JP3149183U - 車椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】リクライニング機構によって背もたれ部を後方に倒した場合の車体の不安定性を解消した車椅子を提供する。【解決手段】大径の二つの後輪1、1、小径の二つの前輪2、2、足載せ台、肘掛け4、4、介助者用ハンドル5、5及びこれらを支持するフレーム6からなる車体部7と、車体部7の二つの帯状フレーム上に配置する座席部8とで構成し、座席部8の背もたれ部8aに、これを着座部8bに対して後方に適宜角度で傾斜させ得るようにするリクライニング機構を構成し、かつ、該座席部8と車体部7の下面側の帯状フレームとの間に、座席部8の着座部8bを前後方向に所定範囲内でスライド移動自在かつ固定自在とするスライド機構を介在させたものである。【選択図】図1
Description
本考案は、歩行困難な身体障害者、傷病者又は老齢者等が移動のため又は日常生活のために使用する車椅子に関する。
この種の車椅子は、リクライニング機構を備えていないのが普通であるが、これを備えた車椅子が提案されつつある。またリクライニング機構は、これを車椅子に単に配しただけでは、車体の安定性が保持できないとか、リクライニング機構により背もたれ部を後方に倒すべく操作した場合に、使用者の背中と背もたれ部との間にズレが生じる問題があるとも云われる。
特許文献1は、前記問題点の内、リクライニング機構を動かした場合に使用者の背中と背もたれ部との間にズレが生じる問題を解決しようとするものであり、着座部と、上記着座部に対してリクライニング動作可能に取り付けられた背もたれ部と、を具備してなるリクライニング装置に於いて、上記背もたれ部をベルトコンベア状に構成したものである。
特許文献1の技術では、それ故、背もたれ部のリクライニング動作時に該ベルトコンベア状の部分を回転させることにより背もたれ部側と使用者の背中側との間のズレを解消することができるようになったと云うことである。
特許文献2は、リクライニング機構を動かした場合に、車体の安定性が損なわれるのを回避しようとするものであり、背もたれ部をリクライニング可能に構成すると共に車体側の後輪を車体に設けたレールに沿って前後方向移動自在に構成したものである。
それ故、この特許文献2の技術では、リクライニング機構を動かして背もたれ部を後方に倒した場合は、倒す角度に応じて後輪を後方に移動させることができ、これによって車体の安定性を保持することができる。
本考案は、以上の問題点の内、リクライニング機構を設け、これによって背もたれ部を後方に倒した場合の車体の不安定性を解消しようとすることを解決の課題とするものであり、前記特許文献2とその目的は同一であるが、より簡明な機構によってこれを解決した車椅子を提供することを解決の課題とするものである。
本考案の1は、大径の二つの後輪、小径の二つの前輪、足載せ台、肘掛け、介助者用ハンドル及びこれらを支持するフレームからなる車体部と、車体部のフレームの、前記両後輪及び前記両前輪の間の位置上に配置する座席部とで構成する車椅子であって、
前記座席部の背もたれ部に、これを着座部に対して後方に適宜角度で傾斜させ得るようにするリクライニング機構を構成し、かつ、該座席部と車体部のフレームとの間に、該座席部を該車体部のフレーム上を所定範囲内で前後方向にスライド移動自在かつ固定自在とするスライド機構を構成してなる車椅子である。
前記座席部の背もたれ部に、これを着座部に対して後方に適宜角度で傾斜させ得るようにするリクライニング機構を構成し、かつ、該座席部と車体部のフレームとの間に、該座席部を該車体部のフレーム上を所定範囲内で前後方向にスライド移動自在かつ固定自在とするスライド機構を構成してなる車椅子である。
本考案の2は、本考案の1の車椅子に於いて、前記座席部を、前記着座部と、前記背もたれ部と、該背もたれ部の下端に沿って固設した回転軸であって、該着座部の後端に回転自在に支持した回転軸とで構成し、
前記リクライニング機構を、前記回転軸の端部に固設した歯車と、該歯車にそれぞれ逆方向の回転を阻止すべく配した二つの爪部材であって、着座部の後端側部に回動自在に結合した二つの爪部材と、該二つの爪部材の各先端を前記歯車の歯部に係止させるべく付勢するバネ部材と、該二つの爪部材から各々延長した操作レバー部であって、それら二つを握ることで該二つの爪部材の先端が前記歯車の歯部から離脱することとなる操作レバー部とで構成したものである。
前記リクライニング機構を、前記回転軸の端部に固設した歯車と、該歯車にそれぞれ逆方向の回転を阻止すべく配した二つの爪部材であって、着座部の後端側部に回動自在に結合した二つの爪部材と、該二つの爪部材の各先端を前記歯車の歯部に係止させるべく付勢するバネ部材と、該二つの爪部材から各々延長した操作レバー部であって、それら二つを握ることで該二つの爪部材の先端が前記歯車の歯部から離脱することとなる操作レバー部とで構成したものである。
本考案の3は、本考案の1又は2の車椅子に於いて、前記スライド機構を、前記車体部のフレーム上にその前後方向に沿って配した2以上の平行なレール部材であって、その底部上面に長さ方向に沿ったラックを備えたレール部材と、着座部の下面に各レール部材毎に対応させて前後に配した2以上のピニオンであって、対応する各レール部材のラックに噛み合うピニオンと、一以上のピニオンにそれぞれ逆方向の回転を阻止すべく配した二つの爪部材であって、着座部の下面側の部材に回動自在に結合した二つの爪部材と、該二つの爪部材の各先端を前記ピニオンの歯部に係止させるべく付勢するバネ部材と、着座部の前端下部に配した爪操作手段であって、前記爪部材の先端をピニオンの歯部から離脱させるべく操作する爪操作手段とで構成したものである。
本考案の1の車椅子によれば、リクライニング機構によって自在に背もたれ部を後方に倒すことが可能であるが、このとき、スライド機構により座席部を前方に移動させることにより、重心を前輪及び後輪の間に位置させるように調整し、重心が後方に移動してバランスを失するのを回避することができる。また背もたれ部を起こす場合は、座席部を後方に戻して、同様に、重心を前輪及び後輪の間に位置するように調整し、安定性を保持しうるようにすることができる。
従って本考案の1の車椅子によれば、リクライニング機構により背もたれ部を自在に後方に倒すことが可能でありながら、車椅子の重心を適正な位置に保持し、その安定性を常に保持することができる。しかも、このような重心の調整を、座席部を車体部のフレーム上を前後方向にスライド移動する簡明なスライド機構により実現することができるものである。
本考案の2の車椅子によれば、前記リクライニング機構を極めて簡明な構成によって実現することができるものである。
本考案の3の車椅子によれば、前記スライド機構を、やはり同様に、極めて簡明な構成によって実現することができるものである。
考案を実施するための最良の形態を一実施例に基づき、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施例の車椅子は、基本的に、図1及び図2に示すように、大径の二つの後輪1、1、小径の二つの前輪2、2、足載せ台3、3、肘掛け4、4、介助者用ハンドル5、5及びこれらを支持するフレーム6からなる車体部7と、該車体部7のフレーム6上に配置する座席部8とで構成し、該座席部8の背もたれ部8aに、これを着座部8bに対して後方に適宜角度で傾斜させ得るようにするリクライニング機構9を構成し、かつ、該座席部8と車体部7のフレーム6との間に、該座席部8を、該車体部7の内側のフレーム6上を所定範囲内で前後方向にスライド移動自在かつ固定自在とするスライド機構10を構成したものである。
前記車体部7の構成は、基本的に、従来のそれと同様である。ただし、この実施例の車椅子は、幅方向中央で折り畳む構成を有していないので、その点が異なるのみである。
フレーム6は、図1及び図2に示すように、その両側は、各々上中下三本の横向きの平行なフレーム管6a、6b、6cと、前後の二本の縦向の平行なフレーム管6d、6eと、中間の横向きのフレーム管6bの先端から斜め下方に延長した延長フレーム管6fと、後方の縦向のフレーム管6dの上端から後方に延ばした延長フレーム管6gと、最下部の横向きフレーム管6aと中間のフレーム間6bとの間を車椅子の後部で接続する帯状フレーム6hとで構成してある。
フレーム6は、図1及び図2に示すように、その両側は、各々上中下三本の横向きの平行なフレーム管6a、6b、6cと、前後の二本の縦向の平行なフレーム管6d、6eと、中間の横向きのフレーム管6bの先端から斜め下方に延長した延長フレーム管6fと、後方の縦向のフレーム管6dの上端から後方に延ばした延長フレーム管6gと、最下部の横向きフレーム管6aと中間のフレーム間6bとの間を車椅子の後部で接続する帯状フレーム6hとで構成してある。
フレーム6の両側の部分は、両側の最下部の横向きのフレーム管6a、6aを相互に結合する二枚の帯状フレーム6i、6iで接続してあるものである。両帯状フレーム6i、6iは、車椅子の前端付近と後端付近とにそれぞれ配してある。
前記大径の後輪1、1は、前記帯状フレーム6hに車軸を介して回転自在に取り付けてあり、前輪2、2は、前側の縦向のフレーム管6eの下端に取り付けてある。前輪2、2は、それぞれ車輪自体が回転自在であると共に、該前輪2、2を取り付けるフォーク状ブラケット部も該フレーム管6e、6eに回転自在に取り付けてある。なお、後輪1、1の外側には同軸状に操作輪1cが配してある。該操作輪1c、1cは、後輪1、1のリムに結合材を介して取り付けてあるものである。
前記足載せ台3、3は、それぞれ前記フレーム管6bの先端から斜め下方に延長した延長フレーム管6f、6fの下端に取り付けてあり、前記肘掛け4、4は、それぞれ最上部の横向きのフレーム管6c、6cに外装状態に配してある。また前記介助者用ハンドル5、5は、後方の縦向のフレーム管6dの上端から後方に延ばした延長フレーム管6g、6gの後端にそれぞれ外装状態に構成してある。
この他、煩雑になるので図示していないが、後輪1、1には、駐車時に車椅子の無用の動きを阻止するための制動手段が配してある。
前記座席部8は、前記し、かつ図1、図2及び図3(a)、(b)に示すように、背もたれ部8aと、その下端を後端に起伏自在に取り付けた着座部8bとからなるものである。背もたれ部8aの下部には、回転軸8asがその両端を除いて該背もたれ部8aに埋め込まれた状態で固設されており、該回転軸8asは、該着座部8bの後端から後方に延長し、該背もたれ部8aの最下部に形成した図示しないスリットを通じてその中に入り込んだ複数の図示しないブラケット部材によって回転自在に支持されている。こうして背もたれ部8aは、着座部8bの後端に起伏自在な結合状態になっている。
前記リクライニング機構9は、図3(a)、(b)に示すように、背もたれ部8aの両側下端に突出する回転軸8asの端部に構成する。両端の構成は同様であるから、一方の端部のそれのみ説明する。
このリクライニング機構9は、同図に示すように、回転軸8asの端部に固設した歯車9aと、該歯車9aにそれぞれ逆方向の回転を阻止すべく対面状態に配した二つの爪部材9b、9bと、該二つの爪部材9b、9bの各先端を前記歯車9aの歯部に係止させるべく両爪部材9b、9b間に配した引っ張りコイルバネ9cと、該爪部材9b、9bの後端から延長した操作レバー部9d、9dとで構成したものである。
前記爪部材9b、9bは、それぞれ概略半円弧状の構成であり、前記のように、各々その後端から操作レバー部9d、9dが延長状態に構成されているが、各々両者の境界部分で両爪部材9b、9b及び操作レバー部9d、9dは、重ね合わせ、その重ね合わせた部分に軸8bsを貫通させて、該軸8bsを着座部8bの前端側部に固設する。両爪部材9b、9b及び操作レバー部9d、9dは、該軸8bsに該重ね合わせ部分で各々回動自在に結合した状態とする。
なお、以上の状態で、一方の爪部材9b及び操作レバー部9dと他方の爪部材9b及び操作レバー部9dとは、該重ね合わせた部分で交差しないように構成してある。即ち、爪部材9bと操作レバー部9dとの結合状態は、該結合部分で谷状又は逆に山状になっていると云うことができる。
また以上の歯車9a、爪部材9b、9b、引っ張りコイルバネ9cは、一点鎖線で略示したカバー部材9eでカバーしてある。前記操作レバー部9d、9dは、操作可能な状態で該カバー部材9eから車椅子の前方を向いて突出状態となっている。
従ってこのリクライニング機構9によれば、操作レバー部9d、9dを前記引っ張りコイルバネ9cに抗して握れば、両爪部材9b、9bが歯車9aの歯部から離間し、歯車9aは自由に回転可能となる。それ故、背もたれ部8aは、自由に後方に倒すことも起こすことも可能になり、自由な角度のリクライニング状態にすることができる。握っていた操作レバー部9d、9dを離せば、両爪部材9b、9bは、前記引っ張りコイルバネ9cに引かれて、歯車9aの歯部に係止状態となり、その回転を阻止する状態となる。こうして背もたれ部8aはその傾斜状態を維持することになる。以上の説明から理解されるように、背もたれ部8aをその状態から他の角度に角度を変える場合も同様に操作すれば良い。
前記スライド機構10は、該座席部8と前記車体部7のフレーム6の内、前記前後の二つの帯状フレーム6i、6iとの間に配して、該座席部8を、所定範囲内で前後方向にスライド移動自在かつ固定自在とするための手段である。
このスライド機構10は、図1、図2、図4及び図5(a)、(b)、(c)に示すように、前記車体部7のフレーム6の内、前記二つの帯状フレーム6i、6iの上にこれに交差する向きに配した二つのレール部材10a、10aと、前記座席部8の着座部8bの下面に両レール部材10a、10a毎に対応させて前後に配した二つのピニオン10b、10bと、その内の最前部左側のピニオン10bにそれぞれ逆方向の回転を阻止すべく配した二つの爪部材10c、10cと、該二つの爪部材10c、10cの各先端を前記ピニオン10bの歯部に係止させるべく付勢する引っ張りコイルバネ10d、10dと、着座部8bの前端下部に配した爪操作レバー10eとで構成したものである。
前記レール部材10aは、図2、図4及び図5(a)に示すように、前後端が開口し、更に上部中央に長さ方向に沿ってスリット状開口部10a1が形成してあるほぼ角筒状部材であり、その底部上面には長さ方向に沿って、前記ピニオン10bの歯と噛み合うラック部10a2が構成してある。該レール部材10aは、前記のように、前記帯状フレーム6i、6i上に配してあるが、その底部下面を該帯状フレーム6i、6iの上面に接合固設してある。
前記ピニオン10bは、同図に示すように、前記着座部8bの対応する下面部位に垂下状態に固設した支柱部材10b1下部のフォーク状ブラケット部10bbに回転自在に支持してあり、その周側の歯は、前記したところから理解されるように、レール部材10aのラック部10a2と噛み合う状態に位置決めしてある。該支柱部材10b1のフォーク状ブラケット部10bbの直上の部位は、該レール部材10aのスリット状開口部10a1に挿通状態となっている。
前記二つの爪部材10c、10cは、前記支柱部材10b1にこれを挟む状態にかつ前記レール部材10aと平行に配した取付片10b2、10b2に取り付ける。特に図4及び図5(a)に示すように、該取付片10b2、10b2は、該支柱部材10b1を挟んで前後方向に(前記レール部材10aの長さ方向に)長く取り付け、該爪部材10c、10cは、該支柱部材10b1の前側及び後側で、それぞれ該取付片10b2、10b2の間に位置させて軸により回動自在に取り付ける。該爪部材10c、10cは、その各先端が前記ピニオン10bの歯に係止する位置関係に取り付ける。両爪部材10c、10cは、このような各先端がピニオン10bの歯に係合した状態で、それぞれ該ピニオン10bの逆方向の回転を阻止するようになっている。
前記引っ張りコイルバネ10d、10dは、図4及び図5(a)に示すように、その一端を爪部材10c、10cの上端に結合し、他端を取付片10b2、10b2の端部側にそれぞれピンを介して結合する。いずれも爪部材10c、10cに、その先端がピニオン10bの歯に係合するように働きかけるように結合するものである。
前記爪操作レバー10eは、図5(b)、(c)に示すように、着座部8bの先端下面に軸を介して回動自在に取り付けてある。常態では、該爪操作レバー10eは、車椅子の前後方向をまっすぐに向いた状態になる。この爪操作レバー10eの後端には、同図に示すように、操作ワイヤ10ewの前端が結合してあり、方向変換用の複数の手段を介して方向を変えながら後方に延長して、途中で二本の線に分岐し、それぞれの後端は、図5(a)に示すように、前記爪部材10c、10cの上端に結合する。
ピニオン10bをその下端のフォーク状ブラケット部10bbに取り付けた支柱部材10b1の上部にはプーリー10bpが回転自在に配してあり、前記爪部材10c、10cの上端に後端を結合した操作ワイヤ10ewは、まず、該プーリー10bpに掛け渡して、それぞれ同一方向を向け、途中で一本に纏めた上で、着座部8bの下面から垂下して軸に回転自在に配した他のプーリー8bp1に掛け渡して又方向を変え、前方に延長する。前記爪操作レバー10eの直前では、図5(b)、(c)に示すように、該操作ワイヤ10ewは、着座部8bの下面から垂下した二つの軸に回転自在に配した二つのプーリー8bp2、8bp2の間を通過させ、その前端を、前記のように、該爪操作レバー10eの後端に結合する。
それ故、以上の爪操作レバー10eの先端を掴んで、左右いずれかの方向に回動させると、操作ワイヤewが前方に引っ張られることになり、前記爪部材10c、10cは、それぞれ引っ張りコイルバネ10d、10dに抗して回動させられ、その先端がピニオン10bの歯から離脱する方向に動くことになる。こうしてピニオン10bは自由に回転できるようになり、この状態で着座部8bを前後方向に動かすと、所定の範囲内で所望の位置まで動かすことができることになる。所望の位置まで着座部8bを動かした上で、前記爪操作レバー10eを離すと、前記引っ張りコイルバネ10d、10dの作用で、爪部材10c、10cは、復帰回動し、その先端がピニオン10bの歯に係止状態となる。またこの作用で操作ワイヤewは後方に引かれ、前記爪操作レバー10eも前後方向に直線状態になる。
従ってこの実施例の車椅子によれば、前記したように、前記リクライニング機構9の操作レバー部9d、9dを握ることにより、爪部材9b、9bの先端を歯車9aの歯部から離脱させ、該歯車9aが結合している回転軸8asの自由な回転を許容するようにすることができる。そのため背もたれ部8aを自由な角度に傾斜又は直立させることが可能になり、該背もたれ部8aを傾斜させた場合、或いは直立させた場合には、今度は、前記爪操作レバー10eを左右のいずれかに回動させることにより、座席部8の動きを許容状態にして、該座席部8を最適な前後方向の位置に移動させ、かつその後、該爪操作レバー10eを元の状態に復帰させることにより、座席部8をその位置に固定させておくこともできる。
該リクライニング機構9の操作レバー部9d、9dを握って、背もたれ部8aを背後方向に倒した場合は、重心が後方に移動して車椅子が不安定になるので、座席部8を前側に移動させて、車椅子の中心に重心が位置するように調整する。これは、前記のように、前記着座部8bの前端下部の爪操作レバー10eを左右のいずれかに回動動作させることによって行い得る。爪操作レバー10eを左右のいずれかに動かせば、前記したように、爪部材10c、10cの先端がピニオン10bの歯から離脱して、その回転が自由になり、着座部8bを前後方向に動かすことが可能になる。それ故、該着座部8bを、この場合は、前方に必要なだけ動かし、その上で、該爪操作レバー10eを離す。そうすると、前記のように、爪部材10c、10cが前記引っ張りコイルバネ10d、10dの作用で元の状態に復帰してピニオン10bの回転を止め、着座部8bの位置をその位置に固定することになる。同時にこれによって前記爪操作レバー10eも前後方向にまっすぐに伸びた状態に復帰する。こうして車椅子を安定した状態の保持することができる。
前記背もたれ部8aを起こす場合も、前記したのと同様に、リクライニング機構9の操作レバー部9d、9dを握ればよい。これによって背もたれ部8aの自由な起伏動作が許容されるので、起こすことも、更に倒すことも自由である。起こした場合は、重心の位置を車椅子の中心に調整するため、また前記したのと同様に、前記スライド機構10の爪操作レバー10eを左右に動かして、着座部8bの動きを自由にした上で、この場合は、後方に動かす。こうして重心を調節し、該爪操作レバー10eを離して元の状態に復帰させれば、着座部8bはその位置に固定されることになる。
従ってこの実施例の車椅子によれば、背もたれ部8aをどのような傾斜状態にした場合も重心を適切に調節して、車椅子を安定した状態に保持することができる。またそのためのリクライニング機構9及びスライド機構10のいずれもが、先に説明したように簡明な構成で実現できているものである。
1 後輪
1c 操作輪
2 前輪
3 足載せ台
4 肘掛け
5 介助者用ハンドル
6 フレーム
6a、6b、6c 横向きのフレーム管
6d、6e 縦向のフレーム管
6f、6g 延長フレーム管
6h 側面側の帯状フレーム
6i 下面側の帯状フレーム
7 車体部
8 座席部
8a 背もたれ部
8as 背もたれ部の回転軸
8b 着座部
8bp1 着座部下面のプーリー
8bp2 着座部下面の二つ並んだプーリー
8bs 着座部に配した軸
9 リクライニング機構
9a リクライニング機構の歯車
9b リクライニング機構の爪部材
9c リクライニング機構の引っ張りコイルバネ
9d リクライニング機構の爪部材の操作レバー部
9e カバー部材
10 スライド機構
10a レール部材
10a1 スリット状開口部
10a2 ラック部
10b ピニオン
10b1 支柱部材
10bb フォーク状ブラケット部
10b2 取付片
10bp 支柱部材に取り付けたプーリー
10c スライド機構の爪部材
10d スライド機構の引っ張りコイルバネ
10e 爪操作レバー
10ew 操作ワイヤ
1c 操作輪
2 前輪
3 足載せ台
4 肘掛け
5 介助者用ハンドル
6 フレーム
6a、6b、6c 横向きのフレーム管
6d、6e 縦向のフレーム管
6f、6g 延長フレーム管
6h 側面側の帯状フレーム
6i 下面側の帯状フレーム
7 車体部
8 座席部
8a 背もたれ部
8as 背もたれ部の回転軸
8b 着座部
8bp1 着座部下面のプーリー
8bp2 着座部下面の二つ並んだプーリー
8bs 着座部に配した軸
9 リクライニング機構
9a リクライニング機構の歯車
9b リクライニング機構の爪部材
9c リクライニング機構の引っ張りコイルバネ
9d リクライニング機構の爪部材の操作レバー部
9e カバー部材
10 スライド機構
10a レール部材
10a1 スリット状開口部
10a2 ラック部
10b ピニオン
10b1 支柱部材
10bb フォーク状ブラケット部
10b2 取付片
10bp 支柱部材に取り付けたプーリー
10c スライド機構の爪部材
10d スライド機構の引っ張りコイルバネ
10e 爪操作レバー
10ew 操作ワイヤ
Claims (3)
- 大径の二つの後輪、小径の二つの前輪、足載せ台、肘掛け、介助者用ハンドル及びこれらを支持するフレームからなる車体部と、車体部のフレームの、前記両後輪及び前記両前輪の間の位置上に配置する座席部とで構成する車椅子であって、
前記座席部の背もたれ部に、これを着座部に対して後方に適宜角度で傾斜させ得るようにするリクライニング機構を構成し、かつ、該座席部と車体部のフレームとの間に、該座席部を該車体部のフレーム上を所定範囲内で前後方向にスライド移動自在かつ固定自在とするスライド機構を構成してなる車椅子。 - 前記座席部を、前記着座部と、前記背もたれ部と、該背もたれ部の下端に沿って固設した回転軸であって、該着座部の後端に回転自在に支持した回転軸とで構成し、
前記リクライニング機構を、前記回転軸の端部に固設した歯車と、該歯車にそれぞれ逆方向の回転を阻止すべく配した二つの爪部材であって、着座部の後端側部に回動自在に結合した二つの爪部材と、該二つの爪部材の各先端を前記歯車の歯部に係止させるべく付勢するバネ部材と、該二つの爪部材から各々延長した操作レバー部であって、それら二つを握ることで該二つの爪部材の先端が前記歯車の歯部から離脱することとなる操作レバー部とで構成した請求項1の車椅子。 - 前記スライド機構を、前記車体部のフレーム上にその前後方向に沿って配した2以上の平行なレール部材であって、その底部上面に長さ方向に沿ったラックを備えたレール部材と、着座部の下面に各レール部材毎に対応させて前後に配した2以上のピニオンであって、対応する各レール部材のラックに噛み合うピニオンと、一以上のピニオンにそれぞれ逆方向の回転を阻止すべく配した二つの爪部材であって、着座部の下面側の部材に回動自在に結合した二つの爪部材と、該二つの爪部材の各先端を前記ピニオンの歯部に係止させるべく付勢するバネ部材と、着座部の前端下部に配した爪操作手段であって、前記爪部材の先端をピニオンの歯部から離脱させるべく操作する爪操作手段とで構成した請求項1又は2の車椅子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008009196U JP3149183U (ja) | 2008-12-31 | 2008-12-31 | 車椅子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008009196U JP3149183U (ja) | 2008-12-31 | 2008-12-31 | 車椅子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3149183U true JP3149183U (ja) | 2009-03-12 |
Family
ID=54853782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008009196U Expired - Fee Related JP3149183U (ja) | 2008-12-31 | 2008-12-31 | 車椅子 |
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JP (1) | JP3149183U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180089931A (ko) * | 2017-02-01 | 2018-08-10 | 신성대학 산학협력단 | 뇌졸중 환자용 휠체어 |
-
2008
- 2008-12-31 JP JP2008009196U patent/JP3149183U/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180089931A (ko) * | 2017-02-01 | 2018-08-10 | 신성대학 산학협력단 | 뇌졸중 환자용 휠체어 |
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