JP3149528B2 - フィルター - Google Patents

フィルター

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JP3149528B2
JP3149528B2 JP13636992A JP13636992A JP3149528B2 JP 3149528 B2 JP3149528 B2 JP 3149528B2 JP 13636992 A JP13636992 A JP 13636992A JP 13636992 A JP13636992 A JP 13636992A JP 3149528 B2 JP3149528 B2 JP 3149528B2
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征明 井上
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Onkyo Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子機器に於けるフ
ィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来2次階段特性を有するローパスフィ
ルターに関する回路例は、少なくただ図1に示すステー
ト・バリアブル形フィルターと、図2に示すバイカッド
形フィルターといった多段接続形回路のみであった。
【0003】これら回路は、いずれも4段のOPアンプ
が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡素な回路
構成でもって、2次階段特性を有するローパスフィルタ
ーを実現し、又、階段のコーナー周波数と独立に立ち上
がりの尖鋭度Qを簡単に連続的に可変することができる
フィルターを実現し、更に又、伝送零点を取り得るフィ
ルターを実現することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
【0006】本発明に係わる一のフィルターは、入力側
を第1抵抗を介して差動入力増幅器の正極に接続し、前
記入力側を第1コンデンサー及び第2抵抗を介して前記
差動入力増幅器の負極に接続し、前記差動入力増幅器の
正極と接地間に第3抵抗を接続し、第1コンデンサーと
第2抵抗の接続点と接地間に第4抵抗を接続し、前記差
動入力増幅器の出力側と前記差動入力増幅器の負極間に
第2コンデンサーを接続し、第1コンデンサーと第2抵
抗の接続点と前記差動入力増幅器の出力側間に第5抵抗
を接続してなることを特徴とする。
【0007】本発明に係わる一のフィルターは、前記記
載の第1抵抗と第3抵抗の比を可変することにより、階
段特性の立上がりコーナー周波数の尖鋭度のみを、連続
的に可変できるようにしたことを特徴とする。
【0008】本発明に係わる一のフィルターは、入力側
を差動入力増幅器の正極に接続し、前記入力側を第1コ
ンデンサー及び第1抵抗を介して前記差動入力増幅器の
負極に接続し、第1コンデンサーと第1抵抗の接続点と
接地間に第2抵抗を接続し、前記差動入力増幅器の出力
側と前記差動入力増幅器の負極間に第2コンデンサーを
接続し、第1コンデンサーと第1抵抗の接続点と前記差
動入力増幅器の出力側間に第3抵抗を接続し、前記差動
入力増幅器のの負極と接地間に第4抵抗を接続してなる
ことを特徴とする。
【0009】本発明に係わる一のフィルターは、前記記
載の第4抵抗の抵抗値を可変することにより、ほぼ階段
特性の立上がりコーナー周波数の尖鋭度のみを、連続的
に可変できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の作用・効果】1段のOPアンプを含む簡単な回
路構成でもって、2次階段特性を有するローパスフィル
ターを実現し、又、抵抗値の可変が、階段のコーナー周
波数の変化に関与しない、あるいは、無視できるもので
もって、階段特性の立上がりの尖鋭度を簡単に連続的に
可変することができるフィルターを実現し、更に又、伝
送零点を有するフィルターが実現できる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0012】図3は、本発明の一実施例である。
【0013】本発明の入力側を抵抗R4を介して差動入力
増幅器例えば、OPアンプOP1の正極に接続し、また、
本発明の入力側をコンデンサーC1及び抵抗R3を介してO
PアンプOP1の負極に接続する。OPアンプOP1の正極と
接地間に抵抗R5を接続する。コンデンサーC1と抵抗R3
接続点と接地間に抵抗R1を接続する。OPアンプOP1の
出力側とOPアンプOP1の負極間にコンデンサーC2を接
続する。
【0014】コンデンサーC1と抵抗R3の接続点とOPア
ンプOP1の出力側間に抵抗R2を接続する。なお、OPア
ンプOP1の出力側が、本発明の出力側となる。これによ
って、本発明の回路を構成する。
【0015】この回路の伝達関数を求める。コンデンサ
ーC1と抵抗R3の接続点を点a、OPアンプOP1の負極を
点b、OPアンプOP1の正極を点cとする。本発明の入
力側の電位をV1とし、点a、点b、点cの電位をそれぞ
れV2、V3、V4とし、OPアンプOP1の出力側をV5とす
る。また、OPアンプOP1の正極に入り込む電流をi1
し、OPアンプOP1の負極に入り込む電流をi2とする。
点aについて、キルヒホッフの電流法則より、
【数1】 同様に、点b、点cについて、
【数2】
【数3】
【0016】OPアンプOP1を理想演算増幅器とすれ
ば、
【数4】 数4の式を、数2及び数3の式に代入すれば、
【数5】
【数6】 数6の式から
【数7】
【0017】また、理想演算増幅器の増幅度は、∞であ
ることから、
【数8】 となる。数7と数8の式を数1及び数5の式に代入する
ことにより、
【数9】
【数10】
【0018】数10の式より、
【数11】 数11の式を数9の式に代入
【数12】 数12の式をV1、V5について整理すると
【数13】 数13の両辺をC1C2R3で割り整理すると、
【数14】
【数15】
【0019】ここで、
【数16】
【数17】 と書き整理すると伝達関数T(s)は、
【数18】
【0020】従って、階段特性の立上がりコーナー周波
数をωN、その時の尖鋭度QをQNとし、階段特性の立下
がりコーナー周波数をω0、その時の尖鋭度QをQ0とす
ると、
【数19】
【数20】
【数21】
【数22】 となる。
【0021】数19、数20、数21、数22の式から
分かるように階段波形のコーナー周波数ω0、ωN、階段
波形の尖鋭度Q0、QNの中で、尖鋭度QNのみが、抵抗R4
R5を変数として所有している。つまり、抵抗R4、R5を可
変することにより、尖鋭度QNのみを可変し、コーナー周
波数ω0、ωN、尖鋭度Q0は、そのままの状態を保持させ
ることができることが分かる。
【0022】又、数18の式の分子のsの一次の項つま
り、
【数23】 が、零になる時、伝送零点となるので、抵抗R4、R5を選
べば、階段波形の立上がりコーナー周波数ωNで零点と
なるローパス・ノッチ・フィルター回路を形成すること
ができる。
【0023】
【表1】
【0024】図4は、表1に示された値を各部位に入れ
て、抵抗R4の値を変化させてシュミレーションさせた波
形図である。OPアンプには、NJM4560を用いて
いる。この波形図から明らかなごとく階段波形の立上が
りコーナー周波数の尖鋭度QNのみを大きく変化させるこ
とができることが分かる。
【0025】図5は、本発明の他の実施例である。
【0026】本発明の入力側を差動入力増幅器例えば、
OPアンプOP1の正極に接続し、また、本発明の入力側
をコンデンサーC1及び抵抗R3を介してOPアンプOP1の
負極に接続する。コンデンサーC1と抵抗R3の接続点と接
地間に抵抗R1を接続する。OPアンプOP1の出力側とO
PアンプOP1の負極間にコンデンサーC2を接続する。
【0027】コンデンサーC1と抵抗R3の接続点とOPア
ンプOP1の出力側間に抵抗R2を接続する。OPアンプOP1
の負極と接地間に抵抗R6を接続する。なお、OPアンプ
OP1の出力側が、本発明の出力側となる。これによっ
て、本発明の回路を構成する。
【0028】この回路の伝達関数を求める。コンデンサ
ーC1と抵抗R3の接続点を点d、OPアンプOP1の負極を
点eとする。本発明の入力側の電位をV1とし、点d、点
eの電位をそれぞれV2、V3とし、OPアンプOP1の出力
側をV4とする。また、OPアンプOP1の正極に入り込む
電流をi1とし、OPアンプOP1の負極に入り込む電流をi
2とする。点dについて、キルヒホッフの電流法則よ
り、
【数24】 同様に、点eについて、
【数25】 OPアンプOP1を理想演算増幅器とすれば、
【数26】
【0029】また、理想演算増幅器の増幅度は、∞であ
ることから、
【数27】 数26の式を、数25の式に代入すれば、
【数28】 数24及び数28の式に数27の式を代入
【数29】
【数30】
【0030】数30の式より、
【数31】 数29の式を整理すると
【数32】 数32の式に数31の式を代入
【数33】
【0031】数33の両辺をC1C2R3で割り整理すると
【数34】
【数35】 ここで、
【数36】
【数37】 と書き整理すると伝達関数T(s)は、
【数38】
【0032】従って、階段特性の立上がりコーナー周波
数をωN、その時の尖鋭度QをQNとし、階段特性の立下
がりコーナー周波数をω0、その時の尖鋭度QをQ0とす
ると、
【数39】
【数40】
【数41】
【数42】 となる。
【0033】コーナー周波数ωNの数41の式の(R1//
R2)R3に比べて、R6(R1//R2//R3)を5倍以上に選べば、
コーナー周波数ωNは、高々10%の変化に留まり、抵
抗R6を可変することにより、尖鋭度QNのみを可変し、コ
ーナー周波数ω0、ωN、尖鋭度Q0は、そのままの状態を
保持させることができることができる。
【0034】
【表2】
【0035】図6は、表2に示された値を各部位に入れ
て、抵抗R6の値を変化させてシュミレーションさせた波
形図である。OPアンプには、NJM4560を用いて
いる。この波形図から明らかなごとく階段波形の立上が
りコーナー周波数の尖鋭度QNのみを大きく変化させるこ
とができることが分かる。
【0036】なお、2次段階特性を有するローパスフィ
ルターにおける階段特性の立上がりコーナー周波数をω
Nと階段特性の立下がりコーナー周波数をω0の関係は、
このフィルターにおける概念波形図の図7のようになっ
ている。
【0037】以上、本発明によれば、簡素な回路構成で
もって、2次階段特性を有するローパスフィルターが実
現できる。又、階段のコーナー周波数と独立に立ち上が
りの尖鋭度QNを簡単に連続的に可変することができるフ
ィルターが実現できる。更に又、伝送零点を取り得るロ
ーパス・ノッチ・フィルター回路が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステート・バリアブル形フィルターの回路図
【図2】バイカッド形フィルターの回路図
【図3】第1実施例に係わるフィルターの回路図
【図4】第1実施例に係わる回路のシュミレーション波
形図
【図5】第2実施例に係わるフィルターの回路図
【図6】第2実施例に係わる回路のシュミレーション波
形図
【図7】2次段階特性を有するローパスフィルターの概
念波形図
【符号の説明】
OP1 ・・・・・ OPアンプ R1〜6 ・・・・・ 抵抗 C1、C2 ・・・・・ コンデンサー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力側を差動入力増幅器の正極に接続
    し、前記入力側を第1コンデンサー及び第1抵抗を介し
    て前記差動入力増幅器の負極に接続し、第1コンデンサ
    ーと第1抵抗の接続点と接地間に第2抵抗を接続し、前
    記差動入力増幅器の出力側と前記差動入力増幅器の負極
    間に第2コンデンサーを接続し、第1コンデンサーと第
    1抵抗の接続点と前記差動入力増幅器の出力側間に第3
    抵抗を接続し、前記差動入力増幅器の負極と接地間に第
    4抵抗を接続してなることを特徴とするフィルター。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の第4抵抗の抵抗値を可変
    することにより、ほぼ階段特性の立上がりコーナー周波
    数の尖鋭度のみを、連続的に可変できるようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載のフィルター。
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