JP3138732U - 包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装袋のシール部を掴み、引き裂きにより開封する場合に、把持したシール部の指が滑りにくく、開封しやすくする。また、シール部近傍の裏表をそれぞれ右手、左手で掴み引き剥がす場合に掴んだ指が滑るのを防止する。
【解決手段】包装袋100は、厚み15μの二軸延伸ナイロンと厚み50μのイージーピールシーラントフィルムCMPS017Cを張り合わせて合計厚み65μの積層フィルムからなり4辺を熱シールしてなる。袋の上下シール部10には引き裂きを容易にする鋸刃状ノッチ20を設け、さらに、上辺側シール部の両面に開封に際し把持した指の滑り止めとなる黒色のブチルゴム30をそれぞれ5mm幅程度の帯状で、厚さ30μm〜40μm程度にスクリーン印刷した構成。
【選択図】図1

Description

本考案は、食品、薬剤、化粧品、洗剤等を密封する包装袋に関する。
積層プラスチックフィルム製の包装袋は軽量で気密性に優れ、高強度で取扱い性に便利であるほか、密封するにあたり単に熱融着または超音波融着するだけで足りうるため、液状、粉末状、ペースト状、固形状の食品、薬品など多岐にわたる商品の密封包装袋に使用されている。これらの密封袋にあっては、素材の有する高強度の長所が開封するにあたっては逆に開封し難いという欠点になっている。袋の開封手段としては、ノッチ、傷痕などを袋のシール部または非シール部に付与してそこを開封起点として袋を引き裂いて開封する方法と、袋のシール部分を引き剥がして開封する方法がある。
易剥離性の合掌形状の背シール部とそれに交差する上部シール部と底部シール部を有する積層プラスチックフィルムからなるピロー包装袋において、合掌形状背シール部の融着部外縁の非融着部に滑り止め加工を施し、背シール部分を手指でつかんで容易に剥がして開封することを特徴とする易剥離性包装袋として特開H11−11497号公報が提案されている。
特開平H11−11497号公報
しかし特許文献1における包装袋は滑り止め加工として凹凸のエンボス加工を非融着部に施すものであって、シール部にプラスして非融着部を設けているので包装袋構成材料を多く必要とする。また、背シール部の高さ寸法が大きくなる。さらに、指先が濡れていたり,包装袋の表面が結露している場合はエンボス加工した凹凸でも把持した指が滑りやすい。
さらに、包装袋が小形で掴みにくいもの、例えば、豚まんに付属している袋入り練りからし、握り鮨のパックに付属している袋入り醤油や生姜、刺身の容器に付属する練りワサビ包装袋等は切れ目や切り口の表示文字が小さく分かりにくい。また、包装袋の表面が湿気で濡れており脂ですべりやすい。老眼の人、手指の力が弱い高齢者や障害者にとってこのような包装袋は把持した指が滑って開けにくく、開封箇所も見えずらい。開封に手間取り、苛立って開封した場合は袋から飛び出た醤油やからし等で指を汚したり衣服にかかったりする恐れが多々あった。
本考案は包装袋のシール部を掴み、引き裂きにより開封する場合に、把持したシール部の指が滑りにくく、開封しやすくすることを目的とする。また、シール部近傍の裏表をそれぞれ右手、左手で掴み引き剥がす場合に掴んだ指が滑るのを防止することを目的とする。さらに、小形の包装袋において、老眼やロービジョンの人が切れ目や開封目印、説明文字等を視認できなくても、手触りでその部位を認識でき、滑り止めによって容易に開封可能にすることを目的とする。
本考案にかかる包装袋は、シール部またはシール部近傍の少なくとも一方に、ゴム部材からなる文字または図形の少なくとも一方を描画し,前記シール部または前記シール部近傍を把持する指の滑り止めとしたことを特徴としたもので、包装袋の表面が結露していても,指先が濡れていても,豚まん等の脂が包装袋の表面に付着していても、把持した部分の指が滑りにくく、袋を開封しやすくなる。切れ目や文字を視認できなくても、手触りでその部位を認識でき、指の滑りを抑えて容易に開封できイライラしたり手や衣服を汚したりするのを低減できる。
さらに本考案にかかる包装袋は、ゴム部材により文字または図形を描画する場合、描画手段として一般的な印刷工法等を用いることにより低価格で大量生産を可能にする。
さらに本考案にかかる包装袋は、シール部に切り裂き用の鋸刃状ノッチ、U字形ノッチ、V字形ノッチ、切れ目の内、いずれか一つを備えたことを特徴としたもので、シール部の切り裂きを容易にし、把持部が滑りにくいので幼児や高齢者など指先の力の弱い者でも容易に開封できる。
上記構成により本考案の包装袋は、包装袋のシール部を把持し、引き裂きにより開封する場合に、把持したシール部の指が滑りにくく、開封しやすくなる。また、シール部近傍の裏表をそれぞれ右手、左手で掴み引き剥がす場合にも掴んだ指が滑るのを防止できる。
特に包装袋が小形で掴みにくいもの、脂等で表面が滑りやすいものに対して滑り止め効果が大きい。例えば、寿司に付属する醤油包装袋、生姜包装袋、豚まんの練り辛子を包装した袋、刺身の練りわさび包装袋、インスタント麺に付属する脂とダシの2種類入った包装袋などが挙げられる。前記小形の包装袋は切れ目や切り口の表示文字も小さく分かりにくい。老眼やロービジョンの人にとって切れ目や文字を視認できなくても、手触りでその部位を認識でき、容易に開封できイライラしたり手や衣服を汚したりするのを低減できる。
本考案にかかる包装袋は上述の通りである。包装袋を構成する部材は一般的に使用される任意の部材としてよい。紙製、アルミニウム箔製、アルミニウムとプラスチックのラミネート製、プラスチックフィルム製などに大別される。プラスチックフィルムは一層であってもよいし、異なる種類のプラスチックを多層に積層したものであってもよい。また、シール部を形成する主平面に熱圧着に適した樹脂部材等を塗布したものであってもよい。
さらに、通常のイージーオープンタイプの材料として、例えば延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ナイロンフィルム等の蓋材にイージーピール性を有するシール層を積層したもの、あるいは、これらに必要に応じて、アルミ箔、エチレンビニルアルコール共重合体層、無機質蒸着層などを積層した積層体を挙げることができる。
例えば、厚み15μの二軸延伸ナイロンと厚み50μの東セロ 製のイージーピールシーラントフィルムCMPS017Cをウレタン接着剤を用いてドライラミネート法によって張合わせた合計厚み65μの積層フィルム、あるいは厚み15μの二軸延伸ナイロンと厚み60μの東セロ 製のイジーピールシーラントフィルムTAF650CをTダイから押出した20ミクロンのポリエチレンを用いてサンドポリ法によって張合わせた合計厚み95μの積層フィルムなどが用いられる。
なお、前記包装材の厚さは、特に制限されるものではないが、密封性、取り扱い性などを考慮すれば、通常、30〜100μm、特に40〜70μm程度が好適である。
包装袋のシール部はヒートシール、超音波溶接などで接合(接着)される。ヒートシールの幅は特に制限されるものではなく、用途や収納物の重量等に合わせて適宜選定することができるが、密封性、取り扱い性などを考慮すれば通常、2〜15mm、特に3〜10mm程度が好適である。
包装袋内には食品、調味料、薬剤、洗剤、その他、多岐にわたる物品が収納・保存される。食品としては、例えば各種スナック菓子、カレー、麺類など、調味料としては醤油、脂、ダシ、練りわさび、練り辛子などが包装される。
シール部またはシール部近傍の少なくとも一方に、把持する指の滑り止めを目的としてゴム部材を配設する場合、前記ゴム部材の塗布膜厚は20μm〜200μm、好ましくは40μm程度以上とするのが好ましい。塗布パターンはベタ塗り(帯状、矩形、円形など)、網目状、線状、ドット状など任意の文字・図形としてよい。塗布手段はスクリーン印刷、スプレー塗布、インクジェット印刷、タンポ印刷、ディップ塗布など公知の方法を任意に用いればよい。ゴム部材はシール部の両面、包装袋の両面(表面、裏面)に塗布するのが好ましい。しかし別段、片面に塗布するのみであっても一向に差し支えない。
ゴム部材としては公知の部材、例えば天然ゴム、スチレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム等から選んだ一つとするのが好ましい。ゴムの代用に軟質樹脂たとえば硬度が20度以下の塩化ビニール、スチロール樹脂などを配設するようにしてもよい。ゴム部材の色は黒、赤褐色、グレイなど老眼やロービジョンの人でも視認しやすい色とするのが望ましい。
シール部またはシール部近傍に滑り止めのゴム部材を設けることに加えて、シール部に鋸刃状ノッチ、U字形ノッチ、V字形ノッチ、切れ目の内、いずれか一つを備えることによりシール部の切り裂きと開封を容易にするのが好ましい。
以下、本考案の包装袋を図面とともに説明する。図1は本考案の一実施例における包装袋の正面図を示す。
図1に示す包装袋100は正面視が略矩形で、内部にカレーを密封包装してなる。包装袋100は、厚み15μの二軸延伸ナイロンと,厚み50μの東セロ製のイージーピールシーラントフィルムCMPS017Cとをウレタン接着剤を用いてドライラミネート法によって張合わせた合計厚み65μの積層フィルムからなり、4辺を熱シールしてなる。符号10はシール部、符号40は収納部を示している。包装袋の上下シール部には引き裂きを容易にする鋸刃状ノッチ20を設けている。さらに、上辺側シール部の両面に開封に際し把持した指の滑り止めとなる黒色のブチルゴム30をそれぞれ5mm幅程度の帯状で、厚さ30μm〜40μm程度にスクリーン印刷してなる。
上記構成により本考案の包装袋100は上辺側シール部を把持する指先の力が弱くても容易に引き裂き、開封できる。水で指先が濡れていても、上辺側シール部の表面が結露していても把持する指がブチルゴム30で滑りにくい。
図2は本考案のもう一つの実施例における小形の包装袋200の正面図を示す。包装袋200は正面視が略矩形で、内部に練りわさびを密封包装してなる。包装袋200は、厚さ40μmの延伸ポリプロピレンフィルムからなり4辺を熱シールしてなる。符号210はシール部、符号240は収納部を示している。袋の上辺側シール部には引き裂きを容易にする切れ目220を設けている。さらに、前記切れ目の両側に開封に際し把持した指の滑り止めとなる黒色のブチルゴム230R、230Lをそれぞれ2〜3mm幅の帯状で厚さ30μm〜40μm程度にスクリーン印刷してなる。ブチルゴム230R、230Lの長さはそれぞれ5mm程度、10mm程度とし、包装袋の両面に印刷した。
上記構成により本考案の包装袋200は上辺側シール部を把持する指先の力が弱くても容易に引き裂き、開封できる。袋の表面に食材の脂が付着していても把持した指がブチルゴム30で滑りにくい。老眼やロービジョンの人でも容易に引き裂き箇所を手触りで認識できる。
なお、前記ブチルゴム230R、230Lの帯の幅、長さは包装袋の大きさや収納部材の量、種類に応じて適宜設定してよいことは自明である。上辺側シール部の全域にわたって塗布していてもよい。さらに、ブチルゴム230R、230Lは1つの帯状に繋がっていてもよい。さらに、包装袋の両面に塗布するのが好ましいが片面側にのみに塗布した構成としてもよい。さらに図4に示すごとく、切れ目220に代えV字形ノッチ420を設けてよいことも自明である。切れ目やノッチの配設位置も上辺側に限るものでなく側辺側であってもよい。
図3は本考案のもう一つの実施例における包装袋300の正面図を示す。基本的な構成は実施例1の場合と同様である。この場合の包装袋300は、上辺側と下辺側のシール部に鋸刃状ノッチ320を設けて引き裂きを可能にすると共に、包装袋300の両側主面を引っ張って上辺側のシール部を剥離可能にしたものである。
即ち、上辺側のシール部近傍の両面(包装袋の表面と裏面)に黒色のブチルゴム30をそれぞれ8mm幅程度の帯状で、長さ約100mmにわたって、塗布厚さ30μm〜40μm程度にスクリーン印刷してなる。帯状の長さは親指と人差し指で摘める程度に適宜、設定すればよい。
上記構成により本考案の包装袋300は鋸刃状ノッチ320を用いて引き裂き開封できる。また、上辺側のシール部を剥離可能にする。水で指先が濡れていても、包装袋の表面が結露していてもブチルゴム30を把持した指が滑りにくく開封しやすい。
なお、上記各実施例において、滑り止めのゴム部材を包装袋の任意の部位に塗布してよいことは前述した。上記実施例のほかに例えば、合掌形状の背シール部を備えた包装袋において、前記背シール部の近傍両側に平行状に2条の帯状ゴム部材を塗布して指の滑り止めとし、前記背シール部を剥離するようにしてもよい(図示せず)。
包装袋の形態についても任意で、包装袋がジッパー(チャックシール)を備えた構成であっても一向に差し支えない。その場合たとえば、ジッパーと上辺側シール部との間に、ジッパーと平行に帯状に滑り止めのゴム部材を配設し、前記上辺側シール部を切り取った後の開封を容易にする構成などとしてもよい(図示せず)。その場合、切り取り線を被覆するごとく帯状に滑り止めのゴム部材を配設するようにしてもよい(図示せず)。
本考案は食品の包装袋のみならず食品以外の物品たとえば薬剤、医療品、洗剤、化粧品など多岐に渡る日用品の包装袋にも利用できる。
本考案の一実施例における包装袋の正面図 本考案のもう一つの実施例における包装袋の正面図 本考案のもう一つの実施例における包装袋の正面図 本考案のもう一つの実施例における包装袋の正面図
符号の説明
10、210、310、410 シール部(封止部)
20、320 鋸刃状ノッチ
30、230R、230L、330、430R、430L ゴム部材(滑り止め)
40、240、340、440 収納部
100、200、300、400 包装袋
220 切れ目
420 V字形ノッチ

Claims (2)

  1. シール部またはシール部近傍の少なくとも一方に、ゴム部材からなる文字または図形の少なくとも一方を描画し,前記シール部またはシール部近傍を把持する指の滑り止めとしたことを特徴とする包装袋。
  2. シール部に切り裂き用のノッチまたは切れ目のいずれか一方を備えたことを特徴とする請求項1記載の包装袋。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010241448A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Kawakami Sangyo Co Ltd 収納袋
JP2014213933A (ja) * 2013-04-30 2014-11-17 株式会社Mizkan Holdings 包装袋

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