JP3149254B2 - 凹版印刷版の製造方法 - Google Patents

凹版印刷版の製造方法

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  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は凹版印刷版の製造方法に
係り、特に半導体プロセス等の微細加工工程において印
刷手法を用いて被加工物に高い精度で効率よく微細パタ
ーンを形成することのできる微細加工用の凹版印刷版の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜トランジスタ、薄膜ダイオー
ド、太陽電池、薄膜センサ、各種半導体素子等の加工工
程においては、被加工物に微細パターンを形成し、その
後、被加工物をエッチング処理して加工することが行わ
れていた。
【0003】例えば、カラー液晶ディスプレイ(LC
D)に用いられる薄膜トランジスタ(TFT)は、通
常、レジスト塗布、露光、現像、エッチングの各処理か
らなるフォトリソグラフィー工程を4〜6回程度繰り返
すことにより製造されている。
【0004】また、プリント配線、回路パターンの形
成、あるいは金属板のエッチング用レジストパターンの
形成に際しては、上述のフォトリソグラフィー法とは異
なり、被加工物にレジストパターンを印刷により形成
し、エッチング処理を繰り返す印刷法も広く採用されて
いる。この印刷法によるパターン形成には、スクリーン
印刷法やオフセット印刷法等が用いられている。
【0005】これら印刷法の1つとして凹版印刷がある
が、この方法に用いられる凹版印刷版は、基板上に所定
パターンのフォトレジスト層を設け、このフォトレジス
ト層をマスクとしてウエットエッチング(化学エッチン
グ)、プラズマエッチング等を行って基板に凹部を形成
することにより作成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
凹版印刷版製造方法では、等方的にエッチングが進行す
るため、基板の深さ方向のみだけではなく横方向にもエ
ッチングが進行してサイドエッチングが生じ、形成され
る凹部の寸法制御が難しくなり、高精度の微細加工用の
凹版印刷版の製造に向かないという問題があった。
【0007】本発明は、上述のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、微細な凹部を高い精度で形成すること
のできる凹版印刷版の製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、基板にイオンビームでエッチング
できる所定パターンのフォトレジスト層を形成し、次
に、前記基板に前記イオンビームを照射し、前記フォト
レジスト層をマスクとして前記基板のフォトレジスト層
非形成部分をエッチングして前記基板に凹部を形成する
と同時に前記フォトレジスト層をエッチングするような
構成とした。また、前記フォトレジスト層の厚さは、前
記基板のエッチング速度と前記フォトレジスト層のエッ
チング速度の比及びエッチングする前記凹部の深さによ
り決定されるような構成とした。
【0009】
【作用】基板に照射されたイオンビームは、フォトレジ
スト層がマスクとして作用することにより、基板のうち
フォトレジスト層非形成部分にのみ選択的照射され、ビ
ームの直進性により基板の異方性エッチングが行われ基
板に凹部が形成される。これにより基板のエッチング寸
法の制御が容易となり、寸法精度の高い微細凹部を備え
た凹版印刷版が可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の凹版印刷版の製造方法を説
明するための図である。図1において、まず、凹版印刷
版としての耐刷性を高めるためにクロム(Cr)薄膜等
の薄膜2を予め形成した基板1(図1(a))にフォト
レジストを塗布してフォトレジスト層3を形成する(図
1(b))。次に、所定パターンのフォトマスクを介し
てフォトレジスト層3に紫外線を照射して露光し、フォ
トレジスト層3の未硬化部分を除去(現像)する(図1
(c))。その後、薄膜2だけを溶解する液により、薄
膜2のうちフォトレジスト層3が形成されていない部分
のみを溶かし去り、基板1のフォトレジスト層3非形成
部分1aを露出させる(図1(d))。次に、基板1を
イオンミリング装置の真空チャンバー(図示せず)内に
載置してイオンビームを基板1のフォトレジスト層3形
成面側に照射する(図1(e))。これにより、所定パ
ターンでパターニングされているフォトレジスト層3を
マスクとして、基板1のフォトレジスト層3非形成部分
1aがイオンビームによりエッチングされて凹部4が形
成される(図1(f))。その後、残存するフォトレジ
スト層3を除去することにより凹版印刷版を形成する。
【0011】このように、本発明では基板1のマスキン
グ層非形成部1aをイオンビームによりエッチングする
ことにより、基板1に異方性エッチングを施し、極めて
微細な凹部を基板に形成することが可能となる。したが
って、形成された凹版印刷版は寸法精度の高い微細凹部
を備えたものとなる。
【0012】基板1としては、ガラス板、アルミニウ
ム、銅、インバー、スーパーインバー、42合金、コバ
ール、工具鋼(SKD11)等の金属、ポリイミド、フ
ッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテル
サルホン、ポリサルホン等の耐熱性のある有機物等を使
用することができる。また、凹版印刷版としての耐刷性
を高めるための薄膜2としては、Cr、Ni、SiC、
TiN等の薄膜が好ましい。この薄膜2の厚さは0.1
〜5μm程度が好ましい。
【0013】フォトレジスト層3の形成に使用するフォ
トレジストとしては、ゼラチン、カゼイン、ポリビニル
アルコール等に重クロム酸塩等の感光剤を添加したもの
を挙げることができる。また、フォトレジスト層3の厚
さは基板との選択比及び加工する深さを考慮して適宜決
定することができ、2〜10μm程度が好ましい。
【0014】本発明においてイオンミリング装置は、公
知の種々のイオンミリング装置を使用することができ
る。また、イオンビームとしては、アルゴン(Ar)の
ような不活性ガスのイオンビーム、CF4 、C2 6
2 、CCl4 等の反応性ガスのイオンビームを使用す
ることができる。
【0015】そして、例えば基板としてガラス基板を使
用し、イオンビームとしてArを使用した場合、ガラス
基板のエッチング速度とフォトレジストのエッチング速
度の比(選択比)は約1であり、フォトレジスト層の厚
さが10μmの場合、ガラス基板を10μmの深さまで
エッチングすることができる。また、基板として銅基板
を使用し、イオンビームとしてArを使用した場合、選
択比は約2であり、銅基板を10μmの深さまでエッチ
ングする場合、フォトレジスト層の厚さは5μmでよい
ことになる。次に、実験例を示して本発明を更に詳細に
説明する。 (実験例1)ガラス基板(厚さ2.3mm)の表面にス
パッタリング法により膜厚0.1μmのCr薄膜を形成
した。このCr薄膜上にポジ型の厚塗り用レジスト(東
京応化製OFPR−800B、粘度=800cp)をス
ピンコート法により塗布して厚さ10μmのフォトレジ
スト層を形成した。次に、線幅5μmの所定パターンを
有するフォトマスクを介してフォトレジスト層に紫外線
を照射して露光を行った。露光は超高圧水銀ランプを光
源とし、照射量は365nmで290mJ/cm 2 とし
た。そして、現像液(東京応化製 NMD−3)により
現像してパターニングされたフォトレジスト層を形成し
た。
【0016】その後、硝酸第2セリウムアンモンにより
フォトレジスト層が除去された部分のCr薄膜をエッチ
ングして除去した。次に、基板をイオンミリング装置の
真空チャンバー内に載置し、下記の条件でArイオンビ
ームを基板のフォトレジスト層形成面側に照射して基板
のフォトレジスト層非形成部分をエッチングした。
【0017】(リアクティブイオンビームエッチングの
条件) ・イオンガン導入ガス:Ar ・真空チャンバー内圧力:4.3×10-6Torr ・照射電圧:600V ・照射時間:180分 このArイオンビームによるエッチングによりガラス基
板のフォトレジスト層非形成部分にのみ深さ約10μ
m、幅5μmの凹部が形成された。 (実験例2)基板として厚さ1mmの銅基板に片面に実
験例1と同様にしてフォトレジスト層(厚さ5μm)を
形成した。次に、所定のパターンを有するフォトマスク
を介してフォトレジスト層に紫外線を照射して露光を行
った。露光は超高圧水銀ランプを光源とし、照射量は3
65nmで100mJ/cm2 とした。そして、実施例1
で用いたのと同じ現像液により現像してパターニングさ
れたフォトレジスト層を形成した。
【0018】次に、基板をイオンミリング装置の真空チ
ャンバー内に載置し、下記の条件でArイオンビームを
基板のフォトレジスト層形成面側に照射して基板のフォ
トレジスト層非形成部分をエッチングした。
【0019】(リアクティブイオンビームエッチングの
条件) ・イオンガム導入ガス:Ar ・真空チャンバー内圧力:4.0×10-6Torr ・照射電圧:600V ・照射時間:80分 このArイオンビームによるエッチングにより銅基板の
フォトレジスト層非形成部分にのみ深さ約10μm、幅
5μmの凹部が形成された。
【0020】この場合、銅基板はガラス基板よりも選択
比が高い(約2倍)ので、同じ深さの凹部を形成するの
に必要なフォトレジスト層の厚さは約半分でよく、作成
がより容易であった。 (比較例)ガラス基板のエッチングをフッ酸系エッチン
グ液によるウエットエッチングとした他は実験例1と同
様にしてガラス基板に凹部を形成した。形成された凹部
は深さ10μm、幅23μmの凹部であった。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば基
板に照射されたイオンビームは、フォトレジスト層がマ
スクとして作用することにより、基板のうちフォトレジ
スト層非形成部分にのみ選択的照射され、基板の異方性
エッチングが行われ基板に凹部が形成されるので、基板
のエッチング寸法の制御が容易となり、微細凹部を備え
た寸法精度の高い凹版印刷版の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の凹版印刷版の製造方法を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1…基板 1a…フォトレジスト層非形成部 2…薄膜 3…フォトレジスト層 4…凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−69395(JP,A) 特開 昭62−18561(JP,A) 特開 昭47−8355(JP,A) 特開 昭63−190396(JP,A) 特開 平3−108713(JP,A) 特開 昭63−194250(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 505 B41C 1/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板にイオンビームでエッチングできる
    所定パターンのフォトレジスト層を形成し、次に、前記
    基板に前記イオンビームを照射し、前記フォトレジスト
    層をマスクとして前記基板のフォトレジスト層非形成部
    分をエッチングして前記基板に凹部を形成すると同時に
    前記フォトレジスト層をエッチングすることを特徴とす
    る凹版印刷版の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フォトレジスト層の厚さは、前記基
    板のエッチング速度と前記フォトレジスト層のエッチン
    グ速度の比及びエッチングする前記凹部の深さにより決
    定されることを特徴とする請求項1記載の凹版印刷版の
    製造方法。
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JP2002248876A (ja) * 2001-02-26 2002-09-03 Printing Bureau Ministry Of Finance 凹版版面、その凹版版面の作製方法、その凹版版面を用いた凹版印刷方法及びその凹版印刷物
WO2015147134A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 エピタキシャル成長用基板の製造方法、それより得られるエピタキシャル成長用基板及びその基板を用いた発光素子

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