JP3137063B2 - 圧電トランス素子とその製造方法 - Google Patents

圧電トランス素子とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックスで構成
される圧電トランス素子に関し、特に小型化、高信頼度
が要求される小型でかつ薄型の高電圧を発生する圧電ト
ランス素子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶ディスプレイのバックライト
インバータ、蛍光管点灯用インバータ、複写機等の高圧
電源回路では、高電圧発生用の素子として巻線型の電磁
トランスが用いられているが、発生電磁ノイズの低減や
低消費電力化、小型低背化などの要求により圧電トラン
スが注目されてきている。図5に従来の対称ローゼン3
次型積層圧電トランスの構造を示す。この対称ローゼン
3次型積層圧電トランスでは、表面に電極が設けられた
矩形板状の積層構造のセラミックスからなる圧電板1に
おいて、この圧電板1の長さ方向の両端部分は圧電トラ
ンスの入力部としての駆動部21であり、この駆動部2
1は前記圧電板1の上下面に平面状の入力電極2aと2
b,3aと3bが設けられており、この部分は厚み方向
に分極されている。また、4aと4b,5aと5bは、
前記入力電極2aと2b,3aと3bと、積層された前
記圧電板1の積層間に形成されている図外の内部電極を
電気的に接続する電極である。また、前記圧電板1の中
央部分は出力部としての発電部22であり、前記圧電板
1の上面にそれぞれ出力電極6a,6bが設けられてお
り、この部分は圧電素子の長さ方向に分極されている。
【0003】このような従来の圧電トランス素子の動作
を図6を参照して説明する。図6(a)は圧電トランス
の模式的な断面図、図6(b)は圧電トランスが長さ方
向の3/2波長共振モードで振動している場合の変位分
布であり、図6(c)は、その時の応力分布と応力の種
類を示したものである。図5に示した外部端子7a,7
bから駆動部21の入力電極2aと2b,3aと3bに
電圧が印加されると、駆動部21では分極方向に電界が
加わり、図6(b)のように、その分極方向と直交する
方向に変位する圧電逆効果により長さ方向の縦振動が励
振され、圧電素子全体が振動する。さらに発電部22で
は、図6(c)のように、分極方向に機械的歪みが生
じ、分極方向に電位差が発生する圧電正効果により、出
力電極6a,6bから外部端子8a,8bに入力電圧と
同じ周波数の電圧が取り出される。この時、駆動周波数
を圧電板1の共振周波数と等しくすれば、非常に高い出
力電圧が得られる。また、圧電トランス素子から引き出
し得る出力は機械的振動のパワーに比例し、構造的には
圧電板1の断面積に比例する。
【0004】したがって、圧電トランス素子において大
出力を得るためには、素子を大型化するか圧電トランス
素子の振動速度を大きくする方法が考えられる。素子を
大型化する方法は、電源を搭載する機器の小型化要求か
ら実用的では無い。このため、振動速度を上げることで
圧電トランスの大出力化が図られている。しかしなが
ら、振動速度を上げていった場合、素子の機械的強度を
超えてしまい所望の出力を得ることができず破壊してし
まうという問題が生じる。このような問題に対して、素
子強度を上げる方法として、圧電セラミックスを形成す
る原料に微粉末を用いて焼成後のセラミックの粒径を小
さくし緻密化することで、素子強度を向上させる技術が
ある。しかしながら、この微粉末を用いて素子強度を上
げる技術は、粉末が微細になればなるほどその取り扱い
が困難になり、グリーンシートプロセスにおいては粉末
分散が容易ではなく、プレス成型密度を安定させること
ができず、結果として素子強度を十分に上げることが困
難なものとなる。また、素子の駆動部や発電部のセラミ
ック粒径が小さくなった場合には、これまでと同じ印加
電圧で同じ圧電特性を得ることができなくなり、トラン
ス効率を落さないためには、分極条件を見直して設計変
更する必要がある。
【0005】そこで、素子を形成するセラミックスの構
造を改善して素子強度を向上する技術を採用することか
考えられる。例えば、特開平8−107241号公報や
特開平2−100306号公報には、圧電トランスやセ
ラミックコンデンサなどの積層型セラミック部品におい
て割れや剥離等の原因となる内部電極の厚さによる段差
を無くするために、内部電極の厚さにほぼ等しいスペー
サを、内部電極を除いた部分に形成する積層型セラミッ
ク部品が開示されている。すなわち、図7は特開平8−
107241号公報に示された圧電トランス素子の分解
斜視図であり、積層されるセラミックシート111a〜
111eに、それぞれ内部電極110a〜110eと共
にそれぞれ異なる平面位置にスペーサ112a〜112
eを形成することにより、プレス成形での割れや剥離を
防止している。同様に、図8に示される特開平2−10
0306号公報では、積層電子部品を構成するセラミッ
クグリーンシート211の一方に内部電極210が形成
され、これに積層される他方のセラミックシート211
に前記内部電極210の周囲に配置されるスペーサ21
2が形成され、このスペーサによりプレス成形での割れ
や剥離を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の公報に記載の技術では、積層するセラミックスの内部
電極を除いた部分に単にスペーサを形成するだけである
ため、プレス成形時や焼結時における応力による割れや
剥離の防止には有効であるが、圧電トランス素子の駆動
時に発生する応力集中による素子破壊を回避することは
困難である。特に、図5に示したような対称ローゼン3
次型圧電トランスの場合は、図6(c)に示したように
引っ張り応力集中点が素子の長さ方向の中央の出力電極
の形成領域に存在しているため、このような引っ張り応
力に対しては前記したスペーサは有効に機能されず、こ
の出力電極とその近傍で破壊することがほとんどであ
る。
【0007】本発明の目的は、振動時の引っ張り応力が
集中する部分を選択的に補強することによって、素子の
分極条件を変更することなく、駆動時に素子割れが発生
し難い圧電トランス素子とその製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電トランス素
子は、圧電板を構成するセラミックスと同組成で、かつ
焼結後の粒径がこのセラミックスよりも小さなセラミッ
クスからなる補強層を、圧電トランス素子の駆動時に引
っ張り応力が集中する部分の前記圧電板に選択的に配設
していることを特徴とする。ここで、前記圧電板を粉末
比表面積が2m2 /gのセラミック粉末から形成される
セラミックスで構成し、前記補強層は粉末比表面積の範
囲が3m2 /g以上5m2 /g以下のセラミック粉末で
形成されるセラミックスで構成している。また、前記圧
電板の長さ方向に沿う前記補強層の形成幅を、前記圧電
板の長さに対して5%以上12%以下とする。
【0009】また、本発明の圧電トランス素子の製造方
法は、圧電トランス素子の圧電板を作製するセラミック
シートの所要部分に、前記圧電板のセラミックシートと
同組成でかつ前記圧電板よりも粉末比表面積の大きなセ
ラミック粉末からなる補強層を選択的に配設し、前記各
セラミックシート及びセラミック粉末を成形かつ焼結し
て前記圧電板を作製する工程を含むことを特徴とする。
ここで、前記圧電板のセラミックシートには粉末比表面
積が2m2 /gのセラミックスが用いられ、前記補強層
は粉末比表面積の範囲が3m2 /g以上5m2 /g以下
のセラミックス粉末が用いられる。また、前記補強層は
セラミックペーストとされ、前記圧電板を形成するセラ
ミックシートの表面に塗布形成される。
【0010】本発明の圧電トランス素子によれば、圧電
トランス素子の駆動時に引っ張り応力が集中する部分の
圧電板に、圧電板を形成するセラミックシートと同組成
で粒径がより細かい微細なセラミック粉末を原料とする
補強層を配設しているため、この部分の圧電板の粒径が
細かく緻密な構成とされ、部分的に強度の補強ができ
る。このため、圧電トランス素子に生じる引っ張り応力
によっても圧電トランス素子の割れや剥離が防止され
る。また、対称ローゼン3次型圧電トランス素子におい
ては、応力集中部のみが微細粉末により選択的に補強さ
れ、駆動部や発電部ではセラミックの粒径が変わらない
ため、分極条件を変更する必要も無い。
【0011】また、本発明の製造方法では、補強層の作
製に際しては、セラミックペーストを用いたスクリーン
印刷法を用いれば、補強層を緻密にかつ安定に形成で
き、しかも補強層は圧電板と同組成のため、セラミック
ス焼結時にボイドや剥離などの内部欠陥が生ずることも
無い。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施
形態の構成を示す斜視図であり、図2はその製造方法を
説明するための分解斜視図である。この実施形態では、
本発明を積層構造の対称ローゼン3次型圧電トランスに
適用した例を示している。複数のセラミックスが積層さ
れた構成の矩形板状の圧電板1の両端部は圧電トランス
素子の入力部としての駆動部21であり、前記圧電板1
の上下面にそれぞれ平面状電極2aと2b,3aと3b
が設けられており、この部分は厚み方向に分極されてい
る。また、前記圧電板1の中央部分は出力部としての発
電部22であり、前記圧電板1の上下面にそれぞれ出力
電極6a,6bが設けられており、この部分は圧電板1
の長さ方向に分極されている。
【0013】前記圧電板1は、図2のように、複数のセ
ラミックス、この実施形態では5枚のセラミックシート
10a〜10eを積層した構成とされ、各セラミックシ
ート10a〜10eのうち、下側の4枚のセラミックシ
ート10a〜10dの各上面には、前記駆動部21の領
域にそれぞれ内部電極11a〜11d,12a〜12d
が形成されている。また、これら4枚のセラミックシー
ト10a〜10dの各上面の前記発電部22の領域に
は、前記出力電極6a,6bに挟まれる位置に補強層9
(9a〜9d)が形成されている。その上で、これら5
枚のセラミックシート11a〜11eは積層され、かつ
プレス成形されて焼結されて前記圧電板1が形成される
ことになる。そして、図1に示したように、前記圧電板
1の駆動部21の各側面には、前記内部電極を積層方向
に交互に接続して上面または下面の各入力電極2aまた
は2b,3aまたは3bに電気接続するための側面電極
4aと4b,5aと5bが設けられている。
【0014】前記補強層9は、前記圧電板1を構成する
前記セラミックシートと同組成で粒径がより細かい粉末
を用いたセラミックペーストを、前記したようにセラミ
ックシートの長さ方向の中央部分、すなわち発電部22
の中央部分に設けられている出力電極と厚さ方向に重な
る領域に塗布し、その後は各セラミックシートを積層
し、通常の圧電板と同様の方法に形成する。また、この
場合、前記補強層9は、圧電板1の長さ方向に沿う幅寸
法が、圧電板1の長さ寸法に対して所要の比率の範囲に
設定される。なお、前記補強層の粒径や幅寸法は、後述
する実施例の記載から明らかにされる。
【0015】このように構成された圧電トランス素子に
おいては、外部端子7a,7bから駆動部21の電極2
aと2b,3aと3bの各間に電圧が印加されると、駆
動部21では圧電板1に対して分極方向に電界が加わ
り、その分極方向と直交する方向に変位する圧電逆効果
により長さ方向の縦振動が励振され、圧電板1の全体が
図6(b)のように振動する。さらに発電部22では、
分極方向に機械的歪みが生じ、分極方向に電位差が発生
する圧電正効果により、出力電極6a,6bから外部端
子8a,8bに入力電圧と同じ周波数の電圧が取り出さ
れる。そして、圧電トランスを駆動させると、図6
(c)に示すように、振動のノードに応力が集中し、特
に素子の長さ方向の中心部には引っ張り応力が集中し、
セラミックは圧縮応力には強いが引っ張り応力には弱い
ため、応力集中部である素子中央部で素子割れが発生す
るおそれが生じる。しかしながら、素子中央部の圧電板
1には、補強層が形成されているため、前記した引っ張
り応力はこの補強層によって実質的に低減され、圧電板
1における割れや剥離が防止されることになる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の第1の実施例について説明す
る。本発明の圧電トランスの第1の実施例として、図1
及び図2に示した構成の積層数5層構造の圧電トランス
素子を作製した。圧電セラミックシート10a〜10e
の材料には、粉末比表面積約2m2 /gのPZT(Pb
ZrO3 −PbTiO3 )系セラミックスを用いた。そ
して、圧電セラミックシート10a〜10dの両端に駆
動用の内部電極11a〜11d,12a〜12dとして
のAgPd合金を、補強層9a〜9dとして圧電セラミ
ックシートと同組成のセラミック粉末をそれぞれスクリ
ーン印刷により形成した。ここで、補強層9a〜9dの
材料であるセラミックス粉末粒径を、それぞれ相違させ
た4種類の圧電板を形成した。すなわち、粉末比表面積
が2m2 /g,3m2 /g,4m2 /g,5m2 /gの
微細化されたセラミック粉末を用いた。また、補強層9
a〜9dの塗布厚と塗布幅はそれぞれ25μm,5mm
と固定した。次に、各圧電板にAgペーストをスクリー
ン印刷し、かつ焼成することにより、入力電極2aと2
b,3aと3b、側面電極4aと4b,5aと5b、出
力電極6a,6bを形成した圧電トランス素子を得た。
ここで出力電極幅を1mmとした。続いて、これらの素
子を駆動部、発電部ともに170℃の絶縁油中におい
て、2kV/mmの電圧を印加して分極処理を行ない、
最終的に4つの試料の圧電トランス素子を得た。
【0017】次に、これらの圧電トランス素子を無負荷
状態で振動速度1〜1.2m/sになるように入力側に
電圧を5分間印加し、各水準10個について破壊試験を
実施した結果を図3に示す。また、負荷として100k
Ωの抵抗を接続し、出力3Wか得たときの効率をあわせ
て調査した。なお、同図のグラフにおいて、横軸は補強
層の粉末比表面積の値、左縦軸は素子割れ数、右縦軸
変換効率を示している。同図より明らかなように、本発
明の圧電トランスは、補強層9の材料として粉末比表面
積を3m2 /g以上とすることで、圧電トランス素子の
中央部での割れの発生を抑制することができる。ここ
で、粉末比表面積が5m2 /gを超えると、粉末の凝集
が固くなり、分散性の良いセラミックペーストが得られ
ないため、補強層9の粉末は比表面積が5m2 /g以下
のものが好ましいことが判る。
【0018】次に、第2の実施例を説明する。本発明の
圧電トランス素子の第2の実施例として、第1の実施例
と同様に、図1及び図2に示した構成の積層数5層構造
の圧電トランス素子を作製した。圧電セラミックシート
10a〜10eの材料には、粉末比表面積約2m2 /g
のPZT(PbZrO3 −PbTiO3 )系セラミック
スを用いた。圧電セラミックシート10a〜10dの両
端に駆動用の内部電極11a〜11d,12a〜12d
としてAgPd合金を、補強層9a〜9dとして圧電セ
ラミックシートと同組成で粉末比表面積が約4m2 /g
に微細化したセラミック粉末をそれぞれスクリーン印刷
により形成した。ここで、補強層9a〜9dの塗布厚を
25μmと固定し、幅寸法を1,2,5,7mmと相違
させた4種類の圧電板を作成した。なお、作製された積
層圧電板の寸法は、長さ42mm,幅5mm,総厚1m
mである。次に、これらの圧電板にAgペーストをスク
リーン印刷し、かつ焼成することにより、入力電極2a
と2b,3aと3b、側面電極4aと4b,5aと5
b、出力電極6a,6bを形成した圧電トランス素子を
得た。ここで出力電極幅を1mmとした。続いて、これ
らの素子を駆動部、発電部ともに170℃の絶縁油中に
おいて、2kV/mmの電圧を印加して分極処理を行な
い、最終的に4つの試料の圧電トランス素子を得た。
【0019】次に、これらの圧電トランス素子を無負荷
状態で振動速度1〜1.2m/sになるように入力側に
電圧を5分間印加し、各試料10個について破壊試験を
実施した結果を図4に示す。破壊は、全て素子の中央部
近辺で発生している。また、負荷として100kΩの抵
抗を接続し、出力3Wを得たときの効率をあわせて調査
した。なお、同図のグラフにおいて、横軸は補強層の
寸法の値、左縦軸は素子割れ数、右縦軸は変換効率を示
している。同図より明らかなように、圧電トランス駆動
時に引っ張り応力が集中する部分に、圧電セラミックシ
ートを形成するセラミックスと同組成で粒径がより細か
い粉末を用いたセラミックペーストを圧電セラミックシ
ート上に選択的に塗布し強度補強層とし、前記強度補強
層幅を素子の長さの5%以上に広げることにより素子中
央部での割れ発生を抑制し、前記強度補強層の幅を12
%未満とすることで圧電トランス素子の変換効率を90
%以上の高い値を保つことができることが確認された。
【0020】ここで、本発明の圧電トランス素子とし
て、前記した各説明では複数のセラミックシートを積層
し、かつ積層間に内部電極を有する積層型圧電トランス
素子に本発明を適用した例を示しているが、本発明は、
内部電極の無い単板型圧電トランス素子においても適用
できる。この場合には、圧電板を形成するセラミックグ
リーンシートの状態で、長さ方向の中央部分に前記した
粉末比表面積、補強層幅を満足する補強層を一体的に埋
設し、通常と同様の製造方法で圧電板ないし圧電トラン
ス素子を作製すればよい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧電トランス素子の駆動時に引っ張り応力が集中する部
分の圧電板に、圧電板を形成するセラミックスと同組成
で粒径がより細かい微細なセラミックスからなる補強層
を配設しているため、この部分の圧電板の粒径が細かく
緻密な構成とされ、部分的に強度の補強ができる。この
ため、圧電トランス素子に生じる引っ張り応力によって
も圧電トランス素子の割れや剥離が防止される。特に、
対称ローゼン3次型圧電トランス素子においては、応力
集中部のみが微細粉末により選択的に補強され、駆動部
や発電部ではセラミックの粒径が変わらないため、分極
条件を変更する必要も無いという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を対称ローゼン3次型圧電トランス素子
に適用した実施形態の斜視図である。
【図2】図1の圧電トランス素子の製造方法を説明する
ための部分分解斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例における補強層の粉末比
表面積と割れ数及び効率の関係を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例における補強層の幅寸法
と割れ数及び効率の関係を示す図である。
【図5】従来の対称ローゼン3次型圧電トランスの斜視
図である。
【図6】対称ローゼン3次型圧電トランスの動作原理を
示す説明図である。
【図7】従来の圧電トランス素子を形成するセラミック
シートのパターンを示す分解斜視図である。
【図8】従来の積層電子部品を形成するセラミックシー
トのパターンを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 圧電板 2a,2b,3a,3b 入力電極 4a,4b,5a,5b 側面電極 6a,6b 出力電極 7a,7b 入力側配線 8a,8b 出力側配線 9(9a〜9d) 補強層 10a〜10d セラミックシート 11a〜11d 内部電極 12a〜12d 内部電極 21 駆動部 22 発電部

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスで構成される圧電板と、前
    記圧電板に形成された入力電極及び出力電極とを備え、
    前記入力電極に電圧を印加し、前記出力電極から電圧を
    出力するようにした圧電トランス素子において、前記圧
    電板を構成するセラミックスと同組成で、かつ焼結後の
    粒径が前記セラミックスよりも小さなセラミックスから
    なる補強層を、前記圧電トランス素子の駆動時に引っ張
    り応力が集中する部分の前記圧電板に選択的に配設して
    いることを特徴とする圧電トランス素子。
  2. 【請求項2】 前記圧電板は粉末比表面積が2m2 /g
    のセラミック粉末から形成されるセラミックスで形成さ
    れ、かつ前記補強層は粉末比表面積の範囲が3m2 /g
    以上5m2 /g以下のセラミックス粉末から形成される
    セラミックスで形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の圧電トランス素子。
  3. 【請求項3】 前記圧電板の長さ方向に沿う前記補強層
    の形成幅を、前記圧電板の長さに対して5%以上12%
    以下としたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    圧電トランス素子。
  4. 【請求項4】 前記圧電板は複数のセラミックスシート
    を積層した構成とされ、前記補強層は前記複数のセラミ
    ックスシート間に介挿されている請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の圧電トランス素子。
  5. 【請求項5】 前記圧電板の長さ方向の両側部にそれぞ
    れ入力電極を有する入力部が配設され、前記圧電板の長
    さ方向のほぼ中央部に出力電極を有する出力部が形成さ
    れ、前記補強層は前記出力電極を含む長さ方向の領域に
    形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の圧
    電トランス素子。
  6. 【請求項6】 圧電トランス素子の圧電板を作製するセ
    ラミックシートの所要部分に、前記圧電板のセラミック
    シートと同組成でかつ前記圧電板よりも粉末比表面積の
    大きなセラミック粉末からなる補強層を選択的に配設
    し、前記各セラミックシート及びセラミック粉末を成形
    かつ焼結して前記圧電板を作製する工程を含むことを特
    徴とする圧電トランス素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記圧電板のセラミックシートには粉末
    比表面積が2m2 /gのセラミックスが用いられ、前記
    補強層は粉末比表面積の範囲が3m2 /g以上5m2
    g以下のセラミックス粉末が用いられる請求項6に記載
    の圧電トランス素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記補強層はセラミックペーストとさ
    れ、前記圧電板を形成するセラミックシートの表面に塗
    布形成される請求項6または7に記載の圧電トランス素
    子の製造方法。
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