JP3150366B2 - 樹脂組成物の硬化物 - Google Patents
樹脂組成物の硬化物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス転移温度が向上
し、かつ原料樹脂組成物の貯蔵安定性が良好で、原料硬
化性組成物の作業性にも優れた耐熱特性を有する樹脂組
成物の硬化物に関する。
し、かつ原料樹脂組成物の貯蔵安定性が良好で、原料硬
化性組成物の作業性にも優れた耐熱特性を有する樹脂組
成物の硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気および電子機器、機械部品等
において、接着剤などの樹脂成分に対する耐熱性の要求
が増大してきている。かかる用途に対して、耐熱性に優
れたポリマレイミドを、エポキシ樹脂で変性することに
より、その接着性等を改善した樹脂についての試みが数
多くなされている。これらのうちで、特に保存安定性向
上のため、ビスマレイミドをエポキシ樹脂のみで変性し
た樹脂の場合、沈殿を生じやすいという欠点を有してい
る。この改良方法として、例えば特開平1−22902
9号公報には、ポリマレイミドとエポキシ樹脂とを、第
3成分としての、一つのOH基と、一つ以上のエポキシ
基とを有する化合物で変性した樹脂組成物が開示されて
いる。
において、接着剤などの樹脂成分に対する耐熱性の要求
が増大してきている。かかる用途に対して、耐熱性に優
れたポリマレイミドを、エポキシ樹脂で変性することに
より、その接着性等を改善した樹脂についての試みが数
多くなされている。これらのうちで、特に保存安定性向
上のため、ビスマレイミドをエポキシ樹脂のみで変性し
た樹脂の場合、沈殿を生じやすいという欠点を有してい
る。この改良方法として、例えば特開平1−22902
9号公報には、ポリマレイミドとエポキシ樹脂とを、第
3成分としての、一つのOH基と、一つ以上のエポキシ
基とを有する化合物で変性した樹脂組成物が開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平1−22
9029号公報に示されるポリマレイミド、エポキシ樹
脂を、一つのOH基と一つ以上のエポキシ基とを共有す
る化合物で変性した樹脂組成物は、これをポリアミンで
硬化させた場合、最終硬化物のガラス転移温度の上限
は、220℃〜230℃程度であつて十分とはいえな
い。
9029号公報に示されるポリマレイミド、エポキシ樹
脂を、一つのOH基と一つ以上のエポキシ基とを共有す
る化合物で変性した樹脂組成物は、これをポリアミンで
硬化させた場合、最終硬化物のガラス転移温度の上限
は、220℃〜230℃程度であつて十分とはいえな
い。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を解決し、さ
らに本発明硬化物のガラス転移温度を上昇させるととも
に、原料樹脂組成物の貯蔵安定性が良好でかつ二液型の
原料硬化性組成物の作業性が優れた耐熱特性を有する樹
脂組成物の硬化物を提供することを目的としている。
らに本発明硬化物のガラス転移温度を上昇させるととも
に、原料樹脂組成物の貯蔵安定性が良好でかつ二液型の
原料硬化性組成物の作業性が優れた耐熱特性を有する樹
脂組成物の硬化物を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために本発明者らが鋭意研究を重ねた結果完成
したものである。すなわち、本発明の樹脂組成物の硬化
物は、
達成するために本発明者らが鋭意研究を重ねた結果完成
したものである。すなわち、本発明の樹脂組成物の硬化
物は、
【0006】(A)(a)下記化2に示す一般式で表さ
れるポリマレイミド(式中R1はn価の有機基、Xa,
Xbは水素原子および有機基から選ばれた同一または異
なる一価の原子または基、nは2ないし4を示す)、 (b)分子中に少くとも二つ以上のエポキシ基を有する
エポキシ樹脂および (c)分子中に一つの−OH基と一つのアセチレン基と
を有する化合物、を加熱混合してなる樹脂組成物と (B)ポリアミンとを混合した硬化性組成物を加熱硬化
してなるものである。
れるポリマレイミド(式中R1はn価の有機基、Xa,
Xbは水素原子および有機基から選ばれた同一または異
なる一価の原子または基、nは2ないし4を示す)、 (b)分子中に少くとも二つ以上のエポキシ基を有する
エポキシ樹脂および (c)分子中に一つの−OH基と一つのアセチレン基と
を有する化合物、を加熱混合してなる樹脂組成物と (B)ポリアミンとを混合した硬化性組成物を加熱硬化
してなるものである。
【0007】
【化2】
【0008】本発明に用いる(A)成分の一つである
(a)成分のポリマレイミドとしては、例えばN,N´
ジフェニルエ−テルビスマレイミド、N,N´ジフェニ
ルスルホンビスマレイミド、N,N´ジフェニルメタン
ビスマレイミド、N,N´フェニレンビスマレイミド、
N,N´ジフェニルエ−テルビスマレイミドおよび、こ
れらの化合物の三核体、四核体の混合物等を使用するこ
とが可能で、これらのものは単独あるいは2種以上を混
合して使用することができる。
(a)成分のポリマレイミドとしては、例えばN,N´
ジフェニルエ−テルビスマレイミド、N,N´ジフェニ
ルスルホンビスマレイミド、N,N´ジフェニルメタン
ビスマレイミド、N,N´フェニレンビスマレイミド、
N,N´ジフェニルエ−テルビスマレイミドおよび、こ
れらの化合物の三核体、四核体の混合物等を使用するこ
とが可能で、これらのものは単独あるいは2種以上を混
合して使用することができる。
【0009】(A)成分の一つである(b)成分のエポ
キシ樹脂としては、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、
ビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキ
シ樹脂、アミンをグリシジル化したエポキシ樹脂、複素
環を有するエポキシ樹脂、脂肪族または脂環式のエポキ
シ樹脂、シロキサン結合を含むエポキシ樹脂等があり、
これらの1種または2種以上を選択して用いることがで
きる。
キシ樹脂としては、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、
ビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキ
シ樹脂、アミンをグリシジル化したエポキシ樹脂、複素
環を有するエポキシ樹脂、脂肪族または脂環式のエポキ
シ樹脂、シロキサン結合を含むエポキシ樹脂等があり、
これらの1種または2種以上を選択して用いることがで
きる。
【0010】(A)成分の一つである(c)成分として
は、下記化3で示されるプロパルギルアルコ−ル、下記
化4で示される2−ヘキシン−3,5−ジメチル−3−
オ−ル等、一分子中に一つのOH基と、一つのアセチレ
ン基とを含む化合物が挙げられる。
は、下記化3で示されるプロパルギルアルコ−ル、下記
化4で示される2−ヘキシン−3,5−ジメチル−3−
オ−ル等、一分子中に一つのOH基と、一つのアセチレ
ン基とを含む化合物が挙げられる。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】上記の(A)(a)、(A)(b)および
(A)(c)成分を同時に、80℃〜200℃で0.5
時間〜24時間加熱混合するのが一般的であるが、
(A)(a)成分のポリマレイミドに対して、(A)
(b)成分のみでは、沈殿発生が避けられないのに対
し、さらに(A)(c)成分を加えて、加熱混合すると
室温ないし50℃程度の温度で液状をなす均一で安定な
組成物(A)を調製することができる。
(A)(c)成分を同時に、80℃〜200℃で0.5
時間〜24時間加熱混合するのが一般的であるが、
(A)(a)成分のポリマレイミドに対して、(A)
(b)成分のみでは、沈殿発生が避けられないのに対
し、さらに(A)(c)成分を加えて、加熱混合すると
室温ないし50℃程度の温度で液状をなす均一で安定な
組成物(A)を調製することができる。
【0014】(A)(c)成分としては、(A)(a)
成分のポリマレイミド100重量部に対し、5〜200
重量部を用いるのが好ましいが、特に、熱時物性保持お
よび沈殿発生防止の目的では、10〜50重量部を用い
るのが好ましい。
成分のポリマレイミド100重量部に対し、5〜200
重量部を用いるのが好ましいが、特に、熱時物性保持お
よび沈殿発生防止の目的では、10〜50重量部を用い
るのが好ましい。
【0015】(A)(b)成分のエポキシ樹脂は、目的
とする耐熱性、接着性を考慮すると、(A)(a)成分
のポリマレイミド100重量部に対し、10〜300重
量部を用いるのが好ましい。とくに、貯蔵安定性および
断熱性を維持するという目的では、15〜200重量部
が好ましい。
とする耐熱性、接着性を考慮すると、(A)(a)成分
のポリマレイミド100重量部に対し、10〜300重
量部を用いるのが好ましい。とくに、貯蔵安定性および
断熱性を維持するという目的では、15〜200重量部
が好ましい。
【0016】(A)(a)、(A)(b)および(A)
(c)成分を加熱混合する場合の加熱温度は、80〜2
00℃が好ましく、とくに110〜150℃が好まし
い。また加熱時間は、0.5〜24時間が好ましく、と
くに1〜8時間が好ましい。これらの条件を採用するこ
とにより好ましい組成物(A)を得ることができる。
(c)成分を加熱混合する場合の加熱温度は、80〜2
00℃が好ましく、とくに110〜150℃が好まし
い。また加熱時間は、0.5〜24時間が好ましく、と
くに1〜8時間が好ましい。これらの条件を採用するこ
とにより好ましい組成物(A)を得ることができる。
【0017】硬化剤である(B)成分のポリアミン化合
物としては、4,4´ジアミノジフェニルメタン、4,
4´ジアミノジフェニルスルホン、4,4´ジアミノジ
フェニルスルフィド、4,4´ジアミノジフェニルエ−
テル、m−またはp−フェニレンジアミン、m−または
p−キシリレンジアミン、2,4ビスパラアミノベンジ
ルアニリン等一般の液状または固体ポリアミンを挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。 (B)成分としては(A)成分100重量部に対して、
3〜100重量部が好ましく、とくに5〜50重量部が
好ましい。
物としては、4,4´ジアミノジフェニルメタン、4,
4´ジアミノジフェニルスルホン、4,4´ジアミノジ
フェニルスルフィド、4,4´ジアミノジフェニルエ−
テル、m−またはp−フェニレンジアミン、m−または
p−キシリレンジアミン、2,4ビスパラアミノベンジ
ルアニリン等一般の液状または固体ポリアミンを挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。 (B)成分としては(A)成分100重量部に対して、
3〜100重量部が好ましく、とくに5〜50重量部が
好ましい。
【0018】上記(A)成分および(B)成分を混合
し、混合物を好ましくは80〜250℃、とくに好まし
くは、150〜230℃で加熱硬化することにより、耐
熱特性を有する樹脂組成物の硬化物を得ることができ
る。なお、加熱時間は1〜48時間が好ましい。
し、混合物を好ましくは80〜250℃、とくに好まし
くは、150〜230℃で加熱硬化することにより、耐
熱特性を有する樹脂組成物の硬化物を得ることができ
る。なお、加熱時間は1〜48時間が好ましい。
【0019】本発明における(B)成分において、硬化
を促進するために、例えば、第三級アミン類、過酸化
物、各種イミダゾール等の少くとも一種を必要に応じて
さらに添加することができる。
を促進するために、例えば、第三級アミン類、過酸化
物、各種イミダゾール等の少くとも一種を必要に応じて
さらに添加することができる。
【0020】また、硬化時の低収縮率化、熱膨脹係数の
低減、耐磨耗性、機械的強度、熱伝導率、導電性等の各
種性能を向上させる目的で、適宜無機充填剤、金属粉末
等を加えることも可能である。さらに、本発明の目的を
損わない範囲において、強靭性、可撓性等を向上させる
目的で、シリコ−ン樹脂、各種固型、液状のゴムなどの
少くとも一種を添加することができる。
低減、耐磨耗性、機械的強度、熱伝導率、導電性等の各
種性能を向上させる目的で、適宜無機充填剤、金属粉末
等を加えることも可能である。さらに、本発明の目的を
損わない範囲において、強靭性、可撓性等を向上させる
目的で、シリコ−ン樹脂、各種固型、液状のゴムなどの
少くとも一種を添加することができる。
【0021】本発明における原料樹脂組成物の(A)成
分において、さらに粘度を低減させるために、下記の化
合物の少くとも一種を、本発明の目的とする耐熱性を損
わない範囲内で自由に添加することができる。かかる化
合物として、例えば、アリルアルコール、フルフリルア
ルコール、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、スチレ
ン、N−ビニルピロリドン、トリアリルトリメリテー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレ
ート、ジアリルフタレート、各種アクリレート、各種メ
タクリレート等が挙げられる。
分において、さらに粘度を低減させるために、下記の化
合物の少くとも一種を、本発明の目的とする耐熱性を損
わない範囲内で自由に添加することができる。かかる化
合物として、例えば、アリルアルコール、フルフリルア
ルコール、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、スチレ
ン、N−ビニルピロリドン、トリアリルトリメリテー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレ
ート、ジアリルフタレート、各種アクリレート、各種メ
タクリレート等が挙げられる。
【0022】
【作用】ポリマレイミド(特に汎用に用いられているビ
スマレイミド)とエポキシ樹脂とを高温(例えば150
℃)で加熱混合すると、均一液状になるが、室温に冷却
すると大量の沈殿を生じる傾向がある。本発明は、ポリ
マレイミドがマイケル付加反応を生じること、およびエ
ポキシ樹脂が、ポリマレイミドとは殆ど反応しないこと
を利用し、一つのOH基と一つのアセチレン基とを有す
る化合物を用い、これらとポリマレイミドとを反応させ
ることにより、全体の相溶性の改善を行ったものであ
る。このようにして得られた(A)成分のプレポリマー
は、これを(B)成分のポリアミンで硬化することによ
り、ガラス転移温度が向上し、かつ原料硬化性組成物の
作業性が優れて原料樹脂組成物の貯蔵安定性が良好な耐
熱特性を有する樹脂組成物の硬化物となる。
スマレイミド)とエポキシ樹脂とを高温(例えば150
℃)で加熱混合すると、均一液状になるが、室温に冷却
すると大量の沈殿を生じる傾向がある。本発明は、ポリ
マレイミドがマイケル付加反応を生じること、およびエ
ポキシ樹脂が、ポリマレイミドとは殆ど反応しないこと
を利用し、一つのOH基と一つのアセチレン基とを有す
る化合物を用い、これらとポリマレイミドとを反応させ
ることにより、全体の相溶性の改善を行ったものであ
る。このようにして得られた(A)成分のプレポリマー
は、これを(B)成分のポリアミンで硬化することによ
り、ガラス転移温度が向上し、かつ原料硬化性組成物の
作業性が優れて原料樹脂組成物の貯蔵安定性が良好な耐
熱特性を有する樹脂組成物の硬化物となる。
【0023】
実施例1〜5および比較例1〜6
【0024】実施例1〜5および比較例1〜6において
は、下記表1に示す(A)成分および(B)成分を用
い、(A)成分は、表1に示す配合のものをオ−トクレ
−ブ中で140℃で所定時間反応させたものである。表
1に示すとおり、実施例1〜4では、室温で均一な液状
になり、実施例5では、固形分70%になるように、メ
チルエチルケトン(MEK)/ジオキサン(重量比8/
2)を反応終了後加えたもの、すなわち固形分70%の
溶剤型のもので均一な液状になつた。比較例について
は、比較例1が(A)(b)成分を除いた処方、比較例
2が(A)(c)成分を除いた処方で、これ以外は実施
例2と同一条件で反応させたものである。また、比較例
3は、実施例1と同一処方で反応時間を短くしたもので
ある。この結果、(A)(b)、(A)(c)成分のい
ずれかが欠けても、また、(A)(b)、(A)(c)
成分の双方があっても、反応時間が短いと、均一な性状
の反応物を得ることが困難であることが分かつた。な
お、比較例4は(A)(c)成分のプロパルギルアルコ
−ルの代わりにグリシド−ルを用いた処方で、比較例5
および6は、(A)成分として(A)(b)成分のみを
用いた場合の処方である。
は、下記表1に示す(A)成分および(B)成分を用
い、(A)成分は、表1に示す配合のものをオ−トクレ
−ブ中で140℃で所定時間反応させたものである。表
1に示すとおり、実施例1〜4では、室温で均一な液状
になり、実施例5では、固形分70%になるように、メ
チルエチルケトン(MEK)/ジオキサン(重量比8/
2)を反応終了後加えたもの、すなわち固形分70%の
溶剤型のもので均一な液状になつた。比較例について
は、比較例1が(A)(b)成分を除いた処方、比較例
2が(A)(c)成分を除いた処方で、これ以外は実施
例2と同一条件で反応させたものである。また、比較例
3は、実施例1と同一処方で反応時間を短くしたもので
ある。この結果、(A)(b)、(A)(c)成分のい
ずれかが欠けても、また、(A)(b)、(A)(c)
成分の双方があっても、反応時間が短いと、均一な性状
の反応物を得ることが困難であることが分かつた。な
お、比較例4は(A)(c)成分のプロパルギルアルコ
−ルの代わりにグリシド−ルを用いた処方で、比較例5
および6は、(A)成分として(A)(b)成分のみを
用いた場合の処方である。
【0025】実施例1、4および5ならびに比較例4、
5および6において、(A)および(B)成分の混合物
を200℃、48時間の硬化条件で硬化させたもののガ
ラス転移点Tg (TMA法による)を測定し、その結果
を下記表1に併記した。なお、(B)成分の配合量は最
大Tg を示す量とした。
5および6において、(A)および(B)成分の混合物
を200℃、48時間の硬化条件で硬化させたもののガ
ラス転移点Tg (TMA法による)を測定し、その結果
を下記表1に併記した。なお、(B)成分の配合量は最
大Tg を示す量とした。
【0026】
【表1】 注) (1)反応終了後、固形分が70%になるようにMEK
/ジオキサン(重量比8/2)を加える。 (2)単位:Pa ・s (3)硬化条件:80℃で5時間後さらに200℃で4
8時間 (4)油化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂 (5)保土谷化学工業株式会社製ポリアミン (6)エイ・シ−・アイ・ジャパンリミテッド社製ポリ
アミン
/ジオキサン(重量比8/2)を加える。 (2)単位:Pa ・s (3)硬化条件:80℃で5時間後さらに200℃で4
8時間 (4)油化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂 (5)保土谷化学工業株式会社製ポリアミン (6)エイ・シ−・アイ・ジャパンリミテッド社製ポリ
アミン
【0027】上記表1に示すように本発明の実施例1、
4および5の樹脂組成物の硬化物は、(A)(c)成分
としてプロパルギルアルコールの代わりに一つのOH基
と一つのエポキシ基とを有するグリシドールを用いた比
較例4の樹脂組成物の硬化物、ならびに(A)成分とし
て(A)(b)成分のみを用いた比較例5および6の樹
脂組成物の硬化物の何れよりもガラス転移点Tgが上昇
していることが認められた。
4および5の樹脂組成物の硬化物は、(A)(c)成分
としてプロパルギルアルコールの代わりに一つのOH基
と一つのエポキシ基とを有するグリシドールを用いた比
較例4の樹脂組成物の硬化物、ならびに(A)成分とし
て(A)(b)成分のみを用いた比較例5および6の樹
脂組成物の硬化物の何れよりもガラス転移点Tgが上昇
していることが認められた。
【0028】下記表2には、実施例1および5の(A)
成分の貯蔵安定性を測定した結果を示した。貯蔵は23
℃、測定は30℃で行なつた。下記表2に示す結果から
明らかのように、(A)成分は、3か月経過後も使用に
何ら支障を来すことがなかつた。
成分の貯蔵安定性を測定した結果を示した。貯蔵は23
℃、測定は30℃で行なつた。下記表2に示す結果から
明らかのように、(A)成分は、3か月経過後も使用に
何ら支障を来すことがなかつた。
【0029】
【表2】
【0030】さらに、下記表3には、実施例1および5
ならびに比較例6における(A)成分および(B)成分
の混合物を120℃で5時間予備加熱後200℃で48
時間加熱硬化したもの、ならびにこの硬化物を200℃
で1か月および2か月暴露したものにつき、室温および
熱時において、引張り剪断接着強さを測定し、その結果
を示した。なお、引張り剪断接着強さは、被着材として
S55C(鋼板)を使用して、JIS K6850の方
法によつて測定した。また、実施例5の場合は、貼り合
せ前に80℃で20分加熱乾燥した後、目玉クリップで
固定した。
ならびに比較例6における(A)成分および(B)成分
の混合物を120℃で5時間予備加熱後200℃で48
時間加熱硬化したもの、ならびにこの硬化物を200℃
で1か月および2か月暴露したものにつき、室温および
熱時において、引張り剪断接着強さを測定し、その結果
を示した。なお、引張り剪断接着強さは、被着材として
S55C(鋼板)を使用して、JIS K6850の方
法によつて測定した。また、実施例5の場合は、貼り合
せ前に80℃で20分加熱乾燥した後、目玉クリップで
固定した。
【0031】
【表3】
【0032】上記表3に示す結果から明らかのように、
実施例1および5の場合、200℃で2か月暴露したも
のでも劣化は認められなかつた。また、実施例5の場合
は、250℃まで安定した強度を保持することが分かつ
た。これは、本発明の樹脂組成物の硬化物が、耐熱特性
に優れていることを示すものである。
実施例1および5の場合、200℃で2か月暴露したも
のでも劣化は認められなかつた。また、実施例5の場合
は、250℃まで安定した強度を保持することが分かつ
た。これは、本発明の樹脂組成物の硬化物が、耐熱特性
に優れていることを示すものである。
【0033】
【発明の効果】本発明の耐熱特性を有する樹脂組成物の
硬化物は、ポリマレイミドとエポキシ樹脂とを第3成分
を用いて、均一に相溶性よく、無溶剤液状型から、溶剤
型まで変性したものであつて、変性による硬化物の耐熱
性の低下が、従来型に比べて少ない特長を有する。ま
た、本発明の樹脂組成物の硬化物はガラス転移温度が向
上し、かつ原料樹脂組成物の貯蔵安定性および原料硬化
性組成物の作業性に優れたものである。したがつて、本
発明の耐熱特性を有する樹脂組成物の硬化物は、耐熱性
の良好な接着剤、注型品、積層材などの用途に広く用い
ることができる。
硬化物は、ポリマレイミドとエポキシ樹脂とを第3成分
を用いて、均一に相溶性よく、無溶剤液状型から、溶剤
型まで変性したものであつて、変性による硬化物の耐熱
性の低下が、従来型に比べて少ない特長を有する。ま
た、本発明の樹脂組成物の硬化物はガラス転移温度が向
上し、かつ原料樹脂組成物の貯蔵安定性および原料硬化
性組成物の作業性に優れたものである。したがつて、本
発明の耐熱特性を有する樹脂組成物の硬化物は、耐熱性
の良好な接着剤、注型品、積層材などの用途に広く用い
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−25480(JP,A) 特開 昭57−174317(JP,A) 特開 平1−229029(JP,A) 特開 平3−39311(JP,A) 特開 平4−28712(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/50 C08G 59/14 C08L 63/00 - 63/10 C08L 79/00
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)(a)下記化1に示す一般式で表
されるポリマレイミド(式中R1はn価の有機基、
Xa,Xbは水素原子および有機基から選ばれた同一ま
たは異なる一価の原子または基、nは2ないし4を示
す)、 (b)分子中に少くとも二つ以上のエポキシ基を有する
エポキシ樹脂、および (c)分子中に一つの−OH基と一つのアセチレン基と
を有する化合物、 を加熱混合してなる樹脂組成物と (B)ポリアミンとを混合した硬化性組成物を加熱硬化
してなる樹脂組成物の硬化物。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20680691A JP3150366B2 (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 樹脂組成物の硬化物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20680691A JP3150366B2 (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 樹脂組成物の硬化物 |
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