JP3146951B2 - 内視鏡のアングル部 - Google Patents

内視鏡のアングル部

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JP3146951B2
JP3146951B2 JP27497295A JP27497295A JP3146951B2 JP 3146951 B2 JP3146951 B2 JP 3146951B2 JP 27497295 A JP27497295 A JP 27497295A JP 27497295 A JP27497295 A JP 27497295A JP 3146951 B2 JP3146951 B2 JP 3146951B2
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裕隆 川野
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富士写真光機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体における体腔
内等に挿入される内視鏡のアングル部に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】内視鏡は、一般に、図1に示したよう
に、本体操作部1に体腔内等への挿入部2を連設し、ま
たこの本体操作部1から光源装置に着脱可能に接続され
るユニバーサルコード3を引き出すように構成したもの
である。挿入部2は、本体操作部1への連設側から大半
の長さ分は挿入経路に沿って任意の方向に曲がる軟性部
2aからなり、この軟性部2aの先端にはアングル部2
b、アングル部2bの先端には先端部本体2cが順次連
設されている。
【0003】図2及び図3から明らかなように、挿入部
2のうち、先端部本体2cには、その先端面(乃至側
面)に照明窓4及び観察窓5が設けられ、また2箇所の
処置具導出口6a,6bが開口している。さらに、これ
ら以外にも、観察窓5に向けて洗浄用流体を供給する洗
浄用ノズル7が装着され、また体腔内壁の洗浄や薬液の
噴霧等を行うためのウォータジェットノズル8が開口し
ている。
【0004】照明窓4には照明用レンズが装着されてお
り、この照明用レンズに照明光を伝送するためのライト
ガイド10の出射端が臨んでいる。観察窓5には、結像
用レンズが装着されており、この結像用レンズの結像位
置には、電子内視鏡にあっては、固体撮像素子11(図
4参照)が配置され、光学式内視鏡にあってはイメージ
ガイドの入射端が臨んでおり、固体撮像素子11からは
信号ケーブル12(光学式内視鏡の場合にはイメージガ
イド)が引き出されている。さらに、処置具導出口6
a,6bにはそれぞれ処置具挿通チャンネル13a,1
3bが接続され、洗浄用ノズル7には送気送水チューブ
14が、ウォータジェットノズル8には給液チューブ1
5が接続されている。これらライトガイド10,信号ケ
ーブル12,処置具挿通チャンネル13a,13b,送
気送水チューブ14及び給液チューブ15は、挿入部2
におけるアングル部2bから軟性部2aを経て本体操作
部1に延在されている。
【0005】アングル部2bは、先端部本体2cを所望
の方向に向けるためのものであって、このためにアング
ル部2bの構造体としては、多数のアングルリング16
を用い、前後のアングルリング16を順次枢着してなる
ものである。前後のアングルリングの左右の部位を枢着
すると、これら前後のアングルリングは上下方向に回動
でき、また上下の部位を枢着すると、アングルリングは
左右方向に湾曲できることになる。従って、多数のアン
グルリング16を左右,上下の順に交互に枢着させるこ
とにより、アングル部2bを上下方向及び左右方向に湾
曲させることができるように構成されている。
【0006】このアングル部2bを湾曲させるのは、先
端部本体2cを任意の方向に向けるためのものであり、
この湾曲操作はアングル操作と呼ばれるものであり、ア
ングル操作は本体操作部1側において遠隔操作で行える
ようになっている。このために、本体操作部1にはアン
グルノブ17が設けられており、このアングルノブ17
からは4本の操作ワイヤ18が延在されており、この操
作ワイヤ18の他端は、アングル部2bにおける先端の
アングルリング(または先端部本体2c)に固定されて
いる。そして、少なくともアングル部2b内において
は、各操作ワイヤ18は、それぞれ略90°毎の位置に
位置決めされている。従って、4本の操作ワイヤ18の
うち、上下に位置する一対の操作ワイヤ18を押し引き
操作すると、アングル部2bは上下方向(図2の矢印
U,D方向)に湾曲し、また左右一対の操作ワイヤ18
を押し引き操作すると、アングル部2bは左右(図2の
矢印R,L方向)に湾曲する。
【0007】既に説明したように、挿入部2内には、2
つの処置具挿通チャンネル13a,13bが設けられて
おり、これによって2種類の処置具を挿通させて、必要
な治療や処置等を施せる。例えば、組織を鉗子で把持さ
せた状態で、高周波スネア等によりこの組織を切断する
といった処置が可能となり、これによって内視鏡により
行える処置の態様が広がる。
【0008】一般に、内視鏡に用いられる処置具として
は、鉗子や高周波処置具、さらにはチューブ等があり、
高周波処置具における電極はワイヤ状のものや平板状の
もの等がある。チューブやワイヤ状の電極を持った高周
波処置具等は、そのほぼ全長にわたって均一な外径を有
するものであるが、鉗子や平板状の電極を有する高周波
処置具等にあっては、先端部分が膨出している。これら
種々の処置具は処置具挿通チャンネル内に挿通できるも
のでなければならず、従って先端部分が膨出している処
置具の場合には、この膨出部分も当然処置具挿通チャン
ネルを通過できる寸法に形成されなければならない。
【0009】鉗子は細胞を採取したり、臓器や組織等を
把持したりするための把持部を備えているが、この把持
部を大きくすると、把持能力が高くなる。また、平板状
の電極を有する高周波処置具は出血部の凝固等の処置を
施すものであり、このためには電極はできるだけ広いも
のを用いる方が効率的な処置を施せる。以上の観点か
ら、近年においては、形状の大きな処置具を挿通できる
内径の処置具挿通チャンネルを備えたものもある。内径
の大きな処置具挿通チャンネルを設けると、当然、挿入
部が太径化する。従って、2本の処置具挿通チャンネル
13a,13bを設ける場合には、そのうちの1本を内
径の大きな処置具挿通チャンネル13aとなし、他方を
内径の小さな処置具挿通チャンネル13bとする。これ
によって、挿入部2の外径寸法が大きくなるのを抑制
し、かつサイズの大きな処置具を用いることができるの
で都合が良い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】通常、処置具挿通チャ
ンネルは座屈防止のために、内径の大きな処置具挿通チ
ャンネル13aの方が小さい内径の処置具挿通チャンネ
ル13bより厚肉に形成される。このために、処置具挿
通チャンネル13a,13b間では剛性の点でかなりの
差がある。処置具の操作性や挿入部2内における各部材
の配置レイアウト等の関係から、これら処置具挿通チャ
ンネル13a,13bはアングル部2b内では、左右に
並べるようにして配置されるのが一般的である。そし
て、挿入部2内には、これら処置具挿通チャンネル13
a,13bの他にも、ライトガイド10,信号ケーブル
12,送気送水チューブ14,給液チューブ15及び操
作ワイヤ18が挿通されているが、硬さという点では、
処置具挿通チャンネル13a,13bが他の部材より著
しく硬いものとなっている。
【0011】以上のことから、図3に示した各部材の配
置では、アングル部2b内において、上下に分けると、
処置具挿通チャンネル13a,13bが配置されている
下方の部位が上方の部位より極めて剛性が高くなる。ま
た左右に分けた時には、内径の大きな処置具挿通チャン
ネル13aが位置している側の方が、即ち図3において
右側の方が、小さい内径の処置具挿通チャンネル13b
が配置されている左側の部位より硬いものとなる。この
結果、アングル部2bを湾曲させた時に、この硬さの差
の影響で、狙った方向に確実に湾曲されずに、捩れが生
じることになる。例えば、左右に湾曲させると、剛性の
高い下方の部位がつっぱるようになるから、左方向に湾
曲させると、アングル部2b全体が図2に仮想線R′,
L′で示した方向に捩れる。また、上下方向に湾曲させ
る際にも、仮想線U′,D′で示した方向に捩れること
になる。従って、アングル部2bを湾曲させて、先端部
本体2cを所望の方向に向けようとする際に、アングル
部2bの捩れにより意図した方向に向けることができな
くなり、その操作性が悪くなる等といった問題がある。
【0012】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、アングル部を所定の
方向に湾曲させた時に、このアングル部に捩れが生じる
のを防止できるようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、アングル部内に各処置具挿通チャン
ネルを並べて配置された2つの処置具挿通チャンネルの
うち、細径の処置具挿通チャンネルのアングル部内に位
置する部位を硬質処理を行うことによって、このアング
ル部内に挿通した部材により生じる硬さのばらつきを補
正する構成としたことをその特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】アングル部を湾曲操作する際にお
いて、通常は、上下方向への湾曲の方が、左右方向への
湾曲より著しく頻度が高いというように、湾曲方向に応
じて操作頻度にかなりの差がある。そこで、頻度の高い
湾曲方向において、できるだけアングル部に捩れが生じ
ないように、硬さの差を少なくする。アングル部内に挿
通されている各種の部材のうち、処置具挿通チャンネル
が最も剛性が高く、しかも内径の大きな処置具挿通チャ
ンネルと内径の小さな処置具挿通チャンネルとの間で
も、剛性にかなり大きな差異がある。そこで、2つの処
置具挿通チャンネルの硬さをできるだけ等しくすれば、
アングル部の断面内における硬さにバランスを取らせる
ことができ、所定の方向への湾曲時に、捩れが生じない
ようになる。
【0015】通常、処置具挿通チャンネルはアングル部
内において、左右に配置されており、また上下方向への
湾曲の頻度が、左右方向のそれより著しく高い。上下方
向に湾曲させた時に、アングル部が捩れないようにすれ
ば、アングル操作の操作性の観点から極めて有利にな
る。アングル部の断面を左右に分けた時に、硬さのバラ
ンスが取れない原因としては、2つの処置具挿通チャン
ネルに硬さの差が大きいことである。勿論、処置具挿通
チャンネル以外にも挿通されている部材があり、それら
の影響によっても硬さのバランスを悪くする原因ともな
る。
【0016】従って、内径の小さい方の処置具挿通チャ
ンネルをより硬くすることにより、左右の硬さのバラン
スを取らせる。両処置具挿通チャンネルがほぼ同じ硬さ
にすれば、硬さのバランスは取れるようになるが、他の
部材の配置等も配慮する必要もある。従って、両処置具
挿通チャンネルを同じ硬さにすることは必須の要件では
ない。内径の小さい方の処置具挿通チャンネルの外面に
ゴムや樹脂等による硬質化層を形成することによって、
実質的に硬さの差をなくすことができる。ここで、硬質
化層としては、ゴムチューブや熱収縮性の樹脂チューブ
等が好適に用いられる。ただし、硬質化層を設けると、
それだけ挿入部全体の硬さが増すことから、硬質化層を
設ける部位はアングル部内に限定し、挿入経路に沿うよ
うに曲がる部位である軟性部内までは延在させないよう
にする。
【0017】これによって、左右方向への湾曲時はとも
かく、操作頻度の高い上下方向への湾曲時にアングル部
が捩れるのを防止できる。この結果、挿入部の先端部分
を曲がったり、分岐したりする挿入経路に沿って挿入し
ていく際に、先端部保体の方向制御を円滑かつ確実に行
うことができ、また所定の部位において、観察視野を変
える等の操作も正確に行えるようになる。
【0018】
【実施例】以下、図4及び図5に基づいて本発明の実施
例を説明する。なお、本実施例において、前述した従来
技術に示したものと同一または均等な部材については、
同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0019】内視鏡全体及びその挿入部2、さらにこの
挿入部2内に挿通されている部材等については、前述し
た従来技術のものと同様である。内径に大小のある2つ
の処置具挿通チャンネル13a,13bがアングル部2
b内では、下方の部位に左右に並べるように配置されて
いる点についても、従来技術のものと変わるところはな
い。
【0020】ここで、図5からも明らかなように、内径
の小さい方の処置具挿通チャンネル13bには、その先
端部、即ち先端部本体2cにおける処置具導出部6bへ
の接続部から、アングル部2b内に位置する長さ分にだ
け、円筒状の硬質化層20が嵌合されている。この硬質
化層20は、例えばゴムチューブや熱収縮性の樹脂チュ
ーブ等で形成される。ゴムチューブを用いる場合には、
その内径が処置具挿通チャンネル13bの外径より僅か
に小さいものとなし、それを強制的に拡開させた状態で
処置具挿通チャンネル13bに嵌合させることにより、
所定の位置に保持させる。また、熱収縮性の樹脂チュー
ブを用いる場合には、その樹脂チューブの内径を処置具
挿通チャンネル13bに被せた状態で、熱を加えること
により収縮させて、その外表面に密着させる。そして、
硬質化層20を確実に固定するためには、処置具挿通チ
ャンネル13bの外表面に接着剤を塗布した状態で、こ
の硬質化層20を挿嵌させれば良い。
【0021】以上のように構成することによって、アン
グル部2bの内部を左右に区画形成した時に、硬質化層
20が硬さの補正要素として機能することになって、右
側の部位と左側の部位とに硬さのバランスが取れるよう
になる。ここで、硬質化層20は、必ずしも処置具挿通
チャンネル13aと処置具挿通チャンネル13bとを同
じ硬さにしなければならないものではない。アングル部
2bを左右に区画形成した時に、これら処置具挿通チャ
ンネル13a,13bが左右に分かれるが、これら以外
の部材も左右に分かれて位置している。図示したものに
あっては、2本のライトガイド10は左右に分かれてお
り、信号ケーブル12は左右に跨がる位置にあるが、左
側の方に偏寄している。給液チューブは右側に位置し、
送気送水チューブ14は左右に跨がり、かつ左側に偏寄
している。アングル部2b内における各部材の配置はこ
れに限定されないが、その全体からみて、左右における
硬さのバランスが取れるようにするために、硬質化層2
0が設けられるのである。従って、アングル部2b内に
おける各部材の位置に応じて生じる左右の硬さのばらつ
きによっては、硬質化層20を設けた処置具挿通チャン
ネル13bを処置具挿通チャンネル13aより硬くする
こともあり、また処置具挿通チャンネル13a程硬くは
しない場合もある。
【0022】ここで、アングル部2b内では、左右の硬
さのバランスを取るための補正要素として、処置具挿通
チャンネル13b側に硬質化層20が設けられている
が、方向はともかく、可撓性に富ませる必要のある軟性
部2a内の部位では、可撓性に対するマイナス要因とな
る硬質化層20は設けない。
【0023】以上のように構成することによって、上下
に位置する一対の操作ワイヤ18,18を押し引き操作
すれば、アングル部2bは上下方向に湾曲することにな
るが、このアングル部2bは左右に硬さのバランスが取
れていることから、真直ぐ上下方向に湾曲し、軟性部2
aへの連設部側から先端方向に向けて捩れるように曲が
ることはなくなる。従って、アングルノブ17を操作す
ると、先端部本体2cが確実に意図した方向に向けられ
るようになり、アングル部2bの湾曲操作性が良好とな
り、挿入経路に沿って挿入部2を挿入していく操作や、
観察窓5による観察視野を変える操作を正確に行える。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、アング
ル部内に並べて配置されている内径の異なる2つの処置
具挿通チャンネルのうちの細径の処置具挿通チャンネル
に硬質処理を行うことによって、このアングル部内の湾
曲方向における硬さのバランスを取るように構成したの
で、アングル部を所定の方向に湾曲させた時に、このア
ングル部に捩れが生じることがなく、確実に意図した方
向に湾曲させることができるようになり、その湾曲操作
性が向上する等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】内視鏡の全体構成を示す外観図である。
【図2】図1の挿入部の先端面を示す構成説明図であ
る。
【図3】図1のX−X断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示す挿入部の先端部分の断
面図である。
【図5】図4のY−Y断面図である。
【符号の説明】
1 本体操作部 2 挿入部 2a 軟性部 2b アングル部 2c 先端部本体 13a,13b 処置具挿通チャンネル 20 硬質化層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体操作部に基端側を接続した軟性部
    に、この軟性部の先端側に任意の方向に湾曲操作可能な
    アングル部及びその先端側に先端部本体を連設してなる
    挿入部の内部に、それぞれ内径の異なる2つの処置具挿
    通チャンネルを挿通させた内視鏡において、前記各処置
    具挿通チャンネルのうち、細径の処置具挿通チャンネル
    の前記アングル部内に位置する部位を硬質処理を行うこ
    とによって、このアングル部内に挿通した部材により生
    じる硬さのばらつきを補正する構成としたことを特徴と
    する内視鏡のアングル部。
  2. 【請求項2】 前記2つの処置具挿通チャンネルは、前
    記アングル部内に左右に並べて配置し、前記細径の処置
    具挿通チャンネルの外表面にチューブ状の硬質化層を積
    層することにより、左右における硬さをバランスさせ
    て、上下方向に湾曲させた時における捩れが生じるのを
    防止する構成としたことを特徴とする請求項1記載の内
    視鏡のアングル部。
JP27497295A 1995-09-29 1995-09-29 内視鏡のアングル部 Expired - Lifetime JP3146951B2 (ja)

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