JP3144766U - 地下構造物用鉄蓋 - Google Patents
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Abstract
【課題】構内や歩道に設置するのに適した、新しい滑り止め形状を表面に備える地下構造物用鉄蓋を提供する。
【解決手段】鉄蓋のベース面3上に、所定高さを有する複数の第一リブ7と、第一リブ7よりも低い複数の第二リブ8とを分散配置してなる滑り止め面部5を設け、第一リブ7及び第二リブ8を、夫々縦断面形状が矩形状または上辺が短尺な台形状とし、さらに、第一リブ7の端部の上面に小突部10を上方突成した。
【選択図】図2
【解決手段】鉄蓋のベース面3上に、所定高さを有する複数の第一リブ7と、第一リブ7よりも低い複数の第二リブ8とを分散配置してなる滑り止め面部5を設け、第一リブ7及び第二リブ8を、夫々縦断面形状が矩形状または上辺が短尺な台形状とし、さらに、第一リブ7の端部の上面に小突部10を上方突成した。
【選択図】図2
Description
本考案は、マンホールやハンドホール等の地下構造物の施蓋に用いる地下構造物用鉄蓋に関するものである。
近年、降雨時に地下構造物用鉄蓋の表面が滑り易くなり、スリップ事故を引き起こす危険性が指摘されており、鉄蓋の表面に、滑り止め機能を有する滑り止め面部が設けられたものが種々提案されている。この滑り止め面部には、鉄蓋の表面に突起やリブを設けてなる突部タイプと、鉄蓋の表面を樹脂でコーティングしてなる樹脂被覆タイプとがある。
突部配設タイプの滑り止め面部は、ベース面上の突部をタイヤに食い込ませることにより滑り止め機能を発揮するとともに、タイヤをベース面で支持して通行時の安定性を確保するものであり、樹脂被覆タイプに比べて低コストで耐久性に優れるという利点がある。
しかしながら、従来、突部配設タイプの滑り止め面部は、専ら車道の地下構造物の鉄蓋に採用されており、構内や歩道などの地下構造物の鉄蓋には採用されていない。構内や歩道には(イ)子供程度の体重の軽い歩行者、(ロ)大人程度の体重の重い歩行者、(ハ)自転車等の小型車両といった、車道よりも多様な通行者が存在し、既存の突部配設タイプの滑り止め面部はこれらの通行者に対応できていないためである。
すなわち、既存の突部配設タイプは、車両のスリップを防止するために、ベース面に突出幅の大きい突部が設けられた構成であるが、歩行者は接地面の荷重が小さく、靴底が突部に十分に食い込まないため、靴底がベース面で支持されず、通行時の歩行安定性を確保できない。これに対して、歩行者の靴底がベース面で支持されるように突部の高さを小さくすると、自転車等の小型車両のタイヤに対して突部が十分に食い込まず、当該車両に対して十分な滑り止め機能を発揮できないのである。
本考案はかかる問題の解決を試みたものであり、構内や歩道に設置するのに適した、新しい滑り止め面部を備える地下構造物用鉄蓋の提供を目的とする。
本考案は、滑り止め機能を有する滑り止め面部が表面に設けられた地下構造物用鉄蓋であって、前記滑り止め面部は、略平坦なベース面上に所定高さを有する複数の第一リブと、該第一リブよりも低い複数の第二リブとを分散配設してなり、前記第一リブ及び第二リブは略平坦な上面を有し、各第一リブの端部には小突部が上方突成されていることを特徴とする地下構造物用鉄蓋である。
かかる構成では、(イ)子供程度の体重の軽い歩行者、(ロ)大人程度の体重の重い歩行者、(ハ)自転車等の小型車両、の三つのカテゴリーの通行者全てに対して、好適な滑り止め機能を発揮し、且つ、通行時の安定性を確保することができる。
具体的には、(イ)子供程度の体重の軽い歩行者に対しては、小突部が滑り止めの引っ掛りとして働き、第一リブが当該歩行者の靴底を支持して歩行安定性を確保する働きをする。すなわち、かかる歩行者は、靴底にかかる荷重が小さいため、その靴底は表面積の小さい小突部に食い込む程度に留まり、第一リブで支持されることとなる。体重の軽い歩行者は概して地面を蹴る力が弱いため、靴底が小突部に食い込む程度でも、十分な滑り止め作用を発揮できる。また、分散状に配置された各第一リブは、略平坦な上面を有し、且つ、ベース面からの高さが一定であるので、当該歩行者の靴底を確実に支持し、歩行安定性を確保することができる。
また、(ロ)大人程度の体重の重い歩行者に対しては、小突部及び第一リブが滑り止めの引っ掛りとして働き、第二リブが当該歩行者の靴底を支持して歩行安定性を確保する働きをする。すなわち、かかる歩行者は、靴底にかかる荷重が比較的大きいため、その靴底は、小突部だけでなく第一リブにも食い込んで、第二リブで支持されることとなる。体重の重い歩行者は概して地面を蹴る力が強いが、靴底が第一リブに食い込むことにより十分な滑り止め作用が発揮される。また、各第二リブは、第一リブ同様に分散状に配置され、略平坦な上面を有し、且つ、ベース面からの高さが一定であるので、歩行者の靴底を確実に支持し、歩行安定性を確保することができる。
また、(ハ)自転車等の小型車両が蓋上に載った場合には、小突部、第一リブ、第二リブの全てが滑り止めの引っ掛りとして働き、ベース面が当該車両のタイヤ底面を支持して通過時の安定性を確保する働きをする。すなわち、かかる小型車両は、タイヤの接地面にかかる荷重が大きいため、タイヤの底面は、小突部、第一リブ、第二リブの全てに食い込んでベース面に支持されることとなる。小型車両は駆動力が大きく、歩行者に比べて強いグリップ力を必要とするが、タイヤ底面が小突部、第一リブ、第二リブの全てに食い込むことにより十分な滑り止め作用が発揮される。また、ベース面は略平坦であるため、小型車両のタイヤ底面を確実に支持し、通過時の振動を抑えることができる。
このように、本考案に係る滑り止め面部は、三種類の通行者の荷重に応じて小突部、第一リブ及び第二リブがひっかかりとして働き、夫々の通行者に対して好適な滑り止め機能を発揮すると同時に、通行者の荷重に応じて第一リブ、第二リブ、及びベース面のいずれかが靴底やタイヤを支持することにより通過時の安定性を確保する。
また、本考案にあっては、前記第一リブ及び第二リブが、屈曲状または放射状の平面形状を有することが提案される。かかる構成にあっては、靴底やタイヤに各リブが食い込んだ際に複数方向への滑り止め作用を発揮する。したがって、多方向からの通行者に対して適切に滑り止め効果を得ることができる。また、通行方向に対する滑り止め作用と同時に横滑りも好適に防止できる。
また、本考案にあっては、前記ベース面から第一リブの上面までの高さをH1、前記ベース面から第二リブの上面までの高さをH2、前記ベース面から小突部の上端までの高さをH3、とした時に、H2が1〜2.5mmであり、H1とH2の差が1〜2.5mmであり、H1とH3の差が0.5〜3.5mmであることが望ましい。H1とH3の差が0.5mm以上であれば、体重の軽い歩行者が蓋上に載った場合に、小突部が歩行者の靴底を変形させて、ひっかかりとして十分に作用することができる。また、H1とH3の差が3.5mmより大きいと、体重の軽い歩行者の靴底が第一リブの上面にまで達せず、歩行安定性が損なわれるおそれがある。また、H1とH2の差が1mm以上であれば、体重の重い人が蓋上に載った場合に、第一リブの上面が靴底を変形させて、ひっかかりとして十分に作用することができる。H1とH2の差が2.5mmより大きいと、体重の重い歩行者の靴底が第二リブの上面に達せず、歩行安定性が損なわれるおそれがある。また、H2が1mm以上であれば、自転車等のタイヤが蓋上に載った場合に、第二リブがひっかかりとして作用することができる。一方、H2が2.5mmより大きいと、タイヤがベース面に達せず、通過時の振動が大きくなるおそれがある。
また、本考案にあっては、前記第一リブの上面の幅が2〜10mmであることが望ましい。第一リブの上面の幅が10mm以下であれば、靴底やタイヤに食い込み易くなり、引っ掛りとして好適に機能できる。一方、第一リブの幅が2mmより狭いと強度が不十分となり、第一リブが破損し易くなる。
また、本考案にあっては、滑り止め面部の平面積に対する、第一リブの上面の面積の割合が8〜14%であり、滑り止め面部の平面積に対する、第二リブの上面の面積の割合が12〜20%であり、滑り止め面部の平面積に対する、小突部の上面の面積の割合が2〜8%であることが望ましい。滑り止め面部の平面積に対する第一リブの上面の面積の割合が8%以上であれば、体重の軽い歩行者の靴底を安定に支持することができ、14%以下であれば、体重の重い歩行者の靴底に適切に食い込むことができる。また、滑り止め面部の平面積に対する第二リブの上面の面積の割合が12%以上であれば、体重の重い歩行者の靴底を安定に支持することができ、20%以下であれば、自転車等のタイヤに適切に食い込むことができる。さらに、滑り止め面部の平面積に対する小突部の上面の面積の割合が2%以上であれば、体重の軽い歩行者に対して十分な滑り止め機能を発揮することができ、8%以下であれば、体重の軽い歩行者の靴底に適切に食い込むことができる。
また、本考案にあっては、前記第一リブは平面略Y字状をなしており、該第一リブの各端部に上方突成される三つの前記小突部は、夫々の高さが異なることが望ましい。かかる構成にあっては、第一リブの三つの小突部のうち、高いものから順番に歩行者の靴底に食い込むこととなる。このため、歩行者の体重が極めて軽く、第一リブの小突部の全てに十分に靴底を食い込ませることができない場合でも、当該歩行者の靴底に第一リブの1つ又は2つの小突部を食い込ませることができ、これにより最低限の滑り止め作用を発揮することが可能となる。
また、本考案においては、前記ベース面は、滑り止め面部から鉄蓋周縁まで連続状に形成され、且つ、鉄蓋周縁に向かって僅かに下り傾斜しており、ベース面上を、滑り止め面部上から鉄蓋周縁まで雨水を流下させて、鉄蓋周縁から流出させ得るようになっている構成が提案される。かかる構成によれば、滑り止め面部上に降った雨水が滞留することなく、鉄蓋の周縁部に排出されることとなり、蓋上に溜まった雨水によるスリップを好適に防止でき、また、鉄蓋の発錆も防止できる。
以上に述べたように、本考案の地下構造物用鉄蓋は、(イ)子供程度の体重の軽い歩行者、(ロ)大人程度の体重の重い歩行者、(ハ)自転車等の小型車両、の全て通行者に対して、好適な滑り止め機能を発揮することができ、且つ、通行時の安定性も確保することができる。したがって、かかる地下構造物用鉄蓋は、歩道や構内などの、多様な対象が通行する場所に設置される地下用構造物の鉄蓋として最適である。
本考案の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
図1は、実施例の地下構造物用鉄蓋1の平面図である。この地下構造物用鉄蓋1は、円板形状をなす鋳鉄製品であり、構内や歩道等に設けられたマンホールの受枠(図示省略)に取り付けられて、該受枠の開口部を閉止する。
地下構造物用鉄蓋1の表面には、図1中、上下周縁部に、型式・製造元等を表示するための表示枠部11a,11bが設けられる。また、図1中、左右両側部に開閉用の工具を連結するための把持部12,12が設けられている。本考案に係る滑り止め面部5は、表示枠部11a,11b、把持部12,12及び周縁部6を除いた、鉄蓋1の表面全域に設けられる。
鉄蓋1の、表示枠部11a,11b及び把持部12,12を除く領域には、略全域に亘って連続する略平坦なベース面3が形成される。なお、ベース面3は、鉄蓋1の中央部から周縁に向けて僅かに傾斜しており、ベース面3上から鉄蓋1の周縁に水を流下させ得るようになっている。鉄蓋1の周縁部には、ベース面3上に、鉄蓋1の周方向に沿った第三リブ9が周方向に沿って間隔をおいて複数配設されている。
滑り止め面部5は、地下構造物用鉄蓋1のベース面3に、平面略Y字状をなす第一リブ7と平面略ヘ字状をなす第二リブ8とを複数分散配設してなるものである。図2,3に示すように、各第一リブ7と第二リブ8は、規則的に、且つ密集状に配設される。
第一リブ7は平面略Y字状をなす三叉に分かれた放射状リブであり、滑り止め面部5には、かかる第一リブ7が等間隔に、全て同じ向きで配置される。各第一リブ7は縦断面形状が矩形状をなしており、その上面(小突部10の非配設部分)のベース面3からの高さH1が4mmに、その幅が5mmに設定されている。この第一リブ7の各先端部分の上面には、夫々小突部10が上方突成される。各小突部10は平面略矩形状をなす直方体状の突起であり、第一リブ7の全幅に亘って設けられる。各小突部10の上面のベース面3からの高さH3は6mmに設定されている。
第二リブ8は、鈍角に屈折した平面略ヘ字状をなすリブである。各第二リブ8は、縦断面形状が矩形状をなしており、その上面のベース面3からの高さH2が2mmに、その幅が5mmに設定されている。滑り止め面部5では、三つの第二リブ8が夫々の屈折部の凸側を対向させてなる集合単位を形成し、各集合単位が三つの第一リブ7に囲まれるように等間隔に配置されている。
また、滑り止め面部5においては、滑り止め面部5の平面積に占める第一リブ7の上面の面積の割合が13%であり、滑り止め面部5の平面積に占める第二リブ8の上面の面積の割合が13%であり、滑り止め面部5の平面積に占める小突部10の上面の面積の割合が7%となるように設定されている。
ベース面3は、その中央部が周縁部より上方に2mm程度膨出する略球面状になっており、中央部から周縁に向けて緩やかに下り傾斜している。ここで、滑り止め面部5に設けられる第一リブ7及び第二リブ8は、夫々が間隔をおいて断続的に配置されており、且つ、ベース面3の周縁部に形成された第三リブ9は、鉄蓋1の周方向に沿って周方向に間隔をおいて形成されており、ベース面3は、滑り止め面部5から鉄蓋1の周縁部までリブによって遮断されることなく連続している。かかる構成によれば、滑り止め面部5に降った雨水は、鉄蓋1の周縁部に向けてベース面3上を流下することとなり、第三リブ9の間を通過して、鉄蓋1の周縁から流出することとなる。
滑り止め面部5は、3種類の通行者に対して滑り止め作用を発揮する。第一の通行者は、子供程度の比較的体重の軽い歩行者である。第二の通行者は、大人程度の比較的体重の重い歩行者である。そして、第三の通行者は、歩行者よりも重い二輪車等の小型車両である。
図5(a),6(a)に示すように、第一の通行者が滑り止め面部5上に載った場合、通行者の体重が軽いものの、小突部10の表面積が小さいためその靴底S1は小突部10に食い込むように変形し、第一リブ7の上面で支持されることとなる。
すなわち、かかる場合には、小突部10がひっかかりとして機能し、スリップを防止する。小突部10は表面積が少ないから、体重の軽い歩行者の靴底S1に食い込むことができる。また、小突部10は表面積が少ないものの、体重の軽い歩行者はそれほどグリップ力を必要としないため、当該歩行者に対する滑り止めとしては十分である。また、当該歩行者の靴底S1は第一リブ7に接地するのみであるが、第一リブはY字状の放射形状をなし、且つ一定間隔で分散状に配置されているため、歩行者の靴底S1を多点で支持することができ、歩行安定性を維持する働きをする。
また、図5(b),6(b)に示すように、第二の通行者が滑り止め面部5上に載った場合、通行者の体重が重いため、その靴底S2は第一リブ7全体に食い込むように変形し、第二リブ8の上面で支持される。
すなわち、かかる場合には、第一リブ7全体がひっかかりとして機能し、スリップを防止する。第二の通行者は体重が重く、強いグリップ力が必要となるが、第一リブ全体がひっかかりとして機能するため十分なスリップ防止効果が得られる。また、歩行者の靴底S2は第二リブ8の上面で支持されることとなるが、第二リブ8は、第一リブ7同様分散状に配置されているため、靴底S2は多点で支持されることとなり、歩行者がバランスを崩す心配がない。
さらに、図5(c),6(c)に示すように、第三の通行者が滑り止め面部5上に載った場合、通行者が歩行者よりも重いため、そのタイヤTは第一リブ7及び第二リブ8全体に食い込むように変形し、ベース面3上で支持される。
すなわち、かかる場合には、第一リブ7及び第二リブ8がタイヤTのひっかかりとして機能するため、車両は、歩行者の場合よりも強いグリップ力を得ることができる。また、タイヤTの底面はベース面3上で安定に支持されるため、通過時に大きく振動することがない。
実際に、本実施例の地下構造物用鉄蓋1の上を上記の各種通行者に通行させて、その滑りにくさ及び歩行安定性について評価させた。この結果、全ての通行者において、従来の地下構造物用鉄蓋よりも、滑りにくさ、歩行安定性の点で良好であるとの評価が得られた。
このように、本実施例の地下構造物用鉄蓋1の滑り止め面部5は、小突部10、第一リブ7、及び第二リブ8の三段の突部を有しており、靴底やタイヤを、その荷重に応じた突部に食い込ませることにより、重量の異なるそれぞれの通行者に対して適切なスリップ防止作用を発揮することができる。また、第一リブ7、第二リブ8の上面やベース面3が、荷重に応じてその靴底やタイヤを支持することで、通行時の安定性(歩行安定性・振動防止)も確保することができる。
また、本実施例にあっては、第一リブ及び第二リブが細幅状のリブで形成されている。かかる構成によれば、リブ上面の面積に比して多くのエッジ部分が形成されるため、靴底やタイヤがリブ7,8に食い込んだ際に、好適な滑り止め作用を発揮することができる。
また、第一リブ7及び第二リブ8は、広範囲に密集状に分散しているから、多点で歩行者の靴底を支持できる。一方で、リブは細幅状であるから、密集状に分散していても接触面積がそれほど多くならず、歩行者の靴底やタイヤを食い込ませやすい。
また、第一リブ7及び第二リブ8は、Y字状やヘ字状の平面形状を有し、多方向に延びているため、通行者が地下構造物用鉄蓋上をどの方向から横切ろうとも、その通行方向への滑り止め作用を発揮し、同時に横滑りも防止できる。
図7〜8に、上記実施例の地下構造物用鉄蓋から滑り止め面部の形状を一部変更した変形例を示す。本変形例の滑り止め面部5aは、上記実施例同様に、平面略Y字状をなす第一リブ7aと平面略ヘ字状をなす第二リブ8aとを複数分散配設してなるものである。
本変形例にあっては、各第一リブ7a及び各第二リブ8aは、図7〜9に示すように、縦断面形状が台形状をなしている。また、上記実施例同様に、第一リブ7aの各端部には平面略矩形状をなす小突部10a〜10cが、その全幅に亘って上方突成される。ここで、第一リブ7aの各端部に形成される小突部10a〜10cの高さを夫々異ならせており、各第一リブ7aは、高さの異なる小突部10a〜10c同士を隣接させるように滑り止め面部5aに配置されている。
具体的には、図9に示すように、本変形例の滑り止め面部5aにあっては、各第一リブ7aの上面(小突部10の非配設部分)のベース面3からの高さH1が3mmに、その幅が6mmに設定されている。また、各小突部10a〜10cの上面のベース面3からの高さH3a,H3b,H3cは、それぞれ6mm、5mm、4mmに設定されている。また、第二リブ8は、その上面のベース面3からの高さH2が1.5mmに、その幅が5mmに設定されている。
また、滑り止め面部5aにおいては、滑り止め面部5aの平面積に占める第一リブ7aの上面の面積の割合が9%であり、滑り止め面部5aの平面積に占める第二リブ8aの上面の面積の割合が17%であり、滑り止め面部5aの平面積に占める小突部10a〜10cの上面の面積の割合が3%となるように設定されている。
本変形例の滑り止め面部5aにあっては、第一リブ7aの各端部に上方突成される三つの小突部10a〜10cの高さが異なっているため、体重の極めて軽い歩行者に対しても適切に滑り止め作用を発揮することができる。すなわち、上記実施例の滑り止め面部5では、各小突部10は高さが均一で歩行者の靴底に均一に当接するため、体重の極めて軽い歩行者の靴底に対して各小突部10を十分に食い込ませることができないが、本変形例の滑り止め面部5aにあっては、高い小突部10aから順番に靴底に当接することとなるため、全ての小突部10a〜10cを靴底に食い込ませることができなくても、比較的高い一種または二種の小突部10a,10bを靴底に十分に食い込ませることができ、これにより好適な滑り止め作用を発揮できるのである。
実際に、変形例の滑り止め面部5aを有する地下構造物用鉄蓋1の上を各種通行者に通行させて、その滑りにくさ及び歩行安定性に関して評価させた。この結果、通行者が体重の軽い歩行者である場合には、上記実施例の地下構造物用鉄蓋1に比べて滑りにくさの点において良好な評価が得られた。また、それ以外の点に関しては、上記実施例の地下構造物用鉄蓋1と同等の評価が得られた。
なお、本考案における地下構造物用鉄蓋は、上記実施例の形態に限らず本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
1 地下構造物用鉄蓋
3 ベース面
5,5a 滑り止め面部
6 周縁部
7,7a 第一リブ
8,8a 第二リブ
9 第三リブ
10,10a,10b,10c 小突部
3 ベース面
5,5a 滑り止め面部
6 周縁部
7,7a 第一リブ
8,8a 第二リブ
9 第三リブ
10,10a,10b,10c 小突部
Claims (7)
- 滑り止め機能を有する滑り止め面部が表面に設けられた地下構造物用鉄蓋であって、
前記滑り止め面部は、略平坦なベース面上に所定高さを有する複数の第一リブと、該第一リブよりも低い複数の第二リブとを分散配設してなり、
前記第一リブ及び第二リブは略平坦な上面を有し、
各第一リブの端部には小突部が上方突成されていることを特徴とする地下構造物用鉄蓋。 - 前記第一リブ及び第二リブが、屈曲状または放射状の平面形状を有することを特徴とする請求項1記載の地下構造物用鉄蓋。
- 前記ベース面から第一リブの上面までの高さをH1、前記ベース面から第二リブの上面までの高さをH2、前記ベース面から小突部の上端までの高さをH3、とした時に、H2が1〜2.5mmであり、H1とH2の差が1〜2.5mmであり、H1とH3の差が0.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地下構造物用鉄蓋。
- 前記第一リブの上面の幅が2〜10mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の地下構造物用鉄蓋。
- 滑り止め面部の平面積に対する、第一リブの上面の面積の割合が8〜14%であり、
滑り止め面部の平面積に対する、第二リブの上面の面積の割合が12〜20%であり、
滑り止め面部の平面積に対する、小突部の上面の面積の割合が2〜8%であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の地下構造物用鉄蓋。 - 前記第一リブは平面略Y字状をなしており、該第一リブの各端部に上方突成される三つの前記小突部は、夫々の高さが異なることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の地下構造物用鉄蓋。
- 前記ベース面は、滑り止め面部から鉄蓋周縁まで連続状に形成され、且つ、鉄蓋周縁に向かって僅かに下り傾斜しており、
ベース面上を、滑り止め面部上から鉄蓋周縁まで雨水を流下させて、鉄蓋周縁から流出させ得るようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の地下構造物用鉄蓋。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012017568A (ja) * | 2010-07-06 | 2012-01-26 | Nippon Chutetsukan Kk | 地下構造物用蓋 |
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JP2012017568A (ja) * | 2010-07-06 | 2012-01-26 | Nippon Chutetsukan Kk | 地下構造物用蓋 |
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