JP3136326B2 - リフト装置及びリフト方法 - Google Patents

リフト装置及びリフト方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、建材又はこれに相当する板状部材、つま
り、弾性材のコア部と、このコア部の両面を覆う板状の
表面層とを少なくとも備え、この表面層が少なくとも一
端部においてコア部の厚み方向内方へ折り曲げられてい
る部材を持ち上げるための装置及び方法に関する。
本発明の装置によって持ち上げ(リフト)可能な建材
は、例えば、ミネラルウール繊維から成る弾性コア部を
備え、その各平坦面は、ウールプレートの表面に接着さ
れたメタルシートで覆われている。プレートの損傷を防
ぐために、このような建材はていねいに取り扱う必要が
あり、公知のクランプジョー(clamp jaw)タイプのリ
フト装置をこのようなプレートのリフト作業に使用する
ことはできない。本質的に軽いプレートのリフト用とし
て、吸着パッドによって部材の平坦面に固着される種々
の把持部材が開発されている。
持ち上げるべきプレートが比較的軽量であるにもかか
わらず、リフト作業の十分な安全性を確保するために
は、そして、吸着パッドの固着を妨げる可能性がある要
因の影響を考慮すると、かなりの数の吸着パッドが必要
である。その上、このリフト装置の把持部材は、持ち上
げるプレートの平坦面に把持部材を固着するために、少
なくともプレートの一方の表面において十分な自由空間
を必要とする。
上記欠点は本発明の装置及び方法によって除去可能で
あり、これらによれば、プレートの端部を把持すること
が可能になり、一態様においては、もともと必要なプレ
ートの厚み分の空間内で水平方向に把持することさえ可
能となる。
本装置の主たる特徴は請求項1に記載されている。本
方法の主たる特徴は請求項11に記載されている。
本発明は添付図面によって図示されており、ここで、 図1は、持ち上げるべき建材の上端部に本発明の装置
が置かれている最初の固定ステップを示し、 図2は、同じ方向から見た持ち上げる建材に本発明の
装置がリフト姿勢で固定されている状態を示し、 図3は、平坦面からみた建材の上端部にリフト装置が
リフト姿勢で固定されている状態を示し、そして、 図4は、屋根建材のリフトのための本発明の適用例を
示す。
本発明の装置によってリフト可能なタイプの板状建材
は、その厚さのほとんどを占めるコア部8と、このコア
部の両面を覆うプレート9,9′とから成る。コア部8
は、例えば、適当な強度を有するミネラルウールマット
から成り、メタルシートで被覆されている。
図1〜3の壁建材の上端部は接続構造を達成するよう
に構成されている。つまり、各カバープレート9,9′が
コア部8の上方へ少し延出してコア部に向かって折り曲
げられることにより、建材の長さ方向に沿って延びる突
条縁(bead)が形成されている。これらの突条縁は建材
の中心部に向かって少し延出しているが、コア部8の上
端部のほとんどの部分はフリー状態に残されている。図
示した実施例において、各突条縁はプレートの長手方向
に舌部(tongue)10を形成し、この舌部に適合する形状
の溝が隣の建材の下端部に形成されている。
図4の屋根建材では、接続用端部の構成が上記壁建材
と異なっている。この建材の下面を形成するプレートカ
バー9は、前記壁建材と同様にコア部8の頂部に部分的
に延出しているが、上面を形成するプレートカバー9′
は外方へ折り曲げられており、これによって、隣接配置
される二つの建材プレート間の水シーム(water seam)
が形成される。又、下面の舌溝構造(tongue and groov
e structure)10′も、壁建材のリフト端部の舌溝構造
とは異なり、実際、前記壁建材の下端部の長手方向の溝
を有する舌溝構造により良く適合する。
本発明のリフト装置は、先ず、フレームを形成するビ
ーム1を備えている。壁建材のリフトを目的とするリフ
ト装置のこのビームの幅は、好ましくは、壁建材の厚さ
に一致している。これに対して、屋根建材のリフトを目
的とする装置の場合には、このフレーム部材の幅は重要
ではない。一方、壁建材用リフト装置の場合はフレーム
ビーム1の長さを自由に選択できるが、屋根建材用リフ
ト装置の場合はフレームビームの長さは持ち上げる建材
の厚さによって決まる。フレームビーム1には軸又は類
似の部材2で構成された少なくとも一つの把持ユニット
が取り付けられ、この軸部材は、好ましくは、フレーム
ビーム1の幅方向中央に形成された貫通孔内に配置され
ている。この軸部材2は、上記貫通孔内にクリアランス
を有する状態で位置し、フレームビーム1に対して回動
自在であると共に長手方向に移動自在である。
軸部材の他端部には、軸部材の長手軸線に直角に長手
把持爪3が配置されている。壁建材用リフト装置におい
て、この把持爪3の幅は、把持爪3が両表面プレート9,
9′の突条縁の間に残されたスペースに配置されてコア
部8の上端部に自由に押し付けられ得るような寸法とさ
れている。把持爪3の長さは、把持爪3が建材の長手方
向に対して横断方向に回動されたときに、少なくとも一
つの舌溝構造10の下側に突出するような寸法とされてい
る。もっとも、図1及び2に示すように、両方の舌溝構
造10の突条縁の下側に突出するほうが好ましい。屋根建
材用リフト装置の場合、把持爪3は、好ましくは、軸部
材2から一方の側にのみ突出し、その長さは軸部材2の
位置を考慮して建材の下面の舌溝構造10′の突条縁の下
側に突出するような寸法とされている。
壁建材用リフト装置の場合、フレームビーム1の下面
は、持ち上げる建材の上面に沿うように構成されてい
る。即ち、舌部10を受け入れる長手溝がフレームビーム
に形成されている。屋根建材用リフト装置の場合は、こ
のような舌及び溝は不要であるが、代わりに、把持爪3
を有するフレームビーム1の端部に、把持爪の側に突出
して屋根建材の下面の舌溝構造10′の溝に嵌入するカム
1′を設けることが望ましい。
屋根建材用リフト装置の場合、フレームビーム1の一
端部に、屋根建材の上面の水シーム部12を把持するため
の専用の把持部材11が取り付けられている。この把持部
材11はフック状に形成され、フレームビームの他端部に
配設された把持爪3と同様に配置された軸部材2によっ
てフレームビーム1に固定される。把持部材11は水シー
ムのフランジ縁部12′の後ろへフック状に曲がるような
寸法とされている。このフック状把持部材11に代えて、
持ち上げる建材を把持する別タイプの部材、例えば、表
面層を形成するプレート9′を把持する吸着パッドを備
えさせてもよい。
図1〜3の壁建材用リフト装置において、リフト装置
をリフト姿勢にセットする際、先ず、把持爪3をフレー
ムビーム1の方向に回動し、次に、フレームビーム1
を、図1に示すように、建材の上端部の頂部に置く。こ
の後、フレームビームを貫通して突出する軸部材2とそ
の端部の把持爪3とを建材の弾性コア層8の上面に押し
付ける。弾性コア層は少し弾性変形し、その結果、把持
爪3が建材の厚み方向の姿勢へ回動され得る程度に建材
内に押し込まれる。この姿勢において把持部材の爪は図
2のように建材の表面層の折り曲げられた舌溝構造10の
突条縁の下側に突出している。それからリフトアーム5
をフレームビーム1の方向の姿勢へ回動し、フレームビ
ーム1に固定されたロック部材6内の位置にロックす
る。このロック部材は、好ましくは、前記装置のリフト
用小環(eye)の働きをも有する。
屋根建材用リフト装置の場合は、持ち上げる建材に対
してその横断方向に置かれ、これによって、先ず、前述
した把持部材11のフック固定がフランジ12′の後ろで行
われる。この後、フレーム部材のカム1′が建材の舌溝
構造に押し込まれ、上述した手順と同様の手順で、軸部
材2とその端部の把持爪3とが弾性コア層8に押し付け
られ、把持爪3が舌溝構造10′の突条縁の下側に位置す
るように軸部材2が回動される。屋根建材用リフト装置
では上記回動構成の代わりに次のような構造を使用する
ことも可能である。即ち、この構造において、軸部材2
に相当する部分がフレームビームの長手方向に形成され
たスリット内を移動する。この場合は、把持爪3がコア
部8の上面に押し付けられた時に把持爪3は図4に示す
姿勢になる。爪は、舌溝構造の突条縁の下側を摺動して
この姿勢になり、図4に示す部材によってリフト姿勢に
ロックされる。
持ち上げる建材の端部へのリフト装置の固定は、本発
明の別の特徴によって確実なものとされる。この特徴に
よれば、リフトアーム5と軸部材2との間のヒンジ部材
4に楔面4′が形成されてクランプ部材とされる。この
楔面により、リフトアーム5が水平姿勢へ回動した時に
軸部材2が少し上昇することが可能となり、この上昇に
よって、持ち上げる建材の舌溝構造の突条縁や水シーム
のような把持部材をフレームビーム1と把持爪3との間
で、同様にフレームビーム1と把持部材11との間で十分
に締め付けることができる。
壁建材を持ち上げる目的のリフト装置は、上述のリフ
ト部材(軸部材2、把持爪3、ヒンジ部材4、及びリフ
トアーム5)を図3に示すように好ましくは一対備えて
おり、これらは同じロック部材6に係合(cooperatio
n)する。このような構成により、本リフト装置は一体
的に作動する装置(tool)となる。しかし、本発明の範
囲内において他の構成も勿論可能であり、例えば、リフ
ト装置にリフト部材(lifting subunit)を一つだけ備
えさせてもよい。又、リフト装置の寸法を長くして、二
つ以上のリフト部材(lifting subpairs)を適当な間隔
で配設してもよい。
屋根建材用リフト装置は図4に示す部材のみを本来備
えており、好ましくは、複数の装置を使用して、持ち上
げるべき建材の互いに離れている複数の箇所を把持する
ようにしてもよい。
上述の実施例の変形例として、一体のものとして述べ
たビーム状フレーム1の代わりに別タイプのフレーム構
造、例えば、板材から成る箱構造や板材を折り曲げて形
成した構造等を使用してもよい。種々の骨組タイプのフ
レーム構造を使用することも可能である。
フレームに取り付けられた軸部材2の代わりに、フレ
ームの厚み方向に貫通して延びる任意の形状の(freely
formed)アーム状部材を使用して、その一端部に把持
爪3を直接形成し、他端部にリフトアーム5又はそれに
相当する部材を直接形成し、このアーム部材がフレーム
にロックされるように構成してもよい。上述の構成とは
対照的に、アーム部材2をフレームに対して傾けること
ができるように取り付け、一つの傾斜姿勢においてアー
ム部材2の把持爪3がカバー層の突条縁の下側に押し当
てられ、別の傾斜姿勢において把持爪3がカバー層の突
条縁をフレームにロックしてアーム部材の反対側端部が
フレームにロックされるように構成してもよい。このア
ーム部材2のフレームへのロックは、前述のリフトアー
ムを使用せずに直接的に行ってもよく、この場合は、例
えばリフト用小環6又はフレームの他の箇所にロックさ
れる。
軸部材又はアーム部材2の回動や傾斜の代わりに、あ
るいはこれらに加えて、これらの部材が、例えばフレー
ムを貫通して延びる溝内をスライドするようにしてもよ
い。こうすれば、例えば図4において、軸部材2及び把
持爪3を回動することなく、把持爪が表面層の突条縁の
下側に押し当てられる。把持爪3はスキー板のように設
計されて押し込み移動が容易となると共にコア層の表面
の損傷を避けることができる。
以上のように、多くの適用例において、一つの表面層
の突条縁のみを把持するための把持爪3又はこれに対応
するアーム部2によって形成される構造をリフト装置に
備えさせることで十分である。リフト装置の反対側の端
部における建材の端部の反対側の面の支持方法としては
種々のものが可能であり、その一例が図4に示したフッ
ク状把持部材11である。この部材11に代えて他のタイプ
の把持部材、例えば、表面層9′に固着する吸着パッド
等を使用することもできる。表面層9′がコア部8の頂
部へ延出している場合は、先に表面層の突条縁の下に挿
入される把持部材として、例えば、フレーム1からその
一端部へ突出するフック状の部材等が考えられ、この部
材が先に表面層9′で形成された突条縁の下に挿入され
る。この後、フレームの反対側端部が、例えば図4に示
したような機能の把持爪3によって、反対側の表面層9
の突条縁の下にロックされる。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも弾性コア部(8)と、このコア
    部の両面を覆う表面層(9,9′)とを有し、この表面層
    が少なくとも一端部において延出してコア部の一部を覆
    っている建材を持ち上げるための装置であって、 フレーム(1)と、このフレームを貫通していると共に
    フレームに対して移動自在な少なくとも一つのアーム部
    材(2)と、このアーム部材の一端部に設けられて前記
    コア層(8)の頂部の表面層の下に挿入される把持部材
    と、前記アーム部材(2)の反対側端部に設けられて前
    記アーム部材(2)をリフト姿勢にロックするロック部
    材と、持ち上げる建材の反対側の表面層(9′)に前記
    フレーム(1)を支持するための部材とを備えているこ
    とを特徴とするリフト装置。
  2. 【請求項2】前記フレーム(1)の下面は、持ち上げる
    建材即ち板材のリフト用端部の形状に適合する形状に形
    成されている請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】前記アーム部材(2)は、前記フレーム
    (1)をほぼ垂直に貫通し、前記フレーム(1)に対し
    て軸方向に移動自在であると共に軸心周りに回動自在で
    ある請求項1又は2記載の装置。
  4. 【請求項4】前記アーム部材(2)に設けられた把持部
    材は、前記アーム部材(2)の一端部に、このアーム部
    材とほぼ直角に配置された把持爪(3)である請求項3
    記載の装置。
  5. 【請求項5】前記アーム部材(2)のロック部材は、前
    記アーム部材に枢着されリフト姿勢において前記フレー
    ム(1)にロックされるリフトアーム(5)からなる請
    求項1〜4のいずれか1項記載の装置。
  6. 【請求項6】前記リフトアーム(5)はヒンジ部材
    (4)によって前記アーム部材(2)に固定され、前記
    ヒンジ部材は、前記リフトアーム(5)がリフト姿勢へ
    回動するときに前記アーム部材を軸方向に移動する楔部
    (4′)を備えている請求項5記載の装置。
  7. 【請求項7】前記アーム部材(2)は、前記フレーム
    (1)の貫通孔に配設され、前記フレームに対して直角
    方向のリフト方向にスライド移動自在である請求項1記
    載の装置。
  8. 【請求項8】前記アーム部材(2)は、前記フレーム
    (1)に対して傾斜自在である請求項7記載の装置。
  9. 【請求項9】前記アーム部材(2)は、前記フレームに
    対して長手方向に移動自在である請求項7記載の装置。
  10. 【請求項10】前記フレームの支持部材は、持ち上げる
    建材の反対側の表面層(9′)の縁部の下を把持する部
    材から構成されている請求項1〜9のいずれか1項記載
    の装置。
  11. 【請求項11】前記支持部材は、持ち上げる建材の第2
    表面層(9)の縁部の下を把持すべく前記フレームに支
    持されている前記把持部材に類似している請求項10記載
    の装置。
  12. 【請求項12】少なくとも弾性コア部(8)と、このコ
    ア部の両面を覆う表面層(9,9′)とを有し、前記表面
    層の少なくとも一つが一端部において延出してコア層
    (8)の対応する端部の一部を覆っている建材を持ち上
    げるための方法であって、 前記建材が、前記コア層(8)の端部の頂部へ延出する
    前記表面層(9,9′)の突条縁の下で把持されることを
    特徴とするリフト方法。
  13. 【請求項13】前記建材が、前記コア層(8)の端部の
    頂部へ延出する前記表面層(9,9′)の突条縁の下で向
    かい合わせに把持される請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】前記表面層(9,9′)の突条縁の下で把
    持するために、前記コア層(8)が前記建材の平面方向
    に圧縮される請求項12又は13記載の方法。
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