JP2008219088A - エコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダブルトーク状態及び又はエコー経路変動を、より正確に検出することができ、適応フィルターの適応フィルター処理を適切に制御し、通信品質の劣化を防ぐことができるようにする。
【解決手段】本発明のエコーキャンセラは、適応フィルター係数を更新して擬似エコー信号を生成する適応フィルターと、送信入力信号から擬似エコー信号を減算してエコー成分を除去するエコー除去手段と、受信出力信号及び送信入力信号を取り込み、受信出力信号及び送信入力信号の信号状態に基づいて、エコー経路を経由してきたエコー信号特性を判断し、その判断結果を用いて状態を判定する状態判定手段と、状態判定手段による状態判定結果に応じて、適応フィルターの適応フィルター処理を制御する適応フィルター制御手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法に関し、例えば、音声通信システムにおいて、通話の際に発生したエコーを消去するエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法に適用し得る。
例えば、音声通信の通信品質を悪化させる要因の一つとしてエコーの回り込みが挙げられる。ここで、エコーとは、例えば、通話者本人(以下、近端ともいう)から見た場合、相手通話者(以下、遠端ともいう)側のハイブリッド回路や音響空間等で、近端側からの
音声が回り込み、再び近端側に戻ってくる現象をいう。
例えば、図2(A)は、遠端側のハイブリッド回路12で発生したエコー信号が回り込み、通話者本人の近端側に戻ってくる場合を示しており、また、図2(B)は、遠端側の音響空間、すなわちスピーカー14から出力される音声がマイク15を通じて空間的に回り込み、通話者本人の近端側に戻ってくる場合を示している。
従来、このようなエコーをなくすための技術として、エコーキャンセラ10が用いられている。このエコーキャンセラ10とは、受信入力信号R_in及び送信入力信号S_inを取り込み、この受信入力信号R_in及び送信入力信号S_inを参照して適応フィルター係数を更新して擬似エコー信号を生成し、エコー成分を含む送信入力信号S_in(ここではエコー信号)から擬似エコー信号を減算することで、エコー成分を除去するものである。
ところで、エコーキャンセラは、ダブルトーク状態にあるとき、適応フィルター処理を停止させる必要があるので、適応フィルター係数が発散してしまうという第1の問題と、エコー経路の変動が発生した直後は、適切にエコー成分を消去できないという第2の問題がある。
つまり、第1の問題としては、適応フィルター部は、送信入力信号S_inを参照として、エコー経路を近似するように適応フィルター係数を更新して行うが、ダブルトーク状態では、参照する送信入力信号S_inが乱れてしまい、そのまま更新を続けると、本来のエコー経路とは全く異なる適応フィルター係数となってしまう。そこで、例えば、ダブルトーク検出部を備え、ダブルトーク状態の場合には、適応フィルター部の適応フィルター処理を停止させ、非ダブルトーク状態の場合には、適応フィルター部の適応フィルター処理を継続させるように制御している。そのため、ダブルトーク状態の場合には、適応フィルターが発散してしまうこととなる。
なお、ダブルトーク状態とは、エコーキャンセラにおいて、近端側と遠端側の双方から音声信号が同時に存在する場合(すなわち、受信入力信号R_in及び送信入力信号S_inが共にエコーキャンセラに入力する場合)である。
また、第2の問題としては、エコー経路変動が発生すると、その直後は、エコー経路の変動前の適応フィルター係数を用いている。従って、エコー経路の変動直後は、エコーに近似した擬似エコーを生成することができず、適切にエコー成分を消去できないこととなる。そのため、エコー経路の変動が生じた際に、その変動直後のエコー経路に可能な限りすばやく適応することが望まれる。なお、エコー経路変動とは、文字通り、エコー経路が変動することをいう。
以上のように、安定した通信品質を保持・提供するためには、ダブルトーク状態の検出及び又はエコー経路変動の検出、並びに、両者の区別が必要となる。
特許文献1には、安定した通信品質を保持・提供のための技術が開示されており、図3を参照して、特許文献1に記載技術を簡単に説明する。
図3に示す従来のエコーキャンセラは、適応フィルター部1、経路変動検出部2、ダブルトーク検出部3、状態判定部4、適応フィルター制御部5、を有する。
まず、適応フィルター部1は、受信入力信号R_in及び送信入力信号S_inを取り込み、これらを参照して適応フィルター係数を更新する。
適応フィルター部1は、適応フィルター係数及びERLE(Echo Return Loss Enhancement:エコーキャンセラの性能評価指標)を経路変動検出部2に与え、適応フィルター係数をダブルトーク検出部3に与える。
そうすると、経路変動検出部2では、図4に示す動作フローを行う。すなわち、経路変動検出部2は、適応フィルター係数のピーク位置及びERLEをモニタし(F1)、適応フィルター係数のピーク位置が変動し、かつ、ERLEが急減した場合(F2)、エコー経路の変動ありと判定し(F3)、そうでない場合、エコー経路の変動なしと判定する(F4)。
一方、ダブルトーク検出部3では、図5に示す動作フローを行う。すなわち、ダブルトーク検出部3は、適応フィルター係数の平均値を計算し(F5)、適応フィルター係数の平均値と閾値とを比較し(F6)、適応フィルター係数の平均値が閾値以上である場合、ダブルトーク状態であると判定し(F7)、そうでない場合、非ダブルトーク状態であると判定する(F8)。
状態判定部4は、経路変動検出部2及びダブルトーク検出部3の判定結果に基づいて、経路変動状態、ダブルトーク状態、通常状態(すなわち、非経路変動状態かつ非ダブルトーク状態)のどの状態にあるのかを判定する。
そして、適応フィルター制御部5は、ダブルトーク状態の場合に、適応フィルター係数の更新処理を停止させ、経路変動状態又は通常状態の場合に、適応フィルター係数の更新処理を継続させるよう制御する。
特開2003−134005号公報
しかしながら、上述した従来のエコーキャンセラによる方法では、例えば、エコー経路の特性が、局所的に分布するエコー経路(図6参照;ITU-T G.168出典)から広い範囲に分布するエコー経路(図7参照;ITU-T G.168出典)に変化した場合、適応フィルター係数の平均値が増大するから、エコー経路変動であるにもかかわらず、ダブルトーク状態であると判定されてしまう。
その結果、ダブルトーク状態でないにもかかわらず、適応フィルター部1の適応フィルター処理を停止制御してしまい、通信品質を劣化させてしまうおそれがある。
そのため、ダブルトーク状態及び又はエコー経路変動を、より正確に検出することができ、適応フィルターの適応フィルター処理を適切に制御し、通信品質の劣化を防ぐことができるエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法が求められている。
かかる課題を解決するために、第1の本発明のエコーキャンセラは、(1)適応フィルター係数を更新して擬似エコー信号を生成する適応フィルターと、(2)送信入力信号から擬似エコー信号を減算してエコー成分を除去するエコー除去手段と、(3)受信出力信号及び送信入力信号を取り込み、受信出力信号及び送信入力信号の信号状態に基づいて、エコー経路を経由してきたエコー信号特性を判断し、その判断結果を用いて状態を判定する状態判定手段と、(4)状態判定手段による状態判定結果に応じて、適応フィルターの適応フィルター処理を制御する適応フィルター制御手段とを備えることを特徴とする。
第2の本発明のエコーキャンセル方法は、適応フィルター、エコー除去手段、状態判定手段及び適応フィルター制御手段を備えるエコーキャンセラによるエコーキャンセル方法において、(1)適応フィルターが、適応フィルター係数を更新して擬似エコー信号を生成する工程と、(2)エコー除去手段が、送信入力信号から擬似エコー信号を減算してエコー成分を除去するエコー除去工程と、(3)状態判定手段が、受信出力信号及び送信入力信号を取り込み、受信出力信号及び送信入力信号の信号状態に基づいて、エコー経路を経由してきたエコー信号特性を判断し、その判断結果を用いて状態を判定する状態判定工程と、(4)適応フィルター制御手段が、状態判定手段による状態判定結果に応じて、適応フィルターの適応フィルター処理を制御する適応フィルター制御工程とを有することを特徴とする。
本発明のエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法によれば、ダブルトーク状態及び又はエコー経路変動を、より正確に判断することができ、適応フィルターの適応フィルター処理を適切に制御することができるので、通信品質の劣化を防ぐことができる。
(A)第1の実施形態
以下、本発明のエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法の第1の実施形態を、図面を参照して説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態のエコーキャンセラ100は、適応フィルター部1、経路変動検出部7、ダブルトーク検出部8、状態判定部4、適応フィルター制御部5、レベル計算部6、エコー成分除去手段9を備える。なお、適応フィルター部1、状態判定部4、適応フィルター制御部5は、従来のエコーキャンセラの構成要素と同様である。
適応フィルター部1は、適応フィルター制御部5の制御の下、適応フィルター係数を更新すると共に、受信入力信号R_in及び送信入力信号S_inと適応フィルター係数とを用いて、擬似エコー信号を生成するものである。また、適応フィルター部1は、生成した擬似エコー信号をエコー成分除去手段9に与え、送信入力信号S_inに含まれるエコー成分を除去させるものである。
また、適応フィルター部1は、経路変動検出部7に対し、適応フィルター係数及びERLEを与えるものである。さらに、適応フィルター部1は、ダブルトーク検出部8に対し、適応フィルター係数を与えるものである。
ここで、適応フィルター係数の学習に用いられるアルゴリズムとしては、特に限定されず広く適用することができるが、例えば、NLMS(Normalized Least Mean Squares)アルゴリズムや、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズム等を適用することができる。
レベル計算部6は、受信出力信号R_out及び送信入力信号S_inを取り込み、受信出力信号R_outの信号レベルLV_Routと、送信入力信号S_inの信号レベルLV_Sinとを求め、これら信号レベルLV_Rout及び信号レベルLV_Sinを、経路変動検出部7及びダブルトーク検出部8に対して与えるものである。
ここで、レベル計算部6は、後述するように、送信入力信号S_inが、エコー経路を介して回り込んだ信号だけであるか、又は、この信号だけでなく、相手通話者(図2での遠端)からの音声信号も含んだものであるのかを検出するために、信号レベルを測定する。
そのため、エコー経路を介して回り込んだ信号を観測するという意図を明確にするため、第1の実施形態では、レベル計算部6が、受信出力信号R_outの信号レベルLV_Routを求めることを明記する。
なお、この受信出力信号R_outは受信入力信号R_inに相当する。そこで、受信入力信号R_inの信号レベルLV_Rinを計算することで、受信出力信号R_outの信号レベルLV_Routを求めるようにしてもよい。
また、レベル計算部6による信号レベルを求める方法としては、種々のレベル算出方法を適用することができるが、例えば、レベル変化に応じるために、受信出力信号R_out及び送信入力信号S_inの絶対値を平均して求めるようにする。
経路変動検出部7は、適応フィルター部1からの適応フィルター係数及びERLEと、レベル計算部6からの信号レベルLV_Rout及び信号レベルLV_Sinの比較結果とを用いて、エコー経路の変動を検出するものである。
ここで、経路変動検出部7によるエコー経路変動の検出については、経路変動検出部7は、(ア)適応フィルター係数のピーク位置が変動したこと、(イ)ERLEが急激に減少したこと、(ウ)受信出力信号R_out及び送信入力信号S_inの信号レベル差である、「(信号レベルLV_Rout)−(信号レベルLV_Sin)」が所定の閾値以上であること、の3つの要件を全て満たしている場合に、エコー経路の変動を検出する。これに対して、上記(ア)〜(イ)の全ての要件を満たしていない場合、エコー経路は変動していない判定する。
ダブルトーク検出部8は、適応フィルター部1からの適応フィルター係数と、レベル計算部6からの信号レベルLV_Rout及び信号レベルLV_Sinの比較結果とを用いて、ダブルトーク状態を検出するものである。
ここで、ダブルトーク検出部8によるダブルトーク状態の検出については、ダブルトーク検出部7は、(a)適応フィルター係数の平均値が所定の閾値以上であること、(b)受信出力信号R_out及び送信入力信号S_inの信号レベル差である、「(信号レベルLV_Rout)−(信号レベルLV_Sin)」が所定の閾値未満であること、の2つの要件を全て満たしている場合に、ダブルトーク状態を検出する。これに対して、上記(a)、(b)の全ての要件を満たしていない場合、ダブルトーク状態であるとは判定しない。
第1の実施形態では、エコー経路変動の検出及びダブルトーク状態の検出について、以下で説明するエコー信号特性に着目し、これを実現するようにした。
すなわち、エコー経路が変動した場合、エコーキャンセラ100のS_inとして入力されるものは、エコー経路を介してR_outから回り込んだ信号のみであるので、信号レベルLV_Sinは、LV_Routに比べて必ず減衰する。
これに対して、ダブルトーク状態の場合には、エコーキャンセラ100のS_inとしては、R_outの回り込み信号に加えて、相手通話者(図2での遠端)の音声信号も含まれる。そのため、このような場合、信号レベルLV_Sinは、LV_Routに比べて、必ず減衰するわけでない。
そこで、「(信号レベルLV_Rout)−(信号レベルLV_Sin)」と所定の閾値とを比較し、その比較結果に応じて、上述したように、エコー経路変動の検出と、ダブルトーク状態の検出とを実現するようにした。
ここで、「(信号レベルLV_Rout)−(信号レベルLV_Sin)」と比較する閾値は、特に限定されないが、例えば6dBという値を用いることができる。この値は、ITU−T G.168の「エコー経路での信号の減衰によって、信号レベルLV_Sinは、信号レベルLV_Routより少なくとも6dB減衰する」という記載を根拠とする。
状態判定部4は、経路変動検出部7及びダブルトーク検出部8の判定結果に基づいて、状態を判定するものであり、その判定結果を適応フィルター制御部5に与えるものである。
適応フィルター制御部5は、状態判定部4からの状態判定に応じて、適応フィルター部1の適応フィルター処理を制御するものである。
エコー除去手段9は、入力された送信入力信号S_inから擬似エコー信号を差し引き、この演算した結果を送信出力信号S_outとして出力するものである。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態のエコーキャンセラ100における処理動作を、図面を参照しながら説明する。
まず、通話者本人(図2での近端)側からの音声信号は、相手通話者(図2での遠端)側に与えられると共に、受信入力信号R_inとしてエコーキャンセラ100に入力される。入力された受信入力信号R_inは、適応フィルター部1に与えられる。
また、相手通話者(遠端)側からの信号は、送信入力信号S_inとしてエコーキャンセラ100に入力される。入力された送信入力信号S_inは適応フィルター部1に与えられる。
適応フィルター部1には、受信入力信号R_inと送信入力信号S_inとが入力され、適応フィルター制御部5の制御の下、適応フィルター係数が更新されながら、更新された適応フィルター係数を用いて擬似エコー信号が生成される。そして、エコー除去手段9において、送信入力信号S_inから擬似エコー信号を差し引く減算処理が行われ、その演算結果が送信出力信号S_outとして出力される。
また、レベル計算部6では、受信出力信号R_outの信号レベルLV_Routと、送信入力信号S_inの信号レベルLV_Sinとが求められる。ここで、レベル計算部6による信号レベルの計算方法としては、信号レベルの変化を検出できるように、例えば信号レベルの絶対値の算術平均をとる方法を適用する。勿論、他の信号レベル計算方法も適用することができる。
次に、経路変動検出部7では、適応フィルター部1から適応フィルター係数及びERLEを受け取ると共に、レベル計算部6から信号レベルLV_Rout及び信号レベルLV_Sinを受け取り、図8に示す動作フローを行う。
図8は、経路変動検出部7において経路変動の有無を判定する処理を示す動作フローチャートである。
まず、経路変動検出部7では、適応フィルター部1からの適応フィルター係数のピーク位置、ERLEの観測と、レベル計算部6からの信号レベルLV_Rout及び信号レベルLV_Sinの観測を行う(F11)。
ここで、適応フィルター係数のピーク位置の検出方法としては、例えば、適応フィルター部1からの適応フィルター係数のうち、予め設定された閾値を超えた適応フィルター係数の位置をピーク位置として検出する。
そして、「適応フィルター係数のピーク位置が変動し」、かつ、「ERLEが急減し」、かつ、「信号レベルLV_Rout−信号レベルLV_Sin≧Θ」である場合(F12)、エコー経路変動ありとして判定し(F13)、そうでない場合、エコー経路変動なしと判定する(F14)。
なお、「信号レベルLV_Rout−信号レベルLV_Sin」と比較する閾値Θとしては、上述したように、例えば6dBとするが、この値に限定されない。
続いて、ダブルトーク検出部8では、適応フィルター部1から適応フィルー係数を受け取ると共に、レベル計算部6から信号レベルLV_Rout及び信号レベルLV_Sinを受け取り、図9に示す動作フローを行う。
図9は、ダブルトーク検出部8によるダブルトーク検出処理の動作フローチャートである。
まず、ダブルトーク検出部8では、適応フィルター部1からの適応フィルター係数の平均値を計算すると共に、レベル計算部6からの信号レベルLV_Rout及び信号レベルLV_Sinの観測を行う(F21)。
そして、「適応フィルター係数の平均値≧閾値」、かつ、「信号レベルLV_Rout−信号レベルLV_Sin≧Θ」である場合(F22)、ダブルトーク状態であると判定し(F23)、そうでない場合、非ダブルトーク状態であると判定する(F24)。
なお、ここでは、エコー経路変動検出及びダブルトーク状態検出で用いる閾値Θは、同じ値を用いるものとしたが、それぞれ異なる値を用いるようにしてもよい。
そして、経路変動検出部7及びダブルトーク検出部8でのそれぞれの判定結果は状態判定部4に与えられ、状態判定部4により、エコー経路変動があるか、ダブルトーク状態であるか、又は、通常状態(非経路変動状態かつ非ダブルトーク状態)であるかが、判定され、その判定結果が適応フィルター制御部5に与えられる。
適応フィルター制御部5では、状態判定部4の判定結果に応じて、適応フィルター部1の適応フィルター係数の更新処理を制御する。具体的には、ダブルトーク状態である場合には、適応フィルター係数の更新処理を停止させるよう適応フィルター部1を制御する。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、受信出力信号R_out及び送信入力信号S_inの信号レベルを求め、これら信号レベルLV_Rout及びLV_Sinを用いることで、従来よりもエコー経路の変動とダブルトーク状態とをより正確に区別することができる。その結果、ダブルトーク状態でないときにも適応フィルター係数の更新処理を停止させていたとする従来の状況をなくすことができる。
(B)他の実施形態
上述した第1の実施形態においていくつかの変形例を説明したが、その他の変形実施形態について説明する。
(B−1)図10は、この変形実施形態のエコーキャンセラの構成を示す機能ブロック図である。図10において、図1の第1の実施形態と異なる点は、レベル計算部6の変わりに相互相関計算部16を備える点と、経路変動検出部17及びダブルトーク検出部18の処理である。
相互相関計算部16は、受信出力信号R_out(受信入力信号R_in)及び送信入力信号S_inを監視し、受信出力信号R_outと送信入力信号S_inとの間の相互相関を計算するものである。また、相互相関計算部16は、経路変動検出部7及びダブルトーク検出部8に対し、計算した相互相関値Colを与えるものである。
経路変動検出部17は、適応フィルター部1からの適応フィルタ係数のピーク位置及びERLEと、相互相関計算部16からの相互相関値Colとを用いて、エコー経路変動を検出するものである。
図11は、経路変動検出部17における経路変動検出処理を示す動作フローチャートである。
まず、経路変動検出部17では、適応フィルター部1からの適応フィルター係数のピーク位置及びERLEの観測と共に、相互相関計算部16からの相互相関値Colを観測する(F31)。
そして、「適応フィルター係数のピーク位置が変動し」、かつ、「ERLEが急減し」、かつ、「相互相関値Col≧Ξ」である場合(F32)、エコー経路変動ありとして判定し(F33)、そうでない場合、エコー経路変動なしと判定する(F34)。
ダブルトーク検出部18は、適応フィルター部1からの適応フィルター係数の平均値と、相互相関計算部16からの相互相関値Colとを用いて、エコー経路変動を検出するものである。
図12は、ダブルトーク検出部18におけるダブルトーク状態検出処理を示す動作フローチャートである。
まず、ダブルトーク検出部18では、適応フィルター部1からの適応フィルター係数の平均値を求めると共に、相互相関計算部16からの相互相関値Colを観測する(F41)。
そして、「適応フィルター係数の平均値≧閾値」、かつ、「相互相関値Col≧Ξ」である場合(F42)、ダブルトーク状態であると判定し(F43)、そうでない場合、非ダブルトーク状態でないと判定する(F44)。
なお、相互相関値Colを判断する閾値Ξとしては、例えば0.92という値をもちいることができる。また、閾値Ξは、経路変動検出処理とダブルトーク状態検出処理との間で、同じ値を用いてもよいし、それぞれ異なる値を用いてもよい。
以上のように、受信出力信号R_outと送信入力信号S_inとの間の相互相関結果を利用しても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(B−2)上述した第1及び変形実施形態で説明したエコーキャンセラは、音声通話装置及びこれに用いられるソフトウェアであれば、電話機だけでなく、例えば、音声通信システムを構成する装置(例えば、各種中継装置、端末等)及びソフトウェアにも広く適用することができる。また、音響エコーキャンセラとして、特定音響情報を除去する装置及びソフトウェアにも適用することができる。
(B−3)第1及び変形実施形態では、エコーキャンセラが取り込む信号をフルバンドで計算した場合を例に挙げて説明したが、特許文献1に示すように、ダウンサンプリングしてサブバンド化したものを用いて、エコー経路変動やダブルトーク状態を区別するようにしてもよい。これにより、計算量を削減することができる。
(B−4)適応アルゴリズムとして、NLMS法、RSL法以外にも、LMS法、アフィン投影法やこれらに派生した方法等を適用することができる。
また、第1の実施形態では、「(信号レベルLV_Rout)−(信号レベルLV_Sin)」を用いて判断したが、信号レベルの比率、例えば「(信号レベルLV_Sin)/信号レベルLV_Rout)」を用いて閾値との比較をしてもよい。
(B−5)第1及び変形実施形態では、ダブルトーク状態とエコー経路の変動を同時に検出する場合を説明したが、ダブルトーク状態のみを検出する場合、エコー経路の変動のみを検出する場合のいずれにも同様に適用することができる。
(B−6)第1及び変形実施形態で説明したエコーキャンセラは、ハードウェア資源(例えばCPU等)が処理プログラムを実行して実現するソフトウェア処理として実現できるが、ハードウェアで実現するようにしてもよい。
第1の実施形態のエコーキャンセラの構成を示すブロック図である。 従来のエコーの発生の様子を説明する説明図である。 従来のエコーキャンセラの構成を示すブロック図である。 従来のエコー経路変動の検出動作を示すフローチャートである。 従来のダブルトーク状態の検出動作を示すフローチャートである。 従来のエコー経路の様子を示す説明図である。 従来のエコー経路の様子を示す説明図である。 第1の実施形態のエコー経路変動の検出動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態のダブルトーク状態の検出動作を示すフローチャートである。 変形実施形態のエコーキャンセラの構成を示すブロック図である。 変形実施形態のエコー経路変動の検出動作を示すフローチャートである。 変形実施形態のダブルトーク状態の検出動作を示すフローチャートである。
符号の説明
100…エコーキャンセラ、1…適応フィルター部、4…状態判定部、5…適応フィルター制御部、6…レベル計算部、7、17…経路変動検出部、8、18…ダブルトーク検出部、16…相互相関計算部。

Claims (11)

  1. 適応フィルター係数を更新して擬似エコー信号を生成する適応フィルターと、
    送信入力信号から上記擬似エコー信号を減算してエコー成分を除去するエコー除去手段と、
    受信出力信号及び上記送信入力信号を取り込み、上記受信出力信号及び上記送信入力信号の信号状態に基づいて、エコー経路を経由してきたエコー信号特性を判断し、その判断結果を用いて状態を判定する状態判定手段と、
    上記状態判定手段による状態判定結果に応じて、上記適応フィルターの適応フィルター処理を制御する適応フィルター制御手段と
    を備えることを特徴とするエコーキャンセラ。
  2. 上記状態判定手段が、
    上記受信出力信号及び上記送信入力信号の信号レベルを求める信号レベル測定部と、
    上記信号レベル測定部により求められた、上記受信出力信号の信号レベル及び上記送信入力信号の信号レベルに基づく信号レベルの減衰量と、所定の閾値との比較結果に応じて、エコー経路の変動を検出する経路変動検出部と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のエコーキャンセラ。
  3. 上記状態判定手段が、
    上記受信出力信号及び上記送信入力信号の信号レベルを求める信号レベル測定部と、
    上記信号レベル測定部により求められた、上記受信出力信号の信号レベル及び上記送信入力信号の信号レベルに基づく信号レベルの減衰量と、所定の閾値との比較結果に応じて、ダブルトーク状態を検出するダブルトーク検出部と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のエコーキャンセラ。
  4. 上記状態判定手段が、さらに、上記受信出力信号の信号レベル及び上記送信入力信号の信号レベルに基づく信号レベルの減衰量と、所定の閾値との比較結果に応じて、ダブルトーク状態を検出するダブルトーク検出部を有することを特徴とする請求項2に記載のエコーキャンセラ。
  5. 上記経路変動部が、上記適応フィルター係数のピーク位置が変動し、エコーキャンセラ性能が急減し、かつ、上記信号レベルの減衰量が所定の閾値以上である場合、エコー経路の変動あると判定することを特徴とする請求項2又は4に記載のエコーキャンセラ。
  6. 上記ダブルトーク検出部が、上記適応フィルター係数の平均値が所定の閾値以上であり、かつ、上記信号レベルの減衰量が所定の閾値未満である場合、ダブルトーク状態であると判定することを特徴とする請求項3又は4に記載のエコーキャンセラ。
  7. 上記状態判定手段が、
    上記受信出力信号と上記送信入力信号との間の相互相関を求める相互相関計算部と、
    上記相互相関計算部による相互相関値と所定の閾値との比較結果に応じて、エコー経路の変動を検出する経路変動検出部と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のエコーキャンセラ。
  8. 上記状態判定手段が、
    上記受信出力信号と上記送信入力信号との間の相互相関を求める相互相関計算部と、
    上記相互相関計算部による相互相関値と所定の閾値との比較結果に応じて、ダブルトーク状態を検出するダブルトーク検出部と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のエコーキャンセラ。
  9. 上記状態判定手段が、さらに、上記相互相関計算部による相互相関値と所定の閾値との比較結果に応じて、ダブルトーク状態を検出するダブルトーク検出部を有することを特徴とする請求項7に記載のエコーキャンセラ。
  10. 上記受信出力信号及び上記送信入力信号に対してダウンサンプリングして上記状態判定手段に与えるダウンサンプリング手段を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のエコーキャンセラ。
  11. 適応フィルター、エコー除去手段、状態判定手段及び適応フィルター制御手段を備えるエコーキャンセラによるエコーキャンセル方法において、
    上記適応フィルターが、適応フィルター係数を更新して擬似エコー信号を生成する工程と、
    上記エコー除去手段が、送信入力信号から上記擬似エコー信号を減算してエコー成分を除去するエコー除去工程と、
    上記状態判定手段が、受信出力信号及び上記送信入力信号を取り込み、上記受信出力信号及び上記送信入力信号の信号状態に基づいて、エコー経路を経由してきたエコー信号特性を判断し、その判断結果を用いて状態を判定する状態判定工程と、
    上記適応フィルター制御手段が、上記状態判定手段による状態判定結果に応じて、上記適応フィルターの適応フィルター処理を制御する適応フィルター制御工程と
    を有することを特徴とするエコーキャンセル方法。
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