JP3142128B2 - 2’,3’―ジデオキシ―2’,2’―ジフルオロヌクレオシド類 - Google Patents

2’,3’―ジデオキシ―2’,2’―ジフルオロヌクレオシド類

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JP3142128B2 JP01035955A JP3595589A JP3142128B2 JP 3142128 B2 JP3142128 B2 JP 3142128B2 JP 01035955 A JP01035955 A JP 01035955A JP 3595589 A JP3595589 A JP 3595589A JP 3142128 B2 JP3142128 B2 JP 3142128B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、癌の治療に有用な新しい型の化合物群に関
する。
従来の技術 癌の治療は以前は不可能と考えられていたが、過去10
年の間に、この死に至ることが多い病気による損傷を抑
制するのに長足の進歩がとげられた。いくつかの型の癌
のどかに罹患していると診断された患者の生存率向上に
寄与するいくつかの薬物が、現在ではごくあたりまえに
臨床で用いられている。最も普通に用いられている抗腫
瘍薬には、メトトレキセイト、ドキソルビシン、シタラ
ビン、およびビンクリスチンなどのビンカアルカロイド
類が含まれる。しかし、癌の治療を行っている対象のた
めに、改善された有効性とさらに高い安全性を有するよ
り効果的な化合物を開発すべく研究が続けられている。
腫瘍崩壊活性を有する化学的化合物の探索により、固
体型および非固体型の両型の多種の腫瘍に対して優れた
活性を示す2′−デオキシ−2′,2′−ジフルオロヌク
レオシド類が見つかった(欧州特許出願No.85308547.
0)。また、これらの化合物、およびこれらを抗ウィル
ス薬として用いることが米国特許No.4,692,434に記載さ
れている。
発明が解決しようとする課題 ヒトを苦しめる多種の有害腫瘍、および腫瘍の進化す
る性質、並びに現在用いられている多数の腫瘍崩壊薬の
毒性により、改良された腫瘍崩壊薬を発明する努力を続
けることが求められている。本発明は、さらに新しい抗
癌薬を開示するものである。
発明の構成 本発明は、哺乳動物の感受性腫瘍の治療、および哺乳
動物のウィルス感染の治療に有用な新しい型の2′,3′
−ジデオキシ−2′,2′−ジフルオロヌクレオシド類を
提供するものである。さらに詳しくは、本発明は、以下
の式Iで示される化合物またはその薬学的に許容しうる
塩に関する: [式中、R1は水素、C1〜C4アルキル、または−CO−R5
あり; R2は次の式のいずれか1つで示される塩基であり: R3は水素、アミノ、アジド、またはフルオロであり; R4は水素、またはフルオロであり; R5はそれぞれ独立して水素、またはC1〜C4アルキルで
あり; R6は水素、C1〜C4アルキル、または−CO−R5であり; R7は水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲン化アルキ
ル、アミノ、ブロモ、フルオロ、クロロ、またはヨード
であり; R8はヒドロキシ、またはアミノであり; R9は水素、ブロモ、クロロ、またはヨードであり; R10は−NHR6、ブロモ、クロロ、ヒドロキシ、フルオ
ロ、またはヨードであり; ZはN、またはC−R7である; ただし、R4がフルオロであるときには、R3はアジドま
たはアミノ以外である]。
また、本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に許
容しうる塩を、該化合物用の1またはそれ以上の薬学的
に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤とともに含有し
てなる医薬製剤をも提供するものである。
さらに、本発明の別態様は、式Iの化合物またはその
薬学的に許容しうる塩を用いる、哺乳動物の感受性腫瘍
および哺乳動物のウィルス感染を治療するための方法で
ある。
また、本発明は、式II: [式中、Xはヒドロキシ、または脱離基であり; Yは水素、またはヒドロキシ保護基であり; R3は水素、アミノ、アジド、またはフルオロであり;
そして R4は水素、またはフルオロである; ただし、R4がフルオロであるときには、R3はアジドま
たはアミノ以外である] で示される中間体をも提供するものである。
さらに、本発明は、 (A)式III: [式中、R2、R3、およびR4は前記定義に同じであり;R
1′はヒドロキシ保護基である] で示される化合物を脱保護するか、または (B)R1が水素である式Iの化合物を酸性塩形成試薬と
反応させる、 ことを特徴とするR1が水素である式Iの化合物の製造方
法をも提供するものである。
上記の式中、C1〜C4アルキルとは、炭素原子数1〜4
の直鎖または分岐鎖のアルキルを表す。典型的なC1〜C4
アルキルには、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよび
t−ブチルが含まれる。
ハロゲンとは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨ
ードを表す。
C1〜C4ハロゲン化アルキルとは、1またはそれ以上の
ハロゲン置換基を有するC1〜C4アルキル基を表す。代表
的なC1〜C4ハロゲン化アルキル基には、トリフルオロメ
チル、2,2,3,3−テトラフルオロエチル、4,4,4−トリフ
ルオロブチル、2−クロロエチル、3−ブロモプロピル
などが含まれる。
本明細書中で用いる、「ヒドロキシ保護基」なる語句
は、ヒドロキシ基上に効率的に配置することができ、そ
して反応が完結したときに容易に除去することができる
置換基を表す。適当な基は、普通の教科書に記載されて
いるものであってよく、例えば、プロテクティブ・グル
ープス・イン・オーガニック・ケミストリー[Protecti
ve Groups in Organic Chemistry,McOmie,Ed.,Plenum P
ress,New York(1973)]の第3章、およびプロテクテ
ィブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス
[Protective Groups in Organic Synthesis,Greene,Jo
hn Wiley & Sons,New York(1981)]の第2章に記載
されているものであってよい。通常用いられる適当なヒ
ドロキシ保護基には、ホルミル、−CO−(C1〜C4アルキ
ル)、2−クロロアセチル、ベンゾイル、ベンジル、ジ
フェニルメチル、トリフェニルメチル、4−ニトロベン
ジル、フェノキシカルボニル、t−ブチルなどのC1〜C4
アルキル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、ア
リル、テトラヒドロチエニル、2−メトキシエトキシメ
チル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、イソブ
チリル、エトキシカルボニル、およびベンジルオキシカ
ルボニルが含まれる。シリル型のヒドロキシ保護基は、
その大部分が水またはアルコールとの接触によって容易
に切断されるので特に都合がよい。このような基には、
特にトリメチルシリル、並びにイソプロピルジメチルシ
リル、メチルジイソプロピルシリル、t−ブチルジメチ
ルシリル、またはトリイソプロピルシリルが含まれる。
本発明の化合物を定義している構造式は立体化学的に
示されていない。すべての立体配置の化合物が有用であ
ると考えられ、化合物の立体化学を限定の意味でとらえ
るべきではない。好ましい化合物は天然リボースの立体
配置、例えば次の立体配置を有している: 炭水化物と塩基の間の連結点での立体配置はβ立体配置
が好ましく、この配置は次の構造で示される: 本発明の範囲内に含まれる化合物の例としては、以下に
挙げる化合物またはその薬学的に許容しうる塩が挙げら
れる: 1−(2,4−ジオキソ−1H,3H−ピリミジン−1−イ
ル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボース; 1(4−アミノ−5−クロロ−2−オキソ−1H−ピリ
ミジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2,3−トリフ
ルオロリボース; 1−(4−アミノ−5−ブロモ−2−オキソ−1H−ピ
リミジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフル
オロリボース; 1−(4−アミノ−2−オキソ−1H−ピリミジン−1
−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボー
ス; 1−(4−アミノ−5−ヨード−2−オキソ−1H−ピ
リミジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフル
オロリボース; 1−(4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1H−ピ
リミジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−3−アミノ
−2,2−ジフルオロリボース; 1−(2−アミノ−6−オキソ−1H,9H−プリン−9
−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボー
ス; 1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−2,3−
ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボース; 1−(4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソ−1H−
ピリミジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフ
ルオロリボース; 1−(4−アミノ−5−クロロ−2−オキソ−1H−ピ
リミジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−3−アジド
−2,2−ジフルオロリボース; 1−(4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1H−ピ
リミジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2,3,3−テ
トラフルオロキシロース; 1−(2−アミノ−6−オキソ−1H,9H−プリン−9
−イル)−3−アミノ−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフル
オロリボース; 1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3−ア
ジド−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボース; 1−(6−ブロモ−2−クロロ−9H−プリン−9−イ
ル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボース; 1−(2−クロメチル−6−ヨード−9H−プリン−9
−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2,3−トリフルオロリボ
ース。
以上で説明した式Iの化合物のすべてが有用であるの
は勿論であるが、ある種の化合物が好ましい。このよう
な好ましい化合物を次の限定で表すことができる。この
限定を組み合わせることによって、さらに好ましい化合
物群が得られることは理解されよう。
a.R3およびR4が独立してフルオロまたは水素である; b.R3がアミノまたはアジドである; c.R6が水素である; d.R5がアルキルである; e.R7が水素またはアミノである; f.R10が−NHR6である; g.R10がヒドロキシである。
上記のように、本発明は、上記式で定義される化合物
の薬学的に許容しうる塩を含んでいる。本発明の化合物
はその性質が塩基性であるので、多数のあらゆる無機お
よび有機酸と反応して薬学的に許容しうる塩を形成す
る。通常、本発明の遊離アミンは室温では油状である
か、または低融点の固体であるので、取扱いおよび投与
を容易にするためこの遊離アミンをその対応の薬学的に
許容しうる塩(通常、室温で固体である)に変換するの
が好ましい。さらに、本発明化合物の塩は対応の遊離ア
ミンよりも水に溶けやすいのが普通であるので、投与後
の活性薬物の生物学的利用率を増加させるためにも塩が
好ましい。このような塩を形成させるために用いられる
通常の酸には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫
酸、およびリン酸などの無機酸、並びに、p−トルエン
スルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモ
フェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息
香酸、および酢酸などの有機酸、さらには、その同類の
無機酸および有機酸が含まれる。従って、このような薬
学的に許容しうる塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸
塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素
塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩
酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、酢酸塩、プロピ
オン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、
ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プ
ロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、
スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸
塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安
息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニ
トロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息
香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン
酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェ
ニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、β−ヒドロキシ酪酸
塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタン
スルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1
−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マン
デル酸塩などが含まれる。好ましい薬学的に許容しうる
塩には、塩酸および臭化水素酸などの鉱酸とで形成され
た塩、並びに、シュウ酸およびマレイン酸などの有機酸
とで形成された塩が含まれる。
R3とR4の両方が水素である本発明のヌクレオシド類
は、2′−デオキシ−2′,2′−ジフルオロヌクレオシ
ドを、炭水化物部分の3′−位のヒドロキシ基以外の全
ての遊離のヒドロキシおよびアミン置換基を保護するこ
とができる試薬と反応させることによって製造される。
次に、この保護された化合物をフェニルハロゲン化チオ
ノカーボネートと反応させて対応する3′−[(フェノ
キシチオキソメチル)オキシ]−2′,2′−ジフルオロ
ヌクレオシドを得、これを水素化トリブチルスズとアゾ
ビスメチルプロピオニトリルで処理する。最後に、得ら
れた化合物を脱保護して対応する本発明の2′,3′−ジ
デオキシ−2′,2′−ジフルオロヌクレオシドを得る。
この反応を次の反応式で示す: [反応式中、R2は前記定義に同じであり、Yはヒドロキ
シ保護基である]。
上記反応の最初の工程においては、炭水化物部分の
3′−位のヒドロキシ基に影響を及ぼすことなく遊離の
ヒドロキシおよびアミン置換基を保護する。この方法に
よれば、等モルまたは過剰量の保護剤(ピバロイルクロ
リドなど)を、適当な溶媒(ピリジンなど)中の出発物
質の溶液に加える。この反応は、所望ならば少量のアシ
ル化触媒(ジメチルアミノピリジンなど)の存在下、普
通のアシル化法のもとで行う。通常、この生成物は、反
応混合物を真空下で濃縮し、その残留物を水と混和しな
い有機溶媒(酢酸エチルあるいはジエチルエーテルな
ど)に溶解することによって単離する。この反応混合物
を1またはそれ以上の水溶液で洗浄し、真空下で濃縮し
て目的の化合物を得る。この化合物を常法によってさら
に精製してもよいし、次の反応に直接用いてもよい。
別法では、出発化合物を、3′−位のヒドロキシ基並
びに保護しようとするその他の基と反応する保護剤(ベ
ンゾイルクロリドなど)と反応させてもよい。次いで、
この3′−ベンゾイルを、強塩基(例えば、ナトリウム
アルコキシド、特にカリウムt−ブトキシドなど)で加
水分解するなどによって選択的に除去する。
次に、炭水化物部分の3′−位のヒドロキシ置換基
を、以前に2′−デオキシリボヌクレオシドについて用
いられた方法に従って3′−フェノキシチオカルボニル
エステルに変換する:Journal of American Chemical
Society 103,932(1981)を参照。この方法によれば、
ほぼ等モル〜わずかに過剰のフェニル ハロゲン化チオ
ノカーボネートを、相互溶媒(ピリジンなど)に溶解し
た出発物質に加える。少量のアシル化触媒(ジメチルア
ミノピリジンなど)を用いてもよい。このようにして合
成した化合物を、適当な有機溶媒(トルエンなど)中、
2,2′−アゾビス[2−メチルプロピオニトリル]の存
在下で水素化トリブチルスズと反応させる。この反応
は、約50℃〜約150℃の温度で約30分〜約12時間行うと
実質的に完結する。この反応混合物を真空下で濃縮し、
常法によって目的の生成物を分離することによって生成
物を単離する。最後に、保護基を濃い塩基(例えば、水
酸化ナトリウムまたはその他のあらゆるアルカリ金属水
酸化物試薬)の存在下で加水分解することによって目的
化合物を合成する。この生成物を常法に従って単離し、
普通の方法、例えば通常の溶媒からの結晶化またはシリ
カゲルあるいはアルミナなどの固体支持体での精製、ま
たは逆相C18クロマトグラフィーによって精製して目的
の化合物を得る。
R3がアミノまたはアジドであり、R4が水素である本発
明の化合物は、既知の方法に従って製造する。前記の保
護された2′−デオキシ−2′,2′−ジフルオロキシロ
ースの3′−位のヒドロキシ置換基をトリフルオロスル
ホニル置換基で保護する。得られた中間体を、順次、塩
基、アジド試薬と反応させ、接触還元し、そして脱保護
して、対応するR3がアミノであり、R4が水素である本発
明の化合物を得る。アジド中間体を脱保護して、R3がア
ジドであり、R4が水素である本発明の化合物を得ること
もできる。この反応を次の反応式で示す: [反応式中、R2は前記に同じであり、R11は良好な脱離
基、例えばハロゲン、特にクロロである]。
保護された2′−デオキシ−2′,2′−ジフルオロヌ
クレオシドとトリフルオロスルホニル試薬との反応は、
通常の保護条件に従って行う。好ましいトリフルオロス
ルホニル試薬はハロゲン置換基を含んでおり、トリフル
オロスルホニルクロリドが特に好ましい試薬である。通
常は、過剰のこの試薬を、相互性の有機溶媒に溶解した
出発物質の溶液と混合する。この反応は約12〜24時間以
内に完結し、普通は約20℃〜約100℃の温度で行う。必
要なら、所望の生成物を常法によって単離してもよい。
このようにして調製した3′−トリフルオロスルホニ
ルオキシ誘導体を、次に、等モル〜過剰量のアジド試薬
と反応させ、適当な3′−アジド誘導体に変換する。代
表的なアジド試薬には、トリメチルシリルアジド、並び
にアルカリ金属アジド類、例えばリチウムアジド、ナト
リウムアジドまたはカリウムアジドなどが含まれる。適
当な溶媒中、無水の条件下、約100℃〜約−100℃の温度
でこの反応を行う。適当な溶媒には非プロトン性の溶媒
が含まれ、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。所
望の化合物は通常の加水分解条件を用いて酸または塩基
中で脱保護するか、または普通の接触還元条件下で3′
−アミノ誘導体に変換し、次いでこれを脱保護する。
R3およびR4の一方が水素であり、他方がフルオロであ
る本発明の化合物は、次の反応式に従い、保護された
2′−デオキシ−2′,2′−ジフルオロヌクレオシドを
ジエチルアミノスルファートリフルオリド(DAST)と反
応させ、そして得られた化合物を脱保護することによっ
て製造する: [反応式中、R2は前記定義に同じであり、Yはヒドロキ
シ保護基である]。
上記反応の最初の工程においては、炭水化物部分の
3′−位のヒドロキシ基に影響を及ぼすことなく2′−
デオキシ−2′,2′−ジフルオロキシロースの遊離のヒ
ドロキシおよびアミン置換基を保護する。この方法によ
れば、等モルまたは過剰量の保護剤(ピバロイルクロリ
ドなど)を、適当な溶媒(ピリジンなど)中の出発物質
の溶液に加える。この反応は、所望ならば少量のアシル
化触媒(ジメチルアミノピリジンなど)の存在下、普通
のアシル化法のもとで行う。通常、この生成物は、反応
混合物を真空下で濃縮し、その残留物を水と混和しない
有機溶媒(酢酸エチルあるいはジエチルエーテルなど)
に溶解することによって単離する。この反応混合液を1
またはそれ以上の水溶液で洗浄し、真空下で濃縮して目
的の化合物を得る。この化合物を常法によってさらに精
製してもよいし、また次の反応に直接用いてもよい。
次に、炭水化物部分の3′−位のヒドロキシ置換基を
既知のフッ素化試薬であるDASTでフルオロ置換基に変換
する:Journal of Organic Chemistry 40,574(1975)お
よびTetrahedron Letters,573(1977)を参照。この方
法によれば、ほぼ等モル〜わずかに過剰のDASTを、相互
溶媒に溶解した出発物質に加える。この反応は、約50℃
〜約150℃の温度で約30分〜約12時間行うと実質的に完
結する。この反応混合物を真空下で濃縮し、常法によっ
て所望の生成物を分離することによって生成物を単離す
る。最後に、保護基を濃い塩基(例えば、水酸化ナトリ
ウムまたはその他のあらゆるアルカリ金属水酸化物試
薬)の存在下で加水分解することによって目的化合物を
合成する。この生成物を常法に従って単離し、普通の方
法、例えば通常の溶媒からの結晶化またはシリカゲルあ
るいはアルミナなどの固体支持体での精製、または逆相
C18クロマトグラフィーによって精製して目的の化合物
を得る。
R3とR4の両方がフルオロである本発明の化合物は、所
望の保護された2′−デオキシ−2′,2′−ジフルオロ
ヌクレオシドを酸化して対応の3′−オキソ−2′,2′
−ジフルオロヌクレオシドを得、これをDASTで処理し、
最後に脱保護することによって製造する。この反応を次
の反応式で示す: [反応式中、R2は前記定義に同じであり、Yはヒドロキ
シ保護基である]。
この反応の保護および脱保護工程、並びにDASTによる
フッ素化工程の全ては、先に記した一般的な条件に従っ
て行う。3′−ヒドロキシ置換基を3′−オキソ置換基
に酸化する工程は通常の条件に従って行う。好ましく
は、スミス等[Smith et al.,Synthesis 567(1981)]
に従い、等モル〜過剰量のジメチルスルホキシドオキサ
リル クロリド[スウェルン(Swern)試薬としても知
られている]を、適当な溶媒(例えば、塩化メチレンな
ど)中の出発物質と混合する。この反応は約−80℃〜約
100℃の温度で行うと約1時間〜約48時間以内に完結す
る。必要なら常法に従って生成物を単離し、精製する。
前記の式IIで定義される本発明の中間体は、当分野で
よく知られた方法によって、または既知方法の類似法に
よって、および上に記したようにして製造することがで
きる。R3およびR4が水素またはフルオロである中間体
は、ハーテル(Hertel)の方法(米国特許No.4,526,988
およびNo.4,692,434)に従い、D−グリセルアルデヒド
ケトニドとC1〜C4アルキルブロモジフルオロアセテー
トを反応させてアルキル3−ジオキソラニル−2,2−ジ
フルオロ−3−ヒドロキシプロピオネートを得ることに
よって製造することができる。R3およびR4の両方が水素
である本発明の中間体は、このアルキル3−ジオキソラ
ニル−2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロピオネー
トをフェニルハロゲン化チオノカーボネートと反応させ
て対応する中間体を得、これを水素化トリブチルスズお
よびアゾビスメチルプロピオニトリルで処理することに
よって製造する。得られたアルキル3−ジオキソラニル
−2,2−ジフルオロプロピオネートを極めて温和な条件
下で加水分解してラクトン型の炭水化物を得る。R3およ
びR4の一方が水素であり、他方がフルオロである本発明
の中間体は、アルキル3−ジオキソラニル−2,2−ジフ
ルオロ−3−ヒドロキシプロピオネートをフッ素化して
アルキル3−ジオキソラニル−2,2,3−トリフルオロプ
ロピオネートとし、これを環化してラクトン型の炭水化
物とすることによって製造する。R3とR4の両方がフルオ
ロである中間体は、アルキル3−ジオキソラニル−2,2
−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロピオネートのヒドロ
キシ置換基を酸化してケト誘導体とし、得られた化合物
をアルキル3−ジオキソラニル−2,2,3,3−テトラフル
オロプロピオネートに変換する。この化合物を環化して
ラクトン型の炭水化物を得る。最後に、ラクトンのケト
酸素を還元することによって本発明の炭水化物中間体を
製造する。この反応を次の反応式で示す: [反応式中、R12およびR13は独立してC1〜C3アルキルで
あり、R14はC1〜C4アルキルである]。
R3がアミノまたはアジドであり、R4が水素である本発
明の中間体は、上記のようにして調製したアルキル3−
ジオキソラニル−2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプ
ロピオネートを、トリフルオロスルホニルハライドまた
はその他の良好な脱基基を有するトリフルオロスルホニ
ル化合物と反応させて対応するトリフルオロスルホニル
オキシ置換の誘導体を得、これをアジドに変換すること
によって製造する。このアジド誘導体は、ラクトンに環
化し、次にこの誘導体を接触還元してアミンとしてもよ
いし、また、アミンに変換し、これを環化してラクトン
としてもよい。この反応を次の反応式で示す: [反応式中、R11はハロゲンなどの良好な脱離基であ
り、R12およびR13は独立してC1〜C3アルキルであり、R
14はC1〜C4アルキルである]。
上記のプロピオネートを調製する条件は前に挙げたも
のと同じである。ラクトンはプロピオネート誘導体の加
水分解によって製造する。この加水分解工程を適切にコ
ントロールすると、ケトニドが切断され、またエステル
基が切断されて1工程でラクトンが得られる。加水分解
試薬としては穏やかな酸性のイオン交換樹脂が好まし
く、中でも、ダウエックス(Dowex)50W−X12(Dow Che
mical Company)が最も好ましい。さらに多量の副生成
物が得られる可能性があるが、他の温和な加水分解試薬
を用いてこの工程を行うこともできる。例を挙げれば、
酢酸水溶液、またはその他の比較的強い酸、例えばプロ
ピオン酸、ギ酸、クロロ酢酸、シュウ酸などをこの加水
分解に用いることができる。
ラクトンのヒドロキシ基は、そのケト酸素が還元され
る前に保護されるべきである。普通の反応条件が用いら
れるが、これは選択した保護基の性質に依存する。例え
ば、t−ブチルジメチルシリル基はそのトリフルオロメ
タンスルホネートの形で与えられるのが最も都合がよ
く、この保護反応はルチジン、ピリジンなどの塩基の存
在下で行われる。アシル保護基(例えば、アセチル、ベ
ンゾイルなど)は、ラクトンをアシル化剤(例えば、ア
シルクロリド、ブロミド、シアニドまたはアジド)と、
または適当な無水物と反応させることによって得られ
る。この反応は、塩基性の溶媒(例えば、ピリジン、キ
ノリンまたはイソキノリンなど)中で、または3級アミ
ン溶媒(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、メチルピペリジンなど)中で行うのが好都合であ
る。また、この反応を不活性溶媒中で行い、これに3級
アミンなどの酸スカベンジャーを加えてもよい。所望な
ら、アシル化触媒(例えば、4−ジメチルアミノピリジ
ンまたは4−ピロリジノピロリジンなど)をこの反応に
用いてもよい。ヒドロキシ基に保護基を与えるこのアシ
ル化反応は、−25℃〜100℃の中程度の温度で行う。ま
た、このようなアシル化を、適当なカルボン酸の酸触媒
による反応によって、不活性有機溶媒中でまたはそのま
まで行うこともできる。酸触媒としては、例えば硫酸、
ポリリン酸、メタンスルホン酸などが用いられる。
さらに、アシル保護基を、適当な酸の活性エステル
(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、アシルイ
ミダゾール類、ニトロフェノール類、ペンタクロロフェ
ノール、N−ヒドロキシスクシンイミドおよび1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾールなどの既知試薬によって生成
するエステル)を形成させることによって付与すること
もできる。
エーテル型の保護基は、ラクトンを、例えば適当なジ
アゾ化合物(ジアゾメタン、フェニルジアゾメタン、シ
リルジアゾメタンなど)と反応させることによって設置
する。通常、この反応は、エステル(酢酸エチルな
ど)、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタンおよびクロロホ
ルムを含む)、およびエーテル(ジメチルエーテルおよ
びテトラヒドロフランを含む)を含む溶媒中で効率的に
行われる。この工程は約−50℃〜約0℃の低温で行うの
が普通である。また、このエーテル形成反応を、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチル
ホスホルアミド、アセトン、アセトニトリルなどの溶媒
中、水酸化トリメチルオソスルホニウム、水酸化トリメ
チルスルホニウムおよび水酸化トリメチルセレノニウム
などの試薬を用いて行うこともできる。
上記のシリル保護基は、常法によって、例えば適当な
シリルカルボキシアミドあるいはビス(置換−シリル)
カルボキシアミド、または適当な置換シラザンとの反応
によってヒドロキシ基上に配置される。適当に配置され
たシリル メタンスルホネート類、トルエンスルホネー
ト類なども有用である。上記したような塩基性の溶媒を
反応媒体として用いるのでなければ、通常、反応混合物
中に当量の塩基が必要である。
ヒドロキシ基が保護されたら、ラクトンのケト酸素を
アルコールに還元して本発明の保護された2,3−デオキ
シ−2,2−ジフルオロリボースまたはキシロースを調製
する。最も好ましい還元剤は水素化アルミニウムジイソ
ブチルであり、これは約−100℃〜−20℃の低温で用い
られる。環が酸素原子のところで開いてしまうほどの激
しい還元条件を避けるため、この還元は極めて注意深く
行う必要がある。他の金属水素化物(例えば、広く用い
られている水素化アルミニウムリチウムなど)もこの還
元に用いることができるが、温度を極めて低く保つこ
と、および温度を周囲温度まで上昇させるまでに水素化
物が壊れることを確実なものにすることが必要である。
従って、この還元工程においては、極めて低い凝固点を
有する溶媒を用いなければならない。トルエンが好都合
であるが、低級アルカノール類(特に、エタノール)、
エーテル類(ジエチルエーテルなど)等を含む他の溶媒
も勿論用いることができる。
また、式Iで定義される本発明のヌクレオシド化合物
は、始めに、適切に置換された炭水化物部分を調製し、
次に、この炭水化物を常法に従い所望の塩基に結合させ
ることによっても製造することができる。塩基と効率よ
く反応させるためには、適切な脱離基を炭水化物の1−
位に配置しなければならない。好ましい脱離基はメタン
スルホニルであり、これは、当量の適当な酸スカベンジ
ャー(例えば、トリエチルアミンなど)の存在下でのメ
タンスルホニルクロリドとの反応によって容易に得られ
る。同様にして、その他のスルホニル脱離基、特にトル
エンスルホニルが適当なスルホニルハライドとの反応に
よって得られる。
クロロまたはブロモ脱離基を用いるときには、例えば
無水酢酸またはアセチル基の別の供給源と、当量または
それ以上の酸スカベンジャーの存在下で反応させること
によって、始めに1−アセテート誘導体を調製するのが
好都合であることが多い。次いで、このアセテート基
を、臭化水素または塩化水素ガスを用い、約−50℃〜約
0℃の低温で置換する。ハロゲン化水素ガスは、保護
基、特にシリル保護基を除去する傾向にあるので、この
工程を極めて低温で行い、そしてハロゲン化水素を少し
づつ増やしながら徐々に加えることが必要である。
本発明の化合物を得るのに用いられる塩基は有機化学
者にはよく知られており、その合成についての説明は不
要であろう。しかし、いくつかの塩基に存在している1
級アミノ基は、塩基を炭水化物と結合させる前に保護す
べきである。既述のシリル基、並びにt−ブトキシカル
ボニル、ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベン
ジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカル
ボニル、ホルミル、アセチルなどの代表的な基を含む通
常のアミノ保護基が用いられる。
塩基の芳香族性をさらに高くし、それによって炭水化
物による塩基の攻撃をさらに容易にするため、塩基上の
ケト酸素原子をエノール型に変換するのが望ましいこと
が多い。これら酸素原子にシリル保護基を与えることに
よって酸素をエノール化するのが最も好都合である。上
述した通常のシリル保護基はこの目的のためにも用いら
れる。
保護された炭水化物と塩基の間の反応は、そのまま約
50℃〜約200℃の高温で行うのが好ましい。しかし、こ
の反応に比較的高沸点の溶媒(例えば、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホル
アミドなど)を用いることは可能である。しかし、結合
反応を高圧下で行って低沸点溶媒の蒸留を避けるときに
は、あらゆる好都合な不活性反応溶媒を用いることがで
きる。
トリフルオロメタンスルホニルオキシシランなどの反
応開始剤を用いるときには、この結合反応は低温で行う
ことができる。上述のような通常の不活性反応溶媒は約
周囲温度〜約100℃の温度で用いることができる。
一連の反応の最後の工程は保護基の除去である。殆ど
のシリル保護基は、水またはアルコールと接触させるこ
とによって容易に切断される。t−ブチルジメチルシリ
ル保護基は、その除去のためには、ハロゲン化水素ガス
との接触などの酸条件を必要とする。
アシル保護基は、強塩基または中程度に強い塩基(ア
ルカリ金属水酸化物など)を用い、約周囲温度〜約100
℃の温度で単に加水分解することによって除去される。
少なくとも1当量の塩基がそれぞれの保護基に対して必
要なのは勿論である。このような加水分解はヒドロキシ
性の溶媒、特にアルカノール水溶液中で行うのが好都合
である。しかし、この反応は、例えばポリオール類(エ
チレングリコールを含む)、エーテル類(テトラヒドロ
フランなど)、ケトン類(アセトンおよびメチルエチル
ケトンなど)、およびその他の極性溶媒(ジメチルスル
ホキシドなど)などのあらゆる都合のよい溶媒中で行っ
てよい。また、このアシル保護基の切断は、例えばナト
リウム メトキシド、カリウムt−ブトキシド、ヒドラ
ジン、ヒドロキシルアミン、アンモニア、アルカリ金属
アミド類、および2級アミン類(例えば、ジエチルアミ
ン)などを含むその他の塩基を用いて行ってもよい。さ
らに、酸触媒、例えばメタンスルホン酸、塩酸、臭化水
素酸、硫酸など、または酸性のイオン交換樹脂を用いて
アシル保護基を除去することもできる。この加水分解は
比較的高温(例えば、混合物の還流温度)で行うのが好
ましいが、特に強い酸を用いるときには周囲と同低い温
度で行ってもよい。
エーテル保護基の除去は、既知の方法によって、例え
ばエタンチオールと塩化アルミニウムを用いて行う。
どの反応工程も大過剰の反応物質を必要としない。有
機合成では普通であるように、例えば安価な方の試薬を
中程度の過剰量(1.05X〜2X)で用いて、高価な方の試
薬が完全に消費されるのを確実なものにするのが望まし
く、また経済的でもある。
上述のように、本発明のβ−ヌクレオシドが好まし
い。R2が2−アミノ−6−オキソ−9H−プリンであるβ
−ヌクレオシドを単離するための特に好都合な酵素法が
見つかった。この方法は、R2が2,6−ジアミノ−9H−プ
リンであるα−およびβ−ヌクレオシドのラセミ混合物
をアデノシン デアミナーゼ、好ましくはタイプIのア
デノシン デアミナーゼと反応させることによって行わ
れる。この酵素は優先的にβ−ヌクレオシドの6−位を
脱アミノ化する。
上記の単離法では、触媒量〜ほぼ等モル量あるいは過
剰量のアデノシン デアミナーゼを、適当な溶媒中の適
当な出発物質の溶液に加える。多種の溶媒を使用しうる
が、好ましい溶媒にはアルコール類または水(これが好
ましい)などの極性溶媒が含まれる。この反応は、約0
℃〜約100℃の温度で行うと約10分〜約12時間後には実
質的に完結する。約20℃〜約25℃の温度で約1〜4時間
反応を行うのが好ましい。
上に示したおよその最長時間を越えて反応を進行させ
たときには、それに応じて生成α−異性体量が増加する
であろう。従って、合成されるβ−異性体の量を最大に
するため、反応の進行を高速液体クロマトグラフィーま
たは薄層クロマトグラフィーによって追跡するのが好ま
しい。
いずれかの方法で製造した目的のβ−ジフルオロヌク
レオシドは、常法、例えば有機溶媒中への目的化合物の
抽出、または好ましくは沈殿した固体を真空濾過により
集めることなどによって容易に回収される。所望なら
ば、目的化合物を、普通の溶媒からの結晶化またはシリ
カゲルあるいはアルミナなどの固体支持体によるカラム
クロマトグラフィー、および特にC18高速液体クロマト
グラフィーによって、さらに精製してもよい。しかし、
このような追加の精製は常に必要という訳ではない。
本発明の薬学的に許容いうる酸付加塩は、通常、本発
明の2′,3′−ジデオキシ−2′,2′−ジフルオロヌク
レオシドを等モルまたは過剰量の酸と反応させることに
よって得られる。通常、反応物質はジエチルエーテルあ
るいはベンゼンなどの相互溶媒中で混合され、普通、塩
は約1時間〜10日以内に溶液から沈殿し、濾過によって
単離することができる。
本発明の化合物の合成における出発物質として用いら
れる化合物はよく知られており、当業者が普通に用いて
いる常法によって容易に合成される。1−置換−2−デ
オキシ−2,2−ジフルオロリボースおよびキシロース誘
導体は、米国特許No.4,526,988およびNo.4,692,434に教
示されている。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明す
る。これらの実施例は説明のために挙げたものであっ
て、本発明を限定しようとするものではない。
実施例1 β−1−(4−アミノ−2−オキソ−1H−ピ
リミジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフル
オロリボース A.β−1−[4−(2,2−ジメチル−1−オキソプロピ
ルアミノ)−2−オキソ−1H−ピリミジン−1−イル]
−5−(2,2−ジメチル−1−オキソプロピルオキシ)
−2−デオキシ−2,2−ジフルオロリボース 乾燥ピリジン(10ml)中の、β−1−(4−アミノ−
2−オキソ−1H−ピリミジン−1−イル)−2−デオキ
シ−2,2−ジフルオロリボース(0.9g;0.003モル)とピ
バロイル クロリド(0.726g;0.742ml;0.006モル)の混
合物を、撹拌しながら約3 1/2時間還流した。ピリジン
を真空下、45℃で除去した。得られた懸濁液をトルエン
に溶解し、真空下で再度濃縮した。この残留物を酢酸エ
チルに溶解し、得られた溶液を、水で1回、2N塩酸で1
回、飽和の炭酸水素ナトリウム溶液で1回、水で1回、
そして最後に飽和の塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し
た。この有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下
で濃縮して白色の残留物を得た。この残留物を沸騰酢酸
エチル(150ml)に溶解し、次にこれを濃縮して結晶化
した。結晶を濾過し、50℃の真空下で乾燥してβ−1−
[4−(2,2−ジメチル−1−オキソプロピルアミノ)
−2−オキソ−1H−ピリミジン−1−イル]−5−(2,
2−ジメチル−1−オキソプロピルオキシ)−2−デオ
キシ−2,2−ジフルオロリボース(0.656g)を得た。
B.β−1−[4−(2,2−ジメチル−1−オキソプロピ
ルアミノ)−2−オキソ−1H−ピリミジン−1−イル]
−5−(2,2−ジメチル−1−オキソプロピルオキシ)
−3−(O−フェニルカルボノチオオキシ)−2−デオ
キシ−2,2−ジフルオロリボース 窒素雰囲気下の、乾燥ピリジン(13ml)中のβ−1−
[4−(2,2−ジメチル−1−オキソプロピルアミノ)
−2−オキソ−1H−ピリミジン−1−イル]−5−(2,
2−ジメチル−1−オキソプロピルオキシ)−2−デオ
キシ−2,2−ジフルオロリボース(0.65g;1.51mモル)と
4−ジメチルアミノピリジン(DMAP;0.02g)の溶液に、
フェニル クロロチオノカーボネート(0.286g;0.23ml;
1.66mモル)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹
拌した。塩化メチレン:メタノール(19:1;v/v)での薄
層クロマトグラフィーは出発物質が存在しないことを示
した。この反応混合物を50℃の真空下で濃縮した。残留
物をトルエンと混合し、得られた混合物を真空下で再度
濃縮した。この残留物を酢酸エチルと水に溶解し、2N塩
酸で1回、飽和の炭酸水素ナトリウム溶液で1回、水で
1回、そして飽和の塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し
た。この有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下
で濃縮してβ−1−[4−(2,2−ジメチル−1−オキ
ソプロピルアミノ)−2−オキソ−1H−ピリミジン−1
−イル]−5−(2,2−ジメチル−1−オキソプロピル
オキシ)−3−(O−フェニルカルボノチオオキシ)−
2−デオキシ−2,2−ジフルオロリボース(0.87g)を黄
橙色の固体として得た。
C.β−1−[4−(2,2−ジメチル−1−オキソプロピ
ルアミノ)−2−オキソ−1H−ピリミジン−1−イル]
−5−(2,2−ジメチル−1−オキソプロピルオキシ)
−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボース 窒素雰囲気下の、乾燥トルエン(19ml)中のβ−1−
[4−(2,2−ジメチル−1−オキソプロピルアミノ)
−2−オキソ−1H−ピリミジン−1−イル]−5−(2,
2−ジメチル−1−オキソプロピルオキシ)−3−(O
−フェニルカルボノチオオキシ)−2−デオキシ−2,2
−ジフルオロリボース(0.87g;1.5mモル)と2,2′−ア
ゾビス[2−メチルプロピオニトリル(AIBN;0.03g)の
溶液に、3.79Mの水素化トリブチルスズ(0.81ml;3.1mモ
ル)を加えた。この反応混合物を3 1/2時間、85℃に加
熱し、さらに水素化トリブチルスズ(0.12ml)を反応混
合物に加えた。この反応混合物を85℃で1時間撹拌し、
約50℃の真空下で濃縮した。この残留物をヘキサン(15
ml)で2回トリチュレートいた。ヘキサンをデカンテー
ションし、残留物を真空下で濃縮し、その残留物を塩化
メチレン:メタノール(49:1;v/v)を用いる二酸化ケイ
素のクロマトグラフィーにかけた。主成分を含む分画を
合わせ、その溶媒を蒸発させてβ−1−[4−(2,2−
ジメチル−1−オキソプロピルアミノ)−2−オキソ−
1H−ピリミジン−1−イル]−5−(2,2−ジメチル−
1−オキソプロピルオキシ)−2,3−ジデオキシ−2,2−
ジフルオロリボース(0.38g)を得た。
D.β−1−(4−アミノ−2−オキソ−1H−ピリミジン
−1−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボ
ース メタノール(20ml)中のβ−1−[4−(2,2−ジメ
チル−1−オキソプロピルアミノ)−2−オキソ−1H−
ピリミジン−1−イル]−5−(2,2−ジメチル−1−
オキソプロピルオキシ)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフ
ルオロリボース(0.37g;0.89mモル)の溶液に、濃水酸
化アンモニウム(4ml)を加えた。この反応混合物をガ
ラス製のバイアル中に封入した。この混合物を50℃で2
時間加熱し、次いで室温で一晩撹拌した。さらに水酸化
アンモニウム(3ml)を混合物に加えた。この混合物を6
0℃で3時間加熱した。混合物を100℃で10分間加熱し、
冷却し、真空下で濃縮した。この残留物を酢酸エチルと
水に溶解し、層を分離した。水層を真空下で濃縮して油
状物を得、これをアセトンに溶解した。得られた溶液を
真空下で濃縮して目的の化合物β−1−(4−アミノ−
2−オキソ−1H−ピリミジン−1−イル)−2,3−ジデ
オキシ−2,2−ジフルオロリボース(0.16g)を白色の泡
状物として得た。この泡状物を、9:1の水:メタノール
を用いるWhatman Partisil 10 ODS−3カラム(250x10m
m)のクロマトグラフィーにかけて、0.11gの精製した生
成物を得た。
1H−NMR(300mHz;CD3OD):δ2.50(m,2H,3′−H);
3.72(d,1H,5′−H);3.90(d,1H,5A′−H);4.32
(m,1H,4′−H);5.93(d,1H,5−H);6.25(d,1H,1′
−H);8.02(d,1H,6−H)。
高分解能MS:実測値248.0847;計算値(M+1:C9H12N3O
3F2として)248.0847。
実施例2 β−1−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9
−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボース 窒素雰囲気下の、乾燥ピリジン(5ml)中のβ−1−
(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−5−ベン
ゾイル−2−デオキシ−2,2−ジフルオロリボース(0.2
g;0.5mモル)と4−ジメチルアミノピリジン(6mg;0.05
mモル)の溶液に、フェニル クロロチオノカーボネー
ト(0.38g;0.3ml;2.2mモル)を加えた。この反応混合物
を室温で一晩撹拌した。塩化メチレン:メタノール(1
9:1;v/v)での薄層クロマトグラフィーは出発物質が存
在しないことを示した。この反応混合物を蒸発乾固し、
残留物をトルエンと混合し、得られた混合物を真空下で
もう一度濃縮した。この残留物を酢酸エチルに溶解し、
水で1回、1.0N塩酸で1回、10容量%の炭酸水素ナトリ
ウム溶液で1回、水で1回、そして飽和の塩化ナトリウ
ム溶液で1回洗浄した。この有機相を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、真空下で濃縮してβ−1−(2,6−ジアミ
ノ−9H−プリン−9−イル)−5−ベンゾイル−3−
(O−フェニルカルボノチオオキシ)−2−デオキシ−
2,2−ジフルオロリボース(0.25g)を得、これをさらに
後処理することなく用いた。
質量スペクトル:m/e=542=P。
窒素雰囲気下の、乾燥トルエン(10ml)中の上記中間
体(0.25g;0.046mモル)と2,2′−アゾビス[2−メチ
ルプロピオニトリル](10mg)の溶液に、水素化トリブ
チルスズ(0.24ml;0.92mモル)を加えた。この反応混合
物を12時間、85℃に加熱し、さらに水素化トリブチルス
ズ(0.06ml;0.23mモル)を反応混合物に加えた。この反
応混合物を85℃で8時間撹拌し、約50℃の真空下で濃縮
した。この残留物をアセトニトリル中に取り、ヘキサン
で洗浄した。このアセトニトリル層を真空下で濃縮して
油状物を得た。この油状物を、塩化メチレン:メタノー
ル(19:1;v/v)を用いる二酸化ケイ素のクロマトグラフ
ィーにかけた。主成分を含む分画を合わせ、その溶媒を
蒸発させてβ−1−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9
−イル)−5−ベンゾイル−2,3−ジデオキシ−2,2−ジ
フルオロリボース(20mg)を得た。
質量スペクトル:m/e=390=P。
メタノール(10ml)中の上記中間体(20mg;0.05mモ
ル)溶液を0℃においてアンモニアで飽和した。次い
で、この溶液を周囲温度まで温め、一晩撹拌した。溶媒
を蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに
かけ、塩化メチレン中の5%メタノールから塩化メチレ
ン中の10%メタノールまでの勾配で溶離した。生成物の
分画を合わせ、蒸発させてβ−1−(2,6−ジアミノ−9
H−プリン−9−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフ
ルオロリボース(6.3mg)を得た。
1H−NMR(300mHz;CD3OD):δ2.55(m,1H,3′A);2.
85(m,1H,3′B);3.7(m,1H,5′A);3.9(m,1H,5′
B);4.38(m,1H,4′);6.1(m,1H,1′);8.05(s,1H,H
−8)。
質量スペクトル:m/e=286=P。
実施例3 β−1−(2−アミノ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロ
リボース 周囲温度の、水(2ml)中の実施例2の化合物(12mg;
0.042mモル)の溶液に、アデノシン デアミナーゼ(Si
gma)を加えた。この反応を液体クロマトグラフィー(C
18、水中の15%メタノール、1ml/分)で追跡し、反応が
完結するまで定期的に酵素を加えた。この反応混合物を
還流温度まで加熱して酵素を不活性化し、次いで蒸発乾
固した。この固体残留物をD2Oから再結晶して6.3mgの目
的生成物を得た。
1H−NMR(300mHz;D2O):δ2.67(m,2H,3′);3.75
(m,1H,5′A);3.9(m,1H,5′B);4.5(m,1H,4′);
6.1(m,1H,1′);8.0(s,1H,H−8)。
質量スペクトル:m/e=287=P。
実施例4 β−1−(5−メチル−2,4−ジオキソ−1H,
3H−ピリミジン−1−イル)−3−アジド−2,3−ジデ
オキシ−2,2−ジフルオロリボース 乾燥ピリジン(40ml)中のβ−1−(5−メチル−2,
4−ジオキソ−1H,3H−ピリミジン−1−イル)−2−デ
オキシ−2,2−ジフルオロリボース(4.0g;14mモル)と
トリフェイルメチル クロリド(4.8g;17mモル)の懸濁
液を3時間還流し、次いで周囲温度で一晩撹拌した。こ
の反応混合物を氷水中に注加し、エーテルで3回抽出し
た。この有機層を、1.0N塩酸、次いで水および飽和塩化
ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、
そして減圧下で蒸発させてβ−1−(5−メチル−2,4
−ジオキソ−1H,3H−ピリミジン−1−イル)−5−ト
リフェニルメチル−2−デオキシ−2,2−ジフルオロリ
ボース(7.34g)を得た。
質量スペクトル:m/e=520=P。
塩化メチレン(248ml)とピリジン(4.5ml)中の上記
中間体(7.12g;14mモル)の溶液に、0℃でトリフリッ
ク無水物(triflic anhydride)(5.2g;19mモル)を加
えた。この反応混合物を0℃で3時間撹拌し、次いで減
圧下で蒸発させた。得られた残留物を酢酸エチルと混合
し、冷水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和塩化ナト
リウム溶液で洗浄し、蒸発乾固した。残留物をトルエン
と混合し、蒸発乾固してβ−1−(5−メチル−2,4−
ジオキソ−1H,3H−ピリミジン−1−イル)−5−トリ
フェニルメチル−3−トリフルオロメチルスルホニル−
2−デオキシ−2,2−ジフルオロリボース(9.13g)を得
た。
1H−NMR(300mHz;CDCl3):δ2.05(s,3H,5−CH3);
3.45(m,1H,5′A);3.7(m,1H,5′B);4.28(m,1H,
4′);5.5(m,1H,3′);6.3(m,1H,1);7.35(m,16H,Ph
3 & H−6)。
質量スペクトル:m/e=652=P。
エタノール(100ml)中の上記中間体(9.13g;14mモ
ル)と1.0N水酸化ナトリウム(9.8ml)の溶液を、周囲
温度で12時間撹拌した。この反応混合物を1.0N塩酸で中
和し、次いでエタノールを蒸発させて沈澱物を得、これ
を集め、乾燥してβ−1−(5−メチル−2,4−ジオキ
ソ−1H,3H−ピリミジン−1−イル)−5−トリフェニ
ルメチル−3−(2−アンヒドロ)−2−デオキシ−2,
2−ジフルオロリボース(2.97g)を得た。
1H−NMR(300mHz;CDCl3):δ1.95(s,3H,5−CH3);
3.4(m,2H,5′A&B);4.5(m,1H,4′);4.85(m,1H,
3′);5.3(m,1H,1′);6.9(s,1H,H−6);7.3(m,15
H,Ph3)。
質量スペクトル:m/e=502=P。
80%酢酸(54ml)中の上記中間体(2.7g;5.4mモル)
の懸濁液を還流温度に2.5時間加熱した。この溶液を冷
却し、生成した沈澱を集め、これをトリフェニルメタノ
ールと同定した。濾液を蒸発乾固し、次いで水と混合
し、ヘキサンで抽出した。水層を蒸発乾固してβ−1−
(5−メチル−2,4−ジオキソ−1H,3H−ピリミジン−1
−イル)−2−デオキシ−2,2−ジフルオロキシロース
(1.65g)を得た。
1H−NMR(300mHz;CD3OD):δ1.95(s,3H,5−CH3);
4.3(連続のM,4H,3′,4′& 5′A&B);6.15(dd,1H,
1′);7.6(s,1H,H−6)。
質量スペクトル:m/e=278=P。
上記中間体(0.25g;0.9mモル)、氷酢酸(5ml)およ
び水(0.06ml;3.3mモル)の溶液を8時間還流した。こ
の反応混合物を冷却し、次いで減圧下で蒸発乾固した。
得られた残留物をシリカゲルカラムのクロマトグラフィ
ーにかけ、塩化メチレン中の5%メタノールで溶離し
た。生成物の分画を集め、混合し、そして蒸発乾固して
β−1−(5−メチル−2,4−ジオキソ−1H,3H−ピリミ
ジン−1−イル)−5−アセチル−2−デオキシ−2,2
−ジフルオロキシロース(0.2g)を得た。
0℃の、ピリジン(0.066ml;0.82mモル)と塩化メチ
レン(8ml)中の上記中間体(0.1g;0.3mモル)の溶液
に、トリフリック無水物(0.115g;0.41mモル)を加え
た。この反応混合物を0℃で1.5時間撹拌し、次いでこ
れを氷と飽和炭酸水素ナトリウム溶液の混合物に加え
た。この有機層を分離し、飽和塩化ナトリウムで洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして蒸発乾固してβ−
1−(5−メチル−2,4−ジオキソ−1H,3H−ピリミジン
−1−イル)−5−アセチル−3−トリフルオロメチル
スルホニル−2−デオキシ−2,2−ジフルオロキシロー
ス(0.14g)を得た。
1H−NMR(300mHz;CDCl3):δ1.95(s,3H,5−CH3);
2.05(s,3H,COCH3);4.45(m,3H,4′,& 5′A & B);
5.3(m,1H,3′);6.35(m,1H,1′);7.05(s,1H,H−
6)。
質量スペクトル:m/e=452=P。
ジメチルホルムアミド(5ml)中の上記中間体(0.13
g;0.28mモル)とアジ化リチウム(0.14g;2.8mモル)の
溶液を、−30℃で12時間撹拌した。この反応液を蒸発さ
せ、得られた残留物をトルエンで2回ストリッピングし
た。この残留物を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄し、乾
燥し、そして減圧下で蒸発させてβ−1−(5−メチル
−2,4−ジオキソ−1H,3H−ピリミジン−1−イル)−5
−アセチル−3−アジド−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフ
ルオロリボース(0.06g)を得た。
質量スペクトル:m/e=345=P。
IR:2120cm-1
メタノール(20ml)に無水アンモニアを飽和させた溶
液中の上記中間体(0.06g;0.17mモル)の溶液を−8℃
で2時間撹拌した。この溶液を40℃の真空下で蒸発乾固
した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにか
け、1%v/vの濃水酸化アンモニウムを含む塩化メチレ
ン中の7%メタノールで溶離した。この主分画を集め、
混合し、蒸発乾固した。この物質を、C18逆相カラムを
用い、水/メタノール(1/1)で溶離するプレパラティ
ブHPLCによってさらに精製した。カラムから溶出する第
2の化合物を目的の生成物と同定した(12.1mg)。
1H−NMR(300mHz;CD3OD):δ1.75(s,3H,5−CH3);
3.7(m,1H,5′A);3.9(m,2H,3′&5′B);4.5(m,1
H,4′);6.2(見かけ上t,1H,1′);7.7(s,1H,H−
6)。
高分解能質量スペクトル:実測値304.08575;計算値
(M+1:C10H12N5O4F2として)304.08575。
IR:2120cm-1
実施例5 β−1−(5−メチル−2,4−ジオキソ−1H,
3H−ピリミジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−
ジフルオロリボース 窒素雰囲気下の、乾燥ピリジン(5ml)中のβ−1−
(5−メチル−2,4−ジオキソ−1H,3H−ピリミジン−1
−イル)−5−アセチル−2−デオキシ−2,2−ジフル
オロリボース(0.2g;0.63mモル)と4−ジメチルアミノ
ピリジン(0.02g)の溶液に、フェニル クロロチオノ
カーボネート(0.13g;0.10ml;0.75mモル)を加えた。こ
の反応混合物を室温で一晩撹拌した。塩化メチレン:メ
タノール(19:1;v/v)での薄層クロマトグラフィーは出
発物質が存在しないことを示した。この反応混合物をト
ルエンで3回ストリッピングした。この残留物を酢酸エ
チルと水に溶解し、1.0N塩酸で1回、10容量%の炭酸水
素ナトリウム溶液で1回、水で1回、そして飽和の塩化
ナトリウム溶液で1回洗浄した。この有機相を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮してβ−1−(5−
メチル−2,4−ジオキソ−1H,3H−ピリミジン−1−イ
ル)−5−アセチル−3−(O−フェニルカルボノチオ
オキシ)−2−デオキシ−2,2−ジフルオロリボース
(0.47g)を得、これをさらに後処理することなく用い
た。
窒素雰囲気下の、乾燥トルエン(9ml)中の上記中間
体(0.47g;0.63mモル)と2,2′アゾビス[2−メチルプ
ロピオニトリル](0.02g)の溶液に、水素化トリブチ
ルスズ(0.34ml;1.3mモル)を加えた。この反応混合物
を3.5時間、85℃に加熱し、さらに水素化トリブチルス
ズ(0.17ml)を反応混合物に加えた。この反応混合物を
85℃で1時間撹拌し、約50℃の真空下で濃縮した。この
残留物をヘキサン(15ml)で2回トリチュレートした。
このヘキサンをデカンテーションし、残留物を真空下で
濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/ヘキサン(1.5/
1;v/v)を用いる二酸化ケイ素のクロマトグラフィーに
かけた。主成分を含む分画を合わせ、その溶媒を蒸発さ
せてβ−1−(5−メチル−2,4−ジオキソ−1H,3H−ピ
リミジン−1−イル)−5−アセチル−2,3−ジデオキ
シ−2,2−ジフルオロリボース(0.09g)を得た。
上記中間体(0.09g;0.30mモル)の溶液を、メタノー
ル(10ml)に無水アンモニアを飽和させた溶液中、0〜
5℃で2時間撹拌した。この溶液を真空下で蒸発乾固し
た。白色の残留物を最少量のメタノールに溶解し、塩化
メチレン(20ml)を加えた。この溶液を3ml量までスト
リッピングし、結晶が生成するまでさらに塩化メチレン
を加えた。この結晶を集めて目的生成物(51mg)を得
た。
1H−NMR(300mHz;CD3OD):δ1.85(s,3H,5−CH3);
2.5(m,2H,2′);3.65(m,1H,5′A);3.9(m,1H,5′
B);4.3(m,1H,4′);6.1(m,1H,1′);7.8(s,1H,6−
H)。
質量スペクトル:m/e=262=P。
製造例1 β−1−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9
−イル)−5−ベンゾイル−2−デオキシ−2,2−ジフ
ルオロリボース αおよびβ−1−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9
−イル)−3,5−ジベンゾイル−2−デオキシ−2,2−ジ
フルオロリボース(11.16g;22mモル)の溶液にヒドラジ
ン(0.7g;22mモル)を加えた。この溶液を3時間、65℃
に加熱した。ヒドラジン(0.35g;11mモル)を追加し、
4時間加熱を続けた。さらにヒドラジン(0.35g;11mモ
ル)を追加し、この溶液をさらに4時間加熱した。この
反応混合物を冷却し、冷媒を減圧下で留去した。得られ
た残留物をシリカゲルカラムにかけ、塩化メチレン中の
2.5%メタノールから塩化メチレン中の5%メタノール
までの勾配で溶離した。残っている出発物質はカラムか
ら最初に溶出し、次いでαアノマー(4.96g)が、続い
てβアノマー(1.75g)が溶出した。
1H−NMR(300mHz;DMSO d6):δ4.25(m,1H,3′);4.
7(m,3H,5′A&B,4′);5.95(bs,2H,NH2);6.15(m,1
H,1′);6.5(d,1H,OH)6.85(bs,2H,NH2);7.7(m,5H,
Bz);7.82(s,1H,C−8)。
質量スペクトル:m/e=407=P+1。
実施例6 αおよびβ−1−(6−アミノ−9H−プリン
−9−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボ
ース ジメチルホルムアミド(DMF;410ml)中の3,5−ビス
(ベンゾイル)−2−デオキシ−2,2−ジフルオロリボ
ース(22.1g;58mモル)とイミタゾール(8.0g;116mモ
ル)の溶液に、t−ブチルジメチルシリル クロリド
(8.8g;58mモル)を加えた。この反応混合物を周囲温度
で12時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発乾固した。こ
の残留物を酢酸エチルと混合し、1.0N塩酸、飽和炭酸水
素ナトリウム、水、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、
硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発乾固して1−
(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3,5−ビス(ベ
ンゾイル)−2−デオキシ−2,2−ジフルオロリボース
(24.5g)を得た。
メタノール(560ml)に溶解し、−20℃に冷却した上
記中間体(19.12g;39mモル)の溶液に、固体のナトリウ
ムメトキシド(1.79g;33mモル)を反応温度を−20℃に
保ちながら少しづつ加えた。反応混合物を−20℃で3時
間撹拌し、次に酢酸(2g)を用いて中和した。この混合
物を減圧下、40℃で蒸発させた。この残留物を水および
酢酸エチルと混合した。有機層を分離し、水および飽和
塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
し、そして減圧下に蒸発させた。得られた残留物をシリ
カゲルクロマトグラフィーにかけ、4:1のヘキサン:酢
酸エチルで溶離した。生成物の分画を合わせ、減圧下で
蒸発させて1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−
5−ベンゾイル−2−デオキシ−2,2−ジフルオロリボ
ース(10.4g)を得た。
質量スペクトル:m/e=389=P+1;m/e=331=P−t
−ブチル。
窒素雰囲気下の、乾燥ピリジン(220ml)中の上記中
間体(10.4g;27mモル)および4−ジメチルアミノピリ
ジン(0.05g)の溶液に、フェニル クロロチオノカー
ボネート(4.6g;3.7ml;27mモル)を加えた。この反応混
合物を室温で一晩撹拌した。混合物を50℃の真空下で濃
縮して1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−
(O−フェニルカルボノチオオキシ)−5−ベンゾイル
−2−デオキシ−2,2−ジフルオロリボース(14.2g)を
得、これをさらに後処理することなく用いた。
質量スペクトル:m/e=467=P−t−ブチル。
窒素雰囲気下の、乾燥トルエン(280ml)中の上記中
間体(14.24g;27mモル)と2,2′−アゾビス[2−メチ
ルプロピオニトリル](0.05g)の溶液に、水素化トリ
ブチルスズ(14.32ml;54mモル)を加えた。この反応混
合物を4.5時間、85℃に加熱し、これを蒸発させて粗製
の1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−ベン
ゾイル−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボース
(30.57g)を得、さらに精製することなく用いた。
1H−NMR(300mHz;CDCl3):δ0.15(m,6H,SiCH3);0.
95(m,9H,t−ブチル);2.45(m,2H,3′A&B);4.5
(連続のm,3H,4′&5′A&B);5.2(m,1H,1′);7.8
(連続のm,5H,Bz)。
テトラヒドロフラン(15ml)中の上記中間体(1.0g;
2.7モル)の溶液に、テトラヒドロフラン中の1.0Nテト
ラブチルアンモニウムフルオリド溶液(5.4ml;5.4mモ
ル)を加えた。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌
した。混合物を減圧下で蒸発させ、得られた残留物を酢
酸エチルに溶解し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
し、そして減圧下に蒸発させた。得られた油状物をシリ
カゲルカラムにかけ、ヘキサン中の5%酢酸エチルから
ヘキサン中の2%酢酸エチルまでの勾配で溶離した。生
成物の分画を合わせ、減圧下に蒸発させて5−ベンゾイ
ル−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボース(0.15
g)を得た。
質量スペクトル:m/e=258=P。
テトラヒドロフラン(10ml)中の6−クロロプリン
(0.23g;1.5mモル)の溶液に、トリフェニルホスフィン
(0.40g;1.5mモル)およびジエチル アゾジカルボキシ
レート(0.26g;1.5mモル)を加えた。この溶液に、上記
中間体(0.26g;1.0mモル)のテトラヒドロフラン溶液を
加えた。この反応混合物を室温で約12時間撹拌した。こ
の溶媒を真空下に留去し、残留物をシリカクロマトグラ
フィーにかけ、2:1のヘキサン:酢酸エチルで溶離し
た。生成物を含む分画を合わせ、溶媒を留去し、αおよ
びβ−1−(6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−5
−ベンゾイル−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボ
ース(50mg)を得た。
質量スペクトル:m/e=395=P+1。
メタノール(9ml)に溶解した上記の中間体混合物(5
0mg;0.127mモル)の溶液を約0℃において無水アンモニ
アで飽和した。この反応フラスコに封をし、混合物を室
温まで温めた。室温で混合物を約12時間撹拌し、揮発分
を減圧下に留去し、目的生成物(40mg)を混合物として
得た。
質量スペクトル:m/e=271=P。
本発明は、哺乳動物の感受性腫瘍の治療方法であっ
て、そのような治療を必要としている哺乳動物に、抗腫
瘍に有効な量の式Iの化合物を投与することからなる方
法を提供するものである。この方法は、経口、直腸、経
皮、皮下、静脈内、筋肉内、あるいは鼻内経路を含む様
々の経路で哺乳動物に本化合物を投与することからな
る。
本明細書中で用いる「抗腫瘍に有利な量」なる語句
は、哺乳動物、特にヒトに化学療法を与えることが可能
な式Iの化合物の適切な量を意味する。本活性化合物は
広い用量範囲にわたって有効である。例えば、通常の1
日あたりの用量は、約0.1〜約1200mg/kg体重の範囲とな
ろう。ヒト成人の治療においては、1回または分割用量
で、約0.1〜約50mg/kgの範囲が好ましい。しかし、実際
に投与される化合物の量は、治療状況、投与する特定の
化合物、選択した投与経路、個々の患者の年齢、体重お
よび応答、並びに患者の症状の重篤性を含む関連の状況
に照らして医師が決定するものであり、従って上記の用
量範囲はいかなる意味においても本発明の範囲を限定す
るものでないことは理解されよう。
本明細書において用いる「感受性腫瘍」なる語句は、
式Iの化合物によって治療されうる哺乳動物組織の異常
な増殖を意味する。式Iの化合物は、固体および非固体
型の両方の腫瘍に対して有効であるが、本化合物はその
細胞毒の性質のゆえに、速く分裂する細胞の増殖を抑制
するのに有効である。式Iの化合物が有効である腫瘍の
例には、L1210Vリンパ性白血病、6C3HED、CA755、P1534
J、X5563骨髄腫などが含まれる。
本発明の代表的化合物の抗腫瘍活性を、抗腫瘍薬とし
ての可能性を有する化合物を試験するのに当分野で普通
に用いられる標準的なスクリーンでで証明した。例え
ば、これらのスクリーンは、ビンカアルカロイド類など
の市販の癌用薬物の抗腫瘍活性を証明するのに用いられ
たものである。例えば、ミラー等[Miller et al.,J.Me
d.Chem.Vol.20,No.3 409(1977)]およびスウィーニィ
ー等[Sweeney et al.,Cancer Research 38,2886(197
8)]を参照。
式Iで示される本発明の化合物は細胞増殖抑制性であ
り、ヒト白血病細胞(CCRF−CEMセルライン)の増殖を
抑制する。以下の第1表は、式Iで示される化合物の代
表化合物についてそのような試験をした結果を挙げるも
のである。この表において、欄1は化合物の実施例番号
を示し、欄2はmcg/mlでのIC50(50%の増殖抑制を示す
濃度)を示す。
また、本発明の化合物は、ウィルス感染の治療、さら
に詳しくはヘルペス属のウィルス群によって引き起こさ
れる感染の治療にも有効である。従って、本発明のさら
に別の態様は、哺乳動物のウィルス感染の治療方法であ
って、そのような治療を必要としている哺乳動物に、抗
ウィルスに有効な量の式Iの化合物を投与することから
なる方法である。
本明細書中で用いる「抗ウィルスに有効な量」なる語
句は、哺乳動物におけるウィルス感染の存在を予防また
は抑制することが可能な式Iの化合物の適切な量を意味
する。通常、約5mg/kg〜約500mg/kgの投与割合が有用で
ある。より好ましくは、約10mg/kg〜約100mg/kgの割合
で投与する。
式Iで定義される化合物は、広範囲のウィルスによっ
て普通に引き起こされる病気の予防または治療に用いる
ことができる。本発明の化合物を用いて抑制することが
できる代表的なウィルスには、インフルエンザのすべて
のAおよびB株、パラ−インフルエンザ、呼吸シンシチ
ウムウィルス類、種々のヘルペスIおよびヘルペスII
株、エコー(Echo)およびワクシニアウィルス類、麻
疹、セムリキ・フォレスト(Semliki Forest)およびレ
トロウィルス類、例えばフレンズ(Friends)白血病ウ
ィルス、および後天性免疫不全症候群を引き起こす原因
であるウィルス類が含まれる。
以下に挙げるプラーク減少の試験は、ウィルス増殖の
阻害剤の定量的な評価を与え、本発明の代表的化合物の
抗ウィルス活性を証明するものである。
この試験によれば、感受性細胞(BSC−1、Hela、MDC
Kなど)を、25cm2のファルコンフラスコ中の、5%の不
活化ウシ胎児血清(FBS)、ぺニシリン(150単位/ml)
およびストレプトマイシン(150μg/ml)を含む培地199
において37℃で増殖させた。全面単層が得られたら増殖
培地を除き、ウィルスの適当な希釈液(0.3ml)をそれ
ぞれのフラスコに加えた。室温で1時間吸着させた後、
感染した細胞シートに、等量部の1%アガロースおよび
2xの培地199、2.5%FBS、ペニシリン、およびストレプ
トマイシンをかぶせた。被験化合物を10,000μg/mlの濃
度でジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、得られた
溶液の一部を寒天培地混合物で所望の濃度まで希釈し
た。対照のフラスコが約2〜約10mmの最適プラークの大
きさを示すまでフラスコを37℃でインキュベートした。
10容量%のホルマリンと2容量%の酢酸ナトリウムを含
む溶液をそれぞれのフラスコに加えてウィルスを不活化
し、この細胞シートをプラスチックの表面に固定した。
取り囲んでいる細胞の領域をクリスタル・バイオレット
で染色した後、プラークを数えた。それぞれの濃度の2
個のフラスコからの結果を平均し、対照フラスコのもの
と比較した。HSV−1に対しては次の阻害度が観察され
た。
HSV−2に対しては次の阻害度が観察された。
以下の方法を用いて、フレンズ白血病ウィルスに対す
る本発明の代表的化合物の効果を調べた。
野生マウス由来のSC−1細胞を、完全MEM培地+2mcg/
mlポリブレンを入れた96マイクロウェルプレートのウェ
ルあたり2〜5x103細胞でほぼ全面に蒔き、二酸化炭素
雰囲気下、37℃で一晩置いた。この培地を除去した。こ
の培養物をネズミ白血病ウィルスの適当な希釈液で感染
させ(50mcl/ウェル)、室温で約2時間吸着させた。吸
着の後、ウィルスを含む培地を除去し、実施例1の化合
物の希釈液を含む、および含まない両方の新鮮な完全ME
Mに置き換え、5日間または細胞が全面に達するまで二
酸化炭素下、37℃で再インキュベートした。この培地を
除去し、細胞をUV殺菌光に10秒間あてた。この照射した
SC−1の単層に、5〜8x104細胞/ウェルの密度の、ラ
ウス肉腫ウィルス誘導のラット腫瘍セルラインからのXC
細胞を加えた。この培養物を、CPEが対照ウェルに現れ
るまで3日間、二酸化炭素下、37℃でインキュベートし
た。培養物をホルマリンで固定し、クリスタル・バイオ
レットで染色した。結果はCPEの阻害で評価した。実施
例1の化合物は6.5μg/mlのIC50を有していた。
本発明の化合物は医薬製剤として投与するのが好まし
い。従って、本発明のさらに別の態様として、哺乳動物
の感受性腫瘍の治療に有用な医薬製剤であって、式Iの
化合物をその薬学的な担体、希釈剤または賦形剤ととも
に含有してなる製剤が提供される。
活性成分は、約1〜約90重量%の範囲で製剤中に存在
する。通常、活性成分は、担体と混合されるか、または
担体で希釈されるか、またはカプセル、サシエ、紙ある
いはその他の容器の形態であってよい担体内に封入され
る。担体が希釈剤として働くときには、それは活性成分
の媒体あるいは賦形剤として働く固体、半固体あるいは
液体物質であってよい。即ち、この組成物は、錠剤、丸
剤、粉末、ロゼンジ、サシエ、カシエ、エリキシル、懸
濁液、乳液、溶液、シロップ、エーロゾル(固体とし
て、または液体の媒体中)、例えば10重量%までの活性
化合物を含む軟膏、軟および硬ゼラチンカプセル、座
剤、滅菌注射溶液、および滅菌包装粉末の形態であるこ
とができる。
適当な担体、賦形剤、および希釈剤の例には、ラクト
ース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マ
ンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウ
ム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カ
ルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、
セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチル
およびプロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステ
アリン酸マグネシウム、および鉱油が含まれる。さら
に、この製剤は、滑剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、保存
剤、甘味料、あるいは香味料を含んでいてもよい。本発
明の組成物は、当分野で周知の方法を用いて、患者に投
与した後に活性成分を迅速に、持続して放出するように
製剤化してもよい。
本組成物は、各投与単位が約5〜約500mg、もっと普
通には約25〜約300mgの活性成分を含んでいる単位投与
形で製剤化するのが好ましい。この「単位投与形」なる
語句は、それぞれの単位が、所望の治療効果が得られる
ように計算してあらかじめ決めた量の活性物質を適当な
薬学的担体とともに含んでいる、ヒト対象およびその他
の哺乳動物用の1回の用量として適当な物理的に独立し
た単位を意味する。
以下に挙げる製剤例は、本発明に包含される化合物を
用いる具体的な医薬製剤を示すものである。これらの製
剤は活性化合物として式Iの化合物のすべてを用いるこ
とができる。本製剤例は説明のためにだけ挙げたもので
あって、いかなる意味においても本発明の範囲を限定す
るものではない。
製剤例1 以下の成分を用いて硬ゼラチンカプセルを製造した: 量(mg/カプセル) 1−(4−アミノ−5−メチル−2−オキソ− 1H−ピリミジン−1−イル)−2,3−ジデ オキシ−3−アミノ−2,2−ジフルオロ リボース 250 乾燥デンプン 200 ステアリン酸マグネシウム 10 上記成分を混合し、460mg量で硬ゼラチンカプセルに
充填した。
製剤例2 以下の成分を用いて錠剤を製造した: 量(mg/錠) 1−(4−アミノ−2−オキソ−1H−ピリミ ジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−2, 2,3,3−テトラフルオロリボース 250 微結晶セルロース 400 溶融二酸化ケイ素 10 ステアリン酸 5 各成分を混合し、打錠してそれぞれが665mgの錠剤を
得た。
製剤例3 以下の成分を含むエーロゾル溶液を製造した: 重量% 1−(2,4−ジオキソ−1H,3H−ピリミジン−1−イル)
−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフ ルオロリボース 0.25 エタノール 29.75 プロペラント22(Propellant; クロロジフルオロメタン) 70.00 活性化合物をエタノールと混合し、この混合物をプロ
ペラント22の一部に加え、−30℃まで冷却し、そして充
填装置に移した。次に、必要量をステンレス鋼製の容器
に入れ、プロペラントの残りで希釈した。次いで、この
容器にバルブユニットを取り付けた。
製剤例4 60mgの活性成分をそれぞれ含む錠剤を次のようにして
製造した: 1−(4−アミノ−2−オキソ−1H−ピリミジ ン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジ フルオロリボース 60mg デンプン 45mg 微結晶セルロース 35mg ポリビニルピロリドン(10%水溶 液として) 4mg カルボキシメチルデンプンナトリウム 4.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 1mg ジフルオロヌクレオシド、デンプンおよびセルロース
をNo.45メッシュのU.S.シーブのふるいにかけ、十分に
混合した。得られた粉末とポリビニルピロリドンの溶液
を混合し、次いでこれをNo.14メッシュのU.S.シーブの
ふるいにかけた。このようにして得た顆粒を50〜60℃で
乾燥し、No.18メッシュのU.S.シーブのふるいにかけ
た。次に、あらかじめNo.60メッシュのU.S.シーブのふ
るいにかけておいたカルボキシメチルデンプンナトリウ
ム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクをこの顆粒
に加え、これを混合した後、打錠機で打錠してそれぞれ
が150mgの錠剤を得た。
製剤例5 それぞれが80mgの薬物を含有するカプセルを次のよう
にして製造した: 1−(4−アミノ−2−オソ−1H−ピリミジ ン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−3−アジ ド−2,2−ジフルオロキシロース 80mg デンプン 59mg 微結晶セルロース 59mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸
マグネシウムを混合し、No.45メッシュのU.S.シーブの
ふるいにかけ、200mg量で硬ゼラチンカプセルに充填し
た。
製剤例6 それぞれが225mgのジフルオロヌクレオシドを含有す
る座剤を次のようにして製造した: 1−(2,4−ジオキソ−1H,3H−ピリミジン−1−イル)
−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボース 225mg
飽和脂肪酸グリセリド 2gになるまで ヌクレオシドをNo.60メッシュのU.S.シーブのふるい
にかけ、あらかじめ必要最小限の加熱によって溶融して
おいた飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁させた。次いで、
この混合物を正味2g量となる座剤型に注ぎ入れ、冷却し
た。
製剤例7 それぞれが5mlの用量あたり50mgの薬物を含有してい
る懸濁液を次のようにして製造した: 1−(4−アミノ−5−メチル−2−オ キソ−1H−ピリミジン−1−イル) −2,3−ジデオキシ−2,2−ジフル オロリボース 50mg カルボキシメチルセルロース ナトリウム 50mg シロップ 1.25ml 安息香酸溶液 0.10ml 香味料 適量 着色料 適量 精製水 5mlになるまで 薬物をNo.45メッシュのU.S.シーブのふるいにかけ、
カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびシロップ
と混合して滑らかなペーストを得た。安息香酸溶液、香
味料および着色料を水の一部で希釈し、撹拌しながら加
えた。次いで、必要な水を加えて所望の容量にした。
製剤例8 静脈内用製剤を次のようにして製造した: 1−(4−アミノ−2−オキオ−1H−ピリ ミジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ −2,2−ジフルオロリボース 100mg 等張食塩水 1000ml 上記成分の溶液を、感受性腫瘍の治療を必要としてい
る哺乳動物に1ml/分の割合で静脈内投与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 31/7076 A61K 31/7076 31/708 31/708 A61P 31/12 A61P 31/12 35/00 35/00 C07H 19/12 C07H 19/12 19/16 19/16 (72)発明者 ジュリアン・スタンリィ・クロイン アメリカ合衆国46234 インディアナ、 インディアナポリス、ヒルトップ・ドラ イブ8418番 (56)参考文献 特開 昭59−175498(JP,A) 特開 昭61−148193(JP,A) 特開 昭62−240622(JP,A) 特開 昭62−149697(JP,A) 欧州特許出願公開254268(EP,A 2) 国際公開88/50(WO,A1) J.Med Chem.,Vol.30 (1987)p.2131−2137 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 19/00 - 19/24 A61K 31/706 - 31/708 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の式Iで示される化合物またはその薬
    学的に許容しうる塩: [式中、R1は水素、C1〜C4アルキル、または−CO−R5
    あり; R2は次の式のいずれか1つで示される塩基であり: R3は水素、アミノ、アジド、またはフルオロであり; R4は水素、またはフルオロであり; R5はそれぞれ独立して水素、またはC1〜C4アルキルであ
    り; R6は水素、C1〜C4アルキル、または−CO−R5であり; R7は水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲン化アルキ
    ル、アミノ、ブロモ、フルオロ、クロロ、またはヨード
    であり; R8はヒドロキシ、またはアミノであり; R9は水素、ブロモ、クロロ、またはヨードであり; R10は−NHR6、ブロモ、クロロ、ヒドロキシ、フルオ
    ロ、またはヨードであり; ZはN、またはC−R7である; ただし、R4がフルオロであるときには、R3はアジドまた
    はアミノ以外である]。
  2. 【請求項2】R3およびR4が独立してフルオロまたは水素
    である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R3がアミノまたはアジドである請求項1記
    載の化合物。
  4. 【請求項4】β−1−(4−アミノ−2−オキソ−1H−
    ピリミジン−1−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフ
    ルオロリボースまたはその薬学的に許容しうる塩。
  5. 【請求項5】β−1−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−
    9−イル)−2,3−ジデオキシ−2,2−ジフルオロリボー
    スまたはその薬学的に許容しうる塩。
  6. 【請求項6】活性薬物として請求項1〜5のいずれかに
    記載の化合物を、1またはそれ以上の担体、希釈剤また
    は賦形剤とともに含有してなる抗ウイルス剤として用い
    る医薬製剤。
  7. 【請求項7】活性薬物として請求項1〜5のいずれかに
    記載の化合物を、1またはそれ以上の担体、希釈剤また
    は賦形剤とともに含有してなる抗腫瘍剤として用いる医
    薬製剤。
  8. 【請求項8】以下の式IIで示される中間体: [式中、Xはヒドロキシ、またはメタンスルホニル、ト
    ルエンスルホニル、クロロおよびブロモよりなる群から
    選択される脱離基であり; Yは水素、またはヒドロキシ保護基であり; R3は水素、アミノ、アジド、またはフルオロであり;そ
    して R4は水素、またはフルオロである; ただし、R4がフルオロであるときには、R3はアジドまた
    はアミノ以外である]。
  9. 【請求項9】Xが脱離基であり、Yがヒドロキシ保護基
    である請求項8記載の中間体。
  10. 【請求項10】式III: [式中、R2、R3、およびR4は前記定義に同じであり;
    R1′はヒドロキシ保護基である] で示される化合物を脱保護することを特徴とするR1が水
    素である式Iの化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】R1が水素である式Iの化合物を、酸性の
    塩形成試薬と反応させることを特徴とするR1が水素であ
    る式Iの化合物の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項10又は11に記載の方法によって製
    造したR1が水素である式Iの化合物。
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