JP3151905B2 - 安定性の優れたパーフルオロアルキル基含有共重合体非水分散液及び撥水撥油剤 - Google Patents
安定性の優れたパーフルオロアルキル基含有共重合体非水分散液及び撥水撥油剤Info
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利用可能なパーフルオロアルキル基含有共重合体非水分
散液、詳しくは特定の非ハロゲン系溶剤に分散したパー
フルオロアルキル基含有共重合体非水分散液に関する。
オロアルキル基含有アクリレートを構成単位とする種々
の共重合体が利用可能であることが知られている。
クリレートと、3−クロロ−2−ヒドロキシメタクリレ
ート等の活性水素含有単量体との共重合体が液状フッ素
化合物を分散媒とすることにより非水分散液となること
が知られている(特開昭52−106386号公報)。
報に記載された非水分散液からなる撥水撥油剤は、撥水
性が不十分であるとともに、風合い(柔軟性)も悪かっ
た。
キル基含有(メタ)アクリレートを用いた共重合体は非
水分散媒に安定的に分散しえないという欠点があった。
に鑑み鋭意検討を重ねたところ、パーフルオロアルキル
基含有アクリレートを必須構成単位とする共重合体を、
エチレン性不飽和二重結合基を有する非官能性重合体か
らなるマクロモノマーをも用いて重合せしめた共重合体
とすることにより、それが非水分散媒に対してこれが安
定的に分散することを見い出し、本発明を完成するに至
った。
ゾン層を破壊することが確認され、地球環境保護の立場
より使用が困難となってきたので、上記した共重合体が
メチルクロロホルム、トリクロロトリフルオロエタン、
テトラクロロジフルオロエタン等のハロゲン系溶剤以外
の分散媒に分散できるか否かも併せて検討したところ、
非水分散媒として用いる有機溶剤として、溶解度パラメ
ーター8〜9の無極性非ハロゲン系有機溶剤を用いて
も、安定性の優れた共重合体非水分散液が得られる事も
見い出し、本発明を完成するに至った。
有アクリレート(I)、長鎖アルキル基含有(メタ)ア
クリレート(II)及びエチレン性不飽和二重結合基を有
する非官能性重合体からなるマクロモノマー(III)、
及びブロックドポリイソシアネート基含有エチレン性不
飽和単量体及び/又はウレタンジ(メタ)アクリレート
を必須成分とするパーフルオロアルキル基含有共重合体
の非水分散液及びそれからなる撥水撥油剤を提供するも
のである。
を有する非官能性重合性単量体の重合体より成るマクロ
モノマー(III)及びブロックドポリイソシアネート基
含有エチレン性不飽和単量体及び/又はウレタンジ(メ
タ)アクリレートを共重合することに特徴がある。該マ
クロモノマー(III)をパーフルオルアルキル基含有ア
クリレート(I)と長鎖アルキル基含有(メタ)アクリ
レート(II)と共重合せしめることにより、25℃にお
ける溶解度パラメーター8〜9である無極性非ハロゲン
系有機溶剤への、より優れた分散安定性を得ることが可
能となる。
は、数平均分子量1500〜10000のエチレン性不
飽和二重結合基を有する非官能性重合体であり、例えば
次の一般式で示されるものが挙げられる。
エチレン性不飽和単量体の重合体部位である。)上記一
般式における(III)におけるPとしては、例えばポ
リスチレン(以下、PStとする)、スチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル
共重合体等の芳香族ビニル系重合体や、ポリメチルメタ
アクリレート(以下、PMMAとする)、ポリブチルア
クリレート(以下、PBAとする)、メチル(メタ)ア
クリレート−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられ
る。
的には、例えば次の様なものが挙げられる。 M-1:CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OOCCH2S(PMMA)H 但し、PMMA:(CH2C(CH3)(COOCH3))n M-2:CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OOCCH2S(PBA)H 但し、PBA:(CH2CH(COOC4H9))n M-3:CH2=C(CH3)COOCH2CH2(PSt)H 但し、PSt:(CH2CHC6H5))n 等の、(メタ)アクリロイル基を有する非官能性アクリ
ル系重合体及び/又はエチレン性不飽和二重結合基を有
する芳香族ビニル系重合体が挙げられる。
有アクリレート(I)としては、公知慣用のものがいず
れも使用できるが、例えば次の一般式で示されるものが
挙げられる。
る。)アクリレート(I)としては、具体的には例えば
次の様なものが挙げられる。
(II)としては、公知慣用のものがいずれも使用でき
るが、例えば次の一般式で表わされるものが挙げられ
る。
の直鎖状または分岐状アルキル基である。)(メタ)ア
クリレート(II)としては、具体例には、例えばn−
セチル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)
アクリレート、n−ベヘニル(メタ)アクリレート、i
so−ステアリル(メタ)クリレート等が挙げられる。
勿論、異なる長鎖アルキル基含有(メタ)アクリレート
を2種以上を併用してもよい。
オロアルキル基含有アクリレート(I)と長鎖アルキル
基含有(メタ)アクリレート(II)とマクロモノマー
(III)の共重合割合は、特に制限されるものではな
いが、非水分散液の安定性、撥水撥油性の点で重要であ
り、アクリレート(I)50〜70重量部と、(メタ)
アクリレート(II)10〜50重量部とマクロモノマ
ー(III)1〜10重量部とを必須成分として重合し
た共重合体であることが好ましい。
と(メタ)アクリレート(II)とマクロモノマー(I
II)とを必須成分とする共重合体非水分散液を撥水撥
油剤として用いる場合において、その撥水撥油性、及び
撥水撥油性の耐溶剤性等の耐久性を向上せしめる目的
で、さらにブロックドポリイソシアネート基含有エチレ
ン性不飽和単量体や、ウレタンジ(メタ)アクリレート
に代表される多官能(メタ)アクリレートをも併用して
得られた共重合体も同様に使用できる。
含有エチレン性不飽和単量体やウレタンジ(メタ)アク
リレートとしては、例えば次の様な一般式で表わされる
ものが挙げられる。 (式中、R3は水素原子またはメチル基、Xは−OBO
−(但し、Bはハロゲン原子またはアルキル基で置換さ
れていてもよい炭素原子数2〜10のアルキレン基)ま
たは−NH−、Yは芳香族ジイソシアネートのイソシア
ネート残基、Zはケトオキシムの水素残基である。) (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5は2価のア
ルキレン基、R6は有機ジイソシアネートの残基、R7は
ポリエステルジオールの残基である。)一般式(IV)
で表されるブロックドイソシアネート基含有エチレン性
不飽和単量体の具体例としては、例えば
レタンジ(メタ)アクリレートは、公知慣用のものがい
ずれも使用できるが、例えばポリエステルジオールと有
機ジイソシアネート及び活性水素含有(メタ)アクリル
酸エステルとの反応によって得られる2官能の重合性単
量体が挙げられる。
る際に使用できるポリエステルジオールの具体例として
は、例えばポリエチレンアジペート、ポリエチレンプロ
ピレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、
ポリジエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、
ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネー
ト、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケー
ト、ポリヘキサメチレンアジペート等、有機ジイソシア
ネートの具体例としては、例えば4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等、活
性水素含有(メタ)アクリル酸エステルの具体例として
は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ(メタ)ア
クリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
を必須成分とした共重合体は前記の単量体類の他に、撥
水撥油性等の目的に応じて非水分散液の安定性を損ねな
い範囲で他のエチレン性単量体を併用したものも使用可
能である。
ばエチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、スチレン、α−
メチルスチレン、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレー
ト、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベン
ジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテ
ニル(メタ)アクリレート、メチルビニルエーテル、プ
ロピルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン、ポリジメチルシロ
キシル基含有(メタ)アクリレートやポリジフェニルシ
ロキシル基含有(メタ)アクリレートの様なポリオルガ
ノシロキシル基含有エチレン性不飽和単量体等が挙げら
れる。
可能なその他の単量体として、ポリオルガノシロキシル
基含有エチレン性不飽和単量体をも併用して得た共重合
体非水分散液も本発明の撥水撥油剤として使用できる。
この場合は、それを共重合しない基材に比べて、より風
合い(柔軟性)に優れたものとすることができる。
キル基含有アクリレート(I)と長鎖アルキル基含有
(メタ)アクリレート(II)とマクロモノマー(II
I)とを必須成分として共重合せしめればよい。この場
合共重合しようとする単量体を本発明の特定の有機溶剤
に溶解せしめ、重合開始源の作用により、溶液重合せし
めれば容易に安定な非水分散液を製造することができ
る。重合開始源として、アゾ化合物、有機過酸化物の如
き各種重合開始剤、更には、紫外線あるいはγ−線など
の電離性放射線などが採用され得る。
散安定性とオゾン層への悪影響が極めて少ない点で、無
極性でかつ25℃における溶解度パラメーターが8〜9
である非ハロゲン系有機溶剤であることが重要であり、
この範囲である無極性非ハロゲン系有機溶剤ではオゾン
層への悪影響の心配が極めて少ないのと同時に、極めて
安定な非水分散液を得ることができる。
ては、具体的には、例えば、シクロヘキサン、イソプロ
ピルベンゼン、アミルベンゼン、p−キシレン、m−キ
シレン、エチルベンゼン、メシチレン、トルエン、o−
キシレン等が挙げられる。勿論、本発明に使用する単量
体類の該有機溶剤への溶解性を向上せしめる範囲内でこ
れら特定の無極性非ハロゲン系有機溶剤とともに、他の
有機溶剤を併用することも可能である。
剤として利用され得る。被処理物の種類または調整形態
などに応じて、任意の方法で被処理物に適応され得る。
例えば、必要に応じて希釈を行ない浸漬塗布あるいはス
プレー等の如き被覆加工の既知の方法で被処理物の表面
に付着させ熱処理する方法が採用される。
のではないが通常加熱オーブン中80〜180℃で繊維
を加熱すればよく、中でも80〜120℃×30秒〜3
分で予備乾燥した後130〜180℃×30秒〜3分キ
ュアリングすることが好ましい。
の物品を単独で処理することができ撥水撥油性、防汚性
等を付与することができる。例えば、繊維、紙、皮革、
毛皮、プラスチックなどがある。而して、繊維として
は、綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン等
の合成繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、あ
るいはこれらの混紡・交織織物があげられる。また、本
発明の非水分散液を樹脂溶液に添加し塗布あるいは成形
することにより樹脂成分の撥水性、撥油性、防汚性、非
粘着性、離型性、吸水防止性、潤滑性等の性能を改質す
ることができる。
体的に説明するが、部および%は特に断わりのない限り
はすべて重量基準であるものとする。また、用いた単量
体は、上記発明の詳細な説明に示した呼称をそのまま援
用した。 実施例1 ガラス製反応器中(内容積500ml)に、F−3 3
8.61g、ステアリルアクリレート 14.85g、
東亜合成化学工業(株)製マクロモノマーAB−9[一
般式(III)において、R3が−CH3で、かつPがポリ
ブチルアクリレートであるマクロモノマー(数平均分子
量6000)]0.6g、B−1 2.97g、C−1
2.97g、ドデシルメルカプタン 0.2g、トル
エン 89.5g、アゾビスイソブチロニトリル0.3
gを加え、窒素雰囲気下で撹拌しつつ70℃で10時間
共重合反応せしめた。反応終了後、トルエン250gを
加えて固形分濃度15%の共重合体非水分散液を得た。
この非水分散液の640nmの透過率(非水分散媒への
分散性の尺度であり、透過度が高い程、分散性に優れ
る)は98%(表−1参照)であった。
ーペンで希釈して固形分濃度0.5%処理浴を調整した
後、ポリエステル織物を該処理浴に5秒間浸漬しマング
ルにより絞り、ウエットピックアップを40%とした。
次いで、100℃×2分間乾燥し、170℃×30秒間
キュアーすることにより撥水撥油処理した。かくして得
られた処理布の撥水撥油性を測定した結果を表−3に示
した。 実施例2〜9及び比較例1〜2 同様な方法で本発明に係る共重合体分散液(実施例2〜
実施例9)及び本発明に係わらない共重合体溶液等(比
較例1〜2)を合成し、その共重合組成、使用した有機
溶剤、分散液の640nmの透過率(分散性の尺度)及
び撥水撥油剤として用いた時の撥水撥油性を実施例1の
結果と共に表−1及び表−2に示した。撥水撥油性につ
いては、まとめて表−3に示した。
ト、SMAはステアリルメタクリレート、C−1はアロ
ニックスM−1200〔東亜合成化学工業(株)製の粘
度170000cps/50℃の無黄変型ポリエステル
ウレタンジアクリレート〕、C−2は下記構造式のポリ
ジメチルシロキサン鎖含有メタクリレート(分子量50
00)、AB−6は詳細な説明中の一般式(III)に
おけるR3が−CH3でかつPがポリブチルアクリレート
である東亜合成化学工業(株)製の数平均分子量600
0のマクロモノマー、AS−6は、同一般式(III)
におけるR3が−CH3でかつPがポリスチレンである東
亜合成化学工業(株)製の数平均分子量6000のマク
ロモノマーである。
の耐溶剤性(耐久性)に優れ、しかも風合い(柔軟性)
にも優れていた。
ら明らかな様に、本発明に係る特定の共重合体はマクロ
モノマー重合体部位を有しているので、非分散媒たる有
機溶剤中に安定な微粒子として分散し、それを有さない
従来の重合体からなるものからなる分散体に比べて、格
段に優れた分散安定性を有することがわかるし、表−3
から明らかな様に、その分散体からなる撥水撥油剤は、
パーフルオロアルキル基含有アクリレート(I)と長鎖
アルキル基含有(メタ)アクリレート(II)との共重合
体の非水分散液からなる撥水撥油剤と同等の撥水撥油性
が得られることがわかる。
重合体非水分散液は、従来の分散体よりも安定性に優れ
るという格別顕著な効果を奏するものである。
壊を懸念する必要がないという格別な効果をも有する。
Claims (7)
- 【請求項1】パーフルオロアルキル基含有アクリレート
(I)、長鎖アルキル基含有(メタ)アクリレート(I
I)、エチレン性不飽和二重結合基を有する非官能性重
合体からなるマクロモノマー(III)、及びブロックド
ポリイソシアネート基含有エチレン性不飽和単量体及び
/又はウレタンジ(メタ)アクリレートを必須成分とす
る共重合体の非水分散液。 - 【請求項2】マクロモノマー(III)が、(メタ)アク
リロイル基を有する非官能性アクリル系重合体及び/又
はエチレン性不飽和二重結合基を有する芳香族ビニル系
重合体である請求項1記載の非水分散液。 - 【請求項3】共重合体が、さらにポリオルガノシロキシ
ル基を含有するエチレン性不飽和単量体をも用いて重合
せしめた共重合体である請求項1記載の非水分散液。 - 【請求項4】共重合体が、さらに多官能(メタ)アクリ
レートをも用いて重合せしめた共重合体である請求項1
記載の非水分散液。 - 【請求項5】共重合体の分散媒が、溶解性パラメーター
8〜9の無極性非ハロゲン系有機溶剤である請求項1記
載の非水分散液。 - 【請求項6】共重合体が、パーフルオロアルキル基含有
アクリレート(I)50〜70重量%と、長鎖アルキル
基含有(メタ)アクリレート(II)10〜50重量%
と、マクロモノマー(III)1〜10重量%を必須成分
とする共重合体である請求項1記載の非水分散液。 - 【請求項7】請求項1記載の非水分散液からなる撥水撥
油剤。
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