JP3147359B2 - 仮名漢字変換装置及び仮名漢字変換方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、仮名の状態で入力された文字列を仮名漢字
混じり列に変換する仮名漢字変換装置及び仮名漢字変換
方法に関するものである。

［従来の技術］ 近年仮名漢字変換装置は日本語を入力するために用い
られる装置として、日本語ワード・プロセッサを初めと
して各種の日本語処理装置に広く用いられている。従来
の仮名漢字変換装置は、入力された仮名列を仮名漢字混
じり列に変換するために用いられる。例えば、次の仮名
列「きょうのてんきははれです。」を入力すると、今日
の「天気は晴れです。」と変換を行うことができる。

［発明が解決しようとする課題］ 従来の仮名漢字変換装置は、ユーザによる未登録語の
入力によって仮名漢字変換が失敗してもその失敗部分を
そのまま失敗とし、失敗部分の次の文字からまた変換を
続行するという問題点があった。例えば、仮名列「こん
ぱいらはねいてぃぶこーどをしゅつりょくする」を入力
し、変換を行なうとする。暗語「ネイティブコード」を
未登録語とすれば、従来の仮名漢字変換装置では、一例
として「コンパイラは値医手ぃ部コードを出力する」と
変換してしまう。小さい「ぃ」の文字の位置で変換に失
敗しているにもかかわらずその前後の変換結果をそのま
ま表示しているからである。したがって従来の仮名漢字
変換装置では変換が内部的に失敗したときにユーザに見
苦しい変換結果を与えることになる。

［課題を解決するための手段］ この課題を解決するために本発明は、仮名データを見
出しとして対応する漢字データを記憶した辞書と、仮名
データを入力する入力手段と、入力手段から入力された
仮名データを順次先頭から辞書検索し、仮名漢字変換を
行う仮名漢字変換手段と、辞書検索の際、自立語の読み
の先頭に成り得ない仮名文字が先頭となった場合、仮名
漢字変換の失敗とみなし、該仮名文字を含む文節を検出
する検出手段と、検出手段により検出された文節の仮名
データを片仮名データに変換して出力する制御手段とを
備える。

［作用］ この構成において、自立語の読みの先頭に成り得ない
仮名文字が先頭となった場合、仮名漢字変換の失敗とみ
なし、その仮名文字をそのまま出力するのではなく、該
文字を含む文節を検出し、その文節を片仮名で出力す
る。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例における仮名漢字変換装置に
ついて図面を参照しながら説明する。

第１図は本発明の一実施例における仮名漢字変換装置
の機能ブロック図であり、１は仮名列の入力および仮名
列から漢字仮名混じり列への変換指示の手段を有する入
力手段、２は入力手段１より入力された仮名列を記憶す
る入力仮名列記憶部、３は仮名漢字変換の実行を後述す
る仮名漢字変換実行部５に指示し、仮名漢字変換実行部
５から解析失敗位置の通知があった場合は後述する失敗
文節開始位置決定処理部８および後述する失敗文節終了
位置決定処理部10および後述する失敗文節決定処理部12
を起動することによって解析に失敗した位置を含む文節
として適当な区間（以降失敗文節と呼ぶ）を決定し、そ
の後の仮名列に対してさらに仮名漢字変換実行部５に仮
名漢字変換の実行を指示し、仮名漢字変換実行部５が出
力した文節および失敗文節を後述する出力文節記憶部６
に記憶する仮名漢字変換制御部である。４は仮名漢字変
換を行なうための仮名漢字変換辞書、５は入力仮名列記
憶部２に記憶された仮名列を仮名漢字変換辞書４を参照
しながら漢字仮名混じりの文節に変換し、さらに解析失
敗を生じたときには解析失敗の位置を仮名漢字変換制御
部３に通知する仮名漢字変換実行部である。６は仮名漢
字変換制御部３から出力された文節の列を記憶する出力
文節記憶部である。７は仮名漢字変換が失敗したとき
に、失敗文節の開始位置を決定する規則を記憶した失敗
文節開始位置決定ルールの記憶領域である。８は失敗文
節開始位置決定ルール７および出力文節記憶部６を参照
しながら、仮名漢字変換実行部５が解析を失敗した位置
に前後する文節を検索し、失敗文節の開始位置を決定す
る失敗文節開始位置決定処理部である。９は仮名漢字変
換が失敗したときに失敗文節の終了位置を決定する規則
を記憶した失敗文節終了位置決定ルールの記憶部であ
る。10は失敗文節終了位置決定ルール９及び入力仮名列
記憶部２を参照しながら、仮名漢字変換実行部５が解析
を失敗した位置に後接する文字列を検索し、失敗文節の
終了位置を決定する失敗文節終了位置決定処理部、11は
仮名漢字変換が失敗したときに失敗文節の表示内容を決
定する規則を記憶した失敗文節決定ルールの記憶部であ
る。12は失敗文節決定ルール11及び入力仮名列記憶部２
を参照しながら、失敗文節の表示内容を決定する失敗文
節決定処理部である。13は出力文節記憶部６に記憶され
た文節の列を漢字仮名混じり文にして表示する表示手段
である。

第２図は本実施例の仮名漢字変換装置の回路ブロック
図であり、14はキーボード、15は中央処理装置（以下、
CPUと略称する。）、16は陰極線管ディスプレイ（以
下、CRTディスプレイと略称する。）、17はリードオン
リーメモリ（以下、ROMと略称する。）、18はランダム
アクセスメモリ（以下、RAMと略称する。）である。

第１図に示した入力手段１はキーボード14により、入
力仮名列記憶部２、出力文節記憶部６はRAM18により、
仮名漢字変換辞書４、失敗文節開始位置決定ルール７、
失敗文節終了位置決定ルール９、失敗文節決定ルール11
はROM17により、仮名漢字変換制御部３、仮名漢字変換
実行部５、失敗文節開始位置決定処理部８、失敗文節開
始位置決定処理部10、失敗文節決定処理部12はCPU15がR
OM17およびRAM18とデータのやりとりを行ないながらROM
17に記憶されたプログラムを実行することにより、表示
手段13はCRTディスプレイ16により実現されている。

上記のように構成された本実施例の仮名漢字変換装置
について、以下この動作を第３図のフローチャートに基
づき説明する。例として先ほど挙げた「こんぱいらはね
いてぃぶこーどをしゅつりょくする」を入力するものと
する。

まずステップＡで入力手段１により仮名文字列「こん
ぱいらはねいてぃぶこーどをしゅつりょくする」が入力
され、入力された仮名文字列が入力仮名列記憶部２に記
憶される。更にステップＢで入力手段１により変換指示
が発行され、ステップＣへ進む。

ステップＣで仮名漢字変換制御部３は変換を行ってい
ない仮名文字列があるかどうか判定する。変換をやって
いない仮名文字列がある場合はステップＤへ、変換をや
っていない仮名文字列がない場合は変換がすべて終了し
ているからステップＪへ進む。ここではまだ変換を行わ
れていないからステップＤへ進む。

すて、ステップＤでは仮名漢字変換制御部３は仮名漢
字変換実行部５へまだ仮名漢字変換を行っていない仮名
文字列を１文節だけ仮名漢字変換するよう指示し、仮名
漢字変換実行部５は１文節の仮名漢字変換を実行する。
例文では「コンパイラは」という文節が生成される。次
にステップＥに進み、仮名漢字変換実行部５が変換に成
功したかどうかを判定する。変換に成功していれば変換
に成功した文節を出力文節記憶部６に出力ステップＨに
進む。変換に失敗していればステップＦに進む。変換は
成功しているから、文節「コンパイラは」が出力され
る。

ステップＨでは出力された文節「コンパイラは」を出
力文節記憶部６に格納し、ステップＣへと戻る。このと
きの出力文節記憶部６を第４図に示す。制御はステップ
Ｃに移り、変換を行っていない仮名文字列があるかどう
か判定する。「ねいてぃぶこーどをしゅつりょくする」
の変換が終わっていないからステップＤへ進む。ステッ
プＤで「値」が出力されステップＦで変換成功と判定さ
れ、ステップＨへ進み、「値」が記憶され、ステップＣ
へ戻る。このときの出力文節記憶部６を第５図に示す。
制御はステップＣに移り、変換を行っていない仮名文字
列があるかどうか判定する。「いてぃぶこーどをしゅつ
りょくする」の変換が終わっていないからステップＤへ
進む。ステップＤで「医」が出力されステップＦで変換
成功と判定され、ステップＨへ進み、「医」が記憶さ
れ、ステップＣへ戻る。このときの出力文節記憶部６を
第６図に示す。

制御はステップＣに移り、変換を行っていない仮名文
字列があるかどうか判定する。「いてぃぶこーどをしゅ
つりょくする」の変換が終わっていないからステップＤ
へ進む。ステップＤで「手」が出力されステップＦで変
換成功と判定され、ステップＨへ進み、「手」が記憶さ
れ、ステップＣへ戻る。このときの出力文節記憶部６を
第７図に示す。制御はステップＣに移り、変換を行って
いない仮名文字列があるかどうか判定する。「ぃぶこー
どをしゅつりょくする」の変換が終わっていないからス
テップＤへ進む。小さい文字「ぃ」から始まる自立語は
存在しないから仮名漢字変換実行部５が変換に失敗す
る。次にステップＥで失敗が判定され、ステップＦへ進
む。ステップＦでは失敗文節開始位置決定処理部８が失
敗文節開始位置決定ルール７を参照しながら出力文節記
憶部６に記憶されている文節を検索し、失敗文節開始位
置を決定する。失敗文節開始位置を決定したら、出力文
節記憶部６に記憶されている失敗文節開始位置以降の文
節を無効にする。例文では１番目のルールを複数回適用
することにより入力の７文字目が失敗文節開始位置と決
定され、「値医手」の部分が無効になる。このときの出
力文節記憶部６を第８図に示す。また失敗分文節開始位
置決定ルールの例を第９図に示す。

次にステップＧに進み、失敗文節終了位置決定処理部
10が失敗文節終了位置決定ルール９を参照しながら入力
仮名列記憶部２に格納されている仮名文字を検索し、失
敗文節の決定を行う。１番目のルールにより入力文字列
中に「を」を発見し、「を」の位置を失敗文節終了位置
とする。

次にステップＨに進み、失敗文節決定処理部12が失敗
文節決定処理ルール11を参照しながら失敗文節の表示内
容を決定する。ここでは１番目のルールにより「を」の
直前までをカタカナ語と決定する。仮名漢字変換制御部
３は、失敗文節決定処理部が決定した失敗文節を出力文
節記憶部６に出力する。そしてステップＩに進み、出力
文節記憶部６は出力された失敗文節を記憶する。このと
きの出力文節記憶部６を第10図に示す。また失敗文節終
了位置決定ルールの例を第11図に、失敗文節決定ルール
の例を第12図に示す。

そして制御はステップＣに移り、変換を行っていない
仮名文字列があるかどうか判定する。しゅつりょくす
る」の変換が終わっていないからステップＤへ進む。ス
テップＤで「出力する」が出力されステップＦで変換成
功と判定され、ステップＨへ進み、「出力する」が記憶
され、ステップＣへ戻る。このときの出力文節記憶部６
を第13図に示す。制御はステップＣに移り、変換を行っ
ていない仮名文字列があるかどうか判定する。変換を行
っていない仮名文字列はないから、ステップＩへ進む。
ステップＩでは出力文節記憶部６の内容を第14図のごと
く表示手段13に出力し、ステップＪで処理を終了する。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明は、解析が失敗した位置
の前後の一連の仮名列に対して文節として適当な区間を
文節として決定することにより、見苦しい変換結果を出
すことを防ぎ、ユーザに不快感を与えないようにするこ
とができる。また、入力仮名列によって字面上正解を出
力することもでき、文章を効率的に入力することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における仮名漢字変換装置の
機能ブロック図、第２図は本実施例の仮名漢字変換装置
の回路ブロック図、第３図は本実施例の制御手順を示す
フローチャート、第４図、第５図、第６図、第７図、第
８図、第10図、第13図は出力文節記憶部の内容を示す
図、第９図は失敗文節開始位置決定ルール記憶部に記憶
されたルールの概要を示す図、第11図は失敗文節終了位
置決定ルール記憶部に記憶されたルールの概念を示す
図、第12図は失敗文節決定ルール記憶部に記憶されたル
ールの概念を示す図、第14図は表示の例を示す図であ
る。 １……入力手段、２……入力仮名列記憶部、３……仮名
漢字変換制御部、４……仮名漢字変換辞書、５……仮名
漢字変換実行部、６……出力文節記憶部、７……失敗文
節開始位置決定ルール、８……失敗文節開始位置決定処
理部、９……失敗文節終了位置決定ルール、10……失敗
文節終了位置決定処理部、10……失敗文節決定ルール、
11……失敗文節決定処理部、13……表示手段、14……キ
ーボード、15……CPU、16……CRTディスプレイ、17……
ROM、18……RAM

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】仮名データを見出しとして対応する漢字デ
   ータを記憶した辞書と、 仮名データを入力する入力手段と、 前記入力手段から入力された仮名データを順次先頭から
   辞書検索し、仮名漢字変換する仮名漢字変換手段と、 辞書検索の際、自立語の読みの先頭に成り得ない仮名文
   字が先頭となった場合、仮名漢字変換の失敗とみなし、
   該仮名文字を含む文節を検出する検出手段と、 前記検出手段により検出された文節の仮名データを片仮
   名データに変換して出力する制御手段とを有することを
   特徴とする仮名漢字変換装置。
2. 【請求項２】仮名データを見出しとして対応する漢字デ
   ータを記憶した辞書に基づいて、入力される仮名データ
   を変換する仮名漢字変換方法であって、 入力された仮名データを順次先頭から辞書検索し、仮名
   漢字変換を行い、 辞書検索の際、自立語の読みの先頭に成り得ない仮名文
   字が先頭となった場合、仮名漢字変換の失敗とみなし、
   該仮名文字を含む文節を検出し、 検出された文節の仮名データを片仮名データに変換して
   出力するように制御することを特徴とする仮名漢字変換
   方法。