JP2006284020A - ヒートパイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】 コンテナを薄型扁平状に形成しても、機能が損なわれないヒートパイプを提供する。
【解決手段】 コンテナ2内に作動媒体である純水を入れるヒートパイプ1において、ウイック6を形成した第1の領域21と、ウイック6の存在しない第2の領域22とをコンテナ2の扁平部11の内壁に混在させる。こうすると、扁平部11において、コンテナ2の内壁にウイック6の存在しない第2の領域22が部分的に設けられているので、ヒートパイプ1の加熱部13側で発生したコンテナ2内の蒸気は、ウイック6の存在しない領域によって、扁平部11においてもある程度の開口面積を確保された流路23を通って、冷却部14へと円滑に移動することができる。
【選択図】 図6
【解決手段】 コンテナ2内に作動媒体である純水を入れるヒートパイプ1において、ウイック6を形成した第1の領域21と、ウイック6の存在しない第2の領域22とをコンテナ2の扁平部11の内壁に混在させる。こうすると、扁平部11において、コンテナ2の内壁にウイック6の存在しない第2の領域22が部分的に設けられているので、ヒートパイプ1の加熱部13側で発生したコンテナ2内の蒸気は、ウイック6の存在しない領域によって、扁平部11においてもある程度の開口面積を確保された流路23を通って、冷却部14へと円滑に移動することができる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、例えばパーソナルコンピュータ(パソコン)内に搭載されるCPUなどの熱源の冷却に好適な、小形でありながら熱輸送量の大きなヒートパイプに関する。
従来、この種のヒートパイプは、密閉したコンテナ内に純水などの凝縮性流体を作動媒体として封入したものであり、当該作動媒体の蒸発潜熱を利用して熱の輸送が行なわれる。こうしたヒートパイプは、例えばノート型パソコンなどの熱源を有する電子機器内に配置されるが、パソコンの小型化を図るために、可能な限り小さなものが求められている。
例えば特許文献1では、ワイヤメッシュ若しくはコンテナの内面に形成した溝部からなるウィックを、作動媒体を封入したコンテナの内部に設け、外部からの熱により加熱部周辺の作動媒体が蒸発すると、その蒸気が低温・低圧の冷却部に流動した後に放熱して凝縮すると共に、加熱部にある作動媒体が蒸発して減少する際に発生する毛細管力を、前記コンテナ内に設けたウィックにより高めることで、冷却部に溜まる作動媒体を加熱部へ効率よく運ぶようにしている。
また本願出願人は、コンテナの一部または全体に加工を施した扁平部を形成することで、電子機器の薄型化に対応させたヒートパイプを先に提案している(特願2004−73878号)。これは図12および図13に示すように、ヒートパイプ1の本体部となる中空筒状のコンテナ2に、作動媒体としての純水(図示せず)を密封収容して構成され、コンテナ2の両端には例えばTig溶接などの適宜手段により密封部2A,2Bが形成される。また11は、円筒状になっているコンテナ2の一部若しくは全体に形成される扁平部で、その表面は概ね略平面状を有している。こうした扁平状のヒートパイプ1は、熱源であるCPUからの熱をファンなどの冷却装置に運ぶために、薄型の電子機器である例えばノート型パソコンの内部に突出することなく配設される。
図13の断面図に示すように、コンテナ2の内壁面には、ヒートパイプ1の軸方向に沿って多数のフィン4が突出して設けられると共に、フィン4間にはコンテナ2内にある純水を毛細管現象により流動させるための溝5が設けられ、これらのフィン4と溝5によるグルーブ型のウイック6をコンテナ2の内面に形成して、溝5内に純水を満たしている。また、ウィック6に囲まれたコンテナ2内の中空部は、蒸気の流路7として形成される。
そして、CPUの熱がヒートパイプ1の一端部である加熱部13に伝わると、加熱部13周辺におけるコンテナ2の内壁部が温度上昇し、そこにある純水が蒸発して潜熱が奪われることにより、CPUが冷却される。一方、前記加熱部13に位置するウイック6では、純水から発生した蒸気がコンテナ2内部の圧力差により温度の低い箇所に移動して凝縮する。その際、凝縮潜熱を放出しつつ、熱がヒートパイプ1の一端側にある加熱部13から、ファンなどにより冷却される他端側の冷却部14へと運ばれる。そして、加熱部13は蒸発に伴い純水が減少する一方で、冷却部14は蒸気の凝縮により純水が増加するため、グルーブ型のウィック6に毛細管力が発生し、純水が溝5に沿って冷却部14から加熱部13へと運ばれることになる。
特許第3408033号公報
上述した扁平部を形成したヒートパイプは、薄型化された電子機器内にヒートパイプ1を上手く収容することができるが、ヒートパイプ1として機能する厚さには限界があり、コンテナ2を過度に薄型扁平状に形成すると、コンテナ2内の流路7の開口面積が極端に小さくなる。その結果、冷却部14に凝縮した作動液である純水が充満して加熱部13の蒸気が冷却部14に達せず、ヒートパイプ1としての機能が著しく低下するという問題を有していた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、コンテナを薄型扁平状に形成しても、機能が損なわれないヒートパイプを提供することをその目的とする。
請求項1の発明では、コンテナの内壁にウイックの存在しない領域が部分的に設けられているので、ヒートパイプの加熱部側で発生したコンテナ内の蒸気は、ウイックの存在しない領域によって、扁平部においてもある程度の開口面積を確保された流路を通って、冷却部へと円滑に移動することができる。その結果、薄型扁平状に形成したコンテナの利点をそのまま活かしつつも、ヒートパイプとしての機能を損なわずに、熱を加熱部から冷却部に運ぶことが可能になる。
請求項2の発明では、コンテナをどの方向から扁平状に曲げ潰しても、扁平部における内壁の短径方向両側には、ウイックの存在しない領域が確保される。そのため、扁平部を形成する方向に拘らず、コンテナ内において十分な蒸気の流路が形成され、ヒートパイプのさらなる薄型化が可能になる。
請求項3の発明では、内壁の対向部以外の部分に、ウイックを設けた内壁の対向部を除く全ての部分で、ウイックの存在しない領域が配置され、このウイックの存在しない領域によって、十分な蒸気の流路が確保される。そのためヒートパイプのさらなる薄型化が可能になる。
請求項4の発明では、コンテナの内部において、ウィックにより作動媒体が流れる流路と、ウイックの存在しない領域で囲まれた蒸気の流路が明確に分離される。そのため、コンテナ内における蒸気の流路が確保されやすく、ヒートパイプのさらなる薄型化が可能になる。
本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1の発明では、コンテナを薄型扁平状に形成しても、機能が損なわれないヒートパイプを提供できる。
請求項2の発明では、扁平部を形成する方向に拘らず、コンテナ内において十分な蒸気の流路が形成され、ヒートパイプのさらなる薄型化が可能になる。
請求項3の発明では、ウイックの存在しない領域に囲まれるようにして、十分な蒸気の流路が確保され、ヒートパイプのさらなる薄型化が可能になる。
請求項4の発明では、作動流体と蒸気の各流路が明確に分離され、コンテナ内における蒸気の流路が確保されやすく、ヒートパイプのさらなる薄型化が可能になる。
以下、本発明に係るヒートパイプについて、添付図面を参照しながらその好ましい実施形態を説明する。なお、前述の背景技術で示した図12や図13と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は極力省略する。
図1〜図6は本発明の第1実施例を示すもので、ヒートパイプ1の本体部となる中空円筒状のコンテナ2は、その素材が好ましくは熱伝導性の高い銅若しくは銅合金などの金属製パイプ材から形成される。また、図1に示す曲げ加工前の状態では、コンテナ2は全体が直線状をなしていて、端部を除いて外径および肉厚が軸方向の全長に亘り一定に形成される。さらにこのコンテナ2の両端は、例えばTig溶接などの適宜手段による封止部2A,2Bが形成され、コンテナ2の内部を真空状態に密閉している。
ところで、ノート型パソコンのような薄型電子機器にヒートパイプ1を設置する場合は、薄型電子機器内の設置スペースが限られているため、図2や図3に示すように、コンテナ2の適所には必要に応じて折曲げ部9が形成されると共に、コンテナ2の一部若しくは全体には潰し加工を施した扁平部11が形成される。この扁平部11を形成したコンテナ2の表面は概ね略平面状になっている。
ここで、コンテナ2を扁平状に加工する前と、加工した後の断面図を図5および図6にそれぞれ示すと、コンテナ2の内壁面には、その軸方向に沿って多数のフィン4が突出して設けられると共に、フィン4間にはコンテナ2に密封収容された作動媒体としての純水(図示せず)を毛細管現象により流動させるための溝5が形成される。即ち、コンテナ2の内壁にフィン4と溝5とによるグルーブ型のウィック6が形成され、溝5内に純水を満たしている。また本実施例では、コンテナ2の内壁において、ウイック6を形成した第1の領域21と、ウイック6の存在しない第2の領域22が混在している。図6に示す扁平後の状態では、扁平部11を形成したコンテナ2の周方向断面において、当該コンテナ2の短径方向(扁平状に押し潰された方向)の内壁両側に、ウイック6を形成した第1の領域21がそれぞれ対向して設けられると共に、これらの第1の領域21の各端部から延びる内壁のU字状部分に、ウイック6の存在しない第2の領域22が設けられる。第1の領域21と第2の領域22をコンテナ2の内壁のどの部位に設けるのかは任意であるが、少なくとも扁平部11を形成した後も、蒸気の流通を確保し得る中空の流路23がコンテナ2内に形成されるように、第2の領域22をコンテナ2の内壁に設けることが好ましい。
また好ましくは、ウイック6の存在しない第2の領域22を、ウイック6の存在する第1の領域21よりも大きく形成する。即ち、扁平部11を形成したコンテナ2の周方向断面において、第2の領域22がコンテナ2の内壁全体の半分以上を占有していれば、どの方向からコンテナ2を曲げ潰して扁平部11を形成しても、コンテナ2の内壁の向かい合う両側には、ウイック6の存在しない第2の領域22が対向して配置される。したがって、扁平部11を形成する方向に関係なく、コンテナ2内において十分な蒸気の流路23を形成できる。
ここでは便宜上、CPUなどの熱源から熱を受け取る加熱部13が、ヒートパイプ1の一端部に形成され、図示しないファンなどにより冷却される放熱部としての冷却部14が、ヒートパイプ1の他端部に形成される。そして、この加熱部13および冷却部14に位置して、ヒートパイプ1の一端部および他端部には、略平面状の上側および下側を有する扁平部11が形成される。ヒートパイプ1のどの位置に加熱部13および冷却部14を形成するのかは、特に限定しない。
前記扁平部11は、ヒートパイプ1を装着する薄型電子機器内の収容スペースに対応して、コンテナ2の一部または全部に形成されるが、図4に示すように、CPU32からの熱を受ける受熱部材としての平板状の受熱プレート31や、放熱部材である矩形状の放熱フィン33との接触面積を最大に確保し、かつお互いの熱接続を強固なものとするためにも、上述の扁平部11が設けられる。こうした扁平部11は、ヒートパイプ1の周辺状況に応じて設けられるものであり、本実施例では受熱プレート31を熱接続する加熱部13や、放熱フィン33を接続する放熱部14に位置して、それぞれコンテナ2に部分的に設けられる。図4では、加熱部13に形成した略平面状をなす扁平部11の下面側に受熱プレート31が密着接続されると共に、送風装置(図示せず)からの風が通過する放熱フィン33が、冷却部14に形成した扁平部11の上面側に密着接続される。なお、こうした受熱プレート31や放熱フィン33を、送風装置の一部として構成してもよい。
次に、上記構成についてその作用を説明すると、ノート型パソコンの使用時に、CPU32の熱が受熱プレート31からヒートパイプ1の一端部である加熱部13に伝わると、加熱部13周辺におけるコンテナ2の内壁部が温度上昇し、そこにある純水が蒸発して蒸発潜熱が奪われることにより、ノート型パソコンの内部で作動するCPU32が冷却される。一方、前記加熱部13に位置するウィック6において、純水から蒸発した蒸気は、コンテナ2内部の圧力差により温度の低い箇所に移動して凝縮する。その際、凝縮潜熱を放出しつつ、熱がヒートパイプ1の一端側にある加熱部13から、放熱フィン33などにより冷却されるヒートパイプ1の他端側の冷却部14に運ばれる。この冷却部14から放熱フィン33に達した熱は、送風装置からの風によってノート型パソコンの外部へと放出される。また、加熱部13は蒸発に伴い純水が減少する一方で、冷却部14は蒸気の凝縮により純水が増加するため、グルーブ型のウィック6に毛細管力が発生し、純水が溝5に沿って冷却部14から加熱部13へと戻される。
この一連の冷却サイクルにおいて、受熱プレート31とコンテナ2,およびコンテナ2と放熱フィン33との接触面積を最大にし、且つお互いの熱接続を強固なものとするために、コンテナ2の加熱部13および冷却部14には潰し加工による扁平部11が形成される。しかし、近年はヒートパイプ1を収容するノート型パソコンの小型化が進み、ヒートパイプ1の扁平高さは1〜2mmが望まれるようになっている。そのため図13に示すように、コンテナ2の内面全体にわたってウィック6を設けていると、扁平部11を形成した後でコンテナ2内に十分な蒸気の流路7を確保できなくなり、結果的にヒートパイプ1としての機能を発揮できなくなる。
こうした問題を回避するために、本実施例では扁平部11を形成した後でも十分な蒸気の流路23を確保できるように、予めウイック6を形成した第1の領域21の他に、コンテナ2の内壁にウイック6の存在しない第2の領域22を設けている。こうすれば、コンテナ2の一部または全体に曲げ潰し加工を施して扁平部11を形成しても、コンテナ2内において加熱部13で発生した蒸気は、ウイック6の存在しない第2の領域22により形成された流路23を通って、冷却部14へと円滑に移動することができる。その結果、モバイル型パソコンやノート型パソコンなどの寸法上制約のある狭い空間内にヒートパイプ1を設置した場合でも、ヒートパイプ1はその機能を損なうことなく、加熱部13から冷却部14へと熱を運ぶことが可能になる。
以上のように本実施例では、コンテナ2内に作動媒体である純水を入れてなるヒートパイプ1において、ウイック6を形成した第1の領域21と、ウイック6の存在しない第2の領域22とをコンテナ2の扁平部11の内壁に混在させている。こうすると、扁平部11においてコンテナ2の内壁にウイック6の存在しない第2の領域22が部分的に設けられているので、ヒートパイプ1の加熱部13側で発生したコンテナ2内の蒸気は、ウイック6の存在しない領域によって、扁平部11においてもある程度の開口面積を確保された流路23を通って、冷却部14へと円滑に移動することができる。その結果、薄型扁平状に形成したコンテナ2の利点をそのまま活かしつつも、ヒートパイプ1としての機能を損なわずに、熱を加熱部13から冷却部14へと運ぶことが可能になる。
またこの場合は、ウイック6の存在しない第2の領域22が、ウイック6を形成した第1の領域21よりも大きな面積を占有することが好ましい。即ち、コンテナ2をどの方向から扁平状に曲げ潰しても、扁平部11における内壁の短径方向両側には、ウイック6の存在しない第2の領域22が確保される。そのため、扁平部11を形成する方向に拘らず、コンテナ2内において十分な蒸気の流路23が形成され、ヒートパイプ1のさらなる薄型化が可能になる。
さらに図6に示す例では、コンテナ2の内壁の対向する部位(対向部)に、ウイック6の存在する第1の領域21をそれぞれ配置させている。こうすれば、ウイック6を設けた内壁の対向部を除く全ての部分で、ウイック6の存在しない第2の領域22が配置され、このウイックの存在しない領域によって、十分な蒸気の流路が確保される。そのためヒートパイプ1のさらなる薄型化が可能になる。また、この場合の第2の領域22は、扁平状に潰されていない内壁のU字状の部位に設けられていることから、コンテナ2をある程度曲げ潰して扁平部11を形成しても、この曲げ潰し加工の影響をさほど受けずに、十分な蒸気の通路23を確保できる。
しかも本実施例では、コンテナ2が銅または銅合金からなり、真空状態にあるコンテナ2内に作動媒体として液体たる純水を封入している。こうすると、銅または銅合金からなるコンテナ2によって、当該コンテナ2と熱接続する受熱部材である例えば受熱プレート31や、放熱部材である例えば放熱フィン33との熱伝導性を高めることができると共に、コンテナ2内部を真空にし、かつ作動媒体として液体たる純水を使用することで、放熱部である冷却部14への熱輸送を速やかに行うことが可能になる。
次に、本発明の第2実施例を図7に基づき説明する。なお、以下の各実施例において、第1実施例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は極力省略する。
この実施例では、図5に示す断面形状のヒートパイプ1を、第1実施例とは異なる方向から曲げ潰して扁平部11を形成しており、図7に示す扁平後の状態では、扁平部11を形成したコンテナ2の周方向断面において、当該コンテナ2の短径方向(扁平状に押し潰された方向)の内壁両側に、ウイック6の存在しない第2の領域22がそれぞれ対向して設けられると共に、これらの第1の領域21の各端部から延びる内壁のU字状部分に、ウイック6を形成した第1の領域21が設けられる。
そしてこの場合も、ウイック6を形成した第1の領域21と、ウイック6の存在しない第2の領域22とをコンテナ2の扁平部11の内壁に混在させており、扁平部11においてコンテナ2の内壁にウイック6の存在しない第2の領域22が部分的に設けられているので、ヒートパイプ1の加熱部13側で発生したコンテナ2内の蒸気は、ウイック6の存在しない第2の領域22によって、扁平部11においてもある程度の開口面積を確保された流路23を通って、冷却部14へと円滑に移動することができる。
またこの実施例では、扁平状に潰される内壁の短径方向両側に、ウイック6の存在しない第2の領域22が設けられることから、コンテナ2をある程度曲げ潰した場合でも、コンテナ2の内壁から突出したウイック6が、コンテナ2内の略中央部にある蒸気の流路23を狭めることがなく、十分な蒸気の通路23を確保できる。
図8および図9は、本発明の第3実施例を示すものである。ヒートパイプ1を曲げ潰す前の状態を示す図8において、この実施例では、コンテナ2の軸方向に沿って、内壁の一方の側にウィック6を形成した第1の領域21が配置されると共に、内壁の他方の側にウイック6の存在しない第2の領域22が配置される。そして、図9に示すように、扁平部11を形成したコンテナ2の周方向断面において、コンテナ2の内壁の片側(一側)にウィック6を形成した第1の領域21が配置され、他側にウイック6の存在しない第2の領域22が配置される。なお、この実施例では第1の領域21と第2の領域22が同一の大きさに形成されているが、コンテナ2の内壁の一側にまで第2の領域22を延設してもよいし、逆にコンテナ2の内壁の他側にまで第1の領域21を延設してもよい。
そしてこの実施例でも、ウイック6を形成した第1の領域21と、ウイック6の存在しない第2の領域22とをコンテナ2の扁平部11の内壁に混在させており、扁平部11においてコンテナ2の内壁にウイック6の存在しない第2の領域22が部分的に設けられているので、ヒートパイプ1の加熱部13側で発生したコンテナ2内の蒸気は、ウイック6の存在しない第2の領域22によって、扁平部11においてもある程度の開口面積を確保された流路23を通って、冷却部14へと円滑に移動することができる。
またこの実施例では、コンテナ2の内壁の片側にウイック6を配置させる一方で、コンテナ2の内壁の他側をウイック6の存在しない第2の領域22としているので、コンテナ2の内部において、ウィック6により純水が流れる流路(溝5)と、ウイック6の存在しない第2の領域22で囲まれた蒸気の流路23が明確に分離される。そのため、コンテナ2内における蒸気の流路23が確保されやすく、ヒートパイプ1のさらなる薄型化が可能になる。
図10および図11は、本発明の第4実施例を示すものである。ヒートパイプ1を曲げ潰す前の状態を示す図10において、この実施例では、コンテナ2の内壁において、複数の第1の領域21と複数の第2の領域22が互い違いに配置される。第1の領域21や第2の領域22に関するそれぞれの配置数については、特に限定されない。このような形状を有するコンテナ2を任意の方向から曲げ潰して扁平部11を形成したものが、図11に示す周方向断面である。ここでは、コンテナ2の内壁にウイック6を形成した第1の領域21と、ウイック6の存在しない第2の領域22が設けられており、第2の領域22によって蒸気の流通を確保し得る中空の流路23が、扁平部11を形成した状態でコンテナ2内に設けられている。
つまり、ここでもウイック6を形成した第1の領域21と、ウイック6の存在しない第2の領域22とをコンテナ2の扁平部11の内壁に混在させており、扁平部11においてコンテナ2の内壁にウイック6の存在しない第2の領域22が部分的に設けられているので、ヒートパイプ1の加熱部13側で発生したコンテナ2内の蒸気は、ウイック6の存在しない第2の領域22によって、扁平部11においてもある程度の開口面積を確保された流路23を通って、冷却部14へと円滑に移動することができる。
またこの実施例では、コンテナ2の内壁に複数の第1の領域21と複数の第2の領域22が互い違いに配置しているので、どの方向からコンテナ2を曲げ潰して扁平部11を形成しても、第2の領域22によってコンテナ2内に蒸気の流路23を確実に確保することができる。
なお本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
1 ヒートパイプ
2 コンテナ
6 ウィック
11 扁平部
21 第1の領域(ウイックを形成した領域)
22 第2の領域(ウイックの存在しない領域)
2 コンテナ
6 ウィック
11 扁平部
21 第1の領域(ウイックを形成した領域)
22 第2の領域(ウイックの存在しない領域)
Claims (4)
- コンテナ内に作動媒体を入れるヒートパイプにおいて、前記コンテナの内壁にウイックを形成した領域と、前記ウイックの存在しない領域とを設け、前記コンテナに扁平部を形成したことを特徴とするヒートパイプ。
- 前記ウイックの存在しない領域が、前記ウイックを形成した領域よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ。
- 前記内壁の対向部に前記ウイックを配置させたことを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ。
- 前記内壁の片側に前記ウイックを配置させ、他側を前記ウイックの存在しない領域としたことを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060822 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090706 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091102 |