JP3138352B2 - 洗濯機の脱水制御方法 - Google Patents

洗濯機の脱水制御方法

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JP3138352B2 JP05039717A JP3971793A JP3138352B2 JP 3138352 B2 JP3138352 B2 JP 3138352B2 JP 05039717 A JP05039717 A JP 05039717A JP 3971793 A JP3971793 A JP 3971793A JP 3138352 B2 JP3138352 B2 JP 3138352B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は洗濯機の脱水制御方法に
係り、さらに詳しくは、異なる電源周波数地域で共用し
うる洗濯機の脱水制御方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から日本国内においては、電源周波
数が50Hz仕様の地域と60Hz仕様の地域とがあ
り、洗濯機については、モータの回転数が周波数により
影響されることから、現状においては50Hz仕様の専
用機と60Hz仕様の専用機とが、夫々別々に生産され
ている。このような各専用機は、通常、モータから脱水
槽等に回転を伝達するプーリ比を夫々変えることによっ
て、実際の回転数ではいずれもほぼ同じになるような手
段が取られている。勿論、この場合には当然乍ら制御回
路については、夫々機械的に50Hzおよび60Hzの
回転数に設定されているため、事更50Hzおよび60
Hzの制御方法の間に差異を設ける必要はなかった。
【0003】しかしながら、近年、生産性、流通性ある
いはユーザメリットなどの面から、各周波数共用可能な
洗濯機の開発についての要望が高まるに至っている。と
ころで前記の従来技術で示したように、洗濯機のモータ
の回転数は電源周波数により影響をうけるものであるか
ら、従来の制御方法を用いてそのまま共用化を実施した
場合、電源周波数が50Hzでは、モータの回転が遅い
ので、脱水性能が悪い、などの不具合が発生する。一
方、電源周波数が60Hzであると、逆にモータの回転
が速すぎるため、脱水自体は良く行なわれるものの、回
転数が急上昇するため、脱水槽が振動を起しやすくなる
とか、あるいは脱水回転が速くてかつ回転時間が長いの
で、布の損傷を起すなどの不都合な点が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】なお、洗濯制御につい
ても以上のような問題に対処するためにいくつかの提案
がなされており、たとえば特開昭62−298394号
公報には、パルセータを左右回転させるモータと、この
モータに電力供給する電源の周波数を検知し、モータの
通電を制御する制御部を備え、前記制御部は電源周波数
によりパルセータの左右回転の水流反転時間を制御する
洗濯機の制御装置が開示されており、これによって電源
周波数50Hz時の水流と60Hz時の水流とを同一に
し、洗濯性能を電源周波数に影響されることなく一定に
保つことを期待するものである。
【0005】しかしながら、上記の手段も、理論的には
有効な手段と考えられるものの、実際の洗濯に際して
は、対象となる洗濯物の量、布等の材質、衣類等の種
類、寸法、形状、付属品の有無等によって水流の状態は
微妙に影響されるものであり、従って、実用上は必ずし
も問題がないとは言えない。さらに、これらの手段は、
もとより、脱水工程に応用することができないのは言う
までもない。従って本発明の目的は、異なる電源周波数
地域においても、脱水性能に影響することなく夫々の電
源周波数間で共用可能な洗濯機の脱水制御方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであって、その要旨とするとこ
ろは、洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、該モータに電
力を供給する電源の周波数を検知し、該モータの通電を
制御する制御部を設けるとともに、該制御部に、所望
源周波数に対応する脱水時間のデータを予め備え、す
すぎ後の脱水および若しくは最終脱水時に、前記制御部
により判別された周波数に対応して、本脱水時間のデー
タを選択し、実施する洗濯機の脱水制御方法において、
前記データが、電源周波数が低い場合は脱水時間が長め
に、電源周波数が高い場合は脱水時間が短めに設定して
モータを継続的にONして高速で回転せしめる本脱水工
程の脱水時間である洗濯機の脱水制御方法にある。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【作用】本発明の脱水制御方法においては、洗濯機に印
加された電源周波数を判別し、予め備えられた各電源周
波数に対応する脱水時間のデータを選択するよう構成さ
れているので、周波数が小であればモータの回転数が遅
くなるのに追随して脱水時間等をやや長めにするよう制
御し、一方、周波数が大であればモータの回転数が速く
なるのに追随して脱水時間等をやや短かめにするよう制
御することができる。従って、電源周波数がたとえば5
0Hz仕様の地域と60Hz仕様の地域とにおいて、共
用しうる脱水洗濯機の提供が、これによって可能となる
ものである。
【0011】
【実施例】以下本発明について、図面を参照しながら詳
細に説明する。まず図1は本発明の脱水制御方法の対象
とする脱水洗濯機の構成を示す概略説明図である。図1
において、5はモータであり、モータプーリ6およびベ
ルト7を介して駆動力がセンタープーリ8に伝達される
よう配置されている。また3は洗濯用の水流を起すパル
セータ、9は脱水槽であって、洗濯兼脱水機の外槽15
内に収容され、前記センタープーリ8の回転により回転
するが、パルセータ3あるいは脱水槽9のいずれが回転
するかは、排水弁4のON/OFFと同時に作動する図
示しない切替スイッチにより決められるよう構成されて
いる。すなわち排水弁4がONの場合にモータ5を回転
させれば脱水槽9が回転し、脱水が行なわれ、一方、排
水弁4がOFFの場合にモータ5を回転させればパルセ
ータ3が回転し、洗濯が行なわれるよう構成されている
ものである。なお、2は給水弁であり、また1は後述す
るようにモータ5の通電制御を行なう制御回路である。
【0012】次に図2により本発明の脱水制御方法の対
象とする脱水洗濯機のすすぎ後の脱水および最終脱水時
における脱水工程について説明する。すなわち図2はこ
のような洗濯機の脱水工程を示す模式図であって、同図
に示すように脱水工程を(a)間欠脱水、(b)本脱
水、(c)慣性脱水と3つに区分することができる。ま
ず(a)間欠脱水とは、脱水の初期に行なわれるもので
あって、同図下の線図(a)に示すようにモータ5のO
N/OFFをt1秒間ON、t2秒間OFFを繰り返えし
行なうことによってモータ5を間欠的に回転させ、かつ
次に実施する本脱水よりも低い回転数で脱水槽9の回転
を行なわせるものである。これは主として脱水立上がり
時において、振動を軽減させ、脱水槽9の回転がアンバ
ランス状態となるのを防止する目的がある。
【0013】次に(b)の本脱水とは、モータ5を継続
的にONとすることにより、脱水槽9を高速で回転せし
めるものである。最後に(c)の慣性脱水とは、本脱水
(b)の終了後に、モータ5がOFFとされても脱水槽
9が慣性によって回転し続けるので、この慣性のみで脱
水槽9を停止に至るまで回転させることができ、これを
慣性脱水と称し、ゆるやかな脱水回転の停止を目的とす
るものである。このように脱水工程は以上の3工程によ
り構成されているものである。なお、(b)の本脱水な
らびに(c)の慣性脱水におけるモータのON/OFF
状況は図2の線図に併せて示されている。
【0014】次に本発明の脱水制御方法におけるモータ
5の制御手段について図3に基いて説明する。図3の回
路は、先に図1について述べたモータ5の通電制御回路
1の構成を示す回路図であって、この場合、電源周波数
として50Hz/60Hz間でデータの選択の行なわれ
る場合を例示している。図3の回路において、モータ5
の通電制御はマイクロコンピュータ14により、モータ
ドライブ回路13を介して行なわれるものであるが、そ
の際、電源クロック回路12が所定の電源周波数、この
場合はAC100Vの50Hzあるいは60Hz、を前
記マイクロコンピュータ14に入力させることによって
50Hz/60Hzの判定を行なわせる機能を有するも
のである。なお、図3において、10は右回転用モータ
トライアック、11は左回転用モータトライアックであ
って、モータ5の正逆転用のスイッチング素子を構成し
ている。
【0015】一方、モータ5の回転数は電源周波数によ
り影響をうけるものであり、たとえば電源周波数として
50Hz/60Hzの共用をはかる場合には、50Hz
で運転する際のモータ5の回転数よりも60Hzで運転
する際のモータ5の回転数の方が大きくなるという関係
になる。そこでこの関係を考慮して、前記の制御部であ
るマイクロコンピュータ14による電源周波数の判定値
に基いて、図2の本脱水(b)の工程で本脱水時間を電
源周波数に対応して、データを選択して切り換え、本脱
水工程を実施するものである。そこで前述のように50
Hz/60Hzの共用をはかる場合には、50Hzで運
転する際には60Hzで運転する場合よりもモータ5の
回転数が下るため、本脱水時間を長めとし、逆に60H
zで運転する際には50Hzで運転する場合よりもモー
タ5の回転数が増すので、本脱水時間を短かめとするも
のである。
【0016】以上の手段により、異なる電源周波数につ
いての共用化をはかった場合、モータ回転数のちがいに
よる脱水性能への影響を避けることができるものであ
る。この場合、夫々の電源周波数における本脱水時間の
値は、使用されるモータ、その他の条件などで変動する
ので、予め実験的に適正値を見出しておき、それらをマ
イクロコンピュータ14に入力させておけば良い。これ
らの手段は電源周波数が前記の一例の如く50Hz/6
0Hzの間の共用化に限らず、これ以外の電源周波数を
対象とする場合にも、同様に適用しうることは言うまで
もない。
【0017】また、本発明においては、本脱水時間の選
択を前記の通り電源周波数に対応して行なうとともに、
さらに、モータ5の慣性回転により脱水槽9の回転する
前述の慣性脱水の時間についても電源周波数に対応して
変更するものである。たとえば前記の50Hz/60H
zの共用の例について述べると、本脱水時におけるモー
タ5の回転数が、先に述べた如く、50Hz運転の際よ
りも60Hz運転の際の方が大きいので、慣性回転で脱
水槽が回り続ける時間も当然乍ら60Hz運転の際の方
が50Hz運転の際よりも長くなる。図4はこれらの関
係を示す線図であって、同図に見られる如く、50Hz
運転の際には慣性回転がt3秒間行なわれるのに対し、
60Hz運転の際には慣性回転がt4秒間行なわれる
(t3<t4)ので、緩やかな脱水槽9の停止と、無駄な
時間を節約することをはかるには、各電源周波数に対応
して慣性脱水時間を変更することが有効である。
【0018】さらに、本発明においては、本脱水時間の
選択を前記の通り電源周波数に対応して行なうととも
に、さらに、脱水工程の初期における間欠脱水の時間に
ついても、使用される電源周波数に対応して変更するこ
とも実施されるものである。さらにこの場合、たとえば
前述の50Hz/60Hzの共用を例にとれば、モータ
5の運転について図2により先に示した間欠脱水のモー
タ5のON時間t1とOFF時間t2とに関して、50H
zの場合と60Hzの場合とではモータ5の立上り時間
が異なるため、同じ周期で50Hzもしくは60Hzで
の運転を行なうと、振動の発生、あるいは脱水されるべ
き洗濯物の脱水槽9内でのバランスの面などで不都合な
点が種々生じるようになる。そこで、50Hz運転の際
の前記t1,t2と、60Hz運転の際の前記t1,t2
は、夫々の電源周波数に対応させて変更せしめることが
有効であり、これがとりもなおさずより良い脱水運転の
実施につながるものである。
【0019】さらに本発明においては、図2に示された
脱水工程のすべての工程、すなわち(b)の本脱水はも
とより、(a)の間欠脱水ならびに(c)の慣性脱水
の、(a)〜(c)すべての工程について電源周波数に
対応して脱水時間の変更を行なっても良いことは言うま
でもないことであり、夫々の電源周波数に対応する各々
の脱水工程の脱水時間のデータを予めマイクロコンピュ
ータ14に入力しておき、これに基いて制御を行なうこ
とによって、電源周波数の異なる地域において脱水性能
に影響されることなく、共用可能に脱水洗濯機の脱水制
御を実施することかできるものである。
【0020】
【発明の効果】以上詳細に述べた通り、本発明によれ
ば、電源周波数が異なる場合、いずれの周波数において
も、脱水工程で適当な脱水時間が選択されるよう制御さ
れるので、いずれの周波数による脱水回転数でも最良の
脱水性能が確保される。従ってたとえば電源周波数が5
0Hz/60Hzの両地域において共用することが可能
の脱水洗濯機の提供を容易に行えるようになる しか
も、制御部により判別された周波数に対応して、最良の
脱水性能の得られる脱水時間のデータを選択し、該デー
タの脱水時間に渡って前記モータに通電して駆動運転を
するので、モータが継続(連続)的に駆動され、モータ
が断続的に駆動されるものに比較して、モータの騒音を
低減することができるとともに、脱水物(洗濯物)量の
多少により生じる慣性の影響も少なくモータの回転数の
バラツキも少なくすることができて脱水時間の制御が容
易且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる脱水洗濯機の構成を示す概
略説明図である。
【図2】脱水洗濯機の脱水工程を示す模式図である。
【図3】図1の脱水洗濯機のモータの通電制御回路の構
成を示す回路図である。
【図4】電源周波数の違いによる慣性脱水時間の差を示
す線図である。
【符号の説明】
1 制御回路 2 給水弁 3 パルセータ 4 排水弁 5 モータ 6 モータプーリ 7 ベルト 8 センタープーリ 9 脱水槽 10 右回転用モータトライアック 11 左回転用モータトライアック 12 電源クロック回路 13 モータドライブ回路 14 マイクロコンピュータ 15 外槽
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−228896(JP,A) 特開 平2−63499(JP,A) 特開 平4−327887(JP,A) 特開 平4−322697(JP,A) 実開 昭61−172302(JP,U) 実開 昭61−106194(JP,U) 実開 平1−25091(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 33/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、該モ
    ータに電力を供給する電源の周波数を検知し、該モータ
    の通電を制御する制御部を設けるとともに、該制御部
    に、所望の電源周波数に対応する脱水時間のデータを予
    め備え、すすぎ後の脱水および若しくは最終脱水時に、
    前記制御部により判別された周波数に対応して、本脱水
    時間のデータを選択し、実施する洗濯機の脱水制御方法
    において、前記データが、電源周波数が低い場合は脱水
    時間が長めに、電源周波数が高い場合は脱水時間が短め
    に設定してモータを継続的にONして高速で回転せしめ
    る本脱水工程の脱水時間であることを特徴とする洗濯機
    の脱水制御方法。
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