JP3147190B2 - 抽出系大豆蛋白の製造法 - Google Patents

抽出系大豆蛋白の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不快臭のない大豆蛋白
を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶解性、起泡性、泡抹安定性など食品と
してすぐれた機能特性、栄養性、経済性から見て大豆蛋
白ほどすぐれた天然素材はない。にもかかわらず、大豆
蛋白はその利用が制限されているのが実情である。その
理由のひとつとして、大豆蛋白は発生防止あるいは除去
することが非常に囚難な不快臭を有しているからであ
る。大豆蛋白の食品素材としての優秀な特性を損なうこ
となくこの不快臭を除去できれば産業上の利用範囲、量
が飛躍的に増大することは明らかである。そのために、
この問題解決に向けての試みが数多くなされてきた。
【0003】抽出系大豆蛋白の中では、最も良く使われ
るのは分離大豆蛋白である。そこで、一般的に最も知ら
れている分離大豆蛋白の製造法を以下に示す。すなわ
ち、原料大豆を精選、脱皮後大豆油を抽出して得られた
低変性脱脂大豆に水を加えて蛋白を抽出する。抽出残渣
であるオカラを除去後、酸、または凝固剤を加えて蛋白
を等電点沈澱させ、上清のホエー分を除去する。得られ
た蛋白沈澱物を解砕、中和、加熱殺菌後乾燥して分離大
豆蛋白を得ている。
【0004】分離大豆蛋白は、上記のような工程で製造
されるため蛋白精度がきわめて高く、固形分換算で90%
を越える。このため、さまざまの機能特性を有してい
る。本来蛋白とは無味・無臭のものであるはずである
が、ここに示したさまざまの処理を経ても現在の技術で
は大豆の不快臭成分を除去することは困難であるのが実
情である。
【0005】大豆蛋白の代表的な不快臭は、豆臭(be
any flavor)・青豆臭(green bea
ny flavor)と呼ばれるものである。豆臭の原
因となる化合物としては、n−ヘキサナールを主体とす
るアルデヒド類、C〜Cの中鎖アルコール類、フラ
ンおよびエチルビニルケトンなどが考えられている。と
りわけ、アルデヒド類はいき値が低いため微量の存在で
も豆臭に大きく寄与していることが知られている。
【0006】これらアルデヒド類は、大豆中の油脂が酸
化されて過酸化物を生成したとき、その分解によって生
ずることが知られている。大豆中では主にリポキシゲナ
ーゼの作用により過酸化物が生成する。
【0007】この酵素は遊離脂肪酸だけでなく、中性脂
肪やリン脂質中の脂肪酸残基にも作用する。
【0008】大豆中には基質となるリノール酸やリノレ
ン酸が多量に存在し、不快臭の主因となるn-ヘキサナー
ルは主にリノール酸から生成するといわれている。
【0009】このような大豆蛋白の不快臭を抑制する方
法としては、大別して2つの方法、すなわち不快臭の発
生抑制と、生成した不快臭を除去する試みがなされてき
た。前者の代表がリポキシゲナーゼの失活である。これ
らの一例として原料大豆の熱処理による酵素失活が挙げ
られる。また、注目されている方法としては、大豆の育
種面からリポキシゲナーゼ欠損大豆を育成することが試
みられている。
【0010】一方、不快臭を除去する方法としては、ウ
シ肝臓のアルデヒドデヒドロゲナーゼを利用してn-ヘキ
サナールを酸化する方法の報告などがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】リポキシゲナーゼを熱
処理によって失活させる方法は、加熱による大豆蛋白そ
のものの変性が引き起こされ、機能特性が損なわれた
り、収率の大幅な低下につながるため一部の例を除けば
実用化されていない。また、リポキシゲナーゼ欠損大豆
を育成する方法は実用化には時間を要するものと思われ
る。一方、ウシ肝臓のアルデヒドデヒドロゲナーゼを利
用する方法は補酵素が必要であったり、コスト面での問
題があり、やはりまだ実用化には至っていない。
【0012】本発明の目的は、大豆蛋白の変性をひき起
こすことなく不快臭を除去しうる実用的な手段を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、濃縮大豆
蛋白、分離大豆蛋白等の抽出系大豆蛋白製品の品質アッ
プ、特に上述したような大豆中の不快臭の問題解決に向
けて種々の取り組みを行ってきた。しかし、リポキシゲ
ナーゼを失活させるための原料大豆の物理的処理、例え
ば脱皮、脱胚芽による改良、加熱やアルコール処理とい
った方法では必ずしも満足な結果が得られないばかり
か、これらの操作による蛋白変性や歩留まりの低下が看
過できないことがわかった。そこで、物理的な方法では
蛋白の変性が不可避であるため、温和な条件下(生化学
的)で大豆中のアルデヒド類を除去しうる方法について
検討した。特に、大豆中の不快臭の主因であるn-ヘキサ
ナールに着目し、微生物菌体あるいは産生酵素を利用
し、n-ヘキサナールを低減させる検討を行った。そし
て、n-ヘキサナールの除去に有効と思われる菌株を選
び、それらの菌株を使用して実際に粉末大豆蛋白の水溶
液に添加して脱臭能力の確認を行った。その結果、高い
n-ヘキサナールの除去効果を有している複数の菌株の取
得に成功した。そして、脱脂大豆から水抽出して得た蛋
白抽出物を加熱処理後この微生物の培養を行なうことに
よって大豆蛋白を変性させずに不快臭を効率よく除去で
きることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成さ
せるに至った。
【0014】すなわち、本発明は、脱脂大豆から水抽出
して得た蛋白抽出物を加熱処理し、これにコリネバクテ
リウム属、アルカリゲネス属またはノイロスポラ属の微
生物を加えて培養し、次いで殺菌することを特徴とする
抽出系大豆蛋白の製造法に関するものである。
【0015】本発明の方法を適用する蛋白抽出物は、大
豆から水抽出するという工程を経るものであればその対
象を限定するものではない。すなわち、全脂大豆粉や脱
脂大豆を原料とする粉末豆乳・豆腐や濃縮蛋白、抽出蛋
白、分離蛋白といった抽出系大豆蛋白を広く対象とする
ことができる。しかし、好ましくは抽出系大豆蛋白に本
発明の方法を用いるのが良い。更に、抽出系大豆蛋白の
中では分離大豆蛋白に本発明の方法を適用するが最も好
ましい。この蛋白抽出物は、例えば脱脂大豆から分離大
豆蛋白を製造する場合には、抽出残渣であるおからを除
去後最終製品を取得するまでのいずれの段階のものでも
よいが、例えばおからを除去した水抽出液、これから蛋
白を沈澱させ上清を分離して得たカード等が好適であ
る。
【0016】次に、この蛋白抽出物をまず加熱処理す
る。この場合、蛋白抽出物がpH6〜8程度の範囲でない
場合には、予め中性付近にpHを調整しておく。加熱条件
としては、抽出物の温度を50℃以上に到達させる必要が
ある。これ以下の温度では大豆蛋白の脱臭効果がほとん
ど得られない。適当な温度は50〜95℃であり、70〜80℃
が好ましい。加熱処理方法としては特に規定されず、通
常のボイル方式や瞬間殺菌装置の利用が挙げられる。
【0017】本発明者らが見出した大豆蛋白の脱臭に有
効な微生物を次に示す。 グラム陽性菌 Corynebacterium paurometabolum ATCC 8368 グラム陰性菌 Alcaligenes faecalis ATCC 8750 糸状菌 Neurospora crassa FERM P−12781 上記微生物はいずれも脱臭能力が大きく、かつ病原性が
ない点で好ましいものである。また、プロテアーゼ活性
はほとんど認められないことから、大豆蛋白の分解を伴
わずに大豆臭のみを効果的に取り除くことができる。
【0018】加熱処理後、上記の微生物を接種する。菌
の接種量はおおむね蛋白抽出物の固形分に対する菌重量
が1/1000〜1/10程度であればよい。培養温度は20℃
以上がよい。至適温度は用いた菌の種類に応じて定ま
る。従って、前述の加熱処理後には培養温度に調整する
ための冷却を通常は行なう。培養の際の蛋白抽出物のpH
は4〜9の範囲であれば特に規定されず、むしろ蛋白調
製の際の至適pHを任意に選定することができる。脱臭の
ために必要な培養時間は菌種により若干の差はあるが抽
出液の場合で5分〜8時間程度、好ましくは40分〜2時
間である。一方、中和乳の場合は5分〜4時間、好まし
くは15分〜1時間である。尚、中和乳とは分離大豆蛋白
の調製の段階で得られる酸沈澱物に、水酸化ナトリウム
等のアルカリを添加して中和したものをいう。
【0019】培養の際には、蛋白の機能特性を高めるた
めに他の種類の酵素を混用して用いることができる。
【0020】培養による脱臭反応をさせたのち、反応の
停止は通常の加熱処理によって、例えば70℃〜150℃に
て30分〜数秒加熱処理することによって停止させること
ができる。その他の工程は対象となる大豆蛋白製品の製
法に完全に従うことができる。
【0021】
【作用】本発明の方法においては、大豆蛋白抽出物を加
熱処理後特定の微生物を添加培養することによって脱臭
反応させ、次いで加熱殺菌することによって品質を変え
ることなく大量の不快臭を除去している。
【0022】
【実施例】接種用菌液の取得は次のようにして行なっ
た。 糸状菌用種培地 細菌用種培地 Glucose 3.0% Glucose 1.0% Polypeptone 0.4% Polypeptone 0.5% Yeast extract 0.2% Yeast extract 0.2% KH2PO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.2% MgSO4・7H2O 0.05% (pH 7.0) (pH 7.0)
【0023】細菌および糸状菌の各菌株は上記の各培地
を使用して、30℃にて3日間(生育の悪いものに関して
適宜延長)振とう培養した。培養終了後、細菌について
は培養液を遠心分離(9,000×g、10分間)し、集菌し
た。得られた菌体を蒸留水で4〜5回洗浄を繰り返すこ
とによって培地成分を除去した後、湿菌体重量の10培量
の0.9%減菌食塩水に均一に懸濁させた。一方、糸状菌
については、Advantec No. 2濾紙を使用して吸引濾過を
行って集菌し、蒸留水にて充分洗浄した後、湿菌体重量
の10倍量の0.9%減菌食塩水に均一に懸濁させた。
【0024】さて、n-ヘキサナールの定量はガスクロマ
トグラフィーを用いて行った。ガスクロマトグラフは、
Shimadzu GC-8A(島津製作所)を使用し、検出器は水素
炎イオン化検出器(FID)を用いた。カラムは15% P
EG-20M 60〜80 meshを充填剤とする3mm×2mのガラス
カラム、キャリアーガスは窒素ガス(1.0kg/cm2)、カラ
ム温度は90℃、注入口および検出器温度は250℃、検出
温度は10×16の条件にて分析を行った。また、記録計は
システムインスツルメンツ社製クロマトコーダー11を用
いてピーク面積を算出した。
【0025】尚、脱臭処理後のサンプルに含まれる残存
n-ヘキサナール量は、一定条件で揮発してくるn-ヘキサ
ナール量として測定した。すなわち、80℃にした恒温槽
内に脱臭処理後の密封状態のバイアル瓶を20分間攪拌し
ながら放置した。その後、バイアル瓶内の気相(HS
V)5mlをシリンジにて採取し、直ちにガスクロマトグ
ラフィーにて分析した。
【0026】更に10分間同一条件で放置したのち、2回
目の分析を行った。分析は1サンプルにつき最低2回行
うものとしてその平均値を求めた。
【0027】実施例1 精選・脱皮・フレーク状の大豆を常法通りヘキサンを用
いて抽出後、デソルベンタイザーで脱溶剤して低変性脱
脂大豆(NSI=90)を得た。
【0028】この脱脂大豆を原料として、抽出系濃縮蛋
白の調製を行った。すわなち、脱脂大豆500gに対して1
0倍量の水を加え、20℃にて1時間攪拌抽出した(pH=
7.5)。遠心分離にてオカラを除去したのち、この抽出液
(分離乳)を内部液温が80℃になるまで湯浴中にて加熱
し、続いて30℃まで冷却した。次に、液の固形分の1/1
00量になるように糸状菌 Neurospora crassa FERM P-12
781の接種用菌液を添加し、30分間反応させた。反応
後、分離乳をレトルトパウチに詰め、F0=4の加熱殺
菌を行って脱臭反応を停止させた。菌液を添加しないも
のをコントロールとして設定し(菌液重量分の水を添加
した)、以下冷却・濃縮を行ったのち凍結乾燥してこれ
らを粉砕し、濃縮蛋白試作品の粉末を得た。
【0029】得られた濃縮蛋白粉末について、先に述べ
た方法でn-ヘキサナールの分析を行った。n-ヘキサナー
ル量はGLC分析により得られたチャートのピーク面積
とした。n-ヘキサナール除去率は下記の式に従って算出
した。 除去率(%)={(対照のn-ヘキサナール量)−(脱臭処理後の
n-ヘキサナール量)}×100/(対照のn-ヘキサナール量)
【0030】糸状菌 Neurospora crassa FERM P-12781
を添加して調製した濃縮蛋白試作品のn-ヘキサナール除
去率は77%であった。
【0031】上記において調製した濃縮蛋白試作品につ
いて、水溶液の官能評価を20名のパネルを用いて実施
し、大豆臭の評価を行った。方法は濃縮蛋白の粉末を10
%水溶液にて沸騰水中にて30分間加熱し、20℃まで冷却
した液の匂いを評価した。その結果を表1に示す。尚、
コントロールは従来法で調製した濃縮大豆蛋白である。
【0032】
【表1】
【0033】表中、数字は対応品について選んだ人数を
示している。**は危険率1%有意、そして*は危険率5
%有意をそれぞれ表している。
【0034】すなわち、本発明の方法にて匂い・風味の
きわめてすぐれた抽出系濃縮蛋白を製造できることがわ
かった。
【0035】実施例2 実施例1にて使用したものと同一の低変性脱脂大豆を原
料として分離大豆蛋白の試作を行った。すなわち、原料
大豆500gに対して10倍量の水(20℃、pH7.0に修正)を
加え、約40分間抽出を行った。次に、遠心分離にてオカ
ラを除去して、得られた分離乳に対して塩酸を滴下して
pHを4.5まで低下させた。再び遠心分離を行い、ホエー
液を除去して沈澱画分を酸沈カードとして得た。この酸
沈カードに対して水+NaOHの溶液で解砕・中和を同
時に行った。最終的には固形分約9%、pH7.0の中和乳
が約2kg得られた。
【0036】この中和乳を湯浴中にて液温が80℃になる
まで加熱処理を行った。30℃まで冷却した後、グラム陰
性菌 Alcaligenes faecalis ATCC 8750の接種用菌液を
添加(中和乳重量の1/100)、攪拌して脱臭反応を開始
した。反応時間は30分間とした。所定の時間経過後、中
和乳をF0=4のレトルト処理に供して菌を死滅させ
た。熱処理した液を冷却して凍結乾燥・粉砕して分離大
豆蛋白の試作品を得た。
【0037】なお、対照としては菌液と同一重量の水を
中和乳に添加した系とした。このようにして、調製した
試作分離蛋白粉末のn-ヘキサナール分析を行った。分析
方法は先に述べた通りである。実施例1と同様にして脱
臭率を求めた。その結果、Alcaligenes faecalis ATCC
8750によるn-ヘキサナールの除去率(=脱臭率)は約75
%であった。
【0038】上記においてのべた分離大豆蛋白につい
て、得られた中和乳をあらかじめ加熱しないで菌液を添
加した。しかし、この場合、n-ヘキサナールの除去率は
約15%程度にとどまり、官能的にも識別されなかった。
【0039】本実施例で得られた分離大豆蛋白につい
て、実施例1の場合と同様の水溶液の官能評価を行っ
た。すなわち、試作品の粉末を5%の水溶液としてこれ
を沸騰水中にて10分間加熱処理した。冷却後、液温を20
℃に調整して20名のパネルによる官能評価を行った。そ
の結果を表2に示す。尚、コントロールは従来通りの方
法で調製した分離大豆蛋白を用いた。
【0040】
【表2】
【0041】表中、数字は対応品について選んだ人数を
示している。**は危険率1%有意、そして*は危険率5
%有意をそれぞれ表している。
【0042】すなわち、本発明による方法によって匂い
・風味のきわめてすぐれた分離大豆蛋白を製造できるこ
とがわかった。
【0043】本実施例において、調製した分離蛋白を実
際にかまぼこ(あげかま)に添加して比較検討した。そ
の配合は以下の通りである。 冷凍すり身(2級) 100重量部 大豆蛋白(試作品) 3重量部 大豆油 3重量部 食塩 3重量部 砂糖 6重量部 馬鈴薯澱粉 15重量部 調味料類 4重量部 氷水 30重量部
【0044】製造方法は、ラボ用の小型フードカッター
を使用し攪拌、摺り上がり温度が10℃程度になるまで行
った。得られた生地(ペースト)を型とりして大豆油中
にて160℃×4分間フライしてあげかまを得た。コント
ロールと脱臭品の2種について20名のパネルを使用した
官能評価を行った。その結果を表3に示す。尚、コント
ロールは本発明の脱臭処理をしていない、通常の分離大
豆蛋白である。
【0045】
【表3】
【0046】表中、数字は対応品について選んだ人数を
示している(総合評価は点数)。**は危険率1%有意、
そして*は危険率5%有意をそれぞれ表している。
【0047】すなわち、本発明によって試作した脱臭分
離蛋白を添加した系では大豆臭が弱く、その分魚臭を明
確に認識するような結果になった。総合評価にてあまり
両者間の点数に差が見られないのは魚臭の強弱が嗜好に
反映された結果と考える。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法を適用することにより、大
豆由来の不快臭を除去して品質(特に匂い、風味)のす
ぐれた大豆蛋白製品を提供し、畜肉加工・水産加工・飲
料など各分野への大豆蛋白の使用拡大を図ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 俊浩 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味 の素株式会社 中央研究所内 (72)発明者 本木 正雄 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味 の素株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−122655(JP,A) 特開 昭50−25744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23J 3/34 A23J 3/16 A23L 1/305 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱脂大豆から水抽出して得た蛋白抽出物
    を加熱処理し、これにコリネバクテリウム属、アルカリ
    ゲネス属またはノイロスポラ属の微生物を加えて培養
    し、次いで殺菌することを特徴とする抽出系大豆蛋白の
    製造法。
  2. 【請求項2】 抽出系大豆蛋白が分離大豆蛋白である請
    求項1記載の製造法
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