JP3136363B2 - 写真フィルム用包装容器 - Google Patents

写真フィルム用包装容器

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JP3136363B2
JP3136363B2 JP03226019A JP22601991A JP3136363B2 JP 3136363 B2 JP3136363 B2 JP 3136363B2 JP 03226019 A JP03226019 A JP 03226019A JP 22601991 A JP22601991 A JP 22601991A JP 3136363 B2 JP3136363 B2 JP 3136363B2
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秀雄 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真フィルムを湿度や塵
埃や外力から守るための包装容器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】135タイプパトローネ入りフィルムは合
成樹脂製の本体ケースの中に入れられ合成樹脂製のキャ
ップがかぶせられ、防湿包装がなされ、更にカートンに
入れられた形でユーザーに販売されている。
【0003】合成樹脂材料としてはバリア性が高く耐衝
撃性の強いポリオレフィン系の樹脂が用いられている。
またキャップ及び本体ケースは一般に、これらの樹脂を
用いて射出成形法で製作されている。
【0004】そしてキャップはアンダーカット部である
凸部が形成されており、また本体ケースには、キャップ
の凸部に係合する部位が形成され、キャップと本体はこ
れらの係合により、容器としての形態を成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】写真フィルム容器に要
求される内容としては気密性(防湿性)、キャップ取り
はずし性、耐衝撃性、内容物(パトローネ入りフィル
ム)の取り出し性、及び生産効率性が特にあげられ、こ
れらに答えるべく設計が行われた。もちろん収納するフ
ィルムの性能に有害な物質を含んでいないか、あるいは
含んでいたとしても性能に影響を与えないほど微量であ
ることは言うまでもない。
【0006】しかしながら近年写真フィルムを使用する
環境は非常に広がり、また写真フィルムへの要求品質も
一段と増してきている。
【0007】即ち、低温領域から高温多湿領域までの環
境に対し、高品質のフィルム性能を維持しうる包装容器
が要求されてきた。
【0008】低温から室温領域では、容器の扱いやすさ
が必要でありキャップがより簡単にあけられ、かつ内容
物が取り出しやすい事が望まれた。
【0009】また高温多湿領域(45〜50℃)ではフィル
ムの性能を十分に維持する気密性が必要とされる。
【0010】しかるにこの条件下ではキャップと本体の
密着部分のわずかな“ずれ”が防湿性に影響を与え、フ
ィルム性能を劣化させてしまうという課題があった。
【0011】これらの要望を満足させるには細部の詳細
検討が必要である。
【0012】しかるに従来前述の要望に対する設計が不
十分であり、よって要望を満足させるための細部の詳細
検討が必要となった。
【0013】つまり、 ・キャップ及び本体ケース樹脂材料の曲げ弾性率 ・キャップ及び本体ケース樹脂の形状的取り合い ・常温においてキャップをはずす時に必要な力(開缶
力) ・キャップのアンダーカット部の形状 ・キャップ及び本体ケース樹脂材料の線膨張係数 等が、写真フィルム用包装容器の品質に影響するため、
これらについて適切な範囲を規定し、最適の容器を提供
しなければならなかった。
【0014】本発明はこのような問題点を解消して生産
性の高い高品質の写真フィルム用包装容器を提供するこ
とを課題目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、キャッ
プ及び該キャップに係合する本体ケースとからなり、前
記係合時に前記キャップの外側に向く面と前記本体ケー
スの内側面とが嵌合して互いに密着する密着部を有す
写真フィルム用包装容器において、前記キャップを構成
する材料の線膨張係数及び該キャップの前記密着部の径
の値が、前記本体ケースを構成する材料の線膨張係数
び該本体ケースの前記密着部の径の値より大きくしてあ
り、前記密着部の気密性は50℃近傍までの通常の高温
時には良好であるが、該高温時を超えて60〜70℃近
傍の異常高温状態においては熱膨張の増大により歪みの
一様性が崩れ、キャップ内方への歪みの逃げ場が形成さ
れて前記密着部の気密性が下がるようにしたことを特徴
とする写真フィルム用包装容器によって達成される。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】輸送時あるいは高湿多湿地域でのフィルム
の性能を維持するためには45〜50℃の高湿環境下で気密
性が良好であることが望まれ、容器に吸水特性があるシ
リカゲルあるいは塩化カルシウムを5g入れて温度45〜5
0℃、湿度80〜90%の環境下に放置した時、48時間の間
に容器を透過して、シリカゲルあるいは塩化カルシウム
に吸収された水分量が10mg以下であることが必要であ
る。
【0035】キャップ及び容器本体は、一般にポリオレ
フィン系合成樹脂材料を用いて作られるが、ポリオレフ
ィン系の場合、材料の線膨張係数の範囲が大きく、該合
成樹脂材料のグレードによって前記範囲は大きく異な
る。キャップと本体容器は、該本体容器の開口部の近傍
で互いに密着する部分を有している。密着部分において
はキャップの寸法が容器本体の寸法よりやや大きくなる
ように設定しているためキャップと容器本体2をはめた
時、密着効果があり、防湿機能を有することになる。温
度が変わると材料の線膨張係数によりキャップ、本体ケ
ースの寸法が常温時に比べ、変化する。即ち線膨張係数
が大きいほど、大きく変化する。
【0036】フィルム用容器の使用環境から考えると透
湿性の影響を受けるのは特に高温高湿環境においてであ
る。
【0037】よって、もしキャップ用材料の線膨張係数
が本体ケース用材料の線膨張係数よりも小さいと常温で
は密閉性が良好でも高温高湿では常温時より悪くなり、
最も防湿機能が重要視される環境下で、必ずしも保証さ
れないのである。
【0038】逆にキャップ用材料の線膨張係数が本体ケ
ース用材料の線膨張係数以上であれば高温高湿環境下
で、常温時と同等あるいはそれ以上の防湿機能を供する
ことができ、十分なフィルム性能を維持することができ
る。
【0039】
【0040】フィルムは温度と水分により性能が低下す
ることが知られており、このために防湿機能を有す包装
容器で保護しているが、通常の使用においては温度が45
〜50℃、湿度が80〜90%の範囲で、その機能を発揮すれ
ば十分である。
【0041】しかし驚くべきことに、60℃以上の高温下
は、高度な防湿機能を有する包装体を使用していると、
逆にフィルム性能は劣化してしまうことが判明した。
【0042】これは、フィルム自体も、含水量があるた
め、60℃以上の高温下で密閉状態にあると、容器の中が
高温高湿状態となりフィルムが劣化してしまうからであ
る。よって温度が45〜50℃では密閉性は良好であるが、
60℃以上ではキャップとそれに係合する本体ケースとの
嵌合部の密着状態が、かえって悪くなり密閉性が良好で
なくなることを特徴とする写真フィルム用包装容器とす
ることにより、60℃以上、特に60〜70℃近傍の異
常な高温になった場合でも高湿の状態でない限り、フィ
ルム性能を水分より保護することができる。
【0043】
【実施例】本発明の写真フィルム用包装容器として、パ
トローネフィルム用のものを実施例とする。
【0044】その第1の実施例を図1のキャップ、図2
の本体ケースの各断面図、図3の両者の嵌合係止状態を
表わす部分断面図、図4のキャップの部分断面図を用い
て説明する。
【0045】本体ケース41は内径部47と底部46をもち出
入口(開口部)47Aの肉厚部44とそれ以外の肉薄部42と
によって構成されている。
【0046】キャップ50はパトローネフィルム体の押え
部53、本体ケース41の出入口面47Aとの嵌合面54、アン
ダーカット部である抜けどめ用の凸部51をもった略外筒
部59によって構成されている。
【0047】そしてキャップ50の嵌合面54は常温におい
て本体ケース41の内径部47の出入口面47Aと密着嵌合す
るように寸法設定されている。そしてキャップ50の外筒
部59の内径部59Aと本体ケース41の肉厚部44の外周面44
Aは接触嵌合していない。しかし凸部51が肉厚部44の根
元部の錐状面45に触れて外れ止めの役をしている。
【0048】そして、キャップ50及び本体ケース41の材
質はポリオレフィン系樹脂を用いている。これは或る程
度柔軟性があり、耐衝撃性も良好であるので、成形時の
型抜きの際のアンダーカット部の無理抜きが可能で型の
低コスト設計製作に自由性があり好都合であるからであ
る。本体ケース材料の曲げ弾性率はキャップ材料よりも
大きい値となっている。
【0049】キャップ50は本体ケース41に対して着脱が
容易に行われるように形状的にも変形可能な柔軟構造に
なっており、材料的にもポリオレフィン系樹脂材料のう
ちでもポリエチレンのような材料を使用している。
【0050】キャップ50を本体ケース41に嵌め込むこと
は本体ケースの外周面44Aを、キャップ50の外筒部59の
凸部51が摺動して嵌められ、最終的には錐状面45にのっ
かり、しっかりとめられる。そしてキャップ50の嵌合面
54と本体ケース41の内径部47の出入口面47Aの嵌合は密
着性の高い嵌合となる。
【0051】また、図3に示すようにキャップの一部が
本体ケースの開口部の外壁部より、長さL突出してお
り、この突出部を利用して、容易にキャップをはずすこ
とができる。
【0052】Lは0.5〜2.5mmで望ましくは0.8〜1.5mmが
良い。
【0053】図3に示すように、キャップの突出部の一
部に矢印の方向に力をかけた時キャップをはずす力Fは
常温(20〜25℃)で0.5〜2.0kgとなるように設計されて
いる。
【0054】アンダーカット部である抜けどめ用の凸部
51は、キャップをはずす力及び射出成形工程での生産性
という点で重要である。
【0055】図9は外筒部の肉厚が0.95mmのキャップに
おいてアンダーカット部の高さhをパラメータとしてキ
ャップ材料の曲げ弾性率とキャップをはずすのに必要な
力、即ち開缶力Fとの関係を示したものである。
【0056】図の斜線内が好ましい領域である。
【0057】凸部51はアンダーカット部になっているた
めに、凸の高さが射出成形のサイクルを決定する。
【0058】即ち凸部の高さがあまり高くなると、金型
から成形品を取りだす時に凸部の一部が削りとられた
り、あるいは大きく変形するため、本体ケースにはめた
場合、係合が不十分となり輸送時等でキャップがはず
れ、防湿機能を損い致命欠陥となってしまうことがあ
る。
【0059】このため、凸部の高さを適切な範囲におさ
めて、ハイサイクルの成形に対して凸部が削りとられた
り、変形したりしないようにする必要がある。
【0060】また凸部が削りとられたり変形するのを防
止するには凸部の根元に51a,51bのように半径0.15mm
以上の丸みをつけると効果的であることが判明した。
【0061】51a,51bに関して特に51bが有効であ
る。
【0062】次の表はキャップ曲げ弾性率が約1000kg/c
m2の材料を使用して成形性について示したものである。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】表1は成形サイクルを10秒として、凸部の
高さを変えて、その影響について調べたものである。
【0066】連続成形1000ショットを行い凸部について
凸部の形状に問題のないものを良、やや形状に変形があ
るものをやや良好、形状が大きく変形しているものを不
可としたものである。形状が大きく変形しているものが
1つでもあれば不可とした。
【0067】また表2は、凸部の高さhを0.4mmとして
成形サイクルについて示したものである。上記のテスト
と同時に連続1000ショットの成形を行って評価した。
【0068】これらの結果より判るように、凸部の高さ
hを0.55mm以下にし、さらにその根元に半径0.15mm以上
の丸みをつける事により、成形面で著しい効果がある事
を確認した。根元の丸みについては詳細な結果は省略す
るが0.15mmより小さいとその効果があまりないことを確
認している。
【0069】凸部の断面形状については図4(a)に示
す様な略円弧状の形状、あるいは図4(b)の略三角形
の形状、あるいはこれらに類似した形状が望ましい。
【0070】凸部の高さは高すぎると成形上の問題をお
こすが、逆に小さすぎると本体ケースとの係合が不十分
となり、落下時にキャップがはずれ、内容物の保護がで
きなくなることは説明するまでもない。
【0071】以上により凸部の高さhは0.15〜0.55mm、
望ましくは0.2〜0.4mm、また凸部の根元に半径0.15mm以
上の丸み、望ましくは0.2〜0.4mmの丸みをつけることが
必要であり、これらよりハイサイクル成形における無理
抜きキャップの高品質性と、適切な開缶性を有する包装
体を得ることができるようになった。
【0072】本体ケースの内径D0は約φ30.0mmである
が、この内径D0の開口部にはいるキャップの嵌合面の
径D0′は本体ケースの内径D0よりも、常温において若
干大きくなっている。これによりキャップの嵌合面と本
体ケースの開口部の内壁面と密着しあって、外部からの
透湿を防止している。
【0073】防止機能を効果的にするには、常温におい
てキャップの嵌合面の径が本体ケースの開口部の内径よ
りも0.2〜0.5mm程度大きくしておく事が好ましい。0.2m
mより小さいと、成形上の寸法バラツキ等により防湿機
が十分とはいえず、逆に0.5mmより大きいと、キャッ
プが本体ケースにはめにくい事がおきる。
【0074】高品質のフィルムを保障するには、フィル
ム用容器に吸水特性のあるシリカゲルあるいは塩化カル
シウムを約5g入れて、温度45〜50℃、湿度80〜90%の
環境下に放置した時に48時間の透湿量が10mg以下、好ま
しくは8mg以下、更に好ましくは6mg以下である包装容
器を提供することにより、達成することが判った。
【0075】また樹脂材料は材料特有の線膨張係数に従
って温度の変化と共に寸法が変化する。
【0076】即ち、高温になると寸法が大きくなり、低
温では小さくなる。
【0077】フィルム用容器の最大の機能は防湿性であ
るといえ、特に高温高湿環境で問題視される。
【0078】この問題については、キャップ材料の線膨
張係数本体ケース材料の線膨張係数以上にする事によ
り、解決できることをすでに述べたが、以下本内容の実
施例を示す。
【0079】キャップを線膨張係数が約17.5×10-5cm/c
m℃、本体ケースに線膨張係数が約10.0×10-5cm/cm℃の
材料を使用し、温度を室温20℃から50℃に上げると、キ
ャップの嵌合面の寸法φ30.2mm(常温時)は50℃では膨
張によりφ30.36mmとなり0.16mm大きくなる。
【0080】また本体ケースの開口部47Aの内径は室
温20℃でφ30.0mmのものが50℃ではφ30.09mmとなり0.0
9mm大きくなる。寸法変化がこの程度であれば、キャッ
プの嵌合面も本体ケースとの嵌合面にならって密閉性を
高めることができるが、これ以上更に温度が上がって、
即ち通常の高温50℃を超え60℃以上の異常な高温に
なり寸法変化が増大し変形が大きくなると、開缶性を良
くするための比較的柔軟質のキャップの方が耐えられな
くなり容器の内方に不定形に変形してキャップの嵌合面
は円筒面ではなくなり本体ケースの嵌合面と密着しなく
なる。また、このように60℃以上、特に60〜70℃
近傍の異常高温によって崩れた、キャップと本体ケース
の嵌合面の密着性も温度を50℃以下に下げることによ
り、良好な密着性を回復する事を確認している。
【0081】よって常温時では{(キャップの嵌合径)
−(本体ケース開口部径)}が0.2mmであったものが50
℃では0.27mmと0.07mm増加し、この分だけ密着性が良く
なり高温高湿時での防湿機能に効果を奏する。キャップ
材料の線膨張係数と本体ケースの線膨張係数との差は、
望ましくは3.0×10-5cm/cm℃以上、さらに望ましくは5.
0×10-5cm/cm℃が良い。
【0082】これにより温度が45〜50℃、湿度が80〜90
%の厳しい条件下でもフィルム用包装容器に吸水特性の
あるシリカゲル、あるいは塩化カルシウムを約5g入れ
た時の48時間における透湿量を10mg以下にすることがで
きた。
【0083】このように温度45〜50℃では密閉性は良好
であるが、60℃以上ではキャップとそれに係合する本体
ケースとの嵌合状態が悪くなり密閉性が良好でなくなる
ことを特徴とする包装容器を提供することにより、60
℃以上、特に60〜70℃近傍の異常高温の環境でも高
湿状態でない限り、水分からフィルム性能を保護するこ
とができた。
【0084】本内容の実施例A,Bを以下に記す。
【0085】Aが60℃以上でキャップと本体ケースの密
着性がはずれ密閉性が悪くなる容器で、Bが60℃以上で
もキャップと本体ケースの密着性がはずれず密閉性が良
い容器である。
【0086】A,BともフィルムはコニカカラーSuper
DD-100-24EXPを使用。
【0087】テスト1 8月の晴天日5日間車の中にキ
ャップ及び本体ケースから成る樹脂缶入りにて放置。
【0088】テスト2 60℃−5日間サーモ試験室内放
置。
【0089】テスト3 65℃−2日間サーモ試験室内放
置。
【0090】結果 常温保存サンプルとのFogDの差を
△DとしてReg層の△Dを下に示す。
【0091】 テスト1 テスト2 テスト3 A 0.05 0.06 0.05 B 0.18 0.21 0.19 このように、60℃以上でキャップと本体ケースとの嵌合
状態が悪くなり密閉性が良好でなくなるようにしたテス
ト品AはそうでないBに比べて、明らかにフィルムの性
能において差がありすぐれている。以上の各テストは常
湿の状態で行われたものであり、80〜90%の高湿時
には前記A,BにおけるΔDの差は無くなり、A,B共
にΔDは大きくなる。
【0092】以上第1の実施例によって本発明を説明し
たが、第2実施例も本発明が包含されているので、こ
れについて図5のキャップ断面図、図6の本体ケースの
断面図、図7の両者嵌合時の断面図、図8のキャップの
部分断面図を用いて説明する。
【0093】本体ケース1は内径D1とアンダーカット
の凹部5をもつ内径部4と底部6をもち、出入口の肉厚
部3とそれ以外の肉薄部2とによって構成されている。
【0094】キャップ10はパトローネフィルム体の押え
部13、頂部12、アンダーカット凸部11をもつ本体ケース
1への嵌合部9と頂部表面の凹部8とから構成されてい
る。そしてキャップ嵌め時に必要な構造上の柔軟性もも
たせてある。
【0095】そして、キャップ10の嵌合部9と凸部11は
本体ケース1の出入口(開口部)の内壁4と凹部5に嵌
合して密封される。
【0096】防湿性はキャップ10の嵌合部9と出入口面
7の内壁4が密着するか、あるいは凹部5の最低部5a
と凸部11の最高部11aの近傍が密着することによってな
される。
【0097】キャップ材料の曲げ弾性率は本体材料の曲
げ弾性率以下であり、キャップ材料の曲げ弾性率が6000
kg/cm2以下で、キャップの一部が本体ケースの開口部外
壁部より0.5〜2.5mm突出している。また、突出部の一部
に力Fをかけた時常温で0.5〜2.0kgの力でキャップがあ
けられる。
【0098】キャップのアンダーカット部である凸部11
の高さは0.15〜0.55mmでその根元には半径0.15mm以上丸
みR2がついている。
【0099】また、高温高湿(45℃〜50℃、80〜90%)
時で、容器にシリカゲルあるいは塩化カルシウムを約5
gいれた時、48時間の透湿量は10mg以下であって、密閉
性が良好であり、さらに60℃以上、特に60〜70℃近
傍の異常高温ではキャップと本体ケースとの嵌合状態が
悪くなり、密閉性が良好でなくなるようにしている。
【0100】また、第1の実施例と同様にキャップ材料
の線膨張係数の方が本体ケース材料の線膨張係数の値以
上であり、これらにより各々第1の実施例と同じ効果を
上げている。
【0101】以上2つの実施例はパトローネ入りフィル
ムの包装容器について述べたが、これに限ることなく、
写真フィルムは120タイプのものであってもよく、その
他のタイプのものであっても差支えない。
【0102】
【発明の効果】発明によりキャップの開缶性が容易に
なり包装容器の大きさも大型化せずにおさめることがで
きる。
【0103】
【0104】
【0105】発明により45〜50℃近傍の通常の高
温下で且つ80〜90%の高湿下での気密性が良好であ
包装容器が得られ、高品質のフィルム保証が得られる
ようになる。
【0106】
【0107】発明により、通常の高温高湿状態のとき
はもとより、環境を60℃以上、特に60〜70℃近傍
異常高温下に晒された状態にしたときでも、環境が80
〜90%の高湿状態でなければ、写真フィルムに悪影響
を及ぼすことがない包装容器が得られるようになった
【0108】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例におけるキャップの断面図。
【図2】第1の実施例における本体ケースの断面図。
【図3】第1の実施例におけるキャップ及び本体ケース
の嵌合係止状態を示す部分断面図。
【図4】(a)は第1の実施例におけるキャップの部分
断面図。(b)はその別の実施態様の部分断面図。
【図5】第2の実施例におけるキャップの断面図。
【図6】第2の実施例における本体ケースの断面図。
【図7】第2の実施例におけるキャップ及び本体ケース
の嵌合係止状態を示す部分断面図。
【図8】第2の実施例におけるキャップの部分断面図。
【図9】キャップの曲げ弾性率と開缶力の関係を表すグ
ラフ。
【符号の説明】
1,41 本体ケース 2,42 肉薄部 3,44 肉厚部 4,47 内径部 5 凹部 6,46 底部 7,47A 出入口面 10,50 キャップ 11,51 凸部 14A,14B 根元部 54 嵌合面 51a,51b 根元部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B65D 81/24 B65D 85/00 Z 85/00 85/672 85/672 41/16 Z

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャップ及び該キャップに係合する本体
    ケースとからなり、前記係合時に前記キャップの外側に
    向く面と前記本体ケースの内側面とが嵌合して互いに密
    着する密着部を有する写真フィルム用包装容器におい
    て、前記キャップを構成する材料の線膨張係数及び該キ
    ャップの前記密着部の径の値が、前記本体ケースを構成
    する材料の線膨張係数及び該本体ケースの前記密着部の
    の値より大きくしてあり、前記密着部の気密性は50
    ℃近傍までの通常の高温時には良好であるが、該高温時
    を超えて60〜70℃近傍の異常高温状態においては熱
    膨張の増大により歪みの一様性が崩れ、キャップ内方へ
    の歪みの逃げ場が形成されて前記密着部の気密性が下が
    るようにしたことを特徴とする写真フィルム用包装容
    器。
JP03226019A 1991-09-05 1991-09-05 写真フィルム用包装容器 Expired - Fee Related JP3136363B2 (ja)

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