JP3148326B2 - 高度な安定性を有するパーフルオロアルキル基含有共重合体非水分散液の製造方法 - Google Patents

高度な安定性を有するパーフルオロアルキル基含有共重合体非水分散液の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素系撥水撥油剤等に
利用可能なパーフルオロアルキル基含有共重合体非水分
散液の製造方法、詳しくは特定の非ハロゲン系溶剤に分
散したパーフルオロアルキル基含有共重合体非水分散液
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素系撥水撥油剤としては、パーフル
オロアルキル基含有アクリレートを構成単位とする種々
の共重合体が利用可能であることが知られている。
【0003】ところで、パーフルオロアルキル基含有ア
クリレートと、3−クロロ−2−ヒドロキシメタクリレ
ート等の活性水素含有単量体との共重合体が液状フッ素
化合物を分散媒とすることにより非水分散液となること
が知られている(特開昭52−106386号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載された非水分散液からなる撥水撥油剤は、撥水
性が不十分であるとともに、風合い(柔軟性)も悪かっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、こ
れらの性能を改良された共重合体非水分散液からなる撥
水撥油剤として、上記した様な活性水素含有単量体に代
えて長鎖アルキル基含有(メタ)アクリレートを用いて
共重合体非水分散液を得たが、この分散液は安定性が悪
いという欠点があることがわかった。
【0006】さらに本発明者等は、上記問題点に鑑み安
定性について鋭意検討したところ、長鎖アルキル基含有
(メタ)アクリレート系共重合体の系では、熱時共重合
体非水分散液を冷却する条件により、冷却された分散液
の安定性が大きく変化するという現象を発見した。
【0007】本発明者等は、上記知見に基づいて、非水
分散媒に共重合体粒子をより安定的微分散させるために
は、熱時分散液を急冷すればよいことを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】さらにハロゲン系溶剤が地球を取り巻くオ
ゾン層を破壊することが確認され、地球環境保護の立場
より使用が困難となってきたので、上記した共重合体が
メチルクロロホルム、トリクロロトリフルオロエタン、
テトラクロロジフルオロエタン等のハロゲン系溶剤以外
の分散媒に分散できるか否かも併せて検討したところ、
非水分散媒として用いる有機溶剤として、溶解度パラメ
ーター8〜9の無極性非ハロゲン系有機溶剤を用いて
も、安定性の優れた共重合体非水分散液が得られる事も
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち本発明は、パーフルオロアルキル基含
有アクリレート(I)および長鎖アルキル基含有(メ
タ)アクリレート(II)を必須成分として非水分散媒中
で重合せしめたパーフルオロアルキル基含有共重合体非
水分散液を、30〜60℃の温度範囲に於いて冷却速度
5℃/分以上の速度で冷却する過程を有するように冷却
することを特徴とするパーフルオロアルキル基含有共重
合体非水分散液の製造方法を提供するものである。
【0010】本発明においては、重合反応終了後に得ら
れる高温の共重合体溶液あるいは共重合体非水分散液
を、特定の温度領域において急速に冷却することに特徴
がある。
【0011】本発明による製造方法によって共重合体非
水分散液の微粒子化が達成され、極めて安定な非水分散
液が形成される理由は未だ不明であるが、その一因とし
ては、高温で微分散化した共重合体粒子が、共重合体の
結晶化温度領域に長時間非水分散液にさらされることに
より生ずる共重合体粒子の二次凝集が抑制されるためと
推察される。従って、共重合体の結晶化温度を予め測定
しておき、その結晶化温度付近での温度勾配が極めて大
きくなる様、急激な速度で冷却を行うことにより、共重
合体粒子が結晶化温度領域に長時間留まらない様にすれ
ば、二次凝集が抑制できる。逆に、上記した様な熱履歴
を得なかった二次凝集した共重合体非水分散液でも、共
重合体の結晶化温度を越える高温に加熱して、一旦二次
凝集粒子を破壊して、再度二次凝集する以前に、即ち結
晶化温度領域を短時間のうちに通過する様に、急冷して
やれば同様の効果が得られる。
【0012】本発明に係る共重合体の結晶化温度は、そ
の共重合体の単量体組成により異なるのは勿論である
が、通常30〜60℃の範囲に存在する。この結晶化温
度は、例えば示差熱分析等で測定可能である。冷却速度
としては、5℃/分以上であることが好ましい。
【0013】本発明の製造方法では、上記技術思想のも
と、共重合体非水分散液を、30〜60℃の温度範囲全
体又はその一部に於いて、冷却速度5℃/分以上の速度
で冷却するという過程が含まれていればよい。
【0014】この過程の具体的な実施態様としては、例
えば (1)非水分散媒たる有機溶剤中で、60℃を越える温
度のアクリレート(I)と(メタ)アクリレート(I
I)を必須成分とした共重合体溶液ないしは分散液を、
60℃から30℃の温度範囲内の任意の温度区間はこれ
を冷却速度5℃/分以上の速度で冷却される過程を含む
様に冷却する方法、 (2)非水分散媒たる有機溶剤中で、60℃を越える温
度のアクリレート(I)と(メタ)アクリレート(I
I)を必須成分とした共重合体溶液ないしは分散液を冷
却速度5℃/分よりも遅い速度で30℃未満に冷却し、
再度60℃を越える温度又は30℃から60℃の温度範
囲の任意の温度に加熱した後、30℃から60℃の温度
範囲の任意の温度区間を冷却速度5℃/分以上の速度で
冷却される過程を含む様に冷却する方法等がある。
【0015】(1)の例をとって具体的な冷却方法につ
いて説明するとすれば、 60℃を越える任意の温度から5℃/分以上の速
度で冷却を開始し、常温までその速度で冷却する方法、 60℃を越える任意の温度から5℃/分以上の速
度で冷却を開始し、60℃から30℃の間の任意の温度
まで5℃/分以上の速度で冷却し、その任意の温度から
常温まで5℃/分より遅い速度で冷却する方法、 60℃を越える任意の温度から5℃/分以上の速
度で冷却を開始し、30℃まで5℃/分以上の速度で冷
却し、30℃から常温まで5℃/分より遅い速度で冷却
する方法、 60℃を越える任意の温度から5℃/分よりも遅
い速度で冷却を開始し、60℃から30℃の間の任意の
温度1まで5℃/分よりも遅い速度で冷却し、その任意
の温度1から60℃から30℃の間の任意の温度2まで
5℃/分以上の速度で冷却し、任意の温度2から常温ま
で5℃/分より遅い速度で冷却する方法、 60℃を越える任意の温度から5℃/分よりも遅
い速度で冷却を開始し、60℃から30℃まで5℃/分
以上の速度で冷却し、30℃未満になったら常温まで5
℃/分より遅い速度で冷却する方法、 60℃を越える任意の温度から5℃/分よりも遅
い速度で冷却を開始し、60℃から30℃の間の任意の
温度1まで5℃/分よりも遅い速度で冷却し、その任意
の温度1から常温まで5℃/分以上の速度で冷却する方
法、 60℃を越える任意の温度から5℃/分よりも遅
い速度で冷却を開始し、60℃から30℃の間の任意の
温度1まで5℃/分よりも遅い速度で冷却し、その任意
の温度1から30℃まで5℃/分以上の速度で冷却し、
30℃未満になったら5℃/分よりも遅い速度で冷却す
る方法、 等が挙げられる(図1参照)。
【0016】即ち、本発明に係わるパーフルオロアルキ
ル基含有共重合体非水分散液は、有機溶剤にパーフルオ
ロアルキル基含有アクリレート(I)及び長鎖アルキル
基含有(メタ)アクリレート(II)を必須成分とした
モノマー類を溶解せしめ、アゾ化合物、有機過酸化物の
如き各種重合開始剤、更には、紫外線あるいはγ−線な
どの電離性放射線等の重合開始源の存在下、連鎖移動剤
の存在下あるいは非存在下に共重合せしめることにより
得られる高温の共重合体溶液あるいは共重合体非水分散
液に、反応に使用した有機溶剤を添加する、あるいは未
添加で、30℃〜60℃の温度範囲に於て冷却速度5℃
/分以上の速度で冷却される過程を含む様に冷却するこ
とにより容易に得られる〔上記(1)の方法〕。
【0017】勿論、上記(2)の方法の様に、反応終了
後得られた高温の共重合体溶液あるいは共重合体非水分
散液を本発明に係わらない冷却方法で常温まで冷却した
後、再度該生成物を高温まで加熱し本発明の方法により
冷却することによっても同等な共重合体非水分散液を得
ることが可能であるが、作業性や製造コストの点より前
者の方法がより好ましい。
【0018】本発明に係わるパーフルオロアルキル基含
有アクリレート(I)としては、公知慣用のものがいず
れも使用できるが、例えば次の一般式で表されるものが
挙げられる。
【0019】 (但し、nは6、8、10、12、mは1〜6であ
る。)アクリレート(I)としては、具体例には例えば
次の様なものが挙げられる。
【0020】F-1:CF3(CF2)nCH2CH2OCOCH=CH2 (n=5-11, nav=9) F-2:(CF3)2CF(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2 F-3:CF3(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2 F-4:CF3(CF2)9CH2CH2CH2CH2OCOCH=CH2 が挙げられる。
【0021】本発明に係る長鎖アルキル基含有(メタ)
アクリレート(II)としては、公知慣用のものがいず
れも使用できるが、例えば次の一般式で表わされるもの
が挙げられる。
【0022】 (但し、R1は−H、−CH3、R2は炭素数14〜24
の直鎖状または分岐状アルキル基である。) (メタ)アクリレート(II)としては、具体例には、
例えばn−セチル(メタ)アクリレート、n−ステアリ
ル(メタ)アクリレート、n−ベヘニル(メタ)アクリ
レート、iso−ステアリル(メタ)アクリレート等が
挙げられる。勿論、前記長鎖アルキル基含有(メタ)ア
クリレートを2種以上併用してもよい。
【0023】本発明に係る共重合体における、パーフル
オロアルキル基含有アクリレート(I)と長鎖アルキル
基含有(メタ)アクリレート(II)の共重合割合は、
特に制限されるものではないが、非水分散液の安定性、
撥水撥油性の点が重要であり、アクリレート(I)50
〜70重量部と、(メタ)アクリレート(II)10〜
50重量部とを必須成分として重合した共重合体である
ことが好ましい。
【0024】本発明により得られるパーフルオロアルキ
ル基含有アクリレート及び長鎖アルキル基含有(メタ)
アクリレートを必須成分とする共重合体の非水分散液を
より安定な分散液とするため、或いは撥水撥油剤として
用いる場合において、撥水撥油性及び撥水撥油性の耐溶
剤性等の耐久性を向上せしめる目的で、さらにブロック
ドポリイソシアネート基含有エチレン性不飽和単量体
や、ウレタンジ(メタ)アクリレートに代表される多官
能(メタ)アクリレート、数平均分子量1500〜10
000のエチレン性不飽和二重結合基を有する非官能性
重合体からなるマクロモノマー等をも併用して重合して
得られた共重合体も同様に使用できる。
【0025】この際のブロックドポリイソシアネート基
含有エチレン性不飽和単量体やウレタンジ(メタ)アク
リレートとしては、例えば次の様な一般式で表わされる
ものが挙げられる。 一般式(III) (式中、R3は水素原子またはメチル基、Xは−OBO
−(但し、Bはハロゲン原子またはアルキル基で置換さ
れていてもよい炭素原子数2〜10のアルキレン基)ま
たは−NH−、Yは芳香族ジイソシアネートのイソシア
ネート残基、Zはケトオキシムの水素残基である。) 一般式(IV) (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5は2価のア
ルキレン基、R6は有機ジイソシアネートの残基、R7は
ポリエステルジオールの残基である。) 一般式(V) (但し、R3は−H、−CH3、Qは2価の連結基、Pは
エチレン性不飽和単量体の重合体部位である。)上記一
般式における(V)におけるPとしては、例えばポリス
チレン(以下、PStとする)、スチレン−(メタ)ア
クリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体等の芳香族ビニル系重合体や、ポリメチルメタアクリ
レート(以下、PMMAとする)、ポリブチルアクリレ
ート(以下、PBAとする)、メチル(メタ)アクリレ
ート−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0026】一般式(III)で表されるブロックドイ
ソシアネート基含有エチレン性不飽和単量体の具体例と
しては、例えば
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】が挙げられる。一般式(IV)で表される
ウレタンジ(メタ)アクリレートは、公知慣用のものが
いずれも使用できるが、例えばポリエステルジオールと
有機ジイソシアネート及び活性水素含有(メタ)アクリ
ル酸エステルとの反応によって得られる2官能の重合性
単量体が挙げられる。
【0035】ウレタンジ(メタ)アクリレートを製造す
る際に使用できるポリエステルジオールの具体例として
は、例えばポリエチレンアジペート、ポリエチレンプロ
ピレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、
ポリジエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、
ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネー
ト、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケー
ト、ポリヘキサメチレンアジペート等、有機ジイソシア
ネートの具体例としては、例えば4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等、活
性水素含有(メタ)アクリル酸エステルの具体例として
は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ(メタ)ア
クリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0036】マクロモノマー(V)としては、具体的に
は、例えば次の様なものが挙げられる。 M-1: CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OOCCH2S(PMMA)H 但し、PMMA:(CH2C(CH3)(COOCH3))n M-2: CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OOCCH2S(PBA)H 但し、PBA:(CH2CH(COOC4H9))n M-3: CH2=C(CH3)COOCH2CH2(PSt)H 但し、PSt:(CH2CHC6H5))n 等が挙げられる。
【0037】本発明に係わる単量体(I)及び(II)
を必須成分とした共重合体は、前記の単量体類の他に、
撥水撥油性等目的に応じて非水分散液の安定性を損ねな
い範囲で他のエチレン性単量体を併用可能である。
【0038】この際に使用できる単量体としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、スチレン、α−
メチルスチレン、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレー
ト、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベン
ジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテ
ニル(メタ)アクリレート、メチルビニルエーテル、プ
ロピルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン、ポリジメチルシロ
キシル基含有(メタ)アクリレートやポリジフェニルシ
ロキシル基含有(メタ)アクリレートの様なポリオルガ
ノシロキシル基含有エチレン性不飽和単量体等が挙げら
れる。
【0039】これら単量体(I)〜(III)と共重合
可能なその他の単量体として、ポリオルガノシロキシル
基含有エチレン性不飽和単量体をも併用して得た共重合
体非水分散液も本発明の撥水撥油剤として使用できる。
この場合は、それを共重合しない基材に比べて、より風
合い(柔軟性)に優れたものとすることができる。
【0040】本発明で用いる分散媒たる有機溶剤として
は、分散安定性とオゾン層への悪影響が極めて少ない
点、無極性でかつ25℃における溶解度パラメーターが
8〜9である非ハロゲン系有機溶剤であることが重要で
あり、この範囲の無極性非ハロゲン系有機溶剤ではオゾ
ン層への悪影響の心配が極めて少ないのと同時に、安定
な非水分散液を得ることができる。
【0041】この様な無極性非ハロゲン系有機溶剤とし
ては、例えばシクロヘキサン、イソプロピルベンゼン、
アミルベンゼン、p−キシレン、m−キシレン、エチル
ベンゼン、メシチレン、トルエン、o−キシレン等が挙
げられる。
【0042】勿論、本発明に使用する単量体類の該有機
溶剤への溶解性を向上せしめる範囲内で他の有機溶剤を
必要に応じて併用することも可能である。本発明の製造
方法で得た非水分散液は、フッ素系撥水撥油剤として利
用され得る。被処理物の種類または調整形態などに応じ
て、任意の方法で被処理物に適応され得る。例えば、必
要に応じて希釈を行ない浸漬塗布あるいはスプレー等の
如き被覆加工の既知の方法で被処理物の表面に付着させ
熱処理する方法が採用される。
【0043】この際の熱処理の条件は特に限定されるも
のではないが通常加熱オーブン中80〜180℃で繊維
を加熱すればよく、中でも80〜120℃×30秒〜3
分で予備乾燥した後130〜180℃×30秒〜3分キ
ュアリングすることが好ましい。
【0044】本発明の非水分散液は、特に限定なく種々
の物品を単独で処理することができ撥水撥油性、防汚性
等を付与することができる。例えば、繊維、紙、皮革、
毛皮、プラスチックなどがある。而して、繊維として
は、綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン等
の合成繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、あ
るいはこれらの混紡・交織織物があげられる。また、本
発明の非水分散液を樹脂溶液に添加し塗布あるいは成形
することにより樹脂成分の撥水性、撥油性、防汚性、非
粘着性、離型性、吸水防止性、潤滑性等の性能を改質す
ることができる。
【0045】
【実施例】つぎに、本発明を実施例及び比較例により具
体的に説明するが、部および%は特に断わりのない限り
はすべて重量基準であるものとする。又、用いた単量体
は、上記発明の詳細な説明に示した呼称をそのまま援用
した。 実施例1 ガラス製反応容器中(内容積500ml)に、F−3
39g、ステアリルメタクリレート 6g、B−1 3
g、アロニックスM−1200〔東亜合成化学工業
(株)製の粘度170000cps/50℃の無黄変型
ポリエステルウレタンジアクリレート〕 3g、下記構
造式のポリジメチルシロキサン鎖含有メタクリレート
(分子量5000) 9g ドデシルメルカプタン 0.2g、トルエン 89.5g、
アゾビスイソブチロニトリル 0.3gを加え、窒素雰囲
気下で攪拌しつつ70℃で10時間共重合反応せしめた
(共重合組成A)。
【0046】反応終了後、70℃に維持しつつトルエン
250gを加えた後、30℃/分の速度で30℃未満急
冷し、その後は放冷することにより固型分濃度15%の
やや可溶化された共重合体非水分散液を得た。得られた
非水分散液の640nmの透過率(非水分散媒への分散
性の尺度であり、透過率が高い程、分散性に優れる)を
製造条件と共に表−1に示した。 実施例2 実施例1と同様な方法で重合反応をせしめた後、70℃
に維持しつつトルエン250gを加えた後、2℃/分の
速度で50℃まで徐々に冷却し、次に12℃/分の速度
で40℃まで急冷し、その後は放冷することにより固型
分濃度15%のやや可溶化された共重合体非水分散液を
得た。得られた非水分散液の640nmの透過率及び製
造条件を表−1に示した。 実施例3 実施例1と同様な方法で重合反応をせしめた後、70℃
に維持しつつトルエン250gを加えた後、32℃/分
の速度で50℃まで急冷し、その後は放冷することによ
り固型分濃度15%のやや可溶化された共重合体非水分
散液を得た。得られた非水分散液の640nmの透過率
及び製造条件を表−1に示した。 実施例4 実施例1と同様な方法で重合反応をせしめた後、70℃
に維持しつつトルエン250gを加えた後、2℃/分の
速度で40℃まで徐々に冷却し、次に20℃/分の速度
で25℃まで急冷することにより固型分濃度15%のや
や可溶化された共重合体非水分散液を得た。得られた非
水分散液の640nmの透過率及び製造条件を表−1に
示した。 比較例1 実施例1と同様な方法で重合反応をせしめた後、70℃
に維持しつつトルエン250gを加えた後、2℃/分の
速度で30℃まで徐々に冷却し、その後は放冷して、固
型分濃度15%の乳白色の共重合体非水分散液を得た。
得られた非水分散液の640nmの透過率及び製造条件
を表−1に示した。 比較例2 反応温度を80℃とした以外は実施例1と同様な方法で
重合反応をせしめた後、80℃に維持しつつトルエン2
50gを加えた後、27℃/分の速度で急冷し、次に6
0℃から2℃/分の速度で徐々に30℃まで冷却し、そ
の後は放冷して、固型分濃度15%の乳白色の共重合体
非水分散液を得た。得られた非水分散液の640nmの
透過率及び製造条件を表−1に示した。 実施例5及び比較例3 ステアリルメタクリレートの代わりにステアリルアクリ
レートを使用する以外は実施例1と同様な方法で重合反
応し(共重合組成B)希釈した後、本発明に係わる冷却
方法(実施例5及び実施例6)及び本発明に係わらない
冷却方法(比較例3)で70℃から30℃まで冷却し、
その後は放冷して非水分散液を得た。得られた非水分散
液の640nmの透過率及び製造条件を表−1に示し
た。 実施例7及び比較例4 ガラス製反応容器中(内容積500ml)に、F−1
39g、ステアリルアクリレート 15g、B−1 3
g、アロニックスM−1200 3g、ドデシルメルカ
プタン 0.2g、o−キシレン 89.5g、 アゾビス
イソブチロニトリル 0.3gを加え、窒素雰囲気下で攪
拌しつつ70℃で10時間共重合反応せしめた。(共重
合組成C) 反応終了後、70℃に維持しつつトルエン
250gを加えた後、本発明に係わる冷却方法(実施例
7)及び本発明に係わらない冷却方法(比較例4)で7
0℃から30℃まで冷却し非水分散液を得た。得られた
非水分散液の640nmの透過率及び製造条件を表−1
に示した。
【0047】
【表1】
【0048】第1表からわかる通り本発明の冷却方法を
採用することにより高度な撥水撥油性を維持しつつ、非
水分散液粒子の微粒子化がはかれ高度な安定性を有する
パーフルオロアルキル基含有共重合体非水分散液が容易
に得られることがわかる。
【0049】本発明による製造方法によって共重合体非
水分散液の微粒子化が達成される理由は未だ不明である
が、共重合体の結晶化温度領域に長時間非水分散液がさ
らされることにより生ずる粒子の二次凝集が抑制される
ためと推察される。
【0050】実施例及び比較例で得られた各共重合体非
水分散液をミネラルターペンで希釈して固形分濃度 0.
5%の処理浴を調整した後、ポリエステル織物及びナイ
ロンタフタを該処理浴に5秒間浸漬しマングルにより絞
り、ウェットピックアップを40%とした。次いで、1
00℃×2分間乾燥し、170℃×30秒間キュアーす
ることにより撥水撥油処理した。かくして得られた処理
布の撥水撥油性を測定したところ、いずれも撥水性:1
00+で撥油性:6であった。
【0051】
【発明の効果】本発明の製造方法は、非水分散媒中で共
重合体がその結晶化温度領域に長時間さらされない様に
急冷するので、二次凝集していない共重合体粒子が微粒
子化した状態で分散した、高度な安定性を有するパーフ
ルオロアルキル基含有共重合体非水分散液が得られると
いう格別顕著な効果を奏する。
【0052】更に、請求項2の本発明の方法により得ら
れた非水分散液は、さらに従来のハロゲン系溶剤を用い
た場合に懸念されるオゾン層の破壊が懸念されないとい
う格別顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における冷却形態を示す図である。
【符号の説明】
波線 5℃/分以上の速度で冷却する工程 実線 5℃/分より遅い速度で冷却する工程 60℃を越える任意の温度から5℃/分以上の速
度で冷却を開始し、常温までその速度で冷却する方法 60℃を越える任意の温度から5℃/分以上の速
度で冷却を開始し、60℃から30℃の間の任意の温度
まで5℃/分以上の速度で冷却し、その任意の温度から
常温まで5℃/分より遅い速度で冷却する方法 60℃を越える任意の温度から5℃/分以上の速
度で冷却を開始し、30℃まで5℃/分以上の速度で冷
却し、30℃から常温まで5℃/分より遅い速度で冷却
する方法 60℃を越える任意の温度から5℃/分よりも遅
い速度で冷却を開始し、60℃から30℃の間の任意の
温度1まで5℃/分よりも遅い速度で冷却し、その任意
の温度1から60℃から30℃の間の任意の温度2まで
5℃/分以上の速度で冷却し、任意の温度2から常温ま
で5℃/分より遅い速度で冷却する方法 60℃を越える任意の温度から5℃/分よりも遅
い速度で冷却を開始し、60℃から30℃まで5℃/分
以上の速度で冷却し、30℃未満になったら常温まで5
℃/分より遅い速度で冷却する方法 60℃を越える任意の温度から5℃/分よりも遅
い速度で冷却を開始し、60℃から30℃の間の任意の
温度1まで5℃/分よりも遅い速度で冷却し、その任意
の温度1から常温まで5℃/分以上の速度で冷却する方
法 60℃を越える任意の温度から5℃/分よりも遅
い速度で冷却を開始し、60℃から30℃の間の任意の
温度1まで5℃/分よりも遅い速度で冷却し、その任意
の温度1から30℃まで5℃/分以上の速度で冷却し、
30℃未満になったら5℃/分よりも遅い速度で冷却す
る方法

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パーフルオロアルキル基含有アクリレート
    (I)および長鎖アルキル基含有(メタ)アクリレート
    (II)を必須成分として非水分散媒中で重合せしめたパ
    ーフルオロアルキル基含有共重合体非水分散液を、30
    〜60℃の温度範囲に於いて冷却速度5℃/分以上の速
    度で冷却する過程を有するように冷却することを特徴と
    するパーフルオロアルキル基含有共重合体非水分散液の
    製造方法。
  2. 【請求項2】非水分散媒が、25℃における溶解度パラ
    メーターが8〜9の無極性非ハロゲン系有機溶剤である
    請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】パーフルオロアルキル基含有アクリレート
    (I)および長鎖アルキル基含有(メタ)アクリレート
    (II)を必須成分として30℃以上で非水分散媒中で重
    合せしめる共重合体非水分散液の製造方法において、当
    該重合反応終了後、30〜60℃の温度範囲に於いて冷
    却速度5℃/分以上の速度で冷却する過程を有するよう
    に冷却することを特徴とするパーフルオロアルキル基含
    有共重合体非水分散液の製造方法。
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