JP3139864B2 - エレベータ制御装置の調整方法 - Google Patents

エレベータ制御装置の調整方法

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JP3139864B2 JP05017318A JP1731893A JP3139864B2 JP 3139864 B2 JP3139864 B2 JP 3139864B2 JP 05017318 A JP05017318 A JP 05017318A JP 1731893 A JP1731893 A JP 1731893A JP 3139864 B2 JP3139864 B2 JP 3139864B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベータ速度フィー
ドバック制御するエレベータ制御装置を調整するための
調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インバータ装置によってモータ電
流を制御し、エレベータ速度を制御するエレベータ制御
装置は図4に示すような構成を備えていた。すなわち、
エレベータのかご1はワイヤーロープ2を介してカウン
タウェイト3に連結されており、モータ4は回転力をメ
インシーブ5に伝え、ロープ2との間の摩擦力を利用し
てエレベータのかご1を昇降させる。モータ4への回転
力はインバータ装置(INV)6から供給する。
【0003】一方、速度制御部7は、速度基準発生部8
にて作られる速度基準電圧とモータ回転数検出器9から
得られる速度フィードバックとの偏差を増幅して得られ
た速度制御指令値7aを電流制御部10に出力する。電
流制御部10では、これを受けて速度制御指令値7aに
応じた必要なトルクをモータ4に与えるための周波数と
大きさをもった電流指令値を発生させ、この指令値と実
際にモータ4に流れた電流波形のフィードバック信号1
2aとの偏差を増幅した電流制御指令値10aをインバ
ータ装置6に出力する。そしてインバータ装置6は、こ
の電流制御指令値10aにより速度基準電圧に追従する
回転数、つまり所定のエレベータ速度となるのに必要な
周波数と大きさの電流に変換してモータ4に供給し、こ
うしてモータを所定の回転速度となるように制御し、エ
レベータかご1を一定の速度で昇降させるのである。
【0004】このような従来のエレベータ制御装置にお
けるエレベータの速度波形が図6に示してある。つま
り、速度基準波形W1に追従して走行するエレベータの
速度フィードバック波形W2と、この2つの波形の偏差
を増幅した波形、つまり速度指令波形W3によって速度
制御を実行しているのである。そしてこのような速度制
御においては、図7に示すように速度基準波形W1には
脈動成分が含まれないが、モータ4の軸回転トルクに脈
動があるとモータ回転数を検出する信号である速度フィ
ードバック波形W2に脈動成分が含まれてしまい、速度
基準波形W1と速度フィードバック波形W2との偏差を
増幅した速度制御指令波形W3にもモータ軸回転トルク
脈動成分が増幅されて現われ、これに基づいて速度制御
を行なうことによってさらにモータ回転トルク脈動成分
が増加し、エレベータの乗り心地に悪影響を与えてしま
うことになる問題点があった。
【0005】このような問題点を生じるモータ軸回転ト
ルク脈動の発生要因には機械的なものと電気的なものと
が存在する。機械的要因にはモータ回転軸1回転の重量
アンバランスがあり、この場合にはモータ4の1回転の
周波数で脈動成分が現われることになる。そして電気的
要因にはモータ4に印加される電流のアンバランスがあ
る。
【0006】図5は三相モータを使用しているエレベー
タ電流制御装置の詳しい構成を示している。このような
装置においては、三相モータ4に印加される三相電流の
アンバランスが電気的な脈動の要因であるが、以下、そ
の発生機構について説明する。電流制御部10の電流指
令変換部41は速度制御指令7aを電流制御指令41a
に変換する。この電流指令41aと、実際にモータ4に
流れた電流を電流検出器11で検出し、増幅部12で増
幅して得られた電流フィードバック信号12aとの偏差
を偏差増幅器42で増幅したものが電流制御指令値10
aであり、この電流制御指令値10aがインバータ装置
6においてモータ電流に変換され、三相モータ4に与え
られるようになっている。
【0007】このような回路構成において、電流信号を
検出する電流検出器11および検出された電流信号を増
幅する電流フィードバック増幅部12のゼロ点およびゲ
インのずれがあると電流フィードバック信号12aがア
ンバランスとなり、電流制御指令値10aにアンバラン
スが生じ、結果的にモータ4に印加されるモータ電流が
アンバランスになり、モータ4の回転軸トルクに脈動が
発生し、エレベータの乗り心地に悪影響を与えることに
なるのである。
【0008】ところで、このような原因で発生する脈動
成分の周波数はモータに印加される電流の周波数に比例
するが、ゲインのアンバランスで発生するものとゼロ点
のアンバランスで発生するものとで異なってくる。図8
(a),(b)はその違いを説明する波形図である。す
なわち、同図(a)はゲインのアンバランスで発生する
脈動成分を示し、同図(b)はゼロ点のアンバランスで
発生する脈動成分を示しているが、いずれも実線A,B
がバランスの取れている状態を示しており、点線A′,
B′がバランスがとれていない状態を示している。そし
てゼロ点の場合、同図(a)に示すように電流1周期に
2回の山が存在するために電流の2倍周期の回転トルク
脈動が発生し、ゲインの場合、同図(b)に示すように
電流1周期に1回の山のために電流と同じ周期の脈動が
発生する。
【0009】本来、工場出荷時に電流の各相のバランス
は調整済みであり、このような現象は発生しないはずで
あるが、現地調整時に、電流検出器11または電流フィ
ードバック増幅部12に、あるいはその両方に不具合が
あって交換したような場合に発生する可能性があり、そ
のような場合には各相の検出電流フィードバック信号の
ゼロ点およびゲインを確認し、電流各相のバランス調整
を実施する必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のエレベータ制御装置では、次のような問題点があ
った。現地において電気的要因によると思われるモータ
軸回転トルク脈動によってエレベータの乗り心地に悪影
響が発生した場合、エレベータかご内の床振動を振動計
によって測定し、各相の電流フィードバック増幅部のゼ
ロ点およびゲインを調整することになるが、従来は、振
動計および振動波形を記録する測定器を使用し、振動の
大きさと周波数の変化を分析しながら振動の大きさが最
小となるように各相の電流フィードバック増幅部のゼロ
点およびゲインを調整するようにしており、この調整に
は、特殊な測定器の準備と多くの時間と振動波形を分析
する技術が必要であり、調整者に高い技術的レベルが要
求され、だれでも簡単に実行できるものではなかった。
【0011】この発明はこのような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、現地における最適な電流バランスを
得るための調整を自動的に実施することができ、電気的
要因によるモータトルク脈動のない良好な乗り心地をだ
れでも簡単に、かつ速やかに実現することができるエレ
ベータ制御装置の調整方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、速度
基準と速度フィードバックとの偏差を増幅し、速度制御
指令値として出力する速度制御部と、前記速度制御部か
らの速度制御指令値を受けて、必要なモータトルクを生
むような電流指令値を発生させ、実際にモータに流れた
電流のフィードバック値との偏差を増幅し、電流制御指
令値として出力する電流制御部と、前記電流制御部から
の電流制御指令値に基づいてモータに対して必要な電流
を生成してモータに与えるインバータ装置を備えて成る
エレベータ制御装置の調整方法において、外部から調整
指令を与えて前記速度制御部からの速度制御指令値に含
まれるモータ軸回転トルク脈動成分を抽出し、その周波
数と量からゼロ点またはゲインのどちらを調整すればよ
いかを判定し、その判定結果に基づき、電流制御部のゼ
ロ点またはゲイン定数を脈動成分があらかじめ設定され
ている基準内まで小さくなるように調整することを特徴
とするものである。
【0013】請求項2の発明は、請求項1に記載のエレ
ベータ制御装置の調整方法において、速度制御指令値に
含まれるモータ軸回転トルク脈動成分の周波数がモータ
電流周波数とほぼ一致する場合にゼロ点調整すべきと判
定し、脈動成分の周波数がモータ電流周波数のほぼ2倍
となる場合にゲイン調整すべきと判定することを特徴と
するものである。
【0014】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載のエレベータ制御装置の調整方法において、ゼロ点調
整すべきと判定した場合、電流制御部のゼロ点を一定量
ずつプラス側またはマイナス側にシフトさせながら脈動
成分の増減を監視し、当該脈動成分が規定値内に収まる
ようになるまでゼロ点のシフト操作を繰り返すことを特
徴とするものである。
【0015】請求項4の発明は、請求項1または2に記
載のエレベータ制御装置の調整方法において、ゲイン調
整すべきと判定した場合、電流制御部のゲインを一定量
ずつ増加または減少させながら脈動成分の増減を監視
し、当該脈動成分が規定値内に収まるようになるまでゲ
インの増減操作を繰り返すことを特徴とするものであ
る。
【0016】
【作用】請求項1の発明のエレベータ制御装置の調整方
法では、電気的要因によるモータトルク脈動を基準内に
収める必要がある場合、外部より調整指令を入力するこ
とにより、速度制御部からの速度制御指令値に含まれる
モータ軸回転トルク脈動成分を抽出し、その周波数と量
からゼロ点またはゲインのどちらを調整すればよいかを
判定し、この判定結果に基づき、脈動調整部が電流制御
部のゼロ点またはゲイン定数を脈動成分があらかじめ設
定されている基準内まで小さくなるように調整する。
【0017】こうして、電気的要因で発生するモータ軸
回転脈動を小さくするゼロ点またはゲイン調整を自動的
に行ない、エレベータの乗り心地を快適なものとする。
【0018】請求項2の発明のエレベータ制御装置の調
整方法では、速度制御部からの速度制御指令値に含まれ
るモータ軸回転トルク脈動成分を抽出し、当該脈動成分
の周波数がモータ電流周波数とほぼ一致する場合にゼロ
点調整すべきと判定し、脈動成分の周波数がモータ電流
周波数のほぼ2倍となる場合にゲイン調整すべきと判定
し、この判定結果に基づいて脈動調整部が電流制御部の
ゼロ点またはゲイン定数を脈動成分があらかじめ設定さ
れている基準内まで小さくなるように調整し、電気的要
因で発生するモータ軸回転脈動を小さくするゼロ点また
はゲイン調整を自動的に行ない、エレベータの乗り心地
を快適なものとする。
【0019】請求項3の発明のエレベータ制御装置の調
整方法では、ゼロ点調整すべきと判定した場合、電流制
御部のゼロ点を一定量ずつプラス側またはマイナス側に
シフトさせながら脈動成分の増減を監視し、当該脈動成
分が規定値内に収まるようになるまでゼロ点のシフト操
作を繰り返し、電流制御部のゼロ点調整を自動的に行な
うことによってエレベータの乗り心地を快適なものとす
る。
【0020】請求項4の発明のエレベータ制御装置の調
整方法では、ゲイン調整すべきと判定した場合、電流制
御部のゲインを一定量ずつ増加または減少させながら脈
動成分の増減を監視し、当該脈動成分が規定値内に収ま
るようになるまでゲインの増減操作を繰り返し、電流制
御部のゲイン調整を自動的に行なうことによってエレベ
ータ乗り心地を快適なものとする。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。
【0022】図1はこの発明の一実施例の回路構成を示
しており、従来例と同じように、エレベータのかご1は
ワイヤーロープ2を介してカウンタウェイト3に連結さ
れており、モータ4は回転力をメインシーブ5に伝え、
ロープ2との間の摩擦力を利用してエレベータのかご1
を昇降させる。モータ4への回転力はインバータ装置
(INV)6から供給する。一方、速度制御部7は、速
度基準発生部8にて作られる速度基準電圧8aとモータ
回転数検出器9から得られる速度フィードバック9aと
の偏差を増幅して得られた速度制御指令値7aを電流制
御部10に出力する。電流制御部10では、これを受け
て速度制御指令値7aに応じた必要なトルクをモータ4
に与えるための周波数と大きさをもった電流指令値を発
生させ、この指令値と実際にモータ4に流れた電流波形
のフィードバック信号12aとの偏差を増幅した電流制
御指令値10aをインバータ装置6に出力する。そして
インバータ装置6は、この電流制御指令値10aにより
速度基準電圧に追従する回転数、つまりエレベータ速度
となるのに必要な周波数と大きさの電流に変換してモー
タ4に供給し、こうしてモータ4を所定の回転速度とな
るように制御し、エレベータかご1を一定の速度で昇降
させる構成となっている。
【0023】そしてこの実施例の特徴として、脈動調整
時に自動調整指令を入力する自動調整指令部13と、速
度制御部7からの速度制御指令値7aに含まれるモータ
軸回転トルク脈動成分を抽出し、その周波数と量からゼ
ロ点またはゲインのどちらを調整すればよいかを判定す
る脈動分析部14と、この脈動分析部14が分析した結
果に基づき、電流フィードバック増幅部12のゼロ点ま
たはゲイン定数を脈動成分を小さくする方向に変化させ
る指令15aを電流フィードバック増幅部12に与える
脈動調整部15を備えている。
【0024】次に、上記構成のエレベータ制御装置の調
整方法について説明する。
【0025】エレベータ設置時、あるいは機器交換、保
守時に調整員が脈動調整の必要があると判断すれば、外
部から自動調整指令部13に対して電流フィードバック
信号自動調整の指示を与える。なお、この脈動成分の調
整は、エレベータが定格速度で定速走行している状態で
行なう必要がある。なぜならば、エレベータの加減速中
は電流の周波数および大きさが変化しており、モータの
回転トルクも追従して変化するので、この状態では電流
周波数とモータ回転数の間に時間的ずれがあって正確に
脈動分析ができないからである。このために、エレベー
タが加速を終了して定速走行する状態となり、電流周波
数が一定となり、またモータ4の回転数も一定となった
時点で脈動成分の分析、調整を行なうのである。
【0026】そこで、自動調整指令部13から自動調整
指令が出力されると、速度基準発生部8は速度制御部7
に速度基準8aを与える。速度制御部7は速度基準8a
に対して三相モータ4の軸に取り付けられた回転数検出
器9からの出力9aをフィードバック量とした速度制御
動作を実行する。
【0027】自動調整指令部13からは脈動分析部14
にも同時に自動調整指令が入力され、速度制御指令値7
aを微分処理して直流成分を取り除き脈動成分のみを抽
出し、増幅演算して周波数および大きさの分析処理を行
なう。この脈動分析では、脈動の周波数がモータ4に供
給している電流周波数と一致しているか、2倍か、ある
いは両方の成分が混在しているかの分析、判定を行な
う。
【0028】そしてこの分析結果に基づいて、脈動調整
部15は電流フィードバック増幅部12に対して脈動成
分が小さくなる方向でゼロ点またはゲインの調整値の変
更指令15aを出力する。その後、減少させようとした
周波数の脈動成分の大きさを管理しながら、調整値変更
指令値15aを変化させ、脈動成分が最小となるまで繰
り返す。
【0029】以上の脈動成分の分析処理、ゼロ点または
ゲインの調整処理の手順は図2および図3のフローチャ
ートに示してある。すなわち、自動調整指令部13に調
整指令が入力されると、自動調整指令部13から速度基
準出力指令が速度基準発生部8に出力され(ステップS
1,S2)、定速走行状態になれば(ステップS3)、
脈動分析部14は速度制御指令値7aに対して脈動分析
処理を行ない、トルク指令脈動成分が存在し、それが基
準値以内に収まっているかどうか判断し(ステップS
4)、トルク指令脈動成分が基準値以内に収まっておら
なければ脈動周波数を調べて、それが電流周波数と一致
するかどうか判定する(ステップS5)。
【0030】ここで脈動周波数が電流周波数と一致して
いれば、自動ゼロ点調整を行なうために電流フィードバ
ック増幅部12のゼロ点をプラス側に一定量だけシフト
させて速度制御指令値7aの脈動成分が減少するかどう
か観察する(ステップS6,S7)。その減少が認めら
れれば、ゼロ点調整の方向が正しいと判断し、脈動成分
が規定値以内になるまで同じプラス側に一定量ずつ繰り
返しシフトさせる(ステップS8,S9)。
【0031】前述のステップS6のゼロ点のプラス側へ
のシフトで脈動成分が増加するならばゼロ点の調整方向
が間違っていると判断し、今度は電流フィードバック増
幅部12のゼロ点をマイナス側に一定量だけシフトさせ
て脈動成分が減少するかどうか観察し、減少すればゼロ
点調整の方向が正しいと判断し、脈動成分が規定値以内
になるまで同じマイナス側に一定量ずつ繰り返しシフト
させる(ステップS10〜S12)。
【0032】前述のステップS5の判断で「NO」とな
る場合には、脈動周波数が電流周波数の2倍であるかど
うか判断する(ステップS13)。そして脈動周波数が
電流周波数の2倍であれば電流フィードバック増幅部1
2のゲイン調整によって脈動成分を抑制することができ
ると判断し、電流フィードバック増幅部12のゲインを
まずプラス側に一定量だけシフトさせて脈動成分が減少
するかどうか観察する(ステップS14,S15)。そ
の減少が認められればゲイン調整の方向が正しいと判断
し、脈動成分が規定値以内になるまで同じプラス側に一
定量ずつ繰り返しシフトさせる(ステップS16,S1
7)。
【0033】前述のステップS15のゲインのプラス側
へのシフトで脈動成分が増加するならばゲインの調整方
向が間違っていると判断し、今度は電流フィードバック
増幅部12のゲインをマイナス側に一定量だけシフトさ
せて脈動成分が減少するかどうか観察し、減少すればゲ
イン調整の方向が正しいと判断し、脈動成分が規定値以
内になるまで同じマイナス側に一定量ずつ繰り返しシフ
トさせる(ステップS18〜S20)。
【0034】こうして、脈動成分が最小となるまで電流
フィードバック増幅部12のゼロ点またはゲイン、ある
いはそれらの両方を自動調整し、電気的要因で発生する
脈動を抑えてエレベータの乗り心地に与える悪影響を抑
制するのである。
【0035】なお、この発明は上記の実施例に限定され
ることはなく、特に自動調整指令部13、脈動分析部1
4および脈動調整部15の回路はエレベータ制御装置に
備えられたものとせず、通常のエレベータ制御装置と切
り離したユニットとし、必要に応じて調整の必要なエレ
ベータに対して適宜接続して使用するようにすることも
できる。
【0036】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
電気的要因によるモータトルク脈動を基準内に収める必
要がある場合、外部より調整指令を入力することによ
り、速度制御部からの速度制御指令値に含まれるモータ
軸回転トルク脈動成分を抽出し、その周波数と量からゼ
ロ点またはゲインのどちらを調整すればよいかを判定
し、この判定結果に基づき、脈動調整部が電流制御部の
ゼロ点またはゲイン定数を脈動成分があらかじめ設定さ
れている基準内まで小さくなるように調整するので、電
気的要因で発生するモータ軸回転脈動を小さくするゼロ
点またはゲイン調整を自動的に行ない、エレベータの乗
り心地を快適なものとすることができ、しかもこの脈動
成分の抑制のためのゼロ点またはゲイン調整をそれほど
技術的に経験のない技術者であっても容易に、かつ速や
かに実行することができるようになる。
【0037】請求項2の発明によれば、速度制御部から
の速度制御指令値に含まれるモータ軸回転トルク脈動成
分を抽出し、当該脈動成分の周波数がモータ電流周波数
とほぼ一致する場合にゼロ点調整すべきと判定し、脈動
成分の周波数がモータ電流周波数のほぼ2倍となる場合
にゲイン調整すべきと判定し、この判定結果に基づいて
電流制御部のゼロ点またはゲイン定数を脈動成分があら
かじめ設定されている基準内まで小さくなるように調整
し、電気的要因で発生するモータ軸回転脈動を小さくす
るゼロ点またはゲイン調整を自動的に行なうので、電流
制御部のゼロ点調整またはゲイン調整を行なうことによ
って脈動成分の抑制を自動的に、かつ的確に行なうこと
ができ、エレベータの乗り心地を快適なものとするため
の調整が容易に行なえるようになる。
【0038】請求項3の発明によれば、ゼロ点調整すべ
きと判定した場合、電流制御部のゼロ点を一定量ずつプ
ラス側またはマイナス側にシフトさせながら脈動成分の
増減を監視し、当該脈動成分が規定値内に収まるように
なるまでゼロ点のシフト操作を自動的に繰り返すように
したので、モータの脈動成分の抑制を電流制御部のゼロ
点調整によって自動的に行なうことができ、エレベータ
の乗り心地を快適なものとするための調整が容易に行な
えるようになる。
【0039】請求項4の発明によれば、ゲイン調整すべ
きと判定した場合、電流制御部のゲインを一定量ずつ増
加または減少させながら脈動成分の増減を監視し、当該
脈動成分が規定値内に収まるようになるまでゲインの増
減操作を自動的に繰り返すようにしたので、脈動成分の
抑制を電流制御部のゲイン調整によって自動的に行なう
ことができ、エレベータの乗り心地を快適なものとする
ための調整が容易に行なえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の回路ブロック図。
【図2】上記実施例のモータ軸回転トルク脈動の抑制の
ためのゼロ点またはゲインの自動調整動作を示すフロー
チャート。
【図3】上記実施例のモータ軸回転トルク脈動の抑制の
ためのゼロ点またはゲインの自動調整動作を示すフロー
チャート。
【図4】従来例の回路ブロック図。
【図5】一般的なモータ電流調整部の回路構成を示すブ
ロック図。
【図6】エレベータの速度フィードバック制御動作を示
す波形図。
【図7】モータ軸回転トルク脈動の発生原理を示す波形
図。
【図8】モータ軸回転トルク脈動の重畳されたモータ電
流の波形図。
【符号の説明】
1 かご 4 モータ 6 インバータ装置 7 速度制御部 8 速度基準発生部 9 回転数検出器 10 電流制御部 11 電流検出器 12 電流フィードバック増幅部 13 自動調整指令部 14 脈動分析部 15 脈動調整部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 速度基準と速度フィードバックとの偏差
    を増幅し、速度制御指令値として出力する速度制御部
    と、前記速度制御部からの速度制御指令値を受けて、必
    要なモータトルクを生むような電流指令値を発生させ、
    実際にモータに流れた電流のフィードバック値との偏差
    を増幅し、電流制御指令値として出力する電流制御部
    と、前記電流制御部からの電流制御指令値に基づいてモ
    ータに対して必要な電流を生成してモータに与えるイン
    バータ装置を備えて成るエレベータ制御装置の調整方法
    において、 外部から調整指令を与えて前記速度制御部からの速度制
    御指令値に含まれるモータ軸回転トルク脈動成分を抽出
    し、その周波数と量からゼロ点またはゲインのどちらを
    調整すればよいかを判定し、その判定結果に基づき、前
    記電流制御部のゼロ点またはゲイン定数を前記脈動成分
    があらかじめ設定されている基準内まで小さくなるよう
    に調整することを特徴とするエレベータ制御装置の調整
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエレベータ制御装置の
    調整方法において、前記速度制御部からの速度制御指令
    値に含まれるモータ軸回転トルク脈動成分の周波数がモ
    ータ電流周波数とほぼ一致する場合にゼロ点調整すべき
    と判定し、前記脈動成分の周波数がモータ電流周波数の
    ほぼ2倍となる場合にゲイン調整すべきと判定すること
    を特徴とするエレベータ制御装置の調整方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のエレベータ制
    御装置の調整方法において、ゼロ点調整すべきと判定し
    た場合、前記電流制御部のゼロ点を一定量ずつプラス側
    またはマイナス側にシフトさせながら脈動成分の増減を
    監視し、当該脈動成分が規定値内に収まるようになるま
    で前記ゼロ点のシフト操作を繰り返すことを特徴とする
    エレベータ制御装置の調整方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のエレベータ制
    御装置の調整方法において、ゲイン調整すべきと判定し
    た場合、前記電流制御部のゲインを一定量ずつ増加また
    は減少させながら脈動成分の増減を監視し、当該脈動成
    分が規定値内に収まるようになるまで前記ゲインの増減
    操作を繰り返すことを特徴とするエレベータ制御装置の
    調整方法。
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