JP3146404B2 - 駆動階先行上昇型建築工法のプッシュアップ装置 - Google Patents

駆動階先行上昇型建築工法のプッシュアップ装置

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JP3146404B2
JP3146404B2 JP06628794A JP6628794A JP3146404B2 JP 3146404 B2 JP3146404 B2 JP 3146404B2 JP 06628794 A JP06628794 A JP 06628794A JP 6628794 A JP6628794 A JP 6628794A JP 3146404 B2 JP3146404 B2 JP 3146404B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、全天候型で高所作業
の無い建築工事を実現する駆動階先行上昇型建築工法に
おいて、屋根代用の駆動階を上昇させる手段として使用
されるプッシュアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、最終的に、建物の最上階として使
用される屋根代用の駆動階を先行して上昇させ、駆動階
の直下階の床上で次上階床の建築工事を進める駆動階先
行上昇型建築工法は、降雨、降雪あるいは風に左右され
ない全天候型工事を進めることができ、しかも階高以上
の高所作業がなく安全工事を進められる工法として種々
研究開発が進められ、その成果の発明、考案は数多く公
知に属し、既にいくつかの実施例もある。
【0003】従来、駆動階を先行上昇させるプッシュア
ップ装置についても種々研究開発が進められている。そ
の形式、構造は多様であるが、いずれにしても仮設又は
本設の柱に反力をとって上昇又は下降動作させること、
及び上昇又は下降の動力に油圧ジャッキを採用している
点はおよそ共通している。因みに、図9及び図10に示
した従来のプッシュアップ装置は、駆動階1の上側に上
部フレーム2が鉛直なアイバープレート3で連結され、
下側には昇降用の鉛直な油圧ジャッキ4を介して下部フ
レーム5が連結されている。前記上部フレーム2には、
角柱6の一つの角部を形成する直角2面に沿って伝い登
るガイドローラ7が鉛直材8の上下に対称な配置で、し
かも角柱6の対角線方向に2組設けられている。また、
前記2組のガイドローラ7が相対峙する対角線とは90
°異なる対角線の一つの角を形成する直角2面に跨って
同角部に反力プレート9が固定され、この反力プレート
9の上面に掛止められ駆動階1の全荷重を角柱6に伝達
して反力をとる掛止めピン11及び同ピンを出入り駆動
する荷重盛替え用ジャッキ10が角柱6の前記角部に向
って45°方向に設けられている。同様に、下部フレー
ム5にも、鉛直材8の上下にガイドローラ7が設けら
れ、角柱6の前記反力プレート9の上面に掛止められる
掛止めピン11及び同ピンを出入り駆動する荷重盛替え
用ジャッキ10が角柱6の一つの角に向って45°方向
に設けられている。
【0004】従って、駆動階1の上昇動作は、次のよう
に行なわれる。まず図9は昇降用の油圧ジャッキ4が収
縮状態で、下部フレーム5の荷重盛替え用ジャッキ10
がその掛止めピン11を押し出して該当位置の反力プレ
ート9の上面に掛止められており、上部フレーム2の荷
重盛替え用ジャッキ10は後退されてその掛止めピン1
1が反力プレート9と干渉を起さない状態に逃がしてい
る。昇降用の油圧ジャッキ4が伸長動作されると、下部
フレーム5の掛止めピン11が角柱6に反力をとって踏
んばった形で駆動階1は油圧ジャッキ4の伸長量だけ上
昇される。前記昇降用の油圧ジャッキ4がその有効スト
ロークの上限近くになって、上部フレーム2の掛止めピ
ン11が直近位置の反力プレートを通過しその上面へ掛
止まる位置に達したことをセンサー(図示省略)が確認
した時点で、同上部フレーム2の荷重盛替え用ジャッキ
10が掛止めピン11を掛止め位置まで前進させる。次
いで、昇降用の油圧ジャッキ4を少し収縮動作させる
と、まず上部フレーム2の掛止めピン11が反力プレー
ト9の上に載り荷重を伝達する状態になる。更に油圧ジ
ャッキ4の収縮動作が進むと、下部フレーム5の掛止め
ピン11が反力プレートの上面から浮上して荷重支持の
盛替えが行なわれる。そこで下部フレーム5の掛止めピ
ン11を反力プレート9と干渉を起さない位置まで荷重
盛替え用ジャッキ10で後退させ、昇降用の油圧ジャッ
キを引きつづき収縮動作させる。油圧ジャッキ10の収
縮動作が限度近くになって、下部フレーム5の掛止めピ
ン11が直近位置の反力プレート9を通過しその上面へ
掛止まることをセンサー(図示省略)が確認した時点
で、同下部フレーム5の荷重盛替え用ジャッキ10が掛
止めピン11を掛止め位置まで前進させる。次いで、昇
降用の油圧ジャッキ4を少し伸長動作させると、下部フ
レーム5の掛止めピン11は反力プレート9の上面に載
って荷重を伝達する状態になる。引きつづき油圧ジャッ
キ4を伸長動作させると、上部フレーム2の掛止めピン
11は反力プレートから浮上して荷重支持の盛替えが行
なわれる。以下、同様な動作のくり返しによって、プッ
シュアップ装置は所謂尺取り虫の歩行に似た伸縮動作で
駆動階を上昇させる。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
(1) 図9,図10に示した従来のプッシュアップ装置
は、角柱に反力をとる手段としての反力プレートが角柱
の一つの角部に溶接で固定されている。その理由は、第
一に、柱が高くなり、同柱に負荷される鉛直荷重が漸減
するのに伴なって柱の横断面は段階的に縮小されるが、
その場合の柱の鉛直な通りは一つの角の稜線に求めるの
が好都合と考えられてきたこと。第二に、ガイドローラ
による案内機能及び掛止めピンが反力プレートの上に載
る動作の確実性の面で柱の角部の利用が好都合と考えら
れてきたからである。しかしながら、角柱は、板厚が2
5mm位の鋼板4枚を角筒形に組合せ四隅を溶接接合して
横断面が650×750mm位の大きさに組立てられてい
る。従って、角柱の角部には必ず溶接接合のビードが盛
り上がっているから、反力プレートを角部へ取付けるた
めには前記溶接ビードを削り取るか、又は反力プレート
の方に溶接ビードを回避する溝を加工する等々の対策を
選択して実施するほかなく、いずれの対策を選択しても
反力プレートの取付けに手間がかかり、コスト高を招い
ている。しかも、反力プレートの取付けは、角柱6の一
つの角部に集中して行なわれ、溶接による固着手段が採
用されるため、一つの角部に溶接熱による歪が集中し、
反力プレートを取り付けた後の柱全体の溶接歪の矯正が
困難である。更に、上記のように角柱の一つの角部に集
中して反力プレートを取付ける結果、柱の建方精度は、
柱の前記角部の鉛直な通りを必要とし、よって柱の4面
のうちの2面を下階から上階まで鉛直に通すという設計
及び建方上の制約条件が必要となり、種々面倒である。 (2) 角柱の一つの角部に取付けた反力プレートを利用し
て角柱に反力をとり駆動階を上昇させる従来方式の場
合、掛止めピンから反力プレートへ伝達される荷重は、
前記角部を形成する直角2面に対して45°方向(対角
線方向)の偏荷重として作用し、該偏荷重の制御、例え
ば対称性による荷重の相殺又は変形の付与などの制御が
難しい。ひいては駆動階において、上部フレーム及び下
部フレームを直接取付けている柱廻りのさや管に対して
も偏荷重が発生し、同さや管には前記偏荷重に耐えるだ
けの高い剛性が要求され、不経済な構造となる。 (3) 上述のように角柱の一つの角部に取付けた反力プレ
ートに起因する種々な不都合を解消する手段として、角
柱の一つの面を通り芯に選択し、この面に反力プレート
を取付けることが検討されるが、この場合昇降用の2本
の油圧ジャッキは対称な配置として同油圧ジャッキの作
用力にモーメントを発生させないためには、図7のよう
に2本の油圧ジャッキ4,4の中心Pを結ぶP−P線が
反力プレート9の中心を通ることを要する。また、2本
の油圧ジャッキの作用力に偏荷重を発生させず、駆動階
のさや管部分に大きな耐力を期待するためには、2本の
油圧ジャッキの配置は、図7のように駆動階のさや管部
分12を形成する3本の梁13,14,15がT字形に
集合された中間点が選択される。一方、角柱6におい
て、通り芯に選んだ一つの面に対向する梁14の端部
は、ルートの隙間Sしか許容しないため、反力プレート
は前記梁14の端部との干渉を避けるべく梁端と対峙す
る面の左右両外側に残された部位にしか取付けられな
い。しかも反力プレートを角柱の1面の上下方向に1列
で取付けるときは、1個の反力プレートに負荷される荷
重が大きすぎて反力プレートは甚だ大きなものとなって
溶接長さも大きくなる。また、掛止めピンによる荷重盛
替え時に偏荷重の発生を防ぐためにも、反力プレートは
柱の1面の左右に並列の配置で2個ずつ2列で取付ける
べきであるが、そのようにすると、掛止めピンを角ピン
とし、同角ピンの支持部分を荷重盛替え用ジャッキと共
に駆動階へ剛接合で固定した構造だと、反力プレートの
取付け誤差等を考慮すると、左右に並列な配置の2個の
反力プレートに対して掛止めピンの荷重が左右均等に負
荷され難く、特に偏荷重は一方の反力プレートにのみ負
荷されると理論上想定できる。従って、安全上は駆動階
の荷重を片方の反力プレートでのみ支持できるような反
力プレートの設計が必要となるが、そのような設計によ
れば反力プレートの大きさ、溶接長さ共に大きくなって
不経済である。また、前記角ピン(掛止めピン)による
反力プレートへの荷重の伝達機構は、反力プレートの上
面が水平でないときは荷重を点又は線で伝達することと
なり、1個の反力プレートにおいてさえも偏荷重を考慮
した設計を余儀なくされ、溶接長さも大きくなるという
問題点がある。 (4) 既に述べたように、角柱の断面の大きさは、ある高
さごとに(鉛直荷重の減少に伴なって)段階的に縮小さ
れる。角柱断面の縮小化は部分的な角錐状の変化部分
(この変化部分を柱絞り部と云う。図8Aの符号18を
参照)によって実行されるが、柱絞り部の傾斜面を通過
させるガイドローラは、同傾斜面との間に生ずる隙間
(遊び)による鉛直誤差を未然に防ぐため数回に分けて
ガイドローラの出入り調整(盛替え)を行なっているの
が実情であり、ガイドローラの出入り調整の機構が複雑
となり、盛替えの手間を要するという問題があった。 (5) 従って、本発明の目的は、溶接で組立てられた角柱
の角部の溶接ビードに起因する問題、及び角部に集中す
る溶接歪の問題を解決した反力プレートの取付け構造を
提供すること、及び柱の通りに関する設計上の制約条件
を解決し、駆動階の荷重支持に関する偏荷重の問題を解
決し、更に左右に並列な2個の反力プレートに対する駆
動階の荷重伝達機構の諸問題を解決すること、並びに柱
絞り部を通過するガイドローラの盛替えに関する諸問題
を各々解決したプッシュアップ装置を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めの手段として、この発明に係る駆動階先行上昇型建築
工法のプッシュアップ装置は、角柱6の1面に、左右に
並列な配置の2個を一組とする反力プレート9,9が上
下方向に所定のピッチで固定され、前記角柱6の並列な
2個の反力プレート9,9に対して垂直な配置で各々に
対向する掛止めピン11,11及び同ピンを駆動する2
基の荷重盛替え用ジャッキ10が、昇降用ジャッキ4に
よって相対的に駆動される上下のフレーム部に各々一対
ずつ設置され、前記荷重盛替え用ジャッキ10の掛止め
ピン11は、丸軸の先端部に前記反力プレート9の上面
に載る平面部11aを形成した構成であることを特徴と
する。
【0007】本発明によれば、前記昇降用ジャッキ4の
下端側を連結した駆動階1に、ジャッキ台16の中心部
が、左右方向への傾動自在性があるピンヒンジ機構22
で設置され、前記ジャッキ台16の左右に対称な配置
で、角柱の1面に固定された左右に並列な2個の反力プ
レート9,9に対して垂直な配置で各々に対向する掛止
めピン11及び同ピンを駆動する2基の荷重盛替え用ジ
ャッキ10,10が設置されている。
【0008】角柱6の断面が大小に変化する柱絞り部1
8の斜面の少なくともガイドローラ通過位置には、前記
斜面を解消する直角三角形状のガイドブロック17が取
付けられ、昇降用ジャッキ4の上端側を連結された上部
フレーム2部分における上下のガイドローラ7,7の距
離は前記昇降用ジャッキ4の有効ストローク以内の大き
さとされている。
【0009】角柱6は反力プレート9が固定された面を
梁間方向に対称な内向き面として建てられている。
【0010】
【作用】角柱6の1面の左右に並列な配置の2個を一組
とする反力プレート9,9で駆動階1の荷重を角柱6へ
伝達する構成であり、2個の反力プレート9,9は柱の
角部ではなく一つの面に取付けるので、柱の角部の溶接
ビードは反力プレートの取付けに格別じゃまにならず、
よって柱の溶接ビードを削ったり、反力プレートに溶接
ビードを回避する溝を加工する必要がない。そして、柱
の角部に溶接が集中しないので、柱の母材の品質を損わ
ないし、また、柱の1面に対しての溶接なので、溶接歪
は一方向であり、柱全体の溶接歪の矯正も比較的容易で
ある。
【0011】設計上の制約条件は角柱6の1面を通すこ
とだけであり、駆動階上昇時の反力は、左右に並列な配
置の2個の反力プレート9,9に均等に荷重を負荷させ
るので、1個の場合よりも安全性が高く、反力プレート
自体も小さくなり、溶接長さも短くなる。角柱6の1面
に取付けた反力プレート9に駆動階上昇時の荷重を負荷
させるので、偏荷重の発生は直角2方向のみとなり、荷
重の制御が容易であり、駆動階1のさや管に対しても偏
荷重が少ない。そして、建物平面の外柱は反力プレート
9を取付けた1面を対称的な配置としてプッシュアップ
装置を駆動することにより、直角2方向のうちの一方向
へ偏荷重による変形を対称的に与え、ガイドローラ7を
配置することにより、鉛直精度の高い駆動階上昇動作が
可能となり、必然的に柱の建方精度も高く保持される。
かくして、駆動階1のさや管に対する荷重は偏荷重とは
ならないから、同さや管を構成する部材の剛性を小さく
できる。
【0012】角柱6の1面へ取付けた左右並列な2個の
反力プレート9,9の上面へ同時に載り荷重を伝達する
左右一対の掛止めピン11,11は、丸軸に平面部11
aを形成した構成であるため、その平面部11aが反力
プレート9の上面へ載ると、当り具合いの如何にかかわ
らず、丸軸は回転を生じて平面部11aが反力プレート
9の上面へ必ず全面接触で荷重を伝達する状態になじん
でゆき、片当りとか偏荷重を発生しない。駆動階1の掛
止めピンに関しては、左右並列な2個の反力プレート
9,9の上面へ載る一対の掛止めピン11,11の支持
部分及び同ピンを駆動する2基の荷重盛替え用ジャッキ
10,10は、駆動階フレーム1に傾動自在性があるピ
ンヒンジ機構22で設置された所謂天びん吊り構造のジ
ャッキ台16に左右対称な配置で設置されているので、
仮に2個の反力プレート9,9に取付け誤差、加工誤差
があって片当り状態になっても、ジャッキ台16の自在
な傾動によって二つの掛止めピン11,11は左右均等
な荷重伝達状態になじんでゆき、曲げモーメントや偏荷
重を発生しない。
【0013】次に、角柱6の上下方向にところどころ発
生する柱絞り部18の斜面は、そこへ取付けた三角形状
のガイドブロック17で一つの段状の変化に解消され
る。しかも同柱絞り部18を通過する上下のガイドロー
ラ7,7の間隔は昇降用ジャッキ4の有効ストローク以
内の大きさとされているから、ガイドローラ7,7の盛
替え操作(出入りの調整)は、前記段状の変化部を過ぎ
たところで1回行なえば済む。
【0014】
【実施例】次に、図示した本発明の実施例を説明する。
図1と図2に示したプッシュアップ装置の基本的構成
は、図9,10に示した従来例と大差ないので、重複説
明を避けるため、本実施例の特徴点(相違点)を中心に
説明を進める。角柱6の1面に、左右に並列な2個を一
組として反力プレート9,9が上下方向に例えば100
0mm位のピッチで溶接により取付けられている。左右に
並列な2個の反力プレート9,9は、図7に示したよう
に駆動階のさや管12を形成する梁のうち、角柱6の前
記1面に対峙する梁14の左右の位置を避けた両外側部
位に同梁14との干渉を避ける隙間t(t=25mmぐら
い)を確保した間隔(プレート間の内のり間隔は300
mmぐらい)で、しかも角柱6の1面に角部の溶接ビード
には及ばない配置、大きさで取付けられている。一例と
して、反力プレート9は厚さが40mm、たて×よこが1
50mm×80mmぐらいの直方体形状である。2本の昇降
用ジャッキ4,4の配置は、図7に示した駆動階のさや
管12の平面に関し、角柱6の1面に取付けた前記左右
2個の反力プレート9,9の上面の中心を通る線上であ
って左右対称な位置にジャッキの中心Pが位置せしめら
れている。従って、反力プレート9,9を介して角柱6
に反力をとって伸縮動作する昇降用ジャッキ4,4の作
用力の偏荷重とそれによるモーメントを発生するおそれ
はない。
【0015】前記2本の昇降用ジャッキ4の上端側(出
力軸の上端)とピン19で連結された上部フレーム2の
上下面には、角柱6の4面を伝い登るガイドローラ7
が、各々柱の面に向って近づいたり遠のく出入り調整が
可能なローラ台20によって設置されている。ローラ台
20は、これを上部フレーム2に対して固定しているボ
ルト又はナットを緩めることによって出入り調整が行な
われる。上部フレーム2にはまた、角柱6の1面に取付
けた反力プレート9,9の上面に載って反力をとる掛止
めピン11が、左右に並列な2個の反力プレート9,9
に対して垂直な配置で対向するように2個設けられ、各
々の掛止めピン11を出入り駆動する荷重盛替え用ジャ
ッキ10も2基設置されている。更に、反力プレート9
の上面に載った掛止めピン11の位置を固定するロック
用ジャッキ21が、掛止めピン11の出入り方向に対し
て垂直な向きに設置されている。上部フレーム2の掛止
めピン11及び同ピンの支持部分並びに荷重盛替え用ジ
ャッキ10は、上部フレーム2に対し剛に固定した構造
になっている。その理由は上部フレーム2自体が昇降用
ジャッキ4の上端側とピン19で連結されて、適度な傾
動自在性を有し、左右に並列な2個の反力プレート9,
9に取付け誤差があっても荷重伝達の均等化を保ち易
く、偏荷重が発生する心配はないからである。もっと
も、前記掛止めピン11は、図5に示したように回転の
自由がある丸軸の先端部に、反力プレート9の上面に全
面一様な面接触で載る平面部11aを形成した構成であ
る。従って、反力プレート9と掛止めピン11の関係に
おいても、片当りによる偏荷重発生の心配はない。
【0016】上述した上部フレーム2の上下面に設置し
たガイドローラ7,7の上下方向の間隔H(図8Aを参
照、通常Hは570mm〜800mmぐらい)は、必ず昇降
用ジャッキ4の有効ストローク(通常1500mmぐら
い)以内の大きさとされている。柱絞り部18の高さ寸
法Lは通常850mmぐらいとされている(図8A参
照)。前記柱絞り部18の斜面には、前記ガイドローラ
7が通過する部位に同柱絞り部18の斜面を解消する直
角三角形状のガイドブロック17が取付けられている。
従って、上部フレーム2における上下のガイドローラ
7,7は、昇降用ジャッキ4の1回の有効ストローク動
作で柱絞り部18を一気に通過し去り、同ガイドローラ
7を上位の小断面の角柱の面に当接させる調整操作(盛
替え)は1回で済ませることができ至便である。
【0017】次に、昇降用ジャッキ4の下端側を連結し
た駆動階1の特にさや管部分の上面には、掛止めピン及
び荷重盛替え用ジャッキのジャッキ台16の中心部が、
前後2ケ所のピンヒンジ機構22によって、図2の左右
方向に若干の傾動自在性を有する天びん吊り構造で、し
かも自立状態は保つように駆動階1に取付けられてい
る。前記天びん吊り構造のジャッキ台16に、左右対象
な配置で、角柱6の1面に固定された左右に並列な2個
の反力プレート9,9に対し垂直な配置で対向する2個
の掛止めピン11,11、及び前記掛止めピンを出入り
駆動させる荷重盛替え用ジャッキ10,10が設置され
ている。従って、左右に並列な2個の反力プレート9,
9に取付け誤差等があって、その上面に載った左右の掛
止めピン11,11に片当り等を発生し荷重伝達に不均
等が生ずる場合には、前記ジャッキ台16の傾動自在性
により片当り状態を解消して荷重伝達の均一性を保つ動
きが発生し、偏荷重が発生するおそれはない。この掛止
めピン11も、図5に示したように回転の自由がある丸
軸の先端部に、反力プレート9の上面に面接触で載る平
面部11aを形成した構成とされている。従って、反力
プレート9と掛止めピン11の関係において片当りによ
る偏荷重を発生するおそれはない。前記ジャッキ台16
上には、前記掛止めピン11の出入り方向に対して垂直
な向きに、掛止めピン11が反力プレート9の上面に載
った状態を固定するロック用ジャッキ21が設置されて
いる。
【0018】前記ジャッキ台16の上面中央部及び駆動
階1(のさや管部分)の上面にも、角柱6の4面を伝い
登るガイドローラ7が、盛替えのための出入り調整が可
能な構造のローラ台20によって設置されている。本実
施例のプッシュアップ装置を使用し、駆動階先行上昇型
建築工法により建物を建築する場合の平面配置図は、例
えば図6に示したように構成される。即ち、1面に反力
プレートを取付けた角柱6は、建物の外柱として、且つ
反力プレートを取付けた1面を梁間方向に内向き(又は
外向き)の対称的配置とする。この場合、角柱6の設計
上の制約条件は、反力プレートを取付けた1面を建物の
下階から最上階まで通すことで足り、建方作業の効率及
び精度の確保が容易である。そして、上述のように平面
的に対称な配置としたプッシュアップ装置が、ガイドロ
ーラ7によって精度良く上昇し、直角2方向(XY)の
一方向への偏荷重による変形を対称に与えることによ
り、必然的に各角柱6の建方精度も高精度に保たれる。
【0019】
【本発明が奏する効果】本発明のプッシュアップ装置
は、大要、下記の効果を奏する。 反力プレート9の取付けは、角柱の6の角部ではな
く、一つの面に対して行うので、同角柱の溶接ビードを
削ったり、反力プレートに溶接ビードを避ける溝を彫る
加工が必要なくなり、反力プレートの取付け単価が安く
なる。しかも、角柱6の角部に溶接熱が集中しないの
で、柱の母材の品質を損なわない。更に、反力プレート
9の取付けは角柱の1面に対してのみの溶接なので溶接
歪は一方向であり、柱全体の溶接歪の矯正も比較的容易
である。そして、設計上の制約条件は角柱の反力プレー
トを取付けた1面だけを下階から最上階まで通せば足
り、実施が容易である。駆動階上昇時の反力は、左右に
並列な2個の反力プレート9,9に均等に荷重をかける
ので、1個の場合に比して安全性が高い。 角柱の1面に反力プレートを取付けた結果、駆動階
上昇時に発生する偏荷重はXYの2方向のみとなる。従
って、荷重の制御が容易であり、駆動階のさや管に対し
ても偏荷重の発生が少ない。ひいてはこのプッシュアッ
プ装置を平面的に対称な配置とすることにより、XYの
一方向へ偏荷重による変形を対称に与え、ガイドローラ
7を配置することにより、精度の良い上昇が可能とな
り、しかも角柱6の建方精度も高く保持される。そし
て、前述したように駆動階のさや管への荷重が偏荷重と
ならないから、さや管部材の剛性を小さくできる。 丸軸の先端部に反力プレート9の上面へ載る平面部
11aを形成した掛止めピン11は、反力プレート9の
上面の水平度に関係なく、全面接触の状態で荷重が伝達
されるように回転を伴ってなじんでゆき偏荷重が発生し
ない。しかも、駆動階1はてんびん吊り構造のジャッキ
台16に設置した掛止めピン11,11により駆動階の
荷重を2個の反力プレート9,9へ均等に伝達するか
ら、曲げモーメントや偏荷重を発生するおそれがない。 上部フレーム2のガイドローラ7の盛替えは昇降用
ジャッキ4の1回のストローク内で行なうことができ、
手間が少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプッシュアップ装置を示した左側面図
である。
【図2】本発明のプッシュアップ装置を示した正面図で
ある。
【図3】図2の3−3線矢視図である。
【図4】図2の4−4線矢視図である。
【図5】反力プレートと掛止めピンを示した斜視図であ
る。
【図6】本発明のプッシュアップ装置を使用した駆動階
先行上昇型建築工法による建築平面図である。
【図7】駆動階のさや管部分を拡大して示した平面図で
ある。
【図8】A,Bは柱絞り部とガイドローラの関係を示し
た正面図と平面図である。
【図9】従来のプッシュアップ装置を示した正面図であ
る。
【図10】従来のプッシュアップ装置を示した平面図で
ある。
【符号の説明】
6 角柱 9 反力プレート 11 掛止めピン 10 荷重盛替え用ジャッキ 4 昇降用ジャッキ 11a 平面部 16 ジャッキ台 22 ピンヒンジ機構 18 柱絞り部 17 ガイドブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 真弘 千葉県印旛郡印西町大塚一丁目5番 株 式会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 河西 正吾 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式 会社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 三井 健 愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号 株式会社竹中工務店名古屋支店内 (72)発明者 橋村 一彦 愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号 株式会社竹中工務店名古屋支店内 (72)発明者 青山 邦男 愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号 株式会社竹中工務店名古屋支店内 (72)発明者 谷口 四郎 愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号 株式会社竹中工務店名古屋支店内 (72)発明者 宮口 幹太 愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号 株式会社竹中工務店名古屋支店内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動階先行上昇型建築工法において駆動階
    を上昇させるプッシュアップ装置であって、 角柱の1面に、左右に並列な配置の2個を一組とする反
    力プレートが上下方向に所定のピッチで固定されている
    こと、 前記角柱の並列な2個の反力プレートに対して垂直な配
    置で各々に対向する掛止めピン、及び同ピンを駆動する
    2基の荷重盛替え用ジャッキが、昇降用ジャッキによっ
    て相対的に駆動される上下のフレーム部に各々一対ずつ
    設置されていること、 前記荷重盛替え用ジャッキの掛止めピンは、丸軸の先端
    部に前記反力プレートの上面に載る平面部を形成した構
    成であること、をそれぞれ特徴とする、駆動階先行上昇
    型建築工法のプッシュアップ装置。
  2. 【請求項2】昇降用ジャッキの下端側を連結した駆動階
    に、ジャッキ台の中心部が左右方向への傾動自在性があ
    るピンヒンジ機構で設置され、前記ジャッキ台の左右に
    対称な配置で、角柱の1面に固定された左右に並列な2
    個の反力プレートに対して垂直な配置で各々に対向する
    掛止めピン及び同ピンを駆動する2基の荷重盛替え用ジ
    ャッキが設置されていることを特徴とする、請求項1に
    記載した駆動階先行上昇型建築工法のプッシュアップ装
    置。
  3. 【請求項3】角柱の断面が大小に変化する柱絞り部の斜
    面の少なくともガイドローラが通過する位置に、前記斜
    面を解消する直角三角形状のガイドブロックが取付けら
    れ、昇降用ジャッキの上端側を連結した上部フレームに
    おける上下のガイドローラの間隔は前記昇降用ジャッキ
    の有効ストローク以内の大きさとされていることを特徴
    とする、請求項1に記載した駆動階先行上昇型建築工法
    のプッシュアップ装置。
  4. 【請求項4】角柱は反力プレートが固定された面を梁間
    方向に対称な内向き面として建てられていることを特徴
    とする、請求項1に記載した駆動階先行上昇型建築工法
    のプッシュアップ装置。
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