JP3145860B2 - Da変換器 - Google Patents

Da変換器

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JP3145860B2
JP3145860B2 JP09014894A JP9014894A JP3145860B2 JP 3145860 B2 JP3145860 B2 JP 3145860B2 JP 09014894 A JP09014894 A JP 09014894A JP 9014894 A JP9014894 A JP 9014894A JP 3145860 B2 JP3145860 B2 JP 3145860B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はMOS LSIなどを用
いて形成するのに好適なDA変換器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から知られているDA変換器のひと
つとして、図2に示すようなDA変換器が知られてい
る。本図に示すDA変換器は、第1のデジタル信号を入
力してノイズ成分を高域に移すためのノイズシェーピン
グを施し、第2のデジタル信号を出力するデジタル式ノ
イズシェーバ20(例えば、デジタルΔΣモジュレータ
を用いる)と、第2のデジタル信号に従って第1のアナ
ログ信号(一定値)を入力し、第2のアナログ信号を出
力するアナログフィルタ30から成っている。
【0003】図2に示したDA変換器において、主信号
成分を含む第1のデジタル信号が供給されると、ノイズ
シェーパ20から出力される第2のデジタル信号は、図
3の(A)に示すようなスペクトルを有する。すなわ
ち、図3の(A)に示されているとおり、ノイズシェー
パ20から出力される信号中には、小レベルのトーン成
分が必然的に含まれることが広く知られている。
【0004】また、アナログフィルタ30にあっては、
図3の(B)に破線で示すような伝達特性を有している
ことから、高周波側に多く分布するノイズ(ノイズシェ
ーピング処理によって生じるノイズ)を低減させること
ができる。
【0005】ここで、ノイズシェーパ20の出力信号中
に含まれるトーン成分についてみると、通常そのレベル
は小さな値となるので、音響用のDA変換器に用いる場
合などには、主信号成分に対して十分小さな値となり、
聴感上は問題とならないことが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2に
示した従来のDA変換器において、連続的な無信号入力
が行われた場合には、ノイズシェーパ20から出力され
る第2のデジタル信号は図3の(C)に示すようなスペ
クトルを有する。
【0007】そこで、アナログフィルタ30を通したと
しても、このアナログフィルタ30から出力された第2
のアナログ信号には、図3の(D)に有すように、トー
ン成分のみならず、アナログフィルタ30で除去しきれ
なかった高周波ノイズ成分が目立ってくるという問題が
ある。
【0008】例えば、図2に示したDA変換器を用いて
音響用DA変換器を構成した場合、聴感上、高周波ノイ
ズ成分の存在が感知されるのみならず、上記のトーン成
分が聞こえて来るという問題が生じていた。このよう
に、実用上はこの耳ざわりな音が大きな問題となってい
る。
【0009】よって、本発明の目的は、上述の点に鑑
み、無信号の入力が連続して行われた場合にも、ノイズ
シェーパに起因して生じるトーン成分および高周波ノイ
ズ成分を十分に低減させることができるDA変換器を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、第1のデジタル信号を入力してノイズ
シェーピングされた第2のデジタル信号を出力するノイ
ズシェーパと、前記ノイズシェーパの後段に接続された
アナログフィルタとを備えたDA変換器において、前記
第1のデジタル信号が所定の期間中無信号状態を呈する
とき、該無信号状態を表わす検出信号を出力する無信号
入力検出手段と、前記検出信号の出力に応答して、前記
アナログフィルタに供給される基準アナログ信号の基準
値を変化させるアナログ信号設定手段とを具備したもの
である。
【0011】ここで、前記無信号入力検出手段から前記
検出信号が出力されていない期間中、前記アナログフィ
ルタに供給される前記基準アナログ信号は第1の固定値
を有し、他方、前記検出信号が出力されている期間中、
前記基準信号は前記第1の固定値より小さな第2の固定
値を有することが可能である。あるいは、前記無信号入
力検出手段から前記検出信号が出力された時には、前記
アナログフィルタに供給される前記基準信号は徐々に低
下し、他方、前記検出信号の出力が停止された時には、
前記基準信号は高速にて増大するよう構成することも可
能である。
【0012】さらに加えて、前記ノイズシェーパの前段
に、オーバサンプリングを行うデジタルフィルタを設け
ることもできる。この場合、前記無信号入力検出手段は
前記第1のデジタル信号に替えて、前記デジタルフィル
タに供給されるデジタル信号に基づいて、あるいは、前
記デジタルフィルタ中の所定パスに流れるコードに基づ
いて、前記無信号状態を検出する。
【0013】また、上述の各構成において、前記無信号
状態として、ゼロコードが連続して入力される場合、ま
たは、所定のコードが連続して入力される場合、また
は、予め定められた範囲内のコードがランダムに入力さ
れる場合を規定するのが好適である。ここで、前記基準
アナログ信号の基準値を電圧値、または電流値、または
電荷量で表すのが好適である。
【0014】なお、前記アナログフィルタとして、時間
連続系フィルタ、または、スイッチト・キャパシタ・フ
ィルタを含む時間離散系フィルタを用いることができ
る。
【0015】
【作用】本発明の上記構成によれば、無信号入力検出手
段により無信号状態が検知された場合には、アナログフ
ィルタの基準アナログ信号値を変化させることにより、
無信号状態下でのアナログ出力レベルを低下させ、これ
により、不要なトーン成分および高周波ノイズ成分を実
用上問題が生じない程度まで抑圧することが可能とな
る。
【0016】具体的には、通常のデジタル信号が入力さ
れた場合には、従来と同様のDA変換処理を行い、他
方、無信号入力が所定の期間だけ連続した場合には、ア
ナログフィルタに供給される基準アナログ信号の値を小
さく設定することにより、アナログフィルタからのアナ
ログ信号レベルを低下させる。従って、上記のトーン成
分および高周波ノイズ成分もこれに従って小さくなるた
め、音響用DA変換器として用いた場合にも、聴感上の
煩わしさから解放されることができる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施例による1ビット
型オーバサンプリングDA変換器を示す。本図に示すノ
イズシェーパ20およびアナログフィルタ30は、図2
に示した従来例と同様の動作を行う。従って、本実施例
では、ノイズシェーパ20に第1のデジタル信号を供給
するインターポレーション用デジタルフィルタ10と、
このデジタルフィルタ10に入力されるデジタル信号中
に零(零を表わすコード)入力状態が所定期間続いたと
き無信号検出を表す出力信号を発生する無信号入力検出
回路40と、上記の無信号検出がなされたときにはアナ
ログフィルタ30への基準信号(第1のアナログ信号)
レベルを低下させるアナログ信号設定回路50とを有す
る点に特徴がある。
【0019】図1に示した本実施例のアナログフィルタ
30では、ノイズシェーパ20から出力される1ビット
信号(第2のデジタル信号)が論理“1”のとき第1の
アナログ信号をその出力信号に加算(積算)し、他方、
論理“0”のときには第1のアナログ信号の極性を反転
したうえで、その出力信号に加算(積算)する(詳細
は、図7を用いて後に説明する)。
【0020】図4は、無信号入力検出回路40の詳細な
ブロック構成を示す。図5は、図4の動作を示すタイミ
ング図である。
【0021】図4に示したREG−1〜REG−Mは、
nビットの入力デジタル信号と同じ周波数のクロックに
従って、該入力デジタル信号をラッチするnビット・レ
ジスタである。従って、ラッチされたnビットの入力デ
ジタル信号は後段の各レジスタへ順次連送されていく。
また、各レジスタREG−1〜REG−Mの出力端には
ORゲートOR−1〜OR−Mがそれぞれ接続されてお
り、さらに、これら各ORゲートOR−1〜OR−Mか
らの出力信号は最終的なORゲートOR−Tに入力され
る。そして、このORゲートOR−Tの出力信号は、イ
ンバータINVを介して、無信号入力検出回路40の出
力信号となる。
【0022】以上の構成および図5に示したタイミング
図から明らかなように、少なくともMクロック期間にわ
たって零コード(並列nビットの各ビットが全て
“0”)が検出されたとき、無信号入力検出回路40の
出力は論理“0”から論理“1”に遷移する。
【0023】図6は、図1に示したアナログ信号設定回
路50の一例を示す。本図に示すように、通常のデジタ
ルデータがデジタルフィルタ10に入力されている場合
には、無信号入力検出回路40の出力は論理“0”であ
るので、所定の基準DC電圧VREF が第1のアナログ信
号としてアナログフィルタ30に供給される。他方、M
クロックぶんだけ零コード入力が続いた場合には、無信
号入力検出回路40の出力は論理“1”に遷移するの
で、第1のアナログ信号は接地レベル(零ボルト)に変
化する。
【0024】図7は、図1に示したアナログフィルタ3
0の一例を示す。本図は、スイッチト・キャパシタ・フ
ィルタを用いた1次のローパスフィルタであって、図8
に示す2相のノンオーバーラップ・クロックCK1,C
K2に従って開閉するアナログスイッチ(図中、丸印で
囲んだ1および2)を備えている。なお、ノイズシェー
パ20からの1ビット出力も、これらのクロックに同期
している。
【0025】そして、図7および図8から明らかなよう
に、第2のデジタル信号(ノイズシェーパ20の出力)
の論理レベルもしくはその極性に従って、第1のアナロ
グ信号(アナログ信号設定回路50の出力)が逐次加算
あるいは減算され、これにより第2のアナログ信号が形
成される。
【0026】ただし、連続的な無信号入力状態が検出さ
れた場合、第1のアナログ信号はグランド(GND)レ
ベルあるいは小さな値となるため、第2のアナログ信号
(アナログフィルタ30の出力)は滑らか且つ低レベル
となる。従って、ノイズシェーパ20から発生されるト
ーン成分および高周波ノイズ成分は、図3の(D)に示
すように抑圧されたものとなる。
【0027】図9(A)は、アナログ信号設定回路50
の第2の実施例を示す。本実施例では、無信号状態が検
出されて無信号入力検出回路40の出力が論理“1”に
なると、コンデンサCに電荷が徐々に蓄積されていくた
め、同図(B)に示すように第1のアナログ信号が緩や
かに低下していく。他方、無信号状態の検出がなくなり
無信号入力検出回路40の出力が論理“0”に遷移する
と、エミッタフォロアを構成しているバイポーラ・トラ
ンジスタのエミッタのレベルは直ちに上昇して来る。
【0028】従って、無信号状態が検出された場合に
は、緩やかに上記トーン成分や高周波ノイズ成分が低減
されていくことになり、音響用D/A変換器から出力さ
れる耳ざわりな音を除去することが可能となる。
【0029】図10(A)は、アナログ信号設定回路5
0の第3の実施例を示す。同図(B)は、同図(A)の
動作を示す波形図である。ここに示したアナログ信号設
定回路は、無信号入力検出回路40により無信号状態が
検出されると(その出力が論理レベル“1”に遷移する
と)、段階的に第1のアナログ信号が低下していく。そ
して、無信号状態が検出されなくなり、無信号入力検出
回路40の出力が論理“0”に遷移すると、2段階(図
示の例)のレベル変化により、あるいは直ちに(図示せ
ず)元のレベルV0 に復帰する。
【0030】図11は、アナログ信号処理回路50の第
4の実施例を示す。本図は、第1のアナログ信号として
アナログフィルタ30に一定電流を選択的に供給するた
めの一例を示したものである。すなわち、無信号入力検
出回路40の出力に応じて、2つの電流源CS1,CS
2のいずれか一方をスイッチにより選択するものであ
る。
【0031】図12は、アナログ信号設定回路50の第
5の実施例を示す。本図では、無信号入力検出回路40
の出力に応じて、2つのコンデンサC1 およびC2 のい
ずれか一方を選択し、直流電圧VREF によって充電され
た電荷Q1 (=C1 ・VREF)または電荷Q2 (=C2
・VREF )を第1のアナログ信号として出力するもので
ある。
【0032】なお、これまで説明してきた実施例(図1
〜図12)は、オーバサンプリング型のD/A変換器に
ついて説明してきたが、図1のインターポレーション用
デジタルフィルタ10を除去し、かつ、ノイズシェーパ
20に入力される第1のデジタル信号を同時に無信号入
力検出回路40に供給する構成とすることも可能であ
る。
【0033】また、無信号入力検出回路40は、デジタ
ルフィルタ中の所定のパス(図示せず)に流れるコード
に基づいて、無信号状態を検出することも可能である。
【0034】さらに、無信号状態として、ゼロコードが
連続して入力される場合のみならず、所定のコードが連
続して入力される場合、または、予め定められた範囲内
のコードがランダムに入力される場合を規定することも
可能である。
【0035】なお、アナログフィルタ30として、上述
したスイッチト・キャパシタ・フィルタを含む時間離散
系フィルタを用いるほか、受動素子あるいは能動素子に
より構成した時間系フィルタを用い得ることは勿論であ
る。
【0036】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、無
信号入力検出手段により無信号状態が検知された場合に
は、アナログフィルタの基準アナログ信号値を変化させ
る構成としてあるので、無信号状態下でのアナログ出力
レベルを低下させ、これにより、不要なトーン成分およ
び高周波ノイズ成分を実用上問題が生じない程度まで抑
圧することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したDA変換器の一実施例を示す
ブロック図である。
【図2】従来から知られているDA変換器を示すブロッ
ク図である。
【図3】従来技術および本実施例によるDA変換器の動
作説明図である。
【図4】図1に示した無信号入力検出回路40の詳細な
回路構成図である。
【図5】図4の動作を示す波形図である。
【図6】図1に示したアナログ信号設定回路50の具体
的な構成例を示す図である。
【図7】図1に示したアナログフィルタの詳細な回路構
成図である。
【図8】図7の動作を示す波形図である。
【図9】アナログ信号設定回路50の第2の実施例を示
す図である。
【図10】アナログ信号設定回路50の第3の実施例を
示す図である。
【図11】アナログ信号設定回路50の第4の実施例を
示す図である。
【図12】アナログ信号設定回路50の第5の実施例を
示す図である。
【符号の説明】
10 デジタルフィルタ 20 ノイズシェーパ 30 アナログフィルタ 40 無信号入力検出回路 50 アナログ信号設定回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−69894(JP,A) 特開 平5−244010(JP,A) 特開 平4−189032(JP,A) 特開 平2−20928(JP,A) 特開 平5−276048(JP,A) 特開 平2−65413(JP,A) 特開 平3−62375(JP,A) 特開 平4−189032(JP,A) 特開 平5−55924(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 1/00 - 7/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のデジタル信号を入力してノイズシ
    ェーピングされた第2のデジタル信号を出力するノイズ
    シェーパと、前記ノイズシェーパの後段に接続されたア
    ナログフィルタとを備えたDA変換器において、 前記第1のデジタル信号が所定の期間中無信号状態を呈
    するとき、該無信号状態を表わす検出信号を出力する無
    信号入力検出手段と、 前記検出信号の出力に応答して、前記アナログフィルタ
    に供給される基準アナログ信号の基準値を変化させるア
    ナログ信号設定手段とを具備したことを特徴とするDA
    変換器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記無信号入力検出
    手段から前記検出信号が出力されていない期間中、前記
    アナログフィルタに供給される前記基準アナログ信号は
    第1の固定値を有し、他方、前記検出信号が出力されて
    いる期間中、前記基準信号は前記第1の固定値より小さ
    な第2の固定値を有することを特徴とするDA変換器。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記無信号入力検出
    手段から前記検出信号が出力された時には、前記アナロ
    グフィルタに供給される前記基準信号は徐々に低下し、
    他方、前記検出信号の出力が停止された時には、前記基
    準信号は高速にて増大することを特徴とするDA変換
    器。
  4. 【請求項4】 請求項1において、さらに加えて、前記
    ノイズシェーパの前段に、オーバサンプリングを行うデ
    ジタルフィルタを設けたことを特徴とするDA変換器。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記無信号入力検出
    手段は前記第1のデジタル信号に替えて、前記デジタル
    フィルタに供給されるデジタル信号に基づいて、あるい
    は、前記デジタルフィルタ中の所定パスに流れるコード
    に基づいて、前記無信号状態を検出することを特徴とす
    るDA変換器。
  6. 【請求項6】 請求項1または5において、前記無信号
    状態として、ゼロコードが連続して入力される場合、ま
    たは、所定のコードが連続して入力される場合、また
    は、予め定められた範囲内のコードがランダムに入力さ
    れる場合を規定することを特徴とするDA変換器。
  7. 【請求項7】 請求項1または5において、前記基準ア
    ナログ信号の基準値を電圧値、または電流値、または電
    荷量で表すことを特徴とするDA変換器。
  8. 【請求項8】 請求項1または5において、前記アナロ
    グフィルタとして、時間連続系フィルタ、または、スイ
    ッチト・キャパシタ・フィルタを含む時間離散系フィル
    タを用いることを特徴とするDA変換器。
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