JP3136174B2 - 冷媒圧縮機 - Google Patents

冷媒圧縮機

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JP3136174B2 JP03204736A JP20473691A JP3136174B2 JP 3136174 B2 JP3136174 B2 JP 3136174B2 JP 03204736 A JP03204736 A JP 03204736A JP 20473691 A JP20473691 A JP 20473691A JP 3136174 B2 JP3136174 B2 JP 3136174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は冷媒圧縮機、特にその
潤滑装置に関するものである。特にこの発明は、潤滑油
中に随拌する気体状の冷媒を排出するためのベント機構
を有する二段潤滑油ポンプ、改良されたベント通路、及
び異物粒子が潤滑油に随拌して循環することを制限する
濾過手段、を備えた潤滑装置に係る。
【0002】
【従来の技術】密閉型の冷媒圧縮機は普通、底部に油溜
まりを有する外殻を備えており、同油溜まりから潤滑油
が汲み出されて駆動軸内の軸線方向及び放射方向の通路
を介し各種の軸受に給送される。油溜まりとそれに収容
された潤滑油は冷媒と自由に接触することから、若干の
冷媒が潤滑油中に液体及び気体の両者の形で混入しう
る。この冷媒は圧縮機の稼働中に潤滑油ポンプ及び通路
中に運ばれることが多いため、冷媒の存在に原因する不
完全な潤滑を避けるように潤滑油通路からの排気を行な
う手段を設けるのが望ましい。しかしそのためのベント
通路はそれに液体が充満するとポンプ作用し、油流路を
短絡状とする可能性がある。
【0003】成る種の圧縮機、特に速度可変の圧縮機で
は、油ポンプの吐出流量が圧縮機の運転速度に比例する
ことからして比較的低速の運転時に軸受の十分な潤滑を
確保するため、多段式の油ポンプを設けることが必要で
ある。しかし多段式或は二段式ポンプでは第1段ポンプ
中で液状冷媒がフラッシングして気体状の泡を形成し、
ポンプが給送できる潤滑油の量を減らす可能性がある。
したがってポンプにより給送される潤滑油量を増すよう
に、冷媒を排出させる手段を設けるのが望ましい。
【0004】完全に組立てられた圧縮機内に或る量の異
物粒子が捕捉されて残されることは、それを防ぐように
最善の努力をしたとしても避けることができない。また
圧縮機が初期の運転期間中及びその後の定常的な稼働中
に摩損するにつれ、より多くの粒子が潤滑油中にたまっ
てくる。このような粒子の存在を完全に無くすことは実
際上不可能であるが、異物粒子の循環を防止する手段を
設けることは可能であり望ましいことである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した諸
問題点を克服する潤滑装置を備え、圧縮機の運転速度の
如何に拘らず潤滑油の適切した連続的供給が得られ、ま
た潤滑油と共に異物粒子が循環する可能性が大きく減ら
されることとしてある、新規な冷媒圧縮機を提供しよう
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのためにこの発明は第
1段目内にベント通路手段を有する二段ポンプであっ
て、第2段目に運ばれる気体状冷媒の量を減少させて増
大された油流量を確保させる二段ポンプを、潤滑油給送
用のポンプとして用いる。またクランク軸ないし駆動軸
の上方部分中にサイホン現象を生じさせない独特のベン
ト通路手段を設けて、各種の軸受面の適切な潤滑を妨げ
ることとなる冷媒が油中に存在する可能性を、さらに減
らすようにする。また潤滑油用の油溜まり内にフィルタ
ー手段を配設して、異物粒子がポンプ中に吸入され軸受
に対し循環する可能性を減少させる。この発明に従った
潤滑装置のこれらの特徴は速度可変の圧縮機と組合せる
と特に有用であり、圧縮機の運転速度如何に拘らず軸受
面に対する適当した量の潤滑油の供給が保証されること
になる。
【0007】この発明の他の特徴と長所は、添付図面を
参照して行なう以下の説明から明瞭に理解される。
【0008】
【実施例】この発明は数多くの異なった型式の圧縮機に
おいて実施できるが、例示上の目的からして、図1に縦
断面でもって主要な構造を示してあるスクロール式圧縮
機においてこの発明を実施した例について説明する。こ
の圧縮機はほぼ円筒状の密閉された外殻10を備えてお
り、外殻10の上端にはキャップ12を、また下端には
複数の脚16を有する基台14を、それぞれ溶着して設
けてある。キャップ12には外殻10の内部に突入する
部分を有するサーモスタット機構18、及び内部に通常
の吐出弁(図示せず)を有するものとできる吐出管接手
20を、設けてある。外殻10に取付けられた他の主な
構成要素には、周縁部をキャップ12と同一の点で外殻
10に溶着してある横向きの仕切り壁22、複数本のピ
ン26を利用して複数箇所で外殻10にピン溶着してあ
る主軸受箱24、放射方向の外向きに突出する複数の脚
部を有し該各脚部でピン30を利用して外殻10にピン
溶着してある下部軸受箱28が含まれる。横断面形状が
四角形であるが角部を丸めてあるモータ固定子32を、
外殻10中に圧嵌めしてある。この固定子32の丸めら
れた角部間の平坦面部は該固定子32と外殻10間に、
外殻10内の頂部から底部への潤滑油の流れを容易とす
る通路34を提供する。上端に偏心したクランクピン3
8を有する駆動軸ないしクランク軸36を、主軸受箱2
4内の軸受40及び下部軸受箱28内の第2軸受42に
支承させて設けてある。クランク軸36の下端部は比較
的大径の同心の穴44を有し、この穴44はクランク軸
36の頂端にまで上方向きに延びている、放射方向の外
向きに傾斜する比較的小径の穴46と連通するものと、
されている。穴44内には撹拌器48を配設してあり、
またクランク軸36の下面には潤滑油ポンプ50をキー
止めしてある。外殻10内の下端部には潤滑油を収容し
てあり、ポンプ50は穴44と協力して働く主ポンプを
構成し、また穴44はクランク軸36内で潤滑油を汲み
上げ上方側の穴ないし通路46中へ、そして最終的には
潤滑を必要とする種々の圧縮機部分の全てに潤滑油を給
送する二次ポンプとして働く。
【0009】クランク軸36は前記固定子32、該固定
子の全体にまたがる巻線52、及びクランク軸36に圧
嵌めされた回転子53を有する電動モータによって回転
駆動され、回転子53は上部及び下部の釣合い重り5
4,56を有する。油溜め内の油中で回転する釣合い重
り56による動力損失を減らすために、図示のような釣
合い重り被い58を設けることができる。また通例の過
熱防止を得るために通常のモータ保護器60を巻線52
に取付けることもできる。
【0010】主軸受箱24の上面には平坦なスラスト受
け面62を形成してあり、このスラスト受け面62上に
は、上面側に通常の螺旋翼66を備えている旋回スクロ
ール64を配置してある。旋回スクロール64の下面か
ら平軸受70を内部に有する円筒状のハブを下方向きに
突出させてあり、またハブ中には穴74を有する駆動ブ
ッシュ72を回転可能に配置してあって穴74にクラン
クピン38を突入させてある。クランクピン38は穴7
4の周面の一部に形成された平坦面と係合する平坦面
(以上、図示せず)を有し、出願人が所有する米国特許
No.4,877,382に開示されているような放射
方向での融通性を有する駆動機構が構成されている。翼
66は非旋回スクロール80の一部分を形成している非
旋回螺旋翼78と噛合されており、非旋回スクロール8
0は主軸受箱24に、該スクロール80の制限された軸
線方向の動きを可能とする任意の所望の方式で支持され
ている(この支持方式は本発明の要旨とするところと関
係がない。)。非旋回スクロール部材80は中心に配置
の吐出通路82を有し、この吐出通路82は上向きに開
口した凹溝84に連らなり、凹溝84が、キャップ12
と仕切り壁22とにより区画形成された吐出消音室86
と連通している。非旋回スクロール部材80はその上面
に環状凹溝88を有し、この環状凹溝88中に、仕切り
壁22に一体形成された環状ピストン90を軸線方向で
の相対移動可能として密封的に嵌合してある。環状のエ
ラストマー材製シール部材92,94及び96によって
凹溝88の内底部を、そこに吐出圧力の気体が存在する
ことのないように隔離してあり、該内底部を通路98に
よって中間流体圧力源と流体的に連通させうるようにし
てある。したがって非旋回スクロール部材80は旋回ス
クロール部材64に向けて軸線方向に沿い、非旋回スク
ロール部材80の中央部に加わる吐出圧力に基因する力
と凹溝88の内底面に加わる中間圧力に基因する力とに
よって附勢を受けることになる。この軸線方向での圧力
附勢に関しては、上述した米国特許No.4,877,
382に詳細に述べられている。
【0011】以上に説明して来たスクロール式圧縮機の
構造は既に公知である。図示の圧縮機においてこの発明
の原理とするところを採り入れてある部分は圧縮機用の
潤滑装置、特に主ポンプ50及び関連するインペラー構
造部のベント構造、ポンプ50により取り入れられて軸
受に対し給送される異物粒子を減少させる濾過手段の設
置、及び主潤滑油供給通路46用の独特なベント機構で
ある。
【0012】図2,3に示すように下部軸受箱28は一
連の3個の座ぐり穴100,102,104を備えてお
り、これらの各座ぐり穴は、座ぐり穴100を軸受42
に対し隣接させ、以下順次、隣接する座ぐり穴よりも若
干径を大きくして行くものに形成されている。図示のよ
うにクランク軸36の下端はほぼ、座ぐり穴100と1
02との間の境目に位置させてある。下部軸受箱28に
はまた、その側壁を貫通し座ぐり穴100内に開口する
斜めに延びた通路105も形成してある。
【0013】座ぐり穴102内にはインペラー部材10
6を配設してあり、このインペラー部材106は上方へ
延出してクランク軸36の穴44中に突入する径縮小部
108を含んでいる。座ぐり穴104内にスラスト受け
ワッシャ110とプレート部材112を配置して、座ぐ
り穴104の内側壁に設けた環状溝116に嵌める座金
114によって拘束してあり、これらのスラスト受けワ
ッシャ110とプレート部材112によりインペラー部
材106を、クランク軸36への組込み関係に保持して
ある。
【0014】図2,4に示すようにインペラー106の
下面にはクランク軸内通路(穴)44内へと上方向きに
開口する軸線方向の中心穴107、及び該穴107の放
射方向外側に位置しインペラー回転中心線上に中心をお
く環状凹溝118を、設けてある。複数のポンプ通路1
20を、凹溝118から外向きにインペラー106の外
周面まで達するように配置して設けてある。これらの通
路120はインペラーの真の半径に対し、該インペラー
106の弦に沿う向きで若干傾斜させると共に凹溝11
8との境目付近において軸線方向で段付けして、通路1
20が環状凹溝118内に開口する点と対比して下流側
の流路断面積を増すようにするのが、好ましい。比較的
小径の軸線方向の通路122も、環状凹溝118と各通
路120との境目に配置して設けてある。
【0015】図5に示すようにスラスト受けワッシャ1
10はほぼ円形で、放射方向の外向きに突出する回り止
めタブ124を設けられており、タブ124は、軸受箱
28に座ぐり穴104と重なり合うように設けてある比
較的小径の座ぐり穴126に支承されている。スラスト
受けワッシャ110はまた中心の開口128、この開口
128の一側と他側に配置され該開口128から放射方
向でみて実質的に等しい距離、距ててある1対の実質的
に等しいアーチ状入口130,132、及びこれらの入
口130,132から放射方向でみて実質的に等しい距
離だけ外向きに距ててある1対のアーチ状出口136,
138を、含んでいる。入口130,132はポンプイ
ンペラー106の環状凹溝118(図2,4)の下方に
位置し該凹溝118内に開口するように配置され、他
方、出口136,138はインペラー106の通路12
0(図2,4)の外端部の下方に位置し該外端部と整列
するように配置されている。
【0016】図6に示すようにプレート部材112もほ
ぼ円形のもので、放射方向の外向きに突出する回り止め
タブ140を設けられており、このタブ140も座ぐり
穴126に支承させてある。また1対のアーチ状入口1
42,144を、スラスト受けワッシャ110中の入口
130,132と整列位置するように配置して設けてあ
る。プレート部材112の上面にはまた不規則形状の溝
穴ないし凹溝も設けられており、該凹溝は1対のほぼ半
円状の外側部分146,148を含み、これらの各部分
146,148はその各両端で、ほぼ一直径線上に位置
させてある凹溝部分150に開口させてある。半円状の
外側部分146,148はスラスト受けワッシャ110
中の前記出口136,138の下方に位置して該出口1
36,138に重なり合うように配置され、また直径線
上の凹溝部分150は、スラスト受けワッシャ110及
びインペラー106中の前記開口128及び穴107を
介してクランク軸36中の通路44に対し連通するよう
に配置されている。
【0017】前述したように主ポンプ50のインペラー
106はクランク軸36によって回転駆動される。その
ためには図7に示すように、インペラー106の上方部
分である前記径縮小部108に、一直径線上で互に反対
向きに放射方向で突出する、上下に長い1対の突隆15
2,154を設けて、これらの各突隆152,154を
クランク軸36の下端部に設けた座ぐり穴156に支承
させてある。
【0018】圧縮機の稼働中、外殻10内の下方部から
油がインペラー106の環状凹溝118中へ、下方のプ
レート部材112及びスラスト受けワッシャ110中の
入口142,144及び130,132を経て吸い込ま
れる。インペラー106がクランク軸36により回転駆
動されることによって油は該インペラー106中の通路
120を通して放射方向の外向きに汲み出され、そこか
らスラスト受けワッシャ110中の出口136,138
を通して下方のプレート部材112中の凹溝外側部分1
46,148中へと送られる。この凹溝外側部分14
6,148から今や加圧されている油がプレート部材1
12中の凹溝部分150へと流れ、次に軸線方向で上方
向きに開口128及び穴107を通ってクランク軸36
中の通路44内へと流れる。この点でクランク軸36の
回転によって油に加わる遠心力により第2段階ないし二
次ポンプ作用が与えられて、軸受面に対する油の適切な
供給が保証される。
【0019】前述したように密閉型冷媒圧縮機では冷媒
に油が混入するのが普通である。上述したポンプ作用中
にこの冷媒の一部が主ポンプ50中に吸込まれ、気体状
態へとフラッシングする。この冷媒のフラッシングは一
部、冷媒−油混合物が通路120中へと入るときの該混
合物の加速に基づくと信じられる。この発明はしかし、
このようにフラッシングする冷媒を全て前記通路122
を通して座ぐり穴100(図2,3)中へ抜出させ、そ
こから前記通路105を通して排気して気体状の冷媒が
種々の軸受面に対する油の供給を制限する可能性を無く
す。
【0020】また油中に随拌する冷媒が全て上記第1段
階のポンプ作用中にフラッシングするとは限らず、冷媒
の一部はむしろ油と共に通路44,46へと運ばれて来
る可能性が高い。このような冷媒を全て排出するため図
1に示すように通路46に、ほぼ放射方向の外向きに延
びて上部軸受箱40の直下方でクランク軸36外に開口
するベント通路158を設けてある。この通路158が
油で満たされてその後に遠心ポンプ作用する可能性を無
くすために、ベント通路158においてクランク軸36
のほぼ回転中心線上から放射方向の外向きに延びる第1
の部分160は、通路46から上記回転中心線上にまで
延びる第2の部分162よりも実質的に大径であるもの
とされている。したがって第2の部分162は第1の部
分160に流入する油量を、通路46を通して流れる油
量の如何に拘らず第1の部分160に油が充満する可能
性が無くされるように制限する。
【0021】軸受40に対し潤滑油を供給するため図
1,8,9に示すように、軸受40の下端近くで出口通
路164を設けてある。クランク軸36の外面には軸線
方向に長い平坦面166を、出口通路164から上方向
きにクランクピン38の下端にまでかけて設けてある。
比較的小さな軸線方向に沿う平坦面168も、出口通路
164から下方向きに軸受40の下端にまでかけて設け
られている。平坦面166,168は軸受40とクラン
ク軸36間に僅かの空隙を与え、これによって出口通路
164から流出した油が軸受40の軸線方向全長にわた
り分配されることになる。平坦面166はまた、軸受4
0からの気体状冷媒の排出を得させるようにも機能す
る。
【0022】軸受に対し異物粒子が油と共に連続して循
環せしめられることを防止するために、図1−3に示す
ようにフィルター170も設けてある。このフィルター
170はほぼ円形のスクリーン部材を備え、このスクリ
ーン部材は下部軸受箱28のポンプハウジング部を通し
てある中心開口を有する。適当した止輪172を、下部
軸受箱28外面の環状溝に嵌めてフィルター170を組
込み関係に保持してある。フィルター170の外周端縁
は基台14に形成した肩部174にのせ、該肩部174
に対し外殻10の下端縁により締付けてある。フィルタ
ー170は比較的細かい目のステンレス鋼スクリーン材
から形成するのが好ましい。フィルター170が主ポン
プ50への入口を有効に取り囲むことから、このフィル
ター170を通し油が下方向きに流れるとき油中から異
物粒子が分離され、軸受面に対して異物粒子が循環して
もたらされるのが阻止される。またフィルター170が
大面積のもので、その上に異物粒子がたまってもポンプ
50への油流れが制限されない点に、留意されるべきで
ある。フィルター170は潤滑油からの異物粒子の分離
作用に加えて、液状の冷媒がポンプ50に吸込まれるの
を阻止する援けも行なうと、信じられる。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から理解できるようにこの発
明は、圧縮機の全ての稼働条件下で軸受面に対する潤滑
油の適切な供給を行なうこととする、改良された潤滑装
置を備える冷媒圧縮機を提供するものである。第1段目
にベント機構を挿入設置してある二段ポンプはこの発明
に係る潤滑装置を速度可変の圧縮機に対し、長い時間の
低速運転中においてすら軸受に対する適切した潤滑油の
供給が確保されるようにすることからして、特に適合し
たものとする。またクランク軸ないし駆動軸の潤滑油通
路のための制限ないし絞りベント機構は上方側の潤滑油
分配通路内からの排気を確保させると共に、液体の充満
によりポンプ作用して潤滑油が意図した方向から外れた
方向に流されるのを阻止するものとなっている。油ポン
プの入口を取り囲むフィルター手段は、異物粒子が潤滑
油と共に循環される可能性を減らして圧縮機の寿命を高
めるのに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従った潤滑装置を組込んであるスク
ロール式の冷媒圧縮機の一部欠截縦断面図である。
【図2】図1の圧縮機の一部分の拡大縦断面図で、二段
油ポンプとそれに附設のベント機構を示している。
【図3】図2に類似の縦断面図であるが、図2の場合よ
りもクランク軸を回転させ、且つ、図2の縦断面に垂直
な縦断面で縦断して画いた図である。
【図4】図2,3に示す油ポンプの横断面図で、断面は
図3の4−4線に沿う。
【図5】図2,3に示す油ポンプの横断面図で、断面は
図3の5−5線に沿う。
【図6】図2,3に示す油ポンプの横断面図で、断面は
図3の6−6線に沿う。
【図7】図2,3に示す油ポンプの横断面図で、断面は
図3の7−7線に沿う。
【図8】図1に示す駆動軸の上方部分を示す拡大正面図
である。
【図9】図8の駆動軸の一部分の拡大横断面図で、断面
は図8の9−9線に沿う。
【符号の説明】
10 外殻 14 基台 24 主軸受箱 28 下部軸受箱 32 モータ固定子 36 クランク軸(駆動軸) 40 軸受 42 軸受 44 穴 46 穴(通路) 50 ポンプ 53 回転子 64 旋回スクロール 80 非旋回スクロール 100,102,104 座ぐり穴 105 通路 106 インペラー 107 中心穴 110 スラスト受けワッシャ 112 プレート部材 118 環状凹溝 120 ポンプ通路 122 通路 128 開口 130,132 入口 136,138 出口 142,144 入口 146,148 凹溝外側部分 150 凹溝部分 158 ベント通路 164 出口通路 166,168 平坦面 170 フィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 29/02 311 F04C 29/02 341 F04C 18/02 311

Claims (37)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油を収容する油溜まりを下方部に有
    する外殻、この外殻内に設置された圧縮装置、この圧縮
    装置を駆動するモータ手段、及び上記油溜まりから上記
    圧縮装置に対し潤滑油を給送するポンプ手段を備えてい
    て、上記ポンプ手段がポンプ室を区画形成する手段を有
    するハウジング、上記ポンプ室と連通させてある入口と
    出口、及び上記ハウジング内に配設され、上記油溜まり
    から上記入口を通して潤滑油を吸入すると共に該潤滑油
    を上記出口を通して吐出するポンプ部材を、含むもので
    ある冷媒圧縮機において、上記した入口から出口へと流
    動する潤滑油によって運ばれる冷媒気体を排出するため
    に上記ポンプ部材中に設けられている第1のベント手
    段、及び上記ハウジング外に開口させて該ハウジング中
    に設けられた第2のベント手段であって上記第1のベン
    ト手段と連通させてあり該第1のベント手段によって排
    出される冷媒気体を上記ハウジング外に排出する第2の
    ベント手段を、備えた冷媒圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記ポンプ手段が二段ポンプに構成され
    ていて、前記第1のベント手段を1段目のポンプの入口
    と出口との間に開口させて設けてある請求項1の冷媒圧
    縮機。
  3. 【請求項3】 速度可変のものに構成してある請求項2
    の冷媒圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記第1のベント手段が、前記ポンプ部
    材を貫通する複数個の開口を備えている請求項1の冷媒
    圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記ハウジングが、前記第1のベント手
    段の前記した複数個の開口を前記第2のベント手段に対
    し連通させる環状室を含んでいる請求項4の冷媒圧縮
    機。
  6. 【請求項6】 前記ポンプ手段の入口を取り囲むフィル
    ター手段を、前記油溜まり内に設けてある請求項1の冷
    媒圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記モータ手段と前記圧縮装置間を連動
    連結する駆動軸であって一端部を前記ハウジング中に突
    入させてある駆動軸を備えていて、前記ポンプ部材が該
    駆動軸の一端部内に嵌め込まれた部分を有するインペラ
    ーを備えており、このインペラーが前記したポンプ手段
    の入口と連通する環状凹溝、及びこの環状凹溝から外向
    きに延びる、周方向で互に間隔をあけてある複数個の通
    路を有し、これらの各通路が上記環状凹溝との境目附近
    で段部を有するものとされている請求項1の冷媒圧縮
    機。
  8. 【請求項8】 前記第1のベント手段が、前記段部に隣
    接する位置で前記通路内に開口するものに形成されてい
    る請求項7の冷媒圧縮機。
  9. 【請求項9】 前記段部を、前記通路の軸線方向深さを
    増すことによって形成してある請求項8の冷媒圧縮機。
  10. 【請求項10】 前記各通路を、前記ポンプ部材の弦に
    沿って外向きに延びるものに形成してある請求項9の冷
    媒圧縮機。
  11. 【請求項11】 前記第1のベント手段を、前記駆動軸
    の放射方向での外方位置に配置してある請求項7の冷媒
    圧縮機。
  12. 【請求項12】 前記圧縮装置と前記モータ手段間を連
    動連結する駆動軸であって前記ポンプ手段から前記圧縮
    装置に対し潤滑油を供給するための軸線方向に沿う通路
    を内部に設けてある駆動軸、及びこの駆動軸中に上記通
    路から駆動軸外面にかけてほぼ放射方向に沿わせ設けら
    れたベント手段を備え、該ベント手段が上記通路から上
    記駆動軸のほぼ回転中心に至る第1の部分と駆動軸外面
    にまで至る第2の部分とを含み、第2の部分の径を第1
    の部分の径よりも大きくしてある請求項1の冷媒圧縮
    機。
  13. 【請求項13】 潤滑油を収容する油溜まりを下方部に
    有する外殻、この外殻内に設置された圧縮装置、この圧
    縮装置を駆動するモータ手段、上記油溜まりに連通する
    入口を有し該油溜まりから上記圧縮装置に対し潤滑油を
    供給するポンプ手段を、備えた冷媒圧縮機において、上
    記油溜まり内に、上記したポンプ手段の入口を取り囲む
    ようにして上記ポンプ手段と上記外殻間に配置されたフ
    ィルター手段であって、上記ポンプ手段を通しての上記
    圧縮装置への異物粒子の流れを阻止するフィルター手段
    を設けてあり、 また上記ポンプ手段が出口、及び上記油溜まりと該ポン
    プ手段間にまたがるベント通路を備え、該ベント通路を
    ポンプ手段に対し上記入口と上記出口間で連通させて、
    ポンプ手段に入る冷媒を上記油溜まりに戻すように構成
    してある 冷媒圧縮機。
  14. 【請求項14】 前記モータ手段と前記圧縮装置間を連
    動連結する駆動軸を 備えており、前記ポンプ手段を、該
    駆動軸によって直接に駆動される二段ポンプを備えたも
    のに構成してある請求項13の冷媒圧縮機。
  15. 【請求項15】 前記ベント通路を前記ポンプ手段に対
    し、前記入口と前記二段ポンプの1段目のポンプの出口
    との間で連通させてある請求項14の冷媒圧縮機。
  16. 【請求項16】 潤滑油を収容する油溜まりを下方部に
    有する外殻、この外殻内に設置された圧縮装置、この圧
    縮装置を駆動するモータ手段、上記油溜まりに連通する
    入口を有し該油溜まりから上記圧縮装置に対し潤滑油を
    供給するポンプ手段を、備えた冷媒圧縮機において、上
    記油溜まり内に、上記したポンプ手段の入口を取り囲む
    ようにして上記ポンプ手段と上記外殻間に配置されたフ
    ィルター手段であって、上記ポンプ手段を通しての上記
    圧縮装置への異物粒子の流れを阻止するフィルター手段
    を設けてあり、 また上記モータ手段と上記圧縮装置間を連動連結する駆
    動軸を備えていて、この駆動軸に、上記ポンプ手段から
    上記圧縮装置へと潤滑油を供給するための軸線方向の通
    路、及び該通路内から気体を抜くために駆動軸両端間の
    中間位置に配置されたベント手段を、それぞれ設けてあ
    冷媒圧縮機。
  17. 【請求項17】 前記ベント手段がほぼ放射方向に沿わ
    せてある通路を備え、この通路が前記した軸線方向の通
    路内に開口する第1の部分と前記駆動軸の外周面を通し
    て駆動軸外に開口する第2の部分を有し、このうちの第
    2の部分の径を第1の部分の径よりも実質的に大きくし
    てある請求項16の冷媒圧縮機。
  18. 【請求項18】 前記した第1の部分と第2の部分を、
    実質的に前記駆動軸の回転中心線上で連らねてある請求
    項17の冷媒圧縮機。
  19. 【請求項19】 潤滑油を収容する油溜まりを下方部に
    有する外殻、この外殻内に設置された圧縮装置、モータ
    手段、このモータ手段と上記圧縮装置間を連動連結する
    駆動軸であって一端を上記油溜まり中に位置させてある
    駆動軸、この駆動軸を回転可能に支持する軸受手段、及
    び上記油溜まりから上記軸受手段に対し潤滑油を導くた
    めに上記駆動軸内に設けられた軸線方向に沿う通路手段
    を、備えた冷媒圧縮機において、上記駆動軸中に該駆動
    軸の両端間の中間位置に配置されほぼ放射方向に沿わせ
    てあるベント手段を設け、このベント手段に、上記通路
    手段内に開口する流れ制限部分と上記駆動軸外に開口す
    る第2の部分とを設けて、該ベント手段を、上記通路手
    段からの気体状冷媒の流れは許容するが潤滑油の流れを
    制限するものに構成してある冷媒圧縮機。
  20. 【請求項20】 前記第2の部分を、前記流れ制限部分
    よりも実質的に大きな径をもつものに形成してある請求
    項19の冷媒圧縮機。
  21. 【請求項21】 前記ベント手段を、前記駆動軸の回転
    中心線を横切る通路を備えたものに構成してある請求項
    19の冷媒圧縮機。
  22. 【請求項22】 前記流れ制限部分と前記第2の部分と
    をほぼ、前記駆動軸の回転中心線上で連らねてある請求
    項21の冷媒圧縮機。
  23. 【請求項23】 前記駆動軸が、前記軸受手段に対し潤
    滑油を供給するための油出口通路と軸線方向に長い平坦
    面とを備えており、上記油出口通路を上記平坦面で駆動
    軸外に開口させると共に該平坦面を前記軸受手段に沿っ
    て軸線方向に延びるものに形成して、軸受手段の軸線方
    向長さの全体にわたり潤滑油が分配されるように構成し
    てある請求項19の冷媒圧縮機。
  24. 【請求項24】 前記平坦面が前記油出口通路の開口端
    から上方向きに延びる第1の部分と下方向きに延びる第
    2の部分とを含んでおり、このうち第1の部分を第2の
    部分よりも周方向での幅を大きくして、該第1の部分に
    より前記駆動軸と前記軸受手段間の領域から冷媒を排出
    させるように構成してある請求項23の冷媒圧縮機。
  25. 【請求項25】 速度可変の冷媒圧縮機であって、 潤滑油を収容する油溜まりを下方部に有する外殻、 この外殻内に設置された圧縮装置、 モータ手段、 このモータ手段と上記圧縮装置間を連動連結する駆動軸
    であって、一端を上記油溜まり中に位置させてある駆動
    軸、 この駆動軸を回転可能に支持する軸受手段、 上記した駆動軸の一端に該駆動軸によって駆動されるよ
    うに接続してある主ポンプ手段であって、入口及び出口
    を有する主ポンプ手段、 上記駆動軸内に配置された二次ポンプ手段であって、上
    記した主ポンプ手段の 出口に対し接続された入口と出口
    とを有する二次ポンプ手段、 上記した二次ポンプ手段の出口から上記軸受手段に対し
    潤滑油を供給するために上記駆動軸内に設けられた通路
    手段、及び 上記した主ポンプ手段の入口と出口間から上
    記油溜まりへと延びる主ポンプ手段用のベント手段であ
    って、主ポンプ手段中に吸入される冷媒を排出するベン
    ト手段、 を備えた 冷媒圧縮機。
  26. 【請求項26】 前記主ポンプ手段が前記駆動軸に対し
    連動連結してあるインペラーを備えており、前記ベント
    手段が、該インペラー中に設けられた複数の軸線方向通
    路を備えている請求項25の冷媒圧縮機。
  27. 【請求項27】 前記軸受手段が、それぞれ上部軸受箱
    及び下部軸受箱中に配置された上部軸受及び下部軸受を
    含んでおり、前記インペラーが上記下部軸受箱内で回転
    可能に支持されていて、前記ベント手段が、前記した複
    数の軸線方向通路と前記油溜まり間を連通させるように
    上記下部軸受箱中に設けてあるベント通路を備えている
    請求項26の冷媒圧縮機。
  28. 【請求項28】 前記ベント手段が前記下部軸受箱中に
    設けられ前記インペラーと重なり合う環状室を含んでお
    り、前記した複数の軸線方向通路を該環状室内に開口さ
    せると共に、前記ベント通路を該環状室から前記油溜ま
    りへと延びるものに形成してある請求項27の冷媒圧縮
    機。
  29. 【請求項29】 前記インペラーが環状の入口室及びこ
    の入口室から外向きに延びる、周方向で互に隔てられた
    複数個のポンプ通路を含んでおり、前記した複数の軸線
    方向通路をそれぞれ上記した複数個のポンプ通路内に、
    各ポンプ通路の上記入口室に対する境目附近で開口させ
    てある請求項27の冷媒圧縮機。
  30. 【請求項30】 前記した複数個のポンプ通路がそれぞ
    れ、下流側の流路断面積を増大させる段部を含んでいる
    請求項29の冷媒圧縮機。
  31. 【請求項31】 前記油溜まり内にフィルター手段を、
    このフィルター手段により潤滑油中の異物粒子の前記主
    ポンプ手段による吸込みが阻止されるように配設してあ
    る請求項25の冷媒圧縮機。
  32. 【請求項32】 前記主ポンプ手段を下部軸受箱内に配
    置してあり、前記フ ィルター手段を、主ポンプ手段の入
    口を取り囲むようにして上記下部軸受箱と前記外殻間に
    配設してある請求項31の冷媒圧縮機。
  33. 【請求項33】 前記駆動軸中に前記通路手段から冷媒
    を排出する絞りベント通路を駆動軸の両端間の中間位置
    で、通路手段から駆動軸外面にまで延出させて設けてあ
    る請求項25の冷媒圧縮機。
  34. 【請求項34】 前記絞りベント通路に前記通路手段内
    に開口する第1の部分、及びこの第1の部分よりも大き
    な径を有し前記駆動軸の外面にまで延びた第2の部分を
    設けてある請求項33の冷媒圧縮機。
  35. 【請求項35】 前記駆動軸が、前記軸受手段に対し潤
    滑油を供給するための油出口通路と軸線方向に長い平坦
    面とを備えており、上記油出口通路を上記平坦面で駆動
    軸外に開口させると共に該平坦面を前記軸受手段に沿っ
    て軸線方向に延びるものに形成して、軸受手段の軸線方
    向長さの全体にわたり潤滑油が分配されるように構成し
    てある請求項33の冷媒圧縮機。
  36. 【請求項36】 前記平坦面が前記油出口通路の開口端
    から上方向きに延びる第1の部分と下方向きに延びる第
    2の部分とを含んでおり、このうち第1の部分を第2の
    部分よりも周方向での幅を大きくして、該第1の部分に
    より前記駆動軸と前記軸受手段間の領域から冷媒を排出
    させるように構成してある請求項35の冷媒圧縮機。
  37. 【請求項37】 前記油溜まり内にフィルター手段を、
    このフィルター手段により潤滑油中の異物粒子の前記主
    ポンプ手段による吸込みが阻止されるようにして配設し
    てある請求項33の冷媒圧縮機。
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