JP3148327B2 - パーフルオロアルキル基含有共重合体非水分散液及び撥水撥油剤 - Google Patents
パーフルオロアルキル基含有共重合体非水分散液及び撥水撥油剤Info
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Description
利用可能なパーフルオロアルキル基含有共重合体非水分
散液、詳しくは特定の非ハロゲン系溶剤に分散したパー
フルオロアルキル基含有共重合体非水分散液に関する。
オロアルキル基含有アクリレートを構成単位とする種々
の共重合体が利用可能であることが知られている。
クリレートと、3−クロロ−2−ヒドロキシメタクリレ
ート等の活性水素含有単量体との共重合体が液状フッ素
化合物を分散媒とすることにより非水分散液となること
が知られている(特開昭52−106386号公報)。
報に記載された非水分散液からなる撥水撥油剤は、撥水
性が不十分であるとともに、風合い(柔軟性)も悪かっ
た。
ッ素系共重合体の非水分散液が求められている。
付与しうるパーフルオロアルキル基含有アクリレート
(I)、長鎖アルキル基含有(メタ)アクリレート(I
I)及びポリオルガノシロキシル基含有エチレン性不飽
和単量体(VI)を必須成分とする共重合体の系で、かつ
オゾン層を破壊しにくいハロゲン系溶剤以外の分散媒に
分散できるか検討したところ、非水分散媒として用いる
有機溶剤として、溶解度パラメーター8〜9の無極性非
ハロゲン系有機溶剤を用いると、パーフルオロアルキル
基含有アクリレート(I)、長鎖アルキル基含有(メ
タ)アクリレート(II)及びポリオルガノシロキシル基
含有エチレン性不飽和単量体(VI)を必須成分とする共
重合体の非水分散液が得られることを見い出し、本発明
を完成させるに至った。
有アクリレート(I)、長鎖アルキル基含有(メタ)ア
クリレート(II)及びポリオルガノシロキシル基含有エ
チレン性不飽和単量体(VI)を必須成分とする共重合体
が、25℃における溶解度パラメーターが8〜9である
無極性非ハロゲン系有機溶剤に分散していることを特徴
とするパーフルオロアルキル基含有共重合体非水分散液
を提供するものである。
ない特定の有機溶剤を用いることに特徴がある。本発明
で用いる有機溶剤は、無極性でかつ25℃における溶解
度パラメーターが8〜9である非ハロゲン系有機溶剤で
あることが重要であり、この範囲以外の溶解度パラメー
ターを有する無極性非ハロゲン系有機溶剤では安定な非
水分散液を得ることはできない。より具体的には、例え
ば、シクロヘキサン、イソプロピルベンゼン、p-キシ
レン、m−キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、ト
ルエン、o−キシレン等が挙げられる。勿論、本発明に
使用する単量体類の該有機溶剤への溶解性を向上せしめ
る範囲内で他の有機溶剤を使用することも可能である。
メーター8〜9の無極性非ハロゲン系有機溶剤に分散し
うる重合体を得るためには、パーフルオロアルキル基含
有アクリレート(I)と、長鎖アルキル基含有(メタ)
アクリレート(II)と、ポリオルガノシロキシル基含有
エチレン性不飽和単量体(VI)とを併せ用いることが特
に重要である。
有アクリレート(I)としては、公知慣用のものがいず
れも使用できるが、例えば次の一般式で表されるものが
挙げられる。
る。)アクリレート(I)としては、具体例には例えば
次の様なものが挙げられる。
アクリレート(II)としては、公知慣用のものがいず
れも使用できるが、例えば次の一般式で表わされるもの
が挙げられる。 (但し、R1は−H、−CH3、R2は炭素数14〜24
の直鎖状または分岐状アルキル基である。) (メタ)アクリレート(II)としては、具体例には、
例えばn−セチル(メタ)アクリレート、n−ステアリ
ル(メタ)アクリレート、n−ベヘニル(メタ)アクリ
レート、iso−ステアリル(メタ)アクリレート等が
挙げられる。勿論、前記長鎖アルキル基含有(メタ)ア
クリレートを2種以上併用してもよい。
オロアルキル基含有アクリレート(I)と長鎖アルキル
基含有(メタ)アクリレート(II)の共重合割合は、
特に制限されるものではないが、非水分散液の安定性、
撥水撥油性の点が重要であり、アクリレート(I)50
〜70重量部と、(メタ)アクリレート(II)10〜
50重量部とを必須成分として重合した共重合体である
ことが好ましい。
ル基含有アクリレート及び長鎖アルキル基含有(メタ)
アクリレートを必須成分とする共重合体の非水分散液を
より安定な分散液とするため、或いは撥水撥油剤として
用いる場合において、撥水撥油性及び撥水撥油性の耐溶
剤性等の耐久性を向上せしめる目的で、さらにブロック
ドイソシアネート基含有エチレン性不飽和単量体や、ウ
レタンジ(メタ)アクリレートに代表される多官能(メ
タ)アクリレート、数平均分子量1500〜10000
のエチレン性不飽和二重結合基を有する非官能性重合体
からなるマクロモノマー等を併用して重合して得られた
共重合体も同様に使用できる。上記のブロックドイソシ
アネート基含有エチレン性不飽和単量体、ウレタンジ
(メタ)アクリレート、マクロモノマーは0.1〜20
重量%用いられる。
エチレン性不飽和単量体やウレタンジ(メタ)アクリレ
ートとしては、例えば次の様な一般式で表わされるもの
が挙げられる。 一般式(III) (式中、R3は水素原子またはメチル基、Xは−OBO
−(但し、Bはハロゲン原子またはアルキル基で置換さ
れていてもよい炭素原子数2〜10のアルキレン基)ま
たは−NH−、Yは芳香族ジイソシアネートのイソシア
ネート残基、Zはケトオキシムの水素残基である。) 一般式(IV) (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5は2価のア
ルキレン基、R6は有機ジイソシアネートの残基、R7は
ポリエステルジオールの残基である。) 一般式(V) (但し、R3は−H、−CH3、Qは2価の連結基、Pは
エチレン性不飽和単量体の重合体部位である。)上記一
般式における(V)におけるPとしては、例えばポリス
チレン(以下、PStとする)、スチレン−(メタ)ア
クリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体等の芳香族ビニル系重合体や、ポリメチルメタアクリ
レート(以下、PMMAとする)、ポリブチルアクリレ
ート(以下、PBAとする)、メチル(メタ)アクリレ
ート−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
ソシアネート基含有エチレン性不飽和単量体の具体例と
しては、例えば
ウレタンジ(メタ)アクリレートは、公知慣用のものが
いずれも使用できるが、例えばポリエステルジオールと
有機ジイソシアネート及び活性水素含有(メタ)アクリ
ル酸エステルとの反応によって得られる2官能の重合性
単量体が挙げられる。
る際に使用できるポリエステルジオールの具体例として
は、例えばポリエチレンアジペート、ポリエチレンプロ
ピレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、
ポリジエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、
ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネー
ト、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケー
ト、ポリヘキサメチレンアジペート等、有機ジイソシア
ネートの具体例としては、例えば4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等、活
性水素含有(メタ)アクリル酸エステルの具体例として
は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ(メタ)ア
クリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
は、例えば次の様なものが挙げられる。 M-1: CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OOCCH2S(PMMA)H 但し、PMMA:(CH2C(CH3)(COOCH3))n M-2: CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OOCCH2S(PBA)H 但し、PBA:(CH2CH(COOC4H9))n M-3: CH2=C(CH3)COOCH2CH2(PSt)H 但し、PSt:(CH2CHC6H5))n 等が挙げられる。
チレン性不飽和単量体(VI)としては、例えばポリジメ
チルシロキシル基含有(メタ)アクリレート、ポリジフ
ェニルシロキシル基含有(メタ)アクリレートなどが挙
げられる。この単量体を共重合性分として用いると、共
重合しない基材に比べて、より風合い(柔軟性)に優れ
たものとすることができる。このポリオルガノシロキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体は0.1〜20重量%
用いられる。本発明に係わる単量体(I)、(II)及び
(VI)を必須成分とした共重合体は、前記の単量体類の
他に、撥水撥油性等の目的に応じて非水分散液の安定性
を損なわない範囲で他のエチレン性単量体を併用するこ
とが可能である。
ば、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、スチレン、α−
メチルスチレン、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレー
ト、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベン
ジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテ
ニル(メタ)アクリレート、メチルビニルエーテル、プ
ロピルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
キル基含有アクリレートと長鎖アルキル基含有(メタ)
アクリレートとポリオルガノシロキシル基含有エチレン
性不飽和単量体とを必須成分として共重合せしめればよ
い。この場合共重合しようとする単量体を本発明の特定
の有機溶剤に溶解せしめ、重合開始源の作用により、溶
液重合せしめれば容易に安定な非水分散液を製造するこ
とができる。重合開始源として、アゾ化合物、有機過酸
化物の如き各種重合開始剤、更には、紫外線あるいはγ
−線などの電離性放射線などが採用され得る。
として利用され得る。撥水撥油剤は被処理物の種類また
は調整形態などに応じて、任意の方法で被処理物に適応
され得る。例えば、必要に応じて希釈を行ない浸漬塗布
あるいはスプレー等の如き被覆加工の既知の方法で被処
理物の表面に付着させ熱処理する方法が採用される。
のではないが通常加熱オーブン中80〜180℃で被処
理物を加熱すればよく、中でも80〜120℃×30秒
〜3分で予備乾燥した後130〜180℃×30秒〜3
分キュアリングすることが好ましい。
の物品を単独で処理することができ、撥水撥油性、防汚
性等を付与することができる。例えば、繊維、紙、皮
革、毛皮、プラスチックなどがある。而して、繊維とし
ては、綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、ポリアミド、
ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン
等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、
あるいはこれらの混紡・交織織物があげられる。また、
本発明の非水分散液を樹脂溶液に添加し塗布あるいは成
形することにより樹脂成分の撥水性、撥油性、防汚性、
非粘着性、離型性、吸水防止性、潤滑性等の性能を改質
することができる。
F−1 39g、ステアリルアクリレート12g、D−
1 9g、ドデシルメルカプタン 0.2g、トルエン
89.5g、アゾイソブチロニトリル 0.3gを加
え、窒素雰囲気下で撹拌しつつ70℃で10時間共重合
反応せしめた。反応終了後、トルエン 250gを加え
て固形分濃度15%の共重合体非水分散液を得た。この
非水分散液の640nmの透過率(分散安定性の尺度で
ある。)は20%であった(表−1)。
ーペンで希釈して固形分濃度0.5%の処理浴を調整し
た後、ポリエステル織物を該処理浴に5秒間浸漬しマン
グルにより絞り、ウエットピックアップを60%とし
た。次いで、100℃×2分間乾燥し、170℃×30
秒間キュアーすることにより撥水撥油処理した。かくし
て得られた処理水の撥水撥油性を測定した結果を表−2
に示した。 実施例2〜5及び比較例1〜3 同様な方法で本発明に係る共重合体分散液(実施例2〜
実施例5)及び本発明に係わらない共重合体溶液等(比
較例1〜3)を合成し、その共重合組成、使用した有機
溶剤、溶剤の溶解度パラメーター(SP)、反応後の状
態、分散液の640nmの透過率(T%)及び撥水撥油
性をそれぞれ表−1及び表−2にまとめて実施例1の結
果と共に示した。尚、表中のSTAはステアリルアクリ
レート、C−1は東亜合成化学工業株式会社製粘度17
0000cps/50℃の無黄変型ポリエステルウレタ
ンジアクリレート(アロニックスM−1200)、C−
2は東亜合成化学工業株式会社製粘度100000cp
s/50℃の芳香族型ポリエステルウレタンジアクリレ
ート(アロニックス M−1100)、D−1は下記構
造式のポリジメチルシロキサン鎖含有(メタ)アクリレ
ートである。
重合体非水分散液は、オゾン層の破壊を懸念せずに優れ
た撥水撥油処理を行なう事ができるという、格別顕著な
効果を奏する。
Claims (5)
- 【請求項1】パーフルオロアルキル基含有アクリレート
(I)、長鎖アルキル基含有(メタ)アクリレート(I
I)及びポリオルガノシロキシル基含有エチレン性不飽
和単量体(VI)を必須成分とする共重合体が、25℃に
おける溶解度パラメーターが8〜9である無極性非ハロ
ゲン系有機溶剤に分散していることを特徴とするパーフ
ルオロアルキル基含有共重合体非水分散液。 - 【請求項2】共重合体が、パーフルオロアルキル基含有
アクリレート(I)50〜70重量%と、長鎖アルキル
基含有(メタ)アクリレート(II)10〜50重量%
と、ポリオルガノシロキシル基含有エチレン性不飽和単
量体(VI)0.1〜20重量%を必須成分とする共重合
体である請求項1記載の非水分散液。 - 【請求項3】共重合体が、パーフルオロアルキル基含有
アクリレートと、長鎖アルキル基含有(メタ)アクリレ
ート(II)と、ポリオルガノシロキシル基含有エチレン
性不飽和単量体(VI)と、ブロックドイソシアネート基
含有エチレン性不飽和単量体(III)を必須成分とする
共重合体である請求項1記載の非水分散液。 - 【請求項4】共重合体が、パーフルオロアルキル基含有
アクリレートと、長鎖アルキル基含有(メタ)アクリレ
ート(II)と、ポリオルガノシロキシル基含有エチレン
性不飽和単量体(VI)と、ウレタンジ(メタ)アクリレ
ート(IV)を必須成分とする共重合体である請求項1記
載の非水分散液。 - 【請求項5】請求項1記載の非水分散液からなる撥水撥
油剤。
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