JP3146158U - 放熱モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 放熱効果が著しく向上すると共に、管内部の毛細管構造損傷を回避できる放熱モジュールを提供する。
【解決手段】 放熱モジュール200は、互いに分離する2つのケース202,204および多孔質構造210により構成される。2つのケース202,204はU字形構造体であり、互いに対応し接合することで密閉ケース212を成す。多孔質構造210は、密閉ケース212の内壁に形成される。
【選択図】 図2

Description

本考案は、放熱モジュールに関し、特に、迅速に放熱が行え、高放熱性能の高い放熱モジュールに関する。
電子部品の精密化が進む中、これに伴ってその熱量も大きくなっており、自然なあるいは強制的な対流によって熱を環境中に放出させるという手段ではすでに対処しきれなくなっている。電子部品の放熱を一層効果的とするために現在実施されている方法としては、熱源部分の熱を放熱装置により外部へ導いてやる、つまり、放熱装置のフィンを介し、自然なあるいは強制的な対流によって熱を環境中に放出するというものが大多数である。
ところが、ファンを備えてなる既存の放熱装置には、依然解決が図られていない問題がある。それは例えば、フィン表面と放熱装置を流れる空気との温度差は僅か摂氏5〜10℃しかなく温度勾配が不十分であるといった問題、放熱装置自身の材料および構造に起因する熱抵抗の問題、従来型の放熱装置はフィン効率が最高でも70%以下にしかならないといった問題などである。これら諸問題は、既存の放熱装置の放熱量増加を阻む要因となっており、このようでは、発熱量の比較的高い電子部品の十分な放熱は実現され得ない。
こうした問題に対処すべく、図1に示すような放熱モジュール100が提案されるに至った。この放熱モジュール100は、湾曲したヒートパイプ102、および放熱フィン104,106により構成され、ヒートパイプ102の内壁には毛細管構造が形成されている。このような構成の放熱モジュール100によれば、熱は主にヒートパイプ102を介して熱源からフィン104,106へ伝えられ、さらに対流によって放出されることになる。
ところで、このヒートパイプ102は、丸管の内壁面に焼結により毛細管構造を形成してから、丸管の両端を封止し、この封止した丸管を弓状に曲げることで作製されている。しかし曲げ加工の過程において、パイプ湾曲部分に位置する、焼結で形成された毛細管構造は、構造的に損壊してしまうため、かかる毛細管構造の湾曲部分には毛細管力が無くなり、ヒートパイプの放熱効果が低下してしまう。
また、ヒートパイプと熱源とは、線接触で接しているだけである上に、熱抵抗の比較的高いはんだ層を介して接合されているので、ヒートパイプの熱伝導能力が大幅に弱まって期待通りの放熱効果が得られず、甚だしくはその放熱効果が、放熱フィンのみを備える従来型の放熱装置にも及ばない。
さらに、ヒートパイプの熱源と接触する部分は、熱源の形式に対応するよう加工される必要があることから、ヒートパイプの管壁には、加工が可能な程度に一定の厚みがなければならない。よって、ヒートパイプ全体に使用される材料コストの更なる引き下げは図られず、また、重量も減らすことができない。
上述した問題を解決するため、本考案の目的は、放熱効果が著しく向上した放熱モジュールを提供することにある。
また、本考案は、管内部の毛細管構造損傷を回避できる放熱モジュールを提供することをも目的とする。
さらに、本考案の目的は、材料コストの大幅な引き下げおよび重量の減少を実現できる放熱モジュールを提供することにもある。
すなわち、本考案は、第1のケースと、その形状が前記第1のケースに対応しており、前記第1のケースと対応し接合することで密閉ケースを形成させる第2のケースと、前記密閉ケースの内壁に形成される少なくとも1つの多孔質構造と、からなり、前記第1のケースおよび前記第2のケースは、U字形のケース、熱源に応じた形式の吸熱領域と渦巻き形本体とを有するケース、および多角形のケースからなる群より選ばれた一種である、放熱モジュールに関する。
前記多孔質構造内には液体が含まれていることが好ましい。前記第1のケースは、互いに分離する本体およびベースを備えていることが好ましい。
前記本体の前記ベースと接触する部分には、前記本体を貫通する開口が設けられていることが好ましい。前記密閉ケースと外接する少なくとも1つの熱伝導構造をさらに備えていることが好ましい。
本考案に係る放熱モジュールは、ケースとケース内壁に設けられる多孔質構造とを、事前に成形する方式を採用して作製されるため、ケースに二次加工を施す必要がなくなって、多孔質構造の損傷を回避できるという効果が奏される。
本考案の一態様によれば、放熱モジュールのケースは、熱源の形式に応じた吸熱部を備えているので、放熱モジュールと熱源との接触面積を大幅に増加させることができ、ひいては、放熱モジュールの熱伝導率が著しく向上する。
本考案の一態様によれば、放熱モジュールは、ケース本体から分離可能なベースが熱源と接触し、かつ、ベースと本体との接合部位が、放熱効果に影響の出ないベース端縁部に位置するよう構成されているため、放熱モジュールからはんだ層が省かれて、熱源との接合がより緊密となる。
本考案の一態様によれば、放熱モジュールのケースは、2つまたは2つ以上のケースを対応させ接合してなるため、各ケースの厚さを、実際のニーズに応じて小さくすることが可能となる。
本考案の一態様によれば、放熱モジュールは、ケース本体から分離可能なベースが熱源と接触する構成であるため、ベースのみに十分な厚さがあればよく、本体の厚さは極めて薄く作ることができ、材料コストの大幅な引き下げが図られると共に、減量化が達成される。
本考案が提供する放熱モジュールは、相互に分離している2つのケース、および多孔質構造からなるものである。これら2つのケースはU字形構造体を成し、互いに対応しあって接合し、密閉ケースを構成する。多孔質構造は、この密閉ケースの内壁に設けられる。
前記放熱モジュールのケースは、熱源の形式に対応した吸熱領域、および渦巻き形本体を備えてなるケース、または多角形のケースであってもよい。さらに、前記ケースは、互いに分離しているか、または一体成形されている本体とベースとを有してなるものとしてもよい。これら本体とベースとの接触部位には、本体を貫通する開口を設けることができる。また、前記ケースは、ベースから延伸する部分の幅が次第に窄まるような構成とすることもできる。
多孔質構造内には液体が含まれていてもよく、この液体は、無機化合物、水、アルコール類、液体金属、ケトン類、冷媒または有機化合物であり得る。多孔質構造の材質としては、プラスチック、金属、合金または多孔質の非金属材料などが挙げられる。多孔質構造はウィックからなり、具体的には、メッシュ状、繊維状、焼結により形成されたものまたは溝状のものとすることができる。多孔質構造を密閉ケースへ固着する方式は、焼結、粘着、充填または堆積などがある。
また、前記放熱モジュールは、密閉ケースに外接される、少なくとも1つの熱伝導構造を備えていてもよい。この熱伝導構造は、フィンまたは熱伝導シートであり得る。熱伝導構造と密閉ケースとは、溶接、締結、嵌合、係合または粘着などの方式で接合させることができる。
前記ケースは、熱源の形状に対応した吸熱部を備えていてもよい。
以下、本考案の上述およびその他の目的、特徴および長所がより明確に理解されるように、好ましい実施例を挙げ、図面と対応させながら、詳細に説明する。
図2に示すのは、本考案実施例1による放熱モジュール200の説明図である。図2に示されるように、放熱モジュール200は、熱伝導構造210、およびケース202,204から構成されている。
ケース202,204は、互いに独立していると共に、対応しあって接合する構造体である。ケース202,204の形状は、必要に応じた変更が可能であり、例えば、U字形構造体、または熱源の形状に対応する形状の構造体とすることができる。ケース202,204の内壁には、多孔質構造206,208がそれぞれ形成されており、ケース202,204が接合されて密閉ケース212を成すと、この密閉ケース212内部に蒸気室214が形成されることとなる。ケース202,204同士の接合方式は、互いを緊合に接合させ得る方式であればよく、例えば、溶接、締結、嵌合、係合または粘着などが挙げられる。また、ケース202,204の材質は、例えば金属である。
多孔質構造206,208は、密閉ケース212内に密封された状態で形成され、多孔質構造206,208内には、伝熱に用いられる液体が含まれていてもよく、この液体としては例えば、無機化合物、水、アルコール類、水銀などの液体金属、ケトン類、HFC−134aなどの冷媒、またはその他の有機化合物が挙げられる。液体の沸騰温度は、蒸気室214内の圧力を通して制御を行うことが可能である。多孔質構造206,208は、例えば、メッシュ状、繊維状、焼結により形成された多孔質体および/または溝状などのウィックである。多孔質構造206,208を密閉ケース212に固着させる方式としては、焼結、粘着、充填および/または堆積などの方法が挙げられる。また、多孔質構造206,208の材質としては、プラスチック、銅、アルミニウムもしくは鉄などの金属/合金、または多孔質の非金属材料が挙げられる。
なお、密閉ケース212内には、ケース202,204の両方に多孔質構造206,208が形成されていてもよいし、またはケース202のみに多孔質構造206が形成されているか、もしくはケース204のみに多孔質構造208が形成されていてもよい。
熱伝導構造210は、ケース212の両側端部に配置されて、ケース212内で吸収された熱をケース212から外部へ導くのに用いられる。この熱伝導構造210は、例えばフィンまたは熱伝導シートなどである。熱伝導構造210をケース212と接合させる方式には、例えば溶接、締結、嵌合、係合または粘着などがある。また、熱伝導構造210は、実際の使用上の必要に応じて、ケース212の側縁部に取り付けられるか、または、ケース212を取り囲むような配置で取り付けられてもよい。
本実施例においては、先ずケース202,204を所望の形状に成形してから、多孔質構造206,208をケース202,204の内壁面に形成する。このようにすると、成形後に多孔質構造206,208が外力の作用を受けても変形や損壊は生じず、多孔質構造206,208に良好な毛細管力を維持させることができるので、放熱時により優れた放熱効果が得られる。
また、ケース202,204は、図3Aおよび図3Bに示すごとくのケース300への変更も可能である。このケース300は、本体302およびベース304から構成されるものであって、ベース304を介して熱源306と接触する。本体302の、ベース304と接触する部分には、本体302を貫通する開口308が形成されている。ベース304は、熱源306と緊密に接合するよう、熱源308の形式に応じた形式にすることができる。本体302とベース304との接合方法は、両者を相互に緊合させ得る方法であればよく、例えば、溶接、締結、嵌合、係合、粘着または一体成形が挙げられる。
これらベース304と本体302とは相互に分離可能であるため、ベース304と本体302とを異なる厚さとすることができる。このような構成によると、後続の加工を容易にするべく、ベース304の厚さは公知の放熱装置ケースの厚さと同じとし、一方、ケース300の重量および材料コストを減少させる目的で、本体302の厚さはより薄型化させることができる。
さらに、ベース304と本体302との接合部位がベース304の端縁部にくるようにしているので、ベース304と本体302との接合部位が放熱モジュールの放熱効果に影響を及ぼすことはない。
なお、上述では、放熱モジュールのケースを略U字形構造体とした例を説明したが、ケースの形態はこれに限られることはなく、図4に示すような、熱源の形式に対応した吸熱領域404を有すると共に、その本体が渦巻き形本体402であるケース400とすることもできるし、多角形のケース、または不規則な形状のケースとしてもよい。
図5に示すのは、本考案実施例2による放熱モジュール500の説明図である。実施例2が実施例1と相違するのは、上方から観察したときのケース502両側端部の横断面方向と吸熱部の横段面方向とを互いに垂直となるよう配置し、熱伝導構造504を、ケース502両側端部の周りをそれぞれ取り囲むように設け、かつ、ケース502両側端部の間に、放熱モジュール500の対流効果を高めるためのファン506を備えた点である。本実施例によれば、ファンにより空気流誘導効果が強化されるので、放熱モジュール500の放熱効果は、放熱モジュール200よりも優れたものとなる。
図6に示すのは、本考案実施例3による放熱モジュール600の説明図である。実施例3が実施例1と相違するのは、ケース602の、吸熱部から外に向かって延伸する部分の幅が次第に狭まるよう構成し、かつ、かかるケース602の幅が比較的狭い部分に熱伝導構造604を設けた点である。本実施例によれば、ケース602の幅が次第に狭くなる部分があるために、ケース602の材料コスト、重量および体積のより一層の減少が図られる。
以上、好適な実施形態を用いて本考案を説明したが、本考案はこれら実施形態に限定されることはなく、本考案の精神と範囲を脱しない限りにおいて、当業者は各種変更および修飾を加えることができる。すなわち、本考案の保護範囲は、添付の特許請求の範囲で定義された範囲が基準となる。
公知の放熱モジュールを示す説明図である。 本考案の実施例1による放熱モジュールの説明図である。 本考案に係る放熱モジュールのケースの一態様を示す説明図である。 図3Aの立体図である。 本考案に係る放熱モジュールのケースの別な態様を示す説明図である。 本考案実施例2による放熱モジュールの説明図である。 本考案実施例3による放熱モジュールの説明図である。
符号の説明
200、500、600 放熱モジュール
202,204,212、300、400、502、602 ケース
206,208 多孔質構造
210、504、604 熱伝導構造
214 蒸気室
302、402 本体
304 ベース
306 熱源
308 開口
404 吸熱領域
506 ファン

Claims (9)

  1. 第1のケースと、
    その形状が前記第1のケースに対応しており、前記第1のケースと対応し接合することで密閉ケースを形成させる第2のケースと、
    前記密閉ケースの内壁に形成される少なくとも1つの多孔質構造とからなり
    前記第1のケースおよび前記第2のケースは、U字形のケースであり、
    前記のU字形のケースは、前記第1のケースおよび前記第2のケースをU字形に成形し、そして、前記多孔質構造を前記の成形された第1のケースおよび第2のケースの内壁面に形成してなる放熱モジュール。
  2. 前記多孔質構造内には液体が含まれている、請求項1記載の放熱モジュール。
  3. 前記第1のケースは、互いに分離する本体およびベースを備えている、請求項1記載の放熱モジュール。
  4. 前記本体の前記ベースと接触する部分には、前記本体を貫通する開口が設けられている、請求項3記載の放熱モジュール。
  5. 前記本体に設けてあり、前記本体を貫通する開口に対応しているファンを更に備えている、請求項4記載の放熱モジュール。
  6. 前記密閉ケースと外接する少なくとも1つの熱伝導構造を更に備えている請求項1記載の放熱モジュール。
  7. 前記U字形のケースの両端にそれぞれ複数のフィンが取り付けてあり、2組の複数フィンを形成し、且つ、隣り合う二つのフィンが互いに平行である請求項1記載の放熱モジュール。
  8. 前記2組の複数フィンの間に設けられたファンを更に備えている請求項7記載の放熱モジュール。
  9. 第1のケースと、
    その形状が前記第1のケースに対応しており、前記第1のケースと対応し接合することで密閉ケースを形成させる第2のケースと、
    前記密閉ケースの内壁に形成される少なくとも1つの多孔質構造とからなり、
    前記第1のケースおよび前記第2のケースは、熱源に応じた形式の吸熱領域と渦巻き形本体とを有するケースであり、
    前記の渦巻き形のケースは、前記第1のケースおよび前記第2のケースを渦巻き形に成形し、そして、前記多孔質構造を前記の成形された第1のケースおよび第2のケースの内壁面に形成してなる放熱モジュール。
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