JP3149066B2 - 内燃エンジン用ピストン - Google Patents
内燃エンジン用ピストンInfo
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- JP3149066B2 JP3149066B2 JP11375791A JP11375791A JP3149066B2 JP 3149066 B2 JP3149066 B2 JP 3149066B2 JP 11375791 A JP11375791 A JP 11375791A JP 11375791 A JP11375791 A JP 11375791A JP 3149066 B2 JP3149066 B2 JP 3149066B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston
- internal combustion
- combustion engine
- impurities
- ac9b
- Prior art date
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2201/00—Metals
- F05C2201/02—Light metals
- F05C2201/021—Aluminium
Landscapes
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Al合金製の内燃エン
ジン用ピストンに関する。
ジン用ピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】斯かる内燃エンジン用ピストンは高温雰
囲気(通常、250〜350℃)で爆発力を受け、シリ
ンダ内を高速で往復運動するために大きな慣性力を受け
る。このためにピストンに要求される材料特性として
は、軽量であること、高温強度及び耐熱性に優れている
こと、熱伝導率が高いこと、熱膨張係数が小さいこと、
耐摩耗性に優れていること等が挙げられる。
囲気(通常、250〜350℃)で爆発力を受け、シリ
ンダ内を高速で往復運動するために大きな慣性力を受け
る。このためにピストンに要求される材料特性として
は、軽量であること、高温強度及び耐熱性に優れている
こと、熱伝導率が高いこと、熱膨張係数が小さいこと、
耐摩耗性に優れていること等が挙げられる。
【0003】斯かる要求をほぼ満たす材料として従来か
らAl合金が採用されており、特に4サイクルエンジン
では通称ローエックス合金と称されるAl−Si系共晶
合金のAC8Aの使用が一般的であり、2サイクルエン
ジンではAl−Si系過共晶合金(高Si合金)、AC
9A、AC9Bが一般に用いられている。
らAl合金が採用されており、特に4サイクルエンジン
では通称ローエックス合金と称されるAl−Si系共晶
合金のAC8Aの使用が一般的であり、2サイクルエン
ジンではAl−Si系過共晶合金(高Si合金)、AC
9A、AC9Bが一般に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の内燃
エンジンの高性能化に伴い、ピストンは更に高温(約4
00℃)での使用にも耐え得ることが要求される。AC
8A、AC9Bは時効硬化型合金のため、200℃以下
の温度における強度は大きいが、250℃以上の高温度
に加熱されると軟化してその引張強度が低下するという
欠点がある。
エンジンの高性能化に伴い、ピストンは更に高温(約4
00℃)での使用にも耐え得ることが要求される。AC
8A、AC9Bは時効硬化型合金のため、200℃以下
の温度における強度は大きいが、250℃以上の高温度
に加熱されると軟化してその引張強度が低下するという
欠点がある。
【0005】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、耐熱強度の高い内燃エンジン
用ピストンを提供することにある。
で、その目的とする処は、耐熱強度の高い内燃エンジン
用ピストンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、AC9B材に、Fe,Mn,Ti,C
r,Zr,V,Co,Nb,Moのうち5種類以上の元
素をそれぞれが0.1wt%以上、1wt%以下の範囲
であって、且つ総量で1.6wt%以上、2.8wt%
以下の範囲で含む不純物を添加したものを、溶融凝固さ
せる工程を経て内燃エンジン用ピストンを形成したこと
をその特徴とする。
め、本発明は、AC9B材に、Fe,Mn,Ti,C
r,Zr,V,Co,Nb,Moのうち5種類以上の元
素をそれぞれが0.1wt%以上、1wt%以下の範囲
であって、且つ総量で1.6wt%以上、2.8wt%
以下の範囲で含む不純物を添加したものを、溶融凝固さ
せる工程を経て内燃エンジン用ピストンを形成したこと
をその特徴とする。
【0007】
【作用】本発明者等は、Alよりも融点の高いFe,M
n,Ti,Cr等の5種類以上の元素をそれぞれが0.
1wt%以上、1wt%以下の範囲であって、且つ総量
で1.6wt%以上、2.8wt%以下の範囲で含む不
純物をAC9B材に添加したものを溶融凝固させる工程
を経て内燃エンジン用ピストンを形成すれば、高融点の
金属間化合物が母材であるAC9Bに微細(10μm以
下)に、且つ多量に分散し、ピストンの最高使用温度で
ある400℃付近での強度が著しく高められることを実
験的に見い出した。この結果、本発明に係るピストンの
耐熱強度が高められ、該ピストンは400℃程度の高温
での使用が可能となってエンジン性能の向上に寄与し得
ることとなる。
n,Ti,Cr等の5種類以上の元素をそれぞれが0.
1wt%以上、1wt%以下の範囲であって、且つ総量
で1.6wt%以上、2.8wt%以下の範囲で含む不
純物をAC9B材に添加したものを溶融凝固させる工程
を経て内燃エンジン用ピストンを形成すれば、高融点の
金属間化合物が母材であるAC9Bに微細(10μm以
下)に、且つ多量に分散し、ピストンの最高使用温度で
ある400℃付近での強度が著しく高められることを実
験的に見い出した。この結果、本発明に係るピストンの
耐熱強度が高められ、該ピストンは400℃程度の高温
での使用が可能となってエンジン性能の向上に寄与し得
ることとなる。
【0008】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
て説明する。
【0009】図1は本発明に係る2サイクルエンジン用
ピストン1の縦断面図であり、該ピストン1はAl合金
によって一体鋳造され、これは不図示のシリンダ内を摺
動する円筒部2と、不図示の燃焼室の一部を構成する頂
部3を有している。そして、円筒部2の内側には一対の
ボス部4,4が径方向に相対向して一体に形成されてお
り、同円筒部2の上部外周面には不図示のピストンリン
グが嵌合すべきピストンリング溝5,6が全周に亘って
形成されている。
ピストン1の縦断面図であり、該ピストン1はAl合金
によって一体鋳造され、これは不図示のシリンダ内を摺
動する円筒部2と、不図示の燃焼室の一部を構成する頂
部3を有している。そして、円筒部2の内側には一対の
ボス部4,4が径方向に相対向して一体に形成されてお
り、同円筒部2の上部外周面には不図示のピストンリン
グが嵌合すべきピストンリング溝5,6が全周に亘って
形成されている。
【0010】ところで、上記ピストン1の素材であるA
l合金は、Alよりも融点の高いFe,Mn,Ti,C
r,Zr,V,Co,Nb,Moのうち5種類以上の元
素をそれぞれが0.1wt%以上、1wt%以下の範囲
であって、且つ総量で1.6wt%以上、2.8wt%
以下の範囲で含む不純物をAC9Bに添加したものであ
る。
l合金は、Alよりも融点の高いFe,Mn,Ti,C
r,Zr,V,Co,Nb,Moのうち5種類以上の元
素をそれぞれが0.1wt%以上、1wt%以下の範囲
であって、且つ総量で1.6wt%以上、2.8wt%
以下の範囲で含む不純物をAC9Bに添加したものであ
る。
【0011】ここで、Fe,Mn,Cu,Ti,Zrの
5元素を不純物として選び、これらの不純物をAC9B
に種々の割合(添加総量)で添加した場合の400℃に
おける硬さ試験結果を図2に示す。
5元素を不純物として選び、これらの不純物をAC9B
に種々の割合(添加総量)で添加した場合の400℃に
おける硬さ試験結果を図2に示す。
【0012】図2より明らかなように、不純物(Fe,
Mn,Cu,Ti,Zr)の添加総量を1.6wt%以
上、2.8wt%以下の範囲に設定すれば、ビッカース
硬さHvが飛躍的に高くなり、高温強度も高められる。
即ち、このとき高融点の金属間化合物が母材であるAC
9Bに微細(10μm以下)、且つ多量に分散し、所謂
分散強化によって当該Al合金の400℃(ピストン1
の最高使用温度)付近での強度が著しく高められる。こ
の結果、本発明に係るピストン1の耐熱強度が高めら
れ、該ピストン1は400℃程度の高温での使用が可能
となってエンジン性能の向上に寄与し得ることとなる。
Mn,Cu,Ti,Zr)の添加総量を1.6wt%以
上、2.8wt%以下の範囲に設定すれば、ビッカース
硬さHvが飛躍的に高くなり、高温強度も高められる。
即ち、このとき高融点の金属間化合物が母材であるAC
9Bに微細(10μm以下)、且つ多量に分散し、所謂
分散強化によって当該Al合金の400℃(ピストン1
の最高使用温度)付近での強度が著しく高められる。こ
の結果、本発明に係るピストン1の耐熱強度が高めら
れ、該ピストン1は400℃程度の高温での使用が可能
となってエンジン性能の向上に寄与し得ることとなる。
【0013】尚、粉末冶金法、連続鋳造法等の凝固速度
の高い鋳造プロセスによって当該ピストン1を得る場合
には、不純物の添加総量を増しても、微細、且つ均一な
金属間化合物の分散が得られる。この場合、ビレットで
鋳造し、後に熱間鍛造によってピストン1を成形する。
の高い鋳造プロセスによって当該ピストン1を得る場合
には、不純物の添加総量を増しても、微細、且つ均一な
金属間化合物の分散が得られる。この場合、ビレットで
鋳造し、後に熱間鍛造によってピストン1を成形する。
【0014】ところで、以上の実施例は特に2サイクル
エンジン用ピストンについて言及したが、本発明はその
他4サイクルエンジン用ピストンに対しても同様に適用
可能であることは勿論である。
エンジン用ピストンについて言及したが、本発明はその
他4サイクルエンジン用ピストンに対しても同様に適用
可能であることは勿論である。
【0015】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、AC9B材に、Fe,Mn,Ti,Cr,Z
r,V,Co,Nb,Moのうち5種類以上の元素をそ
れぞれが0.1wt%以上、1wt%以下の範囲であっ
て、且つ総量で1.6wt%以上、2.8wt%以下の
範囲で含む不純物を添加したものを、溶融凝固させる工
程を経て内燃エンジン用ピストンを形成したため、該ピ
ストンの耐熱強度を高めることができるという効果が得
られる。
よれば、AC9B材に、Fe,Mn,Ti,Cr,Z
r,V,Co,Nb,Moのうち5種類以上の元素をそ
れぞれが0.1wt%以上、1wt%以下の範囲であっ
て、且つ総量で1.6wt%以上、2.8wt%以下の
範囲で含む不純物を添加したものを、溶融凝固させる工
程を経て内燃エンジン用ピストンを形成したため、該ピ
ストンの耐熱強度を高めることができるという効果が得
られる。
【図1】本発明に係る2サイクルエンジン用ピストンの
縦断面図である。
縦断面図である。
【図2】AC9Bに不純物を添加した場合の不純物添加
総量に対する硬さ(ビッカース硬さHv)の変化を示す
図である。
総量に対する硬さ(ビッカース硬さHv)の変化を示す
図である。
1 ピストン 2 円筒部 3 頂部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−161508(JP,A) 特開 平3−126834(JP,A) 特開 平3−3947(JP,A) 特開 昭64−73044(JP,A) 特開 平1−108339(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 1/01 C22C 21/00 F02F 3/00 302
Claims (1)
- 【請求項1】 AC9B材に、Fe,Mn,Ti,C
r,Zr,V,Co,Nb,Moのうち5種類以上の元
素をそれぞれが0.1wt%以上、1wt%以下の範囲
であって、且つ総量で1.6wt%以上、2.8wt%
以下の範囲で含む不純物を添加したものを、溶融凝固さ
せる工程を経て形成されることを特徴とする内燃エンジ
ン用ピストン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11375791A JP3149066B2 (ja) | 1991-04-19 | 1991-04-19 | 内燃エンジン用ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11375791A JP3149066B2 (ja) | 1991-04-19 | 1991-04-19 | 内燃エンジン用ピストン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04321876A JPH04321876A (ja) | 1992-11-11 |
JP3149066B2 true JP3149066B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=14620371
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11375791A Expired - Fee Related JP3149066B2 (ja) | 1991-04-19 | 1991-04-19 | 内燃エンジン用ピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3149066B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997031202A1 (fr) * | 1996-02-26 | 1997-08-28 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Piston en aluminium pour moteurs a combustion interne |
KR20150121239A (ko) * | 2013-03-05 | 2015-10-28 | 페더럴-모걸 코오포레이숀 | 카본 디포짓 방지 코팅을 지닌 피스톤 및 그 구성 방법 |
-
1991
- 1991-04-19 JP JP11375791A patent/JP3149066B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04321876A (ja) | 1992-11-11 |
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Legal Events
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