JP3142589B2 - 高調波測定装置 - Google Patents
高調波測定装置Info
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- JP3142589B2 JP3142589B2 JP03004490A JP449091A JP3142589B2 JP 3142589 B2 JP3142589 B2 JP 3142589B2 JP 03004490 A JP03004490 A JP 03004490A JP 449091 A JP449091 A JP 449091A JP 3142589 B2 JP3142589 B2 JP 3142589B2
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- signal
- waveform
- power supply
- harmonic
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、家電製品などの商用
電源に接続される機器から発生する高調波を測定する高
調波測定装置に関する。
電源に接続される機器から発生する高調波を測定する高
調波測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、家電製品など商用交流電源を電
源とする機器は、その動作状態において負荷電流に幾ら
かの高調波成分が生じる。近年、エアコンや洗濯機など
のモータ機器あるいは蛍光灯などにおいてインバータ回
路を内蔵した種々の製品が多く用いられるようになって
きたが、特にこれらの機器には負荷電流に高調波成分が
生じる。このような高調波は電力系統およびその電力系
統に接続された他の機器に対し種々の悪影響を及ぼす。
源とする機器は、その動作状態において負荷電流に幾ら
かの高調波成分が生じる。近年、エアコンや洗濯機など
のモータ機器あるいは蛍光灯などにおいてインバータ回
路を内蔵した種々の製品が多く用いられるようになって
きたが、特にこれらの機器には負荷電流に高調波成分が
生じる。このような高調波は電力系統およびその電力系
統に接続された他の機器に対し種々の悪影響を及ぼす。
【0003】上記電力系統に重畳される高調波成分は電
力系統側で抑えられるように交流フィルタが設けられて
いるが、根本的には高調波発生源である機器側の回路構
成の選定などによって減少させなければならない。
力系統側で抑えられるように交流フィルタが設けられて
いるが、根本的には高調波発生源である機器側の回路構
成の選定などによって減少させなければならない。
【0004】電気協同研究会では各製品の発生する高調
波成分の管理基準として、高調波の次数毎に高調波含有
値(調波比)の規制を提案している。
波成分の管理基準として、高調波の次数毎に高調波含有
値(調波比)の規制を提案している。
【0005】従来、電流または電圧信号に含まれている
高調波成分を測定する場合、測定信号の基本波周波数を
求め、その基本波周波数の整数倍の周波数でサンプリン
グを行ういわゆるPLL回路方式が採られている。
高調波成分を測定する場合、測定信号の基本波周波数を
求め、その基本波周波数の整数倍の周波数でサンプリン
グを行ういわゆるPLL回路方式が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記PLL
回路方式の高調波測定装置では、測定信号のゼロクロス
点を抽出して、その間隔によって基本波周波数を求める
ようにするものであるため、例えば図4に示すように、
高調波歪みの生じた波形ではゼロクロス点が正確に求め
られない場合が多く、そのため基本波周波数の検出誤差
が大きくなり、フーリエ級数展開を行った際、各高調波
レベルにも誤差が生じる。また、ゼロクロス点の検出タ
イミングがばらつくことによるサンプリングパルスのジ
ッタ誤差も生じる。
回路方式の高調波測定装置では、測定信号のゼロクロス
点を抽出して、その間隔によって基本波周波数を求める
ようにするものであるため、例えば図4に示すように、
高調波歪みの生じた波形ではゼロクロス点が正確に求め
られない場合が多く、そのため基本波周波数の検出誤差
が大きくなり、フーリエ級数展開を行った際、各高調波
レベルにも誤差が生じる。また、ゼロクロス点の検出タ
イミングがばらつくことによるサンプリングパルスのジ
ッタ誤差も生じる。
【0007】この発明の目的は、高調波測定を行う際、
測定信号のサンプリング幅およびサンプリング間隔を正
確に定めて高精度で高調波分析を行えるようにした高調
波測定装置を提供することにある。
測定信号のサンプリング幅およびサンプリング間隔を正
確に定めて高精度で高調波分析を行えるようにした高調
波測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、被測定機器
に対し、試験用電源を供給し、被測定機器に流れる負荷
電流の高調波成分を測定する高調波測定装置であって、
基本クロック信号を発生する原発振回路と、発生すべき
波形のディジタルデータを記憶する波形データメモリ
と、上記基本クロック信号を分周した第1のクロック信
号で上記波形データメモリの内容を順次繰り返し読み出
すとともに、DA変換して一定波形の周期信号を発生す
る周期波形信号発生制御手段と、発生された周期波形信
号を増幅して試験用交流電源電圧に変換する増幅回路
と、上記基本クロック信号を分周することで得られ、前
記第1のクロック信号に同期した第2のクロック信号で
被測定機器に流れる負荷電流の信号をサンプリングした
サンプリングデータから電源の基本波周波数に対する高
調波成分を抽出する高調波分析手段と、を備えている。
また、この発明は、被測定機器に対し、試験用電源を供
給し、被測定機器に流れる負荷電流の高調波成分を測定
する高調波測定装置であって、基本クロック信号を発生
する原発振回路と、発生すべき波形のディジタルデータ
を記憶する波形データメモリと、上記基本クロック信号
を分周した第1のクロック信号で上記波形データメモリ
の内容を順次繰り返し読み出すとともに、DA変換して
一定波形の周期信号を発生する周期波形信号発生制御手
段と、発生された周期波形信号を増幅して試験用交流電
源電圧に変換する増幅回路と、上記基本クロック信号を
分周することで得られ、前記第1のクロック信号に同期
した第2のクロック信号で前記被測定機器に供給される
電源電圧および被測定機器に流れる負荷電流の信号をサ
ンプリングしたサンプリングデータから電源の基本波周
波数に対する高調波成分を抽出する高調波分析手段と、
を備えている。
に対し、試験用電源を供給し、被測定機器に流れる負荷
電流の高調波成分を測定する高調波測定装置であって、
基本クロック信号を発生する原発振回路と、発生すべき
波形のディジタルデータを記憶する波形データメモリ
と、上記基本クロック信号を分周した第1のクロック信
号で上記波形データメモリの内容を順次繰り返し読み出
すとともに、DA変換して一定波形の周期信号を発生す
る周期波形信号発生制御手段と、発生された周期波形信
号を増幅して試験用交流電源電圧に変換する増幅回路
と、上記基本クロック信号を分周することで得られ、前
記第1のクロック信号に同期した第2のクロック信号で
被測定機器に流れる負荷電流の信号をサンプリングした
サンプリングデータから電源の基本波周波数に対する高
調波成分を抽出する高調波分析手段と、を備えている。
また、この発明は、被測定機器に対し、試験用電源を供
給し、被測定機器に流れる負荷電流の高調波成分を測定
する高調波測定装置であって、基本クロック信号を発生
する原発振回路と、発生すべき波形のディジタルデータ
を記憶する波形データメモリと、上記基本クロック信号
を分周した第1のクロック信号で上記波形データメモリ
の内容を順次繰り返し読み出すとともに、DA変換して
一定波形の周期信号を発生する周期波形信号発生制御手
段と、発生された周期波形信号を増幅して試験用交流電
源電圧に変換する増幅回路と、上記基本クロック信号を
分周することで得られ、前記第1のクロック信号に同期
した第2のクロック信号で前記被測定機器に供給される
電源電圧および被測定機器に流れる負荷電流の信号をサ
ンプリングしたサンプリングデータから電源の基本波周
波数に対する高調波成分を抽出する高調波分析手段と、
を備えている。
【0009】
【作用】この発明の高調波測定装置では、原発振回路は
タイミングの基準信号となる基本クロック信号を発生
し、波形データメモリは発生すべき波形のディジタルデ
ータを記憶する。そして、周期波形信号発生制御手段は
上記基本クロック信号を分周した第1のクロック信号で
波形メモリの内容を順次繰り返し読み出すとともに、D
A変換することによって、一定波形の周期信号を発生す
る。この周期波形信号は増幅回路によって増幅され、試
験用交流電源として被測定機器に供給される。一方、高
調波分析手段は、上記基本クロック信号を分周して得ら
れ、前記第1のクロック信号に同期した第2のクロック
信号で被測定機器に流れる負荷電流の信号をサンプリン
グしたサンプリングデータから電源の基本波周波数に対
する高調波成分を抽出する。なお、電源の基本波周波数
に対する高調波成分を抽出する手法としては、例えば上
記サンプリングデータをフーリエ級数展開する手法があ
る。また、この発明の高調波測定装置では、高調波分析
手段は、前記第2のクロック信号で被測定機器に供給さ
れる電源電圧および被測定機器に流れる負荷電流の信号
をサンプリングしたサンプリングデータから電源の基本
波周波数に対する高調波成分を抽出する。
タイミングの基準信号となる基本クロック信号を発生
し、波形データメモリは発生すべき波形のディジタルデ
ータを記憶する。そして、周期波形信号発生制御手段は
上記基本クロック信号を分周した第1のクロック信号で
波形メモリの内容を順次繰り返し読み出すとともに、D
A変換することによって、一定波形の周期信号を発生す
る。この周期波形信号は増幅回路によって増幅され、試
験用交流電源として被測定機器に供給される。一方、高
調波分析手段は、上記基本クロック信号を分周して得ら
れ、前記第1のクロック信号に同期した第2のクロック
信号で被測定機器に流れる負荷電流の信号をサンプリン
グしたサンプリングデータから電源の基本波周波数に対
する高調波成分を抽出する。なお、電源の基本波周波数
に対する高調波成分を抽出する手法としては、例えば上
記サンプリングデータをフーリエ級数展開する手法があ
る。また、この発明の高調波測定装置では、高調波分析
手段は、前記第2のクロック信号で被測定機器に供給さ
れる電源電圧および被測定機器に流れる負荷電流の信号
をサンプリングしたサンプリングデータから電源の基本
波周波数に対する高調波成分を抽出する。
【0010】このように、被測定機器に対する試験用の
電源電圧の基になる周期波形信号の発生と、測定すべき
信号のサンプリングとを同一の基本クロック信号を分周
した信号(第1および第2のクロック信号)で行うよう
にしたため、周期波形信号(波形データ読み出し信号)
の発生タイミングと測定すべき信号(被測定信号)のサ
ンプリングタイミングとが同期している。したがって、
1周期の波形データ読み出し信号と第1のクロック信号
との関係、および1周期の被測定信号と第2のクロック
信号との関係が毎回の測定時において全くずれることが
なくなり、波形データ読み出し信号に対する被測定信号
の位相関係が測定タイミングにかかわらず高精度に保た
れるから、高精度に高調波成分を測定することができ
る。
電源電圧の基になる周期波形信号の発生と、測定すべき
信号のサンプリングとを同一の基本クロック信号を分周
した信号(第1および第2のクロック信号)で行うよう
にしたため、周期波形信号(波形データ読み出し信号)
の発生タイミングと測定すべき信号(被測定信号)のサ
ンプリングタイミングとが同期している。したがって、
1周期の波形データ読み出し信号と第1のクロック信号
との関係、および1周期の被測定信号と第2のクロック
信号との関係が毎回の測定時において全くずれることが
なくなり、波形データ読み出し信号に対する被測定信号
の位相関係が測定タイミングにかかわらず高精度に保た
れるから、高精度に高調波成分を測定することができ
る。
【0011】
【実施例】この発明の実施例である高調波測定装置のブ
ロック図を図1に示す。
ロック図を図1に示す。
【0012】図1においてCPU1はROM2に予め書
き込まれているプログラムを実行して波形データの生成
および高調波分析を行う。RAM3は波形データメモ
リ、サンプリングデータバッファおよびその他のワーキ
ングエリアとして用いられる。
き込まれているプログラムを実行して波形データの生成
および高調波分析を行う。RAM3は波形データメモ
リ、サンプリングデータバッファおよびその他のワーキ
ングエリアとして用いられる。
【0013】また図において4はA/Dコンバータボー
ドであり、被測定機器の電源電圧および負荷電流の信号
を所定のタイミングでサンプリングし、これをディジタ
ルデータに変換するとともに、RAM3のサンプリング
データバッファ領域にDMAによって順次書き込む。5
はD/Aコンバータボードであり、RAM3に作成され
ている波形データを順次DMAにより繰り返し読み出す
とともに、D/A変換する。6はD/Aコンバータボー
ド5の出力信号を増幅してトランス7の一次側を駆動し
て、その二次側に設定電圧を発生する。このトランス7
の二次側には被測定機器100との間に負荷電流検出用
のシャント抵抗8が接続され、このシャント抵抗8の両
端の信号(負荷電流信号)および被測定機器100に対
する供給電源電圧の信号が上記A/Dコンバータボード
4に入力されている。同図において9は水晶発振子であ
り、分周回路11は水晶振動子9による発振信号を分周
して所定のクロック信号を発生する。例えばD/Aコン
バータボード5に対しては1024×基本波周波数(5
0Hzまたは60Hz)の周波数を有するクロック信
号、A/Dコンバータボード4に対しては512×基本
波周波数(50Hzまたは60Hz)の周波数を有する
クロック信号をそれぞれ与える。キー入力装置12は発
生すべき周期波形信号の基本波周波数、基本波実効値、
高調波の含有率および位相などを設定するために用いら
れ、キー制御回路13がキー入力装置12の入力制御を
行う。プリンタ15は測定結果などを記録する。プリン
ト制御回路14はCPU1から与えられるプリントデー
タのバッファを備え、その内容に応じた印字信号をプリ
ンタ15へ出力する。
ドであり、被測定機器の電源電圧および負荷電流の信号
を所定のタイミングでサンプリングし、これをディジタ
ルデータに変換するとともに、RAM3のサンプリング
データバッファ領域にDMAによって順次書き込む。5
はD/Aコンバータボードであり、RAM3に作成され
ている波形データを順次DMAにより繰り返し読み出す
とともに、D/A変換する。6はD/Aコンバータボー
ド5の出力信号を増幅してトランス7の一次側を駆動し
て、その二次側に設定電圧を発生する。このトランス7
の二次側には被測定機器100との間に負荷電流検出用
のシャント抵抗8が接続され、このシャント抵抗8の両
端の信号(負荷電流信号)および被測定機器100に対
する供給電源電圧の信号が上記A/Dコンバータボード
4に入力されている。同図において9は水晶発振子であ
り、分周回路11は水晶振動子9による発振信号を分周
して所定のクロック信号を発生する。例えばD/Aコン
バータボード5に対しては1024×基本波周波数(5
0Hzまたは60Hz)の周波数を有するクロック信
号、A/Dコンバータボード4に対しては512×基本
波周波数(50Hzまたは60Hz)の周波数を有する
クロック信号をそれぞれ与える。キー入力装置12は発
生すべき周期波形信号の基本波周波数、基本波実効値、
高調波の含有率および位相などを設定するために用いら
れ、キー制御回路13がキー入力装置12の入力制御を
行う。プリンタ15は測定結果などを記録する。プリン
ト制御回路14はCPU1から与えられるプリントデー
タのバッファを備え、その内容に応じた印字信号をプリ
ンタ15へ出力する。
【0014】次に、上記RAM3の一部構成を図2に示
す。ここで、アドレスWo〜Wnには周期波形信号の一
周期分に相当する1024点の波形データが記憶され
る。また、アドレスVo〜Vmには負荷端電圧のサンプ
リングデータを記憶し、Io〜Imには負荷電流のサン
プリングデータを記憶する。上記両サンプリングデータ
はそれぞれ基本波周波数の一周期分に相当する512点
のサンプリングデータからなる。その他の領域には波形
データを生成するためのワーキングエリアまたはフーリ
エ級数展開する際のワーキングエリアとして用いられ
る。
す。ここで、アドレスWo〜Wnには周期波形信号の一
周期分に相当する1024点の波形データが記憶され
る。また、アドレスVo〜Vmには負荷端電圧のサンプ
リングデータを記憶し、Io〜Imには負荷電流のサン
プリングデータを記憶する。上記両サンプリングデータ
はそれぞれ基本波周波数の一周期分に相当する512点
のサンプリングデータからなる。その他の領域には波形
データを生成するためのワーキングエリアまたはフーリ
エ級数展開する際のワーキングエリアとして用いられ
る。
【0015】次に、ROM2に予め書き込まれているプ
ログラムに従ってCPU1が実行する動作手順をフロー
チャートとして図3に示す。先ず発生すべき波形の基本
波周波数、基本波実効値、高調波の含有率および位相を
設定するためのキー操作を読み込む(n0)。ここでキ
ー入力装置から例えば各次数の高調波成分のレベルと基
本波に対する位相とが、必要な次数まで設定される。そ
の後、設定周波数に従って分周回路11へA/D,D/
Aのタイミング信号作成を指示する(n1)。続いて、
設定された基本波周波数、基本波実効値、高調波の含有
率および位相データに基づいて基本波周波数における一
周期分の波形データを生成し、これをRAM3の所定エ
リア(図2参照)に書き込む(n2)。具体的には基本
波と各次数の高調波のレベルと位相データを逆フーリエ
変換することによって時間波形信号を得る。その後、D
/Aコンバータボード5に対して周期波形の出力開始信
号を送る(n3)。これによりD/Aコンバータボード
5はRAM3の波形データを1024×基本波周波数
(50Hzまたは60Hz)の周期で順次繰り返し読み
出すとともに、D/A変換して増幅回路6へ出力する。
これにより被測定機器100に対して任意の電源電圧が
供給される。この状態でキー入力装置から高調波測定を
行う指示を待つ(n4)。測定指示があればA/Dコン
バータボード4に対しサンプリング開始信号を与える
(n5)。これによりA/Dコンバータボード4は51
2×電源周波数(50Hzまたは60Hz)の周期で被
測定機器100に対する電源電圧および負荷電流の信号
をそれぞれ基本波周波数における一周期分サンプリング
し、それぞれディジタルデータに変換するとともにRA
M3のサンプリングデータバッファに書き込む。このサ
ンプリングデータをFFT(高速フーリエ変換)によっ
てスペクトル分析を行う(n6)。そしてその結果のう
ち必要な次数までをプリントアウトする(n7)。上記
n5〜n7の処理は測定指示が行われる毎に実行され
る。
ログラムに従ってCPU1が実行する動作手順をフロー
チャートとして図3に示す。先ず発生すべき波形の基本
波周波数、基本波実効値、高調波の含有率および位相を
設定するためのキー操作を読み込む(n0)。ここでキ
ー入力装置から例えば各次数の高調波成分のレベルと基
本波に対する位相とが、必要な次数まで設定される。そ
の後、設定周波数に従って分周回路11へA/D,D/
Aのタイミング信号作成を指示する(n1)。続いて、
設定された基本波周波数、基本波実効値、高調波の含有
率および位相データに基づいて基本波周波数における一
周期分の波形データを生成し、これをRAM3の所定エ
リア(図2参照)に書き込む(n2)。具体的には基本
波と各次数の高調波のレベルと位相データを逆フーリエ
変換することによって時間波形信号を得る。その後、D
/Aコンバータボード5に対して周期波形の出力開始信
号を送る(n3)。これによりD/Aコンバータボード
5はRAM3の波形データを1024×基本波周波数
(50Hzまたは60Hz)の周期で順次繰り返し読み
出すとともに、D/A変換して増幅回路6へ出力する。
これにより被測定機器100に対して任意の電源電圧が
供給される。この状態でキー入力装置から高調波測定を
行う指示を待つ(n4)。測定指示があればA/Dコン
バータボード4に対しサンプリング開始信号を与える
(n5)。これによりA/Dコンバータボード4は51
2×電源周波数(50Hzまたは60Hz)の周期で被
測定機器100に対する電源電圧および負荷電流の信号
をそれぞれ基本波周波数における一周期分サンプリング
し、それぞれディジタルデータに変換するとともにRA
M3のサンプリングデータバッファに書き込む。このサ
ンプリングデータをFFT(高速フーリエ変換)によっ
てスペクトル分析を行う(n6)。そしてその結果のう
ち必要な次数までをプリントアウトする(n7)。上記
n5〜n7の処理は測定指示が行われる毎に実行され
る。
【0016】なお、この実施例では被測定機器に流れる
負荷電流のみならずその電源電圧をも高調波分析するよ
うにしたため、予め設定した高調波成分を有する電源電
圧が被測定機器に正しく供給されていることを確認する
ことができる。また、被測定機器に対する電源の実際の
高調波成分が明らかとなるため、この高調波測定装置を
1つの基準器として用い、従来のPLL回路方式による
高調波測定器の精度試験に用いることもできる。さらに
は機器の高調波耐量試験に用いることもできる。
負荷電流のみならずその電源電圧をも高調波分析するよ
うにしたため、予め設定した高調波成分を有する電源電
圧が被測定機器に正しく供給されていることを確認する
ことができる。また、被測定機器に対する電源の実際の
高調波成分が明らかとなるため、この高調波測定装置を
1つの基準器として用い、従来のPLL回路方式による
高調波測定器の精度試験に用いることもできる。さらに
は機器の高調波耐量試験に用いることもできる。
【0017】
【発明の効果】この発明によれば、被測定機器に対する
試験用の電源電圧の基になる周期波形信号の発生と、測
定すべき信号(被測定信号)のサンプリングとを同一の
基本クロック信号を分周した信号(第1および第2のク
ロック信号)で行うようにしたため、波形データ読み出
し信号(周期波形信号)と第1のクロック信号との関
係、および1周期の被測定信号と第2のクロック信号と
の関係が毎回の測定時において全くずれることがなくな
り、波形データ読み出し信号に対する被測定信号の位相
関係が測定タイミングにかかわらず高精度に保たれるか
ら、高精度に高調波分析を行うことができる。
試験用の電源電圧の基になる周期波形信号の発生と、測
定すべき信号(被測定信号)のサンプリングとを同一の
基本クロック信号を分周した信号(第1および第2のク
ロック信号)で行うようにしたため、波形データ読み出
し信号(周期波形信号)と第1のクロック信号との関
係、および1周期の被測定信号と第2のクロック信号と
の関係が毎回の測定時において全くずれることがなくな
り、波形データ読み出し信号に対する被測定信号の位相
関係が測定タイミングにかかわらず高精度に保たれるか
ら、高精度に高調波分析を行うことができる。
【図1】この発明の実施例に係る高調波測定装置のブロ
ック図である。
ック図である。
【図2】RAMの一部構成図である。
【図3】CPUの処理手順を表すフローチャートであ
る。
る。
【図4】測定信号の波形例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野上 たけき 香川県高松市屋島西町2109番地8 株式 会社四国総合研究所内 (72)発明者 角田 孝典 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電 機株式会社内 (72)発明者 吉村 隆志 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電 機株式会社内 (72)発明者 白井 浩司 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電 機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−19567(JP,A) 実開 昭60−17460(JP,U)
Claims (2)
- 【請求項1】 被測定機器に対し、試験用電源を供給
し、被測定機器に流れる負荷電流の高調波成分を測定す
る高調波測定装置であって、 基本クロック信号を発生する原発振回路と、 発生すべき波形のディジタルデータを記憶する波形デー
タメモリと、 上記基本クロック信号を分周した第1のクロック信号で
上記波形データメモリの内容を順次繰り返し読み出すと
ともに、DA変換して一定波形の周期信号を発生する周
期波形信号発生制御手段と、 発生された周期波形信号を増幅して試験用交流電源電圧
に変換する増幅回路と、 上記基本クロック信号を分周することで得られ、前記第
1のクロック信号に同期した第2のクロック信号で被測
定機器に流れる負荷電流の信号をサンプリングしたサン
プリングデータから電源の基本波周波数に対する高調波
成分を抽出する高調波分析手段と、を備えた高調波測定
装置。 - 【請求項2】 被測定機器に対し、試験用電源を供給
し、被測定機器に流れる負荷電流の高調波成分を測定す
る高調波測定装置であって、 基本クロック信号を発生する原発振回路と、 発生すべき波形のディジタルデータを記憶する波形デー
タメモリと、 上記基本クロック信号を分周した第1のクロック信号で
上記波形データメモリの内容を順次繰り返し読み出すと
ともに、DA変換して一定波形の周期信号を発生する周
期波形信号発生制御手段と、 発生された周期波形信号を増幅して試験用交流電源電圧
に変換する増幅回路と、 上記基本クロック信号を分周することで得られ、前記第
1のクロック信号に同期した第2のクロック信号で前記
被測定機器に供給される電源電圧および被測定機器に流
れる負荷電流の信号をサンプリングしたサンプリングデ
ータから電源の基本波周波数に対する高調波成分を抽出
する高調波分析手段と、を備えた高調波測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03004490A JP3142589B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 高調波測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03004490A JP3142589B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 高調波測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04236360A JPH04236360A (ja) | 1992-08-25 |
JP3142589B2 true JP3142589B2 (ja) | 2001-03-07 |
Family
ID=11585534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03004490A Expired - Fee Related JP3142589B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 高調波測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3142589B2 (ja) |
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1991
- 1991-01-18 JP JP03004490A patent/JP3142589B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH04236360A (ja) | 1992-08-25 |
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