JP3143801B2 - イオンプレーティング装置 - Google Patents
イオンプレーティング装置Info
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Description
を備えた形式のイオンプレーティング装置に関する。
出させて配置した形式のイオンプレーティング装置は、
従来より例えば特公昭51−20170号公報や特開昭
61−257471号公報等に於いて公知である。その
1例を示せば図1の如くであり、真空室a内の上方に基
板bを設け、該真空室aの下方に該基板bと対向するる
つぼcを配置し、該真空室aの側方に電子ビームdを射
出する電子銃eが設けられ、該電子銃eから射出した電
子ビームdは電子銃eの周囲とるつぼcの周囲に夫々設
けられた電磁コイルf,gによりるつぼcへと誘導され
る。hはガス導入口、iは蒸発物、jは電極である。
した低電圧大電流(例えば50V、1000A)の電子
ビームdを、電磁コイルf,gにて発生させた磁場によ
ってるつぼcへ偏向かつ収束させ、該電子ビームdがる
つぼc内の金属を溶解・蒸発させると同時に蒸発物のイ
オン化を促進する作用を営み、これによれば、イオン化
率が高いために基板bに膜の密着性が良く、しかも真空
中にガス導入口hを介して導入した反応性ガスと蒸発物
との反応性が極めて高く、化合物膜を形成し易い利点が
ある。
その銃口を蒸発物の直上に配置し、該電子銃を横方向へ
移動自在にし、その移動により蒸発物に当る電子ビーム
の位置を変化させるようにしたものが、特開昭58−1
53778号に開示されている。
囲とるつぼcの周囲に電磁コイルf,gを設けた従来の
ものは、電子ビームの特性が低電圧大電流であるため
に、磁場による電子ビームの偏向及び集束の制御が難し
く、イオンプレーティング中にビーム照射位置を外部操
作によって変化させることは困難であった。したがっ
て、ビーム照射位置がるつぼの中心位置から外れた場合
も修正が出来ないため、均一な蒸着膜を得ることは困難
であった。また、ビーム照射位置が外れたまま使用する
ことによって、グラファイトのるつぼの寿命を低下させ
てしまうことがしばしば発生していた。また、上記の蒸
発物の直上に銃口を直角に屈曲させた電子銃を横方向へ
移動させて電子ビームの照射位置を可変としたものは、
電子ビームを集束させるために電磁コイルは必要がな
く、それ故、電子ビームの照射状態は安定でるつぼ内へ
の電子ビームの集束性は高いが、電子銃がるつぼからの
蒸発物及びイオンに直接さらされるため、電子銃を真空
室の側方に配置した場合と比較して電子銃の寿命が極め
て短くなる欠点がある。
ビームの偏向及び集束を容易かつ確実に行なえ、外部操
作により電子ビーム照射位置を容易に変更できるイオン
プレーティング装置を提供することを目的とするもので
ある。
上方に基板を設け、該真空室の下方に該基板と対向する
るつぼを配置すると共に該真空室の側方に電子ビームを
射出する電子銃を配置し、該るつぼと電子銃の周囲に夫
々該電子銃から射出した電子ビームをるつぼへ偏向させ
る電磁コイルを設けたイオンプレーティング装置に於い
て、該電子銃とその銃口の近傍の電磁コイルを一体化し
て同時に水平方向と鉛直方向とに揺動自在に設けること
により、上記の目的を達成するようにした。
とるつぼの周囲に設けられた電磁コイルにより誘導され
てるつぼ内に入射するが、電子ビームの照射位置が、低
電圧大電流の特性のため、電子ビーム自身の自己磁場、
或いはるつぼ内で蒸発物がクラウン状態になったこと、
等が原因で所定の位置からずれた場合、電子銃を外部か
ら鉛直方向、水平方向に操作すると、電子ビームの照射
位置を所定の位置へ修正できる。これによって、るつぼ
の蒸発物を効率良く蒸発させ、基板に形成される膜厚の
分布を均一にし、るつぼに電子ビームが照射されてその
寿命が短くなることの不都合がなくなる。
グ装置に基づき説明すると、同図に於いて、符号1は真
空ポンプに接続される排気口2を備えた真空室を示し、
該真空室1内の上方には適当な手段により保持されて基
板3が設けられ、該基板3と対向する下方の位置には金
属等の蒸発物4を収めたるつぼ5が設けられる。また該
真空室1の側壁には、電極6からの通電で作動するホロ
ーカソード電子銃等の電子銃7と反応性ガス等を真空室
内へ導入するためのガス導入口8が設けられる。
グ装置も備えるところであり、該るつぼ5の周囲と電子
銃7の周囲に夫々電磁コイル9、10を設けて該電子銃
7から射出される電子ビーム11をるつぼ5へ誘導する
ことも従来のものと同様であるが、本発明のものでは、
該電子銃7及びその周囲の電磁コイル10を、同時に鉛
直方向と水平方向即ち図面の上下方向と図面の紙面に垂
直な方向とに揺動自在に設けたもので、図示の例では、
真空室1にベローズジョイント12を介して取り付けた
基台13に該電子銃7とその周囲の電磁コイル10とを
固定し、該基台13を角度調整機構14により鉛直方向
と水平方向に該電子銃7と電磁コイル10が一体となっ
て揺動できるようにした。15はるつぼ5と基板3との
間のイオン化空間16に設けた基板3へ向かうイオンの
流れを制御する電磁コイルである。
は、電磁コイル9、10によりるつぼ5へと誘導され、
該るつぼ5の内部の蒸発物4が加熱溶解されて蒸発し、
イオン化される。発生した蒸気及びイオンは基板3に到
達すると同時にガス導入口8から導入された反応性ガス
と反応し、基板3上に化合物被膜が形成される。こうし
たイオンプレーティングの成膜過程に於いて、電子やイ
オンの荷電粒子は、磁力線に沿って流れることは知られ
ており、本発明の場合、角度調整機構14を操作して電
子銃7及び電磁コイル10を揺動させると磁力線は図
3、図4に示す如く移動し、これに伴なって電子ビーム
の軌道が変化する。これを更に説明すると、図3は電子
銃7及び電磁コイル10を鉛直方向へ揺動させた状態を
示し、電子銃7及び電磁コイル10の軸線には符号1
6、17、18が付されており、軸線16は鉛直方向へ
の揺動角が0°の時、軸線17はその揺動角が+方向の
時、そして軸線18は揺動角が−の時を表わす。軸線1
6の時には、電子ビーム11の軌道は磁力線19に沿
い、軸線17の時の電子ビーム11の軌道は磁力線20
に沿い、磁力線19の時よりも+方向に移行し、電子ビ
ーム11の飛距離は長くなる。更に軸線18へ電子銃7
等を揺動した場合、電子ビーム11の軌道は磁力線21
に沿い、磁力線19の時よりも−方向に移行し、電子ビ
ーム11の飛距離は短くなる。図4は電子銃7及び電磁
コイル10を水平方向へ揺動させた状態を示し、電子銃
7及び電磁コイル10の軸線には符号22、23、24
が付されており、軸線22は水平方向への揺動角が0°
の時、軸線23はその揺動角が+方向の時、そして軸線
24は揺動角が−の時を表わす。軸線22の時には、電
子ビーム11の軌道は磁力線25に沿い、軸線23の時
の電子ビーム11の軌道は磁力線26に沿い、磁力線2
5の時よりも+方向に移行し、電子ビーム11は電子銃
7から見て右方向へ飛ぶ。更に軸線24へ電子銃7等を
揺動した場合、電子ビーム11の軌道は磁力線27に沿
い、磁力線25の時よりも−方向に移行し、電子ビーム
11は電子銃7から見て左の方へ飛ぶ。
置の配置を図5に示した構成とすると共にその諸元を次
表1の通りに設定し、電子銃7及び電磁コイル10を前
記軸線16の状態として電子ビーム11を発した場合、
るつぼ5上では図6の符号28で示すように約80mm×
120mmの楕円形の照射面になる。電子銃7及び電磁コ
イル10の軸線を+2°だけ鉛直方向上方へ揺動させた
時、即ち前記軸線17の状態の時には、電子ビーム11
のるつぼ5上の照射面は符号29で示した点線の領域と
なり、具体的には20mmだけ符号28の位置から移動
し、電子銃7から遠ざかる位置へ移動する。また、該軸
線を−2°だけ鉛直方向下方へ揺動させた時、即ち前記
軸線18の状態とした時には、該照射面は符号30で示
した電子銃7に近付く位置へ移動し、その移動距離は符
号28の位置から20mmである。また図6に示す水平面
上にて+2°だけ軸線を揺動させた時、即ち前記軸線2
3の状態とした時は、電子ビーム11のるつぼ5上の照
射面は符号28に示す位置から40mmだけ+方向、即ち
電子銃7から見て右方向へ移動した符号31の位置とな
り、更に水平面上にて−2°だけ軸線を揺動したとき、
即ち前記軸線24の状態とした時は、その照射面は符号
28に示す位置から40mmだけ−方向、即ち電子銃7か
ら見て左方向へ移動した符号32の位置になる。
基板3上にTiN膜を成膜した場合、電子銃7と電磁コ
イル10の角度調整を行なわないと図7の右側の(b)に
示すように、膜厚分布が不均一になるが、本発明の装置
により角度調整を行なうと、膜厚分布は図7の左側の
(a)に示すように均一になった。角度調整を行なわない
場合、電子ビームが低電圧大電流(70V×1500
A)の特性のため、或いはビーム自身の自己磁場やるつ
ぼ内の蒸発物がクラウン状に突起することの影響で電子
銃の方向から見て左手前に落ち、図7の(b)のような膜
厚分布になるが、角度調整機構14により鉛直方向に+
2°、水平方向に+2°同時に傾動させてビームをるつ
ぼ5の略中央に移動させると、膜厚分布は図7の(a)の
ように略良好なものとなった。尚、この具体的実施例で
は電子銃7としてホローカソード電子銃を使用したが、
これの代わりに高電圧小電流のピアス型E/Bガンを用
いてもよい。但し、その場合、イオン化率が低いため、
別にイオン化電極を設ける必要がある。
の側方に電子銃を配置した形式のイオンプレーティング
装置の真空室の側方に配置された電子銃とその銃口の近
傍の電磁コイルを一体に構成して同時に水平方向と鉛直
方向とに揺動自在に設けたので、イオンプレーティング
中に該電子銃と電磁コイルとを同時に揺動して簡単な操
作で低電圧大電流の電子ビームを自在に偏向及び集束制
御することが出来、るつぼ中心への電子ビームの集束性
を向上させ得るので均一な蒸着膜を形成出来、るつぼの
寿命を低下させることもなく、また、電子銃がるつぼか
らの蒸発物やイオンに直接さらされることもないので電
子銃の寿命も長くなる等の効果がある。
のイオンプレーティング装置の截断側面図
示す側面図
示す平面図
射位置を示す平面図
Claims (2)
- 【請求項1】 真空室内の上方に基板を設け、該真空室
の下方に該基板と対向するるつぼを配置すると共に該真
空室の側方に電子ビームを射出する電子銃を配置し、該
るつぼと電子銃の周囲に夫々該電子銃から射出した電子
ビームをるつぼへ偏向させる電磁コイルを設けたイオン
プレーティング装置に於いて、該電子銃とその銃口の近
傍の電磁コイルを一体化して同時に水平方向と鉛直方向
とに揺動自在に設けたことを特徴とするイオンプレーテ
ィング装置。 - 【請求項2】 上記電子銃とその銃口の近傍の電磁コイ
ルを一つの基台に取付け、該基台をベローズジョイント
を介して真空室に取付け、該基台にこれを鉛直方向と水
平方向に揺動させる角度調整機構を設けたことを特徴と
する請求項1に記載のイオンプレーティング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03139256A JP3143801B2 (ja) | 1991-06-11 | 1991-06-11 | イオンプレーティング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03139256A JP3143801B2 (ja) | 1991-06-11 | 1991-06-11 | イオンプレーティング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04365855A JPH04365855A (ja) | 1992-12-17 |
JP3143801B2 true JP3143801B2 (ja) | 2001-03-07 |
Family
ID=15241066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03139256A Expired - Lifetime JP3143801B2 (ja) | 1991-06-11 | 1991-06-11 | イオンプレーティング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3143801B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102345049B1 (ko) | 2019-06-05 | 2021-12-29 | 박경희 | 전륜구동 자전거의 베벨기어상자 |
KR102345575B1 (ko) | 2019-06-05 | 2021-12-30 | 박경희 | 전륜자전거 차체구조 |
KR102345576B1 (ko) | 2019-08-21 | 2021-12-30 | 박경희 | 전륜구동 접이식 자전거의 베벨기어박스 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102020124269A1 (de) * | 2020-09-17 | 2022-03-17 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung eingetragener Verein | Vorrichtung und Verfahren zum Abscheiden harter Kohlenstoffschichten |
-
1991
- 1991-06-11 JP JP03139256A patent/JP3143801B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102345049B1 (ko) | 2019-06-05 | 2021-12-29 | 박경희 | 전륜구동 자전거의 베벨기어상자 |
KR102345575B1 (ko) | 2019-06-05 | 2021-12-30 | 박경희 | 전륜자전거 차체구조 |
KR102345576B1 (ko) | 2019-08-21 | 2021-12-30 | 박경희 | 전륜구동 접이식 자전거의 베벨기어박스 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04365855A (ja) | 1992-12-17 |
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