JP2518433B2 - ダブルト―ク検出回路 - Google Patents

ダブルト―ク検出回路

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JP2518433B2 JP2014250A JP1425090A JP2518433B2 JP 2518433 B2 JP2518433 B2 JP 2518433B2 JP 2014250 A JP2014250 A JP 2014250A JP 1425090 A JP1425090 A JP 1425090A JP 2518433 B2 JP2518433 B2 JP 2518433B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はテレビ電話，自動車電話等の拡声電話及び衛
星通信等の電話回線に適用されるエコーキャンセラのダ
ブルトーク検出回路に関する。
〔従来の技術〕
従来、この種の電話回線においては、受信信号が送信
側に回り込むことを防止するためのエコーキャンセラが
提案されている。例えば、第３図は特開昭64−27325号
公報に開示されているものであり、このエコーキャンセ
ラは、ディジタル信号処理を用いて擬似エコー信号を生
成し、これを電話回線の２線４線変換に用いるハイブリ
ッド回路16の不整合によって生じる回り込み信号（エコ
ー信号）に加算することでエコー信号を消去している。
即ち、擬似エコー信号は、受信信号Ｒが加えられる受
信信号メモリ３と、タップ係数メモリ４の各出力を擬似
エコー生成用畳み込み演算回路５に入力することにより
生成される。この擬似エコー信号は、加算器８において
エコー信号に加算されてエコー信号を消去する。ここ
で、加算器８の出力は誤差信号Ｅとされ、この誤差信号
Ｅが無くなるようにディジタルフィルタとしてのタップ
係数更新回路６によりタップ係数メモリ４のタップ係数
が更新される。
このようなエコーキャンセルは、電話の一方の加入者
の話に他方の加入者が割り込んで話をする等のように両
者が同時に通話を行うダブルトーク状態では、送信信号
にはエコー信号以外の信号（近端話者信号）が含まれる
ため、誤差信号Ｅが大きくなり、好適なエコーキャンセ
ルが困難になる。このため、ダブルトーク時において
は、ダブルトーク検出回路７によりダブルトークを検出
し、ディジタルフィルタのタップ係数の更新を停止さ
せ、エコー消去量が劣化しないようにしている。
このダブルトーク検出回路７は、受信信号パワー算出
部17とエコー信号レベル算出部18の値をレベル比較部19
で比較判定し、受信信号パワー算出部17と誤差信号Ｅを
比較部20で比較判定し、このレベル比較部19と比較部20
の判定結果をダブルトーク検出部21に入力して、ダブル
トーク判定する。
なお、第３図においては、相関係数算出部22により音
声信号と雑音の判定を行い、雑音によりダブルトーク検
出した場合に送信信号に損失を加えるように制御する論
理和回路23と、損失を加えるように可変減衰器24を有し
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した従来のエコーキャンセラにおけるダブルトー
ク検出回路７では、各信号レベルの比較によりダブルト
ークを判定している。ところが、各信号レベルを算出す
るには多少の時間幅が必要であるため、近端話者信号が
入力され始めた瞬間にはダブルトークを検出することが
できず、また瞬間的な雑音が入力された場合にもダブル
トーク検出ができないため、フィルタの係数を乱し、エ
コー消去量を劣化させ、通話品質を著しく劣化させると
いう問題がある。
本発明の目的は、ダブルトークを瞬時に判定してエコ
ー消去量の劣化を防止するダブルトーク検出回路を提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のダブルトーク検出回路は、マイク入力信号か
ら擬似エコー信号を差し引いた誤差信号の信号レベル値
から推定されるエコー消去量を第１の閾値と比較する第
１の比較回路と、受信信号とマイク入力信号との相互相
関値を第２の閾値と比較する第２の比較回路とを備えて
おり、推定されるエコー消去量が第１の閾値未満の場合
は受信信号とマイク入力信号の信号レベルによりダブル
トークを検出し、第１の閾値以上の場合は、受信信号と
マイク入力信号の相互相関値によりダブルトークを検出
する。
即ち、第１及び第２の比較回路に加えて、受信信号と
マイク入力信号の各レベルを比較する信号レベル比較回
路と、両信号の相互相関値を算出する相互相関値算出回
路と、マイク入力信号と誤差信号とでエコー消去量を推
定するエコー消去量推定回路とを備えており、第１の比
較回路は、このエコー消去量推定回路の出力と第１の閾
値とを比較し、第２の比較回路は前記相互相関値算出回
路の出力と第２の閾値とを比較し、信号レベル比較回路
の出力と、前記第１及び第２の比較回路の論理積出力の
論理和出力をダブルトーク検出出力としている。
例えば、第１の比較回路は、エコー消去量が第１の閾
値以上のときに“1"を、また未満のときに“0"をそれぞ
れ出力し、第２の比較回路は、相互相関値が第２の閾値
以上のときに“0"を、また未満のときは“1"をそれぞれ
出力し、信号レベル比較回路は両信号レベル差が所定以
上のときに“1"を、また未満のときに“0"をそれぞれ出
力し、これらの論理をとることにより、ダブルトーク検
出回路からの出力が“1"のときにダブルトーク状態を出
力する。
〔作用〕
本発明によれば、エコー消去量が閾値未満の場合は、
受信信号とマイク入力信号の信号レベルによりダブルト
ークを検出し、エコー消去量が閾値以上の場合は、受信
信号とマイク入力信号の信号レベル及び相互相関値より
ダブルトークを検出する。このため、信号の相関を利用
した検出に際しては、瞬時雑音や近端話者信号の入力開
始タイミングを直ちに検知してダブルトークを検出する
ことが可能とされる。
〔実施例〕 次に、本発明を図面を参照して説明する。
第２図は本発明のダブルトーク検出回路が適用される
エコーキャンセラのブロック図である。図において、ス
ピーカ１で音声とされる受信信号Ｘは受信信号メモリ３
に加えられ、この受信信号メモリ３の出力と、タップ係
数メモリ４の出力（値）をそれぞれ擬似エコー信号生成
用畳み込み演算回路５に入力して、擬似エコー信号を生
成する。そして、この擬似エコー信号を、加算器８にお
いてマイク２からのマイク入力信号Ｙに加算することに
より、マイク入力信号Ｙに含まれているエコー信号を抑
圧する。前記タップ係数メモリ４のタップ係数は、加算
器８から出力される誤差信号Ｅと、前記受信信号メモリ
３の出力と、その時のタップ係数メモリ４の値をタップ
係数更新回路６に入力することにより更新される。
そして、ダブルトーク検出回路７は、近端話者信号が
入力されるダブルトーク状態の時に、上述したタップ係
数の更新を停止するよう制御する。
第１図は、本発明のダブルトーク検出回路７の一実施
例のブロック図である。このダブルトーク検出回路は、
受信信号Ｘとマイク入力信号Ｙがそれぞれ入力される信
号レベル比較回路９及び相互相関値算出回路10と、マイ
ク入力信号Ｙと誤差信号Ｅが入力されるエコー消去量推
定回路11と、このエコー消去量推定回路11の出力を第１
の閾値δ１と比較する第１の比較回路12と、相互相関値
算出回路10の出力を第２の閾値δ２と比較する第２の比
較回路13と、論理積回路14と、論理和回路15とで構成さ
れている。
前記信号レベル比較回路９は、入力される受信信号Ｘ
とマイク入力信号Ｙとを比較することでダブルトーク状
態を検出でき、ダブルトーク時には“1"、シングルトー
ク時には“0"というダブルトーク判定情報を出力する。
また、エコー消去量推定回路11は、マイク入力信号Ｙ
と誤差信号Ｅを比較することでエコー消去量を推定する
が、信号レベル比較回路９からのダブルトーク判定情報
により、ダブルトーク時にはエコー消去量の推定を停止
する。
一方、第１の比較回路12では、エコー消去量と第１の
閾値δ１を比較し、エコー消去量が第１の閾値δ１以上
の時“1"を出力し、第１の閾値δ１未満の場合は“0"を
出力する。同様に、第２の比較回路13は、相互相関値算
出回路10からの出力である相互相関値と第２の閾値δ２
を比較し、相互相関値が第２の閾値δ２以上の場合シン
グルトークと判定し“0"を出力し、第２の閾値δ２未満
の時は近端話信号が入力されたダブルトーク状態と判定
し“1"を出力する。
そして、相互相関値の第２の比較回路13とエコー消去
量の第１の比較回路12の出力値を論理積回路14に入力
し、エコー消去量が第１の閾値δ１以上で、相互相関値
が閾値δ２未満の時に、ダブルトークと判定する信号
“1"を出力する。論理和回路15は、信号レベル比較回路
９の出力と論理積回路14の出力を入力し、エコー消去量
が第１の閾値δ１未満のときには、信号レベル比較回路
９の出力をダブルトーク検出回路７の出力とする。
このダブルトーク検出回路７によれば、エコー消去量
が第１の閾値δ１未満の場合は、受信信号Ｘとマイク入
力信号Ｙの信号レベルによりダブルトークを判定し、エ
コー消去量が第１の閾値δ１以上の場合は、受信信号Ｘ
とマイク入力信号Ｙの信号レベル及び相互相関値よりダ
ブルトークを判定することになる。そして、相互相関値
を用いたダブルトーク検出は、信号の相関を利用した検
出方式であり、信号レベル比較では検出できない様な瞬
時雑音や、近端話者信号の入力開始タイミングを正確に
検出することができる。したがって、このようなダブル
トークにおいては、タップ係数の更新を停止させ、ディ
ジタルフィルタとしてのタップ係数の乱れを防止して、
エコーキャンセラの特性を改善する。
なお、この実施例のダブルトーク検出回路では、信号
レベル比較によるダブルトーク検出より相互相関値比較
によるダブルトーク検出の方が検出タイミングが早いの
で、信号レベル比較回路の出力にはスイッチング回路を
設けていない。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は、エコー消去量を閾値を
比較し、その結果に基づいて受信信号とマイク入力信号
の信号レベルにより、或いは受信信号とマイク入力信号
の信号レベル及び相互相関値によりそれぞれダブルトー
クを判定するので、特に信号の相関を利用した相互相関
値を用いた際には、瞬時雑音や近端話者信号の入力開始
タイミングを正確に検出することができ、ダブルトーク
状態を直ちに検出して、タップ係数の乱れを防止し、エ
コーキャンセラの特性を向上することができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明のダブルトーク検出回路のブロック図、
第２図は第１図のダブルトーク検出回路が適用されるエ
コーキャンセラのブロック図、第３図は従来のダブルト
ーク検出回路を用いたエコーキャンセラのブロック図で
ある。 １…スピーカ、２…マイク、３…受信信号メモリ、４…
タップ係数メモリ、５…擬似エコー生成用畳込み演算回
路、６…タップ係数更新回路、７…ダブルトーク検出回
路、８…加算器、９…信号レベル比較回路、10…相互相
関値算出回路、11…エコー消去量推定回路、12…第１の
比較回路、13…第２の比較回路、14…論理積回路、15…
論理和回路、16…ハイブリッド回路、17…受信信号パワ
ー算出部、18…エコー信号レベル算出部、19…レベル比
較部、20…比較部、21…ダブルトーク検出部、22…相関
係数算出部、23…論理積回路、24…可変減衰器。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】受信信号とタップ係数値から得られる擬似
    エコー信号をマイク入力信号に加算してエコーをキャン
    セルするエコーキャンセラに用いられ、ダブルトークを
    検出して、このダブルトーク時に前記タップ係数値の更
    新を停止させるダブルトーク検出回路において、前記マ
    イク入力信号から擬似エコー信号を差し引いた誤差信号
    の信号レベル値から推定されるエコー消去量を第１の閾
    値と比較する第１の比較回路と、受信信号とマイク入力
    信号との相互相関値を第２の閾値と比較する第２の比較
    回路とを備え、推定されるエコー消去量が第１の閾値未
    満の場合は受信信号とマイク入力信号の信号レベルによ
    りダブルトークを検出し、第１の閾値以上の場合は、受
    信信号とマイク入力信号の相互相関値によりダブルトー
    クを検出することを特徴とするダブルトーク検出回路。
  2. 【請求項２】受信信号とマイク入力信号の各レベルを比
    較する信号レベル比較回路と、両信号の相互相関値を算
    出する相互相関値算出回路と、マイク入力信号と誤差信
    号とでエコー消去量を推定するエコー消去量推定回路と
    を備え、前記第１の比較回路は、このエコー消去量推定
    回路の出力と第１の閾値とを比較し、前記第２の比較回
    路は前記相互相関値算出回路の出力と第２の閾値とを比
    較し、前記信号レベル比較回路の出力と、前記第１及び
    第２の比較回路の論理積出力の論理和出力をダブルトー
    ク検出出力としてなる特許請求の範囲第１項記載のダブ
    ルトーク検出回路。
  3. 【請求項３】第１の比較回路は、エコー消去量が第１の
    閾値以上のときに“1"を、未満のときに“0"をそれぞれ
    出力し、第２の比較回路は、相互相関値が第２の閾値以
    上のときに“0"を、未満のときは“1"をそれぞれ出力
    し、信号レベル比較回路は両信号レベル差が所定以上の
    ときに“1"を、未満のときに“0"をそれぞれ出力し、回
    路からの出力が“1"のときにダブルトーク状態を出力す
    る特許請求の範囲第２項記載のダブルトーク検出回路。
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