JP3145269B2 - エコーキャンセラ制御方法 - Google Patents
エコーキャンセラ制御方法Info
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- JP3145269B2 JP3145269B2 JP06000595A JP6000595A JP3145269B2 JP 3145269 B2 JP3145269 B2 JP 3145269B2 JP 06000595 A JP06000595 A JP 06000595A JP 6000595 A JP6000595 A JP 6000595A JP 3145269 B2 JP3145269 B2 JP 3145269B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電話回線や電子会議シ
ステム等で発生するエコーの排除機能を持つエコーキャ
ンセラの制御方法に関し、特に、エコーを迅速且つ高精
度に除去できるようにエコーキャンセラの特性を制御す
るものである。
ステム等で発生するエコーの排除機能を持つエコーキャ
ンセラの制御方法に関し、特に、エコーを迅速且つ高精
度に除去できるようにエコーキャンセラの特性を制御す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電話回線の2線式回線と4線式回線との
接続部では、インピーダンス不整合のために受信信号の
一部が送信側に漏れる、いわゆるエコーが発生する。同
様のエコーは電子会議システム等でも発生する。
接続部では、インピーダンス不整合のために受信信号の
一部が送信側に漏れる、いわゆるエコーが発生する。同
様のエコーは電子会議システム等でも発生する。
【0003】電話回線の場合では、図5に示すように、
ディジタル受信信号xj はPCMコーデック2でアナロ
グ信号に変換された後、2線/4線変換回路8を経て電
話器9から音声出力され、一方、電話器9から入力され
たアナログ音声信号は、2線/4線変換回路8を経てP
CMコーデック2に入力し、ディジタル信号に変換され
て送信出力端10から相手方に送信される。このとき、P
CMコーデック2でアナログ変換された受信信号の一部
は、2線/4線変換回路8から送信側に漏れ、PCMコ
ーデック2に再入力し、送信信号に混ざって相手方に送
り返される。
ディジタル受信信号xj はPCMコーデック2でアナロ
グ信号に変換された後、2線/4線変換回路8を経て電
話器9から音声出力され、一方、電話器9から入力され
たアナログ音声信号は、2線/4線変換回路8を経てP
CMコーデック2に入力し、ディジタル信号に変換され
て送信出力端10から相手方に送信される。このとき、P
CMコーデック2でアナログ変換された受信信号の一部
は、2線/4線変換回路8から送信側に漏れ、PCMコ
ーデック2に再入力し、送信信号に混ざって相手方に送
り返される。
【0004】これがエコーであり、このエコーを抑圧す
るために、エコーキャンセラ3が受信入力端1と送信出
力端10との間に配置される。従来のエコーキャンセラ3
は、受信入力端1から入力した受信入力xj を記憶する
シフトレジスタ4と、PCMコーデック2のアナログ出
力からアナログ入力に至るエコー経路のインパルス応答
の推定値Hj を記憶するメモリ5と、受信入力xj とエ
コーの推定値Hj とを畳込み演算して擬似エコーy'jを
発生する畳込み演算器6と、送信入力から擬似エコーを
差引いた値ej を送信出力端8に出力する減算器7とを
備えている。
るために、エコーキャンセラ3が受信入力端1と送信出
力端10との間に配置される。従来のエコーキャンセラ3
は、受信入力端1から入力した受信入力xj を記憶する
シフトレジスタ4と、PCMコーデック2のアナログ出
力からアナログ入力に至るエコー経路のインパルス応答
の推定値Hj を記憶するメモリ5と、受信入力xj とエ
コーの推定値Hj とを畳込み演算して擬似エコーy'jを
発生する畳込み演算器6と、送信入力から擬似エコーを
差引いた値ej を送信出力端8に出力する減算器7とを
備えている。
【0005】このエコーキャンセラ3は、受信入力端1
から受信入力xj が入力すると、それをシフトレジスタ
4にベクトルXj として取り込む。受信入力xj は、同
時にPCMコーデック2に入力し、PCMコーデック2
からアナログ信号に変換されて出力され、その一部がエ
コーy(t)となって再びPCMコーデック2に入力す
る。
から受信入力xj が入力すると、それをシフトレジスタ
4にベクトルXj として取り込む。受信入力xj は、同
時にPCMコーデック2に入力し、PCMコーデック2
からアナログ信号に変換されて出力され、その一部がエ
コーy(t)となって再びPCMコーデック2に入力す
る。
【0006】PCMコーデック2には、その他に周囲騒
音等をも含む送信信号n(t)が入力する。従って、P
CMコーデック2のディジタル出力信号はsj=yj+n
j となり、送信信号nj は、エコー信号yj に対する外
乱として影響する。
音等をも含む送信信号n(t)が入力する。従って、P
CMコーデック2のディジタル出力信号はsj=yj+n
j となり、送信信号nj は、エコー信号yj に対する外
乱として影響する。
【0007】一方、エコーキャンセラ3内部のメモリ5
には、PCMコーデック2のアナログ出力端からアナロ
グ入力端に至るエコー経路の推定インパルス応答がベク
トルHj として記憶されており、畳込み演算器6は、こ
のHj と受信入力列Xj との畳込み演算を行なって擬似
エコーy'jを発生する。
には、PCMコーデック2のアナログ出力端からアナロ
グ入力端に至るエコー経路の推定インパルス応答がベク
トルHj として記憶されており、畳込み演算器6は、こ
のHj と受信入力列Xj との畳込み演算を行なって擬似
エコーy'jを発生する。
【0008】減算器7は、送信入力sj から擬似エコー
y'jを差引いた残留エコーej =sj −y'jを算出し、
これを送信出力端10から送信する。その結果、エコーの
戻りが抑制される。
y'jを差引いた残留エコーej =sj −y'jを算出し、
これを送信出力端10から送信する。その結果、エコーの
戻りが抑制される。
【0009】次いで、エコーキャンセラ3は、エコー抑
圧精度を高めるために、式(1)(2)に従って推定値
Hj を補正する。このアルゴリズムは学習同定法と呼ば
れ、エコーキャンセラでは最もよく用いられている。
圧精度を高めるために、式(1)(2)に従って推定値
Hj を補正する。このアルゴリズムは学習同定法と呼ば
れ、エコーキャンセラでは最もよく用いられている。
【0010】 エコー消去演算; ej =sj−Xj T・Hj (1) 推定値補正演算; Hj+1=Hj+α(ej/‖Xj‖2)Xj (2) ここで、Xj=(xj,xj-1,‥,xj-N+1)T :受信入力ベ
クトル Hj=(h1 j,h2 j, ‥,hN j )T :推定インパルス応答
ベクトル であり、 Xj T・Hj=Σxj-m・hm j (畳込み演算、Σはm=0からN-
1まで加算)、 ‖Xj‖2=Σxj-m 2 (Σはm=0からN-1まで加算) である。また、α(0<α<2)は、ステップゲインと
呼ばれる補正演算の補正幅を与えるパラメータであり、
従来のエコーキャンセラでは外乱に対する推定精度の劣
化を考慮してα=0.125としている。
クトル Hj=(h1 j,h2 j, ‥,hN j )T :推定インパルス応答
ベクトル であり、 Xj T・Hj=Σxj-m・hm j (畳込み演算、Σはm=0からN-
1まで加算)、 ‖Xj‖2=Σxj-m 2 (Σはm=0からN-1まで加算) である。また、α(0<α<2)は、ステップゲインと
呼ばれる補正演算の補正幅を与えるパラメータであり、
従来のエコーキャンセラでは外乱に対する推定精度の劣
化を考慮してα=0.125としている。
【0011】この式(1)によるエコーの消去と、式
(2)による推定値の補正とを交互に繰返すことによ
り、外乱nj のレベルがエコーyj のレベルより低い期
間では、推定値Hj が真のインパルス応答に漸次収束
し、エコー抑圧効果が増加する。
(2)による推定値の補正とを交互に繰返すことによ
り、外乱nj のレベルがエコーyj のレベルより低い期
間では、推定値Hj が真のインパルス応答に漸次収束
し、エコー抑圧効果が増加する。
【0012】エコーキャンセラの収束特性は、受信入力
xj 及び外乱nj を定常白色ガウス雑音とした場合に、
式(3)のように理論的に求められる。 <e0j+1 2>={1−α(2−α)/N}<e0j 2>+(α2/N)<nj 2> (3) ここで、e0jは時刻jにおけるHj の推定誤差による残
留エコー成分であり、真のインパルス応答をHとすると
e0j=Xj T・(H−Hj)である。また、<e0j 2>、<nj
2 >は各々の信号の2乗の集合平均値を表している。N
は推定インパルス応答長(タップ数)である。
xj 及び外乱nj を定常白色ガウス雑音とした場合に、
式(3)のように理論的に求められる。 <e0j+1 2>={1−α(2−α)/N}<e0j 2>+(α2/N)<nj 2> (3) ここで、e0jは時刻jにおけるHj の推定誤差による残
留エコー成分であり、真のインパルス応答をHとすると
e0j=Xj T・(H−Hj)である。また、<e0j 2>、<nj
2 >は各々の信号の2乗の集合平均値を表している。N
は推定インパルス応答長(タップ数)である。
【0013】エコーキャンセラは、外乱<nj 2>の存在下
で残留エコーの2乗値<e0j 2 >をより速く減少させるよ
うに動作することが望まれる。式(3)より、<e0j 2 >
は1サンプル当たり平均{1−α(2−α)/N}倍で
減少し、最終的には<e0∞ 2>={α/(2−α)}<n
2 >に収束することが分かる。ただし、<nj 2>=<nj+1 2
>=<n2 >=一定とする。
で残留エコーの2乗値<e0j 2 >をより速く減少させるよ
うに動作することが望まれる。式(3)より、<e0j 2 >
は1サンプル当たり平均{1−α(2−α)/N}倍で
減少し、最終的には<e0∞ 2>={α/(2−α)}<n
2 >に収束することが分かる。ただし、<nj 2>=<nj+1 2
>=<n2 >=一定とする。
【0014】このエコーキャンセラの性能は打消量ER
LE=(<yj 2>/<e0j 2 >)で表される。式(3)の両
辺を<y2 >で割ることにより、式(4)が得られる。
LE=(<yj 2>/<e0j 2 >)で表される。式(3)の両
辺を<y2 >で割ることにより、式(4)が得られる。
【0015】 1/ERLEj+1={1−α(2−α)/N}(1/ERLEj)+(α2/N)(1/SNR) (4) ここで、SNR(=<nj 2>/<yj 2>)はエコー信号とエ
コー経路で加わる雑音及び非線形歪(外乱)とのレベル
比であり、ここではSNR一定としている。
コー経路で加わる雑音及び非線形歪(外乱)とのレベル
比であり、ここではSNR一定としている。
【0016】図6には、この式(4)によって打消量E
RLEが時間とともに増加する従来のエコーキャンセラ
の収束特性を示している。(1)は回線用エコーキャン
セラ(SNR=10000(40dB))の特性であ
り、(2)は音響用エコーキャンセラ(SNR=32
(15dB))の特性である。
RLEが時間とともに増加する従来のエコーキャンセラ
の収束特性を示している。(1)は回線用エコーキャン
セラ(SNR=10000(40dB))の特性であ
り、(2)は音響用エコーキャンセラ(SNR=32
(15dB))の特性である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このエコーキャンセラ
の特性は、ステップゲインαを大きく取ると、ERLE
の立上りは速くなるが定常状態における誤差が増大し、
αを小さく取ると、逆の傾向が現れる。従来のエコーキ
ャンセラでは、収束速度と推定精度との兼ね合いによ
り、αを固定値に設定しているため、収束開始時に求め
られる大きな収束速度と、定常時に求められる高い推定
精度とを共に満足する収束特性を持つことができなかっ
た。
の特性は、ステップゲインαを大きく取ると、ERLE
の立上りは速くなるが定常状態における誤差が増大し、
αを小さく取ると、逆の傾向が現れる。従来のエコーキ
ャンセラでは、収束速度と推定精度との兼ね合いによ
り、αを固定値に設定しているため、収束開始時に求め
られる大きな収束速度と、定常時に求められる高い推定
精度とを共に満足する収束特性を持つことができなかっ
た。
【0018】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、収束開始時には大きな収束速度で収束
し、定常時には高い推定精度を維持することができるよ
うにエコーキャンセラを制御する方法を提供することを
目的としている。
るものであり、収束開始時には大きな収束速度で収束
し、定常時には高い推定精度を維持することができるよ
うにエコーキャンセラを制御する方法を提供することを
目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、受
信入力列とエコー経路のインパルス応答の推定値とを畳
込み演算して疑似エコーを発生し、これをエコー信号か
ら差し引くことによってエコーを抑圧し、このときに得
られる残留エコーの2乗値を零に近づけるように前記推
定値を逐次補正するエコーキャンセラの制御方法におい
て、この推定値の逐次補正におけるステップゲインαj
を式 αj+1=(N−αj)αj/(N−αj 2) (但し、Nは推定インパルス応答長(タップ数))によ
って設定している。
信入力列とエコー経路のインパルス応答の推定値とを畳
込み演算して疑似エコーを発生し、これをエコー信号か
ら差し引くことによってエコーを抑圧し、このときに得
られる残留エコーの2乗値を零に近づけるように前記推
定値を逐次補正するエコーキャンセラの制御方法におい
て、この推定値の逐次補正におけるステップゲインαj
を式 αj+1=(N−αj)αj/(N−αj 2) (但し、Nは推定インパルス応答長(タップ数))によ
って設定している。
【0020】また、この推定値の逐次補正におけるステ
ップゲインαj を式 αj+1={1−αj(1−αj)/N}αj によって設定している。
ップゲインαj を式 αj+1={1−αj(1−αj)/N}αj によって設定している。
【0021】また、この推定値の逐次補正におけるステ
ップゲインαj を式 αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) (但し、ERLEjは時刻jにおける打消量、SNRはエコー信
号とエコー信号経路で加わる外乱とのレベル比)によっ
て設定している。
ップゲインαj を式 αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) (但し、ERLEjは時刻jにおける打消量、SNRはエコー信
号とエコー信号経路で加わる外乱とのレベル比)によっ
て設定している。
【0022】また、ステップゲインαj の値が式 αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) の関係から大きくずれたとき、ステップゲインαj の値
をこの式によって再設定し、その後、ステップゲインα
j の値を式 αj+1=(N−αj)αj/(N−αj 2) によって逐次設定している。
をこの式によって再設定し、その後、ステップゲインα
j の値を式 αj+1=(N−αj)αj/(N−αj 2) によって逐次設定している。
【0023】また、ステップゲインαj の値が式 αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) の関係から大きくずれたとき、ステップゲインαj の値
をこの式によって再設定し、その後、ステップゲインα
j の値を式 αj+1={1−αj(1−αj)/N}αj によって逐次設定している。
をこの式によって再設定し、その後、ステップゲインα
j の値を式 αj+1={1−αj(1−αj)/N}αj によって逐次設定している。
【0024】
【作用】式(4)から、打消量ERLEを最大にする最
適ステップゲインが αj =ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) (5) として求められ、この式を変形整理することにより αj+1=(N−αj)αj/(N−αj 2) (6) が得られる。この式(6)に従って推定値の逐次補正に
おけるステップゲインαj を制御することにより、αj
は、最適値を取りながら収束の進行に伴って減少する。
その結果、エコーキャンセラは収束開始時の収束速度が
大きく、定常時の推定精度が高い収束特性を得ることが
できる。
適ステップゲインが αj =ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) (5) として求められ、この式を変形整理することにより αj+1=(N−αj)αj/(N−αj 2) (6) が得られる。この式(6)に従って推定値の逐次補正に
おけるステップゲインαj を制御することにより、αj
は、最適値を取りながら収束の進行に伴って減少する。
その結果、エコーキャンセラは収束開始時の収束速度が
大きく、定常時の推定精度が高い収束特性を得ることが
できる。
【0025】また、式(6)では、分母に変数αj を含
むため、割り算が必須となる。式(6)を近似して得た αj+1={1−αj(1−αj)/N}αj (7) は、1/Nが定数であるため、演算に当たって割り算が
不要になり、ステップゲインαj の逐次計算が容易にな
る。
むため、割り算が必須となる。式(6)を近似して得た αj+1={1−αj(1−αj)/N}αj (7) は、1/Nが定数であるため、演算に当たって割り算が
不要になり、ステップゲインαj の逐次計算が容易にな
る。
【0026】また、打消量ERLEを適当な時間間隔で
計算し、それを基に式(5)からステップゲインαj を
求めることにより、最適ステップゲインαj を収束の進
行状況に合わせて減少させることもできる。
計算し、それを基に式(5)からステップゲインαj を
求めることにより、最適ステップゲインαj を収束の進
行状況に合わせて減少させることもできる。
【0027】また、式(5)と式(6)、または式
(5)と式(7)とを用いるエコーキャンセラ制御方法
では、収束開始時や通話回線の切替えでエコーパスが変
化したときなど、推定値のずれの大きい段階では、その
時点での打消量ERLEを求めて式(5)によりαj を
制御し、その後の収束進行時には式(6)または式
(7)による逐次制御を行なう。
(5)と式(7)とを用いるエコーキャンセラ制御方法
では、収束開始時や通話回線の切替えでエコーパスが変
化したときなど、推定値のずれの大きい段階では、その
時点での打消量ERLEを求めて式(5)によりαj を
制御し、その後の収束進行時には式(6)または式
(7)による逐次制御を行なう。
【0028】
(第1実施例)本発明の制御方法を実施するエコーキャ
ンセラは、機能ブロックとして、図1に示すように、推
定値Hj の補正におけるステップゲインαを制御するα
制御部11を備えている。その他の構成は従来の装置(図
5)と変わりがない。
ンセラは、機能ブロックとして、図1に示すように、推
定値Hj の補正におけるステップゲインαを制御するα
制御部11を備えている。その他の構成は従来の装置(図
5)と変わりがない。
【0029】このエコーキャンセラ3では、受信入力端
1から受信入力xj が入力すると、シフトレジスタ4が
ベクトルXj として取り込み、畳込み演算器6が、メモ
リ5に記憶しているエコー経路の推定インパルス応答ベ
クトルHj と受信入力列Xjとの畳込み演算を行なって
擬似エコーy'jを発生し、減算器7が、送信入力sjか
ら擬似エコーy'jを差引いた残留エコーej =sj −
y'jを送信出力端10に出力する。
1から受信入力xj が入力すると、シフトレジスタ4が
ベクトルXj として取り込み、畳込み演算器6が、メモ
リ5に記憶しているエコー経路の推定インパルス応答ベ
クトルHj と受信入力列Xjとの畳込み演算を行なって
擬似エコーy'jを発生し、減算器7が、送信入力sjか
ら擬似エコーy'jを差引いた残留エコーej =sj −
y'jを送信出力端10に出力する。
【0030】そして、送信出力sj のレベルを計算し、
残留エコーej のレベルを計算し、α制御部11で、後述
する式(6)によりステップゲインαj の値を計算し、
それらの結果を用いて次式(1)(2’)によってメモ
リ5に記憶した推定値Hj を補正する。エコーキャンセ
ラはこの手順を順次繰返す。
残留エコーej のレベルを計算し、α制御部11で、後述
する式(6)によりステップゲインαj の値を計算し、
それらの結果を用いて次式(1)(2’)によってメモ
リ5に記憶した推定値Hj を補正する。エコーキャンセ
ラはこの手順を順次繰返す。
【0031】推定値Hj の補正に用いる式(1)
(2’)は、 エコー消去演算; ej =sj−Xj T・Hj (1) 推定値補正演算; Hj+1=Hj+αj(ej/‖Xj‖2)Xj (2') ここで、Xj=(xj,xj-1,‥,xj-N+1)T :受信入力ベ
クトル Hj=(h1 j,h2 j,‥,hN j )T :推定インパルス応答
ベクトル であり、 Xj T・Hj=Σxj-m・hm j (畳込み演算、Σはm=0からN-
1まで加算)、 ‖Xj‖2=Σxj-m 2 (Σはm=0からN-1まで加算) である。この式は、推定値補正演算(2’)のステップ
ゲインαが、固定値では無く、時刻jによって変化する
値αj である点で、従来のエコーキャンセラの用いてい
る式と異なっている。
(2’)は、 エコー消去演算; ej =sj−Xj T・Hj (1) 推定値補正演算; Hj+1=Hj+αj(ej/‖Xj‖2)Xj (2') ここで、Xj=(xj,xj-1,‥,xj-N+1)T :受信入力ベ
クトル Hj=(h1 j,h2 j,‥,hN j )T :推定インパルス応答
ベクトル であり、 Xj T・Hj=Σxj-m・hm j (畳込み演算、Σはm=0からN-
1まで加算)、 ‖Xj‖2=Σxj-m 2 (Σはm=0からN-1まで加算) である。この式は、推定値補正演算(2’)のステップ
ゲインαが、固定値では無く、時刻jによって変化する
値αj である点で、従来のエコーキャンセラの用いてい
る式と異なっている。
【0032】第1実施例の制御方法では、このαj を、
初期値をα0 =1として、式(6)により逐次求める。
初期値をα0 =1として、式(6)により逐次求める。
【0033】 αj+1=(N−αj)αj/(N−αj 2) (6)
【0034】この式を導出した根拠について説明する。
エコーキャンセラの収束特性を表す式(4)は、次のよ
うに変形することができる。
エコーキャンセラの収束特性を表す式(4)は、次のよ
うに変形することができる。
【0035】1/ERLEj+1={(ERLEj -1+SNR-1)/N}[α
−{ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1)}]2+ERLEj -1−ERLEj -1
/N(ERLEj -1+SNR-1) この式から、ERLEj+1 を最大にする最適ステップゲ
インを次式(5)によって求めることができる。 α=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) (5) この式(5)におけるαとERLEとの関係を図2に示
している。このα−ERLE特性はタップ数Nには依存
せず、SNRが大きい程、ERLEに対応するα値が高
い値を示す。
−{ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1)}]2+ERLEj -1−ERLEj -1
/N(ERLEj -1+SNR-1) この式から、ERLEj+1 を最大にする最適ステップゲ
インを次式(5)によって求めることができる。 α=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) (5) この式(5)におけるαとERLEとの関係を図2に示
している。このα−ERLE特性はタップ数Nには依存
せず、SNRが大きい程、ERLEに対応するα値が高
い値を示す。
【0036】この式(5)から、αj+1=ERLEj+1 -1/(E
RLEj+1 -1+SNR-1)、αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1)と
置いてERLEj+1、ERLEjについて解き、式(4)に代入整
理することにより前記式(6)を得ることができる。式
(6)は外乱レベルが一定であれば、SNRに依存せず
に成り立つ式である。
RLEj+1 -1+SNR-1)、αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1)と
置いてERLEj+1、ERLEjについて解き、式(4)に代入整
理することにより前記式(6)を得ることができる。式
(6)は外乱レベルが一定であれば、SNRに依存せず
に成り立つ式である。
【0037】第1実施例のエコーキャンセラでは、推定
値Hj の補正に際して、α制御部11がαj を式(6)に
よって逐次的に求め、そのαj を用いて、前記式(1)
(2')により推定値Hj の補正が実行される。ステッ
プゲインαj は常に最適値を取りながら、式(6)の関
係に従って時間とともに減少する。そのため、収束初期
の段階では大きな収束速度が有し、定常状態では高い推
定精度を保持する。
値Hj の補正に際して、α制御部11がαj を式(6)に
よって逐次的に求め、そのαj を用いて、前記式(1)
(2')により推定値Hj の補正が実行される。ステッ
プゲインαj は常に最適値を取りながら、式(6)の関
係に従って時間とともに減少する。そのため、収束初期
の段階では大きな収束速度が有し、定常状態では高い推
定精度を保持する。
【0038】図3には、αj を式(6)によって制御す
るときの回線用エコーキャンセラ(SNR=10000
(40dB))及び音響用エコーキャンセラ(SNR=
32(15dB))における最適αの時間変化を示して
いる。時間が経過し、収束が進むに連れてαj が小さく
なり、より高い推定精度が得られることが分かる。ま
た、タップ数Nが大きいほど収束速度は遅くなるが、タ
ップ数Nが大きいときにはαj の減少する速度も遅くな
り、長い時間に渡って大きな収束速度が得られるように
調整されることが分かる。
るときの回線用エコーキャンセラ(SNR=10000
(40dB))及び音響用エコーキャンセラ(SNR=
32(15dB))における最適αの時間変化を示して
いる。時間が経過し、収束が進むに連れてαj が小さく
なり、より高い推定精度が得られることが分かる。ま
た、タップ数Nが大きいほど収束速度は遅くなるが、タ
ップ数Nが大きいときにはαj の減少する速度も遅くな
り、長い時間に渡って大きな収束速度が得られるように
調整されることが分かる。
【0039】図4は式(6)のαj を式(4)に代入
し、逐次計算させて描いた収束特性である。従来例の図
6と比べると、収束開始時は約6倍の速さ(α=0.7
6固定の時とほぼ同等)で収束し、定常状態でもERL
Eは単調増加を続け、全体として滑らかな収束特性が得
られる。
し、逐次計算させて描いた収束特性である。従来例の図
6と比べると、収束開始時は約6倍の速さ(α=0.7
6固定の時とほぼ同等)で収束し、定常状態でもERL
Eは単調増加を続け、全体として滑らかな収束特性が得
られる。
【0040】(第2実施例)前記式(6)は分母に変数
αj を含むため除算の実行が必須であるが、第2実施例
の制御方法では、この点を改善し、簡単な演算で変数α
j を求めることができるように構成している。この制御
方法を実施するエコーキャンセラの機能ブロックは第1
実施例の場合(図1)と同じであり、ただ、α制御部11
が、推定値Hj の補正のステップゲインαj を求めるた
めに用いる式だけを異にしている。
αj を含むため除算の実行が必須であるが、第2実施例
の制御方法では、この点を改善し、簡単な演算で変数α
j を求めることができるように構成している。この制御
方法を実施するエコーキャンセラの機能ブロックは第1
実施例の場合(図1)と同じであり、ただ、α制御部11
が、推定値Hj の補正のステップゲインαj を求めるた
めに用いる式だけを異にしている。
【0041】この制御方法では、推定値補正演算
(2’)のステップゲインαj を、初期値をα0 =1と
して、次式(7)により逐次求める。 αj+1={1−αj(1−αj)/N}αj (7)
(2’)のステップゲインαj を、初期値をα0 =1と
して、次式(7)により逐次求める。 αj+1={1−αj(1−αj)/N}αj (7)
【0042】この式を導出した根拠について説明する。
図3のt−α特性を観察すると、ある最適α値に到達す
るまでの時間が(1/N)に比例するように見て取れ
る。これは収束速度が(1/N)にほぼ比例することか
ら妥当な推定であると言える。そこで漸化式(6)を、
“αj の差分が(1/N)に比例する”と仮定して近似
すると、以下の展開となり、式(7)を得ることができ
る。
図3のt−α特性を観察すると、ある最適α値に到達す
るまでの時間が(1/N)に比例するように見て取れ
る。これは収束速度が(1/N)にほぼ比例することか
ら妥当な推定であると言える。そこで漸化式(6)を、
“αj の差分が(1/N)に比例する”と仮定して近似
すると、以下の展開となり、式(7)を得ることができ
る。
【0043】 αj+1−αj=(N−αj)αj/(N−αj 2)−αj =(αj 2−αj)/(N−αj 2)*αj ≒(αj 2−αj)/N*αj ∵1/Nに比例,N>>αj 2 ∴ αj+1={1−αj(1−αj)/N}αj (7)
【0044】これは非常によい近似であり、回線用エコ
ーキャンセラ(SNR=10000(40dB))及び
音響用エコーキャンセラ(SNR=32(15dB))
における最適αの時間変化は図3と同じようになる。ま
た、式(7)のαj を式(4)に代入して逐次計算させ
て描いた収束特性も図4と同じようになる。
ーキャンセラ(SNR=10000(40dB))及び
音響用エコーキャンセラ(SNR=32(15dB))
における最適αの時間変化は図3と同じようになる。ま
た、式(7)のαj を式(4)に代入して逐次計算させ
て描いた収束特性も図4と同じようになる。
【0045】この式(7)では(1/N)が定数なの
で、式(7)を用いてステップゲインαj を逐次的に求
めるα制御部11では除算を行なう必要がなく、演算を容
易に行なうことができる。
で、式(7)を用いてステップゲインαj を逐次的に求
めるα制御部11では除算を行なう必要がなく、演算を容
易に行なうことができる。
【0046】(第3実施例)第3実施例の制御方法で
は、変数αj を求めるに当たって、前述した式(5)を
用いている。この制御方法を実施するエコーキャンセラ
の機能ブロックは第1実施例の場合(図1)と同じであ
り、ただ、α制御部11が、推定値Hj の補正のステップ
ゲインαj を求めるために用いる式だけを異にしてい
る。
は、変数αj を求めるに当たって、前述した式(5)を
用いている。この制御方法を実施するエコーキャンセラ
の機能ブロックは第1実施例の場合(図1)と同じであ
り、ただ、α制御部11が、推定値Hj の補正のステップ
ゲインαj を求めるために用いる式だけを異にしてい
る。
【0047】このエコーキャンセラでは、受信入力xj
の入力に応じて、畳込み演算器6が擬似エコーy'jを発
生し、減算器7が、送信入力sj から擬似エコーy'jを
差引いた残留エコーej =sj −y'jを送信出力端10に
出力し、その後、送信出力sj のレベルを計算し、残留
エコーej のレベルを計算し、また、α制御部11で、打
消量ERLEを計算してから、次式 αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) (5) を用いてαj を計算し、それらの結果を用いて前記式
(1)(2’)によってメモリ5に記憶した推定値Hj
を補正する。エコーキャンセラはこの手順を順次繰返
す。
の入力に応じて、畳込み演算器6が擬似エコーy'jを発
生し、減算器7が、送信入力sj から擬似エコーy'jを
差引いた残留エコーej =sj −y'jを送信出力端10に
出力し、その後、送信出力sj のレベルを計算し、残留
エコーej のレベルを計算し、また、α制御部11で、打
消量ERLEを計算してから、次式 αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) (5) を用いてαj を計算し、それらの結果を用いて前記式
(1)(2’)によってメモリ5に記憶した推定値Hj
を補正する。エコーキャンセラはこの手順を順次繰返
す。
【0048】なお、打消量ERLEは、送信信号n
(t)の小さいシングルトーク状態の時にその値を求め
る。
(t)の小さいシングルトーク状態の時にその値を求め
る。
【0049】このときのα−ERLE特性を図2に示し
ている。この特性はタップ数Nには依存しない。また、
SNRが大きい程、ERLEに対応するαが高い。その
ため、SNRが大きい場合には、大きなα値が設定さ
れ、高い収束速度が得られようになる。
ている。この特性はタップ数Nには依存しない。また、
SNRが大きい程、ERLEに対応するαが高い。その
ため、SNRが大きい場合には、大きなα値が設定さ
れ、高い収束速度が得られようになる。
【0050】(第4実施例)第4実施例の制御方法で
は、第1実施例の制御方法と第3実施例の制御方法とを
組合せてエコーキャンセラの推定値の補正を行なってい
る。
は、第1実施例の制御方法と第3実施例の制御方法とを
組合せてエコーキャンセラの推定値の補正を行なってい
る。
【0051】この制御方法を実施するエコーキャンセラ
の機能ブロックは、α制御部11で行なわれる制御の内容
を除いては、第1実施例の場合(図1)と変わりがな
い。
の機能ブロックは、α制御部11で行なわれる制御の内容
を除いては、第1実施例の場合(図1)と変わりがな
い。
【0052】α制御部11は、収束開始時または通話中の
回線切替えによりエコーパスが変化した時などに、その
時点での打消量ERLEj を求め、推定値Hj の補正に
用いるステップゲインαj の値を式(5)から計算す
る。その後の収束進行時には式(6)によって最適なα
j の値を逐次計算する。
回線切替えによりエコーパスが変化した時などに、その
時点での打消量ERLEj を求め、推定値Hj の補正に
用いるステップゲインαj の値を式(5)から計算す
る。その後の収束進行時には式(6)によって最適なα
j の値を逐次計算する。
【0053】この場合、α制御部11自身が、残留エコー
の急増などを基にエコーパスの変化を検出するようにし
ても良いし、エコーパス変化の検出結果を他所から受け
て、α制御部11がステップゲインαj の制御を切替えて
も良い。
の急増などを基にエコーパスの変化を検出するようにし
ても良いし、エコーパス変化の検出結果を他所から受け
て、α制御部11がステップゲインαj の制御を切替えて
も良い。
【0054】この制御方法では、収束速度が大きく、従
って、ステップゲインαj の値が式(5) αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) の関係から大きく外れる段階では、式(5)によってα
j を再設定し、収束速度が落ち着きを見せた段階ではα
j を式(6)によって逐次制御する。そのため、通話の
開始時や通話途中でエコーの急増する事態が発生したと
きにも、エコーを素早く収束させることが可能になる。
って、ステップゲインαj の値が式(5) αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) の関係から大きく外れる段階では、式(5)によってα
j を再設定し、収束速度が落ち着きを見せた段階ではα
j を式(6)によって逐次制御する。そのため、通話の
開始時や通話途中でエコーの急増する事態が発生したと
きにも、エコーを素早く収束させることが可能になる。
【0055】(第5実施例)第5実施例の制御方法で
は、第2実施例の制御方法と第3実施例の制御方法とを
組合せてエコーキャンセラの推定値の補正を行なってい
る。
は、第2実施例の制御方法と第3実施例の制御方法とを
組合せてエコーキャンセラの推定値の補正を行なってい
る。
【0056】この制御方法を実施するエコーキャンセラ
の機能ブロックは、α制御部11で行なわれる制御の内容
を除いては、第1実施例の場合(図1)と変わりがな
い。
の機能ブロックは、α制御部11で行なわれる制御の内容
を除いては、第1実施例の場合(図1)と変わりがな
い。
【0057】α制御部11は、収束開始時または通話中の
回線切替えなどによるエコーパスの変化が検出された時
には、その時点での打消量ERLEj を求め、推定値H
j の補正に用いるステップゲインαj の値を式(5)か
ら計算する。その後の収束進行時には式(7)によって
最適なαj の値を逐次計算する。
回線切替えなどによるエコーパスの変化が検出された時
には、その時点での打消量ERLEj を求め、推定値H
j の補正に用いるステップゲインαj の値を式(5)か
ら計算する。その後の収束進行時には式(7)によって
最適なαj の値を逐次計算する。
【0058】この制御方法でも、第4実施例と同様、通
話の開始時や通話途中でエコーの急増する事態が発生し
たときに、エコーを素早く収束させることができる。
話の開始時や通話途中でエコーの急増する事態が発生し
たときに、エコーを素早く収束させることができる。
【0059】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明のエコーキャンセラ制御方法では、ステップ
ゲインαj を最適値に制御しながら、その値の大きさを
収束の進行に合わせて減少させているため、エコーキャ
ンセラは、大きい収束速度と高い推定精度との両方の特
性を持つことができ、エコーの素早い減衰と、高い精度
でのエコーの抑制が可能になる。従って、利用者は、常
にエコーの少ない快適な通話を行なうことができる。
に、本発明のエコーキャンセラ制御方法では、ステップ
ゲインαj を最適値に制御しながら、その値の大きさを
収束の進行に合わせて減少させているため、エコーキャ
ンセラは、大きい収束速度と高い推定精度との両方の特
性を持つことができ、エコーの素早い減衰と、高い精度
でのエコーの抑制が可能になる。従って、利用者は、常
にエコーの少ない快適な通話を行なうことができる。
【図1】本発明の実施例におけるエコーキャンセラの機
能ブロック図、
能ブロック図、
【図2】第3実施例のエコーキャンセラにおける打消量
ERLE対ステップゲインαの特性図、
ERLE対ステップゲインαの特性図、
【図3】第1及び第2実施例のエコーキャンセラにおけ
る時間対ステップゲインαの特性図、
る時間対ステップゲインαの特性図、
【図4】第1及び第2実施例のエコーキャンセラにおけ
る時間対打消量ERLEの特性図、
る時間対打消量ERLEの特性図、
【図5】従来のエコーキャンセラの機能ブロック図、
【図6】従来のエコーキャンセラにおける時間対打消量
ERLEの特性図である。
ERLEの特性図である。
1 受信入力端 2 PCMコーデック 3 エコーキャンセラ 4 受信入力用シフトレジスタ 5 推定インパルス応答用メモリ 6 畳込み演算器 7 減算器 8 2線/4線変換回路 9 電話機 10 送信出力端 11 α制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−296119(JP,A) 特開 平4−284030(JP,A) 特開 平4−81133(JP,A) 特開 平4−4619(JP,A) 特開 平3−106231(JP,A) 特開 平1−220530(JP,A) 特開 平1−125030(JP,A) 特開 昭63−234732(JP,A) 特開 昭63−228817(JP,A) 特開 昭60−240226(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 3/23 H03H 21/00
Claims (5)
- 【請求項1】 受信入力列とエコー経路のインパルス応
答の推定値とを畳込み演算して疑似エコーを発生し、こ
れをエコー信号から差し引くことによってエコーを抑圧
し、このときに得られる残留エコーの2乗値を零に近づ
けるように前記推定値を逐次補正するエコーキャンセラ
の制御方法において、 前記推定値の逐次補正におけるステップゲインαj を式 αj+1=(N−αj)αj/(N−αj 2) (但し、Nは推定インパルス応答長)によって設定する
ことを特徴とするエコーキャンセラ制御方法。 - 【請求項2】 受信入力列とエコー経路のインパルス応
答の推定値とを畳込み演算して疑似エコーを発生し、こ
れをエコー信号から差し引くことによってエコーを抑圧
し、このときに得られる残留エコーの2乗値を零に近づ
けるように前記推定値を逐次補正するエコーキャンセラ
の制御方法において、 前記推定値の逐次補正におけるステップゲインαj を式 αj+1={1−αj(1−αj)/N}αj (但し、Nは推定インパルス応答長)によって設定する
ことを特徴とするエコーキャンセラ制御方法。 - 【請求項3】 受信入力列とエコー経路のインパルス応
答の推定値とを畳込み演算して疑似エコーを発生し、こ
れをエコー信号から差し引くことによってエコーを抑圧
し、このときに得られる残留エコーの2乗値を零に近づ
けるように前記推定値を逐次補正するエコーキャンセラ
の制御方法において、 前記推定値の逐次補正におけるステップゲインαj を式 αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) (但し、ERLEjは時刻jにおける打消量、SNRはエコー信
号とエコー信号経路で加わる外乱とのレベル比)によっ
て設定することを特徴とするエコーキャンセラ制御方
法。 - 【請求項4】 前記ステップゲインαj の値が前記式 αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) の関係から大きくずれたとき、ステップゲインαj の値
を前記式によって再設定し、その後、ステップゲインα
j の値を式 αj+1=(N−αj)αj/(N−αj 2) (但し、Nは推定インパルス応答長)によって逐次設定
することを特徴とする請求項3に記載のエコーキャンセ
ラ制御方法。 - 【請求項5】 前記ステップゲインαj の値が前記式 αj=ERLEj -1/(ERLEj -1+SNR-1) の関係から大きくずれたとき、ステップゲインαj の値
を前記式によって再設定し、その後、ステップゲインα
j の値を式 αj+1={1−αj(1−αj)/N}αj (但し、Nは推定インパルス応答長)によって逐次設定
することを特徴とする請求項3に記載のエコーキャンセ
ラ制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06000595A JP3145269B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | エコーキャンセラ制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06000595A JP3145269B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | エコーキャンセラ制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08237174A JPH08237174A (ja) | 1996-09-13 |
JP3145269B2 true JP3145269B2 (ja) | 2001-03-12 |
Family
ID=13129552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06000595A Expired - Fee Related JP3145269B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | エコーキャンセラ制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3145269B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6580793B1 (en) * | 1999-08-31 | 2003-06-17 | Lucent Technologies Inc. | Method and apparatus for echo cancellation with self-deactivation |
JP2002009675A (ja) * | 2000-06-26 | 2002-01-11 | Nec Corp | 多重化回線用エコー除去方法及び装置 |
JP5061853B2 (ja) | 2007-11-06 | 2012-10-31 | 沖電気工業株式会社 | エコーキャンセラ及びエコーキャンセルプログラム |
JP5061976B2 (ja) | 2008-03-12 | 2012-10-31 | 沖電気工業株式会社 | エコーキャンセラ、エコーキャンセル方法及びプログラム |
JP5223576B2 (ja) | 2008-10-02 | 2013-06-26 | 沖電気工業株式会社 | エコーキャンセラ、エコーキャンセル方法及びプログラム |
JP5493817B2 (ja) | 2009-12-17 | 2014-05-14 | 沖電気工業株式会社 | エコーキャンセラ |
-
1995
- 1995-02-24 JP JP06000595A patent/JP3145269B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08237174A (ja) | 1996-09-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |