JP3527843B2 - 電子ビーム偏向装置 - Google Patents

電子ビーム偏向装置

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JP3527843B2
JP3527843B2 JP05925598A JP5925598A JP3527843B2 JP 3527843 B2 JP3527843 B2 JP 3527843B2 JP 05925598 A JP05925598 A JP 05925598A JP 5925598 A JP5925598 A JP 5925598A JP 3527843 B2 JP3527843 B2 JP 3527843B2
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豪 山村
建治 佐野
博史 亀山
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株式会社日立製作所
日立エンジニアリング株式会社
東京電力株式会社
中部電力株式会社
東北電力株式会社
関西電力株式会社
四国電力株式会社
中国電力株式会社
北海道電力株式会社
北陸電力株式会社
九州電力株式会社
日本原子力発電株式会社
日本原燃株式会社
財団法人電力中央研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、るつぼ内のターゲ
ット材に電子銃からの電子ビームを当てる際に、そのタ
ーゲット材に電子ビームが着点するようにその電子ビー
ムの軌道を偏向する電子ビーム偏向装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9に単一偏向コイル型電子ビーム偏向
装置の概念図を示す。るつぼ6の長軸方向と直角方向か
らるつぼ6に入射される電子銃1からの電子ビーム2
を、ポールピース5付きの単一偏向コイル14が生成す
る長軸方向の偏向磁場により下向きに偏向し、るつぼ6
内のターゲット材7を加熱蒸発している。
【0003】図11に他の例の電子ビーム偏向装置の概
念図を示す(特開平62−13568 号)。電子銃1からの電子
ビーム2は、走査偏向角に応じて、るつぼ6の長軸方向
に対して斜めに且つ同一角度となるように、電子ビーム
2の通過開口部に複数の励磁コイル16を設け、磁場強
度を変えている。
【0004】開口部を通過した斜め入射の電子ビーム2
は、主磁場励磁コイル17による短軸方向磁場18によ
り下方向に偏向され、るつぼ6内ターゲット7を加熱蒸
発させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電子ビームがるつぼ内
ターゲット材を照射する際、40〜50%の電子が反射
し、被蒸着材への反射電子照射が問題となる。
【0006】図9の単一偏向コイル型電子ビーム偏向装
置では、図10に示すように、被蒸着材10への反射電
子9の照射現象が起こるので、その減少を回避すべく偏
向コイル14の電流を大にし、磁場強度を強くする必要
がある。
【0007】しかし、大出力電子銃になるにしたがい電
子銃1の構造寸法が大きくなり、るつぼ6と配置上干渉
してしまい、電子銃1が設置できなくなる問題がある。
【0008】また、電子ビーム2の長軸方向走査におい
て、るつぼ6内のターゲット材7に着点する電子ビーム
2は、短軸方向に彎曲したビーム軌道形状になり、電子
銃1内の短軸方向調整電磁レンズにて直進ビーム形状と
すべく電子銃1からの電子ビーム2の出射仰角を調整し
ている。
【0009】短軸方向彎曲は制御上小さい方が望ましい
が、磁場強度を強くした場合着点電子ビーム2の短軸方
向彎曲は大きくなり、短軸方向彎曲修正のための電磁レ
ンズによる調整量が増加するという問題がある。
【0010】また、短軸方向彎曲修正後の電子ビーム2
のターゲット材7への着点位置での電子ビーム2の入射
角を変えずに空間軌道を目的の軌道に合わせるべく修正
する場合、単一偏向コイル14のアンペアターン調整あ
るいは電子ビーム2の出射仰角調整で行っている。
【0011】単一偏向コイル14のアンペアターン調整
では磁場強度が変わるため、電子ビーム2の出射位置を
変える、すなわち電子銃1の位置を変えねばならず、目
的の空間軌道を得ることができない。
【0012】電子ビーム2の出射仰角調整の場合、電子
ビーム2の着点入射角が変わってしまうという問題があ
る。
【0013】図11の特開昭62−13568 号公報の電子ビ
ーム偏向装置では、主磁場励磁コイル17による短軸方
向磁場18の強度を強くでき、反射電子の影響軽減には
効果がある。
【0014】しかし、励磁コイル16の開口部と同一高
さにある電子銃がるつぼ上の蒸発蒸気を直接覗くことに
なり蒸気が電子銃内に入り込むことにより、加速電圧が
付加されているカソード〜アノード間での放電を誘発し
易い、及び蒸気により電子銃内が汚れやすくなるという
問題がある。
【0015】本発明の目的は、上記した反射電子の影響
を、電子銃とるつぼが干渉しない配置で軽減することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1手段は、ターゲット材を収容するるつぼと、電子
ビームを上向き迎角を付けて出射する電子銃と、前記電
子銃から出射された前記電子ビームを前記るつぼ内に向
けて偏向させる偏向磁場を発生する主偏向コイルと、平
面で見ると前記るつぼを挟む配置にて前記主偏向コイル
の両端側に装備されたポールピースとを備えた電子ビー
ム偏向装置において、平面で見ると、前記るつぼを挟ん
で前記主偏向コイルの反対側の前記電子銃と前記るつぼ
との間に、前記偏向磁場に比べて強度が低くて逆向きの
磁場を発生する補償偏向コイルを備えたことを特徴とし
た電子ビーム偏向装置であり、このような手段によれ
ば、主偏向コイルによる磁場強度を高めて反射電子の被
蒸着材への照射を低減しても、補償偏向コイルからの磁
場が主偏向コイルからの磁場影響を弱めて電子銃から補
償偏向コイル上方間の電子ビームの軌道を直線方向に修
正し、補償偏向コイル上方からるつぼ上方間での電子ビ
ームの軌道を主偏向コイルからの強い磁場によって急激
にるつぼ方向に偏向する作用が得られ、電子銃は電子ビ
ームの軌道が一部直線方向に修正されることに基づいて
るつぼから離れた方向に上向き迎角を付けた状態でずら
すことができ、るつぼ内を電子銃が覗む状態を避け、且
つ、るつぼと電子銃との配置上の干渉が避けられ、反射
電子による影響が少ない状態にて電子銃によるるつぼ内
ターゲット材への照射装置が構成できる。
【0017】同じく第2手段は、第1手段において、ポ
ールピースをその長手方向へ移動自在に装備してあるこ
とを特徴とした電子ビーム偏向装置であり、このような
手段によれば、第1手段による作用に加えて、ポールピ
ースをその長手方向に移動させることにより、るつぼの
長手方向両端側の磁場強度を変化させて、図7に示すよ
うに、電子ビームの着点位置をるつぼの長手方向と水平
直角方向へ変位させる作用が得られ、電子ビームをるつ
ぼの長手方向へ振るような走査を行った際のその走査方
向への直進性をポールピースの移動によって補償するこ
とができる。
【0018】同じく第3手段は、第1手段又は第2手段
において、ポールピースを主偏向コイルから離れるにし
たがって互いに接近する方向に配置されていることを特
徴とした電子ビーム偏向装置であり、第1手段又は第2
手段による作用に加えて、ポールピースが主偏向コイル
から離れるに従って互いに接近するから、ポールピース
近傍の磁場ベクトルの傾斜が小さくなりるつぼ内のター
ゲット材に対する電子ビームの着点がるつぼの長手方向
に大きくずれたり入射角が浅くなったりすることを抑制
できる。
【0019】同じく第4手段は、第1手段又は第2手段
又は第3手段において、各偏向コイルに各偏向コイルの
アンペアターン及びアンペアターン比を調整する制御装
置を備えたことを特徴とした電子ビーム偏向装置であ
り、第1手段又は第2手段又は第3手段による作用に加
えて、制御装置により各偏向コイルのアンペアターン及
びアンペアターン比を変えることにより、電子ビームに
対する各偏向コイルによる磁場の影響度合いを調整して
その電子ビームの軌道を所望の軌道に調整する作用が得
られる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施例の概要は、以下の
通りである。
【0021】主たる強磁場を生成する主偏向コイル3
と、主偏向コイル3と逆方向の主偏向コイル3による磁
場より弱い弱磁場を生成する補償偏向コイル4とを、る
つぼ6を挟んで配置した構成を備える。
【0022】電子銃1側に設置される補償偏向コイル4
のアンペアターン(電流×コイル巻数)は、主偏向コイ
ルのアンペアターンより小さくすることにより、るつぼ
6上付近の強磁場は主として主偏向コイル3で確保さ
れ、補償偏向コイル4と電子銃間の空間において主偏向
コイル3による電子銃側への磁場が補償偏向コイル4の
磁場で補償されることにより、電子銃1より出射される
電子ビーム2は補償偏向コイル4近くまで補償された低
磁場で概略直線状の軌道を描き、るつぼ6上付近で急激
にるつぼ6側に偏向される軌道を作ることが可能にな
る。これにより、電子銃1とるつぼ6が干渉しない配置
が達成でき及びるつぼ6上付近の強磁場により反射電子
の軌道径も小さくできるため被蒸着材への反射電子照射
を防止できる。また、補償偏向コイル4を主偏向コイル
3より下側に配置することにより、電子銃1からの電子
ビーム2を斜め上側に出射することが可能であり、蒸気
封入器11の電子ビーム開口部からの漏洩蒸気が直接電
子銃1を覗かないようにすることが達成できる。
【0023】本発明の各実施例をより具体的に説明する
と以下の通りである。
【0024】図1に示した第1実施例を以下に説明す
る。
【0025】図1において、主偏向コイル3の両端に直
線状のポールピース5を主偏向コイル3に直角に取り付
け、るつぼ6を挟んで補償偏向コイル4を主偏向コイル
3の反対側即ち電子銃側に配置するものである。
【0026】本実施例では補償偏向コイル4を主偏向コ
イル3より下げて配置してある。
【0027】図5に磁場補償の原理概念を示す。
【0028】各偏向コイルの磁場強度は、以下で表され
る。
【0029】G(r)=G0e -αr G(r):短軸方向rにおける磁場強度、 G0 :基準位置の磁場強度、 α :係数 図5は、補償偏向コイルの短軸方向中心で主偏向コイル
の磁場強度と補償コイルの磁場強度を一致させた場合の
例を示しており、総合磁場強度GS は以下となる。
【0030】 GS(r)=GM0e -α(700+r)−GC0e -α|r|MO:主偏向コイル中心での磁場強度、 GC0:補償偏向コイル中心での磁場強度、 r :補償偏向コイル中心を0とする短軸方向距離 r=0から+側の領域aでは主偏向コイル3の磁場は補
償偏向コイル4の磁場により補償されることになり、r
=0から−側の領域bでは主として主偏向コイル3によ
る磁場が形成されることになり、総合磁場強度GS は図
5の□印で示す匂配となる。
【0031】本磁場形成により、領域aでは磁場強度が
極めて低いため、電子銃1より出射された電子ビーム2
は概略直線の軌道となる。
【0032】領域bでは磁場強度を有するため、領域a
を通過した電子ビーム2は偏向される軌道となる。
【0033】本体系における電子ビーム軌道解析結果例
を図6に示す。図6は電子ビーム2を側面よりみた軌道
である。
【0034】図6から、電子ビーム2は電子銃1より斜
め上向きに出射され、補償偏向コイル4の上方付近まで
概略直進しており、主偏向コイル3による磁場が補償偏
向コイル4による逆磁場で補償されていることを示して
いる。
【0035】また、補償偏向コイル4の上方付近からる
つぼ6内のターゲット材7に向かって次第に偏向され、
るつぼ6の上方付近より急速に偏向されてターゲット材
7に着点しており、るつぼ6の上方付近の磁場は主とし
て主偏向コイル3により生成されていることを示してい
る。
【0036】本実施例で示すように、るつぼ6と電子銃
1は離して配置でき干渉しないという効果がある。
【0037】反射電子9は、電子ビーム2のターゲット
材7への着点位置よりるつぼ6の上方に反射され、磁場
により主偏向コイル3側に偏向される。
【0038】るつぼ6の上方付近の磁場強度すなわち主
偏向コイル3の生成する磁場強度が大きいほど、反射電
子9の偏向される軌道径は小さくなり、るつぼ6の上方
に設置される被蒸着材10への反射電子9による照射を
防止できる。
【0039】図2は、本発明の第2実施例である電子ビ
ーム偏向装置を示した図である。
【0040】図1に示した実施例と異なる点は、主偏向
コイル3の両端に設置のポールピース5をポールピース
5の長手方向へ可動にしたことである。
【0041】主偏向コイル3と補償偏向コイル4を有す
る本発明の実施例による電子ビーム偏向装置において
は、電子ビーム走査におけるるつぼ6内のターゲット7
材への電子ビーム2の着点位置に係わるるつぼ6の長軸
方向への直進性は、ポールピース5の長さに依存するこ
とがわかっており、ポールピース5を駆動機構8で長さ
を調整することにより、彎曲走査電子ビームを直進とす
ることが可能である。
【0042】駆動機構8は、ポールピース5に固定した
ラックにピニオンを噛み合わせ、そのピニオンを手動乃
至は電動モータで回転させてポールピース6をその長手
方向に移動させて主偏向コイル3から補償偏向コイル4
側への突き出し長さを調整できる機構である。
【0043】図7にポールピース5の突き出し長さを変
えることによる着点ビームの位置変化の状態を示す。
【0044】図7から、ポールピース5の突き出し長さ
が長くなるほど、即ちポールピース5が補償偏向コイル
4側に近づくほど、るつぼ6の長手方向(長軸方向)の
走査端側の電子ビーム2の着点位置は、電子銃1側に移
動する。
【0045】これは、ポールピース5が長くなるに従い
るつぼ6の上付近の磁場強度がるつぼ6の長手方向の中
心より同じく長手方向両端付近側で強くなり、電子ビー
ム2が該付近で強く偏向されるためである。
【0046】また、るつぼ6の上付近の磁場強度の大小
により走査端側の電子ビーム2の偏向程度が異なる、す
なわち着点位置のずれが異なる。
【0047】よって、本実施例によれば、磁場強度の大
小に応じてポールピース5の突き出し長さを変えること
により、着点電子ビームのるつぼ6の長手方向に対する
直進性を確保するのに効果がある。
【0048】図3は、本発明の第3実施例である電子ビ
ーム偏向装置を示した図である。
【0049】第3実施例で、図1及び図2の前例と異な
る点は、点線で図示した直線状の各ポールピース5を実
線で図示した各ポールピース5aのように中心側に傾け
た(各ポールピース5aの突き出し端が互いに近接する
方向に傾けること。)ことである。
【0050】直線状のポールピース5の場合の点線で図
示した磁場ベクトル12は傾斜が大で電子ビーム走査端
での短軸方向磁場成分が大きいため、この成分により長
軸方向に偏向され、着点付近の電子ビーム2は点線で図
示したように長軸方向外側に着点するようになり、入射
角が浅くなる。
【0051】本実施例では、ポールピース5aのように
傾けることで、実線で図示した磁場ベクトル12aのよ
うに傾斜が緩やかになり、電子ビーム走査端での短軸方
向磁場成分が低下するため、この成分によるるつぼ6の
長軸方向への偏向も小となり、着点付近の電子ビーム2
は実線で図示したような着点となり、入射角は深くな
る。
【0052】よって、本実施例によれば、着点付近の電
子ビームのるつぼ6の長軸方向への偏向による浅くなる
入射角を深くするのに効果がある。
【0053】図4は、本発明の第4実施例である電子ビ
ーム偏向装置を示した図である。
【0054】図4では、電子銃1から出射される電子ビ
ーム2の空間軌道を目的の軌道に合わせるため、主偏向
コイル3及び補償偏向コイル4の電源19,20を介し
てコイル電流を変えるアンペアターン(電流×コイル巻
数)調整機能及び主偏向コイル3と補償偏向コイル4の
アンペアターン比調整機能を持たせた制御装置13を設
置したものである。
【0055】図8では、電子銃1から出射される電子ビ
ーム2の空間軌道を目的の軌道に合わせる場合の軌道状
態を示している。
【0056】図8において、電子ビーム2が目的とする
軌道である。仮に、電子ビーム2の軌道より上を通る電
子ビーム2aが得られている軌道と仮定し、これを電子
ビーム2の軌道に合わせる場合について例として説明す
る。
【0057】電子ビーム2aの軌道は、電子ビーム2の
軌道より上を通るため、磁場強度は電子ビーム2aの場
合の方が小さい。
【0058】初めに、るつぼ6の上付近のビーム軌道を
電子ビーム2aを電子ビーム2に合わせるため、制御装
置13により主偏向コイル3と補償偏向コイル4につき
アンペアターン比を変えずにアンペアターンを増加す
る。
【0059】これにより、るつぼ6の上付近の磁場強度
が大、すなわち偏向径が小となり、電子ビーム2bの軌
道となる。
【0060】次に、電子ビーム2bの電子銃1から補償
偏向コイル4上付近までの軌道を電子ビーム2に合わせ
るため、制御装置13により電子ビーム2bの着点での
磁場強度を変えずに主偏向コイル3と補償偏向コイル4
のアンペアターン比を小すなわち補償偏向コイル4によ
る補償磁場を少し大きくする。
【0061】これにより、電子ビーム2bの電子銃1か
ら補償偏向コイル4上付近までの軌道は上側に移動し、
目的とする電子ビーム2の軌道とすることができる。
【0062】本実施例によれば、主偏向コイル3と補償
偏向コイル4のアンペアターン及びアンペアターン比を
調整することにより、電子銃1の位置,電子ビームの出
射仰角,着点電子ビーム入射角を変えずに電子ビームを
目的とする軌道とするのに効果がある。
【0063】本発明のいずれの実施例でも、主偏向コイ
ル3による磁場のうち電子銃1から補償偏向コイル4の
上付近までの空間磁場を補償偏向コイル4による磁場で
補償することができるため、電子銃より出射される電子
ビーム2は補償偏向コイル4の上付近まで極低磁場で概
略直線状の軌道を描き、るつぼ6の上付近の補償されな
い磁場で急激にるつぼ6側に偏向される軌道を作ること
が可能になる。
【0064】これにより、るつぼ6の上付近を強磁場と
する体系でも、電子銃1とるつぼ6とが干渉しない配置
が達成でき、且つるつぼ6の上付近の強磁場により反射
電子の軌道径も小さくできるため、例えば被蒸着材10
への反射電子の照射等、るつぼ6の上方への反射電子の
照射を防止できるという効果が得られる。
【0065】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、るつぼと電子
銃との配置上の干渉を避けながら反射電子による悪影響
を受けないようにすることができる。
【0066】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、電子ビームをるつぼの長手方向へ
振るような走査を行った際のその走査方向への直進性を
補償することができる。
【0067】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2の発明による効果に加えて、るつぼ内のターゲッ
ト材に対する電子ビームの着点位置がるつぼの長手方向
に大きくずれたり入射角が浅くなったりすることを抑制
できる。
【0068】請求項4の発明によれば、請求項1又は請
求項2又は請求項3の発明による効果に加えて、電子銃
から出射された電子ビームの軌道を所望の軌道に調整で
きる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による電子ビーム偏向装置
の構成機器の配置を示した斜視図である。
【図2】本発明の第2実施例による電子ビーム偏向装置
の構成機器の配置を示した斜視図である。
【図3】本発明の第3実施例による電子ビーム偏向装置
の構成機器の配置を示した斜視図である。
【図4】図1〜図3の各実施例に電子ビーム軌道修正の
ための制御装置を付加した変形例を示した本発明の第4
実施例による電子ビーム偏向装置の概略構成を示した模
式図である。
【図5】本発明の各実施例における各偏向コイルによる
磁場の磁束密度を示したグラフ図である。
【図6】本発明の各実施例による電子ビーム軌道を表し
た立面図である。
【図7】本発明の第2実施例におけるポールピースの突
き出し長さの電子ビームのターゲット材への着点位置の
変化を表したグラフ図である。
【図8】本発明の第4実施例における電子ビーム軌道修
正状況を表した概念図である。
【図9】従来例による電子ビーム偏向装置の各構成機器
の配置を示した斜視図である。
【図10】るつぼからの反射電子の反射軌道を示した概
念図である。
【図11】他の従来例による電子ビーム偏向装置の各構
成機器の配置を示した立面図である。
【符号の説明】
1…電子銃、2…電子ビーム、3…主偏向コイル、4…
補償偏向コイル、5…ポールピース、6…るつぼ、7…
ターゲット材、8…駆動機構、9…反射電子、10…被
蒸着材、11…蒸気封入器、12…磁場ベクトル、13
…制御装置、19…主偏向コイル用電源、20…補償偏
向コイル用電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000222037 東北電力株式会社 宮城県仙台市青葉区本町一丁目7番1号 (73)特許権者 000156938 関西電力株式会社 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 (73)特許権者 000180368 四国電力株式会社 香川県高松市丸の内2番5号 (73)特許権者 000211307 中国電力株式会社 広島県広島市中区小町4番33号 (73)特許権者 000241957 北海道電力株式会社 北海道札幌市中央区大通東1丁目2番地 (73)特許権者 000242644 北陸電力株式会社 富山県富山市牛島町15番1号 (73)特許権者 000164438 九州電力株式会社 福岡県福岡市中央区渡辺通2丁目1番82 号 (73)特許権者 000230940 日本原子力発電株式会社 東京都千代田区神田美土代町1番地1 (73)特許権者 597006470 日本原燃株式会社 青森県上北郡六ケ所村大字尾駮字沖付4 番地108 (73)特許権者 000173809 財団法人電力中央研究所 東京都千代田区大手町1丁目6番1号 (72)発明者 山村 豪 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 佐野 建治 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立 ニュークリアエンジニアリング株式会社 内 (72)発明者 亀山 博史 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立 ニュークリアエンジニアリング株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭64−21067(JP,A) 特開 平4−160150(JP,A) 特開 平5−287512(JP,A) 特開 平6−172983(JP,A) 特開 平10−152769(JP,A) 特開 平7−122223(JP,A) 特開 平8−260144(JP,A) 特開 昭51−87180(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ターゲット材を収容するるつぼと、 電子ビームを上向き迎角を付けて出射する電子銃と、 前記電子銃から出射された前記電子ビームを前記るつぼ
    内に向けて偏向させる偏向磁場を発生する主偏向コイル
    と、 平面で見ると前記るつぼを挟む配置にて前記主偏向コイ
    ルの両端側に装備されたポールピースとを備えた電子ビ
    ーム偏向装置において、 平面で見ると、前記るつぼを挟んで前記主偏向コイルの
    反対側の前記電子銃と前記るつぼとの間に、前記偏向磁
    場に比べて強度が低くて逆向きの磁場を発生する補償偏
    向コイルを備えたことを特徴とした電子ビーム偏向装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、ポールピースをその長
    手方向へ移動自在に装備してあることを特徴とした電子
    ビーム偏向装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2において、ポールピ
    ースを主偏向コイルから離れるにしたがって互いに接近
    する方向に配置されていることを特徴とした電子ビーム
    偏向装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は請求項2又は請求項3におい
    て、各偏向コイルに各偏向コイルのアンペアターン及び
    アンペアターン比を調整する制御装置を備えたことを特
    徴とした電子ビーム偏向装置。
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