2
03の切断情報ファイル203cにV1−V2間のパタ
ーン468の切断データを登録する。
【0127】このように、救済布線467を一般布線と
識別できないように改造データベース203に登録した
場合には、救済布線467とV1−V2間のパターン4
68の2つの切断処理が必要となる。
【0128】以上説明したように、改造データベース2
03に布線データを登録する際、該布線データの形式を
本実施例のように一般布線と救済布線が識別可能な形式
とすることにより、救済布線が張られているネットの切
断処理を少ない工数で効率良く高速に行うことができ
る。
【0129】まず、救済布線は、図17に示された布線
発生優先ルールに従って発生するように予め定められて
いるものとする。すなわち、救済布線を張るランドの優
先順位は、貫通部品ランド(IMD端子が挿入されるス
ルーホールのランド)、ピア(ビアホールのランド)、
SMD部品ランド(SMD端子が搭載されるランド)の
順とする。また、貫通部品ランド(IMD端子)に張ら
れる布線の最大数は「2」、ビアとSMD部品ランド
(SMD端子)に張られる布線の最大数は「1」であ
る。そして、電子部品の下にあるビアに対する布線は禁
止する。
【0130】そして、例えば、図18(a) に示すように
A−B間のネットに対して、救済布線471を発生した
とする。すなわち、該ネットはA−V1−V2−Bのパ
ターン接続がなされており、隣接するC−D間のパター
ン472が図中「X」印で示す位置で切断されるのに伴
って、V1−B間に救済布線471が発生される。尚、
図18において、A,B,C,DはSMD端子であり、
V1,V2は引き出しビアである。尚、V2は現在、電
子部品の下にある。また、XはIMD端子である。
【0131】このように、ビアV2が電子部品下にある
ため、救済布線471はSMD端子Bに距離的に近いビ
アV2ではなく、ビアV1に対して張られる。そして、
この救済布線471の布線データが救済布線マーク
「Q」が立てられて改造データベース203の布線情報
ファイル203jに登録される。
【0132】次に、2回目の改造時に、IMD端子Xを
A−Bネットに追加する必要が生じたとする。この場
合、本実施例では、以下のような順序で自動改造を行
う。 AがSMD端子なのでその引き出しビアV1に
IMD端子Xを布線接続しようと試みるが、該引き出し
ビアV1は、既に救済布線471が張られているので、
まず、この救済布線471を削除する。 X−V1間
に一般布線473を発生して、X−V1間を布線接続す
る。 X−B間に救済布線474を発生して、X−B
間を布線接続する。
【0133】以上の〜の処理により、A−Bネット
にIMD端子Xが追加される。この場合、SMD端子へ
の布線接続は、SMD端子Bへの救済布線474のみで
ある。
【0134】一方、救済布線471が一般布線と同様に
して改造データベース203の布線情報ファイル203
jに登録される場合には、図19に示すような手順で自
動改造が行われることになる。 前述した図18の説
明時ののときと同様に、AがSMD端子なのでその引
き出しビアV1にIMD端子Xを接続しようとするが、
該引き出しビアV1に布線471が既に張られているこ
とを検出する。このとき、布線データには救済布線マー
クが付与されていないので、該布線471が実際は救済
布線であるにもかかわらず一般布線と認識してしまう。
したがって、布線471は削除せず、まず、IMD端子
XをSMD端子Bに接続するために、その引き出しビア
V2とX間に布線を発生しようと試みる。しかし、この
場合、該ビアV2は現在、電子部品下にあるのでこれを
断念する。 IMD端子XをSMD端子Aに布線接続
するため、X−A間に布線475を発生する。これによ
り、IMD端子XがA−Bネットに追加される。この場
合、SMD端子への布線接続数は、両SMD端子A,B
にそれぞれ布線475,471が張られるので「2」と
なる。
【0135】このように、一般布線と救済布線を区分け
して改造データベース203に登録しない場合には、次
回の改造の際、SMD端子の布線接続数が増加しがちと
なり、回路上好ましくない。 4.布線ルート入力処理 前記ステップS82の処理により、改造データベース2
03の布線情報ファイル203rには例えば、図20に
模式的に示すように、設計者による布線ルートの設定が
必要な布線の布線データについては、ルート要マーク
(図中で丸印で示されたもの)が立てられる。同図の例
では、I10−01とK10−01の区間及びI40−
01とK40−01の区間に張られる布線に対し布線ル
ートを設定する必要がある。一方、I20−01とK2
0−01の区間及びI30−01とK30−01の区間
に張られる布線に対しては布線ルートを設定する必要が
ない。
【0136】本実施例の改造エディタ(ECエディタ)
は、改造データベース203の布線情報ファイル203
jから布線情報を読み出し、上記ルート要マークが立っ
ている布線区間については、図21(a) に示すような画
面をグラフィックディスプレイ上に表示する。すなわ
ち、布線ルートの設定が必要な布線510,540のみ
を画面に表示する。これにより、設計者は容易にI10
−01とK10−01の区間及びI40−01とK40
−01の区間に布線ルートの設定が必要であることを知
ることができる。
【0137】続いて、設計者は図21(b) に示すような
I10−01とK10−01の区間に張る布線のルート
として、図中で破線で示す布線ルート512を入力す
る。すなわち、R1,R2の2つの位置を、例えば、ポ
インティングデバイス等を用いて指定することにより該
布線ルート512を入力する。改造エディタは、I10
−01とR1,R1とR2、及びR2とK10−01の
間を結ぶ直線を破線により表示し、それらの破線の結合
によって表示される布線ルート512を表示する。
【0138】一方、設計者は、I40−01とK40−
01間の布線ルート542を入力する際、例えばI40
−01を通る水平線とK40−01を通る垂線との交点
であるR3を入力する。これにより、改造エディタはI
40−01とR3及びR3とK40−01との間を接続
する直線を破線により表示し、これによりそれらの破線
が結合されたI40−01とK40−01との間に張ら
れるべき布線ルート542を表示する。
【0139】以上のようにして、設計者により2つの布
線ルート512,542が入力されると、この入力情報
を改造データベース203の布線情報ファイル203j
とルート情報ファイル203rに反映させる。すなわ
ち、例えば、布線ルート512,542に対してそれぞ
れNo. 1,No. 2のルート番号(ルートNo. )を割り当
てる。そして、図21(c) に示すように、これらのルー
ト番号を布線情報ファイル203j内のI10−01と
K10−01の区間及びI40−01とK40−01の
区間に張られる布線に対応する布線データのルートポイ
ントに設定する。また、改造エディタは、布線ルート情
報ファイル203rに上記入力された布線ルート51
2,542の情報を登録する。この情報は、例えば、図
21(c) に示すように、ルート番号(ルートNo. )、ポ
イント数、及びポイント位置の3項目から成る。ポイン
ト位置は、布線ルート入力の際に指定されたポイント位
置であり、図中ではR1,R2,R3で示されている。
また、ポイント数は、上記ポイント位置の個数である。
【0140】したがって、布線ルート512の布線ルー
ト情報は、{1(ルート番号),2(ポイント数)、R
1,R2(ポイント位置)}となる。また、布線ルート
542の布線ルート情報は{2((ルート番号)、1
(ポイント数)、R3(ポイント位置)}となる。
【0141】このように、本実施例では、改造エディタ
により布線ルートの設定が必要な布線が自動的に表示さ
れる。設計者は、改造エディタを操作して該布線に対し
て布線ルートが決定されるポイント位置を指定すること
により該布線ルートを入力することができる。また、こ
の布線ルートの情報は、改造データベース203内に当
該布線データとリンクされて格納される。すなわち、布
線ルートは既存の改造データと共に一元管理される。こ
れにより、管理が容易になる。 5.SMD端子に接続される引き出しビアの仮想ピン化
(ステップS59,63,70,75の処理) SMD端子を含むネットについて改造が行われ、図22
(a) に示すような差分抽出データが得られたとする。同
図(a) において、A,XがSMD端子であり、B,C,
D,Yは例えばIMDピンなどである。
【0142】図22(b) は改造前の配線パターンであ
る。同図(b) に示すように、SMD端子Aはその引き出
しビアV1を会してピンBに接続され、ピンBはピンC
とピンDに接続されている。また、SMD端子Xにその
引き出しビアV2が接続されている。このような状態か
ら、同図(a) に示す差分抽出データに従って改造を行
う。
【0143】まず、SMD端子Aが削除ピンとなってい
るので、SMD端子とピンB間を切断する必要がある
が、この場合、引き出しビアV1をSMD端子Aの仮想
ピンとみなし、仮想ピンV1とピンB間のパターン60
1をC1の位置で切断する。このようにすることによ
り、次の改造処理でSMD端子Aを使用するときはその
引き出しビア(仮想ピン)V1から布線を発生すること
が可能になる。また、この場合、SMD端子Aに直接布
線を張らないので該SMD端子Aに半田小手により熱の
ストレスを加える必要がなくなるという利点も生じる。
【0144】次に、SMD端子Xの追加処理を行うが、
この場合にも、その引き出しビアV2をSMD端子Xの
仮想ピンとみなし、該仮想ピンV2からピンCに布線を
発生する。また、ピンYについても直接SMD端子Xに
対して布線を張らず、該SMD端子Xの仮想ピンV2に
対して布線を発生する。このように、本実施例において
はSMD端子の引き出しビアをその仮想ピンとみなし
て、該SMD端子が削除ピンのときにはその引き出しビ
アに接続された配線パターンを切断し、該SMD端子が
追加ピンのときにはその引き出しビアに対して布線を発
生する。そして、これらの処理を自動改造により行う。
これにより、SMD端子の引き出しビアを有効に利用し
て、SMD端子からの引き出しラインをできるだけ切断
しないようにして、該SMD端子に直接布線を張る機会
を極力減らすことができるので、改造時におけるSMD
の品質劣化を防止できる。 6.改造エディタによる救済布線の編集処理 上述したように、改造データベース203の布線ルート
情報ファイル203rに救済布線データを救済マークに
より一般の布線データと区別できるように格納するの
で、改造エディタは布線ルート情報ファイル203rか
ら布線データを読み出して以下のような編集機能を設計
者に提供することができる。 布線の入力・削除を行
うための画面を表示する際、救済布線を一般の布線と区
別できるように表示(例えば、一般布線を実線、救済布
線を破線で、または救済布線を強調表示)する。 該
表示画面上で救済布線の入力を可能とする。 布線削
除のコマンドが入力された際、削除指定された布線が救
済布線であるか否かを判定し、救済布線であった場合に
は設計者に対し再度、その削除の確認を促すためのメッ
セージを画面上に出力する。 ある区間の配線パター
ンが切断された際、そのパターンに隣接するパターンに
対し、前述したような救済布線発生チェックを行い、救
済布線の発生が必要であると判断した場合には、当該救
済布線を画面上に自動的に表示する。
【0145】次に、上述したような改造エディタによる
救済布線の編集処理の一具体例を図23を参照しながら
説明する。まず、実装データベース200の布線情報フ
ァイル200j内に、同図(a) に模式的に示すような布
線データが格納されているものとする。すなわち、端子
E,F間並びに端子F,D間に一般布線が張られ、端子
F,X間に救済布線が張られる旨の布線データが格納さ
れている。また、特に図示してはいないが、該一般布線
・救済布線データにはプリント配線板上での布線座標の
値も設定されている。
【0146】改造エディタは、上記一般・救済布線の編
集を指示するコマンドが入力されると、実装データベー
ス200から同図(a) に示す一般・救済布線データ及び
初版パターンデータ等を読み出し、同図(b) に示すよう
な布線編集画面をグラフィック・ディスプレイ上に表示
する。同図(b) に示す画面では、上述したE−F、F−
D間の一般布線及びY−X間の救済布線以外に、A−
B,D−D、及びG−H間の配線パターンが表示されて
いる。該表示において、一般布線は実線により、救済布
線は破線により表示し、両者が画面上で容易に区別でき
るようにしている。また、同図(b) に示す画面により、
Y−X間の救済布線が、隣接するA−B間のパターンが
切断されることにより発生されるものであることが容易
に知れるようになっている。
【0147】続いて、設計者が布線削除コマンドを入力
・実行し(同図(c) 、削除対象の布線としてY−X間の
布線を選択すると(同図(d) )、改造エディタは、Y−
X間の布線データに救済布線マークが立っていることを
認識する。そして、同図(e)に示すような「救済布線が
選択されました。削除しますか? YES NO」という
警告メッセージをグラフィック・ディスプレイの画面に
出力する。
【0148】この場合、設計者は、Y−X間の救済布線
701を削除してもよい場合には「YES」を、一方、
Y−X間の救済布線701の削除を思いとどまる場合な
どには「NO」を入力する。改造エディタは、設計者に
より上記いずれかの入力がなされると、その入力に対応
する布線処理を実行、その実行結果を画面上に反映させ
る(同図(f) )。すなわち、Y−X間の救済布線701
の削除を実行した場合には(「YES」が入力された場
合)、画面上からY−X間の救済布線701を消去す
る。
【0149】一方、同図(b) に示す画面表示がなされて
いるときに、設計者がG−H間のパターン702の切断
を指示するコマンドを入力した場合には(同図(g) )、
前述した3.救済布線発生処理と同様にして、該G−H
間のパターン702の切断に伴って救済布線を発生する
区間が無いか調べる救済布線発生チェックを行う(同図
(h) )。そして、このチェックにより救済布線の発生が
必要な区間が見つかった場合には、該救済布線をグラフ
ィック・ディスプレイ上に画面表示する(同図(i) )。
【0150】同図(b) に示すような配線状態において
は、G−H間のパターン702とC−D間のパターン7
03との間隙が改造実行時パラメータファイル221に
設定されている間隙値より短いので、該C−D間に対し
て救済布線を発生させる必要があると判断し、同図(j)
に示すようにC−D間に救済布線705を表示する。
【0151】このような救済布線705の表示において
も、設計者に対して「表示中の救済布線でよいか? YE
S NO」というメッセージを画面に表示する(同図
(k)。設計者は、このメッセージに対しても、「YE
S」または「NO」のいずれかを入力する。すなわち、
改造エディタにより表示された救済布線705を発生し
てよい場合には「YES」を、該救済布線705を発生
したくない場合には「NO」を入力する。改造エディタ
は、「NO」が入力された場合には同図(l) に示すよう
に救済布線705を消去する。すなわち、この場合には
救済布線705の布線データは改造データベース203
には登録されない。一方、改造エディタは、「YES」
が入力された場合には、画面表示は、同図(j) に示すま
ま変化させず、改造データベース203の布線情報ファ
イル203jに救済布線705の布線データすなわち救
済布線マークが立った布線データを登録する。
【0152】尚、同図に示した方法以外にも、設計者が
救済布線を張る区間を指定するコマンドを設け、改造エ
ディタは該コマンドが入力された場合にはその指定され
た救済布線のデータを改造データベース203の布線情
報ファイル203rに登録するようにしてもよい。この
ようにすることにより、設計者は、画面上で所望する区
間に救済布線を発生することが可能になる。
【0153】尚、上記実施例ではECL系ネットの改造
について取り上げたが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、ECL系と同様に端子の接続順が限定される
他の論理レベルの系のネットにも適用可能なものであ
る。また、この場合にはテクノロジーファイル223に
それらの系の各テクノロジーに従った配線条件などの実
装設計用の基準値が格納されることになる。
【0154】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば
以下のような効果が得られる。ECL系ネットのような
端子の接続順が限定されるネットを自動的に検出して、
該ネットを自動的にその接続順または接続条件に従った
ように改造するので、従来の人手作業に頼っていたとき
に比べ、改造作業を高速に短期間でできると共に、その
改造は正確であり信頼性は高い。また、改造結果もデー
タベースに反映させることが可能となるので、従来不可
能であったECL系ネットのような特殊なネットについ
ても、TTL系ネットなどと同様にデータベースにより
管理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図(その1)である。
【図2】本発明の原理説明図(その2)である。
【図3】一実施例の自動改造処理を説明するフローチャ
ート(その1)である。
【図4】一実施例の自動改造処理を説明するフローチャ
ート(その2)である。
【図5】ECL系ネットにおける主幹の定義方法を説明
する図である。
【図6】ECL系ネットにおけるアンテナの定義方法を
説明する図である。
【図7】ECL系ネットにおける差分抽出処理を説明す
る図である。
【図8】ECL系ネットにおける自動改造処理を説明す
る図(その1)である。
【図9】ECL系ネットにおける自動改造処理を説明す
る図(その2)である。
【図10】論理差分が得られないECL系ネットの自動
改造を説明する図(その1)である。
【図11】論理差分が得られないECL系ネットの自動
改造を説明する図(その2)である。
【図12】論理差分が得られないECL系ネットの自動
改造を説明する図(その3)である。
【図13】論理差分が得られないECL系ネットの自動
改造を説明する図(その4)である。
【図14】救線布線発生処理の方法を説明するフローチ
ャートである。
【図15】改造データベース内の布線情報に救線布線マ
ークを設定する方法を説明する図である。
【図16】一般布線と救線布線とが識別可能な形式で改
造データベースに登録された場合の効果の一例を説明す
る図である。
【図17】布線発生優先ルールの内容を示す図である。
【図18】一般布線と救線布線とが識別可能な形式で改
造データベースに登録された場合の効果の他の例を説明
する図である。
【図19】一般布線と救線布線とを同一形式の布線デー
タにより改造データベースに登録した場合に発生する不
都合の他の例を説明する図である。
【図20】改造データベース内の布線データにルート要
マークを設定する方法を説明する図である。
【図21】改造データベースの布線情報ファイルから布
線情報を詠み出した状態を示す図である。
【図22】SMD端子の引き出しビアの仮想ピン化によ
る切断及び布線の発生処理の方法を説明する図である。
【図23】本実施例の改造エディタによる救線布線の編
集処理を説明するフローチャートである。
【図24】従来のプリント配線板の改造設計手順を説明
する図である。
【図25】従来の自動改造処理を説明するフローチャー
トである。
【図26】あるネットについて新・旧の回路データから
差分データを抽出する方法を説明する図である。
【図27】従来の自動改造処理におけるECL系ネット
の改造における問題点を説明する図である。
【図28】従来の救線布線の発生方法を説明する図であ
る。
【図29】従来の布線ルートの設定に係わる問題点を説
明する図である。
【図30】従来のSMD端子の切断処理及びSMD端子
に対する布線の発生処理における問題点を説明する図で
ある。
【符号の説明】
101、102 ネット判定情報記憶手段 102 接続情報記憶手段 103、108 ネット判定手段 104、109 改造データ作成手段 105、107 配線条件情報記憶手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−266140(JP,A) 特開 平5−128204(JP,A) 特開 平4−267483(JP,A) 特開 平3−164871(JP,A) 特開 平3−33982(JP,A) 米国特許4805113(US,A) 米国特許5473547(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネットの新回路データから、そのネット
    が端子間の接続順が限定される特殊な系のネットである
    か否かを判定するために必要となる情報を格納している
    ネット判定情報記憶手段(101)と、 該特殊系のネットにおける端子の接続順を定義している
    情報が格納されている接続情報記憶手段(102)と、 ネットの新回路データを入力して、該新回路データと上
    記ネット判定情報記憶手段(101)内に記憶されてい
    るネット判定情報とを基に、上記ネットが上記特殊系ネ
    ットであるかを判定するネット判定手段(103)と、 該ネット判定手段(103)によって特殊系のネットで
    あると判定されたネットについて、その旧回路と新回路
    のデータとから上記ネットの新回路の全ての端子をプリ
    ント配線板上で上記接続情報記憶手段(102)に記憶
    されている当該接続順情報に従って接続するために必要
    となる配線改造データを作成する改造データ作成手段
    (104)と、 を有することを特徴とするプリント配線板の改造支援装
    置。
  2. 【請求項2】 前記特殊系のネットは、ECLレベルで
    の信号が入出力されるECL系のネットであることを、 を特徴とする請求項1記載のプリント配線板の改造支援
    装置。
  3. 【請求項3】 ECL系の配線条件が定義されている配
    線条件情報記憶手段(105)を、さらに有し、 前記改造データ作成手段(104)は、該配線条件情報
    記憶手段(105)に格納されている配線条件に従って
    改造データを作成することを、 特徴とする請求項2記載のプリント配線板の改造支援装
    置。
  4. 【請求項4】 前記配線条件はアンテナの制限長であ
    り、前記改造データ作成手段(104)は、配線パター
    ンの切断処理により該制限長以上のアンテナ部分が発生
    したときには、該アンテナを切断すべき旨のデータを作
    成すること、 を特徴とする請求項3記載のプリント配線板の改造支援
    装置。
  5. 【請求項5】 前記配線条件は、ペア布線の発生が必要
    となる布線の長さであり、前記改造データ作成手段(1
    04)は、新たに発生させた布線の長さが該ペア布線長
    以上になった場合、該布線に対してペアとなる布線をア
    ースランド間に発生させるデータを作成させること、 を特徴と請求項3記載のプリント配線板の改造支援装
    置。
  6. 【請求項6】 前記配線条件として、さらに前記ペア布
    線を張るべきアースランドの検索範囲を定め、前記改造
    データ作成手段(104)は、上記アースランドとして
    前記布線の各端点から該検索範囲内の布線接続可能なア
    ースランドを優先的に選択すること、 を特徴とする請求項5記載のプリント配線板の改造支援
    装置。
  7. 【請求項7】 前記配線条件は、主幹からの分岐長の制
    限値であり、前記改造データ作成手段(104)は、前
    記当該接続順情報に加え、さらに上記分岐制限長も考慮
    して端子の接続を決定すること、 を特徴とする請求項3記載のプリント配線板の改造支援
    装置。
  8. 【請求項8】 ネットの新回路データから、そのネット
    が端子間の接続順が限定される特殊な系のネットである
    か否かを判定するために必要となる情報を格納している
    ネット判定情報記憶手段(106)と 上記特殊な系の配線条件が定義されている配線条件情報
    記憶手段(107)と、 ネットの新回路データを入力して、該新回路データと上
    記ネット判定情報記憶手段(106)内に格納されてい
    るネット判定情報とを基に、上記ネットが上記特殊な系
    のネットであるかを判定するネット判定手段(108)
    と、 該ネット判定手段(108)によって特殊ネットである
    と判定されたネットについて、その新回路のデータを基
    に、上記配線条件情報記憶手段(107)に格納されて
    いる当該配線条件に従って改造データを作成する改造デ
    ータ作成手段(109)と、 を有することを特徴とするプリント配線板の改造支援装
    置。
  9. 【請求項9】 前記特殊な系のネットは、ECLレベル
    での信号が入出力されるECL系のネットであることを
    特徴とする請求項8記載のプリント配線板の改造支援装
    置。
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