JP3149416U - 樋門開閉扉装置 - Google Patents

樋門開閉扉装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3149416U
JP3149416U JP2009000118U JP2009000118U JP3149416U JP 3149416 U JP3149416 U JP 3149416U JP 2009000118 U JP2009000118 U JP 2009000118U JP 2009000118 U JP2009000118 U JP 2009000118U JP 3149416 U JP3149416 U JP 3149416U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
opening
resistance
closing
damper
viscous fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2009000118U
Other languages
English (en)
Inventor
申一 田中
申一 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ASAHI INOVEX CORP.
Original Assignee
ASAHI INOVEX CORP.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ASAHI INOVEX CORP. filed Critical ASAHI INOVEX CORP.
Priority to JP2009000118U priority Critical patent/JP3149416U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3149416U publication Critical patent/JP3149416U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Barrages (AREA)

Abstract

【課題】樋門の開閉扉が樋門に強く打ち付けられることを防止する樋門開閉扉装置を提供する。【解決手段】開閉扉を水平回転軸に揺動自在に支持させてなる樋門開閉扉装置であって、水平回転軸の端部には、水平回転軸と固定されるダンパー用回転軸51と、ダンパー用回転軸51の周りに粘性流体を満たすように密封する筒状ケース52と、筒状ケース52内を回転方向に対して複数の空間に分ける隔壁と、ダンパー用回転軸51の長手方向に沿って半径方向に凸設された複数の板状の抵抗翼54と、抵抗翼54の厚さ方向に穿孔された流通孔55と、開閉扉が開く方向に揺動されたときに流通孔55を開いて粘性流体を流通させて抵抗翼54への抵抗を低減し、開閉扉が閉まる方向に揺動されたときに流通孔55を閉じて粘性流体を流通させないで抵抗翼54への抵抗を保持するように構成された逆流防止開閉蓋56とを有するダンパー5が設けられている。【選択図】図4

Description

本考案は、樋門の開閉を行う樋門開閉扉装置に関するものである。
樋門とは、生活排水等を河川に排水するために堤防を横断して設けられる門のことである。従来、この樋門には、河川の水が増水した際に、河川の水が水路側へ逆流するのを防止するために開閉扉が設けられている。
特開平11−181748号公報では、樋門に設けられる開閉扉装置として、樋門の頂部に設けられた水平軸に、左右のベルクランク状揺動リンクを回動可能に支承し、該ベルクランク状揺動リンクの端部に、樋門を開閉する開閉扉の頂部を軸着するとともに、該ベルクランク状揺動リンクの立ち上がりアーム部の端部に、前記水平軸周りに前記開閉扉とバランスするバランスウエイトを設け、かつ、前記樋門の中央部に高いブラケットを設け、該ブラケットの頂部に一端を軸着した揺動リンクの他端を、前記開閉扉による前記樋門の閉塞状態における、当該開閉扉の頂部から上方へ、前記ブラケットとほぼ等高に延びる連結片の頂部に軸着したことを特徴とする自動フラップゲートが提案されている(特許文献1)。特許文献1によれば、自動フラップゲートの開閉扉は、モーター等を設置することなく、通常水位の時には適度に開放され、河川水位が異常に上昇した時には、河川の水圧により自動的に閉塞することができる。
特開平11−181748号公報
上述した特許文献1は、本件出願人によって権利化されているが、以下のような改良の余地がある。すなわち、バランスウエイトによってウエイト重心の回転モーメントが釣り合ったところで止まっているため、開閉扉が風などの弱い力でも揺動してしまう。したがって、特に河川の水位が下がったときに水路を通って河川に出てくる風の力によって前記開閉扉が大きく開き、その風による揚力がなくなったときに自重による反動で樋門に強く打ち付けられて、大きな衝撃音が発生し、周辺に迷惑をかけてしまうおそれがある。また、その衝撃によって開閉扉や樋門が破損するおそれもある。
本考案は、このような問題点を解決するためになされたものであって、樋門の開閉扉が樋門に強く打ち付けられることを防止する樋門開閉扉装置を提供することを目的としている。
本考案に係る樋門開閉扉装置は、樋門に設置される開閉扉を水平回転軸に揺動自在に支持させてなる樋門開閉扉装置であって、前記水平回転軸の端部には、その水平回転軸と一体的に固定されるダンパー用回転軸と、このダンパー用回転軸の周りに粘性流体を満たすように密封する筒状ケースと、この筒状ケース内を回転方向に対して複数の空間に分ける隔壁と、前記ダンパー用回転軸の長手方向に沿って半径方向に凸設された複数の板状の抵抗翼と、この抵抗翼の厚さ方向に穿孔されており、前記ダンパー用回転軸の回転に応じて前記粘性流体を流通可能にした流通孔と、前記開閉扉が開く方向に揺動されたときに前記流通孔を開いて粘性流体を流通させて前記抵抗翼への抵抗を低減し、前記開閉扉が閉まる方向に揺動されたときに前記流通孔を閉じて粘性流体を流通させないで前記抵抗翼への抵抗を保持するように構成された逆流防止開閉蓋とを有するダンパーが設けられている。
また、本考案に係る樋門開閉扉装置は、樋門に設置される開閉扉を水平回転軸に揺動自在に支持させてなる樋門開閉扉装置であって、前記水平回転軸の端部には、その水平回転軸と一体的に固定されるダンパー用回転軸と、このダンパー用回転軸の周りに粘性流体を満たすように密封する筒状ケースと、この筒状ケース内を回転方向に対して複数の空間に分ける隔壁と、前記ダンパー用回転軸の長手方向に沿って半径方向に凸設された複数の板状の抵抗翼と、この抵抗翼の厚さ方向に穿孔されており、前記ダンパー用回転軸の回転に応じて前記粘性流体を流通可能にした流通孔と、この流通孔内において長手方向に摺動可能に収容される有底筒状に形成されているとともに、その底面をフランジ状に拡げて前記流通孔を閉塞するフランジ状蓋部を備え、かつ、このフランジ状蓋部の近傍の筒状側面に前記粘性流体を流通して抵抗を低減する抵抗低減孔を形成してなる筒状蓋本体と、前記フランジ状蓋部によって前記流通孔を閉塞する方向に前記筒状蓋本体を付勢する閉塞用付勢バネとを有し、前記開閉扉が開く方向に揺動されたときに前記閉塞用付勢バネの付勢力に抗して前記フランジ状蓋部を摺動させて前記抵抗低減孔を開放し、粘性流体を流通させることで前記抵抗翼への抵抗を低減し、前記開閉扉が閉まる方向に揺動されたときに前記閉塞用付勢バネの付勢力により前記フランジ状蓋部を摺動させて前記抵抗低減孔を閉塞し粘性流体を流通させないで前記抵抗翼への抵抗を保持するように構成されたダンパーが設けられている。
本考案によれば、樋門の開閉扉が樋門に強く打ち付けられるの防いで、衝撃音の発生や開閉扉や樋門の損傷を防止することができる。
本考案に係る樋門開閉扉装置の第一実施形態を示す全体斜視図である。 本考案に係る樋門開閉扉装置が設置された樋門の河川水位が通常である場合を示す側面断面図である。 本考案に係る樋門開閉扉装置が設置された樋門の河川水位が異常である場合を示す側面断面図である。 本第一実施形態のダンパーを示す正面断面図である。 本第一実施形態のダンパーを示す側面断面図である。 開閉扉が開放する方向に揺動された場合における、本第一実施形態のダンパー内の粘性流体の流れを示したダンパー側面断面図である。 開閉扉が閉塞する方向に揺動された場合における、本第一実施形態のダンパー内の粘性流体の流れを示したダンパー側面断面図である。 本第二実施形態のダンパーを示す正面断面図である。 本第二実施形態のダンパーを示す側面断面図である。 開閉扉が開放する方向に揺動された場合における、本第二実施形態のダンパー内の粘性流体の流れを示したダンパー側面断面図である。 開閉扉が閉塞する方向に揺動された場合における、本第二実施形態のダンパー内の粘性流体の流れを示したダンパー側面断面図である。
以下、本考案に係る樋門開閉扉装置の第一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本第一実施形態の樋門開閉扉装置1における全体斜視図である。
本第一実施形態の樋門開閉扉装置1は、樋門の上部に設置される水平回転軸2と、この水平回転軸2により揺動自在に支持される開閉扉3と、この開閉扉3の開閉バランスを調整するバランスウエイト4と、水平回転軸2の端部に設けられて前記開閉扉3の開閉速度を調整するダンパー5Aとから構成される。
以下に、本第一実施形態の樋門開閉扉装置1における各構成について詳細に説明する。
本第一実施形態における水平回転軸2は、開閉扉3を揺動自在に支持するための回転軸21と、この回転軸21を樋門の上部において略水平に保ちつつ回転自在に支持する軸受22,22とから構成されている。前記回転軸21は、開閉扉3の荷重を支えうる強度が必要であり、本第一実施形態では炭素鋼円柱が用いられている。また、本第一実施形態における軸受22,22は、前記回転軸21をその両端近傍の2カ所で支持しており、図示しないが、摩擦抵抗を低減させるためのベアリングが備えられている。
本第一実施形態における開閉扉3は、図1に示すように、樋門を閉塞可能な大きさの炭素鋼板により形成された扉本体31と、この扉本体31の上部に固定されているとともに上方へ延出されてその中途位置で前記回転軸21に支持されている2本の扉支持アーム32,32とから構成されている。これら2本の扉支持アーム32,32は左右対象に形成されており、扉本体31と連結される連結部33,33と、前記扉本体31から上方に延出されて前記回転軸21に支持されるとともにバランスウエイト4を保持するバランス調整部34,34とから構成されている。そして、各扉支持アーム32,32のバランス調整部34,34は前記回転軸21を貫通させることで安定的に支持されている。前記バランス調整部34,34は前記連結部33,33に対して傾斜されており、開閉扉3が適度に開口した位置で静止バランスをとるように構成されている。
なお、本第一実施形態における扉本体31と扉支持アーム32,32とは別体として形成し、ボルトにより一体的に固定しているが、これらの固定方法は適宜選択されるものであり、溶接等で固定してもよく、鋳造や鍛造等により一体成形してもよい。
また、回転軸21と扉支持アーム32,32との固定方法も適宜選択されるものであり、溶接等で固定してもよい。
本第一実施形態におけるバランスウエイト4は、図1に示すように、前記2本のバランス調整部34,34の先端部にまたがって保持されている。また、図2および図3に示すように、開閉扉3は扉重心の開方向における回転モーメントと、ウエイト重心の閉方向における回転モーメントの釣り合ったところで静止するようになっている。そして、バランスウエイト4は開閉扉3を開く方向の回転モーメントを助け、開閉扉3の内外水位差のわずかな水圧加重により樋門を開くようになっている。また、河川の水位が上昇すると開閉扉3の浮力モーメントが閉方向に働き、樋門は全閉するようになっている。
なお、開閉扉3には、非常時に当該開閉扉3を強制的に開閉するためのモーターや油圧シリンダー等の駆動装置を備えてもよい。
次に、本第一実施形態におけるダンパー5Aについて説明する。
本第一実施形態におけるダンパー5Aは、図4および図5に示すように、水平回転軸2と一体的に固定されるダンパー用回転軸51と、このダンパー用回転軸51の周りに粘性流体を充填して密封する筒状ケース52と、この筒状ケース52内を回転方向に対して複数の空間に分ける隔壁53と、ダンパー用回転軸51の長手方向に沿って半径方向に凸設された複数の板状の抵抗翼54と、この抵抗翼54の厚さ方向に穿孔された流通孔55A,55Aと、開閉扉3の揺動される方向に応じて流通孔55A,55Aの開閉を行う逆流防止開閉蓋56とから構成されている。
本第一実施形態におけるダンパー用回転軸51は、図4に示すように、長手方向に多段状に形成されており、基端部には水平回転軸2に連結するためのキー溝57が形成されており、水平回転軸2と一体的に回転可能とされている。また、筒状ケース52内に収容される位置には、後述するような抵抗翼54が周方向に間隔を隔てて設けられている。
なお、水平回転軸2とダンパー用回転軸51との固定方法は特に限定されるものではなく、ボルト止めや溶接等、適宜選択されるものである。また、ダンパー用回転軸51の各段の構成は上記の構成に限定されるものではなく、粘性流体のシール等を適当に行えば多段状に構成しなくてもよい。
本第一実施形態における筒状ケース52は、ダンパー用回転軸51、抵抗翼54、および粘性流体を収容する略円筒状のケース本体521と、このケース本体521内にダンパー用回転軸51を保持するとともに粘性流体を密閉する密閉蓋522とから構成される。
前記ケース本体521は、有底筒状に形成されており、その底部中央にはダンパー用回転軸51を貫通させる貫通孔523が形成されており、前記ダンパー用回転軸51を軸受Bにより回転自在に支持している。また、前記軸受Bの近傍には、ケース本体521と前記ダンパー用回転軸51との密閉を確保するためのパッキンPが取り付けられている。また、ケース本体521の外周には当該ダンパー5Aを樋門の上部に固定するためのフランジ状固定部58が形成されている。なお、本第一実施形態におけるダンパー5Aは、ダンパー固定具6により樋門の上部に固定されている。
また、本第一実施形態における密閉蓋522は、図4に示すように、ケース本体521を密閉する蓋本体524と、この蓋本体524に備える軸受Bを押さえる軸受保持蓋525とから構成される。
前記蓋本体524は、円盤状に形成されており、ケース本体521の端部の開口部分に嵌め入れられる。前記蓋本体524の中央部にはダンパー用回転軸51を貫通させる貫通孔523が形成されている。前記蓋本体524と前記ダンパー用回転軸51との間には密閉を確保するためのパッキンPが嵌められているとともに、前記ダンパー用回転軸51の最端部には軸受Bが設けられている。
また、軸受保持蓋525は、軸受Bの収容された蓋本体524の最端部を密閉するために板状に形成されており、その内側には軸受Bを押さえるために凸状に形成された軸受押さえ部526が設けられている。なお、この軸受押さえ部526の高さは収容される軸受Bの形状により適宜選択されるものである。
本第一実施形態における隔壁53は、筒状ケース52の内周面からダンパー用回転軸51の外周面近傍に至る高さに形成され、筒状ケース52内をダンパー用回転軸51の回転方向に対して複数の空間に分けるようにボルトで固定されている。また、隔壁53とダンパー用回転軸51との間には僅かな隙間を設けており、圧力がかかると粘性流体が流通できるようになっている。なお、筒状ケース52内周面に設置される隔壁53の数は、特に限定されるものではないが、少なくとも1つの隔壁53を要し、本第一実施形態においては回転軸21に対して軸対称に2つの隔壁53を配置している。
本第一実施形態における抵抗翼54は、粘性流体中を移動することにより受ける抵抗力により開閉扉3の開閉速度を制御するものであり、ダンパー用回転軸51の外周面から筒状ケース52の内周面近傍に至る高さに形成され、長手方向に沿って半径方向に凸設されている。また、抵抗翼54と筒状ケース52の内周面との間には僅かな隙間が設けられており、圧力がかかるとその隙間を通して粘性流体が流通できるようになっている。なお、抵抗翼54の数は特に限定されるものではないが、少なくとも1つの抵抗翼54を要し、本第一実施形態においては前記隔壁53によって分けられた各部屋の中央位置にそれぞれ1枚の抵抗翼54が配置されている。
なお、ダンパー用回転軸51と抵抗翼54との固定は特に限定されるものではなく、溶接等を適宜選択すればよい。また、鋳造や鍛造等により一体成形させてもよい。
本第一実施形態における流通孔55A,55Aは、抵抗翼54の厚み方向に対して穿孔されている。本第一実施形態では、軸方向に沿って2つの流通孔55A,55Aが形成されている。なお、流通孔55Aの大きさ、数およびその配列は、開閉扉3の大きさや重さ、筒状ケース52内に満たされる粘性流体の粘度、抵抗翼54の大きさ等を考慮して任意に選択されるものである。
なお、流通孔55Aを設ける際の穿孔方法は、適宜選択されるものであり、ドリルを用いた切削加工やレーザー加工によるもののみではなく、鋳造等で抵抗翼54を形成する時に備えるような一体成形される場合も含まれる。
逆流防止開閉蓋56は、開閉扉3が開く方向に揺動されたときに流通孔55A,55Aを開放して粘性流体を流通させ、逆に開閉扉3が閉まる方向に揺動されたときに流通孔55A,55Aを閉塞して粘性流体を流通させないように構成されたものである。本第一実施形態における逆流防止開閉蓋56は、流通孔55A,55Aの開閉を行う流通孔開閉蓋561と、この流通孔開閉蓋561を揺動自在に支持する蝶番562と、流通孔開閉蓋561の開き角度を制限する開き角制限ストッパー563とから構成されている。
本第一実施形態における流通孔開閉蓋561は、前記流通孔55A,55Aを閉塞可能な大きさに形成されているとともに、開閉扉3が開く方向に揺動されたときの回転方向とは逆側の出入口に蝶番562により固定されている。これにより、開閉扉3が開く方向へ揺動されたときに流通孔55A,55Aを開放するようになっている。
なお、逆流防止開閉蓋56は上記構成に限定されるものではなく、例えば、プラスチック板等の可撓性素材を流通孔55A,55Aの出入口に対して開閉自在となるように閉塞し、粘性流体からの圧力により逆流防止開閉蓋56が撓むことにより、流通孔55A,55Aを開閉するように構成してもよい。
本第一実施形態における開き角制限ストッパー563は、略半円形ドーナツ状に形成されており、一端が蝶番562に固定され、他端を流通孔開閉蓋561から適度に離して配置し、逆流防止開閉蓋56が所定の角度以上に開放されたときに当接し、それ以上開放されるのを制限している。なお、開き角制限ストッパー563は、逆流防止開閉蓋56が所定の角度以上に開かないような構成に適宜選択されるものであり、例えば、流通孔開閉蓋561と抵抗翼54との間に紐を連設させて一定角度以上は開かないようにするなど、他の構成を採用してもよい。
本第一実施形態における粘性流体は、工業用油が用いられる。工業用油は開閉扉3の大きさや重さ、抵抗翼54の数等を考慮して任意に選択されるものである。
なお、本第一実施形態のダンパー5Aの組立において、ケース本体521と蓋本体524との間や蓋本体524と軸受保持蓋525との間に油紙を挟み入れて隙間を調節し、粘性流体の流出を防止している。
次に、本第一実施形態の樋門開閉扉装置1の作用について説明する。
図2に示すように河川の水位が通常時の場合、開閉扉3は、水圧加重により樋門を若干開いた状態でバランスが保たれ静止している。そして、水路から河川への排水量が増えると、水路側からの水圧加重とともに開閉扉3の浮力、およびバランスウエイト4による回転モーメントにより自動的に開閉扉3は大きく開き、大量の水を排水することが可能となる。一方、図3に示すように河川の水位が増した異常時の場合、開閉扉3は、河川から水圧加重を受けるとともに、開閉扉3の浮力およびバランスウエイト4による回転モーメントにより自動的に樋門を閉じ、河川の水が水路に逆流するのを防止する。
次に、開閉扉3が揺動した場合の、ダンパー5Aの各構成の作用及び粘性流体の流れについて説明する。
まず、隔壁53は筒状ケース52を複数の空間に分けることにより、各空間同士の粘性流体の流通を制限している。ここで開閉扉3が水圧や風圧等により揺動すると、開閉扉3を支持している回転軸21とともに、ダンパー用回転軸51が回転する。そして、抵抗翼54は粘性流体の流通が制限された空間内で移動することになる。
このとき、抵抗翼54を挟んで回転方向にある粘性流体と、その回転方向とは逆の方向にある粘性流体との間には圧力差が生まれる。つまり、抵抗翼54を挟んで回転方向側にある粘性流体は、隔壁53と抵抗翼54に挟まれて圧力が高くなる。一方、抵抗翼54を挟んで回転方向の逆側にある粘性流体は隔壁53と抵抗翼54により膨張させられて圧力が低くなる。流体は圧力が高い方から低い方へと流れようとするため、筒状ケース52内の粘性流体は抵抗翼54の回転方向側からその逆方向へと流れようとする力が発生する。
まず、開閉扉3が開く方向に揺動されたとき、すなわち、図6において、ダンパー用回転軸51が時計方向に回転するとき、粘性流体は矢印の方向に流れる。
具体的には、開閉扉3が開く方向に揺動された場合、抵抗翼54の回転方向に対して背面側に設けられた流通孔開閉蓋561は、抵抗翼54の回転方向側からその逆方向へ流れる粘性流体の圧力により押され、流通孔55A,55Aを開放する。粘性流体は開放された流通孔55A,55Aを通り抵抗翼54の回転方向側から反対側の空間へ容易に流入することになる。
したがって、開閉扉3が開く方向に揺動されたときは、抵抗翼54に作用する粘性流体からの抵抗力が小さくなり、例えば、排水量が増加して、開閉扉3が大きく開放される際に大きな抵抗になることはない。そのため、一般的な樋門開閉扉装置における開閉扉の自動開閉の機能を損なうことはない。
次に、開閉扉3が閉じる方向に揺動されたときついて説明する。図7に示すように、開閉扉3が閉じる方向に揺動されてダンパー用回転軸51が反時計方向に回転するとき、粘性流体は矢印の方向に流れる。
具体的には、粘性流体が抵抗翼54の回転方向の背面側にある空間から回転方向の空間へと流れようとする。この場合、粘性流体は流通孔開閉蓋561を押して流通孔55A,55Aを閉塞するように流れる。そのため粘性流体は流通孔55A,55Aを通り流れることができなくなる。ただし、粘性流体は、隔壁53とダンパー用回転軸51との間に設けた僅かな隙間や、抵抗翼54と筒状ケース52の内周面との間に設けた僅かな隙間を通って圧力の高い空間から低い空間へとゆっくりと流れる。したがって、開閉扉3が開く方向に揺動されたときは、開閉扉3はゆっくりと閉まるようになる。
以上のような第一実施形態の樋門開閉扉装置1によれば、以下の効果が得られる。
1.開閉扉3の開放時と閉塞時とで異なる抵抗力により、開閉扉3の開閉速度を調節することができる。特に開閉扉3を開くときには抵抗を小さくして開放速度を速くし、開閉扉3を閉めるときには抵抗を大きくして閉塞速度を遅くすることができる。これにより、開閉扉3が風力により大きく開いても、その後ゆっくり閉まるため、開閉扉3が樋門に衝突して大きな衝撃音を発生させたり、損傷してしまうのを防止できる。
2.ダンパー5Aが設けられていても開閉扉3の自動開閉の機能を損なうことはない。
3.ダンパー5Aの抵抗力により開閉扉3が閉じる方向に揺動された場合、樋門に打ち付けられることがない。
次に、本考案に係る樋門開閉扉装置の第二実施形態について図を用いて説明する。図8は本第二実施形態のダンパー5Bを示す正面断面図であり、図9はその側面断面図である。なお、本第二実施形態の構成のうち前述した第一実施形態の構成と同一若しくは同等の構成については同一の符号を付し、再度の説明を省略する。
本第二実施形態の樋門開閉扉装置1は、樋門の上部に設置される水平回転軸2と、この水平回転軸2により揺動自在に支持される開閉扉3と、この開閉扉3の開閉バランスを調整するバランスウエイト4と、水平回転軸2の端部に設けられるダンパー5Bとから構成される。
本第二実施形態におけるダンパー5Bは、ダンパー用回転軸51と、筒状ケース52と、隔壁53と、抵抗翼54と、流通孔55Bと、この流通孔55B内において長手方向に摺動可能な筒状蓋本体59と、この筒状蓋本体59を付勢する閉塞用付勢バネ60とから構成されている。
本第二実施形態における抵抗翼54には、正面略中央に1つの流通孔55Bが穿孔されている。また、この流通孔55B内には、開閉扉3が開く際に回転する方向側に閉塞用付勢バネ60を収容するバネ収容溝61が設けられている。
本第二実施形態における筒状蓋本体59は、有底筒状に形成されているとともに、その底面を外側にフランジ状に拡げて流通孔55Bを閉塞しうるフランジ状蓋部62と、このフランジ状蓋部62と反対側の端部外周面に螺合されて閉塞用付勢バネ60を掛止させるリング状のバネ係止部63とを備えている。また、このフランジ状蓋部62の近傍における筒状側面には、粘性流体を流通可能な抵抗低減孔64が形成されている。
この筒状蓋本体59は、開閉扉3が閉まるときに回転する方向側にフランジ状蓋部62が配設されるように流通孔55Bに摺動可能に収納される。
本第二実施形態における閉塞用付勢バネ60は、弦巻バネからなり、筒状蓋本体59の外周面に嵌合されるようになっている。そして、前記閉塞用付勢バネ60は抵抗翼54のバネ収容溝61に収容されるとともに、バネ係止部63によって係止され、フランジ状蓋部62が流通孔55Bを閉塞する方向に付勢している。
なお、本第二実施形態における閉塞用付勢バネ60は、縮められた状態から延びようとする付勢力により筒状蓋本体59を付勢しているが、これに限定されるものではなく、縮む付勢力により筒状蓋本体59を付勢してもよい。この場合、流通孔55Bにおけるバネ収容溝61の形成位置はフランジ状蓋部62側になる。
次に、本第二実施形態の樋門開閉扉装置1におけるダンパー5Bの作用について説明する。
まず、開閉扉3が開く方向に揺動されたときについて説明する。この場合、粘性流体は図10に示すような矢印の方向に流れる。
具体的には、開閉扉3が開く方向に揺動された場合、抵抗翼54の回転方向側の空間からその背面方向へと流れようとする粘性流体に押され、フランジ状蓋部62が閉塞用付勢バネ60の付勢力に抗して摺動されることにより、抵抗低減孔64が開いて粘性流体が流通可能になる。そして、粘性流体は、筒状蓋本体59内を通り、開放された抵抗低減孔64を抜けて抵抗翼54の回転方向に対して背面側の空間内へ流れ込む。これにより、抵抗翼54にかかる回転抵抗を低減する。
一方、開閉扉3が閉じる方向に揺動されたときについて説明する。このとき、粘性流体は、図11に示すような矢印の方向に流れる。
具体的には、フランジ状蓋部62は、閉塞用付勢バネ60の付勢力とともに、回転する際に粘性流体から受ける抵抗力によって流通孔55Bを閉塞しており、抵抗低減孔64は流通孔55B内に収容された状態で閉じている。そのため、粘性流体は隔壁53とダンパー用回転軸51との間に設けた僅かな隙間や、抵抗翼54と筒状ケース52の内周面との間に設けた僅かな隙間からゆっくりと流れることになる。
したがって、本第二実施形態に示す上記作用により、開閉扉3が開く際にはダンパー5Bの抵抗を小さくして開放速度を速め、開閉扉3が閉まる際にはダンパー5Bの抵抗を大きくして閉塞速度を遅くすることができる。
なお、本考案に係る樋門開閉扉装置1は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、ダンパー5は、水平回転軸2の回転軸21のどちらか、一方に付いていてもよく、両方に付いていてもよい。
また、河川等の野外で使用されることを考慮して、樋門開閉扉装置1の外表面には錆止め加工を施してもよい。
1 樋門開閉扉装置
2 水平回転軸
21 回転軸
22 軸受
3 開閉扉
31 扉本体
32 扉支持アーム
33 連結部
34 バランス調整部
4 バランスウエイト
5A,5B ダンパー
51 ダンパー用回転軸
52 筒状ケース
521 ケース本体
522 密閉蓋
523 貫通孔
524 蓋本体
525 軸受保持蓋
526 軸受押さえ部
53 隔壁
54 抵抗翼
55A,55B 流通孔
56 逆流防止開閉蓋
561 流通孔開閉蓋
562 蝶番
563 開き角制限ストッパー
57 キー溝
58 フランジ状固定部
59 筒状蓋本体
60 閉塞用付勢バネ
61 バネ収容溝
62 フランジ状蓋部
63 バネ係止部
64 抵抗低減孔
6 ダンパー固定具
B 軸受
P パッキン

Claims (2)

  1. 樋門に設置される開閉扉を水平回転軸に揺動自在に支持させてなる樋門開閉扉装置であって、
    前記水平回転軸の端部には、
    その水平回転軸と一体的に固定されるダンパー用回転軸と、
    このダンパー用回転軸の周りに粘性流体を満たすように密封する筒状ケースと、
    この筒状ケース内を回転方向に対して複数の空間に分ける隔壁と、
    前記ダンパー用回転軸の長手方向に沿って半径方向に凸設された複数の板状の抵抗翼と、
    この抵抗翼の厚さ方向に穿孔されており、前記ダンパー用回転軸の回転に応じて前記粘性流体を流通可能にした流通孔と、
    前記開閉扉が開く方向に揺動されたときに前記流通孔を開いて粘性流体を流通させて前記抵抗翼への抵抗を低減し、前記開閉扉が閉まる方向に揺動されたときに前記流通孔を閉じて粘性流体を流通させないで前記抵抗翼への抵抗を保持するように構成された逆流防止開閉蓋と
    を有するダンパーが設けられている樋門開閉扉装置。
  2. 樋門に設置される開閉扉を水平回転軸に揺動自在に支持させてなる樋門開閉扉装置であって、
    前記水平回転軸の端部には、
    その水平回転軸と一体的に固定されるダンパー用回転軸と、
    このダンパー用回転軸の周りに粘性流体を満たすように密封する筒状ケースと、
    この筒状ケース内を回転方向に対して複数の空間に分ける隔壁と、
    前記ダンパー用回転軸の長手方向に沿って半径方向に凸設された複数の板状の抵抗翼と、
    この抵抗翼の厚さ方向に穿孔されており、前記ダンパー用回転軸の回転に応じて前記粘性流体を流通可能にした流通孔と、
    この流通孔内において長手方向に摺動可能に収容される有底筒状に形成されているとともに、その底面をフランジ状に拡げて前記流通孔を閉塞するフランジ状蓋部を備え、かつ、このフランジ状蓋部の近傍の筒状側面に前記粘性流体を流通して抵抗を低減する抵抗低減孔を形成してなる筒状蓋本体と、
    前記フランジ状蓋部によって前記流通孔を閉塞する方向に前記筒状蓋本体を付勢する閉塞用付勢バネとを有し、
    前記開閉扉が開く方向に揺動されたときに前記閉塞用付勢バネの付勢力に抗して前記フランジ状蓋部を摺動させて前記抵抗低減孔を開放し、粘性流体を流通させることで前記抵抗翼への抵抗を低減し、前記開閉扉が閉まる方向に揺動されたときに前記閉塞用付勢バネの付勢力により前記フランジ状蓋部を摺動させて前記抵抗低減孔を閉塞し粘性流体を流通させないで前記抵抗翼への抵抗を保持するように構成されたダンパーが設けられている樋門開閉扉装置。
JP2009000118U 2009-01-13 2009-01-13 樋門開閉扉装置 Expired - Lifetime JP3149416U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009000118U JP3149416U (ja) 2009-01-13 2009-01-13 樋門開閉扉装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009000118U JP3149416U (ja) 2009-01-13 2009-01-13 樋門開閉扉装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3149416U true JP3149416U (ja) 2009-03-26

Family

ID=54853997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009000118U Expired - Lifetime JP3149416U (ja) 2009-01-13 2009-01-13 樋門開閉扉装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3149416U (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013096122A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Kyowa Seisakusho:Kk フラップゲート
JP6347876B1 (ja) * 2017-08-02 2018-06-27 旭イノベックス株式会社 多点支持型フラップゲート
KR102179647B1 (ko) * 2019-05-28 2020-11-17 주식회사 덴티스 수조 측벽 전용 3d 프린터
CN113390807A (zh) * 2021-06-16 2021-09-14 桂林理工大学 一种模拟低碳化学品燃烧气体光谱测试系统
CN115467297A (zh) * 2022-08-15 2022-12-13 中国长江电力股份有限公司 摇摆式锁定梁自动投退装置及方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013096122A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Kyowa Seisakusho:Kk フラップゲート
JP6347876B1 (ja) * 2017-08-02 2018-06-27 旭イノベックス株式会社 多点支持型フラップゲート
KR102179647B1 (ko) * 2019-05-28 2020-11-17 주식회사 덴티스 수조 측벽 전용 3d 프린터
CN113390807A (zh) * 2021-06-16 2021-09-14 桂林理工大学 一种模拟低碳化学品燃烧气体光谱测试系统
CN113390807B (zh) * 2021-06-16 2022-12-02 桂林理工大学 一种模拟低碳化学品燃烧气体光谱测试系统
CN115467297A (zh) * 2022-08-15 2022-12-13 中国长江电力股份有限公司 摇摆式锁定梁自动投退装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3149416U (ja) 樋門開閉扉装置
US6687921B1 (en) Toilet seat damper
JP5510976B2 (ja) 引上げ式フラップインゲート
KR20150047208A (ko) 컴팩트 플로어 힌지
JP6629457B2 (ja) 水門
JP5503072B1 (ja) フラップゲート
JP5503074B1 (ja) フラップゲート
JP6523735B2 (ja) バタフライ弁
CN103244746A (zh) 自力式可调节阀门缓闭装置
JP2006214190A (ja) ドアヒンジニット
JP2007198101A (ja) 自力作動式円筒回転型水門
JP2012057322A (ja) フラップゲート
JP5503075B1 (ja) フラップゲート
KR100927147B1 (ko) 재난대비 다기능 하수도용 이중맨홀뚜껑
JP3178608U (ja) フラップゲート
KR101249742B1 (ko) 유압식 댐퍼가 구비된 도어용 힌지
JP3156578U (ja) 樋門用ゲート
US20080284193A1 (en) Tailgate dampener
JP2006153034A (ja) 回転ダンパ
JP5015022B2 (ja) ポンプ設備、ポンプ設備のフラップ弁のバタツキ防止方法
JP3188933U (ja) フラップゲート
JP3193718U (ja) 緩衝装置及びそれを備えたゲート
KR20090072627A (ko) 회전식 오일 댐퍼
JPH0427092A (ja) ドアクローザー
KR100792028B1 (ko) 넌슬램 체크 밸브

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120304

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120304

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150304

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term