JP3144576B2 - 伝送線路変換部の構造 - Google Patents

伝送線路変換部の構造

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JP3144576B2 JP30643091A JP30643091A JP3144576B2 JP 3144576 B2 JP3144576 B2 JP 3144576B2 JP 30643091 A JP30643091 A JP 30643091A JP 30643091 A JP30643091 A JP 30643091A JP 3144576 B2 JP3144576 B2 JP 3144576B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つの伝送線路間を接
続して、高周波信号を伝送させる伝送線路変換部の構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体装置では信号の入出力
部或いは分岐部等において、線路変換を行うことが多々
ある。図2は従来の伝送線路変換部の一例を示したもの
で、図2の(a) は斜視図、(b) は(a) におけるA−A’
線矢視方向の断面図である。ここでは、伝送線路として
コプレーナ線路と同軸線路を用いた伝送線路変換部を例
とする。図において、101 はコプレーナ線路で、周知の
ように絶縁体基板113 の一方の面に形成された平板状の
信号用導体111 と、この信号用導体111 の両側に所定間
隔を開けて設けられた平板状の接地用導体112 とから構
成されている。また、102 は同軸線路で、円柱状の信号
用導体121 と、信号用導体121 に被覆された絶縁体123
と、絶縁体123 の周囲に被覆された接地用導体122 とか
ら構成されている。
【0003】これらの伝送線路を接続する伝送線路変換
部においては、コプレーナ線路101の信号用導体111 上
に同軸線路102 の信号用導体121 の先端が搭載され半田
付け等により電気的に接続されると共に、コプレーナ線
路101 の接地用導体121 の端部と同軸線路102 の接地用
導体122 の端部が半田付け等により電気的に接続されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の伝送線路変換部の構造では、伝送特性が劣化す
るという問題点があった。
【0005】図3は、従来例の伝送線路変換部における
挿入損失の周波数特性を表した曲線である。図におい
て、横軸は周波数を表し、縦軸は挿入損失を表してい
る。前述したように、接続対象となる2つの伝送線路は
互いに異なる形状を有することから、伝送線路変換部に
おいて電解分布が乱れたり、不要な電解分布が発生す
る。このため、伝送線路変換部は不整合状態となり、こ
れに伴う反射損失や挿入損失に起因する共振現象が原因
となり、広帯域にわたって周波数特性曲線にディップや
リップルが生じるなど、線路変換部での伝送特性が劣化
していた。
【0006】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、異な
る形状の伝送線路を整合接続できる伝送線路変換部の構
造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、第1の伝送線路と、該第1の伝送線路と
は異なる種類の第2の伝送線路とを互いに接続して、該
第1の伝送線路から該第2の伝送線路へ電磁波を伝搬さ
せる伝送線路変換部の構造であって、前記第1の伝送線
路及び前記第2の伝送線路の一方或いは双方の信号用導
体及び接地用導体が形成された絶縁体基板と、前記信号
用導体上に被覆形成された誘電体層と、少なくとも前記
誘電体層上に被覆形成された電磁波吸収材料からなる電
磁波吸収層とを備えた伝送線路変換部の構造を提案す
る。
【0008】
【作用】本発明によれば、第1の電送線路と第2の電送
線路との接続部分において不整合が生じた場合、信号用
導体を伝搬する伝搬対象となる電磁波のモードとは異な
るモードの電磁波或いは高次の電磁波等が生じるが、こ
れらは電磁波吸収層によって吸収される。これにより、
互いに異なる種類の伝送線路間の線路変換部における電
界分布の乱れや不要な電界分布の発生が広帯域にわたっ
て抑圧される。さらに、誘電体層により信号用導体と前
記電磁波吸収層との間が絶縁され、伝搬対象の電磁波が
電磁波吸収層を伝搬することを防止できる。さらに、前
記誘電体層によって前記信号用導体と前記電磁波吸収層
との間に間隔が設けられるので、伝搬対象の電磁波によ
って前記信号用導体の周囲に発生する電界等が前記電磁
波吸収層によって乱されることもない。
【0009】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例を示す構成図で
あり、図1の(a) は一部破断斜視図、(b) は(a) におけ
るB−B’線矢視方向の断面図である。ここでは、伝送
線路としてコプレーナ線路と同軸線路を用いた伝送線路
変換部を構成している。図において、1はコプレーナ線
路で、周知のように絶縁体基板13の一方の面に形成さ
れ、所定の幅と厚さとを有する平板状の信号用導体11
と、この信号用導体11の両側に所定間隔を開けて設け
られた平板状の接地用導体12とから構成されている。
また、2は同軸線路で、円柱状の信号用導体21と、信
号用導体21に被覆形成された絶縁体層23と、絶縁体
層23の周囲に被覆された接地用導体22とから構成さ
れている。
【0010】これらの伝送線路を接続する線路変換部に
おいては、コプレーナ線路1の信号用導体11上に同軸
線路2の信号用導体21の先端が搭載され半田付け等に
より電気的に接続されると共に、コプレーナ線路1の接
地用導体12の端部と同軸線路2の接地用導体22の端
部が半田付け等により電気的に接続されている。また、
絶縁体基板13状に形成されたコープレーナ線路1の信
号用導体11、及びこの信号用導体11と同軸線路2の
信号用導体21との接続部分、さらにコプレーナ線路1
の接地用導体12の一部が被覆されるように誘電体層1
0が形成されている。さらに、誘電体層10及び接地用
導体12,22の上部には、これらを被覆するように電
磁波吸収材料によって電磁波吸収層3が設けられてい
る。また、絶縁体基板13の他方の面にも電磁波吸収層
3の形成位置に対応して電磁波吸収層31が形成されて
いる。
【0011】ここで、電磁波吸収層3,31を構成する
電磁波吸収材料としては、伝搬対象となる電磁波以外の
電磁波を吸収する特性を有するものが用いられ、例えば
カーボン等の導電損失材を主成分とするもの、或いはフ
ェライト粉末を混入したゴム、カーボン粉末とフェライ
ト粉末とを混入したゴム等のフェライトを主成分とする
磁性損失材を含むもの、又は誘電損失材を主成分とする
もの等が用いられる。
【0012】前述のように構成された線路変換部を用い
て、伝送線路の挿入損失の周波数特性を測定すると、図
4に示す周波数特性が得られた。図において、横軸は周
波数を表し、縦軸は挿入損失を表している。この測定結
果においては、100GHzにも及ぶ広帯域にわたってディッ
プやリップルの無い周波数特性曲線が得られた。
【0013】即ち、コプレーナ線路1と同軸線路2との
接続部分においてインピーダンス等の不整合が生じた場
合、伝搬対象となる電磁波のモードとは異なるモードの
電磁波或いは高次の電磁波等が生じるが、これらは電磁
波吸収層3,31によって吸収される。これにより、互
いに異なる形状を有する伝送線路間の線路変換部におけ
る電界分布の乱れや不要な電界分布の発生が広帯域にわ
たって抑圧される。さらに、信号用導体11,21と電
磁波吸収層3との間に誘電体層10を設けているので、
伝搬対象の電磁波が電磁波吸収層3を伝搬することを防
止できると共に、伝搬対象の電磁波によって信号用導体
11,21の周囲に発生する電界等を電磁波吸収層3に
よって乱すこともない。
【0014】従って、互いに形状の異なるコプレーナ線
路1と同軸線路2を接続しても、線路変換部において電
界分布が乱れたり、不要な電界分布が発生することがな
いので、線路変換部における反射損失や挿入損失の増大
を抑圧することができ、広帯域にわたって挿入損失の周
波数特性曲線にディップやリップルが生じることがなく
なり、線路変換部での伝送特性を向上させることができ
る。
【0015】尚、誘電体層10を形成する誘電体として
空気を用いても同様の効果を奏することは言うまでもな
いことである。
【0016】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
図5は第2の実施例を示す構成図であり、図5の(a) は
一部破断斜視図、(b)は(a)におけるC−C’線矢視方向
の断面図である。ここでは、伝送線路として接地用導体
付きコプレーナ線路と同軸線路を用いた伝送線路変換部
を構成している。図において、5はコプレーナ線路で、
絶縁体基板53の一方の面に形成された平板状の信号用
導体51と、この信号用導体51の両側に所定間隔を開
けて設けられた平板状の接地用導体52、及び信号用導
体51と接地用導体52とに対応して絶縁体基板53の
他方の面に形成された接地用導体54とから構成されて
いる。
【0017】また、202 は同軸線路で、円柱状の信号用
導体221 と、信号用導体221 に被覆された絶縁体223
と、絶縁体223 の周囲に被覆された接地用導体222 とか
ら構成されている。
【0018】これらの伝送線路を接続する線路変換部に
おいては、コプレーナ線路5の信号用導体51上に同軸
線路202 の信号用導体221 の先端部が搭載され、信号用
導体51と信号用導体221 とが半田付け等により電気的
に接続されると共に、コプレーナ線路5の接地用導体5
1,54の端部と同軸線路202 の接地用導体222 の端部
が半田付け等により電気的に接続されている。また、絶
縁体基板53上に形成されたコプレーナ線路5の信号用
導体51、及びこの信号用導体51と同軸線路202 の信
号用導体221 との接続部分、さらにコプレーナ線路5の
接地用導体52の一部が被覆されるように誘電体層110
が形成されている。さらにまた、誘電体層110 及び接地
用導体52,222 の上部には、これらを被覆するように
電磁波吸収材料によって電磁波吸収層103 が形成されて
いる。
【0019】ここで、電磁波吸収層103 を構成する電磁
波吸収材料としては、第1の実施例と同様に伝搬対象と
なる電磁波以外の電磁波を吸収する特性を有するものが
用いられ、例えばカーボン等の導電損失材を主成分とす
るもの、或いはフェライト粉末を混入したゴム、カーボ
ン粉末とフェライト粉末とを混入したゴム等のフェライ
トを主成分とする磁性損失材を含むもの、又は誘電損失
材を主成分とするもの等が用いられる。
【0020】前述のように構成された線路変換部を用い
た場合、接地用導体付きコプレーナ線路51と同軸線路
202 との接続部分においてインピーダンス等の不整合が
生じたとき、伝搬対象となる電磁波のモードとは異なる
モードの電磁波或いは高次の電磁波等が生じるが、これ
らは電磁波吸収層103 によって吸収される。これによ
り、互いに異なる形状を有する伝送線路間の線路変換部
における電界分布の乱れや不要な電界分布の発生が広帯
域にわたって抑圧される。さらに、信号用導体51,22
1 と電磁波吸収層103 との間に誘電体層110 を設けてい
るので、伝搬対象の電磁波が電磁波吸収層103 を伝搬す
ることを防止できると共に、伝搬対象の電磁波によって
信号用導体51,221 の周囲に発生する電界等を電磁波
吸収層103によって乱すこともない。
【0021】従って、互いに形状の異なる接地用導体付
きコプレーナ線路5と同軸線路202を接続しても、線路
変換部において電界分布が乱れたり、不要な電界分布が
発生することがないので、線路変換部における反射損失
や挿入損失の増大を抑圧することができ、広帯域にわた
って挿入損失の周波数特性曲線にディップやリップルが
生じることがなくなり、線路変換部での伝送特性を向上
させることができる。
【0022】尚、絶縁体基板53の他方の面に設けられ
た接地用導体54の厚みが薄く、電磁波が接地用導体5
4を透過して外部に漏れる場合には、接地用導体54の
表面に電磁波吸収層を形成することが望ましい。
【0023】次に、本発明の第3の実施例を説明する。
図6は第3の実施例を示す構成図であり、図6の(a) は
一部破断斜視図、(b)は(a)におけるD−D’線矢視方向
の断面図である。ここでは、伝送線路としてコプレーナ
線路とマイクロストリップ線路を用いた伝送線路変換部
を構成している。図において、201 はコプレーナ線路
で、絶縁体基板213 の一方の面に形成され、所定の幅と
厚さとを有する平板状の信号用導体211 と、この信号用
導体211の両側に所定間隔を開けて設けられた平板状の
接地用導体212 とから構成されている。さらに、信号用
導体211 と接地用導体212 との間隔がその先端に近づく
につれ大きくなるように、接地用導体212 の先端部内側
が湾曲して形成されている。これにより、周知のように
伝送線路変換部における電界分布等の乱れを緩和するこ
とができる。
【0024】また、6はマイクロストリップ線路で、絶
縁体基板213 の一方の面に形成され、前記信号用導体21
1 と同一形状の信号用導体61と、絶縁体基板213 の他
方の面に形成された所定の厚さを有する接地用導体62
とから構成されている。
【0025】これらの伝送線路を接続する線路変換部に
おいては、コプレーナ線路201 の信号用導体211 はその
ままマイクロストリップ線路6の信号用導体61となる
ように形成され、マイクロストリップ線路6の接地用導
体62の端部は、絶縁体基板213 を挟んでコプレーナ線
路201 の接地用導体212 の端部と対向するように配置さ
れている。さらに、マイクロストリップ線路6の接地用
導体62とコプレーナ線路201 の接地用導体212 とは、
絶縁体基板213 に形成されたヴィアホール8を介して電
気的に接続されている。
【0026】また、コプレーナ線路201 の信号用導体21
1 、接地用導体212 の一部、及びマイクロストリップ線
路6の信号用導体61を被覆するように誘電体層210 が
形成されると共に、この誘電体層210 及び接地用導体21
2 を被覆するように電磁波吸収材料によって電磁波吸収
層203 が形成さられている。さらに、絶縁体基板213の
他方の面には、電磁波吸収層203 の位置に対応して接地
用導体62を被覆するように電磁波吸収層231 が形成さ
れている。
【0027】ここで、電磁波吸収層203,231 を構成する
電磁波吸収材料としては、第1及び第2の実施例と同様
に伝搬対象となる電磁波以外の電磁波を吸収する特性を
有するものが用いられ、例えばカーボン等の導電損失材
を主成分とするもの、或いはフェライト粉末を混入した
ゴム、カーボン粉末とフェライト粉末とを混入したゴム
等のフェライトを主成分とする磁性損失材を含むもの、
又は誘電損失材を主成分とするもの等が用いられる。
【0028】前述のように構成された線路変換部を用い
た場合、コプレーナ線路201 とマイクロストリップ線路
6との接続部分においてインピーダンス等の不整合が生
じたとき、伝搬対象となる電磁波のモードとは異なるモ
ードの電磁波或いは高次の電磁波等が生じるが、これら
は電磁波吸収層203,231によって吸収される。これによ
り、互いに異なる形状を有する伝送線路間の線路変換部
における電界分布の乱れや不要な電界分布の発生が広帯
域にわたって抑圧される。さらに、信号用導体211 ,6
1と電磁波吸収層203 との間に誘電体層210 を設けてい
るので、伝搬対象の電磁波が電磁波吸収層203 を伝搬す
ることを防止できると共に、伝搬対象の電磁波によって
信号用導体211 ,61の周囲に発生する電界等を電磁波
吸収層203 によって乱すこともない。
【0029】従って、互いに形状の異なるコプレーナ線
路201 とマイクロストリップ線路6を接続しても、線路
変換部において電界分布が乱れたり、不要な電界分布が
発生することがないので、線路変換部における反射損失
や挿入損失の増大を抑圧することができ、広帯域にわた
って挿入損失の周波数特性曲線にディップやリップルが
生じることがなくなり、線路変換部での伝送特性を向上
させることができる。
【0030】次に、本発明の第4の実施例を説明する。
図7は第4の実施例を示す構成図であり、図7の(a) は
一部破断斜視図、(b)は(a)におけるE−E’線矢視方向
の断面図である。ここでは、伝送線路として接地用導体
付きコプレーナ線路とマイクロストリップ線路を用いた
伝送線路変換部を構成している。図において、105 はコ
プレーナ線路で、絶縁体基板153 の一方の面に形成さ
れ、所定の幅と厚さとを有する平板状の信号用導体151
と、この信号用導体151 の両側に所定間隔を開けて設け
られた平板状の接地用導体152 、及び絶縁体基板153 の
他方の面に、一面に設けられた接地用導体154 とから構
成されている。さらに、信号用導体151 と接地用導体15
2 との間隔がその先端に近づくにつれ大きくなるよう
に、接地用導体152 の先端部内側が湾曲して形成されて
いる。これにより、第3の実施例と同様に伝送線路変換
部における電界分布等の乱れを緩和することができる。
【0031】106 はマイクロストリップ線路で、絶縁体
基板153 の一方の面に形成され前記信号用導体151 と同
一形状を有する信号用導体161 と、前記接地用導体154
とから構成され、その信号用導体161 は、コプレーナ線
路105 の信号用導体151 と連続して形成されている。ま
た、接地用導体152 と接地用導体154は、絶縁体基板153
に形成されたヴィアホール108 を介して電気的に接続
されている。
【0032】さらに、コプレーナ線路105 の信号用導体
151 、接地用導体153 の一部、及びマイクロストリップ
線路106 の信号用導体161 を被覆するように誘電体層31
0 が形成されると共に、この誘電体層310 及び接地用導
体152 を被覆するように電磁波吸収材料によって電磁波
吸収層303 が形成されている。さらに、絶縁体基板153
の他方の面には、電磁波吸収層303 に対応する位置に接
地用導体154 を被覆する電磁波吸収層331 が設けられて
いる。
【0033】ここで、電磁波吸収層303,331 を構成する
電磁波吸収材料としては、第1乃至第3の実施例と同様
に伝搬対象となる電磁波以外の電磁波を吸収する特性を
有するものが用いられ、例えばカーボン等の導電損失材
を主成分とするもの、或いはフェライト粉末を混入した
ゴム、カーボン粉末とフェライト粉末とを混入したゴム
等のフェライトを主成分とする磁性損失材を含むもの、
又は誘電損失材を主成分とするもの等が用いられる。
【0034】前述のように構成された線路変換部を用い
た場合、接地用導体付きコプレーナ線路105 とマイクロ
ストリップ線路106 との接続部分においてインピーダン
ス等の不整合が生じたとき、伝搬対象となる電磁波のモ
ードとは異なるモードの電磁波或いは高次の電磁波等が
生じるが、これらは電磁波吸収層303,331 によって吸収
される。これにより、互いに異なる形状を有する伝送線
路間の線路変換部における電界分布の乱れや不要な電界
分布の発生が広帯域にわたって抑圧される。さらに、信
号用導体151,161 と電磁波吸収層303 との間に誘電体層
310 を設けているので、伝搬対象の電磁波が電磁波吸収
層303 を伝搬することを防止できると共に、伝搬対象の
電磁波によって信号用導体151,161 の周囲に発生する電
界等を電磁波吸収層303 によって乱すこともない。
【0035】従って、互いに形状の異なる接地用導体付
きコプレーナ線路105 とマイクロストリップ線路106 を
接続しても、線路変換部において電界分布が乱れたり、
不要な電界分布が発生することがないので、線路変換部
における反射損失や挿入損失の増大を抑圧することがで
き、広帯域にわたって挿入損失の周波数特性曲線にディ
ップやリップルが生じることがなくなり、線路変換部で
の伝送特性を向上させることができる。
【0036】次に、本発明の第5の実施例を説明する。
図8は第5の実施例を示す構成図であり、図8の(a) は
一部破断斜視図、(b)は(a)におけるF−F’線矢視方向
の断面図である。ここでは、伝送線路としてコプレーナ
線路とスロット線路を用いた伝送線路変換部を構成して
いる。図において、301 はコプレーナ線路で、絶縁体基
板313 の一方の面に形成され、所定の幅と厚さとを有す
る平板状の信号用導体311 と、この信号用導体311 の両
側に所定間隔を開けて設けられた平板状の接地用導体31
2 とから構成されている。
【0037】7はスロット線路で、絶縁体基板313 の一
方の面に形成された導体71,72から構成されてい
る。これらの導体71,72は所定の幅と厚さとを有
し、導体71と導体72とは所定の間隔をあけて平行に
配置されると共に、コプレーナ線路301 とほぼ直角に交
わるように配置されている。
【0038】また、コプレーナ線路301 側に位置する導
体72は、コプレーナ線路301 の接地用導体312 と連続
して形成され、コプレーナ線路301 の信号用導体311 と
スロット線路7の導体71とはエアブリッジ9を介して
電気的に接続されている。即ち、エアブリッジ9は信号
用導体311 と同等の幅を有する導体からなり、導体71
を跨いで信号用導体311 と導体71とを接続するように
湾曲形成されている。
【0039】さらに、コプレーナ線路301 の信号用導体
311 、接地用導体312 の一部、スロット線路7の導体7
1,72の一部、及びエアブリッジ9を被覆するように
誘電体層410 が形成されると共に、この誘電体層410 及
び接地用導体312 を被覆するように電磁波吸収材料によ
り電磁波吸収層403 が形成されている。
【0040】ここで、電磁波吸収層403 を構成する電磁
波吸収材料としては、第1乃至第4の実施例と同様に伝
搬対象となる電磁波以外の電磁波を吸収する特性を有す
るものが用いられ、例えばカーボン等の導電損失材を主
成分とするもの、或いはフェライト粉末を混入したゴ
ム、カーボン粉末とフェライト粉末とを混入したゴム等
のフェライトを主成分とする磁性損失材を含むもの、又
は誘電損失材を主成分とするもの等が用いられる。
【0041】前述のように構成された線路変換部を用い
た場合、コプレーナ線路301 とスロット線路7との接続
部分においてインピーダンス等の不整合が生じたとき、
伝搬対象となる電磁波のモードとは異なるモードの電磁
波或いは高次の電磁波等が生じるが、これらは電磁波吸
収層403 によって吸収される。これにより、互いに異な
る形状を有する伝送線路間の線路変換部における電界分
布の乱れや不要な電界分布の発生が広帯域にわたって抑
圧される。さらに、信号用導体311 及びエアブリッジ9
と電磁波吸収層403 との間に誘電体層410 を設けている
ので、伝搬対象の電磁波が電磁波吸収層403 を伝搬する
ことを防止できると共に、伝搬対象の電磁波によって信
号用導体311 及びエアブリッジ9の周囲に発生する電界
等を電磁波吸収層403 によって乱すこともない。
【0042】従って、互いに形状の異なるコプレーナ線
路301 とスロット線路7を接続しても、線路変換部にお
いて電界分布が乱れたり、不要な電界分布が発生するこ
とがないので、線路変換部における反射損失や挿入損失
の増大を抑圧することができ、広帯域にわたって挿入損
失の周波数特性曲線にディップやリップルが生じること
がなくなり、線路変換部での伝送特性を向上させること
ができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、互
いに異なる種類の2つの伝送線路の変換部に誘電体層と
電磁波吸収層とを設けたので、電界分布の乱れや不要な
電界分布の発生が抑圧され、さらに反射損失や挿入損失
の増大が抑制されると共に、リップル及びディップが除
去され、広帯域にわたって良好な伝送特性が得られると
いう非常に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す構成図
【図2】従来例を示す構成図
【図3】従来例における挿入損失の周波数特性を示す図
【図4】本発明の第1の実施例における挿入損失の周波
数特性を示す図
【図5】本発明の第2の実施例を示す構成図
【図6】本発明の第3の実施例を示す構成図
【図7】本発明の第4の実施例を示す構成図
【図8】本発明の第5の実施例を示す構成図
【符号の説明】
1,101,201,301 …コプレーナ線路、2,102,202 …同軸線
路、3,31,103,203,231,303,331,403…電磁波吸収材料、
5,105 …接地用導体付きコプレーナ線路、6,106 …マイ
クロストリップ線路、7 …スロット線路、8,108 …ヴィ
アホール、9 …エアブリッジ、10,110,210,310,410…誘
電体層、11,111,211,311…コプレーナ線路の信号用導
体、12,112,212,312…コプレーナ線路の接地用導体、1
3,113,213,313…コプレーナ線路の絶縁体基盤、21,121,
221…同軸線路の信号用導体、22,122,222…同軸線路の
接地用導体、23,123,223…同軸線路の絶縁体、51,151…
接地用導体付きコプレーナ線路の信号用導体、52,54,15
2,154 …接地用導体付きコプレーナ線路の接地用導体、
53,153…接地用導体付きコプレーナ線路の絶縁体基板、
61,161…マイクロストリップ線路の信号用導体、62,162
…マイクロストリップ線路の接地用導体、71,72 …スロ
ット線路の導体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 5/08 H01P 5/10 H01P 5/02 603 H01P 5/02 605 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の伝送線路と、該第1の伝送線路と
    は異なる種類の第2の伝送線路とを互いに接続して、該
    第1の伝送線路から該第2の伝送線路へ電磁波を伝搬さ
    せる伝送線路変換部の構造であって、 前記第1の伝送線路及び前記第2の伝送線路の一方或い
    は双方の信号用導体及び接地用導体が形成された絶縁体
    基板と、 前記信号用導体上に被覆形成された誘電体層と、 少なくとも前記誘電体層上に被覆形成された電磁波吸収
    材料からなる電磁波吸収層とを備えた、 ことを特徴とする伝送線路変換部の構造。
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