JP3139606U - 車両用シートカバー - Google Patents

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有限会社サカモト・マテリアル
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Abstract

【課題】乗員に対して不快感を与えにくく、かつ車両用シートを清浄に保つことができる車両用シートカバーを提供する。
【解決手段】車両用シートカバー1は、シートバックカバー2とシートクッションカバー3とヘッドレストカバー4とを具備する。シートバックカバー2は、シートバックの背当面を被覆する正面被覆部20と、シートバックの裏面を被覆する裏面被覆部25と、正面被覆部20と裏面被覆部25との間を分離するとともに、正面被覆部20と裏面被覆部25との間で互いに着脱可能なドットボタン26とを備える。シートクッションカバー3は、シートクッションの座面を被覆する座面被覆部31を備える。正面被覆部20及び座面被覆部31の少なくとも一部は、吸水速乾燥性素材で形成された表皮層と、抗菌性素材で形成された中間層と、疎水性素材で形成された裏面層とが積層された構造を有する。
【選択図】図3

Description

本考案は、車両用シートカバーに係り、特に、ヘッドレストに防犯ガラス等を一体に備えたタクシーの運転シートなどのように、車両用シートの上部に別物が設けられた車両用シートに好適に用いられる車両用シートカバーに関する。
例えば、タクシーなどの車両には、従来からヘッドレストに防犯ガラスを一体に設けた車両用シートが用いられている。さらに、車両用シートの防汚等を目的として、車両用シートを車両用シートカバーで覆って使用している。
従来、車両用シートからヘッドレストや防犯ガラスを取り外すことなく、車両用シートに簡単に着脱できる車両用シートカバーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図5に示すように、この従来の車両用シートカバー101は、車両用シートに設けられたシートバック131の背当面131aを被覆する背当面被覆部121と、シートバック131の裏面を被覆する裏面被覆部122と、シートバック131の側面131bを被覆する側面被覆部123と、ヘッドレスト132を被覆するヘッドレストカバー124とを備えている。さらに、車両用シートカバー101は、背当面被覆部121と裏面被覆部122との間が分離可能であるとともに、背当面被覆部121と裏面被覆部122との間に互いに着脱可能な面状ファスナー127a,128aを備えている。
このため、背当面被覆部121と裏面被覆部122との間を分離することにより、背当面被覆部121に対して裏面被覆部122を開閉自在とすることが可能となる。これにより、車両用シートカバー101をシートバック131の上方からではなく側方から被せたり取り外したりすることが可能となる。したがって、車両用シートからヘッドレスト132や防犯ガラス133を取り外したりすることなく、車両用シートに車両用シートカバー101を簡単に取り付けたり取り外したりすることができる。
実用新案登録第3104571号公報
一般に、車両用シートカバーの素材としては、布地、合成皮革などのレザー地、スエード地、ビニール地、ポリエステル地、ムートン地などが用いられる。これらの素材は、通常、他の素材と組み合わされることなく単一の素材として用いられている。
しかしながら、これらの素材は、通気性、吸湿性等の特性において様々な欠点がある。
例えば、布地等は、レザー地等と比較して吸湿性や通気性が良いため、乗員の汗を吸収して乾燥させやすい性質を有している。一方で布地等は、その高い吸湿性から乗員の汗や臭いなどがしみ込みやすく、しみ込んだ汗や臭いが車両用シートに移行しやすいという欠点があった。
反対に、レザー地等は、布地等と比較して吸湿性が高くないため、車両用シートカバーや車両用シートへの臭い移りなどが生じにくい。しかしながら、これらの生地は、汗を吸収しにくい性質であるため、汗によるジメジメした不快感を乗員に与えやすい。
本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両用シートに車両用シートカバーを簡単に着脱できるとともに、乗員に対して不快感を与えにくく、かつ車両用シートを清浄に保つことができる車両用シートカバーを提供することにある。
上記課題は、本考案の車両用シートカバーによれば、シートバックとシートクッションとヘッドレストを備えた車両用シートに取り付けられる車両用シートカバーであって、前記シートバックを被覆するシートバックカバーと、前記シートクッションを被覆するシートクッションカバーと、前記ヘッドレストを被覆するヘッドレストカバーと、を具備し、前記シートバックカバーは、前記シートバックの背当面を被覆する正面被覆部と、前記シートバックの裏面を被覆する裏面被覆部と、前記正面被覆部と前記裏面被覆部との間を分離するとともに、前記正面被覆部と前記裏面被覆部との間で互いに着脱可能な被覆部着脱手段とを備え、前記シートクッションカバーは、前記シートクッションの座面を被覆する座面被覆部を備え、前記正面被覆部及び前記座面被覆部の少なくとも一部は、吸水速乾燥性素材で形成された表皮層と、抗菌性素材で形成された中間層と、疎水性素材で形成された裏面層とが積層された構造を有することにより解決される。
このように、正面被覆部と裏面被覆部との間が分離可能であり、これらの被覆部の間が着脱可能となっている。このため、正面被覆部と裏面被覆部を着脱することで車両用シートカバーを車両用シートに簡単に着脱することができる。
また、正面被覆部と座面被覆部の少なくとも一部の表皮層が吸水速乾燥性素材で形成されているため、乗員の汗などの水分を表皮層で吸収するとともに吸収した水分をすばやく拡散させて乾燥させることができる。したがって、汗などによるジメジメ感といった不快感を乗員に与えにくく、着座感を良好なものとすることができる。
また、中間層が抗菌性素材で形成されているため、車両用シートカバー内での雑菌の繁殖を防止することができる。したがって、車両用シートカバーを常に清潔に保つことができる。
さらに、裏面層が疎水性素材で形成されているため、表面側から吸収された水分の移動が裏面層で阻止され、車両用シートへ移行しにくい。したがって、乗員の汗やにおいなどが車両用シートへ移行しにくく、車両用シートを常に清浄な状態に保つことができる。
この場合、前記吸水速乾性素材、前記抗菌性素材及び前記疎水性素材は、いずれもポリエステル繊維で形成されると好適である。
このように、表面層を構成する吸水速乾性素材、中間層を構成する抗菌性素材、裏面層を構成する疎水性素材がいずれも同じポリエステル繊維で形成されているため、熱などによる各層の融着が容易であり、またいったん融着されると各層が強固に固着して剥がれにくくなっている。さらに、各層が同じポリエステル繊維で構成されているため、リサイクルの際に各表面層、中間層、裏面層を分離させて材料ごとに分ける必要が無く、分別が容易である。
この場合、前記吸水速乾性素材は、断面形状が非円形の単糸を少なくとも含む繊維を撚糸して得られた繊維であり、前記疎水性素材は、断面形状が略円形の単糸のみからなる繊維を撚糸して得られた繊維であることが好ましい。
このように、表面層を構成する吸水速乾性素材が非円形断面(異形断面)の単糸を撚糸して得られた繊維であるため、単糸間に隙間が多く、吸湿性、通気性が良好である。一方、裏面層を構成する疎水性素材は略円形断面の単糸を撚糸して得られた繊維であるため、単糸間の隙間が吸水速乾性素材よりも少なく、防水性に優れている。
このように、吸水速乾性素材と疎水性素材がいずれも同じポリエステル繊維であり、その断面形状が異なっているだけなので、熱などによる融着が特に容易であり、融着後の各層が剥がれにくく、また分別も容易である。
また、前記表皮層、前記中間層及び前記裏面層は、超音波圧着によりラミネート処理されていることが好ましい。
このように、各層が超音波圧着によりラミネート(貼着)処理されているため、例えばキルティング糸を用いた多針キルト加工により積層させた場合のように、素材間を接合するため針による貫通穴が形成されることがない。したがって、貫通穴から中間層の材料がはみ出したり、貫通孔を通じて外部からダニ等が侵入したりすることがない。
前記シートバックカバーと前記ヘッドレストカバーとが連結されていることが好ましい。
このように、シートバックカバーとヘッドレストカバーとが連結されているため、ヘッドレストカバーの紛失を防止することができる。
また、前記シートバックと前記シートクッションとの隙間に挿通可能なシート固定部を更に備えると好適である。
このような構成を備えるため、シートバックとシートクッションとの隙間にシート固定部を挿入することで、車両用シートに取り付けた車両用シートカバーを車両用シートから外れにくくすることができる。
本考案の車両用シートカバーは、吸水速乾燥性素材で形成された表皮層と、抗菌性素材で形成された中間層と、疎水性素材で形成された裏面層とを備えている。このため、乗員の汗などの水分を表皮層で吸収して乾燥させることで、乗員の着座感を良好とすることができる。また、中間層で車両用シートカバー内での雑菌の繁殖を防止することで、車両用シートカバーを常に清潔に保つことができる。さらに、裏面層で車両用シートに汗や臭いなどが移行を阻止することで、車両用シートを清浄な状態に保つことができる。
したがって、本考案の車両用シートカバーによれば、車両用シートへの着脱が容易であるとともに、乗員に良好な着座感を与え、かつ車両用シートカバー自体や車両用シートを常に清浄に保つことができる。
以下に、本考案の車両用シートカバーについて説明する。なお、以下に説明する部材やその配置等は、本考案を限定するものではなく、本考案の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図4は本考案の一実施形態に係る車両用シートカバーについて説明する図であり、図1は車両用シートカバーの背当面被覆部の断面図、図2は車両用シートカバーを正面側から見た状態を示す斜視図、図3は車両用シートカバーを背面側から見た状態を示す斜視図、図4は車両用シートカバーを車両用シートに取り付けた状態を示す斜視図である。
はじめに、本実施形態に係る車両用シートカバーの構成について説明する。なお、車両用シートカバーが装着される車両用シートの構成については図5の従来例に示すとおりである。
図2〜4に示すように、本実施形態の係る車両用シートカバー1は、シートバック52を被覆するシートバックカバー2と、シートクッション53を被覆するシートクッションカバー3と、ヘッドレスト54を被覆するヘッドレストカバー4とを有している。本実施形態の車両用シートカバー1は、シートバック52、シートクッション53、ヘッドレスト54のすべてを覆うフルシートカバーとなっている。
シートバックカバー2は、シートバック52の背当面52aを被覆する背当面被覆部21と、ヘッドレスト54に設けられたヘッドレスト取付部54aの周辺部を被覆する上面被覆部22と、シートバック52の右側面を被覆する右側面被覆部23(図2,3参照)と、シートバック52の左側面を被覆する左側面被覆部24と、シートバック52の裏面を被覆する裏面被覆部25(図2,3参照)と、裏面被覆部25を上面被覆部22と右側面被覆部23に着脱自在に止着するドットボタン26と、シートバックカバー2を車両用シート50に固定するためのシート固定部27(図3参照)と、を備える。背当面被覆部21と上面被覆部22は、本発明の正面被覆部20に相当する。
背当面被覆部21は、シートバック52のうち乗員の背中に当接する領域を被覆する部材であり、本実施形態では縦長の長方形状のシート部材により形成されている。背当面被覆部21の上端部は上面被覆部22の下端部に縫着されている。
上面被覆部22は、シートバック52のうち乗員の肩口に対応する領域を被覆する部材であり、横長の長方形状部材により形成されている。上面被覆部22の上部中央部には、左右一対の切欠き部22aが形成され、その間は突出部22bとなっている。
右側面被覆部23と左側面被覆部24は、いずれも半円状をしており、それぞれ上面被覆部22の右側端、左側端に縫着されている。
裏面被覆部25は、帯状部材で構成され、その一方の側端部が左側面被覆部24の側部に縫着されている。裏面被覆部25の中央部には、長手方向に沿って帯状の切欠き孔25aが形成されている。この切欠き孔25aは、シートバック52の裏面に設けられた図示しない取っ手を表面に露出させるための孔である。
裏面被覆部25のうち左側端の3箇所と、上側端の3箇所にはドットボタン26の上型(凹型)が配設されている。また、右側面被覆部23の右側端の2箇所と、背当面被覆部21の上側端の4箇所には、ドットボタン26の下型(凸型)が配設されている。
背当面被覆部21と裏面被覆部25の間、右側面被覆部23と裏面被覆部25の間は、被覆部着脱手段としての複数のドットボタン26,26,・・・により着脱自在となっている。
シート固定部27は、背当面被覆部21の裏面側の下端部(シートクッションカバー3との縫着部近傍)に配置されている。本実施形態のシート固定部27は、布製の袋の内部に樹脂製の円筒状部材が収納された構成をしており、背当面被覆部21の下端部の左右に一対配置されている。
シートクッションカバー3は、シートクッション53の座面53aを被覆する座面被覆部31と、シートクッション53の側面を被覆する側面被覆部32(図3参照)とを備える。
座面被覆部31は、シートクッション53のうち乗員の臀部や大腿部裏面に当接する領域を被覆する部材であり、本実施形態ではシートクッション53の座面形状に対応した略台形の部材で構成されている。座面被覆部31の上端部とシートバックカバー2の背当面被覆部21の下端部とは、縫製により止着されている。
側面被覆部32は、正面視が略U字状の帯状部材で構成されている。側面被覆部32は、座面被覆部31の裏面側(座面と反対面側)に周縁部全体に沿って取り付けられている。側面被覆部32の周縁部には、周方向に沿ってゴム紐などの弾性部材が縫着され、この弾性部材により周縁部が周方向に沿って伸縮自在となっている。
ヘッドレストカバー4は、ヘッドレスト54を覆うためのヘッドレストカバー本体41と、ヘッドレストカバー本体41をシートバックカバー2に連結するための連結帯42とを有している。
ヘッドレストカバー本体41は、ヘッドレスト54の全体を包むことができるように袋状に形成されている。ヘッドレストカバー本体41は、開口部41a(図3参照)を有しており、この開口部41aの周辺に沿ってゴム紐などの弾性部材が縫着され、開口部41aが収縮した状態となっている。
開口部41aの近傍には、短冊状の連結帯42の一端側が取り付けられている。連結帯42の他端側は、シートバックカバー2の突出部22bに取り付けられている。
なお、本実施形態では、各部材を縫製により取り付けているが、接着剤や面ファスナーなどの他の手段によって取り付けてもよい。また、上述した実施形態では、背当面被覆部21と裏面被覆部25の間、右側面被覆部23と裏面被覆部25の間は、ドットボタン26により止着されるが、被覆部着脱手段としてはこれに限定されず、面ファスナーやジッパーといった他の脱着手段でもよい。
次に、シートバックカバー2の背当面被覆部21とシートクッションカバー3の座面被覆部31を構成する素材について説明する。
背当面被覆部21と座面被覆部31は、いずれも同一素材により構成されている。以下、背当面被覆部21を構成する素材について説明するが、座面被覆部31についても背当面被覆部21と同様の素材を用いているため、その説明は省略する。
図1に示すように、背当面被覆部21は、表皮層21aと、中間層21bと、裏面層21cとが積層されたシート材料で構成されている。
表皮層21aは、吸水速乾燥性素材で形成された層であり、車両用シート50に着座した乗員の背中に直接当接する位置に配置されている。
吸水速乾燥性素材とは、汗などの水分の吸収性に優れるとともに、吸収した水分を素早く蒸散させる機能を有する素材である。本実施形態では、吸水速乾燥性素材として、吸水速乾燥性ポリエステル繊維を用いている。吸水速乾燥性ポリエステル繊維としては、例えば、断面星型やX字型、Y字型などの非円形断面(異形断面)を有する単糸を含む複数の単糸を撚糸した繊維が挙げられる。このような繊維では、単糸間に多くの隙間が存在するため、繊維内部へ水分が吸収されやすく、吸水性、水分拡散性が高い。
この場合、繊維を構成する単糸としては、異形断面の単糸を少なくとも含むものであればよく、異形断面のみを撚糸した繊維や、異形断面と円形断面を組み合わせて撚糸した繊維も含まれる。
また、異形断面を有する単糸は、同一形状の単糸のみからなるものでもよく、異なる形状の単糸(例えば、星型とX字型など)を2種類以上組み合わせたものでもよい。
吸水速乾燥性ポリエステル繊維の具体例としては、「セオ・アルファ(登録商標)」(東レ株式会社製)、「ウエルキィ(登録商標)」(帝人株式会社製)、「クールマックス(登録商標)」(デュポン社製)、「アクアステルス(登録商標)」(KBセーレン株式会社製)、「キラット(登録商標)」(KBセーレン株式会社製)、「テクノファイン(登録商標)」(旭化成せんい株式会社製)、「テクノスター」(旭化成工業株式会社製)、「エーゲ(登録商標)」(三菱レイヨン株式会社製)、「スペースマスター(登録商標)」(株式会社クラレ製)などが挙げられる。このうち、吸水・速乾燥性が高いことや洗濯による劣化が小さいことなどの理由から、特に「セオ・アルファ」が好ましい。
本実施形態の表皮層21aは、吸水速乾燥性ポリエステル繊維を丸編みしたシート状の丸編みニット生地を使用している。
中間層21bは、抗菌性素材で形成された層であり、表皮層21aと裏面層21cとの間に配置されている。
抗菌性素材とは、微生物などの繁殖を防止する機能を有する素材である。抗菌性素材は、酸化銀や酸化チタンといった抗菌性物質を含有する材料で構成されている。本実施形態では、抗菌性素材として、ポリエステル繊維で形成された抗菌防臭不織布を用いている。抗菌防臭不織布は、アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素などの悪臭の要因となる物質を分解する消臭効果や、大腸菌、黄色ブドウ球菌などの微生物の増殖を抑止する抗菌効果を発揮する。さらに、クロカビ、アオカビなどの増殖を抑制する防カビ効果といった種々の効果を発揮することが好ましい。このような抗菌防臭不織布の具体例としては、「トリプルA(登録商標)」(日本バイリーン株式会社製)などが挙げられる。
裏面層21cは、疎水性素材で形成された層であり、シートバック52の表面と直接当接する位置に配置されている。
疎水性素材とは、水分の浸透を阻止する機能を有する素材である。本実施形態では、疎水性素材として、レギュラーポリエステル繊維を用いている。レギュラーポリエステル繊維は、異形断面を有する単糸を含まずに円形断面を有する単糸のみを撚糸した繊維である。このような繊維は、単糸間の隙間が少ないため、繊維内部への水分の吸収が少なく、疎水性が高い。なお、本実施形態の裏面層21cは、レギュラーポリエステル繊維を丸編みした生地である丸編みニットを使用している。
表皮層21a、中間層21b、裏面層21cは、公知の方法でラミネート(貼着)処理することができる。これらの層を貼着する方法としては、ピンソニック(登録商標)法、熱エンボス法、ヒートシール法、ホットメルト法、ニードルパンチ法、水流交絡法、高周波ウエルダー法、高周波ミシン法などを挙げることができる。このうち特に、以下に述べる点からピンソニック法が好適である。
ピンソニック法は、超音波によって先端から15000〜20000回/秒の機械振動を発振するホーンを表皮層21a側から圧接し、振動による摩擦熱で各層の繊維を溶融して各層を溶着させる方法である。ピンソニック法では、従来の縫着などの方法のように各層に針などによる穴を開ける必要がなく、また溶着により各層を強固に貼着できる。このため、中間層21bが外部にはみ出したり、各層が剥がれたりしにくく好ましい。さらに、ピンソニック法では、表皮層21aと裏面層21cが点圧着されるため圧着面積が少ないため融着部21d以外は熱の影響をほとんど受けず、熱による変性などが生じにくいため好適である。さらに、融着部21d以外の領域では各層が圧着されすぎず十分な通気性が確保される。
このように、背当面被覆部21の表皮層21aが吸水速乾燥性素材で形成されているため、乗員の汗などの水分が表皮層21aで素早く吸収されるとともに、吸収された水分が即座に大気中へ拡散されて表皮層21aが乾燥する。したがって、汗などによる不快感を乗員に与えにくく、良好な着座感を乗員に与えることができる。
また、中間層21bが抗菌性素材で形成されているため、背当面被覆部21の内部で雑菌等が繁殖しにくく、汚れや悪臭などを防止することができる。したがって、車両用シートカバー1を常に衛生、清潔に保つことができる。
さらに、裏面層21cが疎水性素材で形成されているため、表皮層21a側から吸収された水分の移動が裏面層21cで阻止され、裏面層21cに当接する車両用シート50へ移行しにくい。したがって、乗員の汗や臭いなどが車両用シート50に移りにくく、車両用シート50を常に清浄な状態に保つことができる。
以上のように、乗員の背中が当接する背当面被覆部21については上記の積層素材で構成されているため、乗員に不快感を与えずに車両用シート50を清浄な状態に保つことができる。
本実施形態ではシートバックカバー2のうち背当面被覆部21以外の被覆部については乗員が直接当接する位置にないため、上記積層素材を用いていない。これらの被覆部については、通常のポリエステル素材といった公知の素材を用いることができる。なお、これらの被覆部についても、背当面被覆部21と同様の積層素材を用いてもよい。
なお、本実施形態では、正面被覆部20のうち少なくとも一部の領域(すなわち、背当面被覆部21)のみが上述した3層積層素材で構成されている。しかしながら、正面被覆部20の他の領域(すなわち、上面被覆部22)についても積層素材を用い、正面被覆部20の全体を積層素材で構成してもよい。
また、上述した実施形態では、背当面被覆部21のすべての領域が積層素材で構成されているが、背当面被覆部21のうち特に乗員の背中が当接する領域のみに積層素材を用い、背中が当接しない領域は他の素材を用いてもよい。
シートクッションカバー3の座面被覆部31についても背当面被覆部21と同じく積層素材で構成されている。具体的には、座面被覆部31の表面層が吸水速乾燥性素材で形成されているため、乗員の臀部や大腿部などから発生する汗を表面層ですばやく吸収して乾燥させることができる。これにより、着座者に良好な着座感を与えることができる。また、座面被覆部31の中間層が抗菌性素材で形成されているため、車両用シートカバー1内での雑菌の繁殖を防止することができる。さらに、座面被覆部31の裏面層が疎水性素材で形成されているため、車両用シート50の座面に汗や臭いなどが移行しにくい。これにより、座面を清浄な状態に保つことができる。なお、この座面被覆部31についても一部の領域のみに積層素材を用いてもよい。
次に、実施形態の車両用シートカバー1を車両用シート50に取り付ける方法について説明する。
まず車両用シートカバー1のドットボタン26の係合状態を解除し、裏面被覆部25を上面被覆部22や右側面被覆部23から取り外した状態にする(図2の状態)。これにより、背当面被覆部21に対して裏面被覆部25を開いた状態となる。次に、車両用シート50の左側方から車両用シートカバー1を被せる。このとき、上面被覆部22の切欠き部22aにヘッドレスト取付部54aが位置するように上面被覆部22を配置する。この状態で、シートバック52の背当面52aは背当面被覆部21により被覆され、右側面は右側面被覆部23により被覆され、左側面は左側面被覆部24により被覆される。
次に、ドットボタン26を係合して裏面被覆部25を上面被覆部22と右側面被覆部23に取り付ける。これにより、シートバック52の裏面は裏面被覆部25により被覆される。
続いて、ヘッドレスト54の前方側からヘッドレスト54の上部と防犯ガラス55との間の隙間にヘッドレストカバー本体41を挿入し、ヘッドレストカバー本体41の開口部41aを指などで押し広げつつヘッドレスト54の上側からヘッドレストカバー本体41を被せる。
また、車両用シート50のシートバック52とシートクッション53との隙間にシート固定部27を入れ込んで車両用シートカバー1を車両用シート50に固定する。これにより、車両用シートカバー1の取付位置がずれたり外れたりしにくくなる。
次に、シートクッションカバー3の側面被覆部32を手で押し広げてシートクッション53の上側からシートクッションカバー3を被せる。シートクッションカバー3を被せた状態では、シートクッション53の座面53a上に座面被覆部31が位置し、シートクッション53の側面に側面被覆部32が位置する。
以上の作業により、車両用シート50に車両用シートカバー1を被せることができる。なお、ヘッドレストカバー本体41のヘッドレスト54への取付け、シートクッション53へのシートクッションカバー3への取付けは、任意の順で行うことができる。
なお、車両用シート50から車両用シートカバー1を取り外すときは、上記の作業を逆に行うとよい。
このように、裏面被覆部25が上面被覆部22や右側面被覆部23と着脱自在となっているため、車両用シートカバー1を車両用シート50に被せたり取り外したりするときにヘッドレスト54から防犯ガラス55を取り外す必要が無い。このため、車両用シートカバー1の交換作業を効率的に行うことができる。
このため、例えば、タクシーなどの業務用車両において運転手各人に車両用シートカバー1を持たせることで、運転手の乗務環境を向上させることができる。
通常、タクシー1台につき2人以上の交替番が設定されているが、本発明の車両用シートカバー1は車両用シート50への着脱が容易である。このため、運転手各人にそれぞれ個別の車両用シートカバー1を持たせ、運転手は乗務の際に自分の所持する車両用シートカバー1を車両用シート50に取り付け、乗務が終了すると車両用シートカバー1を取り外すようにする。
これにより、他の運転手の汗や臭いなどが車両用シートカバー1にしみ込むことがなく、運転手に他人の汗等による不快感を与えることがない。したがって、乗務環境を清潔、快適に保つことができるとともに、乗客に対しても清潔、快適な環境を提供することができる。
車両用シートカバーの背当面被覆部の断面図である。 車両用シートカバーを正面側から見た状態を示す斜視図である。 車両用シートカバーを背面側から見た状態を示す斜視図である。 車両用シートカバーを車両用シートに取り付けた状態を示す斜視図である。 従来の車両用シートカバーを車両用シートに取り付けた状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 車両用シートカバー
2 シートバックカバー
3 シートクッションカバー
4 ヘッドレストカバー
20 正面被覆部
21 背当面被覆部
21a 表皮層
21b 中間層
21c 裏面層
21d 融着部
22 上面被覆部
22a 切欠き部
22b 突出部
23 右側面被覆部
24 左側面被覆部
25 裏面被覆部
25a 切欠き孔
26 ドットボタン(被覆部着脱手段)
27 シート固定部
31 座面被覆部
32 側面被覆部
41 ヘッドレストカバー本体
41a 開口部
42 連結帯
50 車両用シート
52 シートバック
52a 背当面
53 シートクッション
53a 座面
54 ヘッドレスト
54a ヘッドレスト取付部
55 防犯ガラス
101 車両用シートカバー
121 背当面被覆部
122 裏面被覆部
123 側面被覆部
124 ヘッドレストカバー
127a,128a 面状ファスナー
131 シートバック
131a 背当面
131b 側面
132 ヘッドレスト
133 防犯ガラス

Claims (6)

  1. シートバックとシートクッションとヘッドレストを備えた車両用シートに取り付けられる車両用シートカバーであって、
    前記シートバックを被覆するシートバックカバーと、前記シートクッションを被覆するシートクッションカバーと、前記ヘッドレストを被覆するヘッドレストカバーと、を具備し、
    前記シートバックカバーは、前記シートバックの背当面を被覆する正面被覆部と、前記シートバックの裏面を被覆する裏面被覆部と、前記背当面被覆部と前記裏面被覆部との間を分離するとともに、前記正面被覆部と前記裏面被覆部との間で互いに着脱可能な被覆部着脱手段とを備え、
    前記シートクッションカバーは、前記シートクッションの座面を被覆する座面被覆部を備え、
    前記正面被覆部及び前記座面被覆部の少なくとも一部は、吸水速乾燥性素材で形成された表皮層と、抗菌性素材で形成された中間層と、疎水性素材で形成された裏面層とが積層された構造を有することを特徴とする車両用シートカバー。
  2. 前記吸水速乾性素材、前記抗菌性素材及び前記疎水性素材は、いずれもポリエステル繊維で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シートカバー。
  3. 前記吸水速乾性素材は、断面形状が非円形の単糸を少なくとも含む繊維を撚糸して得られた繊維であり、
    前記疎水性素材は、断面形状が略円形の単糸のみからなる繊維を撚糸して得られた繊維であることを特徴とする請求項2に記載の車両用シートカバー。
  4. 前記表皮層、前記中間層及び前記裏面層は、超音波圧着によりラミネート処理されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用シートカバー。
  5. 前記シートバックカバーと前記ヘッドレストカバーとが連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用シートカバー。
  6. 前記シートバック及び前記シートクッションとの間の隙間に挿通可能なシート固定部を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用シートカバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR200460755Y1 (ko) * 2010-07-27 2012-06-13 박경진 자동차좌석의 보조쿠션시트 장착구조

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