JP3138001B2 - 発現制御ベクター及び該ベクターを保有する微生物並びに該微生物を用いる有用物質の製造法 - Google Patents

発現制御ベクター及び該ベクターを保有する微生物並びに該微生物を用いる有用物質の製造法

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JP3138001B2 JP03089017A JP8901791A JP3138001B2 JP 3138001 B2 JP3138001 B2 JP 3138001B2 JP 03089017 A JP03089017 A JP 03089017A JP 8901791 A JP8901791 A JP 8901791A JP 3138001 B2 JP3138001 B2 JP 3138001B2
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイオテクノロジーに
関するものであり、更に詳細には、本発明は、新規発現
制御ベクター及び発現制御ベクターに外来遺伝子を結合
してなるベクターをバチルス・ブレビスに保有せしめて
なる微生物、並びに該微生物を培養し、培養物中に外来
遺伝子産物を生成蓄積せしめこれを採取することを特徴
とする該産物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】鵜高らはバチルス・ブレビス(Baci
llus brevis)にはプロテアーゼを生産しな
い菌株が多いことを見いだし、その1菌株バチルス・ブ
レビス47(FERM P−7224:特開昭60−5
8074号公報、特開昭62−201589号公報参
照)の主要菌体外タンパク質(H.Yamagata
ら、J.Bacteriol.,167,1239(1
987);塚越規弘、日本農芸化学会誌、61,68,
(1987)および特開昭62−201583号公報に
それぞれ“outer wall protein a
nd middlewall protein”、“主
要菌体外タンパク質”として記載されている。)遺伝子
のプロモーターおよび該主要菌体外タンパク質の1種で
あるMWタンパク質(middle wall pro
tein)のシグナルペプチドをコードする領域を用い
て分泌ベクターを作製し、本菌株を宿主としてα−アミ
ラーゼ(特開昭62−201583号公報、H.Yam
agataら、J.Bacteriol.,169,1
239(1987)やブタペプシノーゲン(鵜高重三、
日本農芸化学会昭和62年度大会講演要旨集、p837
−838;塚越規弘、日本農芸化学会誌、61,68
(1987))の分泌生産に成功している。
【0003】また、高木らはバチルス・ブレビスの中で
プロテアーゼを菌体外に生産しない菌株バチルス・ブレ
ビスHPD31(なお、この菌株は本明細書におけるバ
チルス・ブレビス102(FERM BP−1087)
と同一菌株である)を分離し、これを宿主として耐熱性
α−アミラーゼの高分泌生産(Agric.Biol.
Cem.,58,2779−2380(1989)や、
山形らによるヒトEGFの高分泌生産(Proc.Na
th.Acad.Sci.USA,86,3589−3
539(1989))に成功している。
【0004】
【発明が解決しようとる課題】バチルス・ブレビスを宿
主菌とする外来遺伝子産物の生産性については、遺伝子
組換え技術を適用する以前の生産量及び大腸菌を宿主菌
とする系に比べ飛躍的に向上しているが、産業上有用な
物質を安価に供給するにはもう一段の技術開発が必要と
されている。従来、バチルス・ブレビスを宿主菌とする
系で使用しているベクターは、Staphylococ
cus aureus由来のpUB110をベースとす
るもので、バチルス・ブレビス内に安定に保持するため
には抗生物質等の薬剤の存在が必須であること、また高
コピープラスミドであり、短期間に多量の遺伝子発現が
起こるために、宿主菌であるバチルス・ブレビスに重大
なダメージを与え、結果として、遺伝子産物の生産が少
ないということが頻繁に認められた。また、外来遺伝子
産物の中には、宿主菌であるバチルス・ブレビスの生育
に悪影響を及ぼすものもあり、該遺伝子産物の生産と同
時に生育が阻害され、その結果として遺伝子産物の生産
も少ない場合も推測されている。
【0005】従って、宿主菌との適合性、調和性がよく
かつ菌の増殖と外来遺伝子産物の生産時期を人為的に制
御可能な宿主ベクター系が開発されれば、宿主菌の増殖
も良好で、外来遺伝子産物の生産量も多い条件を設定可
能となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した業界のニーズに
加え、更に、バチルス・ブレビスが汎用性の高い宿主と
して利用可能であること、また同菌がコンピテントな菌
を冷凍保存できること、そしてまた電気パルス法等によ
り形質転換が容易であることに鑑み、バチルス・ブレビ
スの工業的有用性に着目して、バチルス・ブレビスで安
定でかつ外来遺伝子産物の人為的生産制御が可能なベク
ターを開発すべく鋭意検討した結果、大腸菌lacオペ
レータ遺伝子、大腸菌リプレッサー構造遺伝子をバチル
ス・ブレビスで発現可能なプラスミドの一部に挿入する
ことにより非常に有効なベクターを構築することに成功
し本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明はバチルス・ブレビスで安定
に発現し、且つ、外来遺伝子産物の人為的生産制御可能
なベクターに関するものである。また、更に、本発明は
このベクターに目的とする外来遺伝子を結合してなる発
現制御ベクター、該ベクターを保有する形質転換体、及
び該形質転換体を培養することによる外来遺伝子産物の
非常に効率のよい大量分泌生産法に関するものである。
【0008】以下、本発明について詳しく説明する。
【0009】発明ベクターの構築に使用するプラスミド
としては、バチルス・ブレビスで発現可能なプラスミド
であれば何れでも良いが、例えば、MWPのプロモータ
ー領域を持つプラスミドpNU210(J.Bacte
riol.,171,1010−1016(1989)
が有効に使用される。プラスミドの調製としては、既知
の方法、例えば田中らの方法(J.Bacterio
l.,129,1487−1494(1977))が挙
げられる。
【0010】プロモーターとしてはバチルス・ブレビス
で機能するものであれば何でも良いが、バチルス・ブレ
ビス由来のプロモーターが好ましく、例えば前述のバチ
ルス・ブレビス47(FERM P−7224)の主要
菌体外タンパク質遺伝子(MWP遺伝子)のプロモータ
ー及びバチルス・ブレビスHPD31(FERM BP
−1087)のプロモーターなどが挙げられる。プロモ
ーター領域を含有するDNAは上記プロモーター以外に
SD配列、翻訳開始コドンなどを有していることが必要
である。
【0011】上記のように、バチルス・ブレビス47の
MWPプロモーター領域を含有するDNAは既知である
ので(J.Bacteriol.,172,1312−
1320(199)、必要部分を制限酵素で切断してお
き、これをサブクローニング用ベクター(形質転換体と
してE.coliを用いてる場合には、pUC118、
pUC119等のpUC系プラスミド又はpBR322
系のプラスミドが好適である)に挿入し、そのDNAで
E.coliを形質転換しておけば、目的とするプロモ
ーター領域を含有するDNAが保存される。従って必要
ある場合に、形質転換体からプラスミドを取出し調製し
ておけば、目的とするプロモーターを含むDNA断片を
取り出すことが出来る。
【0012】発現制御ベクターに使用する、オペレータ
ー、リプレッサー遺伝子はバチルス・ブレビスで発現可
能であれば何れでもよく、例えば、E.coliのla
cオペレーター、リプレッサー遺伝子等があげられる。
【0013】また、本発明の発現制御ベクターに連結す
る外来遺伝子はバチルス・ブレビスで発現可能な遺伝子
であれば何れでもよく、例えば、ヒト唾液腺アミラーゼ
遺伝子、Bacillus lichenformis
のα−アミラーゼ遺伝子等が挙げられる。
【0014】プラスミドを構築する方法としては、常法
が適宜用いられ、例えばモレキュラー・クローニング、
ア・ラボラトリー・マニュアル、コールド・スプリング
・ハーバー・ラボラトリー(Molecular Cl
oning,A Laboratory Manua
l,Cold Spring HarborLabor
atory,1982)に記載の方法等が例示される。
【0015】B.brevis47のMWPプロモータ
ー領域を含むDNA断片は前記の方法で得られる。この
断片中のプロモーターとSD配列との間にlacオペレ
ーターをコードする合成DNAを挿入すれば、プロモー
ター、オペレーター、SDを含むDNA断片が得られる
(MO)。
【0016】E.coliのlacリプレッサー遺伝子
を保有するプラスミドは既知である。これを制限酵素処
理し、得られたリプレッサー遺伝子を、B.brevi
s47のMWPプロモーターのうちP4、P5プロモー
ターの下流に連結し、これをpNU210のMWPプロ
モーター領域を取り除いたベクターに導入し、lacリ
プレッサー遺伝子を持ったプラスミドpNU550を得
た。
【0017】バチルス・ブレビス47(FERM P−
7224)のMWPプロモーター領域の下流にバチルス
・リケニホルミスのα−アミラーゼ(BLA)の遺伝子
を連結したDNAフラグメントを保有するプラスミドは
既知であるので(J.Bcateriol.,169
1239−1245(1987)、これに制限酵素処理
しBLA遺伝子をコードするDNA断片を得、プラスミ
ドpNU550とMOの3断片をつないでバチルス・ブ
レビスを形質転換して、3断片が正しくつながった発現
制御ベクターpNU550−BLAを得た。
【0018】このようにして調製した発現制御ベクター
pNU550にMOMWPプロモーター、シグナルペプ
チドの下流側に(図4)、目的とする外来遺伝子を常法
にしたがってinframeに挿入し、微生物を形質転
換すれば、外来遺伝子の発現をlacオペレ−タ−によ
り制御し、かつ多量に分泌生産しうる形質転換体を得る
ことができる。したがって、本発明によれば所望する外
来遺伝子で適宜微生物を形質転換することができ、この
ようにして得られた形質転換体を培養することによっ
て、目的とする外来遺伝子産物を多量に得ることができ
る。
【0019】外来遺伝子を組み込んだベクターで形質転
換する微生物としては、バチルス・ブレビスに属する微
生物であれば何でも良く、例えばバチルス・ブレビス4
7(FERM P−7224)、バチルス・ブレビスH
PD31(FERM BP−1087)が挙げられる
が、好適にはバチルス・ブレビスHPD31が用いられ
る。バチルス・ブレビスを形質転換する方法は、公知の
方法でよく、例えば、Takahashiらの方法
(J.Bcateriol.,156,1130(19
83))またはTakagi等の方法(Agric.B
iol.Chem.,53,3099−3100(19
89))等が例示される。
【0020】得られた形質転換体の培養に用いる培地
は、形質転換体が生育して目的とする外来遺伝子産物を
産生しうるものであれば如何なるものでも良い。
【0021】該培地に含有される炭素源としては、例え
ばグルコース、シュークロース、グリセロール、澱粉、
デキストリン、糖蜜、毒素、有機酸などが考えられる。
該培地に含有される窒素源としては、カゼイン、ポリペ
プトン、肉エキス、酵母エキス、カザミノ酸、グリシン
などの有機窒素源、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源などが用いられ
る。その他、塩化カリウム、リン酸一カリウム、リン酸
二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの
無機塩が必要に応じて培地に加えられる。また、糖と無
機窒素源を主とする合成培地を用いて培養しても良い。
栄養要求性を示す菌は、その生育に必要な栄養物質を培
地に添加すればよい、該栄養物質としては、アミノ酸
類、ビタミン類、核酸、塩類などが挙げられる。
【0022】また、培養に際して必要があれば、培地に
抗生物質例えばペニシリン、エリスロマイシン、クロラ
ムフェニコール、バシトラシン、D−サイクロセリン、
アンピシリンなどが加えられる。更に必要により、消泡
剤例えば大豆油、ラード油、各種界面活性剤などを培地
に加えてもよい。
【0023】培地の初発pHは5.0〜9.0であり、
さらに好ましくは6.5〜7.5である。培養温度は通
常15℃〜42℃、さらに好ましくは24℃〜37℃で
あり、培養時間は通常16〜166時間、さらに好まし
くは24〜96時間である。
【0024】培養終了後、それ自体公知の方法、例えば
遠心分離、ろ過などで菌体と上清とを分離する。
【0025】形質転換する微生物として、例えばバチル
ス・ブレビスHPD31等を使用すれば、電気パルス法
等によって容易に形質転換することができるのみでな
く、目的とする産物を菌体外に生産するというすぐれた
性質を有しているので、上記のようにして得られた培養
上清に含まれる外来遺伝子産物は、例えば塩析、等電点
沈澱、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィ、ハイド
ロオキシアパタイト、高速液体クロマトグラフィーなど
に従って精製すればよく、このようにして目的とする外
来遺伝子産物を容易に得ることが出来る。
【0026】以下、本発明を実施例により更に詳しく説
明する。
【0027】
【実施例1】
【0028】
【(1)オペレーターの導入方法】MWPのプロモータ
ー領域(J.Bcateriol.,171,101
0,1016(1989))の持つプラスミドpNU2
10を制限酵素ApaLIで消化後Klenow Fr
agmentで平滑末端にし、BamHIリンカーをリ
ガーゼにより付加した。次にBamHI及びEcoRI
で消化し、206bpのフラグメントを回収した。この
フラグメントをpUC119のEcoRIサイトに挿入
し、プラスミドpHTO1(つまりpHT1)を得た。
5’TGGAATTGTGACCGGTAACAATT
3’及び5’AATTGTTACCGGTCACAAT
TCCA3’の2本のDNAをDNA合成機にて作製
し、T4Plynucleotide kinaseで
5’OH末端をリン酸化後、アニーリングし、合成オペ
レーターを作製した。
【0029】プラスミドpHTO1(pHT1)をSs
pIで部分分解後、アルカリフォスファターゼ処理し、
合成オペレーターを挿入し、E.coli JM103
を形質転換した。形質転換体からプラスミドを抽出し、
DNA塩基配列を決定し、正しい位置に正しい方向で挿
入されたプラスミドpHTO2(つまりpHT2)を得
た(図2、図3)。
【0030】
【(2)プロモーター/オペレーター(MO)の構築】
MWPタンデムプロモーターで最も強力なP2プロモー
ターのみを利用するため以下の操作を行った。図3の2
67〜272及び466〜471にNcoIサイト(C
CATGG)を導入するため、部位特異的変異を行った
・部位特異的変異はPCR法によった。
【0031】
【(I)267〜272にNcoIサイトの導入】pN
U210のMfiI−EcoRIフラグメント(1〜3
11、図3)をpUC119 BamHI−EcoRI
に挿入したプラスミドpUC119−MWVを得た。合
成DNAプライマー5’GTTTTTCGTGTGCC
ATGGTATTAAAC3’及びM13プライマー
(5’CAGGAAACAGCTATGAC3’(宝酒
造製))を熱変性して一本鎖にしたpUC119−MW
Vとアニーリングして、DNAポリメラーゼを用いて相
補鎖を合成した(MWV−Nco)。
【0032】
【(II)466〜471にNcoIサイトの導入】合
成DNAプライマー5’GATTAACAACACCA
TGGAATTG3’とM13プライマーRVを用いp
HTO2(pHT2)を鋳型として上と同じ操作にて目
的DNA断片を得た(MWV−Nco)。
【0033】
【(III)プロモーター/オペレーターの構築】先に
得たDNA断片(MWV−Nco)をPstI、Nco
Iで消化して19.3bp断片を得た。また上で得たD
NA断片(MWV−Nco)をNcoI、BamHIで
消化して111bp断片を得た。これらの2断片と、p
UC119を予じめPstIとBamHIで切断して得
たプラスミドと、をリガーゼ処理して、プラスミドpU
C119−M12を得た。
【0034】更に、P1プロモーター領域を除去するた
め、pUC119−M12をRsaI消化後BamHI
リンカーを付与し、BamHI消化にて得た206bp
断片をpUC119のBamHIサイトに導入し、プラ
スミドpUC119−MOを得た。そのプロモーター/
オペレーター領域を図4に示す。
【0035】
【(3)リプレッサーの導入方法】大腸菌lacリプレ
ッサー遺伝子(lacI)を含む既知のプラスミドpM
C9(Proc.Natl.Acd.Sci.USA,
80,3015−3019(1983))を原料とし、
図5及び図6に示した方法にしたがって、プラスミドp
JTO1を調製した。
【0036】このようにして調製したpJTO1のla
cIのプロモーター領域をMWPのプロモーター領域と
つなぎ換えるため、両遺伝子の翻訳開始コドンATG近
傍にBspHIサイト(TCATGA)を部位特異的変
異により導入した。変異は、“The Amersha
m oligonucletide−directed
in vitro mutagenesis sys
tem”(アマーシャム社製)により行った。
【0037】まずlacI5’上流をM13にサブクロ
ーニングするため、pJTO1をApaLIで切断した
後、これを平滑末端化し、BamHIリンカーを付与
し、BamHI−EcoR1断片(418bp)をM1
3mp19EcoRI−BamHIサイトに挿入した
(mp19−lacIF)。この1本鎖DNAを鋳型と
して、合成プローブ5’GGGTGGTGATCATG
AAACCA3’にて変異処理を行ない、BspHIサ
イトを導入したmp19−lacIF−BspHを得
た。一方、MWPプロモーター領域の翻訳開始点にBs
pHIサイトを導入するため、pHTO1(pHT1)
のEcoRI−BamHI206bpをM13mp18
EcoRI−BamHIサイトに挿入した。プラスミド
M13mp18MWPを鋳型として、合成プローブ5’
CTTTTTCATGACCTTGTGTTC3’にて
BspHIサイトを導入したmp18−MWP−Bsp
Hを得た。
【0038】先に得たmp19−lacIF−BspH
をE.coli GM119で増幅した後(mp19−
lacIF−BspH/E.coli GM119)、
これをApaLI、BspHIで切断し、332bpの
DNA断片を回収した。一方、pJTO1をApaLI
−HindIIIで切断して、800bpのDNA断片
を回収した。また上記によって得たmp18−MWP−
BspHをEcoRI、BspHIで切断して、205
bpのDNA断片を得た。次いで、これら3種のDNA
断片と、pUC19のEcoRI−HindIII断片
とをライゲーションして、pUC−MWP−lacIを
得た(図7)。
【0039】得られたpUC−MWP−lacIをHi
ndIIIで切断後KlonowFragmentにて
平滑末端化し、更にEcoRIで切断し約1.5kbの
断片を得た。この断片を、pNU210をAvaIIで
切断後平滑末端化し、さらにEcoRIで切断したプラ
スミドに導入した。得られたプラスミドをEcoRIで
切断し平滑末端化し、BamHIリンカーを付与後Ba
mHIで切断し、リガーゼ反応を行ない、プラスミドp
NU550を得た(図8)。
【0040】
【(4)pNU550−ヒト唾液腺アミラーゼ遺伝子
(外来遺伝子X)の構築】ヒト唾液腺アミラーゼ(HA
MY)遺伝子がMWPプロモーターシグナル配列とつな
がったプラスミドpTS7(Appl.Microbi
ol.Biothnol.,34,297−302(1
990))をApaLI−HindIIIで切断し、M
WPシグナル配列の1部とアミラーゼ遺伝子を含むDN
A断片1.6kbを得た。
【0041】一方、pUC119−MOをBamHI−
ApaLIで切断し、プロモーター、オペレーター、シ
グナルの一部を含むDNA断片204bpを得た。これ
ら断片をpUC19 BamHI−HindIIIに挿
入し、プラスミドpUC−MO−HAMYを得た。この
プラスミドをBamHI−HindIIIで切断し1.
8kbDNA断片を回収し、pNU550 BamHI
−HindIIIに挿入し、B.brevis HPD
31の形質転換を行った。形質転換株のIPTG(イソ
プロピルβ−D(−)チオガラクトピラノシド)による
誘導の有無を調べ、誘導のかかった形質転換体から得た
プラスミドをpNU550−HAMYとした(図8)。
【0042】
【実施例2】実施例1で得たpNU550−HAMYを
保持したB.brevis HPD31を5’PY培地
(Agric.Biol.Chem.,53,2279
−2280(1989))にIPTGを1mM加えた培
地と無添加の培地に植え、30℃で85時間振とう培養
した。上記の培養液を遠心分離し、その上清のアミラー
ゼ活性を可溶性澱粉を基質として斎藤の方法(Arc
h.Bischem.Biophys.,155,29
0−298(1978))で測定し、図9の結果を得
た。狙いどうり、pNU550−HAMYを保持する
B.brevis HPD31はIPTGで誘導するこ
とにより培地にヒト唾液腺アミラーゼを分泌生産した。
IPTG無添加の対照では生産しなかった。
【0043】従って、pNU550−Xの系を使った生
産制御が可能であることが確認された。
【0044】
【実施例3】B.brevis 47(FERM P−
7224)のMWPプロモーター及びシグナルペプチド
(J.Bacteriol.,169,1239−12
45(1987)の下流にB.licheniform
isのα−アミラーゼ(BLA)遺伝子(J.Bioc
hem.,96,1147−1156(1985))を
直結し、B.brevisで安定に保持されるプラスミ
ドpHY481(Appl.Env.Microbio
l.,49,1076−1079(1985))に挿入
したプラスミドpHY4831(J.Bacterio
l.,169,1239−1245(1987))をH
indIIIで消化後更にApaLIで消化し、BLA
遺伝子を含むApaLI−HindIII断片をえた。
【0045】実施例1で得たpNU550−HAMYを
ApaLIとHindIIIで処理し、HAMYを除
き、BLA遺伝子を含むApaLI−HindIII断
片を挿入しpNU550−BLAを得、更に、B.br
evis HPD31を形質転換した。
【0046】この形質転換体を、5’PY培地(Agr
ic.Biol.Chem.,53,2279−228
0(1989))にIPTGを1mM加えた培地と無添
加の培地に植え、30℃で85時間振とう培養した。上
記の培養液を遠心分離し、その上清のアミラーゼ活性を
可溶性澱粉を基質として斎藤の方法(Arch.Bis
chem.Biophys.,155,290−298
(1978))で測定し、図10の結果を得た。実施例
2と同様、狙いどうり、pNU550−BLAを保持す
るB.brevis HPD31はIPTGで誘導する
ことにより培地にヒト唾液腺アミラーゼを分泌生産し
た。IPTG無添加の対照では生産しなかっバチルス・
リケニホルミスのα−アミラ−ゼを分泌生産した。
【0047】従って、pNU550−Xの系を使った生
産制御が可能であることが更に確認された。
【0048】
【発明の効果】本発明に係る新規な発現制御ベクターp
NU550は、発現コントロール能力にすぐれているだ
けでなく各種の外来遺伝子を適宜挿入することができる
ので、外来遺伝子産物の生産性を大幅に高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発現制御ベクターpNU550の制限酵素地図
である。
【図2】オペレーターの挿入方法を図示した図面であ
る。
【図3】プラスミドpHT2における、MWPプロモー
ターとー各領域を含む領域の塩基配列図である。
【図4】プラスミドpUC119−MOのプロモータ
ー、オペレーター領域を含む領域の塩基配列図である。
【図5】pJTO1(lacI遺伝子を有するpUC1
9)ベクターの構築図(1)である。
【図6】pJTO1(lacI遺伝子を有するpUC1
9)ベクターの構築図(2)である。
【図7】lacIリプレッサー遺伝子の導入図である。
【図8】pNU550−Xの構築図である。
【図9】B.brevis HPD31/pNU550
−HAMYの培養時間とアミラーゼ活性との関係図であ
る。
【図10】B.brevis HPD31/pNU55
0−BLAの培養時間とアミラーゼ活性との関係図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:08) (C12N 9/28 C12R 1:08) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:08) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の図1に示す制限酵素地図で示され
    る発現制御ベクターpNU550。 【図1】
  2. 【請求項2】 下記の図2に示す制限酵素地図で示され
    る発現制御ベクターpNU550に外来遺伝子を結合し
    てなる発現制御ベクターpNU550−X。 【図2】
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の発現制御ベクターpN
    U550−Xを保有する微生物。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の発現制御ベクターpN
    U550−Xを保有すバチルス・ブレビス(Bacil
    lus brevis)。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の発現制御ベクターpN
    U550−Xを保有するバチルス・ブレビス(Baci
    llus brevis HPD31)(FERM B
    P−1087)。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の発現制御ベクターpN
    U550−Xを保有する微生物を培養することを特徴と
    する外来遺伝子産物の製造法。
  7. 【請求項7】 外来遺伝子産物がヒト唾液腺アミラーゼ
    またはバチルス・リケニホルミス(Bacillus
    licheniformis)のα−アミラーゼである
    ことを特徴とする請求項6に記載の外来遺伝子産物の製
    造法。
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