JP4209266B2 - リアルタイムシミュレーション装置およびリアルタイムシミュレーション方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、計算機上で構築された装置モデルをソフトウェア上で模擬動作させ、演算結果をリアルタイムで出力するリアルタイムシミュレーションに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
制御信号で動作する装置の計算機を用いたリアルタイムシミュレーションは、上記装置を計算機上で模擬して装置モデルを構築し、制御信号を取り込んで装置モデルをソフトウェア上で模擬動作させ、演算結果をリアルタイムで出力するものである。計算機では通常ディジタル処理が行なわれるため、外部から入力されるアナログ信号である制御信号はA/D変換によりディジタル信号に変換されて用いられる。シミュレーションの精度を向上させるため、可能な限り高速にアナログ信号をサンプリングしてA/D変換することが重要であるが、このサンプリング周期は計算機の性能で制約されているため、サンプリングの高速化には限界がある。
このようなサンプリング周期の制約がある場合にも信号を正確に検出する従来の方法には、A/D変換器で測定波形をディジタル信号に変換したデータに対して、測定波形の周期を再生するためのリサンプリングを行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−233005号公報(第1−4頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシミュレーション方法では、正弦波のような周期を有した連続波形の場合には有効であるが、高速にオン/オフ動作するパルス幅変調信号(PWM信号)の場合は、波形を正確に検出することができない。このため、PWM信号により駆動制御される電力変換装置をリアルタイムシミュレーションする場合、計算機上で取り込まれるPWM信号に基づくディジタル信号が精度の低い信号となり、電力変換装置の装置モデルを用いて行うリアルタイムシミュレーションを信頼性良く高精度に行うことは困難であった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、サンプリング周期の制約がある場合にも、計算機上で電力変換装置の模擬動作に用いるためにPWM信号を精度良く模擬した信号を生成することを目的とする。また、PWM信号により駆動制御される電力変換装置を計算機を用いて、ソフトウェア上で信頼性良く高精度にリアルタイムシミュレーションすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るリアルタイムシミュレーション装置は、入力される波形信号を所定のサンプリング周期でA/D変換してディジタル制御信号を生成し、該ディジタル制御信号に基づいてリアルタイムシミュレーションを行う装置であって、上記波形信号としてPWM信号を入力し、該PWM信号を上記サンプリング周期でA/D変換する処理に先立って、上記PWM信号をリアルタイムに模擬する信号に変成する信号生成手段を備える。そして、上記信号生成手段は、上記サンプリング周期毎の上記PWM信号のパルス幅に応じて、該サンプリング周期毎に出力信号レベルが変動する矩形信号に、上記PWM信号を変成するものである。
【0007】
またこの発明に係るリアルタイムシミュレーション方法は、入力される波形信号を所定のサンプリング周期でA/D変換してディジタル制御信号を生成し、該ディジタル制御信号に基づいてリアルタイムシミュレーションを行う方法であって、上記波形信号としてPWM信号を入力し、上記PWM信号を上記サンプリング周期でA/D変換する処理に先立って、該PWM信号をリアルタイムに模擬する模擬信号に変成する処理を備える。そして、該模擬信号に変成する処理は、上記サンプリング周期より十分短い時間周期で上記PWM信号のON/OFF出力レベルを検出するステップと、該検出された出力レベルを上記サンプリング周期毎に平均化処理して出力信号レベルを繰り返し出力するステップと、上記繰り返し出力される出力信号レベルを該サンプリング周期の1周期間保持して順次更新して矩形信号を生成するステップとを有して、上記サンプリング周期毎の上記PWM信号のパルス幅に応じて、該サンプリング周期毎に上記出力信号レベルが変動する上記矩形信号を、上記PWM信号の模擬信号として出力するものである。
【0008】
またこの発明に係るリアルタイムシミュレーション方法は、計算機上のソフトウェアで構築された装置モデルを用い、ディジタル制御信号に基づいて上記装置モデルをソフトウェア上で模擬動作させ、演算結果をリアルタイムで出力する方法である。また上記装置モデルとして、PWM信号により駆動制御される電力変換装置を模擬したモデルを用い、上記模擬動作に先立って、上記PWM信号を模擬する入力制御信号を生成する第1のステップと、該入力制御信号を所定のサンプリング周期でA/D変換して上記ディジタル制御信号を生成する第2のステップとを備える。また上記第1のステップは、上記所定のサンプリング周期より十分短い時間周期で上記PWM信号のON/OFF出力レベルを検出し、該検出された出力レベルを上記サンプリング周期毎に平均化処理することにより、該サンプリング周期毎の上記PWM信号のパルス幅に応じて出力信号レベルを演算し、上記サンプリング周期毎に上記出力信号レベルが変動する矩形信号となる上記入力制御信号を生成するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1によるリアルタイムシミュレーション装置を示す構成図である。
図に示すように、リアルタイムシミュレーション装置としてのリアルタイムシミュレータ1は、計算機としてのマイクロコンピュータ2と入出力手段としてのインターフェースボード8とで構成され、マイクロコンピュータなどで構成されPWM信号を発生するPWM制御装置とその制御対象である実機とを備えた電子機器9からのPWM信号を入力として、マイクロコンピュータ2上で計算された演算結果を出力して電子機器9へフィードバックする。マイクロコンピュータ2は、制御対象である実機をマイクロコンピュータ2上のソフトウェアで模擬した装置モデルを構築し、該装置モデルを模擬動作させる模擬動作手段3を備え、例えば電気車のインバータ、誘導電動機、LCフィルタなどの、電力変換装置としての主回路装置をモデル化した装置モデルを動作させて演算結果を出力する。
インターフェースボード8は、平均化手段としての平均化処理要素5と保持手段としての保持回路6とを備えた、電子機器9のPWM制御装置からのPWM信号を入力するためのPWM信号取込みボード4、およびマイクロコンピュータ2から出力されたディジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aボード7を備える。
【0010】
次に、動作について説明する。
リアルタイムシミュレータ1では、電子機器9から出力されるPWM信号Up、Vp、Wp、Xp、Yp、Zpをインターフェースボード8に入力し、PWM信号取込みボード4を介してマイクロコンピュータ2に入力する。マイクロコンピュータ2ではディジタル処理が行なわれるため、入力されたアナログのPWM信号は所定のサンプリング周期でのサンプリング処理によるA/D変換でディジタル信号に変換されて用いられる。
PWM信号取込みボード4では、まず平均化処理要素5にて、入力されたPWM信号を、上記A/D変換時の所定のサンプリング周期よりもはるかに短い時間幅(計算刻み幅Δt)の周期(計算刻み周期)で計測し、上記サンプリング周期毎に平均化処理を行う。次に保持回路6にて、平均化処理要素5によりサンプリング周期毎に繰り返し算出される平均値を次の平均値が出力するまでの間保持し、該平均値を出力信号レベルとした矩形信号を生成して、マイクロコンピュータ2に入力する。即ち、PWM信号取込みボード4では、後段のマイクロコンピュータ2にて設定されている所定のサンプリング周期を単位時間として、この単位時間毎に出力信号レベルが変動する連続波形である矩形信号に、入力されたPWM信号を変成する。
【0011】
PWM信号取込みボード4での処理を、図2に基づいて以下に詳述する。
図2(a)は、電子機器9から出力される実際のPWM信号10、例えばU相PWM信号Upを示し、図2(b)は、平均化処理要素5によって平均化処理計算を行った後の平均値a(n)を示し、図2(c)は、保持回路6により保持された後のPWM信号である矩形信号11を示す。また、図2(d)は、サンプリングによる誤差12を示すが、これについては後述する。
まず、電子機器9から出力されるPWM信号10のオン状態(HIGH)とオフ状態(LOW)とを、上記A/D変換時の所定のサンプリング周期13よりもはるかに短い計算刻み幅Δt14の計算刻み周期で計測し、サンプリング期間A(n)に占めるオン状態(HIGH)期間15の比を、式(1)により計算し、これを平均値a(n)として出力する。
【0012】
a(n)=TH/(TL+TH) ・・・・(1)
但し、 TH:オン状態(HIGH)期間15
TL:オフ状態(LOW)期間16
(TL+TH):サンプリング周期13
【0013】
上記平均化処理では、あるサンプリング期間A(n)においてPWM信号12のON/OFF出力レベルを計算刻み周期で計測し、計算刻み幅Δtを乗算して得たオン状態(HIGH)期間15により、上式(1)の計算を行う。そして、計算した平均値a(n)を次のサンプリング期間A(n+1)の始点に出力する。同様に、サンプリング期間A(n+1)においてもPWM信号12のON/OFF出力レベルを計算刻み周期で計測して平均値a(n+1)を演算し、次のサンプリング期間A(n+2)の始点に出力する。この繰り返し処理により、入力されPWM信号12のサンプリング周期毎の平均値を計算する。
上記平均化処理要素5により計算された平均値a(n)は、保持回路6に入力される。そして、保持回路6では、入力された平均値a(n)を、次の平均値a(n+1)が入力されるまでその値を保持する。同様の処理をa(n+1)、a(n+2)についても行い、連続波形化された矩形信号11を生成する。
この保持回路6により連続波形化されたPWM信号(矩形信号)11は、マイクロコンピュータ2に入力される。
【0014】
平均化処理要素5及び保持回路6により、実際のPWM信号10のサンプリング期間A(n)内の、パルス幅と高さ(1)とで決まる面積17を、矩形信号11のサンプリング期間A(n+1)内の、サンプリング周期13と高さとで決まる面積18に一致させることができる。即ち、実際のPWM信号10のサンプリング期間A(n)内のパルス幅は、矩形信号11のサンプリング期間A(n+1)内の出力信号レベルに読み替えられる。
【0015】
PWM信号取込みボード4で変成されたPWM信号(矩形信号)11は、マイクロコンピュータ2に入力され、サンプリング処理によるA/D変換でディジタル信号に変換される。そして、このディジタル信号を制御信号として、上述したように模擬動作手段3により装置モデルが模擬動作される。
矩形信号11のサンプリング期間毎に変動する出力信号レベルは、実際のPWM信号10のパルス幅を示しているため、マイクロコンピュータ2に入力された矩形信号11は、A/D変換でのサンプリング処理によりPWM信号10のパルス幅と同等の情報を有するディジタル制御信号に変換されて模擬動作手段3に用いられる。図2(d)のサンプリングによる誤差12は、PWM信号10のパルス幅が、上記A/D変換でのサンプリング処理により正確に検出されたかを示す誤差であり、誤差はほぼ0である。
なお、例えばU相PWM信号Upを用いて示したが、その他のPWM信号Vp、Wp、Xp、Yp、Zpについても同様の処理を行うものとする。
【0016】
マイクロコンピュータ2内の模擬動作手段3は模擬的に制御対象の主回路装置の役割を実現し、模擬対象物の内部情報(電流等)を計算し、計算された演算結果をインターフェースボード8のD/Aボード7に出力する。D/Aボード7はマイクロコンピュータ2の演算結果をデジタル信号からアナログ信号に変換し、電子機器9にフィードバックする。
【0017】
この実施の形態では、PWM制御装置からのPWM信号10は、リアルタイムに矩形信号11に模擬され、この矩形信号11はA/D変換されて模擬動作手段3に取り込まれる際、PWM信号10のパルス幅と同等の情報を有するディジタル制御信号に変換される。これにより、模擬動作手段3は制御対象の装置モデルを用いて行うリアルタイムシミュレーションを信頼性良く高精度に行うことができる。また、PWM制御装置とその制御対象である実機とを備えた電子機器9の検証を信頼性良く行える。
【0018】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2によるリアルタイムシミュレーション装置を示す構成図である。この実施の形態2においても、リアルタイムシミュレーション装置としてのリアルタイムシミュレータ1は、計算機としてのマイクロコンピュータ2と入出力手段としてのインターフェースボード8とで構成され、電子機器9からのPWM信号を入力として、マイクロコンピュータ2上で計算された演算結果を出力して電子機器9へフィードバックする。インターフェースボード8は、平均化手段としての平均化処理要素5と保持手段としての保持回路6とを備えたPWM信号取込みボード4、およびマイクロコンピュータ2から出力されたディジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aボード7を備える。ここでは、便宜上、PWM信号取込みボード4のハードウェアの構成だけを図示する。その他の構成は、上記実施の形態1と同様であり同様に動作する。
【0019】
図3に示すように、平均化処理要素5は、外部信号19を入力として該外部信号19の周波数を決定するためのカウンタ要素21と、サンプリング周期Tと外部信号19の周波数とのテーブル要素22と、計算刻み幅Δtと外部信号19の周波数とのテーブル要素23と、平均化処理を行う要素24とを備える。
なお、20は電子機器9から出力されるPWM信号、25は外部信号19の周波数、26はテーブル22により設定されたサンプリング周期T、27はテーブル23により設定された計算刻み幅Δt、28は平均化処理によって出力される平均値、29は保持回路6によって連続波形化されたPWM信号(矩形信号)である。
上述の21〜24の要素はすべてハードウェアによって実現するものである。
【0020】
次に、動作について説明する。
リアルタイムシミュレータ1では、電子機器9から出力されるPWM信号Up、Vp、Wp、Xp、Yp、Zpをインターフェースボード8に入力し、PWM信号取込みボード4を介してマイクロコンピュータ2に入力する。マイクロコンピュータ2ではディジタル処理が行なわれるため、入力されたアナログのPWM信号は所定のサンプリング周期でのサンプリング処理によるA/D変換でディジタル信号に変換されて用いられる。
上記実施の形態1では、サンプリング周期および計算刻み幅は固定の設定値としたが、この実施の形態2では、PWM信号に関連した外部信号19の周波数によって、サンプリング周期Tと計算刻み幅Δtを可変に設定するようにした。また、これにより設定されたサンプリング周期Tは、上記A/D変換でのサンプリング処理に用いられる。なお、PWM信号に関連した外部信号19は、例えば三角波比較法により生成されたPWM信号の搬送波信号が望ましい。
【0021】
PWM信号取込みボード4での処理を以下に詳述する。
カウンタ21では、外部信号19を入力として、外部信号19の周波数25を読み取り、テーブル22、23の双方に、外部信号19の周波数25が入力される。テーブル22には、サンプリング周期Tと外部信号19の周波数25とのテーブルデータが予め設定され、テーブル23には、計算刻み幅Δtと外部信号19の周波数25とのテーブルデータが予め設定されている。これにより、外部信号19の周波数25に応じたサンプリング周期T26と計算刻み幅Δt27が出力され、平均化処理を実現する要素24に入力される。
【0022】
平均化処理を実現する要素24では、外部信号19の周波数25に応じた計算刻み幅Δt27で、入力されたPWM信号20のオン状態(HIGH)の期間とオフ状態(LOW)の期間を計測し、外部信号19の周波数25に応じたサンプリング周期T26を有するサンプリング期間A(n)に占めるオン状態(HIGH)期間の比を、上記式(1)により計算し、これを平均値a(n)28として出力する。
この平均化処理では、あるサンプリング期間A(n)においてPWM信号12のON/OFF出力レベルを計算刻み周期で計測し、計算刻み幅Δtを乗算して得たオン状態(HIGH)期間により、上式(1)の計算を行う。そして、計算した平均値a(n)28を次のサンプリング期間A(n+1)の始点に出力する。同様に、サンプリング期間A(n+1)においてもPWM信号20のON/OFF出力レベルを計算刻み周期で計測して平均値a(n+1)28を演算し、次のサンプリング期間A(n+2)の始点に出力する。この繰り返し処理により、入力されPWM信号20のサンプリング周期毎の平均値28を計算する。
【0023】
平均化処理を実現する要素24により計算された平均値a(n)28は、保持回路6に入力される。そして、保持回路6では、入力された平均値a(n)28を、次の平均値a(n+1)28が入力されるまでその値を保持する。同様の処理をa(n+1)、a(n+2)についても行い、連続波形化された矩形信号29を生成する。
この保持回路6により連続波形化されたPWM信号(矩形信号)29は、マイクロコンピュータ2に入力される。
これにより、上記実施の形態1と同様に、実際のPWM信号20のサンプリング期間A(n)内のパルス幅は、矩形信号29のサンプリング期間A(n+1)内の出力信号レベルに読み替えられる。
【0024】
PWM信号取込みボード4で変成されたPWM信号(矩形信号)29は、マイクロコンピュータ2に入力され、サンプリング処理によるA/D変換でディジタル信号に変換される。そして、このディジタル信号を制御信号として、上述したように模擬動作手段3により装置モデルが模擬動作される。
矩形信号11のサンプリング期間毎に変動する出力信号レベルは、実際のPWM信号20のパルス幅を示しているため、マイクロコンピュータ2に入力された矩形信号29は、A/D変換でのサンプリング処理によりPWM信号20のパルス幅と同等の情報を有するディジタル制御信号に変換されて模擬動作手段3に用いられる。
マイクロコンピュータ2内の模擬動作手段3は模擬的に制御対象の主回路装置の役割を実現し、模擬対象物の内部情報(電流等)を計算し、計算された演算結果をインターフェースボード8のD/Aボード7に出力する。D/Aボード7はマイクロコンピュータ2の演算結果をデジタル信号からアナログ信号に変換し、電子機器9にフィードバックする。
【0025】
この実施の形態では、PWM制御装置からのPWM信号20は、リアルタイムに矩形信号29に模擬され、この矩形信号29はA/D変換されて模擬動作手段3に取り込まれる際、PWM信号20のパルス幅と同等の情報を有するディジタル制御信号に変換される。これにより、模擬動作手段3は制御対象の装置モデルを用いて行うリアルタイムシミュレーションを信頼性良く高精度に行うことができる。また、PWM制御装置とその制御対象である実機とを備えた電子機器9の検証を信頼性良く行える。
さらにPWM信号20の搬送波信号を外部信号19として入力し、予めテーブル22、23を設定して備えることで、外部信号19の周波数25に基づいて、サンプリング周期Tと計算刻み幅Δtを設定するようにした。このため、例えば搬送波周波数が高いときなど、PWM信号20が高速なオン・オフ信号となる場合でも、より細かくPWM信号20のオン状態とオフ状態を計測することができ、PWM信号20の状態に応じて平均化処理の精度を向上することができる。これにより、より信頼性の高いリアルタイムシミュレーションが行える。
【0026】
なお、上記実施の形態では、外部信号19の周波数25に基づいて、サンプリング周期Tと計算刻み幅Δtを設定するようにしたが、サンプリング周期あるいは計算刻み幅Δtのいずれか一方のみを可変にして、外部信号19の周波数25に基づいて設定してもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係るリアルタイムシミュレーション装置は、PWM信号をサンプリング周期でA/D変換する処理に先立って、上記PWM信号をリアルタイムに模擬する信号に変成する信号生成手段を備え、該信号生成手段は、上記サンプリング周期毎の上記PWM信号のパルス幅に応じて、該サンプリング周期毎に出力信号レベルが変動する矩形信号に、上記PWM信号を変成するものであるため、上記サンプリング周期毎の上記PWM信号のパルス幅情報を有する矩形信号をPWM信号の模擬信号として生成できる。
【0028】
またこの発明に係るリアルタイムシミュレーション方法は、PWM信号をサンプリング周期でA/D変換する処理に先立って、該PWM信号をリアルタイムに模擬する模擬信号に変成する処理を備え、該模擬信号に変成する処理は、上記サンプリング周期より十分短い時間周期で上記PWM信号のON/OFF出力レベルを検出するステップと、該検出された出力レベルを上記サンプリング周期毎に平均化処理して出力信号レベルを繰り返し出力するステップと、上記繰り返し出力される出力信号レベルを該サンプリング周期の1周期間保持して順次更新して矩形信号を生成するステップとを有して、上記サンプリング周期毎の上記PWM信号のパルス幅に応じて、該サンプリング周期毎に上記出力信号レベルが変動する上記矩形信号を、上記PWM信号の模擬信号として出力するものであるため、上記サンプリング周期毎の上記PWM信号のパルス幅情報を有する矩形信号を、PWM信号の模擬信号として高精度に信頼性良く生成できる。
【0029】
またこの発明に係るリアルタイムシミュレーション方法は、計算機上のソフトウェアで構築された装置モデルを用い、ディジタル制御信号に基づいて上記装置モデルをソフトウェア上で模擬動作させ、演算結果をリアルタイムで出力する方法である。また上記装置モデルとして、PWM信号により駆動制御される電力変換装置を模擬したモデルを用い、上記模擬動作に先立って、上記PWM信号を模擬する入力制御信号を生成する第1のステップと、該入力制御信号を所定のサンプリング周期でA/D変換して上記ディジタル制御信号を生成する第2のステップとを備える。また上記第1のステップは、上記所定のサンプリング周期より十分短い時間周期で上記PWM信号のON/OFF出力レベルを検出し、該検出された出力レベルを上記サンプリング周期毎に平均化処理することにより、該サンプリング周期毎の上記PWM信号のパルス幅に応じて出力信号レベルを演算し、上記サンプリング周期毎に上記出力信号レベルが変動する矩形信号となる上記入力制御信号を生成するものである。これにより、PWM信号により駆動制御される電力変換装置を模擬した装置モデルを用いたリアルタイムシミュレーションが高精度に信頼性良く行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるリアルタイムシミュレーション装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるリアルタイムシミュレーション装置の動作を説明する図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるリアルタイムシミュレーション装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 リアルタイムシミュレータ、2 マイクロコンピュータ、
3 模擬動作手段、5 平均化処理要素、6 保持回路、
10,20 PWM信号、11,29 矩形信号、
13,26 サンプリング周期、14,27 計算刻み幅、
19 外部信号(搬送波信号)、28 平均値。
Claims (6)
- 入力される波形信号を所定のサンプリング周期でA/D変換してディジタル制御信号を生成し、該ディジタル制御信号に基づいてリアルタイムシミュレーションを行うリアルタイムシミュレーション装置において、
上記波形信号としてPWM信号を入力し、該PWM信号を上記サンプリング周期でA/D変換する処理に先立って、上記PWM信号をリアルタイムに模擬する信号に変成する信号生成手段を備え、
上記信号生成手段は、上記サンプリング周期毎の上記PWM信号のパルス幅に応じて、該サンプリング周期毎に出力信号レベルが変動する矩形信号に、上記PWM信号を変成することを特徴とするリアルタイムシミュレーション装置。 - 上記信号生成手段は、上記サンプリング周期毎の上記PWM信号を入力として、該サンプリング周期より十分短い時間周期で該PWM信号のON/OFF出力レベルを検出する検出手段と、該検出された出力レベルを上記サンプリング周期毎に平均化処理して上記出力信号レベルを出力する平均化手段と、該平均化手段から上記サンプリング周期毎に繰り返し出力される上記出力信号レベルを該サンプリング周期の1周期間保持して順次更新し、上記矩形信号を生成する保持手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のリアルタイムシミュレーション装置。
- 上記PWM信号により駆動制御される電力変換装置を計算機上のソフトウェアで模擬して構築された装置モデルを、上記ディジタル制御信号に基づいてソフトウェア上で模擬動作させ、演算結果をリアルタイムで出力する模擬動作手段を備えて、上記リアルタイムシミュレーションを行うことを特徴とする請求項1または2に記載のリアルタイムシミュレーション装置。
- 上記PWM信号の生成に用いる搬送波信号を入力として該搬送波信号に基づいて上記サンプリング周期を決定する手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリアルタイムシミュレーション装置。
- 入力される波形信号を所定のサンプリング周期でA/D変換してディジタル制御信号を生成し、該ディジタル制御信号に基づいてリアルタイムシミュレーションを行うリアルタイムシミュレーション方法において、
上記波形信号としてPWM信号を入力し、
上記PWM信号を上記サンプリング周期でA/D変換する処理に先立って、該PWM信号をリアルタイムに模擬する模擬信号に変成する処理を備え、
該模擬信号に変成する処理は、
上記サンプリング周期より十分短い時間周期で上記PWM信号のON/OFF出力レベルを検出するステップと、該検出された出力レベルを上記サンプリング周期毎に平均化処理して出力信号レベルを繰り返し出力するステップと、上記繰り返し出力される出力信号レベルを該サンプリング周期の1周期間保持して順次更新して矩形信号を生成するステップとを有して、上記サンプリング周期毎の上記PWM信号のパルス幅に応じて、該サンプリング周期毎に上記出力信号レベルが変動する上記矩形信号を、上記PWM信号の模擬信号として出力することを特徴とするリアルタイムシミュレーション方法。 - 計算機上のソフトウェアで構築された装置モデルを用い、ディジタル制御信号に基づいて上記装置モデルをソフトウェア上で模擬動作させ、演算結果をリアルタイムで出力するリアルタイムシミュレーション方法において、上記装置モデルとして、PWM信号により駆動制御される電力変換装置を模擬したモデルを用い、上記模擬動作に先立って、上記PWM信号を模擬する入力制御信号を生成する第1のステップと、該入力制御信号を所定のサンプリング周期でA/D変換して上記ディジタル制御信号を生成する第2のステップとを備え、上記第1のステップは、上記所定のサンプリング周期より十分短い時間周期で上記PWM信号のON/OFF出力レベルを検出し、該検出された出力レベルを上記サンプリング周期毎に平均化処理することにより、該サンプリング周期毎の上記PWM信号のパルス幅に応じて出力信号レベルを演算し、上記サンプリング周期毎に上記出力信号レベルが変動する矩形信号となる上記入力制御信号を生成することを特徴とするリアルタイムシミュレーション方法。
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