JP3141561B2 - アナログ/デジタル変換回路 - Google Patents

アナログ/デジタル変換回路

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JP3141561B2
JP3141561B2 JP04233203A JP23320392A JP3141561B2 JP 3141561 B2 JP3141561 B2 JP 3141561B2 JP 04233203 A JP04233203 A JP 04233203A JP 23320392 A JP23320392 A JP 23320392A JP 3141561 B2 JP3141561 B2 JP 3141561B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアナログ/ディジタル変
換回路(以下、A/D変換回路)に関し、特にデータ予
測を行うA/D変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のA/D変換回路は、変換精度を向
上させるために、各種の回路が考案されている。
【0003】図5はかかる従来の一例を示すA/D変換
回路のブロック図である。図5に示すように、従来のA
/D変換回路は、入力端子INから入力されたアナログ
信号を標本化するサンプルホールド回路1と、基準電圧
回路13と、サンプルホールド回路1および基準電圧回
路13の出力を比較する電圧比較回路12と、出力端子
OUTに変換出力するコード変換回路14とを備えてい
る。従って、入力端子INから入力されたアナログ電圧
はサンプルホールド回路1で保持され、電圧比較回路1
2において基準電圧回路13で設定された電圧と比較さ
れる。この比較された結果はコード変換回路14で2進
コードに変換され、出力端子OUTから出力される。
【0004】図6(a),(b)はそれぞれ図5に示す
A/D変換回路の変換原理図である。図6(a),
(b)に示すように、ここでは横軸に時間軸をとり、縦
軸に電圧軸およびデジタルコード軸7をとっている。ま
た、電圧軸上の点10はサンプルホールド回路1の出力
電圧値であり、15aはサンプルホールド回路1の出力
電圧、15bは電圧比較回路12のA/D変換特性、す
なわち電圧軸とデジタルコード軸7の対応を表わす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のA/D
変換回路は、ビット精度を上げるためには、コンパレー
タの数を増やすとともに、コンパレータのオフセット電
圧を小さくする工夫をしなければならず、LSI化にも
適さないという欠点がある。
【0006】本発明の目的は、かかる変換精度を向上さ
せ、消費電力等を抑制するとともに、LSI化にも適し
たA/D変換回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のA/D変換回路
は、入力アナログ信号を保持するサンプルホールド回路
と、前記サンプルホールド回路の出力を共に一方の入力
にする第1および第2の電圧比較回路と、前記サンプル
ホールド回路がホールドしている間、前記第1および第
2の電圧比較回路の出力の変化を検出し変換出力データ
の変化を予測するデータ予測回路と、前記第1および第
2の電圧比較回路の他方の入力に対しそれぞれ+Kと−
Kとを時間に対する変化計数として直線的に変化する基
準電圧を与える第1および第2の基準電圧変化回路とを
有し、前記第1の電圧比較回路で前記入力アナログ信号
をA/D変換した第1のデータと前記第2の電圧比較回
路で前記入力アナログ信号をA/D変換した第2のデー
タとの変化時間の差を前記データ予測回路で比較し該変
化時間の差を比例配分して、前記第1および第2のデー
タとが同じになるような予測値を出力値とするように構
成される。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の第1の実施例を示すA/D
変換回路のブロック図である。図1に示すように、本実
施例は入力端子INからの信号電圧を保持するサンプル
ホールド回路1と、このサンプルホールド回路1で保持
した電圧値を入力し比較する第1および第2の電圧比較
回路2,3と、2個の電圧比較回路2,3に印加する基
準電圧として時間的に変化するオフセット電圧を与える
第1および第2の基準電圧変化回路4,5と、これら電
圧比較回路2,3の出力データの変化を検出しデータの
変化を予測するデータ予測回路6とを有する。特に、第
1の電圧比較回路2と第1の基準電圧変化回路4から成
る第1の変換回路で入力信号をA/D変換した第1のデ
ータと、第2の電圧比較回路3と第2の基準電圧変化回
路5から成る第2の変換回路で入力信号をA/D変換し
た第2のデータとの変化時間の差およびデータをデータ
予測回路6で比較し、第1のデータと第2のデータが同
じになるデータを予測するようにしている。
【0009】図2(a)〜(c)はそれぞれ図1に示す
A/D変換回路の変換原理図である。図2(a)〜
(c)に示すように、ここでは電圧軸と平行にディジタ
ルコード軸7を設け、8aは第1の基準電圧変化回路電
圧、8bは第2の基準電圧変化回路電圧、11aは第1
の電圧比較回路2のアナログデジタルの変換特性で電圧
軸とデジタルコード軸7の対応を表わし、11bは第2
の電圧比較回路3のアナログデジタルの変換特性で電圧
軸とデジタルコード軸の対応を表わす。また、10はサ
ンプルホールド回路1の出力電圧値である。更に、9a
は第1の基準電圧変化回路4で作られる電圧を考慮した
第1の電圧比較回路2で判定される電圧を示し、9bは
第2の基準電圧変化回路5で作られる電圧を考慮した第
2の電圧比較回路3で判定される電圧を示している。
【0010】次に、かかるA/D変換回路の動作につい
て説明する。まず、入力端子INに入力された信号は、
サンプルホールド回路1で保持され、第1の電圧比較回
路2と第2の電圧比較回路3へ入力される。一方、第
1,第2の基準電圧変化回路4,5からそれぞれ出力さ
れる電圧F1,F2(V)は、オフセット電圧をE
(V)、電圧の変化計数をK、時間をT(秒)として次
式のようになる。
【0011】 F1=−KT+(E/2) F2=KT−(E/2) 次に、サンプルホールド回路1の出力電圧は、図2
(a)〜(c)において10で示され、第1の基準電圧
変化回路4の電圧波形F1は8a、第2の基準電圧変化
回路の電圧波形F2は8bで示される。また、電圧比較
回路で出力データが変化する判定点は、第1の電圧比較
回路2では9aと電圧軸の横線(量子化ステップ)との
交点、第2の電圧比較回路3では9bと電圧軸の横線
(量子化ステップ)との交点である。これら電圧比較回
路2,3の出力はデジタルデータで図2(a)〜(c)
では、デジタルコード軸7で示される。
【0012】次に、データ予測回路6では、第1の電圧
比較回路2の出力データと第2の電圧比較回路3のデー
タおよびこれらデータの変化する時間とを検出し、第1
の電圧比較回路2の出力データと第2の電圧比較回路3
の出力データが同じ値あるいは交差するタイミングを計
算し、これら電圧比較回路2,3が認識できる最小ステ
ップ以下の精度を出すことができる。
【0013】それ故、図2(a)の場合は、デジタルコ
ード7が100から011に変化するタイミングと00
0から001に変化するタイミングとの差から、最終的
に011と010の中間であることが予測され、変化時
間の差を測定して電圧比較回路2,3の最小ステップを
比例配分する。その値は01001になるので、サンプ
ルホールド回路1の出力電圧のデジタルコードは010
01となる。また、図2(b)の場合は、電圧比較回路
2,3の出力変化タイミングが同じであるので、最終的
に同じデジタルコードに収束することが予測される。そ
の値は100と001であるので、サンプルホールド回
路1の出力電圧のデジタルコードは0101である。同
様に、図2(c)の場合、デジタルコードは電圧比較回
路2,3の変化タイミングとその差から最終的に011
と010の中間であることが予測され、変化時間の差を
測定して電圧比較回路2,3の最小ステップを比例配分
する。その値は01011になるので、サンプルホール
ド回路1の出力電圧のデジタルコードは01011であ
る。
【0014】これらの計算過程は次のようになる。すな
わち、第1と第2の電圧比較回路2,3の変換時間間隔
は同じであり、それを1とすると、基準電圧変化回路
4,5の出力が同一値になる電圧は、以下のようにな
る。第1の電圧比較回路2の出力の変化時間を基準とし
て、第2の電圧比較回路3の出力が変化する時間を(a
/2)とすると、最終的に第1と第2の基準電圧変化回
路4,5の出力が同一になるときの電圧対応のデジタル
コードは、第1の電圧比較回路2の最終的なデジタルコ
ードから(a/2)を引いたコードになる。
【0015】図3は本発明の第2の実施例を示すA/D
変換回路のブロック図である。図3に示すように、本実
施例は前述した第1の実施例を同様サンプルホールド回
路1と、第1および第2の電圧比較回路2,3と、第1
および第2の基準電圧変化回路4,5と、データ予測回
路6とを入力端子INおよび出力端子OUT間に接続し
ている。本実施例が第1の実施例と比較して異なる点
は、第1および第2の基準電圧変化回路4,5をサンプ
ルホールド回路1と第1,第2の電圧比較回路2,3と
の間にそれぞれ直列に接続したことにある。
【0016】図4(a)〜(c)はそれぞれ図3に示す
A/D変換回路の変換原理図である。図4(a)〜
(c)に示すように、入力電圧をデジタルデータに変換
することにあたり、8a,8bはそれぞれ第1,第2の
基準電圧変化回路の電圧、10はサンプルホールド回路
1の出力電圧値、11aは第1の電圧比較回路2のA/
D変換特性で電圧軸とデジタルコード軸7の対応、11
bは第2の電圧比較回路3のA/D変換特性で電圧軸と
デジタルコード軸7の対応をそれぞれ示している。
【0017】まず、図3において入力端子INに入力さ
れたアナログ信号は、サンプルホールド回路1で保持さ
れ、第1および第2の基準電圧変化回路4および5へ入
力される。これら基準電圧変化回路4,5はそれぞれオ
フセット電圧を加算して第1および第2の電圧比較回路
2および3へ出力する。ここで、第1と第2の基準電圧
変化回路4,5から出力される電圧F1,F2(V)
は、サンプルホールド回路1の出力電圧をV0(V)、
オフセット電圧をE(V)、電圧の変化計数をK、時間
をT(秒)とすると、次式で表わされる。
【0018】 F1=V0−KT+(E/2) F2=V0+KT−(E/2) 次に、サンプルホールド回路1の出力電圧は、図4
(a)〜(c)の10で示される。また、第1の基準電
圧変化回路4の出力電圧波形F1は8aで示され、第2
の基準電圧変化回路5の電圧波形F2は8bで示され
る。第1の電圧比較回路2で出力データが変化する判定
点は8aと電圧軸の横線(量子化ステップ)との交点、
第2の電圧比較回路3での判定点は8bと電圧軸の横線
(量子化ステップ)との交点である。これら電圧比較回
路2,3の出力は、デジタルデータで図4(a)〜
(c)の7で示される。更に、データ予測回路6では、
第1の電圧比較回路2の出力データと第2の電圧比較回
路3のデータおよびデータの変化する時間とを検出し、
第1の電圧比較回路2の出力データと第2の電圧比較回
路3の出力データが同じ値あるいは交差するタイミング
を計算することにより、これらの電圧比較回路2,3が
識別できる最小ステップ以下の精度を出すことができ
る。
【0019】図4(a)の場合は、デジタルコードが1
00から011に変化するタイミングと、000から0
01に変化するタイミングとが同じであるので、最終的
に同じデジタルコードに収束することが予測される。そ
の予測される値は中間の010であるので、サンプルホ
ールド回路1の出力電圧のデジタルコードは010であ
る。また、図4(b)の場合も図4(a)と同様に、電
圧比較回路2,3の出力変化タイミングが同じであるの
で、最終的に同じデジタルコードに収束することが予測
される。その予測される値は100と001の中間であ
るので、サンプルホールド回路1の出力値のデジタルコ
ードは0101である。更に、図4(c)の場合は、デ
ジタルコードが電圧比較回路2,3の変化タイミングと
その差から最終的に011と010の中間であることが
予測され、変化時間の差を測定して電圧比較回路2,3
の最終ステップを比例配分する。その値は01011に
なるので、サンプルホールド回路1の出力電圧のデジタ
ルコードは01011である。
【0020】次に、第1,第2の電圧比較回路2,3の
変換時間間隔は同じでそれを1とすると、基準電圧変化
回路4,5の出力が同一値になる電圧は以下のようにな
る。すなわち、第1の電圧比較回路2の出力の変化時間
を基準として、第2の電圧比較回路3の出力が変化する
時間を(a/2)とすると、最終的に第1,第2の基準
電圧変化回路4,5の出力が同一になるときの電圧対応
のデジタルコードは、第1の電圧比較回路2の最終的な
デジタルコードから(a/2)を引いたコードになる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のA/D変
換回路は、信号電圧を保持するサンプルホールド回路
と、2個の電圧比較回路と、前記2個の電圧比較回路の
出力データの変化を検出しデータの変化を予測するデー
タ予測回路と、前記2個の電圧比較回路に印加する基準
電圧に時間的に変化するオフセット電圧を与える2個の
基準電圧変化回路とを有し、第1の電圧比較回路と第1
の基準電圧変化回路から成る第1の変換回路で入力信号
をA/D変換した第1のデータと、第2の電圧比較回路
と第2の基準電圧変化回路から成る第2の変換回路で入
力信号をA/D変換した第2のデータとの変化時間の差
およびデータをデータ予測回路で比較し、第1のデータ
と第2のデータが同じになるデータを予測するようにす
ることにより、変換精度をあげてもコンパレータ数をビ
ット精度に合わせて増やす必要がないので、アナログ部
の規模および消費電力も抑えられ、しかもLSI化での
チップ面積を抑えられるので、LSIの価格も安く出来
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すA/D変換回路の
ブロック図である。
【図2】図1に示すA/D変換回路の変換原理を説明す
るための図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示すA/D変換回路の
ブロック図である。
【図4】図3に示すA/D変換回路の変換原理を説明す
るための図である。
【図5】従来の一例を示すA/D変換回路のブロック図
である。
【図6】図5に示すA/D変換回路の変換原理を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1 サンプルホールド回路 2 第1の電圧比較回路 3 第2の電圧比較回路 4 第1の基準電圧変化回路 5 第2の基準電圧変化回路 6 データ予測回路 IN 入力端子 OUT 出力端子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力アナログ信号を保持するサンプルホ
    ールド回路と、前記サンプルホールド回路の出力を共に
    一方の入力にする第1および第2の電圧比較回路と、前
    記サンプルホールド回路がホールドしている間、前記第
    1および第2の電圧比較回路の出力の変化を検出し変換
    出力データの変化を予測するデータ予測回路と、前記第
    1および第2の電圧比較回路の他方の入力に対しそれぞ
    +Kと−Kとを時間に対する変化計数として直線的に
    変化する基準電圧を与える第1および第2の基準電圧変
    化回路とを有し、前記第1の電圧比較回路で前記入力ア
    ナログ信号をA/D変換した第1のデータと前記第2の
    電圧比較回路で前記入力アナログ信号をA/D変換した
    第2のデータとの変化時間の差を前記データ予測回路で
    比較し該変化時間の差を比例配分して、前記第1および
    第2のデータとが同じになるような予測値を出力値にし
    たことを特徴とするアナログ/デジタル変換回路。
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